JPH05271465A - サーモトロピック液晶ポリマー組成物と絶縁材 - Google Patents

サーモトロピック液晶ポリマー組成物と絶縁材

Info

Publication number
JPH05271465A
JPH05271465A JP3112793A JP3112793A JPH05271465A JP H05271465 A JPH05271465 A JP H05271465A JP 3112793 A JP3112793 A JP 3112793A JP 3112793 A JP3112793 A JP 3112793A JP H05271465 A JPH05271465 A JP H05271465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
resin
zircon
liquid crystal
crystal polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3112793A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Nakamura
俊夫 中村
Shigeyoshi Soeda
栄美 添田
Toshibumi Miyasaka
俊文 宮坂
Minoru Iwata
實 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Publication of JPH05271465A publication Critical patent/JPH05271465A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K5/00Casings; Enclosures; Supports
    • H02K5/04Casings or enclosures characterised by the shape, form or construction thereof
    • H02K5/08Insulating casings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K19/38Polymers
    • C09K19/3804Polymers with mesogenic groups in the main chain
    • C09K19/3809Polyesters; Polyester derivatives, e.g. polyamides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気絶縁性で熱伝導性がよく、熱膨張性の少
ない信頼性に優れた液晶ポリマー組成物を得る。 【構成】 サーモトロピック液晶ポリマー樹脂10〜5
0重量%と、ジルコン50〜90重量%とからなる電気
絶縁材として有用なサーモトロピックLCP組成物であ
り、射出成形して電気機械器具用のコイルと端子部を含
む固定子部の絶縁性ハウジング形成に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ポリマー組成物に
係り、特に、射出成形により電気機械器具の構造体に用
いるのに適した電気絶縁材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶ポリマーに充填剤例えば、ガ
ラス、カーボン、ケプラーなどの短繊維を充填して強化
することや、炭酸カルシウムなどを充填して成形品の引
け防止をすることは行なわれていたが、充填剤の含有率
は通常30〜40重量%までであった。これに対して液
晶ポリマーに充填剤を高含有量で混練して、射出成形に
より充填成形し、電気絶縁性や熱伝熱性を改善すること
は知られていなかった。また、従来例えば、小型モータ
の固定子磁気鉄心や、それに配設された固定子コイル、
並びにその端子部は運転に伴なう脈動トルクや発熱に起
因するさまざまな機械的ストレス、湿度、水分、腐食性
雰囲気、腐食性液体、熱放散、などの実用上の諸条件下
にさらされていることから、それらの固着法や絶縁法に
ついて種々検討されてきた。
【0003】一般には絶縁ワニス並びに接着剤を用い
て、固定子コイルの絶縁並びに固定子磁気鉄心への固着
を行ない、ついで鋳造金属部分を用いて、ハウジングを
行なう方法が採られている。然し、この様な方法では、
製造工程数が多く、多大の時間と資材とを使用するた
め、製品のコストが高くなる。また、一方回転機の運転
時に生ずる熱冷サイクルや機械的振動により、接着面の
剥離、絶縁性能の低下などの欠点があった。特に、可変
周波数電源例えばPWMインバータ制御(可変電圧、可
