JPH05285693A - 2種類以上を製造可能な溶接パネル製造装置 - Google Patents

2種類以上を製造可能な溶接パネル製造装置

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JPH05285693A
JPH05285693A JP4118099A JP11809992A JPH05285693A JP H05285693 A JPH05285693 A JP H05285693A JP 4118099 A JP4118099 A JP 4118099A JP 11809992 A JP11809992 A JP 11809992A JP H05285693 A JPH05285693 A JP H05285693A
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panels
welded
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孝雄 岩井
Koichi Ikemoto
公一 池本
Taminori Yanagisawa
民紀 柳沢
Fumiaki Natsumi
文章 夏見
Toshiro Shiraki
俊郎 白木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素材パネル群を突合せ、突合せ縁に沿って溶
接用ビームを照射することによって一枚の溶接パネルを
製造する装置を、2種類以上の溶接パネルが製造できる
ように改善する。 【構成】 1つの台車に1つの種類の製造に必要な素材
パネル群と溶接治具を載置させるとともに、これら台車
を2以上設け、さらに任意の1つの台車を溶接用ビーム
の照射領域に案内可能とする。このようにすると治具交
換のための治具の搬入・搬出が素材パネル群の搬入と一
緒に行なわれることになり、複雑な装置中に治具の交換
経路を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数枚の素材パネルを
突合せた状態で溶接して1枚の溶接パネルを製造する装
置に関する。特にこの発明は、2種類以上の溶接パネル
を製造し得るように改善された溶接パネル製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用ドアパネルを一枚の素
材からプレス加工すると、窓に対応する相当に大きな面
積が廃材となってしまい材料の有効利用が図れない。そ
こで図9に例示するように、複数枚の素材パネル20
C,22C,24C,26Cを溶接治具30Cで突合
せ、突合せ縁WLに沿って溶接用ビーム(例えばレーザ
ビームLZ)を照射することによって前記素材パネル群
20C,22C,24C,26Cを溶接して一枚の溶接
パネル50Cを製造する装置が開発されている。これは
特開昭59−220229号公報に開示されている。
【0003】この技術を具現化した溶接パネル製造装置
の一例が図10に示されている。なお図9は種類Cの溶
接パネル50Cを製造する場合を示し、図10は種類D
の溶接パネル50Dを製造する例を示している。図中I
は段取部であり、パレット18D上に素材パネル20
D,22D,24D,26D,28Dのそれぞれを積層
しておく。このパレット18Dは案内レール13,15
に沿って素材投入部IIに移動される。素材投入部IIで
は、図示しない素材搬送装置によって、積層されている
素材パネルのうちの最上素材パネル20D,22D,2
4D,26D,28Dの1枚ずつが溶接治具30Dに送
りこまれる。溶接治具30Dでは、図9に例示したよう
に各素材の端縁を突合せた状態で各素材パネルを位置決
めする。図10中III は溶接部であり、レーザ発振器4
2で発振されたレーザをトーチ46を介して図9に例示
した突合せ縁WLに沿って照射する。この結果、素材パ
ネル20D,22D,24D,26D,28Dが溶接さ
れて一体化された1枚の溶接パネル50Dが製造され
る。製造された溶接パネル50Dは搬送装置53で研削
部IVに送られる。研削部IVでは回転砥石で溶接ビート部
を研削する。図示Vはパンチング部であり、突合された
