JPH0527370A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0527370A
JPH0527370A JP20462891A JP20462891A JPH0527370A JP H0527370 A JPH0527370 A JP H0527370A JP 20462891 A JP20462891 A JP 20462891A JP 20462891 A JP20462891 A JP 20462891A JP H0527370 A JPH0527370 A JP H0527370A
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JP
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layer
silver halide
dye
group
sensitive material
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JP20462891A
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English (en)
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Yukio Karino
幸生 雁野
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】固体微粒子状に分散した染料を用いた感光材料
の長期保存性を改良したハロゲン化銀写真感光材料を提
供する。 【構成】固体微粒子状染料分散物、親水性コロイドに対
し3000 ppm以上の二価以上の金属イオンを含む親水
性コロイド層を有し、かつ染料分散物含有層の親水性コ
ロイド量が0.6〜3g/m2であるハロゲン化銀写真感
光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、特に感材層中に良好に含有せしめられ、かつ
現像処理により残色汚染を生じないように脱色されうる
新規な光吸収化合物を含む層を少くとも一層有するハロ
ゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料におい
ては、感度調節、セーフライト安全性の向上、光の色温
度調節、ハレーション防止、あるいは多層カラー感光材
料での感度バランスの調節などの目的で、特定の波長の
光を吸収させるべく、ハロゲン化銀乳剤層又はその他の
親水性コロイド層に光吸収化合物を含ませることは、従
来から行われてきている。例えば、ハロゲン化銀写真感
光材料は、支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層などの
親水性コロイド層を形成してなるが、該感光性ハロゲン
化銀乳剤層に画像を記録するために像様露光を行う場
合、写真感度を向上させるため該ハロゲン化銀乳剤層に
入射する光の分光組成を制御することが必要となる。こ
のような場合、普通、前記感光性ハロゲン化銀乳剤層よ
りも支持体から遠い側に存在する親水性コロイド層に前
記ハロゲン化銀乳剤層が不要とする波長域の光を吸収し
うる染料を含有させてフィルター層とし、目的とする波
長域の光のみを透過させる方法が用いられる。
【0003】またハレーション防止層に関しては、画像
の鮮鋭度を改良する目的で、感光性乳剤層と支持体との
間に、あるいは支持体の裏面にハレーション防止層を設
けて、乳剤層と支持体との界面や支持体背面での有害な
反射光を吸収せしめて画像の鮮鋭性を向上させている。
さらに、ハロゲン化銀乳剤層には画像の鮮鋭度を上げる
目的でハロゲン化銀が感光する波長域の光を吸収しうる
染料をイラジエーション防止の目的で用いることがあ
る。特に、写真製版工程に用いられるハロゲン化銀写真
感光材料、より詳しくは明室用感光材料は、セーフライ
ト光に対する安全性を高めるため、UV光や可視光を吸
収する染料を感光層もしくは、光源と感光層との間の層
に添加される。さらにX線感光材料においては、クロス
オーバー光を減少させるようなクロスオーバーカットフ
ィルターとして、鮮鋭度向上のための着色層を設けるこ
ともある。
【0004】これらの着色すべき層は、親水性コロイド
から成る場合が多くしたがってその着色のためには通
常、染料を層中に含有させる。この染料は下記のような
条件を満足することが必要である。 (1) 使用目的に応じた適正な分光吸収を有すること。 (2) 写真化学的に不活性であること。つまりハロゲン化
銀写真乳剤層の性能に化学的な意味での悪影響、たとえ
ば感度の低下、潜像退行、あるいはカブリを与えないこ
と。 (3) 写真処理過程において脱色されるが、溶解除去され
て、処理後の写真感光材料上に有害な着色を残さないこ
と。 (4) 塗布液(溶液)中あるいはハロゲン化銀写真感光材
料中での経時安定性に優れ、変質しないこと。 などの諸条件を満足しなければならない。これらの条件
をみたす染料を見出すために多くの努力がなされてき
た。例えば英国特許第506,385号に記載されたピ
ラゾロンオキソノール染料、米国特許第3,247,1
27号に記載されたバルビツール酸オキソノール染料、
米国特許第2,390,707号に記載されたアゾ染
料、米国特許第2,255,077号に記載されたスチ
リル染料、英国特許第584,609号に記載されたヘ
ミオキソノール染料、米国特許第2,493,747号
に記載されたメロシアニン染料、米国特許第2,84
3,486号に記載されたシアニン染料、米国特許第
4,420,555号に記載されたメチレン型ベンジリ
デン染料などがあげられる。
【0005】上記の染料を含有する層がフィルター層、
ハレーション防止層として機能する場合には、その層が
選択的に着色されそれ以外の層に着色が実質的に及ばな
いようにすることが必要である。なぜなら、他の層をも
実質的に着色すると、他の層に対して有害な分光的効果
を及ぼすだけでなくフィルター層、ハレーション防止層
としての効果も減殺されるからである。またイラジエー
ション防止の目的で、ある特定層に加えた染料が拡散
し、他の層も着色すると前記と同様な問題が生じる。こ
の問題を解決する方法として従来よりスルホ基やカルボ
キシル基を有するいわゆる酸性染料を媒染剤を用いて特
定の層に局在化させる方法や、特開昭56−12639
号、同55−155350号、同55−155351
