JPH05286338A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH05286338A
JPH05286338A JP9264892A JP9264892A JPH05286338A JP H05286338 A JPH05286338 A JP H05286338A JP 9264892 A JP9264892 A JP 9264892A JP 9264892 A JP9264892 A JP 9264892A JP H05286338 A JPH05286338 A JP H05286338A
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air
air conditioning
tsetr
tsetl
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Katsuhiko Sagawa
克彦 寒川
Yuichi Kajino
祐一 梶野
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Yuji Honda
祐次 本田
Yuji Ito
裕司 伊藤
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 隣接する複数の空調ゾーンの独立温度制御を
行う車両用空調装置において、定常状態にはそれぞれの
空調ゾーンを各設定温度近傍の温度で制御し、設定温度
の変更時に、設定温度を変更しない側の空調ゾーンの吹
出風の温度の急変を防ぐことのできる車両用空調装置を
提供することを目的とする。 【構成】 目標吹出温度TAOr 、TAOl の演算式に
おいて、他の空調ゾーンから受ける熱影響分を、準設定
温度Tsetr' 、Tsetl' のそれぞれの温度差により補正
する。この準設定温度Tsetr' 、Tsetl' は、設定温度
Tsetr、Tsetlを変更すると変更前の設定温度から変更
後の設定温度まで徐々に変化する。従って、各々の目標
吹出温度TAOr 、TAOl も設定温度変更後に徐々に
変化していく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調装置に関し、特に
各空調ゾーン毎に室内を空調する独立温度制御を行う空
調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、室内の異なる2つの空調ゾー
ンを独立して制御する空調装置として車両用空調装置が
ある。2つの空調ゾーンに対して異なった温度調節を行
う際には、一方の空調ゾーンの吹出風が、その空調ゾー
ンのみならず他方の空調ゾーンにも影響を与えてしま
い、その結果双方の空調温度が設定温度に対してズレを
生じるおそれがある。そこで、他方の吹出風の影響によ
る空調ゾーン内の温度のズレを考慮するために、特公昭
63−29642号公報に開示される如く、それぞれの
空調ゾーン毎に車室内の設定温度を設定して、その空調
ゾーンの設定温度と、車室外の温度や車室内の温度等の
周辺温度と、その空調ゾーンの設定温度と他方の空調ゾ
ーンの設定温度との温度差に基づいて、空調装置がそれ
ぞれの空調ゾーンに吹き出す吹出風の目標吹出温度を演
算するものがある。例えば、次の数式に示すように、運
転席側の目標吹出温度TAOr と、助手席側の目標吹出
温度TAOl を演算する。
【0003】
【数1】TAOr =Kset ×Tsetr−Kr ×Tr −Kam
×Tam−Ks ×Ts +Kd(Tsetr−Tsetl)+C
【0004】
【数2】TAOl =Kset ×Tsetl−Kr ×Tr −Kam
×Tam−Ks ×Ts +Kd(Tsetl−Tsetr)+C 但し、Tsetr、Tsetl、Tr 、TamおよびTs は、それ
ぞれ運転席側の設定温度、助手席側の設定温度、車室内
温度、外気温度、日射量を表し、また、Kset、Kr 、
Kam、Ks 、Kdはそれぞれ温度設定ゲイン、内気温ゲイ
ン、外気温ゲイン、日射量ゲイン、温度差ゲインを表
し、Cは補正係数を表す。
【0005】上記の如く、それぞれの設定温度の温度差
により他方側の空調ゾーンの温度を考慮することで、各
空調ゾーンを設定温度に保つことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の車両用空調
装置によると、上記目標吹出温度の演算式がそれぞれの
設定温度の温度差の項を含むために、助手席側の設定温