素材パネル間のコーナ部(図9のXに示される)にパン
チ加工してコーナ部を滑らかに仕上げる。図10中VIは
パイリング部であり、台車86上に加工済み溶接パネル
50Dを積層し、所定枚数が積層されると案内レール8
8,90に沿って台車86を移動させて、加工済み溶接
パネル50Dを次工程に送る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】素材パネル群を溶接し
て1枚の溶接パネルを製造すると、廃材の量を著しく少
なくすることができる。しかしながら図9,10に良く
示されているように、1つの種類のために1つの製造シ
ステムが必要となり、多種類の溶接パネルを製造し得る
ようにすることが難しい。例えば図10に示す装置で、
種類Cを作ったり種類Dを作ったりすることは難しい。
【0005】図10の装置で、複数種類の溶接パネルを
製造し得るようにするためには、溶接治具30の位置決
め用ストッパや素材パネルの位置決め用シリンダの位置
を種類に合わせて移動可能とすることが考えられる。し
かしながら溶接用ビームを突合せ縁に沿って照射しよう
とすると、突合せ縁の位置が±0.1mm程度の精度にな
ければならないことから、溶接治具30中のストッパ位
置等を可変とする方式では、良好な溶接が確保されな
い。
【0006】そこで次に、例えば多種類を製造するプレ
ス加工の技術を応用して、溶接治具30を種類毎に用意
しておくとともに、ワークの送り方向と直交方向に溶接
治具を案内する手段を付設し、任意の溶接治具に交換可
能とする案が考えられる。しかしながら図10にも良く
示されているように、溶接治具30が必要とされる溶接
部III の周縁には、レーザ発振器42や、レーザ光の導
光路44や、レーザトーチ46を走査させるための機構
等が複雑に配置されており、これらと干渉しないように
溶接治具30の交換手段を付加することは極めて困難で
ある。特にレーザトーチ46が複数配置されており(図
10の例では2つのトーチ46B,46Fが配置されて
いる)、同時に複数の突合せ縁を溶接することによって
溶接スピードの向上を図る場合には、溶接部III の構造
が複雑となり、これと干渉しないように溶接治具30の
交換手段を付加することは著しく難しい。ラインの両側
にレーザ発振器が配置されていると、治具の交換経路を
確保することはほとんど不可能である。このような事情
があるために、溶接治具30を交換するアイデアは実現
が難しい。そこで本発明では上記事情のなかで、なおも
2種類以上の溶接パネルを製造し得るようにする努力の
なかで得られたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
複数枚の素材パネルを溶接治具で突合せ、突合せ縁に沿
って溶接用ビームを照射することによって、前記素材パ
ネル群で構成される1枚の溶接パネルを製造する装置に
おいて、製造する溶接パネルの種類毎に用意されている
前記溶接治具とその種類のための前記素材パネル群と
を、それぞれの種類毎に載置する少なくとも2以上の台
車と、該2以上の台車のうちの任意の1の台車を前記溶
接用ビームの照射領域に案内する手段とが付加されてい
ることによって、2種類以上の溶接パネルを製造可能な
溶接パネル製造装置を創り出した。
【0008】
【作用】本発明に係わる装置によると、1つの台車上
に、ある種類の溶接パネルを製造するために必要な溶接
治具とその種類の製造に必要な素材パネル群(例えば種
類Cの場合には20C,22C,24C,26Cの4枚
からなる素材パネル群であり、また種類Dの場合には2
0D,22D,24D,26D,28Dの5枚からなる
素材パネル群である。なおこのパネル群は図10に示さ
れるように、複数の群が積層されていてもよい。)が載
置されており、この台車が少なくとも2以上用意されて
いる。そしてそのうちの任意の1の台車が溶接用ビーム
の照射領域に案内される。このため溶接用治具は素材パ
ネル群と一緒になって溶接用ビームの照射領域に案内さ
れる。すなわち素材パネルの搬入経路と別に溶接治具の
交換経路を必要としない。このため、溶接部との干渉を
避けながら、ワークの搬入・搬出ならびに溶接治具の交
換のための治具の搬入・搬出が可能となり、一つの装置