変周波数制御装置、云わゆるVVVF制御等)によって
高周波数で高速運転されるモータにおいては、この欠点
はより助長される欠陥を持っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な問題点を取り
除く方法として、固定子鉄心、固定子コイル全体を樹脂
でモールドする方法が提案されている。この方法におい
ては、一体モールドできる樹脂組成物として次のような
点が要求される。まず、樹脂組成物は、固定子磁気鉄心
と、固定子コイルに対して極めて接着性が優れていなけ
ればならない。
【0005】そして、回転機の作動時に発生する熱の放
散性を良くし、かつ剥離現象を起さずに長時間にわたっ
てその絶縁性を保持出来る必要がある。また、回転子の
作動、停止による熱、冷却サイクルあるいは作動時の振
動により、モールド層にクラックが生じ、絶縁性能の低
下のみならず、回転機の寸法精度が悪くなり、回転子の
運動に支障を来たしてはならない。さらに、回転機の電
磁気学的な要請に基づいて、固定子磁気鉄心に備えられ
る多数のスロット部へ完全に樹脂が充填して、電気力線
分布に乱れを生ぜず、また回転機の作動時の脈動振動に
より、固定子磁気鉄心から樹脂が剥離したり、樹脂にク
ラックが生じたり、あるいはまた樹脂の破片が回転子に
当ってはならない。
【0006】さらに最も重要な点としては、何より絶縁
性がよくなければならない。一度モールドすると、後で
修正することができないために絶対的な特性の信頼性が
なければならない。以上の様な種々の問題点を解決する
ことは従来極めて困難であるとされていた。このような
課題を解決する手法として、高充填性、高生産性に優れ
る射出成形技術が有用であるが、今までの充填材料は化
学反応を伴う液状樹脂であるため、射出成形ができなか
った。本発明は、上記した従来技術の欠点を解消する射
出成形用材料を開発し、作業性と量産性を向上させ、か
つ、絶縁性、熱伝導性、熱膨張性並びに信頼性のすぐれ
た液晶ポリマー組成物及び電気絶縁材を提供し、それを
用いた樹脂モールド固定子を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、サーモトロピック液晶ポリマー樹脂1
0〜50重量%と、ジルコン50〜90重量%とからな
るサーモトロピック液晶ポリマー組成物としたものであ
り、上記組成物には、ジルコンに対して容積比で最大4
0%までの無機鉱物質充填剤を添加してもよい。また、
本発明では、サーモトロピック液晶ポリマー樹脂10〜
50重量%に、粒径1〜60μmのジルコン50〜90
重量%及び該ジルコンに対して容積比で最大40%まで
の無機鉱物質充填剤を充填してなる電気絶縁材としたも
のである。
【0008】さらに、本発明では、前記の電気絶縁材を
用いて、電気機械器具用有鉄心又は空鉄心コイル及びそ
のコイルと端子部を含む固定子部全体に、射出成形によ
り絶縁性ハウジングを形成したことを特徴とする樹脂モ
ールド製電気機械器具用固定子とその製造方法としたも
のである。そして、このような固定子は、電気絶縁性が
良く、且つ膨張係数が極めて金属に近いため剥離、クラ
ック発生がなく、信頼性が高く優れている。
【0009】次に本発明を詳細に説明する。本発明にお
ける液晶ポリマー樹脂とは、芳香族ポリエステルに属す
る熱可塑性を有するものでサーモトロピックLCP( L
iquid Crystalline Polymers:液晶ポリマー)と呼ばれ
るものである。このサーモトロピックLCPは基本分子
構造の違いにより、現在3つのタイプがあり、耐熱性も
大いに異なっている。いずれも、パラヒドロキシ安息香
酸(PHB)を含むポリエステル系の共重合体である
が、1型はPHB、テレフタル酸(TA)、p,p′−
ビフェノール(BP)の共重合体で荷重たわみ温度(H
DT)は275〜350℃である。2型は2−オキシ−
6−ナフトエ酸(2,6−NA)を主成分としたもの
で、HDTは180〜240℃、3型はPHBとPET
(ポリエチレンテレフタレート)の共重合体で、HDT
は64〜210℃である。いずれも、溶融粘度が低く高
流動性であり、低線膨張係数、低成形収縮率、低吸湿寸
法変化による高寸法安定性、振動減衰特性、高強度・高
弾性率の他に電気機械器具として必要な高い絶縁耐力と
耐アーク性をもつ。
【0010】一方、高分子材料は一般に熱伝導性が悪
く、更にこのサーモトロピックLCPは成形時の結晶配
向の影響による異方性が大きく、特にウェルド強度が低
下する性質があるため、本発明では無機鉱物質のフィラ
ーを多量に含有させ改善を図った。無機鉱物質としては
電気特性を低下させないことを第一義に、また射出成形
によってステータコイルの線間などを始めとする微小隙
