JPH0977847A - 電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物Info
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- JPH0977847A JPH0977847A JP23817395A JP23817395A JPH0977847A JP H0977847 A JPH0977847 A JP H0977847A JP 23817395 A JP23817395 A JP 23817395A JP 23817395 A JP23817395 A JP 23817395A JP H0977847 A JPH0977847 A JP H0977847A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】注型作業性を損なうことなく、優れた電気的特
性および機械的特性を有する電気絶縁用注型エポキシ樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を用いて構成さ
れた熱硬化性樹脂と無機質充填材を含有する電気絶縁用
エポキシ樹脂組成物である。しかも、上記(B)成分の
配合割合が、(A)成分1当量に対して0.6〜1.0
当量の範囲に設定されている。 (A)下記の(a)および(b)を含有し、下記の
(c)を除く混合エポキシ樹脂。 (a)下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA
型エポキシ樹脂。 【化1】 (b)下記の一般式(2)で表される結晶性エポキシ樹
脂。 【化2】 〔ただし、上記(a)および(b)の重量比は、(a)
が60〜80重量%、(b)が20〜40重量%であ
る。〕 (c)下記の一般式(3)で表されるノボラック型エポ
キシ樹脂。 【化3】
性および機械的特性を有する電気絶縁用注型エポキシ樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を用いて構成さ
れた熱硬化性樹脂と無機質充填材を含有する電気絶縁用
エポキシ樹脂組成物である。しかも、上記(B)成分の
配合割合が、(A)成分1当量に対して0.6〜1.0
当量の範囲に設定されている。 (A)下記の(a)および(b)を含有し、下記の
(c)を除く混合エポキシ樹脂。 (a)下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA
型エポキシ樹脂。 【化1】 (b)下記の一般式(2)で表される結晶性エポキシ樹
脂。 【化2】 〔ただし、上記(a)および(b)の重量比は、(a)
が60〜80重量%、(b)が20〜40重量%であ
る。〕 (c)下記の一般式(3)で表されるノボラック型エポ
キシ樹脂。 【化3】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高電圧用絶縁体
の成形材料に用いられる電気絶縁用注型エポキシ樹脂組
成物に関し、特に、超高電圧化のもとで電力機器の絶縁
部や電力ケーブル接続部の小形化に有用な電気絶縁用注
型エポキシ樹脂組成物に関するものである。
の成形材料に用いられる電気絶縁用注型エポキシ樹脂組
成物に関し、特に、超高電圧化のもとで電力機器の絶縁
部や電力ケーブル接続部の小形化に有用な電気絶縁用注
型エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力機器の絶縁部や電力ケーブルの接続
部等においては、金属電極を埋め込んだエポキシ樹脂組
成物注型品を設置して、上記金属電極部で導体を支持す
ることが行われている。このようなエポキシ樹脂組成物
注型品は、一般に、エポキシ樹脂と、酸無水物と、充填
剤等からなるエポキシ樹脂組成物を用いて製造されてい
る。このうち、エポキシ樹脂としてはビスフェノールA
型エポキシ樹脂が、酸無水物としては無水フタル酸が、
無機質充填材としてはアルミナ、シリカ等の無機質粉末
が用いられ、これらを用いることにより耐クラック性や
機械的強度あるいは電気的特性をバランス良く向上させ
てきた。
部等においては、金属電極を埋め込んだエポキシ樹脂組
成物注型品を設置して、上記金属電極部で導体を支持す
ることが行われている。このようなエポキシ樹脂組成物
注型品は、一般に、エポキシ樹脂と、酸無水物と、充填
剤等からなるエポキシ樹脂組成物を用いて製造されてい
る。このうち、エポキシ樹脂としてはビスフェノールA
型エポキシ樹脂が、酸無水物としては無水フタル酸が、
無機質充填材としてはアルミナ、シリカ等の無機質粉末
が用いられ、これらを用いることにより耐クラック性や
機械的強度あるいは電気的特性をバランス良く向上させ
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、高電圧用機器の
小形縮小化、超高電圧化の傾向はますます強く、エポキ
シ樹脂組成物注型品に要求される性能もますます高度化
し、従来のエポキシ樹脂組成物注型品では、電気的特
性、機械的特性において限界があり破壊に至る可能性も
潜在している。すなわち、超高電圧化に伴い、絶縁体