で2種類以上の溶接パネルを製造し得ることになる。
【0009】
【実施例】次に図1〜8を参照して、本発明を具現化し
た一実施例を説明する。図1は図10に対応する装置全
体を側方から見た様子を模式的に示し、図2は平面図を
模式的に示している。なお図9,10で用いた参照荷号
がこの実施例中の同一又は均等の部材を示す参照荷号と
して用いられている。また参照数字に直接続く“A”は
種類Aのためのものであり、“B”は種類Bのためのも
のであることを示している。さらにカッコ内のRは図2
の平面図中右側に位置していることを示し、Lは左側に
位置していることを示し、Cは中央に位置していること
を示している。またFは前進側(図2の上方)に位置し
ていることを示し、Bは後進側に位置していることを示
している。また添字を省略するときは全部の種類につい
て共通の説明であることを意味するものとする。
【0010】まず、段取部Iについて説明する。段取部
Iの基板上に一対の案内レール2,4が敷設されてい
る。この案内レール2,4はワークの移送方向(図2の
上下方向)と垂直方向に伸びている。この案内レール
2,4上に自走式基台車6が走行可能に乗っている。こ
の自走式基台車6は図2の実線6(R)で示す位置と仮
想線6(L)で示す位置との間で往復動する。基台車6
上には1対の案内レール8,10と12,14の2組が
固定されている。これらの案内レール8,10と12,
14はワークの移送方向に配置されている。右側の案内
レール8,10上に右側の台車16Rが乗っている。ま
た左側の案内レール12,14に左側の台車16Lが乗
っている。この実施例の図示の状態では、右側台車16
R上に種類Aのための素材パネル群(20A,22A,
24A,26A,28A)と溶接治具30Aが載置され
ており、後述するB種類の製造の終了後に台車16Rを
用いて種類Aの製造に切換える段取りをしている状態を
示している。なお素材パネル群(20A,22A,24
A,26A,28A)はパレット18Aを介して台車1
6R上に載置されている。また素材パネル群(20A,
22A,24A,26A,28A)は図10に示したよ
うに積層されて複数群が載置されている。台車16Rは
先端側に開口17Rが設けられており、溶接治具30A
は左右両端で台車16Rに載置されている。
【0011】また左側の台車16Lには種類Bのための
素材パネル群(20B,22B,24B,26B,28
B)と溶接治具30Bが載置されている。素材パネル群
が積層されて複数群載置されていること、素材パネル群
はパレット18Bを介して載置されていること、台車1
6Lにも開口17Lがあって溶接治具30Bが左右両端
で台車16L上に載置されていること等は種類Aの場合
と同様である。なお図1によく示されているように溶接
治具30Aの上には後述の搬送ジョー32Aが載置され
ている。
【0012】搬入部IIから溶接部III にかけて、左右一
対の案内レール36.38が敷設されており、この案内
レール36,38は前記した基台車6上の案内レール
8,10と12,14のいずれとも延設可能となってい
る。基台車6が6(R)の位置にあれば案内レール1
2,14が延設し、6(L)の位置にあれば案内レール
8,10が延設する。図示の状態は基台車6が6(R)
の位置にあって案内レール36,38が案内レール1
2,14に延設し、左台車16Lが中央にあって前進し
た状態にあることを示している。これは種類Bの製造中
に対応する。
【0013】種類Bの製造が終了すると、左台車16L
は(CF)に示す位置から(CB)に示す位置に後退
し、ついで基台車6が6(R)から6(L)に移動す
る。この結果左台車16Lは16L(LB)に示す位置
に退避する。一方右台車16Rは、基台車6が6(L)
に移動したのち(CF)の位置に進出し、次に種類Aを
製造する状態に切換えられる。種類Aの製造後にも種類
Aを製造し続けるときには退避位置にある左台車16L
(LB)上に種類Aのための素材群を載置しておく。種
類Bの製造に切換えるときには種類Bのための素材パネ
ルと溶接治具と搬送ジョーを用意をしておく。さらに他
の種類に切換えられるときには他の種類の用意をしてお
