JPH0527206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はトランスフアプレス等において素材の
予備曲げ加工を行なうためのプリベンダ装置に関
するものである。

［従来の技術］ トランスフアプレスにおいては、薄板素材を押
し型により成型する前に、プリベンダ装置により
素材を折り曲げて、押し型への素材のすわりをよ
くし、押し型と素材のズレを防止し、或は押し型
への干渉を避けるようにしている。

従来使用されているトランスフアプレスは第３
図に示すように３本ロール方式であり、固定曲げ
ロールａの左右上方に押し下げロールｂ，ｃを昇
降可能に配置し、固定曲げロールａと押し下げロ
ールｂ，ｃとの間に素材ｄを配置し、押し下げロ
ールｂ，ｃを降下させて素材ｄに所要の曲げを与
えている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、固定曲げロールａの上方に２本
の押し下げロールｂ，ｃ及びそれらの昇降駆動装
置を備えているため、固定曲げロールａと別体と
なり、大型化して占有スペースが大きくなる。

又、素材ｄを上下から挾むようにして予備曲げ
加工するため、素材ｄの搬送方向が水平方向に限
られてしまう。

更に、曲げ加工中の素材ｄには上下のロール
ｂ，ｃ，ａが密着しているため、曲げ状態を確認
することが困難であつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上述の従来の問題点を解決し、小型で
占有スペースが小さく、素材の搬送方向の自由度
が大きく且つ素材の曲げ状態を確認することがで
きるようにすることを目的としてなしたもので、
曲げロールを略水平に且昇降シリンダにより昇降
可能に配設し、該曲げロールの軸を中心として回
転する一対のレバーアームを開閉可能に取り付
け、該各レバーアームと前記昇降シリンダの支持
台とをリンクにより夫々連結し、該各レバーアー
ムにスライドガイドアームを前記曲げロールと直
交する方向にブラケツト支持し、該各スライドガ
イドアームに摺動自在に装着したスライダに、真
空吸着具を回転可能に夫々枢着してなることを特
徴とするプリベンダ装置にかかるものである。

［作用］ 駆動機構により各レバーアーム及びスライドガ
イドアームを開き、真空吸着具を曲げロールと略
同じ高さにし、素材を真空吸着具により支持す
る。次いで、駆動機構により曲げロールを上昇さ
せると、レバーアーム及びスライドガイドアーム
は前記と逆方向に閉じ、両側の真空吸着具が素材
を吸着したまま下降せしめられ、素材が曲げロー
ルにより折り曲げられる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例であり、
長方形の台車１を、該台車１などの支持台の長手
方向と直交する方向に敷設したレール２上に、車
輪３を介して走行可能に配置し、該台車１上に立
設した昇降シリンダ４により曲げロール５を支設
してある。該曲げロール５の軸６の両端に一対の
レバーアーム７，８を回転可能に夫々取り付け、
各レバーアーム７，８と前記台車１とをリンク
９，１０により夫々ピン１１，１２にて連結し、
該両端で同じ側にあるレバーアーム７，７と８，
８を渡し板１３と１４にて連結し、該渡し板１３
と１４にスライドガイドアーム１５を所要数、所
要の間隔で前記曲げロール５と直交する方向に
夫々ブラケツト２２，２３に取り付け、該各スラ
イドガイドアーム１５にスライダ１６をスライド
ベアリング、ブツシユ等の滑り軸受１７を介して
夫々装着し、該各スライダ１６に固設したブラケ
ツト１８の先端に数個のバキユームカツプ１９を
首振り自在で且つ出入シリンダにより突出可能な
装置を備えたバキユームカツプホルダ２０をピン
２１にて枢着し、前記ブラケツト２２とスライダ
１６とを圧縮バネ２４により連結し、該スライダ
１６と前記バキユームカツプホルダ２０とを引張
りバネ２５により連結してある。

更に、前記台車１の下部にナツトブロツク２６
を取り付け、該ナツトブロツク２６に螺入するス
クリユー２７を駆動モータ２８により連結器２９
を介して回転し得るようにしてある。又、限られ
た曲げ位置の場合には流体圧シリンダにより台車
１を移動するようにしてもよい。

以上のように構成したので、駆動モータ２８に
よりスクリユー２７を回転して台車１を移動する
ことによつて位置合せをし、次いで昇降シリンダ
４を引込んだ状態としてバキユームカツプ１９が
曲げロール５と略同じ高さになるようにする。

