JPH0510972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はトランスフアプレス等において素材の
予備曲げ加工を行なうためのプリベンダ装置に関
するものである。

［従来の技術］ トランスフアプレスにおいては、薄板素材を押
し型により成型する前に、プリベンダ装置により
素材を折り曲げて、押し型への素材のすわりをよ
くし、押し型と素材のズレを防止し、或いは押し
型への干渉を避けるようにしている。

従来使用されているトランスフアプレスは第３
図に示すように３本ロール方式であり、固定曲げ
ロールａの左右上方に押し下げロールｂ，ｃを昇
降可能に配置し、固定曲げロールａと押し下げロ
ールｂ，ｃとの間に素材ｄを配置し、押し下げロ
ールｂ，ｃを降下させて素材ｄに所要の曲げを与
えている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、固定曲げロールａの上方に２本
の押し下げロールｂ，ｃ及びそれらの昇降駆動装
置を備えているため、固定曲げロールａと別体と
なり、全体として大型化し占有スペースが大きく
なる。

又、素材ｄを上下から挟むようにして予備曲げ
加工するため、素材ｄの搬送方向が水平方向に限
られてしまう。

更に、曲げ加工中の素材ｄには上下のロール
ｂ，ｃ，ａが密着しているため、素材ｄの曲げ状
態を確認することが困難であつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上述の従来の問題点を解決し、小型で
占有スペースが小さく、素材の搬送方向の自由度
が大きく且つ素材の曲げ状態を確認することがで
きるようにすることを目的としてなしたもので、
略水平に固定して配設した曲げロールの左右下方
に、支持軸を前記曲げロールと平行に且つ回転可
能に夫々支持せしめ、該各支持軸にスライドガイ
ドアームを該各支持軸と直交する方向に少なくと
も一個夫々固設し、該各スライドガイドアームに
摺動自在に装着したスライダに、真空吸着具を回
転可能に夫々枢着し、更に前記各支持軸を回転さ
せるための駆動機構を備えてなることを特徴とす
るプリベンダ装置にかかるものである。

［作用］ 駆動機構により各支持軸及びスライドガイドア
ームを回転し、真空吸着具を曲げロールと略同じ
高さにし、素材を真空吸着具により支持する。次
いで、駆動機構により支持軸及びスライドガイド
アームを前記と逆方向に回転すると、両側の真空
吸着具が素材を吸着したまま下降せしめられ、素
材が曲げロールにより折り曲げられる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例であり、
長方形の台車１を、該台車１の長手方向と直交す
る方向に敷設したレール２上に、車輪３を介して
走行可能に配置し、該台車１上に立設した支柱４
により曲げロール５を支設してある。該曲げロー
ル５は、材料にキズをつけないように外形が滑ら
かなカーブからなる曲げロール本体７を支持板６
にボルト８等で着脱可能に取り付けて構成してあ
る。

前記両端の支柱４の上部両側の両端にブラケツ
ト９，９と１０，１０を夫々固着し、該各ブラケ
ツト９，９と１０，１０に支持軸１１，１２を回
転自在に取り付け、該各支持軸１１，１２に固着
したブラケツト１３に、スライドガイドアーム１
４を前記各支持軸１１，１２と直交する方向に
夫々固着し、該各スライドガイドアーム１４にス
ライダ１５をスライドベアリング、ブツシユ等の
滑り軸受１６を介して夫々装着し、該各スライダ
１５に固設したブラケツト１７の先端に、真空吸
着具としての数個のバキユームカツプ１８を首振
り自在で且つ出入シリンダにより突出可能な装置
を備えたバキユームカツプホルダ１９をピン２０
にて枢着し、前記ブラケツト１３とスライダ１５
とを圧縮バネ２１により連結し、該スライダ１５
と前記バキユームカツプホルダ１９とを引張りバ
ネ２２により連結してある。更に、前記各支持軸
１１，１２の端部にスプロケツト２３，２４を
夫々取り付け、前記台車１上に設置した各駆動モ
ータ２５，２６の出力軸２７，２８に取り付けた
スプロケツト２９，３０により無限軌道状のチエ
ーン３１，３２を循環させることにより前記各支
持軸１１，１２を回転し得る駆動機構を構成し、
前記各駆動モータ２５，２６に曲げ角度検出器３
３，３４を取り付けてある。回転伝達機構は歯車
又はレバー機構にても可能である。

更に又、前記台車１の下部にナツトブロツク３
５を取り付け、該ナツトブロツク３５に螺入する
スクリユー３６を駆動モータ３７により連結器３
８を介して回転し得るようにしてある。図示して
ないが該駆動モータ３７にも台車位置検出器を取
り付けてある。又、限られた曲げ位置の場合には
流体圧シリンダにより台車１を移動するようにし
てもよい。