く。なおこの方式にかえて、案内レール2,4を長く
し、各種類毎に台車16を用意しておいてもよい。これ
らの方式はスペースの関係で任意に選択することができ
る。
【0014】さてこれから台車16Lを溶接ビームの照
射領域に送りこんで種類Bの製造に切換える状態を想定
して次に説明をする。すなわち台車16Lが(LB)の
位置にあるときに、台車16L(LB)上に種類Bのた
めの素材パネル群20B,22B,24B,26B,2
8Bと溶接治具30Bとさらにそのうえに搬送ジョー3
2Bが載置され、その台車16Lが16L(CF)に示
す位置に移動するときから説明を始める。
【0015】素材搬入部IIの上方には門型のフレーム3
4が固定されている。台車16Lが16L(CF)に向
って前進してゆく途中で、溶接治具30B上に載置され
ていた搬送ジョー32Bはフレーム34の直下に位置す
る。この状態で台車16Lは一旦停止する。なお台車1
6も自走式である。この状態で搬送ジョー32Bはフレ
ーム34に取付けられる。フレーム34には取付けられ
た搬送ジョー32を図1の矢印31,33に動かす機構
が内蔵されている。この搬送ジョー32Bは下方に吸盤
を有し、素材パネル群20B,22B,24B,26
B,28Bの一枚ずつを吸引して上昇し、矢印33に示
すように、素材パネル群を溶接用ビームの照射領域に搬
送する。この搬送ジョー32もまた溶接パネルの種類ご
とに異なる形状の素材パネル群を搬入する必要があるこ
とから交換可能となっているのである。
【0016】さて搬送ジョー32Bの取付けが終了する
と、台車16Lはさらに前進して16L(CF)に示す
位置まで進む。図1のIII の箇所に番号48で示される
部材は溶接治具30の昇降装置であり、これは台車16
の開口17を通り抜けて溶接治具30を台車16から上
昇させることができる。溶接部III の上方には門型のフ
レーム40が固定されている。図5に良く示されている
ように、溶接治具30は上型30Uと下型30Dに分割
されている。溶接治具30(30Uと30Dの両者)が
昇降装置48によって本体フレーム40に接するまで上
昇されると、図示しないシリンダによって上型30Uは
フレーム40に固定され、下降が禁止される。すなわち
その後昇降装置48が下降すると、下型30Dのみが下
降する。前述した搬送ジョー32は図5(A) に示すよう
に、分離した上型30Uと下型30D間に侵入するので
ある。
【0017】溶接治具30は大略図3と図4に示される
ものである。図3は下型30Dを上方から見た図を示し
ており、素材パネル20のためのストッパピン302,
312,316、素材パネル22のためのストッパピン
304,306、素材パネル24のためのストッパピン
314、素材パネル26のためのストッパピン320、
素材パネル28のためのストッパピン308,310,
318等が固設されている。素材パネル20は押しユニ
ット350によってストッパピン312,316に当接
され、また押しユニット351によってストッパピン3
02に当接される。素材パネル28は押しユニット34
9によってストッパピン310,318に当接され、ま
た押しユニット347によってストッパピン308に当
接される。素材パネル22は押しユニット322によっ
て矢印324の側に押圧されてストッパピン304,3
06に当接される。素材パネル24は押しユニット32
6によって矢印328の側に押圧されてストッパピン3
14に当接される。素材パネル26は押しユニット33
0によって矢印332の側に押圧されてストッパピン3
20に当接される。
【0018】図中334は素材パネル22の下方から上
昇して素材パネル22の中央を上昇させる。図中336
は素材パネル24の下方から上昇して素材パネル24の
中央を上昇させる。図中338は素材パネル26の下方
から上昇して素材パネル26の中央を上昇させる。
【0019】図中340は素材パネル20の位置決め用
クランプ、342は素材パネル22の位置決め用クラン
プ、344は素材パネル24の位置決め用クランプ、3
46は素材パネル26の位置決め用クランプ、348は
素材パネル28の位置決め用クランプであり、上型30
Uに取付けられている。また下型30Dにはこのクラン