例えば、バキユームカツプ等により搬送されて
きた素材３０をプリベンダ装置の上方に位置さ
せ、下方の各バキユームカツプ１９により素材３
０を下面より受け真空吸着させる。

次いで、昇降シリンダ４を突出させると、曲げ
ロール５及びレバーアーム７，８の枢着点が上昇
する。従つて、各レバーアーム７，８も全体とし
て持ち上げられようとするが、該レバーアーム
７，８は台車１にリンク９，１０を介して連結さ
れているため、該各レバーアーム７，８の曲げロ
ール枢着点は上昇し、該各レバーアーム７，８が
閉じる方向に該各レバーアーム７，８が傾動す
る。

従つて、該各レバーアーム７，８に支持された
各スライドガイドアーム１５，１５も下方に傾動
し、各スライドガイドアーム１５，１５がスライ
ダ１６、ブラケツト１８、バキユームカツプホル
ダ２０、バキユームカツプ１９を引き下げること
になり、必然的に素材３０の両側にも引き下げ力
が働き、上昇する前記曲げロール５を中心として
素材３０が折り曲げ加工される。

このとき、バキユームカツプ１９は素材３０に
吸着固定されているので、スライドガイドアーム
１５が下方向に傾動する際スライダ１６が滑り軸
受１７により圧縮バネ２４を圧縮する方向に移動
し、バキユームカツプホルダ２０が引張りバネ２
５の伸びる方向に傾動する。従つて、バキユーム
カツプ１９の素材３０への吸着点はスリツプ移動
しないため、素材３０に傷がつくこともなく又バ
キユームカツプ１９もいたまない。

素材３０の折り曲げ角度は昇降シリンダ４の突
出ストロークに比例するので、ストロークを設定
することにより所望の一定角度に曲げ加工するこ
とができる。

素材３０の予備曲げ加工が終つたら、バキユー
ムカツプ１９の真空を解き、バキユームカツプ１
９を素材３０から離す。

予備曲げ加工した素材３０を搬送用のバキユー
ムカツプ等により上方又は側方へ移動し、次の工
程に移行する。

前記昇降シリンダ４を引込むことにより、各レ
バーアーム７，８が開き、スライドガイドアーム
１５，１５が上方に回動し、圧縮されていた圧縮
バネ２４によりスライダ１６が該スライドガイド
アーム１５，１５の端部方向に押し戻され、次い
で伸ばされていた引張りバネ２５が収縮し、各バ
キユームカツプ１９が曲げロール５と略同じ高さ
で新たな素材３０の搬送待ちの状態となる。

なお、本考案のプリベンダ装置は上述の実施例
のみに限定されるものではなく、本考案の要旨を
逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案のプリベンダ装置によ
れば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

（） 昇降可能な曲げロールの左右下方に真空
吸着具を俯仰可能に配設したので、ユニツトが
一体となり、従来のように曲げロールの左右上
方に押し下げロールを配置する必要がなく、コ
ンパクトになる。又、占有スペースが小さく、
取り付けも容易になる。

（） 従来のような押し下げロールが不要なた
め、上方に充分なスペースが確保でき、素材の
搬送、曲げ状態の確認に有利である。

（） ユニツトが一体のため任意の曲げ位置に
容易にセツトすることができる。

（） 装置全体が軽量である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例の説明図、第
２図は一部省略した第１図の側面図、第３図は従
来のプリベンダ装置の一例を示す説明図である。 １は台車、２はレール、３は車輪、４は昇降シ
リンダ、５は曲げロール、６は軸、７，８はレバ
ーアーム、９，１０はリンク、１３，１４は渡し
板、１５はスライドガイドアーム、１６はスライ
ダ、１９はバキユームカツプ、２０はバキユーム
カツプホルダ、２４は圧縮バネ、２５は引張りバ
ネ、２６はナツトブロツク、２７はスクリユー、
２８は駆動モータ、３０は素材を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 曲げロールを略水平に且昇降シリンダにより昇
   降可能に配設し、該曲げロールの軸を中心として
   回転する一対のレバーアームを開閉可能に取り付
   け、該各レバーアームと前記昇降シリンダの支持
   台とをリンクにより夫々連結し、該各レバーアー
   ムにスライドガイドアームを前記曲げロールと直
   交する方向にブラケツト支持し、該各スライドガ
   イドアームに摺動自在に装着したスライダに、真
   空吸着具を回転可能に夫々枢着してなることを特
   徴とするプリベンダ装置。