号、同52−92716号、同63−197943号、
同63−27838号、同64−40827号、ヨーロ
ッパ特許0015601B1号、同0276566A1
号、国際出願公開88/04794号に開示されている
ように染料を分散固体で存在させることが知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の染料
の分散物として使用される染料の多くはカルボキシル基
の解離の水素イオン濃度(pH)依存性によって、固定
と脱色の制御をしているものである。pH6以下におい
て実質的に水不溶性であるとはいえ、ハロゲン化銀写真
感光材料中において固定が十分に行なわれずに他の層に
拡散したり、保存中に解離溶解が進み、色相が変化した
り他の層に拡散することがおこり問題となっていた。他
の層へ拡散した場合には、フィルター減感をおこした
り、ハロゲン化銀粒子に吸着するなどにより写真的悪作
用を及ぼす場合があることが知られている。特に特開昭
52−92716号や特開昭64−40827号などに
開示されている前記の一般式に表わされるピラゾロンオ
キソノール染料において悪作用が認められていた。
【0007】本発明の目的は第一に、所望の親水性コロ
イド層のみが染料によって充分選択的に染色され、しか
も写真処理(とくに低pH迅速処理)により脱色性のす
ぐれた親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光
材料を提供することである。本発明の目的は第二に、写
真処理によって不可逆的に脱色される染料によって親水
性コロイド層が着色され、しかも保存安定性にすぐれた
ハロゲン化銀写真感光材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記問題点を
解決するため検討した結果、支持体上に少なくとも1つ
の感光性ハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の染料の
固体粒子状分散物を含む親水性コロイド層を有するハロ
ゲン化銀写真感光材料において、該支持体に対し該染料
分散物を含む層側の親水性コロイド層中に、少なくとも
3000ppm以上の多価金属イオンを含有することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料によって達成され
ることを見出した。本発明における固体粒子状分散物と
して使用される染料は国際特許WO88/04794号
の表I〜表X、以下に示す一般式(I)〜(VII)、及び
その他が用いられる。
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】(式中、A及びA′は同じでも異なってい
てもよく、各々酸性核を表し、Bは塩基性核を表し、X
及びYは同じでも異なっていてもよく、各々電子吸引性
基を表す。Rは水素原子又はアルキル基を表し、R1
びR2 は各々アルキル基、アリール基、アシル基又はス
ルホニル基を表し、R1 とR2 が連結して5又は6員環
を形成してもよい。R3 及びR6 は各々水素原子、ヒド
ロキシ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基
又はハロゲン原子を表し、R4 及びR5 は各々水素原子
又はR1 とR4 もしくはR2 とR5 が連結して5又は6
員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。L1
2 及びL3 は各々メチン基を表す。mは0又は1を表
し、n及びqは各々0、1又は2を表し、pは0又は1
を表し、pが0のとき、R3 はヒドロキシ基又はカルボ
キシル基を表し且つR4 及びR5 は水素原子を表す。
B′はカルボキシル基、スルファモイル基、又はスルホ
ンアミド基を有するヘテロ環基を表す。Qはヘテロ環基
を表す。但し、一般式(I)ないし(VII)で表される化
合物は、1分子中に水とエタノールの容積比が1対1の
混合溶液中に於けるpKaが4〜11の範囲にある解離
性基を少なくとも1個有する。)
【0012】まず、一般式(I)ないし(VII)で表され
る化合物について詳しく説明する。A又はA′で表され
る酸性核は、好ましくは2−ピラゾリン−5−オン、ロ
ダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オ
キサゾリジンジオン、イソオキサゾリジノン、バルビツ
ール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、ピラゾ
ロピリジン又はヒドロキシピリドンを表す。Bで表され
る塩基性核は、好ましくはピリジン、キノリン、インド
レニン、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオ
キサゾール又はピロールを表す。B′のヘテロ環の例と
しては、ピロール、インドール、チオフェン、フラン、
イミダゾール、ピラゾール、インドリジン、キノリン、
カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、イン
ドリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、チアジア
ジン、ピラン、チオピラン、オキサジアゾール、ベンゾ
キノリジン、チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピロ
ロピリダジン、テトラゾールなどがある。Qで表わされ
るヘテロ環は、好ましくはベンゾ縮環していてもよい5
員のヘテロ環であり、より好ましくはベンゾ縮環してい
てもよい5員の含窒素ヘテロ環である。Qのヘテロ環の
例としては、ピロール、インドール、ピラゾール、ピラ
ゾロピリミドン、ベンゾインドールなどがある。
【0013】水とエタノールの容積比が1対1の混合溶
液中におけるpKa(酸解離定数)が4〜11の範囲に
ある解離性プロトンを有する基は、pH6又はpH6以
下で実質的に色素分子を水不溶性にし、pH8又はpH
8以上で実質的に色素分子を水溶性にするものであれ
ば、種類及び色素分子への置換位置に特に制限はない
が、好ましくは、カルボキシル基、スルファモイル基、
スルホンアミド基、ヒドロキシ基でありより好ましいも
のはカルボキシル基である。解離性基は色素分子に直接
置換するだけでなく、2価の連結基(例えばアルキレン