(電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物を使用した)には
高電界がかかるため一層の耐電圧強度の向上が要求され
る。さらに、誘電損(ε・tanδ・E2 )も超高電圧
化に伴い増大し、その発生熱による絶縁体の熱的損傷も
懸念される。特に、ε・tanδが温度上昇に伴い上昇
すれば、熱暴走破壊も否定し難い。また、絶縁体に埋め
込まれた金属電極との接着性や耐クラック性においても
一層の向上が要求される。
小形縮小化、超高電圧化の傾向はますます強く、エポキ
シ樹脂組成物注型品に要求される性能もますます高度化
し、従来のエポキシ樹脂組成物注型品では、電気的特
性、機械的特性において限界があり破壊に至る可能性も
潜在している。すなわち、超高電圧化に伴い、絶縁体
(電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物を使用した)には
高電界がかかるため一層の耐電圧強度の向上が要求され
る。さらに、誘電損(ε・tanδ・E2 )も超高電圧
化に伴い増大し、その発生熱による絶縁体の熱的損傷も
懸念される。特に、ε・tanδが温度上昇に伴い上昇
すれば、熱暴走破壊も否定し難い。また、絶縁体に埋め
込まれた金属電極との接着性や耐クラック性においても
一層の向上が要求される。
【0004】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、注型作業性を損なうことなく、優れた電気的
特性および機械的特性を有する電気絶縁用注型エポキシ
樹脂組成物の提供をその目的とする。
たもので、注型作業性を損なうことなく、優れた電気的
特性および機械的特性を有する電気絶縁用注型エポキシ
樹脂組成物の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物は、
熱硬化性樹脂と無機質充填材を含有する電気絶縁用注型
エポキシ樹脂組成物であって、上記熱硬化性樹脂が、下
記の(A)〜(C)成分を用いて構成され、上記(B)
成分の配合割合が、(A)成分1当量に対して0.6〜
1.0当量の範囲に設定されているという構成をとる。
め、この発明の電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物は、
熱硬化性樹脂と無機質充填材を含有する電気絶縁用注型
エポキシ樹脂組成物であって、上記熱硬化性樹脂が、下
記の(A)〜(C)成分を用いて構成され、上記(B)
成分の配合割合が、(A)成分1当量に対して0.6〜
1.0当量の範囲に設定されているという構成をとる。
【0006】(A)下記の(a)および(b)を含有
し、下記の(c)を除く混合エポキシ樹脂。 (a)下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA
型エポキシ樹脂。
し、下記の(c)を除く混合エポキシ樹脂。 (a)下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA
型エポキシ樹脂。
【化6】 (b)下記の一般式(2)で表される結晶性エポキシ樹
脂。
脂。
【化7】 〔ただし、上記(a)および(b)の重量比は、(a)
が60〜80重量%、(b)が20〜40重量%であ
る。〕 (c)下記の一般式(3)で表されるノボラック型エポ
キシ樹脂。
が60〜80重量%、(b)が20〜40重量%であ
る。〕 (c)下記の一般式(3)で表されるノボラック型エポ
キシ樹脂。
【化8】 (B)酸無水物。 (C)硬化促進剤。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、エポキシ樹脂組成
物注型品に対して要求される小形縮小化、超高電圧化に
対応するために一連の研究を重ねた。その結果、主成分
として、上記一般式(1)および一般式(2)で表され
る2種類の特定のエポキシ樹脂を含有し、上記一般式
(3)で表されるノボラック型エポキシ樹脂を除く混合
エポキシ樹脂(A成分)と、酸無水物(B成分)と、硬
化促進剤(C成分)とを用いて構成される熱硬化性樹脂
と、無機質充填材とを用い、しかも、上記混合エポキシ
樹脂(A成分)と酸無水物(B成分)の配合割合を特定
の当量比に設定することにより、注型作業性を損なうこ
となく、優れた電気的特性および機械的特性を有する注
型品となりうる電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物が得
られることを見出しこの発明に到達した。
物注型品に対して要求される小形縮小化、超高電圧化に
対応するために一連の研究を重ねた。その結果、主成分
として、上記一般式(1)および一般式(2)で表され
る2種類の特定のエポキシ樹脂を含有し、上記一般式
(3)で表されるノボラック型エポキシ樹脂を除く混合
エポキシ樹脂(A成分)と、酸無水物(B成分)と、硬
化促進剤(C成分)とを用いて構成される熱硬化性樹脂
と、無機質充填材とを用い、しかも、上記混合エポキシ
樹脂(A成分)と酸無水物(B成分)の配合割合を特定
の当量比に設定することにより、注型作業性を損なうこ
となく、優れた電気的特性および機械的特性を有する注