間への材料の充填をするため、構造式、ZrSiO4
ジルコン、例えばジルコンサンドの微粒子(ジルコンフ
ラワー:350メッシュパス96.5%以上、約60μ
m以下)を使用した。
【0011】ジルコンフラワーはサーモトロピックLC
Pに対し重量比で50〜90%、望ましくは80%以上
含有させ、両者を予め加熱混練して均質な組成を持つペ
レット(粒状)にして使用する。本発明おいてサーモト
ロピックLCPに混練される無機鉱物質充填剤としては
ジルコンの他にシリカ、クレー、タルク、アスベスト、
カオリン、ドロマイト、クロマイト、アルミナ、マイ
カ、マグネサイト、酸化チタン、酸化ベリリウム、酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、スレート、チョウク、
珪砂、シラス、山砂、川砂、溶融石英、ガラス粉、その
他自然に存在する無機質物質を粉状に加工した種々な粉
状物質がある。その添加量はジルコンに対する添加比率
が容積比で最大40%であり、ジルコンの比重との換算
で重量比が求められる。
【0012】また、樹脂モールド製電気機械器具用固定
子を製造するための射出成形条件としては、加熱混練の
温度範囲は260〜330℃特に270〜280℃が最
適であり、射出成形の際の圧力範囲は400〜1400
kgf/cm2 である。
【0013】
【作用】本発明でジルコンの添加量を重量比で50%以
上としたのは、この量以下では熱伝導率の値が低く実質
的に添加効果が得られないためである。また、90%を
越える添加では混練機やペレタイザー更には射出成形機
や金型の摩耗や負荷が大きくなり実質的に混練不可能に
なるためであり、かつ組成物成形体に空隙を生じ特性の
低下を来たすためである。また、ジルコン以外の無機鉱
物質充填材の添加量を最大で40%までとしたのは、ジ
ルコン以外の無機鉱物質充填材を使用する場合、電気絶
縁性としては差異のないものが多いが、熱伝導率の特性
としては、差異が大きくなるためジルコンに対する添加
比率は容積比で最大40%としたものである。
【0014】更に、射出成形の際の圧力範囲を400〜
1,400kgf/cm2 としているが、水中モータステータの
成形では、充填材料の配合割合や射出成形時の樹脂温度
や金型温度により、範囲が広くなるため、一般的に一次
成形は、600〜1,400kgf/cm2 、二次成形は400
〜700kgf/cm2 の圧力範囲となるためである。本発明
のサーモトロピック液晶ポリマー組成物は、熱伝導性の
よいジルコンを含有しているため、電気絶縁性、熱伝導
性及び耐熱性に優れた安価で強い電気絶縁材であり、こ
の絶縁材を用いて射出成形することによって、絶縁とハ
ウジング形成を同時に行ない、絶縁性能が良好で、小型
軽量な信頼性の優れた固定子を得ることができる。
【0015】従来電気機械器具の樹脂モールドは、液状
の不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂で行なわれていたが、この方法では硬化時
間が長い、硬化中フィラーの沈降を生じ、レジンリッ
チ部を形成するためヒートサイクルによりクラックを発
生しやすい、成形品には必ずケース(容器)が必要な
ため附形部品を作りにくい、成形品にエアボイドが生
じ易く品質上好ましくない。硬化時大気中の湿度の影
響を受けやすい、など製造上並びに性能上の欠点があっ
た。
【0016】つまり、従来技術の樹脂モールドでは、硬
化収縮やヒートサイクル、エアボイド、硬化状態の差異
などに起因するクラックの発生があり、経時劣化が避け
難かった。しかし、本発明では高熱伝導性の無機鉱物質
フィラーを均質に混練したサーモトロピックLCPを射
出成形することにより従来の欠点を全て克服した上に、
振動減衰特性や腐食性ガスに対するバリヤー性など新た
な機能を付加した樹脂モールド製電気機械器具を提供す
ることが可能となった。更に、射出成形が可能となった
ことにより生産性が従来技術に較べ2〜3倍向上した。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 パラヒドロキシ安息香酸とポリエチレンテレフタレート
の共重合体からなる3型のサーモトロピックLCP(H
DT:170℃)にジルコンフラワー(350メッシュ
パス96.5%以上、約60μm以下)を重量比で8
5.3%含有し、温度270〜280℃で加熱混練し
て、本発明の均質なサーモトロピック液晶ポリマー組成
物を製造した。ジルコンフラワーZはジルコニア(Zr
2 )を66wt%と二酸化けい素(SiO2 )33wt%
の成分比をもつ。
【0018】本発明のサーモトロピック液晶ポリマー組
成物のペレットを使って、射出成形により平板状の試験