基、フェニレン基)を介して置換していてもよい。2価
の連結基を介した例としては、4−カルボキシフェニ
ル、2−メチル−3−カルボキシフェニル、2,4−ジ
カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、
3−カルボキシフェニル、2,5−ジカルボキシフェニ
ル、3−エチルスルファモイルフェニル、4−フェニル
スルファモイルフェニル、2−カルボキシフェニル、
2,4,6−トリヒドロキシフェニル、3−ベンゼンス
ルホンアミドフェニル、4−(p−シアミベンゼンスル
ホンアミド)フェニル、3−ヒドロキシフェニル、2−
ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−ヒ
ドロキシ−4−カルボキシフェニル、3−メトキシ−4
−カルボキシフェニル、2−メチル−4−フェニルスル
ファモイルフェニル、4−カルボキシベンジル、2−カ
ルボキシベンジル、3−スルファモイルフェニル、4−
スルファモイルフェニル、2,5−ジスルファモイルフ
ェニル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3
−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、8−カ
ルボキシオクチル等を挙げることができる。
【0014】R、R3 又はR6 で表わされるアルキル基
は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソアミル、n−オクチ
ル等の基を挙げることができる。R1 、R2 で表される
アルキル基は炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチ
ル、n−オクタデシル、イソブチル、イソプロピル)が
好ましく、置換基〔例えば、塩素臭素等のハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ
基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、ア
ルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、
i−プロポキシカルボニル)、アリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ基)、フェニル基、アミド基(例えば、
アセチルアミノ、メタンスルホンアミド)、カルバモイ
ル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイ
ル)、スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイ
ル、フェニルスルファモイル)〕を有していても良い。
1 又はR2 で表わされるアリール基はフェニル基、ナ
フチル基が好ましく、置換基〔置換基としては上記のR
1 及びR2 で表わされるアルキル基が有する置換基とし
て挙げた基及びアルキル基(例えばメチル、エチル)が
含まれる。〕を有していても良い。
【0015】R1 又はR2 で表わされるアシル基は炭素
数2〜10のアシル基が好ましく、例えば、アセチル、
プロピオニル、n−オクタノイル、n−デカノイル、イ
ソブタノイル、ベンゾイル等の基を挙げることができ
る。R1 又はR2 で表わされるアルキルスルホニル基も
しくはアリールスルホニル基としては、メタンスルホニ
ル、エタンスルホニル、n−ブタンスルホニル、n−オ
クタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエン
スルホニル、o−カルボキシベンゼンスルホニル等の基
を挙げることができる。R3 又はR6 で表わされるアル
コキシ基は炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく例
えばメトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、n−オクトキ
シ、2−エチルヘキシルオキシ、イソブトキシ、イソプ
ロポキシ等の基を挙げることができる。R3 又はR6
表わされるハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素を
挙げることができる。R1 とR4 又はR2 とR5 が連結
して形成される環としては、例えばジュロリジン環を挙
げることができる。R1 とR2 が連結して形成される5
又は6員環としては、例えばピペリジン環、モルホリン
環、ピロリジン環を挙げることができる。L1 、L2
はL3 で表わされるメチン基は、置換基(例えばメチ
ル、エチル、シアノ、フェニル、塩素原子、ヒドロキシ
プロピル)を有していても良い。
【0016】X又はYで表わされる電子吸引性基は同じ
でも異っていてもよく、シアノ基、カルボキシ基、アル
キルカルボニル基(置換されてよいアルキルカルボニル
基であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ヘプタノ
イル、ドデカノイル、ヘキサデカノイル、1−オキソ−
7−クロロヘプチル)、アリールカルボニル基(置換さ
れてよいアリールカルボニル基であり、例えば、ベンゾ
イル、4−エトキシカルボニルベンゾイル、3−クロロ
ベンゾイル)、アルコキシカルボニル基(置換されてよ
いアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
t−アミルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニ
ル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、オクチルオ
キシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ドデシルオ
キシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル、オク
タデシルオキシカルボニル、2−ブトキシエトキシカル
ボニル、2−メチルスルホニルエトキシカルボニル、2
−シアノエトキシカルボニル、2−(2−クロロエトキ
シ)エトキシカルボニル、2−〔2−(2−クロロエト
キシ)エトキシ〕エトキシカルボニル)、アリールオキ
シカルボニル基(置換されてよいアリールオキシカルボ