型品となりうる電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物が得
られることを見出しこの発明に到達した。
【0008】さらに、上記酸無水物(B成分)として、
前記構造式(4)および構造式(5)で表される2種類
の特定の酸無水物を特定の配合割合で併用することによ
り、電気的特性および機械的特性をより一層向上させ得
ることが可能となる。
前記構造式(4)および構造式(5)で表される2種類
の特定の酸無水物を特定の配合割合で併用することによ
り、電気的特性および機械的特性をより一層向上させ得
ることが可能となる。
【0009】また、上記無機質充填材として、球状の溶
融シリカ粉末を用いることにより、なかでも、この球状
の溶融シリカ粉末として、粒径50μm以下の粒子が全
体の99重量%以上〔要件(X)〕で、かつ平均粒径が
35μm以下〔要件(Y)〕のものを用いることによ
り、粘度上昇による注型作業性の低下が効果的に防止さ
れ、電気的特性および機械的特性の双方に優れた注型エ
ポキシ樹脂組成物が得られることを突き止めた。
融シリカ粉末を用いることにより、なかでも、この球状
の溶融シリカ粉末として、粒径50μm以下の粒子が全
体の99重量%以上〔要件(X)〕で、かつ平均粒径が
35μm以下〔要件(Y)〕のものを用いることによ
り、粘度上昇による注型作業性の低下が効果的に防止さ
れ、電気的特性および機械的特性の双方に優れた注型エ
ポキシ樹脂組成物が得られることを突き止めた。
【0010】一方、上記無機質充填材として、溶融アル
ミナを用いることにより、電気的特性および機械的特性
の双方に優れた注型エポキシ樹脂組成物が得られ、特
に、耐電圧特性においては電融アルミナを用いた場合に
比べて30〜50%も向上させることができる。
ミナを用いることにより、電気的特性および機械的特性
の双方に優れた注型エポキシ樹脂組成物が得られ、特
に、耐電圧特性においては電融アルミナを用いた場合に
比べて30〜50%も向上させることができる。
【0011】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0012】この発明の注型用エポキシ樹脂組成物は、
特定の2種類のエポキシ樹脂を含有する混合エポキシ樹
脂(A成分)と、酸無水物(B成分)と、硬化促進剤
(C成分)とを用いて構成される熱硬化性樹脂と、無機
質充填材とを用いて得られるものである。
特定の2種類のエポキシ樹脂を含有する混合エポキシ樹
脂(A成分)と、酸無水物(B成分)と、硬化促進剤
(C成分)とを用いて構成される熱硬化性樹脂と、無機
質充填材とを用いて得られるものである。
【0013】上記特定の2種類のエポキシ樹脂を含有す
る混合エポキシ樹脂(A成分)は、特定のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(a)と、特定の結晶性エポキシ樹
脂(b)とを用いて得られる。
る混合エポキシ樹脂(A成分)は、特定のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(a)と、特定の結晶性エポキシ樹
脂(b)とを用いて得られる。
【0014】上記特定のビスフェノールA型エポキシ樹
脂(a)は、下記の一般式(1)で表されるものであ
り、軟化点が55〜75℃で、エポキシ当量が340〜
650のものを用いることが好ましい。特に好ましくは
軟化点が60〜70℃で、エポキシ当量が450〜50
0のものである。また、式(1)中の繰り返し数nは、
n=1〜4の正数に設定されるが、特に好ましくはn=
2〜3の正数である。
脂(a)は、下記の一般式(1)で表されるものであ
り、軟化点が55〜75℃で、エポキシ当量が340〜
650のものを用いることが好ましい。特に好ましくは
軟化点が60〜70℃で、エポキシ当量が450〜50
0のものである。また、式(1)中の繰り返し数nは、
n=1〜4の正数に設定されるが、特に好ましくはn=
2〜3の正数である。
【0015】
【化9】
【0016】上記特定の結晶性エポキシ樹脂(b)は、
下記の一般式(2)で表されるものであり、上記結晶性
エポキシ樹脂のなかでも、エポキシ当量180〜190
で、融点100〜110℃のものが好適に用いられる。
下記の一般式(2)で表されるものであり、上記結晶性
エポキシ樹脂のなかでも、エポキシ当量180〜190
で、融点100〜110℃のものが好適に用いられる。
【0017】
【化10】
【0018】なかでも、上記一般式(2)中のRにおい
て、低粘度であり低吸湿でもあるという点から、特に、
R=CH3 で表されるアルキル基が好適である。
て、低粘度であり低吸湿でもあるという点から、特に、
R=CH3 で表されるアルキル基が好適である。
【0019】そして、上記(a)および(b)の2種類
のエポキシ樹脂の各配合割合は、(a)がエポキシ樹脂
成分全体の60〜80重量%(以下「%」と略す)、
(b)が20〜40%にそれぞれ設定する必要がある。
すなわち、2種類の特定のエポキシ樹脂を含有するエポ
キシ樹脂成分において、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(a)が60%未満では、得られるエポキシ樹脂組成