片を作成して測定した熱伝導率及び線熱膨張係数は表1
のとおりである。比較として、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂とジルコンサンド(粒度分布のピークが105
〜125μmで非常に粗い)の無機質充填材(86.8
wt%)からなる材料(比較例1)、FRP(ガラス繊
維:GF、30wt%)からなる材料(比較例2)、ナイ
ロン66(GF、30wt%)からなる材料(比較例
3)、サーモトロピックLCP(GF、30wt%)から
なる材料(比較例4)を示す。
【0019】実施例2 実施例2は実施例1と同じ配合比をベースに、ジルコン
フラワーの容積に対し溶融石英(ジルコンフラワーと同
じく60μm以下の粒径のシリカフラワー:粒形は破砕
砂のため角張っている)を30容量%配合した組成物で
ある。溶融石英は熱膨張係数がジルコンフラワーより小
さく、熱的安定性に優れた性質を持っている。測定結果
を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例3 次に、実施例1と同じ、サーモトロピック液晶ポリマー
とジルコンフラワーを用いてサーモトロピック液晶ポリ
マー組成物を製造した。この例ではジルコンフラワーの
含有量を、45、60、70、85、90、95重量%
として実施し、熱伝導率と絶縁破壊電圧を測定しそれぞ
れ固有の値と比較した結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】上記、表1、表2に記載のように本発明の
組成物は、熱伝導率がよく、また線熱膨張係数が小さ
い。なお、表2に示すように、90%まではジルコンフ
ラワー含有量は多くなるほど熱伝導率はよくなるが、ジ
ルコンフラワー含有量が90%を超えると、組成物成形
体に空隙部を生じるため、徐々に特性が低下する。
【0024】実施例4 熱伝導性効果を見るため、水中キャンドモータを製作し
温度試験を実施した。本発明の液晶ポリマー樹脂として
はジルコンフラワー85wt%、LCP15wt%を用い
た。その結果を表3に示す。熱伝導性向上による固定子
の冷却は顕著であり、特にコイルエンド部の熱放散が良
く、モータ全体の温度の平均化が行われている。
【0025】
【表3】
【0026】前記の水中キャンドモータの断面図を図1
に示す。図1において、1は水中キャンドモータのシャ
フト、2はシャフト1に嵌着固定されたロータ、3は軸
受、4はシャフト1を軸受3を介して支承するブラケッ
トを示す。5はステータ室6とロータ室7を分離隔壁と
するステータキャン、8はステータコア、9は絶縁紙、
10はコイルを示す。11はステータコア8を嵌着固定
するフレーム、14はフレーム側板、15はリード線を
示す。ステータ室6は本発明のサーモトロピック液晶ポ
リマーとジルコンフラワーの混合物で充填モールドされ
ており、ロータ室7はプロピレングリコール水溶液で充
満されている。
【0027】31はサンドスリンガー、32はオイルシ
ールを示しロータ室内へのゴミ、汚水の浸入を防止する
シール機構を示す。33はスラストカーボン、34はス
ラストパッド、35は調心球、36はスラストディス
ク、37はスラストハウジングを示し、本水中キャンド
モータに連結されるポンプを運転した時に発生する水力
学的アキシャルスラスト力をシャフト1を通して担持す
るスラスト軸受機構を示す。比較例として、ステータ室
内6にエポキシ樹脂及びシリカの混合物を充填したもの
を比較例5として、また、ステータ室内6に不活性トラ
イガスと空気との混合気体を充満させたものを比較例6
として表3に示している。
【0028】実施例5 本実施例では、水中モータのステータ室内を本発明によ
る電気絶縁性に優れた高熱伝導性成形材料で充填する方
法を説明する。図2は水中モータ・ステータの断面図を
示す。8がステータコアの珪素鋼板で、モータ容量に応
じて必要数が積層されフレーム11の所定位置に固定さ
れている。この珪素鋼板の中には絶縁紙9等で保護され
たコイル10が配置されその端部が両端のコイルエンド
10a、10bを形成している。ステータ21はこの他
に負荷側フレーム側板14a、反負荷側フレーム側板1
4b及びキャン5により密閉された部屋を形成してい
る。
【0029】図3〜5は図2に示した水中モータのステ
ータ室内6を本発明の充填材料で射出成形により充填成
形するための金型構造の例を示したものである。このう
ち、図3は一次成形用で、ステータコア8に設けられた
スロット19に配置されたコイル、及びその両端のコイ
ルエンド10a、10bに損傷を与えずに、空隙を完全
に充填するための射出成形用金型であり、図4は、図3
のA−A線断面図である。