ニル基であり、例えば、フェノキシカルボニル、3−エ
チルフェノキシカルボニル、4−エチルフェノキシカル
ボニル、4−フルオロフェノキシカルボニル、4−ニト
ロフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカル
ボニル、2,4−ジ−(t−アミル)フェノキシカルボ
ニル)、カルバモイル基(置換されてよいカルバモイル
基であり、例えば、カルバモイル基エチルカルバモイ
ル、ドデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル、4
−メトキシフェニルカルバモイル、2−ブロモフェニル
カルバモイル、4−クロロフェニルカルバモイル、4−
エトキシカルボニルフェニルカルバモイル、4−プロピ
ルスルホニルフェニルカルバモイル、4−シアノフェニ
ルカルバモイル、3−メチルフェニルカルバモイル、4
−ヘキシルオキシフェニルカルバモイル、2,4−ジ−
(t−アミル)フェニルカルバモイル、2−クロロ−3
−(ドデシルオキシカルバモイル)フェニルカルバモイ
ル、3−(ヘキシルオキシカルボニル)フェニルカルバ
モイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、
フェニルスルホニル)、スルファモイル基(置換されて
よいスルファモイル基であり、例えば、スルファモイ
ル、メチルスルファモイル)を表わす。
【0017】これらの染料のうち特に好ましいものは一
般式(III)に含まれる、少なくとも2個のカルボキシル
基を遊離酸の形で含有している一般式(III−A)で表わ
されるピラゾロンオキソノール染料である。(III−A)
【0018】
【化4】
【0019】式中R1 およびR2 の各々はアルキル基、
置換アルキル基、アリール基、置換アリール基またはC
OOR基を表わし、Rは水素原子、アルキル基またはア
リール基を表わし、nは0、1または2を表わし染料分
子中に少なくとも2個のカルボキシル基を遊離酸の形で
含有している。
【0020】本発明に用いられる染料の具体例は国際特
許WO88/04794号、ヨーロッパ特許EP027
4723A1号、同276,566号、同299,43
5号、特開昭52−92716号、同55−15535
0号、同55−155351号、同61−205934
号、同48−68623号、米国特許第2527583
号、同3486897号、同3746539号、同39
33798号、同4130429号、同4040841
号、特願平1−50874号、同1−103751号、
同1−307363号等に記載されており、合成法もこ
れらに記載されている。
【0021】本発明において染料の固体粒子分散物と組
み合わせて、親水性コロイド層中に含有させることので
きる多価金属イオンとしては2価ないし3価の金属イオ
ンが好ましく、写真作用の少ないことからアルカリ土類
金属イオン、特に好ましくはカルシウムイオン、マグネ
シウムイオンである。これらの金属イオンは、染料の分
散物層に限らず、染料の分散物層と支持体に対して同じ
側であれば、ハロゲン化銀乳剤層、保護層、中間層ある
いはその他の層に添加することができる。金属イオンの
添加量は支持体に対して染料の分散物層と同じ側に塗布
される全親水性コロイドの3000ppm以上であり、
4000ppm以上が好ましい。通常親水性コロイドと
してはゼラチンが最も好ましく、ゼラチン中にもともと
含まれているカルシウムなどの金属イオンも含めて30
00ppm以上(好ましくは2000ppm以下)とな
るようにするのが好ましい。本発明における金属イオン
の効果は、ゼラチンによる染料の解離促進作用を、金属
イオンが抑制していることに基いているようであるが、
はっきりとした理由は不明である。
【0022】本発明において使用される固体粒子分散物
状態で親水性コロイド層中に塗布される染料の量は、染
料の種類、必要とされる吸光度などに依存し、一概には
規定できないが、1mg/m2〜300mg/m2、好ましくは
10mg/m2〜200mg/m2であり、本発明の効果が最も
よく現われるのは50mg/m2〜200mg/m2の場合であ
る。好ましい親水性コロイドとしてはゼラチンが好まし
く、支持体に対して染料分散物を含有する層と同じ側の
全親水性コロイドの塗布量は2g/m2〜10g/m2、よ
り好ましくは2.5g/m2〜6g/m2である。染料分散
物を含む層の親水性コロイドの量は0.6〜3g/m2
好ましい。
【0023】ゼラチンとしてはいろいろな種類が知られ
ており、石灰処理、酸処理あるいは各種変成ゼラチンが
使用できる。またゼラチンの種類によってはかなり多量
の金属イオン、特にカルシウムイオンが含まれているも
のがあるが、この種のゼラチンを使用すれば、金属イオ
ンの追加量はわずかで、良い結果を得ることができる。
染料の固体粒子状分散物の添加位置は使用目的により異
なるので規定はないが、支持体とハロゲン化銀乳剤層の
間に塗設してアンチハレーション層、クロスオーバーカ
ット層、あるいはバック側からの遮光層として使用する
こともでき、ハロゲン化銀乳剤層中に添加してイラジエ
ーション防止をすることも可能である。さらにハロゲン
化銀乳剤層の上側(支持体に対して外側)に塗設するこ
とによってフィルター層とくにセーフライトフィルター
層として使用することもできる。また公知の水溶性染料
を併用することも可能である。
【0024】染料の固体粒子状分散物を作製する方法と
しては、特開昭52−92716号、WO88/047
94号などに記載の如くアニオン界面活性剤を使用して
ボールミル、サンドグラインダーミル、ロールミル、デ
ィスクインペラーミルなど公知の分散材を用いる方法が
あげられる。またアニオン性界面活性剤に限らずノニオ
ン性、場合によってはカチオン性界面活性剤も使用で
き、ノニオン性ポリマーや特願平3−121749のご
とく、アニオン性ポリマーを使用することも有効であ
る。
【0025】乳剤中のハロゲン化銀粒子は立方体、8面
体、14面体、菱12面体のような規則的(regular)な
結晶形を有するものでもよく、また球状、板状、じゃが
いも状などのような変則的(irregular)な結晶形を有す
るものでも或いはこれらの結晶形の複合形を有するもの
でもよい。種々の結晶形の粒子の混合から成ってもよ
い。また粒子径が粒子厚みの5倍以上の平板粒子は、本
発明に対し好ましく用いられる(詳しくは、RESEARCHDI
SCLOSURE 225巻 Item 22534 P.20〜P.