物注型品のtanδ(誘電正接)が高くなり、逆に80
%を超えると得られる硬化物の耐熱性が低下するからで
ある。また、結晶性エポキシ樹脂(b)が20%未満で
は、溶融粘度が高くなり、流動性低下により作業性を損
なうだけでなく、絶縁体(エポキシ樹脂組成物注型品)
に埋め込まれた金属電極との接着性が低下する。逆に、
40%を超えると、得られるエポキシ樹脂組成物注型品
のtanδが高くなるからである。
のエポキシ樹脂の各配合割合は、(a)がエポキシ樹脂
成分全体の60〜80重量%(以下「%」と略す)、
(b)が20〜40%にそれぞれ設定する必要がある。
すなわち、2種類の特定のエポキシ樹脂を含有するエポ
キシ樹脂成分において、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(a)が60%未満では、得られるエポキシ樹脂組成
物注型品のtanδ(誘電正接)が高くなり、逆に80
%を超えると得られる硬化物の耐熱性が低下するからで
ある。また、結晶性エポキシ樹脂(b)が20%未満で
は、溶融粘度が高くなり、流動性低下により作業性を損
なうだけでなく、絶縁体(エポキシ樹脂組成物注型品)
に埋め込まれた金属電極との接着性が低下する。逆に、
40%を超えると、得られるエポキシ樹脂組成物注型品
のtanδが高くなるからである。
【0020】このように、この発明においては、上記2
種類のエポキシ樹脂を用いてエポキシ樹脂成分を構成
し、これとともに後述の酸無水物、硬化促進剤、無機質
充填材を用いることにより、目的とする注型作業性を損
なうことなく、優れた電気的特性および機械的特性を有
する特性を備えた電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物が
得られる。そして、上記エポキシ樹脂成分を構成する際
には、エポキシ樹脂構成成分として下記の一般式(3)
で表されるノボラック型エポキシ樹脂は用いない。しか
し、場合により、上記一般式(3)で表されるノボラッ
ク型エポキシ樹脂を除く、上記2種類の特定のエポキシ
樹脂以外の他のエポキシ樹脂を用いることができる。な
お、上記2種類の特定のエポキシ樹脂とともに、他のエ
ポキシ樹脂を併用する場合は、この発明における効果の
発現を考慮して、上記2種類の特定のエポキシ樹脂10
0重量部(以下「部」と略す)に対して、他のエポキシ
樹脂を15部以下に設定するのが一般的である。
種類のエポキシ樹脂を用いてエポキシ樹脂成分を構成
し、これとともに後述の酸無水物、硬化促進剤、無機質
充填材を用いることにより、目的とする注型作業性を損
なうことなく、優れた電気的特性および機械的特性を有
する特性を備えた電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物が
得られる。そして、上記エポキシ樹脂成分を構成する際
には、エポキシ樹脂構成成分として下記の一般式(3)
で表されるノボラック型エポキシ樹脂は用いない。しか
し、場合により、上記一般式(3)で表されるノボラッ
ク型エポキシ樹脂を除く、上記2種類の特定のエポキシ
樹脂以外の他のエポキシ樹脂を用いることができる。な
お、上記2種類の特定のエポキシ樹脂とともに、他のエ
ポキシ樹脂を併用する場合は、この発明における効果の
発現を考慮して、上記2種類の特定のエポキシ樹脂10
0重量部(以下「部」と略す)に対して、他のエポキシ
樹脂を15部以下に設定するのが一般的である。
【0021】
【化11】
【0022】上記A成分とともに用いられる酸無水物
(B成分)は、上記エポキシ樹脂成分(A成分)の硬化
剤として作用するものであり、特に限定するものではな
く従来公知のものが用いられる。例えば、無水フタル
酸,無水マレイン酸,無水トリメリット酸,無水ピロメ
リット酸,ヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸等があげ
られる。これら酸無水物は単独でもしくは2種以上併せ
て用いられる。なかでも、耐熱性に優れ、電気的特性お
よび機械的強度が一層向上するという点から、下記の構
造式(4)で表される無水フタル酸と、下記の構造式
(5)で表されるテトラヒドロ無水フタル酸を併用する
ことが特に好ましい。
(B成分)は、上記エポキシ樹脂成分(A成分)の硬化
剤として作用するものであり、特に限定するものではな
く従来公知のものが用いられる。例えば、無水フタル
酸,無水マレイン酸,無水トリメリット酸,無水ピロメ
リット酸,ヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸等があげ
られる。これら酸無水物は単独でもしくは2種以上併せ
て用いられる。なかでも、耐熱性に優れ、電気的特性お
よび機械的強度が一層向上するという点から、下記の構
造式(4)で表される無水フタル酸と、下記の構造式
(5)で表されるテトラヒドロ無水フタル酸を併用する
ことが特に好ましい。
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】そして、上記無水フタル酸(d)とテトラ
ヒドロ無水フタル酸(e)を併用する場合の配合割合
は、(d)が60〜90%、(e)が10〜40%にそ