プに対応する位置にベースプレート399が取付けられ
ている。
【0020】上型30Uの側では、各クランプ340,
342,344,346,348がガススプリングに付
設されており、下型30Dが上昇すると素材パネルはク
ランプとベースプレートとの間で一定圧力で挟圧されて
位置決めされる。また上型30Uには、上昇ユニット3
34,336,338の両脇で各素材パネル22,2
4,26を押え付ける押付けローラ352(図4に示さ
れる)を有している。
【0021】図5(A) に示すように、搬送ジョー32は
後方に位置した状態で、パレット18上に載置されてい
る素材パネル群の積層のなかから最上位に位置している
1枚ずつの素材パネル(20,22,24,26,2
8)を真空吸引し、図5(A) のように上下に分離してい
る溶接治具中に素材パネル群を搬送する。このとき溶接
治具30中に溶接済みパネル50がすでに形成されてい
ると、その溶接済みパネル50は搬送ジョー32のアー
ム33によって図5(A) の右側に位置し、図1に示され
ているコンベア52上にパネル50を送出す。すなわち
搬送ジョー32の移動によって、新たな素材パネル群の
溶接治具中への搬入と、溶接済みパネル50の搬出が同
時に実行される。搬送ジョー32が溶接治具中に入りこ
むと真空吸引が停止されて素材パネル群は下型30D上
に置かれる。次に図5(B) に示すように昇降機48が上
昇して上型30Uと下型30Dが所定の位置関係におか
れる。
【0022】この状態で、図4のA→Gの動作が溶接治
具中で実行される。下型30Dが上昇するとまず上型3
0U側の押付けローラ352が素材パネル22,24,
26をベースプレート399に押付ける(B) 。次に上昇
ユニット334,336,338が上昇して、素材パネ
ル22,24,26の中央部を上方に湾曲させる(C)。
なおこれは各素材パネルの弾性限界内で行なう。同時に
押しユニット350,351,349,347で両サイ
ドの素材パネル20,28をストッパピン312,31
6,302,308,310,318に当接させる(C)
。これによって両サイドの素材パネル20,28の位
置決めがされる(C) 。
【0023】次に下型の上昇が進むと、位置決めされた
素材パネル20,28はクランプ340,348とベー
スプレート399に挟圧されて固定される(D) 。次に押
しユニット322,326,330が作動して素材パネ
ル22,24,26をストッパピン304,306,3
14,320に当接させる(E) 。これによって素材パネ
ル22,24,26の位置決めがなされる。次に押付け
ローラ338,352等を退避させ、素材22,24,
26の曲げを解放する(F) 。このとき両サイドパネル2
0,28とその他のパネル22,24,26の端縁はよ
く突合せられる。そしてさらに下型へ上昇が進むと素材
パネル22,24,26はクランプ342,344,3
46とベースプレート399に挟圧されて固定される
(G)。
【0024】以上のようにして溶接治具30中で素材パ
ネルの端縁が当接されると、次に図5(C) に示すよう
に、溶接トーチ46が突合せ線WLに沿って走査され溶
接工程が実行される。なお上型30Uにはこのトーチ4
6の走査を妨げないような開口が設けられている。
【0025】トーチ46は溶接パネルの種類毎に定まる
突合せ縁に沿って走査するようにプログラムされてい
る。種類が切替わると走査ルートも切換えられる。トー
チ46には磁気センサが組込まれており、この磁気セン
サで突合せ縁の位置を検出しつつ、突合せ縁を正確に倣
ってゆく。なおこの技術の詳細は特開昭59−1413
91号に開示されているものである。図1,2に示す装
置は4つのレーザ発振器42LF,42LB,42R
F,42RBを備え、4つのトーチ46LF,46L
B,46RF,46RBによって突合せ縁WLを溶接し
てゆく。このため1つのトーチによる場合に比して4倍
のスピードで溶接が行なわれる。なお各レーザ発振器4
2と各トーチ46は導光路44で結ばれている。
【0026】図5(A) と関連して先に説明したように、
素材パネル群が溶接されて溶接パネル50が製造される
と、搬送ジョー32の搬入とともに溶接パネル50はコ