58、1月号、1983年、及び特開昭58−1279
21号、同58−113926号公報に記載されてい
る)。本発明において、感光性ハロゲン化銀乳剤は、2
種類以上のハロゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
混合する乳剤の粒子サイズ・ハロゲン組成・感度・等が
異なっていてもよい。感光性乳剤に実質的に非感光性の
乳剤(表面あるいは内部がかぶっていてもよいし、いな
くてもよい)を混合して用いてもよいし、別の層に分け
てもよい(詳しくは米国特許2,996,382号、同
3,397,987号などに記載されている)。例え
ば、球状もしくはじゃがいも状の感光性乳剤と粒子径が
粒子厚みの5倍以上の平板粒子からなる感光性ハロゲン
化銀乳剤と同一層もしくは特開昭58−127921号
公報に記載の如く異なった層に用いてもよい。異なった
層に用いる時、平板粒子からなる感光性ハロゲン化銀乳
剤は支持体に近い側にあってもよいし、逆に遠い側にあ
ってもよい。
【0026】本発明に用いられる写真乳剤は P.Glafkid
es著Chimie et Phisique Photograpique (Paul Montel
社刊、1967年)、 G.F.Duffin 著Photographic Emu
lsion Chemistry (The Focal Press 刊、1966
年)、V.L.Zelikmanet al著 Making and Coating Photo
graphic Emulsion (The Focal Press刊、1964
年)、特開昭58−127921号及び同58−113
926号公報などに記載された方法を用いて調整するこ
とができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法
等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン
塩を反応させる形式としては片側混合法、同時混合法、
それらの組合せなどのいずれを用いてもよい。ハロゲン
化銀粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合
法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中
のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロ
ールド・ダブルジェット法を用いることもできる。この
方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近
いハロゲン化銀粒子よりなるハロゲン化銀乳剤がえられ
る。ハロゲン化銀粒子の結晶構造は内部まで一様なもの
であっても、また内部と外部が異質の層状構造をしたも
のや、英国特許635,841号、米国特許3,62
2,318号に記載されているような、いわゆるコンバ
ージョン型のものであってもよい。ハロゲン化銀製造時
のハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程におい
て、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄
塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。また、粒子形
成時にはアンモニア、チオエーテル化合物、チアゾリジ
ン−2−チオン、四置換チオ尿素、ロダンカリ、ロダン
アンモン、アミン化合物の如きいわゆるハロゲン化銀溶
剤を存在せしめ粒子成長をコントロールしてもよい。本
発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は化学増感されてい
ても、されていなくてもよい。化学増感の方法としては
硫黄増感法、還元増感法、金増感法などの知られている
方法を用いることができ、単独または組合せで用いられ
る。
【0027】貴金属増感法のうち金増感法はその代表的
なもので金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の
貴金属、たとえば白金、パラジウム、イリジウム等の錯
塩を含有しても差支えない。その具体例は米国特許2,
448,060号、英国特許618,061号などに記
載されている。硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含ま
れる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たとえばチ
オ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等
を用いることができる。還元増感剤としては第一すず
塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物などを用いることができる。
【0028】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちアゾール類
{例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、ニトロインダ
ゾール類、ベンゾトリアゾール類、アミノトリアゾール
類など};メルカプト化合物類{例えばメルカプトチア
ゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプト
ベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、
メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類、メ
ルカプトトリアジン類など};例えばオキサドリンチオ
ンのようなチオケト化合物;アザインデン類{例えばト
リアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒ
ドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン
類)、ペンタアザインデン類など};ベンゼンチオスル
ホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸ア
ミドのようなカブリ防止剤または安定剤として知られ
た、多くの化合物を加えることができる。
【0029】特に特開昭60−76743号、同60−
87322号公報に記載のニトロン及びその誘導体、特
開昭60−80839号公報に記載のメルカプト化合
物、特開昭57−164735号公報に記載のヘテロ環
化合物、及びヘテロ環化合物と銀の錯塩(例えば1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール銀)などを好まし
く用いることができる。本発明の感光性ハロゲン化銀乳
剤は、増感色素によって比較的長波長の青色光、緑色
光、赤色光または赤外光に分光増感されてもよい。増感
色素として、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプ
レックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシ
アニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素
等を用いることができる。
【0030】ここで増感色素は写真乳剤の製造工程のい