れぞれ設定することが好ましい。すなわち、上記2種類
の酸無水物の併用において、無水フタル酸(d)が60
%未満では、得られる硬化物の耐熱性が低下し、逆に9
0%を超えると、得られるエポキシ樹脂組成物注型品の
衝撃強度が低下する傾向がみられる。また、テトラヒド
ロ無水フタル酸(e)が10%未満では、得られるエポ
キシ樹脂組成物注型品の耐電圧特性が低下し、逆に40
%を超えると、得られる硬化物の耐熱性が低下する傾向
がみられるからである。
ヒドロ無水フタル酸(e)を併用する場合の配合割合
は、(d)が60〜90%、(e)が10〜40%にそ
れぞれ設定することが好ましい。すなわち、上記2種類
の酸無水物の併用において、無水フタル酸(d)が60
%未満では、得られる硬化物の耐熱性が低下し、逆に9
0%を超えると、得られるエポキシ樹脂組成物注型品の
衝撃強度が低下する傾向がみられる。また、テトラヒド
ロ無水フタル酸(e)が10%未満では、得られるエポ
キシ樹脂組成物注型品の耐電圧特性が低下し、逆に40
%を超えると、得られる硬化物の耐熱性が低下する傾向
がみられるからである。
【0026】上記酸無水物(B成分)の配合割合は、上
記2種類のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂成分
(A成分)1当量に対して0.6〜1.0当量の範囲に
設定する必要がある。特に好ましくは、0.7〜0.9
である。すなわち、酸無水物の配合割合が1.0当量を
超えると電気的特性が低下し、逆に0.6当量未満では
耐熱性が低下するからである。なお、上記酸無水物(B
成分)の当量(酸無水物当量)は、つぎのように設定さ
れる。すなわち、A成分中のエポキシ基1個に対して、
酸無水物中の酸無水物基が1個の場合を1当量とする。
そして、上記配合割合が0.6〜1.0当量とは、前記
(a)および(b)の2種類のエポキシ樹脂を含有する
エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1個に対して、
酸無水物中の酸無水物基の数が0.6〜1.0個である
という趣旨である。
記2種類のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂成分
(A成分)1当量に対して0.6〜1.0当量の範囲に
設定する必要がある。特に好ましくは、0.7〜0.9
である。すなわち、酸無水物の配合割合が1.0当量を
超えると電気的特性が低下し、逆に0.6当量未満では
耐熱性が低下するからである。なお、上記酸無水物(B
成分)の当量(酸無水物当量)は、つぎのように設定さ
れる。すなわち、A成分中のエポキシ基1個に対して、
酸無水物中の酸無水物基が1個の場合を1当量とする。
そして、上記配合割合が0.6〜1.0当量とは、前記
(a)および(b)の2種類のエポキシ樹脂を含有する
エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1個に対して、
酸無水物中の酸無水物基の数が0.6〜1.0個である
という趣旨である。
【0027】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る硬化促進剤(C成分)としては、トリスジメチルアミ
ノメチルフェノール、トリエチレンジアミン等の第三級
アミン類,ホウ酸エステル,ルイス酸,有機金属化合
物,イミダゾール類等があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。特に、得られる硬化
物の耐熱性が優れるという点から、上記第三級アミン類
を用いることが好ましい。
る硬化促進剤(C成分)としては、トリスジメチルアミ
ノメチルフェノール、トリエチレンジアミン等の第三級
アミン類,ホウ酸エステル,ルイス酸,有機金属化合
物,イミダゾール類等があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。特に、得られる硬化
物の耐熱性が優れるという点から、上記第三級アミン類
を用いることが好ましい。
【0028】上記硬化促進剤(C成分)の配合量は、前
記2種類からなるエポキシ樹脂(A成分)の0.1〜
1.0%の範囲に設定することが好ましい。すなわち、
C成分の配合量が0.1%未満では、硬化反応が遅くな
り作業性に問題が生じ、1.0%を超えると、反応時間
が著しく速くなり、流動性の低下を招き、また、電気的
にも体積抵抗率の低下を招く恐れがあるからである。
記2種類からなるエポキシ樹脂(A成分)の0.1〜
1.0%の範囲に設定することが好ましい。すなわち、
C成分の配合量が0.1%未満では、硬化反応が遅くな
り作業性に問題が生じ、1.0%を超えると、反応時間
が著しく速くなり、流動性の低下を招き、また、電気的
にも体積抵抗率の低下を招く恐れがあるからである。
【0029】上記A〜C成分とともに用いられる無機質
充填材としては、シリカ,アルミナ,タルク,ケイ砂,
炭酸カルシウム,硫酸バリウム等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかで
も、tanδや耐電圧特性に優れるという点から、シリ