度Tsetlを変更しなくても運転席側の設定温度Tsetrが
変更されれば、運転席側の目標吹出温度TAOrのみな
らず、助手席側の目標吹出温度TAOl も変更される。
【0007】しかしながら、図4の設定温度と目標吹出
温度との関係図に示すように、運転席側の設定温度Tse
trを変更した時に、運転席側の目標吹出温度TAOr の
みならず設定温度を変更させていない助手席側の目標吹
出温度TAOl も急変するために、助手席の乗員に不快
感を与えることがあるという問題がある。
【0008】そこで、本発明は、設定温度の変更時に、
設定温度の変更を行わない側の空調ゾーンの吹出風の温
度の急変を防ぎ、且つ設定温度を変更させていない定常
状態ではそれぞれの空調ゾーンを設定温度近傍の温度で
制御することのできる空調装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、室内の隣接する第1の空調ゾーン及び第2
の空調ゾーンの設定温度を個別に設定し、一方の空調ゾ
ーンの設定温度、他方の空調ゾーンの設定温度、室内の
温度および室外の温度に基づいて一方の空調ゾーンの温
度を制御する空調装置において、前記第1、第2の空調
ゾーン内の設定温度をそれぞれ設定する第1、第2の温
度設定手段と、室内の温度と室外の温度を検出する温度
情報検出手段と、前記第1の温度設定手段により第1の
設定温度を変更した時には、変更前の第1の設定温度か
ら変更後の第1の設定温度までの間の温度である仮温度
を算出する算出手段と、前記第2の温度設定手段により
設定された設定温度、前記温度情報検出手段で検出され
た温度情報、および前記算出手段で算出された仮温度に
基づいて第2の空調ゾーンに送風する目標吹出温度を演
算する演算手段と、前記演算手段で演算された目標吹出
温度に基づき、前記第2の空調ゾーンへ供給する空気の
温度を調整する温度調整手段と、を備え、前記演算手段
は、変更前の設定温度側の仮温度から変更後の設定温度
側の仮温度までを順次用いて前記目標吹出温度を演算す
る空調装置を採用するものである。
【0010】
【作用および発明の効果】上記構成よりなる本発明の空
調装置によれば、隣接する第1の空調ゾーン及び第2の
空調ゾーンの設定温度を個別に設定し、一方の空調ゾー
ンの設定温度、他方の空調ゾーンの設定温度、室内の温
度および室外の温度に基づいて一方の空調ゾーンの温度
を制御している空調装置において、第1の設定温度の変
更時には、算出手段により、変更前の第1の設定温度と
変更後の第1の設定温度までの間の温度である仮温度を
算出する。そして、演算手段により、第2の設定温度、
温度情報、及び仮温度に基づいて第2の空調ゾーンに送
風する目標吹出温度を演算する。この演算を繰り返す毎
に、変更前の設定温度側の仮温度から変更後の設定温度
側の仮温度までを順次用いて演算することで、第2の空
調ゾーンに送風する目標吹出温度が徐々に変化してい
く。
【0011】第1の設定温度の変更時には、演算を繰り
返すごとに第2の目標吹出温度が徐々に変化していくの
で、第2の温度調節手段により供給される空気の温度も
徐々に変化し、急変することが無い。
【0012】従って、一方の設定温度を変更させた時
に、設定温度を変更させていない側の他方の空調ゾーン
へ供給する空気の温度が急変せず、自然な温度変化によ
り空調制御を行うことができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の空調装置を車両用空調装置に
用いた一実施例について図面と共に説明する。
【0014】図1、図2は、運転席側と助手席側の温度
を独立して制御する車両用空調装置とその制御系の一例
を示す概略構成図である。この空調装置10は、図1に
示すように、車両に装備したエアダクト11を有してお
り、このエアダクト11内には、その上流から下流にか
けて、内外気切換ダンパ12、送風ブロワ13、エバポ
レータ14、及びヒータコア15が配設されている。ヒ
ータコア15の下流は仕切壁16により運転席側空調系
17と助手席側空調系18に区画されている。
【0015】内外気切換ダンパ12は、エアダクト11
内にその導入口291から外気を流入させ、或いはエア
ダクト11内にその導入口292を介し当該車両の車室
内の内気を流入させ、又は両導入口291、292から
外気および内気の双方をエアダクト11内に流入させ
る。ブロワ13は、導入口291からの外気および導入
口292からの内気のうち少なくとも一方を空気流とし
てエバポレータ14に向けて送風する。エバポレータ1
4は、空調装置10の冷凍サイクル(省図示)の作動に