かなる工程に存在させて用いることもできるし、製造後
塗布直前までのいかなる段階に存在させることもでき
る。前者の例としては、ハロゲン化銀粒子形成工程、物
理熟成工程、化学熟成工程などである。
【0031】本発明の感光材料の写真乳剤層または他の
親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改
良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良(例えば、現
像促進、硬調化、増感)等種々の目的で、種々の界面活
性剤を含んでもよい。例えばサポニン(ステロイド
系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレ
ングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキル
エーテル類又はポリエチレングリコールアルキルアリー
ルエーテル類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付
加物類)、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界
面活性剤;アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼン
スルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、
アルキル硫酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタ
ウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキル
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、など
のアニオン界面活性剤;アルキルベタイン類、アルキル
スルホベタイン類などの両性界面活性剤;脂肪族あるい
は芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類、
イミダゾリウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いる
ことができる。この内、サポニン、ドデシルベンゼンス
ルホン酸Na塩、ジ・2・エチルヘキシルα−スルホコ
ハク酸Na塩、p−オクチルフェノキシエトキシエトキ
シエタンスルホン酸Na塩、ドデシル硫酸Na塩、トリ
イソプロピルナフタレンスルホン酸Na塩、N−メチル
−オレオイルタウリンNa塩、等のアニオン、ドデシル
トリメチルアンモニウムクロライド、N−オレオイル−
N′,N′,N′−トリメチルアンモニオジアミノプロ
パンブロマイド、ドデシルピリジウムクロライドなどの
カチオン、N−ドデシル−N,N−ジメチルカルボキシ
ベタイン、N−オレイル−N,N−ジメチルスルホブチ
ルベタインなどのベタイン、ポリ(平均重合度n=1
0)オキシエチレンセチルエーテル、ポリ(n=25)
オキシエチレンp−ノニルフェノールエーテル、ビス
(1−ポリ(n=15)オキシエチレン−オキシ−2,
4−ジ−t−ぺンチルフェニル)エタンなどのノニオン
を特に好ましく用いることができる。
【0032】帯電防止剤としてはパーフルオロオクタン
スルホン酸K塩、N−プロピル−N−パーフルオロオク
タンスルホニルグリシンNa塩、N−プロピル−N−パ
ーフルオロオクタンスルホニルアミノエチルオキシポリ
(n=3)オキシエチレンブタンスルホン酸Na塩、N
−パーフルオロオクタンスルホニル−N′,N′,N′
−トリメチルアンモニオジアミノプロパンクロライド、
N−パーフルオロデカノイルアミノプロピルN′,N′
ジメチル−N′−カルボキシベタインの如き含フッ素界
面活性剤、特開昭60−80848号、同61−112
144号、特開昭62−172343号、同62−17
3459号などに記載のノニオン系界面活性剤、アルカ
リ金属の硝酸塩、導電性酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化パ
ナジウム又はこれらにアンチモン等をドープした複合酸
化物を好ましく用いることができる。
【0033】本発明に於てはマット剤としてポリメチル
メタクリレートのホモポリマー又はメチルメタクリレー
トとメタクリル酸とのポリマー、デンプンなどの有機化
合物、シリカ、二酸化チタン、等の無機化合物の微粒子
を用いることができる。粒子サイズとしては1.0〜1
0μm、特に2〜5μmであることが好ましい。
【0034】本発明の写真感光材料の表面層には滑り剤
として米国特許3,489,576号、同4,047,
958号等に記載のシリコーン化合物、特公昭56−2
3139号公報に記載のコロイダルシリカの他に、パラ
フィンワックス、高級脂肪酸エステル、デン粉誘導体等
を用いることができる。
【0035】本発明の写真感光材料の親水性コロイド層
には、トリメチロールプロパン、ぺンタンジオール、ブ
タンジオール、エチレングリコール、グリセリン等のポ
リオール類を可塑剤として用いることができる。さら
に、本発明の写真感光材料の親水性コロイド層には、耐
圧力性改良の目的でポリマーラテックスを含有せしめる
ことが好ましい。ポリマーとしてはアクリル酸のアルキ
ルエステルのホモポリマー又はアクリル酸とのコポリマ
ー、スチレン−ブタジェンコポリマー、活性メチレン基
を有するモノマーからなるポリマー又はコポリマーを好
ましく用いることかできる。
【0036】本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コ
ロイドには無機または有機の硬膜剤を含有してよい。
【0037】本発明の感光材料がXレイ感材として用い
られる場合親水性コロイド層はこれらの硬膜剤により水
中での膨潤率が300%以下、特に250%以下になる
ように硬膜されていることが好ましい。
【0038】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤または保護コロイドとしては、ゼ
ラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コ
ロイドも用いることができる。例えばデキストラン、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタ
ール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾールの単一あ
るいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用
いることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチン
のほか、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いても
よく、また、ゼラチンの加水分解物も用いることができ
る。これらの中でもゼラチンとともにデキストラン及び
ポリアクリルアミドを併用することが好ましい。
【0039】本発明の感光材料の写真処理には、例えば
リサーチ・ディスクロージャー176号第28〜30頁
(RD−17643)に記載されているような、黒白写
真処理の公知の方法及び公知の処理液のいずれをも適用
することができる。処理温度は普通18℃から50℃の
間に選ばれるが、18℃より低い温度または50℃を越