カのなかでも球状の溶融シリカ粉末、またアルミナのな
かでも溶融アルミナを用いることが好ましい。すなわ
ち、シリカのなかでも、球状の溶融シリカ粉末を用いる
ことにより、界面分極を抑制し、かつ電気的ストレスの
集中を排除するという作用から、誘電正接(tanδ)
および耐電圧特性の一層の向上効果が得られる。特に、
上記球状の溶融シリカを用いる場合は、粒径50μm以
下の粒子が全体の99重量%以上〔要件(X)〕で、か
つ平均粒径が35μm以下〔要件(Y)〕のものを用い
ることが、粘度上昇による注型作業性の低下が効果的に
防止され、電気的特性および機械的強度の双方に優れた
注型エポキシ樹脂組成物が得られるという点から好まし
い。また、溶融アルミナは、一般に、バイヤー法アルミ
ナまたはボーキサイトを主原料として電気炉で溶解し、
析出、焼成、粉砕、脱鉄、水洗、乾燥といった一連の工
程を経て得られるものであり、この溶融アルミナを用い
ることにより、上記溶融シリカを用いた場合と同様に、
電気的特性および機械的特性の双方に優れ、特に、耐電
圧特性は電融アルミナを用いた場合に比べて大幅な向上
効果が得られる。
充填材としては、シリカ,アルミナ,タルク,ケイ砂,
炭酸カルシウム,硫酸バリウム等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかで
も、tanδや耐電圧特性に優れるという点から、シリ
カのなかでも球状の溶融シリカ粉末、またアルミナのな
かでも溶融アルミナを用いることが好ましい。すなわ
ち、シリカのなかでも、球状の溶融シリカ粉末を用いる
ことにより、界面分極を抑制し、かつ電気的ストレスの
集中を排除するという作用から、誘電正接(tanδ)
および耐電圧特性の一層の向上効果が得られる。特に、
上記球状の溶融シリカを用いる場合は、粒径50μm以
下の粒子が全体の99重量%以上〔要件(X)〕で、か
つ平均粒径が35μm以下〔要件(Y)〕のものを用い
ることが、粘度上昇による注型作業性の低下が効果的に
防止され、電気的特性および機械的強度の双方に優れた
注型エポキシ樹脂組成物が得られるという点から好まし
い。また、溶融アルミナは、一般に、バイヤー法アルミ
ナまたはボーキサイトを主原料として電気炉で溶解し、
析出、焼成、粉砕、脱鉄、水洗、乾燥といった一連の工
程を経て得られるものであり、この溶融アルミナを用い
ることにより、上記溶融シリカを用いた場合と同様に、
電気的特性および機械的特性の双方に優れ、特に、耐電
圧特性は電融アルミナを用いた場合に比べて大幅な向上
効果が得られる。
【0030】上記無機質充填材の配合量は、エポキシ樹
脂組成物全体の50〜80%の範囲に設定することが好
ましい。すなわち、無機質充填材の配合量が組成物全体
の50%未満では、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が著
しく低下し、充填材の沈降が発生する。また、機械的強
度も低下する。逆に、80%を超えると、高粘度になり
過ぎて混合性および流動性が低下することから作業性の
低下を招く恐れがあるからである。
脂組成物全体の50〜80%の範囲に設定することが好
ましい。すなわち、無機質充填材の配合量が組成物全体
の50%未満では、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が著
しく低下し、充填材の沈降が発生する。また、機械的強
度も低下する。逆に、80%を超えると、高粘度になり
過ぎて混合性および流動性が低下することから作業性の
低下を招く恐れがあるからである。
【0031】なお、この発明の電気絶縁用注型エポキシ
樹脂組成物には、上記A〜C成分および無機質充填材以
外に、必要に応じて、希釈剤、可塑剤、顔料、離型剤、
難燃剤等の他の添加剤を適宜に配合することができる。
樹脂組成物には、上記A〜C成分および無機質充填材以
外に、必要に応じて、希釈剤、可塑剤、顔料、離型剤、
難燃剤等の他の添加剤を適宜に配合することができる。
【0032】そして、この発明の電気絶縁用注型エポキ
シ樹脂組成物は、上記各原料を所定の割合で配合し、真
空加熱下で気泡を排除しつつ攪拌混合することにより調
製される。その攪拌温度は、通常、100〜140℃に
設定される。そして、この調製された電気絶縁用注型エ
ポキシ樹脂組成物は、所定の成形型内に注入され、所定
の条件で加熱硬化されて所望の製品に成形される。
シ樹脂組成物は、上記各原料を所定の割合で配合し、真
空加熱下で気泡を排除しつつ攪拌混合することにより調
製される。その攪拌温度は、通常、100〜140℃に
設定される。そして、この調製された電気絶縁用注型エ
ポキシ樹脂組成物は、所定の成形型内に注入され、所定
の条件で加熱硬化されて所望の製品に成形される。
【0033】このようにして得られるこの発明の電気絶
縁用注型エポキシ樹脂組成物は、通常、常温(25℃)
付近では固形を示し、例えば、130℃におけるB型粘
度計による最低溶融粘度で5〜25ポイズとなるように
調製することが好ましい。
縁用注型エポキシ樹脂組成物は、通常、常温(25℃)
付近では固形を示し、例えば、130℃におけるB型粘
度計による最低溶融粘度で5〜25ポイズとなるように
調製することが好ましい。