応じて循環する冷媒によりブロワ13からの空気流を冷
却する。ヒータコア15は、当該車両のエンジン冷却水
が流入し、エバポレータ14により冷却された空気流を
加熱する。
【0016】ヒータコア15の上流側には、運転席側空
調系17と助手席側空調系18のそれぞれの吹出風の温
度を調節する運転席側エアミックスダンパ19、助手席
側エアミックスダンパ20が付設されている。また、運
転席側空調系17と助手席側空調系18の下流には、車
両乗員の足元に向けて吹き出すフット吹出口211、2
12、車両乗員の顔や胸元に向けて吹き出すセンタおよ
びサイドフェイス吹出口221、222、223、22
4、および車室内の上方に向けて吹き出すデフロスタ吹
出口23が設けられ、これら吹出口への吹き出しを切り
替える吹出口切換ダンパ24、25、26、27、28
がそれぞれ配設してある。
【0017】図2の空調装置の制御系に示すように、演
算処理装置(ECU)30には運転席側および助手席側
の温度設定器31、32、車室内の温度(内気温度)T
r を検出する内気温センサ33、外気温度Tamを検出す
る外気温センサ34、車室内に侵入する日射量Ts を検
出する日射センサ35、エバポレータ14からの冷気の
温度(出口温度)Te を検出する出口温センサ36、エ
ンジン冷却水の温度を検出する冷却水温センサ37が入
力接続されている。
【0018】ECU30は、これら各センサからの入力
信号に基づいて後述の手順により、送風ブロワ13を駆
動するモータコントローラ38、運転席側と助手席側の
それぞれのエアミックスダンパ19、20を駆動するサ
ーボモータ39、40、内外気切換ダンパ12を駆動す
るサーボモータ41、運転席側の吹出口切換ダンパ2
4、26を駆動するサーボモータ42、助手席側の吹出
口切換ダンパ25、26を駆動するサーボモータ43、
およびデフロスタ吹出口切換ダンパ28を駆動するサー
ボモータ44に駆動信号を出力する。また、ECU30
は、当該車両のイグニッションスイッチ(図示省)のO
N時にバッテリ(図示省)から給電されて作動状態にな
り、この空調装置の作動を開始させるスイッチのON時
にECU30内に記憶されたコンピュータプログラムの
実行を開始する。
【0019】以下、このECU30が実行する空調制御
について、図5に示すフローチャートに沿って説明す
る。図5に示す如く空調装置の自動制御処理をステップ
100にて開始すると、まずステップ110にて、エア
コンスイッチON時の運転席側の設定温度Tsetr、助手
席側の設定温度Tsetlを読み込み、それぞれ設定温度T
setr、Tsetlに準ずる温度である準設定温度Tsetr' 、
Tsetl' に代入する初期化の処理を行う。
【0020】次にステップ120では、車両乗員がセッ
トした設定温度Tsetr、Tsetlと、内気温センサ33、
外気温センサ34、日射センサ35、出口温センサ3
6、冷却水温センサ37の各種センサにて検出された内
気温度Tr 、外気温度Tam、日射量Ts 、出口温Te 、
冷却水温Tw を読み込む。
【0021】ステップ130では、最初にこのステップ
130にて制御する際には、ステップ120で読み込ま
れた設定温度Tsetr、Tsetlと、ステップ110にて代
入された準設定温度Tsetr' 、Tsetl' に基づいて、次
の数式により、目標吹出温度TAOr 、TAOl の演算
に必要な準設定温度Tsetr' 、Tsetl' を新たに算出す
る。
【0022】このフローに従った制御の2回目以降にこ
のステップ130で制御する際には、それぞれのフロー
を行う際のステップ120で読み込まれた設定温度Tse
tr、Tsetlと、前回のフローにてステップ130で算出
された準設定温度Tsetr' 、Tsetl' に基づいて、次の
数式により、目標吹出温度TAOr 、TAOl の演算に
必要な準設定温度Tsetr' 、Tsetl' を新たに算出す
る。
【0023】
【数3】 Tsetr' ={(Tsetr+(α−1)Tsetr' }/α
【0024】
【数4】 Tsetl' ={(Tsetl+(α−1)Tsetl' }/α ただし、αは補正定数を表し、本実施例ではαに10を
用いる。
【0025】設定温度Tsetr、Tsetlを車両乗員が変更
しない間は、ステップ120で読み込んだ設定温度Tse
tr、Tsetlと前回の準設定温度Tsetr' 、Tsetl' が等
しい定常状態となり、上記数式により新たに準設定温度
Tsetr' 、Tsetl' を算出しても、設定温度Tsetr、T