ンベア52上に送り出される。なお溶接工程が終了して
下型30Dが下降している間に、下型30D内にあるリ
フター398が上昇し、溶接済みパネル50が下型30
Dから上方に持上げられる。このために搬送ジョー32
のアーム33によってパネル50はコンベア52上にス
ムースに搬出される。コンベア52は溶接パネル50を
研削部IVに送り出す。研削部IVは図1に良く示されてい
るように上方にコンベア54を有し、コンベア54は溶
接パネル50を磁気吸引して研削機55の上方に搬送
し、そこで吸引をきって溶接パネル50を研削機55中
に投入する。
【0027】図2に示されているように、研削機55中
には溶接パネル50の位置決め用シリンダ56,58,
60,62,64がそれぞれ矢印に示す方向に移動可能
となっている。これらのシリンダの前進端位置は溶接パ
ネル50の種類毎に可変となっており、各溶接パネルの
溶接縁を研削ヘッド66,68の走査線上に位置させ
る。研削ヘッド66(68も同様)は図6に示すもので
あり、ガイド664の先端にローラ666,668が回
転可能となっている。ガイド664の内側で回転砥石6
70がモータ662によって高速回転される。図6(a)
に良く示されているように、砥石670はローラ66
6,668より微少量(この実施例では0.05mm)後退し
ている。このため溶接パネル50の表面を無用に傷つけ
ることなく溶接ビードWLBを研削する。なお各研削ヘ
ッド66,68は3軸移動制御され、各種類の溶接パネ
ル毎の溶接線に沿って動くようにプログラムされてい
る。
【0028】砥石670は10mm弱の幅をもち、この幅
内で溶接ビードWLBの位置が左右にズレても良好に研
削する。このため、溶接パネル50の位置決め装置5
6,58,60,62,64は前進端位置が数値制御さ
れる程度の精査でよく、位置決め用の治具を溶接パネル
の種類ごとに交換する必要はない。
【0029】研削機55で研削された溶接パネル50は
図示しないリフトで上昇されたあと再度コンベア54に
吸引され、パンチング部Vのコンベア70に引渡され
る。パンチング部Vでは、図2に良く示されているよう
にワーク、この場合溶接パネル50の搬送方向と交差す
る方向にレール78,80が敷設されている。このレー
ル78,80に、溶接パネルの種類毎に用意されている
パンチングユニット76がのっている。図1,図2は種
類Bを製造中であるために、種類Bのためのパンチング
ユニット76Bがパンチング部Vにセットされている状
態を示している。なおこのパンチングユニット76は種
類毎に用意されているが、左右反転した形状の溶接パネ
ルに対しては共通のパンチングユニットが用い得るよう
にしてある。
【0030】各パンチングユニット76には、左右対称
パネルの双方を加工可能とするために、2組のパンチン
グヘッド72,74が組込まれており、いずれか一方の
みが作動位置となり他方は退避位置となるようにしかけ
られている。図1,図2の場合には、72の方が作動位
置にあることを示している。
【0031】コンベア70で搬送されてきた溶接パネル
50はパンチングユニット76中に投入され、研削機5
5とほぼ同様にして位置決めされる。なおここでパンチ
ングユニット76は種類ごとに用意されているから、正
確な位置決めがなされる。位置決めが終了すると、図7
に示す油圧シリンダ722によってポンチ724がダイ
ス726の側に向けて進出し、溶接パネル50の突出端
部が滑らかに切りとられる。なお図8は種類Eの溶接パ
ネル50Eがパンチングヘッド72EによってX1〜X
5に示すコーナ部が滑らかに切り落された例を示してい
る。パンチングヘッド74Bは対称線CLを挟んだ対称
位置にパンチング加工するため、左右対称の溶接パネル
は1つのパンチングユニットで加工可能である。
【0032】パンチングユニット76で突出端部が切落
された溶接パネル50は図示しないリフトで上昇され再
度コンベア70に吸引されて次のコンベア82に引渡さ
れる。パイリング部VIには一対の台車走行用レール8
8,90が敷設されており、ここに台車86が走行可能
となっている。台車86の4周には壁84が立設してお
り、この中に加工済み溶接パネル50がパイルアップさ
れてゆく。所定数パイルアップされると台車86は次行