える温度としてもよいが本発明には20℃〜40℃まで
の自動現像機による処理が好ましい。この場合の処理時
間(感材の投入から乾燥して出て来るまでの時間)は1
0秒から3分30秒までが好ましい。15秒から90秒
までが特に好ましい。さらに好ましくは、15秒から4
5秒である。黒白写真処理する場合に用いる現像液は、
知られている現像主薬を含むことができる。現像主薬と
しては、ジヒドロキシベンゼン類(たとえばハイドロキ
ノン)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニル−
3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(たとえばN
−メチル−p−アミノフェノールなど)を単独もしくは
組合せて用いることができる。現像液には一般にこの他
公知の保恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤な
どを含み、さらに必要に応じ溶媒助剤、色調剤、現像促
進剤(例えば、4級塩、ヒドラジン、ベンジルアルコー
ル)、現像抑制剤(例えば沃化物、臭化物、メルカプト
化合物、トリアゾール類など)界面活性剤、消泡剤、硬
水軟化剤、硬膜剤(例えば、グルタルアルデヒド)、粘
性付与剤などを含んでもよい。
【0040】現像処理の特殊な形式として、現像主薬を
感光材料中、たとえば乳剤層中に含み、感光材料をアル
カリ水溶液中で処理して現像を行なわせる方法を用いて
もよい。現像主薬のうち、疎水性のものは、リサーチデ
ィスクロージャ169号(RD−16928)、米国特
許2,739,890号、英国特許813,253号又
は西独国特許1,547,763号などに記載の種々の
方法で乳剤層中に含ませることができる。このような現
像処理は、チオシアン酸塩による銀塩安定化処理と組合
せてもよい。定着剤としては一般に用いられる組成のも
のを用いることができる。定着剤としてはチオ硫酸塩、
チオシアン酸塩のほか、定着剤としての効果が知られて
いる有機硫黄化合物を用いることができる。定着剤には
硬膜剤として水溶液アルミニウム塩を含んでもよい。ま
た、特開昭61−230135や同63−25653に
記載されているような、現像時に抑制剤を放出するよう
な化合物を併用すると本発明の効果はさらに好ましいも
のとなる。
【0041】次に本発明について具体的に説明するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
実施例1 ゼラチン下塗した180μポリエチレンテレフタレート
支持体に以下の如くになるよう塗布フィルムを作製し
た。(塗布フィルム1−1) ゼラチン(カルシウムイオンを2000ppm 含む) 4.0g/m2 染料Aの固体粒子分散物 70mg/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム塩 25mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 80mg/m2 ここで染料A
【0043】
【化5】
【0044】は水434mlおよび商品名 Triton X−2
00R (Rohm & Haas社製)の界面活性剤の6.7%水溶
液791mlと染料20gを混合し、サンドミルにより4
時間粉砕・分散して使用した。塗布フィルム1−1に塩
化カルシウムを添加する以外は、フィルム1−1と同じ
にしたサンプル1−2〜1−4を作成した。これらの塗
布フィルムをそのまま(Fr)および40℃80%RH
の湿度と熱を加えてから分光吸収スぺクトルの測定を行
った。(日立320型分光光度計で測定した)630nm
での吸光度により染料Aの解離溶解の程度を判定するこ
とができる。結果を第1表にまとめた。
【0045】
【表1】
【0046】第1表からわかるようにカルシウムイオン
を追添することによって解離種の吸収ピークである63
0nmでの吸光度変化が少なく、染料の解離溶解が抑制さ
れていることが明らかである。
【0047】実施例2 以下の如くハロゲン化銀乳剤の調製を行った。 <原乳剤#1の調製> 溶液I 75℃ 脱灰不活性ゼラチン 24g 蒸留水 90ミリリットル KBr 4g 10%燐酸水溶液 2ミリリットル ベンゼンスルフィン酸ソーダ 5×10-2モル 2−メルカプト3,4−メチルチアゾール 2.5×10-3g 溶液II 35℃ 硝酸銀 170g 蒸留水を加えて 1000ミリリットル 溶液III 35℃ KBr 230g 蒸留水を加えて 1000ミリリットル 溶液IV 室温 ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 3.0g 蒸留水を加えて 100ミリリットル 良く攪拌した溶液Iに溶液IIと溶液III とを同時に45
分間にわたって添加し、溶液IIと全量添加し終った時点
で最終的に平均粒径が0.28μmの立方体単分散乳剤
を得た。
【0048】この時、溶液III の添加速度は溶液IIの添
加に対して、混合容器中のpAg 値が常に7.50になる
ように調節しながら添加した。なお、溶液IVはII液の添
加開始7分後から5分間にわたって添加した。溶液IIの
添加終了後、引続き沈降法により水洗・脱塩後、脱灰不
活性ゼラチン100gを含む水溶液に分散させた。この
乳剤に銀1モル当りチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸4水
塩とをそれぞれ34mgずつ添加し、pH、pAg 値をそれぞ
れ8.9と7.0(40℃)に調節してから、75℃で
60分間化学増感処理を行い、表面潜像型ハロゲン化銀
乳剤を得た。
【0049】厚み100μのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)支持体上に、親水性コロイド層との接着力
を向上させるため、予め表面をコロナ放電処理したのち
スチレン・ブタジエンラテックスからなる第一下塗り層
を設けその上層にゼラチン0.08g/m2の第二下塗り
層を設け、この上に下記塗布量となるように、実施例1
の染料Aの分散物を含むアンチハレーション層を塗布し
た。 <アンチハレーション層> ゼラチン(カルシウムを2700ppm 含有) 1.8g/m2 染料A(実施例1の分散物) 120mg/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 35mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 フェノキシエタノール 18mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 100mg/m2 アンチハレーション層の上に以下の如く乳剤層および保
護層を塗布し、ハロゲン化銀写真感光材料2−1を作製
した。
【0050】 <乳剤層> ハロゲン化銀乳剤(銀量として) 1700mg/m2 ゼラチンとして 1760mg/m2 増感色素 23.8mg/m2
【0051】
【化6】