setlや、前回の準設定温度Tsetr' 、Tsetl' と等しく
なる。
【0026】次に、設定温度Tsetr、Tsetlの値を車両
乗員が変更させた際について説明する。ステップ120
で読み込んだ設定温度Tsetr、Tsetlの少なくとも一方
が、前回の設定温度Tsetr、Tsetlから変更された際
に、上記数式に従って新たに準設定温度Tsetr' 、Tse
tl' を算出すると、変更した側の設定温度Tsetr、Tse
tlに対応する側の準設定温度Tsetr' 、Tsetl' が、設
定温度Tsetr、Tsetlと同温度になるのではなく、前回
の準設定温度Tsetr' 、Tsetl' よりも少し変更後の設
定温度Tsetr、Tsetlに近づいた値になる。
【0027】ステップ140〜200の制御を行い、次
にステップ130にて準設定温度Tsetr' 、Tsetl' を
算出するときには、フローチャートに従った前回の制御
中にステップ130にて算出された準設定温度Tsetr'
、Tsetl' を用いるので、前回に算出された準設定温
度Tsetr' 、Tsetl' よりも変更後の設定温度Tsetr、
Tsetlに更に近づいた値になる。
【0028】このように設定温度Tsetr、Tsetlの変更
時には、フローチャートにおけるステップ130を繰り
返すごとに、準設定温度Tsetr' 、Tsetl' が新しい設
定温度Tsetr、Tsetlに徐々に近づいていき、準設定温
度Tsetr' 、Tsetl' は新しい設定温度Tsetr、Tsetl
と等しくなる。
【0029】例えば、図3に示すように、運転席側の設
定温度Tsetrと準設定温度Tsetr'の値が共に25°C
である時に、時間T1 において運転席側の設定温度Tse
trを25°Cから28°Cに変更すると、このフローチ
ャートにおけるステップ130を繰り返す毎に準設定温
度Tsetr' の値は25°Cから25.3°C、25.6
°Cと徐々に変化していき、設定温度Tsetrと同値の2
8°Cまで変化する。このようにして、設定温度Tsetr
が変更した時にはフローチャートのステップ130を繰
り返すごとに準設定温度Tsetr' が徐々に変化し、この
準設定温度Tsetr' が設定温度Tsetrまで変更するのに
遅延を持たせることができる。ただし、この時の準設定
温度Tsetr' の遅延の持たせ方は、補正定数αの値の大
小により決まる。
【0030】次に、ステップ140では、ステップ12
0およびステップ130にて演算、入力された設定温度
Tsetr、Tsetl、内気温度Tr 、外気温度Tam、日射量
Ts、準設定温度Tsetr' 、Tsetl' に応じて、以下の
数式により運転席側および助手席側の各空調ゾーンに吹
き出す吹出風の目標吹出温度TAOr 、TAOl を演算
する。
【0031】
【数5】TAOr =Kset ×Tsetr−Kr ×Tr −Kam
×Tam−Ks ×Ts +Kd(Tsetr' −Tsetl' )+C
【0032】
【数6】TAOl =Kset ×Tsetl−Kr ×Tr −Kam
×Tam−Ks ×Ts +Kd(Tsetl' −Tsetr' )+C 但し、上記の数式において、Kset 、Kr 、Kam、Ks
およびKdは、温度設定ゲイン、内気温ゲイン、外気温ゲ
イン、日射量ゲイン、温度差ゲインをそれぞれ表し、C
は補正係数を表す。
【0033】設定温度Tsetr、Tsetlが変更せず、この
設定温度Tsetr、Tsetlと準設定温度Tsetr' 、Tset
l' が等しい定常状態においては、ステップ130で算
出する準設定温度Tsetr' 、Tsetl' がそれぞれ設定温
度Tsetr、Tsetlに等しいので、上記目標吹出温度TA
Or 、TAOl の演算式の数5、数6は、それぞれ従来
の目標吹出温度の演算式である数1、数2と同等の数式
となる。従って、定常状態においては、従来と同様に目
標吹出温度TAOr 、TAOl を算出することができ
る。 上記数式では、準設定温度Tsetr' 、Tsetl' の
差の項を含むので、準設定温度Tsetr' 、Tsetl' の何
れか一方のみでも変化すると、双方の目標吹出温度TA
Or 、TAOl の値が変化する。
【0034】また、設定温度Tsetr、Tsetlの少なくと
も一方が変更された時には、ステップ130で演算され
た準設定温度Tsetr' 、Tsetl' が、フローチャートに
従ってステップ130を繰り返すごとに徐々に変更後の
設定温度Tsetr、Tsetlまで変化するので、目標吹出温
度TAOr 、TAOl も徐々に変化する。