【0030】先ず、一次成形においては、コイルを配置
したステータコア8を金型に装着し、ステータコア8の
中空部に設けたスプルー24、ゲート29から本発明の
サーモトロピックの液晶ポリマー組成物を高圧で射出し
複数のスロット19及びそのスロット19を通して両端
のコイルエンド10a、10b周囲のステータ室内6の
一部を充填成形する。この場合の射出圧力は、充填樹脂
材料の流動長さが長いため、実施例では800〜1,20
0kgf/cm2 が適正範囲であった。
【0031】図5は二次成形用金型であり、図2におけ
る両端のコイルエンド部10a、10bを負荷側・反負
荷側フレーム側板14a、14bに設けた注入口(ゲー
ト)29を通して射出成形により本発明の成形材料で充
填した。即ち、図5は、図3の一次成形後のステータコ
ア8が、フレーム11、負荷側フレーム側板14a、反
負荷側フレーム側板14b及びキャン5により密閉され
たステータコア両端のコイルエンド部10a、10bの
ステータ室内6を、同じく射出成形で充填するための二
次成形用金型である。
【0032】図5において、二次成形用金型は、X−X
部で固定型22と可動型23に分割されており、それぞ
れに金型温度を調整するための温調回路28が設けられ
ている。ステータ21はステータの変形を防ぐための補
強治具26a、26b、26cで予め補強され吊り具2
7で吊り上げて可動型23に装着する。この状態で成形
材料をスプルー24から射出成形する。成形後、金型を
分割面X−Xで開き、突き出しプレート25を作動させ
てステータ21を補強治具26a、26b、26cと共
に可動型23から抜き出し、吊り具27を用いて取り出
す。
【0033】この手順によりコイルエンド10a、10
bの一方の充填が完了し、同じ操作によりもう一方のコ
イルエンドを充填成形する。二次成形では充填するキャ
ビティ(空洞)のマス(容積)が大きく流動長さが短い
ので、射出圧力は約500kgf/cm2 で充填できる。本実
施例の射出成形条件を整理し、表4に示す。
【0034】
【表4】 尚、本実施例としては一次成形と二次成形でステータ室
6を完全に充填したが、用途によっては一次成形だけで
目的を達することができるケースもある。
【0035】実施例6 図6は本発明による樹脂モールドモータの断面図を示
す。図6において、1は樹脂モールドモータのシャフ
ト、2はシャフト1に嵌着固定されたロータ、3a、3
bは軸受、4a、4bはシャフト1を軸受3a、3bを
介して支承するブラケットを示す。17a、17bは樹
脂モールド部18とロータ室7a、7bを分離隔壁とす
る樹脂モールド製キャンで、樹脂モールド部18と一体
に境界目なく形成されている。8はステータコア、9は
絶縁紙、10はコイルを示す。18はステータコア8、
コイル10、絶縁紙9を一体にハウジングする樹脂モー
ルド部を示す(図1に示すステータ室6はこの部分に包
含される)。15はリード線を示す。ロータ室7a、7
bは真空又は流体(気体又は液体)で充満されている。
【0036】図7は図6のステータコア8、樹脂モール
ド製キャン17の部分詳細断面図を示す。8はステータ
コア、17は樹脂モールド製キャン、9は絶縁紙、10
はコイル、16はくさびを示す。これらは樹脂モールド
部18に一体ハウジングされる。樹脂モールド部18は
ステータコア8とロータ2とが対向する範囲においては
ステータキャン17としても機能し、ロータ室7a、7
bと分離隔壁する機能も合せ持つ。
【0037】実施例7 図8は本発明による樹脂モールド・モータの他の実施例
の断面図である。図8において、1はキャンドモータの
シャフト、2はシャフト1に嵌着固定されたロータ、3
a、3bは軸受、4a、4bはシャフト1を軸受3a、
3bを介して支承するブラケットを示す。5はステータ
室6とロータ室7a、7bを分離隔壁とするステータキ
ャン、8はステータコア、9は絶縁紙、10はコイルを
示す。11はステータコア8を嵌着固定するフレーム、
12は冷却水室、13は冷却ジャケット、14はフレー
ム側板、15はリード線を示す。ステータ室6は、本発
明のサーモトロピック液晶ポリマーとジルコンフラワー
の混合物で充填され、ロータ室7a、7bは真空又は流
体(気体又は液体)で充満されている。
【0038】
【発明の効果】本発明の液晶ポリマー組成物は、絶縁
性、熱伝導性、熱膨張性、並びに信頼性のすぐれた組成
物であり、これを電気絶縁材として電気機械器具用固定
子の絶縁性ハウジングに用いることにより、強固で密着
性がよく、しかも熱安定性、絶縁性のよい樹脂モールド
固定子をうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水中キャンドモータの断面図である。