【0052】 5−メチルベンゾトリアゾール 4.1mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 56mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 35mg/m2 <保護層> 不活性ゼラチン(カルシウムを2700ppm 含有) 1300mg/m2 コロイダルシリカ 249mg/m2 流動パラフィン 60mg/m2 硫酸バリウムストロンチウム(平均粒径1.5μm) 32mg/m2 プロキセル 4.3mg/m2 N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリ シンカリウム塩 5.0mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 56mg/m2 C9H19-(C6H4)-O- {CH2CH(OH)CH2O }7H 15mg/m2
【0053】サンプル2−1のアンチハレーション層に
カルシウムとして7mg/m2を追加した以外全く同じにサ
ンプル2−2を作製し、同様にカルシウム13mg/m2
追加した以外サンプル2−1と全く同じにサンプル2−
3を作製した。カルシウムは塩化カルシウム水溶液で添
加した。更にサンプル2−1のアンチハレーション層に
マグネシウムとして13mg/m2を追加した以外サンプル
2−1と全く同じにサンプル2−4を作製した。マグネ
シウムは硫酸マグネシウム水溶液で添加した。サンプル
2−1〜2−3の感光材料をフレッシュ状態および40
℃80%RH3日の強制湿熱テストをさせたものを準備
し、連続ウェッジにより階調露光し、ネガ現像処理をし
た。
【0054】<ネガ現像処理>ネガ現像処理は、米国特
許 Allen Products 社製F−10深タンク自動現像機で
市販のマイクロフィルム用汎用処理液(米国、FR Che
micals社製FR−537現像液)を用いて次の条件で行
った。 工 程 処 理 液 温 度 時 間 1.現 像 FR−537(1:3) 43℃ 15sec 2.水 洗 流 水 〃 〃 3.定 着 FR−535(1:3) 〃 〃 4.水 洗 スプレー 〃 〃 5.乾 燥 熱 風 − − 現像サンプルを濃度計にて測定し、フレッシュ感度に対
して強制経時テスト後の感度の変化を第2表にまとめ
た。表からわかるように金属イオンとしてカルシウムを
3000 ppm以上含む本発明のサンプルは、感度の変化
(低下)が小さいことがわかる。
【0055】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 式中RおよびRの各々はアルキル基、置換アルキル
基、アリール基、置換アリール基またはCOOR基を表
わし、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表
わし、nは0、1または2を表わし染料分子中に少なく
とも2個のカルボキシル基を遊離酸の形で含有してい
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【化4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明において染料の固体粒子分散物と組
み合わせて、親水性コロイド層中に含有させることので
きる多価金属イオンとしては2価ないし3価の金属イオ
ンが好ましく、写真作用の少ないことからアルカリ土類
金属イオン、特に好ましくはカルシウムイオン、マグネ
シウムイオンである。これらの金属イオンは、染料の分
散物層に限らず、染料の分散物層と支持体に対して同じ
側であれば、ハロゲン化銀乳剤層、保護層、中間層ある
いはその他の層に添加することができる。金属イオンの
添加量は支持体に対して染料の分散物層と同じ側に塗布
される全親水性コロイドの3000ppm以上であり、
4000ppm以上が好ましい。通常親水性コロイドと
してはゼラチンが最も好ましく、ゼラチン中にもともと
含まれているカルシウムなどの金属イオンも含めて30
00ppm以上(好ましくは4000ppm以上)とな
るようにするのが好ましい。本発明における金属イオン
の効果は、ゼラチンによる染料の解離促進作用を、金属
イオンが抑制していることに基いているようであるが、
はっきりとした理由は不明である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】染料の固体粒子状分散物を作製する方法と
しては、特開昭52−92716号、WO88/047
94号などに記載の如くアニオン界面活性剤を使用して
ボールミル、サンドグラインダーミル、ロールミル、デ
ィスクインペラーミルなど公知の分散機を用いる方法が
あげられる。またアニオン性界面活性剤に限らずノニオ
ン性、場合によってはカチオン性界面活性剤も使用で
き、ノニオン性ポリマーや特願平3−121749のご
とく、アニオン性ポリマーを使用することも有効であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1つの感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の固体粒子状染料分散
    物を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感
    光材料において、該支持体に対し該染料分散物を含む層
    側の親水性コロイド層中に、3000ppm以上の多価
    金属イオンを含有することを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。
  2. 【請求項2】 請求項1において固体粒子状染料分散物
    中の染料が下記一般式(III−A)で表わされるピラゾロ
    ンオキソノール染料であることを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。 (III−A) 【化1】 式中R1 およびR2 の各々はアルキル基、置換アルキル
    基、アリール基、置換アリール基またはCOOR基を表
    わし、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表
    わし、nは0、1または2を表わし染料分子中に少なく
    とも2個のカルボキシル基を遊離酸の形で含有してい
    る。
  3. 【請求項3】 請求項1において該固体粒子状染料分散
    物を含む層の親水性コロイドの量が0.6〜3g/m2
    あり、かつ該染料の固体粒子状分散物を含む層と同じ側
    の全親水性コロイドの塗布量が2.5〜6g/m2である
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
JP20462891A 1991-07-22 1991-07-22 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH0527370A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5962211A (en) * 1997-10-03 1999-10-05 Eastman Kodak Company Photographic image improvement in spectral sensitizing dye and filter dye having similar spectral absorption characteristics
US5994050A (en) * 1997-10-03 1999-11-30 Eastman Kodak Company Method for use of light colored undeveloped photographic element

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