【0034】つぎに、実施例を比較例と併せて説明す
る。
る。
【0035】まず、下記に示すエポキシ樹脂a,b、酸
無水物c,d、硬化促進剤e、無機質充填材f〜kを準
備した。
無水物c,d、硬化促進剤e、無機質充填材f〜kを準
備した。
【0036】〔エポキシ樹脂a〕下記の式で表されるビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量47
5)。
スフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量47
5)。
【化14】
【0037】〔エポキシ樹脂b〕下記の式で表される結
晶性エポキシ樹脂(エポキシ当量180)。
晶性エポキシ樹脂(エポキシ当量180)。
【化15】
【0038】〔酸無水物c〕下記の構造式(4)で表さ
れる無水フタル酸。
れる無水フタル酸。
【化16】
【0039】〔酸無水物d〕下記の構造式(5)で表さ
れるテトラヒドロ無水フタル酸。
れるテトラヒドロ無水フタル酸。
【化17】
【0040】〔硬化促進剤e〕第三級アミン(エチレン
ジアミンテトラ〔ポリオキシプロピレンポリエチレン〕
グリコール)
ジアミンテトラ〔ポリオキシプロピレンポリエチレン〕
グリコール)
【0041】〔無機質充填材f〕球状の溶融シリカ(平
均粒径10μm)
均粒径10μm)
【0042】〔無機質充填材g〕破砕状の溶融シリカ
(平均粒径10μm)
(平均粒径10μm)
【0043】〔無機質充填材h〕結晶シリカ(平均粒径
20μm)
20μm)
【0044】〔無機質充填材i〕溶融アルミナ(平均粒
径10μm)
径10μm)
【0045】〔無機質充填材j〕電融アルミナ(平均粒
径10μm)
径10μm)
【0046】〔無機質充填材k〕球状の溶融シリカ(平
均粒径35μmで、粒径50μmを超える粒子が1%未
満)
均粒径35μmで、粒径50μmを超える粒子が1%未
満)
【0047】
【実施例1〜12、比較例1〜4、従来例】下記の表1
〜表4に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、約1
20℃の温度にて減圧下(3〜5Torr)で攪拌混合
することにより電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物を得
た。そして、上記電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物を
用い注型法により成形硬化して所定形状の成形品を作製
した。なお、表1〜表4において、充填材の配合割合
は、エポキシ樹脂組成物全体に対する割合である。
〜表4に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、約1
20℃の温度にて減圧下(3〜5Torr)で攪拌混合
することにより電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物を得
た。そして、上記電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物を
用い注型法により成形硬化して所定形状の成形品を作製
した。なお、表1〜表4において、充填材の配合割合
は、エポキシ樹脂組成物全体に対する割合である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】このようにして得られた実施例および比較
例の電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物について、溶融
粘度、所定の条件下(140℃×24時間)で硬化させ
た硬化物の電気的特性(絶縁破壊強度、誘電正接、誘電
率)、機械的特性(曲げ強度)、およびガラス転移温度
(Tg)を下記に示す各試験方法に従って測定した。な
お、上記いずれの試験においても、試料数10個の平均
値を求めた。これらの結果を後記の表5〜表7に示す。
例の電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物について、溶融
粘度、所定の条件下(140℃×24時間)で硬化させ
た硬化物の電気的特性(絶縁破壊強度、誘電正接、誘電
率)、機械的特性(曲げ強度)、およびガラス転移温度
(Tg)を下記に示す各試験方法に従って測定した。な
お、上記いずれの試験においても、試料数10個の平均
値を求めた。これらの結果を後記の表5〜表7に示す。
【0053】〔溶融粘度〕130℃における溶融時の粘
度をB型粘度計にて測定した。
度をB型粘度計にて測定した。
【0054】〔絶縁破壊強度〕間隙を1mmとして対向
する一対の電極を設けたエポキシ樹脂組成物製の試料を
作製した。そして、この試料を絶縁油中に浸漬し、初期
電圧を50kVとし、10kVづつ昇圧した。そして、
昇圧毎に1分間保持する方法で課電し、試料が破壊に至
ったときの電圧値(実効値)を求めた。
する一対の電極を設けたエポキシ樹脂組成物製の試料を
作製した。そして、この試料を絶縁油中に浸漬し、初期
電圧を50kVとし、10kVづつ昇圧した。そして、
昇圧毎に1分間保持する方法で課電し、試料が破壊に至