【図2】本発明の水中モータ・ステータの断面図であ
る。
【図3】図2のモータ・ステータの一次成形用金型の断
面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】射出成形により充填成形するための金型構造の
一例を示す断面図である。
【図6】本発明の樹脂モールド・モータの断面図であ
る。
【図7】図4のステータコアと樹脂モールド製キャンの
部分詳細断面図である。
【図8】本発明の樹脂モールドモータの他の例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1:シャフト、2:ロータ、3,3a,3b:軸受、
4,4a,4b:ブランケット、5:ステータキャン、
6:ステータ室、7,7a,7b:ロータ室、8:ステ
ータコア、9:絶縁紙、10,10a,10b:コイ
ル、11:ステータコア、12:冷却水室、13:冷却
ジャケット、14:フレーム側板、15:リード線、1
6:くさび、17,17a,17b:樹脂モールド製キ
ャン、18:樹脂モールド部、21:ステータ、22:
固定型、23:可動型、24:スプルー、25:突き出
しプレート、26a、26b、26c:補強治具、2
7:吊り具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 實 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーモトロピック液晶ポリマー樹脂10
    〜50重量%と、ジルコン(ZrSiO4 )50〜90
    重量%とからなるサーモトロピック液晶ポリマー組成
    物。
  2. 【請求項2】 サーモトロピック液晶ポリマー樹脂10
    〜50重量%と、ジルコン(ZrSiO4 )50〜90
    重量%と、該ジルコンに対して容積比で最大40%まで
    の無機鉱物質充填剤とからなるサーモトロピック液晶ポ
    リマー組成物。
  3. 【請求項3】 サーモトロピック液晶ポリマー樹脂10
    〜50重量%に、粒径1〜60μmのジルコン(ZrS
    iO4 )50〜90重量%及び該ジルコンに対して容積
    比で最大40%までの無機鉱物質充填剤を充填してなる
    電気絶縁材。
  4. 【請求項4】 電気機械器具用有鉄心又は空鉄心コイル
    及びそのコイルと端子部を含む固定子部全体に、請求項
    3記載の電気絶縁材を用いて、射出成形により絶縁性ハ
    ウジングを形成したことを特徴とする樹脂モールド製電
    気機械器具用固定子。
  5. 【請求項5】 電気機械器具用有鉄心又は空鉄心コイル
    及びそのコイルと端子部を含む固定子部全体に、請求項
    3記載の電気絶縁材を400〜1400kgf/cm2 の圧力
    で射出成形して絶縁性ハウジングを形成することを特徴
    とする樹脂モールド製電気機械器具用固定子の製造方
    法。
JP3112793A 1992-01-29 1993-01-28 サーモトロピック液晶ポリマー組成物と絶縁材 Pending JPH05271465A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-36926 1992-01-29
JP3692692 1992-01-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05271465A true JPH05271465A (ja) 1993-10-19

Family

ID=12483366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3112793A Pending JPH05271465A (ja) 1992-01-29 1993-01-28 サーモトロピック液晶ポリマー組成物と絶縁材

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0553831B1 (ja)
JP (1) JPH05271465A (ja)
DE (1) DE69322294T2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1384567A1 (en) 2002-07-22 2004-01-28 Polymatech Co., Ltd. Thermally conductive polymer molded article and method for producing the same