【0035】図3に示すように、内気温度Tr 、外気温
度Tam、日射量Ts がある環境条件下において、設定温
度Tsetr、Tsetlが25°Cの時に、それぞれの目標吹
出温度TAOr 、TAOl が20°Cであったとする。
この時に時間T1 において、助手席側の設定温度Tsetl
を25°Cのまま変化させず、運転席側の設定温度Tse
trのみを28°Cに変化させると、運転席側の目標吹出
温度TAOr は、先ず設定温度Tsetrが変化した分が変
化し、ステップ130で求める運転席側の準設定温度T
setr' がフローチャートを繰り返す毎に徐々に変化して
いくのに伴い、徐々に変化していく。
【0036】この時、助手席側の目標吹出温度TAOl
も、運転席側の準設定温度Tsetr'がフローチャートを
繰り返すごとに徐々に変化するので数6で算出する準設
定温度Tsetr' 、Tsetl' の温度差が変化し、それに伴
って徐々に変化していく。
【0037】そして、準設定温度Tsetr' がその時の設
定温度Tsetrまで変化して定常状態になると、運転席側
および助手席側の目標吹出温度TAOr 、TAOl がそ
れぞれ20°Cから、50°C、11°Cとなり、運転
席側と助手席側の空調ゾーンでの温度差を保ち、各空調
ゾーン毎の温調制御を行うことができる。但し、この時
の温度差ゲインKdは3.0とする。
【0038】しかし、図4に示すように、従来から用い
られる数1、数2の演算式により目標吹出温度TAOr
、TAOl を演算すると、上記と同様の環境条件下に
おいて、時間t1 に運転席側の設定温度Tsetrが25°
Cから28°Cに変化すると、設定温度Tsetr、Tsetl
のそれぞれの温度の温度差がそのまま反映されるため
に、設定温度Tsetr、Tsetlの変更直後に目標吹出温度
TAOr 、TAOl が急変し、それぞれが50°C、1
1°Cになる。このように設定温度Tsetlを変更させて
いない助手席側の目標吹出温度TAOl も、運転席側の
設定温度TAOr の変更直後に変更されていた。
【0039】本発明の演算式によると、この様に設定温
度Tsetlを変化させていない助手席側の目標吹出温度T
AOl が急変せず、助手席側の乗員に不快感を与えるこ
とが無くなる。また、定常状態の時には、運転席側と助
手席側の間の所望の温度差を得ることができる。
【0040】上述のようにステップ140における演算
処理が終了すると、ECU30が、ステップ150に
て、運転席側の目標吹出温度TAOr と助手席側の目標
吹出温度TAOl の平均値を求める。この平均値とブロ
ワ電圧との関係(図6参照)に基づいて、ブロワ13を
駆動するモータコントローラ38の制御電圧を決定す
る。
【0041】ステップ160では、目標吹出温度TAO
r 、TAOl と車室内へ吹き出す空気流の吹出モードと
の関係を表す吹出モードパターンデータ(図7参照)に
基づき、ステップ140で演算した目標吹出温度TAO
r 、TAOl に応じて、吹出モードをフットモード、バ
イレベルモード、フェイスモードのいずれかに決定す
る。
【0042】ステップ170では、ステップ140で演
算された運転席側、助手席側の目標吹出温度TAOr 、
TAOl と、ステップ120にて読み込んだ出口温Te
、冷却水温Tw とに基づき、各吹出口から吹き出す吹
出温度を目標吹出温度TAOr、TAOl に制御するの
に必要な運転席側、助手席側のエアミックスダンパ1
9、20の開度SWr 、SWl を、それぞれ次の数式に
従って求める。
【0043】
【数7】 SWr ={(TAOr −Te )/(Tw −Te )}×100(%)
【0044】
【数8】 SWl ={(TAOl −Te )/(Tw −Te )}×100(%) ステップ180では、ステップ150で決定した制御電
圧をモータコントローラ38に出力する。ステップ19
0では、エアミックスダンパ19、20の開度をステッ
プ170で求められたそれぞれの開度SWr 、SWl に
制御するためにサーボモータ39、40を駆動制御す
る。ステップ200では、ステップ160で決定された
吹出モードに制御するために各サーボモータ42、4
3、44を駆動する。
【0045】以上説明したように、本発明の図5のフロ
ーチャートに示すサイクルを約4秒に一回の周期で繰り
返すことにより空調制御を行う。なお、本実施例では補
正定数αを10としたが、これに限らず、設定温度Tse
tr、Tsetlの一回の変化での変化幅の大きさや、その時
の目標吹出温度の温度領域により遅延期間を補正定数α