以上のように構成したので、駆動モータ３７に
よりスクリユー３６を回転して台車１を移動する
ことによつて位置合せをし、次いで駆動モータ２
５，２６によりスプロケツト２９，３０及びチエ
ーン３１，３２を回転させてバキユームカツプ１
８が曲げロール５と略同じ高さになるよう各支持
軸４及び各スライドガイドアーム１４を回転さ
せ、しかる後停止させる。

例えば、バキユームカツプ等により搬送されて
きた素材３９をプリベンダ装置の上方に位置さ
せ、下方の各バキユームカツプ１８により素材３
９を下面より受け真空吸着させる。

次いで、駆動モータ２５，２６を前記と逆の方
向に回転すると、各スライドガイドアーム１４が
下方に傾動する方向に各支持軸１１，１２が夫々
同期して回転し、各スライドガイドアーム１４が
スライダ１５、ブラケツト１７、バキユームカツ
プホルダ１９、バキユームカツプ１８を引き下げ
ることになり、必然的に素材３９の両側にも引き
下げ力が働き、曲げロール５を中心として素材３
９が折り曲げ加工される。

このとき、バキユームカツプ１８は素材３９に
吸着固定されているので、スライドガイドアーム
１４が下方向に傾動する際スライダ１５が滑り軸
受１６により圧縮バネ２１を圧縮する方向に移動
し、バキユームカツプホルダ１９が引張バネ２２
の伸びる方向に傾動する。従つて、バキユームカ
ツプ１８の素材３９への吸着点はスリツプ移動し
ないため、素材３９に傷がつきこともなく又バキ
ユームカツプ１８もいたまない。

素材３９の折り曲げ角度は駆動モータ２５，２
６の回転数に比例するので、曲げ角度検出器３
３，３４により所望の角度に設定、制御すること
ができる。

素材３９の予備曲げ加工が終つたら、バキユー
ムカツプ１８の真空を解き、バキユームカツプ１
８を素材３９から離す。

予備曲げ加工した素材３９を搬送用のバキユー
ムカツプ等により上方又は側方へ移動し、次の工
程に移行する。

前記駆動モータ２５，２６を素材曲げ加工時と
逆方向に回転させることにより、スライドガイド
アーム１４が上方に回転し、圧縮されていた圧縮
バネ２１によりスライダ１５が該スライドガイド
アーム１４の端部方向に押し戻され、次いで伸ば
されていた引張バネ２２が収縮し、各バキユーム
カツプ１８が曲げロール５と同じ高さとなり素材
３９の搬送待ちの状態となる。

なお、本考案のプリベンダ装置は上述の実施例
のみに限定されるものではなく、支持軸の回転を
駆動モータに代えてエアシリンダ又は油圧シリン
ダ或は他のアクチユエータを用いておこなつても
よいこと、左右のバキユームカツプはそれぞれ単
独に駆動し得るようにして左右対称の曲げ角度は
もちろん別々に任意の曲げ角度にセツトするよう
にすること等本考案の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案のプリベンダ装置によ
れば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

（） 曲げロールの左右下方に真空吸着具を俯
仰可能に配設したので、ユニツトが一体とな
り、従来のように曲げロールの左右上方に押し
下げロールを配置する必要がなくコンパクトに
なる。又、占有スペースが小さく、取り付けも
容易になる。

（） 従来のような押し下げロールが不要なた
め、上方に充分なスペースが確保でき、素材の
搬送、曲げ状態の確認に有利である。

（） ユニツトが一体のため任意の曲げ位置に
容易にセツトすることができる。

（） 素材の曲げ角度が任意にセツトできる。

（） 曲げロールを着脱可能とすれば、素材表
面に傷をつけないように弾性体又はプラスチツ
ク等の材質を使用することができ、又摩耗によ
る交換も容易である。

（） 装置全体が軽量である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例の説明図、第
２図は一部省略した第１図の側面図、第３図は従
来のプリベンダ装置の一例を示す説明図である。 １は台車、２はレール、４は支柱、５は曲げロ
ール、９，１０はブラケツト、１１，１２は支持
軸、１４はスライドガイドアーム、１５はスライ
ダ、１６は滑り軸受、１８はバキユームカツプ、
１９はバキユームカツプホルダ、２１は圧縮バ
ネ、２２は引張バネ、２３，２４はスプロケツ
ト、２５，２６は駆動モータ、２９，３０はスプ
ロケツト、３１，３２はチエーン、３３，３４は
曲げ角度検出器、３５はナツトブロツク、３６は
スクリユー、３７は駆動モータ、３９は素材を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略水平に固定して配設した曲げロールの左右下
   方に、支持軸を前記曲げロールと平行に且つ回転
   可能に夫々支持せしめ、該各支持軸にスライドガ
   イドアームを該各支持軸と直交する方向に少なく
   とも一個夫々固設し、該各スライドガイドアーム
   に摺動自在に装着したスライダに、真空吸着具を
   回転可能に夫々枢着し、更に前記各支持軸を回転
   させるための駆動機構を備えてなることを特徴と
   するプリベンダ装置。