JP2004502828A (ja) * 2000-07-05 2004-01-29 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 高トラッキングインデックス液晶ポリマーおよび関連用途
EP1416031A1 (en) * 2002-10-31 2004-05-06 Polymatech Co., Ltd. Heat conducting polymer mold products
US7079405B2 (en) 2002-07-11 2006-07-18 Polymatech Co., Ltd. Thermal conductive polymer molded article and method for producing the same
US7300263B2 (en) 2004-04-23 2007-11-27 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Pump
JP2018126052A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフトDr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft 電気駆動機械を製造する方法および電気駆動機械

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3028905B2 (ja) * 1994-01-31 2000-04-04 アイシン精機株式会社 後輪操舵アクチュエ−タ
DE19737995A1 (de) * 1997-08-30 1999-03-04 Micafil Isoliertechnik Ag Bauelement
EP0944098B1 (en) * 1998-03-19 2005-06-01 Hitachi, Ltd. Thermally conductive electrical insulating composition
JP3775348B2 (ja) * 2002-05-31 2006-05-17 株式会社日立製作所 回転電機
WO2004103047A1 (en) * 2003-05-14 2004-11-25 Chingyi Chen High efficient heat dissipating module and method of manufacture
DE102006008423A1 (de) 2006-02-23 2007-08-30 Wilo Ag Motorkreiselpumpe
DE102013208746A1 (de) * 2013-05-13 2014-11-13 Robert Bosch Gmbh Stator für eine elektrische Maschine, der sich konzentrisch um eine Mittelachse erstreckt und Verfahren zur Herstellung einer solchen
JP6994194B2 (ja) * 2017-11-30 2022-01-14 株式会社荏原製作所 すべり軸受装置及びこれを備えたポンプ
CN111087759B (zh) * 2019-11-27 2023-02-17 广东盈骅新材料科技有限公司 树脂组合物及其应用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5461700A (en) * 1977-10-25 1979-05-18 Fujitsu Ltd Electric insulation material
JPS5583435A (en) * 1978-12-20 1980-06-23 Hitachi Ltd Resin mold stator
US4458039A (en) * 1983-02-07 1984-07-03 Celanese Corporation Thermotropic liquid crystalline polymer blend with reduced surface abrasion
JPS61316A (ja) * 1984-06-13 1986-01-06 住友化学工業株式会社 オ−ブンウエア
JPS6451460A (en) * 1987-08-24 1989-02-27 Teijin Ltd Sheetlike object
JP2808113B2 (ja) * 1988-03-17 1998-10-08 矢崎総業株式会社 塩化ビニル樹脂組成物
EP0627458A3 (en) * 1989-10-20 1995-03-22 Gen Electric High density thermoplastic molding materials.