の変更により変更させることで、より乗員の好みに合っ
た空調制御を行うことが可能である。
【0046】また、本実施例では、数3〜数6の如く各
空調ゾーンに吹き出す目標吹出温度TAOr 、TAOl
を演算することにより、設定温度変更時の吹出温度の急
変を防ぎ、変更時間に遅延を持たせたが、これに限ら
ず、設定温度Tsetr、Tsetlが変更した時に、準設定温
度Tsetr' 、Tsetl' が変更前の設定温度Tsetr、Tse
tlから変更後の設定温度Tsetr、Tsetlまで複数の段階
を経て変更するもので有れば良い。
【0047】一方の設定温度、例えば、第1の設定温度
が変更した時には、変更前の第1の設定温度から変更後
の第1の設定温度までの間の仮の温度である仮温度を算
出し、この変更前の設定温度側の仮温度から変更後の設
定温度側の仮温度までを順次用いて第2の空調ゾーンの
目標吹出温度を演算する構成としても良い。
【0048】また、本実施例では、一方の設定温度が変
更した時には、第1の空調ゾーン及び第2の空調ゾーン
に送風する吹出風の第1、第2の目標吹出温度の双方と
もが徐々に変化していく例について述べたが、設定温度
を変更しない側の目標吹出温度のみを徐々に変化させ、
設定温度を変更した側の目標吹出温度は設定温度の変更
とともに瞬時に目標吹出温度を変更することで設定温度
変更側の車両乗員に対しては応答良く制御させる構成と
しても良い。
【0049】また、第1の空調ゾーンに対する仮温度の
みを設けて、第2の空調ゾーンに対する仮温度を設けず
に、第1の設定温度を変更した時の第2の空調ゾーンの
目標吹出温度のみ徐々に変化させ、第2の目標吹出温度
を変更した時の第1の空調ゾーンの目標吹出温度は、瞬
時に変化させる構成としても良い。
【0050】なお、本実施例では自動車用空調装置に用
いた例について述べたが、家庭用等の空調装置に用いて
も同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における空調装置のダクト構
成を示す概略構成図である。
【図2】空調装置の制御系の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例における設定温度と目標吹出
温度との関係図である。
【図4】従来例における設定温度と目標吹出温度との関
係図である。
【図5】図2のECUの作動を示すフローチャートであ
る。
【図6】目標吹出温度TAOr 、TAOl の平均値とブ
ロワ電圧との関係を示すグラフである。
【図7】目標吹出温度TAOr もしくはTAOl と吹出
モードとの関係を示すグラフである。
【図8】本発明の特許請求の範囲に対応する図である。
【符号の説明】
17,18 空調系 19,20 エアミックスダンパ 31,32 温度設定器 30 ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 祐次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 伊藤 裕司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内の隣接する第1の空調ゾーン及び第
    2の空調ゾーンの設定温度を個別に設定し、一方の空調
    ゾーンの設定温度、他方の空調ゾーンの設定温度、室内
    の温度および室外の温度に基づいて一方の空調ゾーンの
    温度を制御する空調装置において、 前記第1、第2の空調ゾーン内の設定温度をそれぞれ設
    定する第1、第2の温度設定手段と、 室内の温度と室外の温度を検出する温度情報検出手段
    と、 前記第1の温度設定手段により第1の設定温度を変更し
    た時には、変更前の第1の設定温度から変更後の第1の
    設定温度までの間の温度である仮温度を算出する算出手
    段と、 前記第2の温度設定手段により設定された設定温度、前
    記温度情報検出手段で検出された温度情報、および前記
    算出手段で算出された仮温度に基づいて第2の空調ゾー
    ンに送風する目標吹出温度を演算する演算手段と、 前記演算手段で演算された目標吹出温度に基づき、前記
    第2の空調ゾーンへ供給する空気の温度を調整する温度
    調整手段と、 を備え、前記演算手段は、変更前の設定温度側の仮温度
    から変更後の設定温度側の仮温度までを順次用いて前記
    目標吹出温度を演算する空調装置。
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