程に向けて走行し、次の空台車がパイリング部に走行し
てくる。なおこれに代えて2台の台車を交互に利用する
ようにしてもよい。
【0033】前記したところから明らかなように、搬送
ジョー32と溶接治具30と素材パネル群20,22,
24,26,28とパンチングユニット76は、製造す
る溶接パネルの種類に応じて固有なものが用いられる。
また溶接トーチ46、研削機の位置決め56,58,6
0,62,64と研削ヘッド66,68は種類毎に異な
るプログラムによって制御される。すなわち溶接のため
の素材パネル群の位置合わせや、パンチングのための溶
接パネルの位置合わせといった高精度を必要とするもの
は治具ごと交換することによって必要な精度を確保する
一方、研削時の溶接パネルの位置合わせといった比較的
粗精度でよいものは、ストッパ位置を数値制御すること
によって種類への対応が可能となっている。
【0034】また搬送ジョー32は、吸盤位置を移動さ
せることによって各種類に対応することも可能であろう
が、ジョー毎交換することによってジョーの構造の単純
化が図られている。またジョー毎交換することによっ
て、素材パネル群の枚数が異なる種類への対応も可能と
している。
【0035】本実施例ではレール2,4上を走行する基
台車6と、基台車6上のレール8,10や12,14に
延長するレール36,38によって、任意の台車を溶接
用ビームの照射領域に案内する手段が構成されている。
しかしながらこれは一実施例にすぎず、他に様々な態様
で任意の台車16を溶接用ビームの照射領域に案内する
ことは可能である。
【0036】
【発明の効果】さて本発明によると、治具ごと交換しな
いと必要な精度が維持できない溶接治具が素材パネル群
の搬入と同時に溶接用ビームの照射領域に案内されるこ
とから、周縁に多様な装置が配置されていて通常なら治
具の交換ができない溶接用ビームの照射領域で用いられ
る溶接治具の交換が可能となっている。このため本発明
によって初めて2種類以上の溶接パネルを製造し得るこ
とになる。この発明によると一つの装置で2品種以上を
製造することが可能となり、生産効率が大きく向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係わる装置を側方から見た状態を模
式的に示す図
【図2】一実施例に係わる装置を上方から見た状態を模
式的に示す図
【図3】溶接治具の下型を上方から見た状態を模式的に
示す図
【図4】溶接治具によって位置決めされる様子を示す図
【図5】溶接治具の動きの1サイクルを示す図
【図6】研削ヘッドの詳細を示す図
【図7】パンチング部の詳細を示す図
【図8】パンチング箇所を示す図
【図9】従来例を示す図
【図10】従来装置を斜視する図
【符号の説明】
20,22,24,26,28 ;素材パネル群 30 ;溶接治具 III ;溶接用ビーム照射部(溶接
部) 50 ;溶接パネル 16L,16R ;2台の台車 2,4,6,8,10,12,14,36,38;案内手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 37/04 J 7011−4E (72)発明者 夏見 文章 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 白木 俊郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の素材パネルを溶接治具で突合
    せ、突合せ縁に沿って溶接用ビームを照射することによ
    って、前記素材パネル群で構成される1枚の溶接パネル
    を製造する装置において、 製造する溶接パネルの種類毎に用意されている前記溶接
    治具と、その種類のための前記素材パネル群とを、それ
    ぞれの種類毎に載置する少なくとも2以上の台車と、 該2以上の台車のうちの任意の1の台車を前記溶接用ビ
    ームの照射領域に案内する手段、とが付加されているこ
    とによって2種類以上の溶接パネルを製造可能な溶接パ
    ネル製造装置。
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