EP0627457A3 (en) * 1989-10-20 1995-03-15 Gen Electric Molding compounds.

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004502828A (ja) * 2000-07-05 2004-01-29 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 高トラッキングインデックス液晶ポリマーおよび関連用途
US7079405B2 (en) 2002-07-11 2006-07-18 Polymatech Co., Ltd. Thermal conductive polymer molded article and method for producing the same
EP1384567A1 (en) 2002-07-22 2004-01-28 Polymatech Co., Ltd. Thermally conductive polymer molded article and method for producing the same
US7189778B2 (en) 2002-07-22 2007-03-13 Polymatech Co., Ltd. Thermally conductive polymer molded article and method for producing the same
EP1416031A1 (en) * 2002-10-31 2004-05-06 Polymatech Co., Ltd. Heat conducting polymer mold products
US7347955B2 (en) 2002-10-31 2008-03-25 Polymatech Co., Ltd. Heat conducting polymer mold products
US7300263B2 (en) 2004-04-23 2007-11-27 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Pump
JP2018126052A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフトDr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft 電気駆動機械を製造する方法および電気駆動機械
US10784738B2 (en) 2017-02-03 2020-09-22 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Method for producing an electric drive machine and electric drive machine

Also Published As

Publication number Publication date
DE69322294T2 (de) 1999-06-02
DE69322294D1 (de) 1999-01-14
EP0553831A3 (en) 1993-12-22
EP0553831A2 (en) 1993-08-04
EP0553831B1 (en) 1998-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5490319A (en) Thermotropic liquid crystal polymer composition and insulator
US5459190A (en) Thermotropic liquid crystal polymer composition and insulator
JPH05271465A (ja) サーモトロピック液晶ポリマー組成物と絶縁材
EP0673957A2 (en) Epoxy resin moulding composition
KR101888699B1 (ko) 고전압 코일
JP2011057734A (ja) 高靭性高熱伝導性硬化性樹脂組成物、その硬化物及びモールド電機機器
WO2010106084A1 (en) Curable epoxy resin composition
JP6101122B2 (ja) モールドトランス用エポキシ樹脂組成物、モールドトランスおよびモールドトランスの製造方法
EP0676448B1 (en) Epoxy resin composition and resin molding using the same
US4638021A (en) Epoxy resin composition
WO2017104726A1 (ja) モールドワニス、樹脂硬化物、電力機器及び真空遮断器
JPS6351447B2 (ja)
JP3375217B2 (ja) 電気電子部品用封止材
US4038491A (en) Fluid casting composition containing low expansion glass filler
JP2004143368A (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH09176288A (ja) エポキシ樹脂組成物および絶縁スペーサ
JP2005281467A (ja) 高熱伝導性樹脂、および部材、ならびにそれらを用いた電気機器および半導体装置
JP2005327580A (ja) 絶縁スペーサおよびガス絶縁機器
JPS6248968B2 (ja)
JP2000086869A (ja) エポキシ樹脂組成物およびコイル
JPS6248236A (ja) 電磁装置
JPH0922969A (ja) 電子部品封止材
JPH0977847A (ja) 電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物
JPH09268222A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3590077B2 (ja) 絶縁樹脂成形品の製造方法