ったときの電圧値(実効値)を求めた。
【0055】〔誘電正接および誘電率〕片面に主電極と
その周囲のガード電極を、他面に対向電極を、それぞれ
導電塗料により形成した、厚み1mm×直径60mmの
試料を作製した。そして、この試料を恒温槽内で100
℃にして変成器ブリッジ法にてキャパシタンスおよびコ
ンダクタンス(測定周波数:50Hz)をそれぞれ測定
し、これらの結果から誘電正接(tanδ)および誘電
率(ε)を下記の式により算出した。
その周囲のガード電極を、他面に対向電極を、それぞれ
導電塗料により形成した、厚み1mm×直径60mmの
試料を作製した。そして、この試料を恒温槽内で100
℃にして変成器ブリッジ法にてキャパシタンスおよびコ
ンダクタンス(測定周波数:50Hz)をそれぞれ測定
し、これらの結果から誘電正接(tanδ)および誘電
率(ε)を下記の式により算出した。
【0056】
【数1】
【0057】〔曲げ強度〕幅10mm×長さ100mm
×厚み4mmの試料を作製し、間隔64mmの両端支持
で中央に加圧くさびにより荷重をかけ、曲げ破断したと
きの最大荷重を求めた。
×厚み4mmの試料を作製し、間隔64mmの両端支持
で中央に加圧くさびにより荷重をかけ、曲げ破断したと
きの最大荷重を求めた。
【0058】〔ガラス転移温度〕所定の大きさの試料を
作製し、所定の熱膨張測定法(例えば、熱機械分析装置
による)により2℃/分で昇温したときの寸法変化を測
定しプロットする。そして、熱膨張率の変位点によりガ
ラス転移温度(Tg)を求めた。
作製し、所定の熱膨張測定法(例えば、熱機械分析装置
による)により2℃/分で昇温したときの寸法変化を測
定しプロットする。そして、熱膨張率の変位点によりガ
ラス転移温度(Tg)を求めた。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】上記表5〜表7の結果から、比較例品に関
しては、電気的特性、機械的特性、ガラス転移温度のい
ずれかの値が低い。これに対して実施例品は、全ての試
験結果に対して良好な値が得られた。このことから、実
施例品は、電気的特性および機械的強度に優れたエポキ
シ樹脂組成物注型品が得られることがわかる。
しては、電気的特性、機械的特性、ガラス転移温度のい
ずれかの値が低い。これに対して実施例品は、全ての試
験結果に対して良好な値が得られた。このことから、実
施例品は、電気的特性および機械的強度に優れたエポキ
シ樹脂組成物注型品が得られることがわかる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、この発明の注型用エポキ
シ樹脂組成物は、前記一般式(1)および一般式(2)
で表される2種類のエポキシ樹脂を含有し、前記一般式
(3)で表されるノボラック型エポキシ樹脂を除く混合
エポキシ樹脂(A成分)と、酸無水物(B成分)と、硬
化促進剤(C成分)と、無機質充填材を用い、しかも、
上記混合エポキシ樹脂と酸無水物とを特定の割合で配合
している。このため、低粘度で作業性がよく、しかも得
られる硬化物は機械的特性および電気的特性にも優れて
いる。また、外観も良好な注型品を作製することができ
る。
シ樹脂組成物は、前記一般式(1)および一般式(2)
で表される2種類のエポキシ樹脂を含有し、前記一般式
(3)で表されるノボラック型エポキシ樹脂を除く混合
エポキシ樹脂(A成分)と、酸無水物(B成分)と、硬
化促進剤(C成分)と、無機質充填材を用い、しかも、
上記混合エポキシ樹脂と酸無水物とを特定の割合で配合
している。このため、低粘度で作業性がよく、しかも得
られる硬化物は機械的特性および電気的特性にも優れて
いる。また、外観も良好な注型品を作製することができ
る。
【0064】なかでも、酸無水物として、前記構造式
(4)および構造式(5)で表される2種類の特定の酸
無水物を特定の配合割合で併用することにより、電気的
特性および機械的特性をより一層向上させ得ることが可
能となる。
(4)および構造式(5)で表される2種類の特定の酸
無水物を特定の配合割合で併用することにより、電気的
特性および機械的特性をより一層向上させ得ることが可
能となる。
【0065】さらに、上記無機質充填材として、球状の
溶融シリカ粉末を用いることにより、なかでも、この球
状の溶融シリカ粉末として、粒径50μm以下の粒子が
全体の99重量%以上〔要件(X)〕で、かつ平均粒径
が35μm以下〔要件(Y)〕のものを用いることによ
り、粘度上昇による注型作業性の低下が効果的に防止さ
れ、電気的特性および機械的特性の双方に優れた注型エ
ポキシ樹脂組成物が得られる。
溶融シリカ粉末を用いることにより、なかでも、この球
状の溶融シリカ粉末として、粒径50μm以下の粒子が
全体の99重量%以上〔要件(X)〕で、かつ平均粒径
が35μm以下〔要件(Y)〕のものを用いることによ
り、粘度上昇による注型作業性の低下が効果的に防止さ
れ、電気的特性および機械的特性の双方に優れた注型エ
ポキシ樹脂組成物が得られる。
【0066】一方、上記無機質充填材として、溶融アル
ミナを用いることにより、電気的特性および機械的特性
の双方に優れ、特に耐電圧特性が大幅に向上した注型エ
ポキシ樹脂組成物が得られる。
ミナを用いることにより、電気的特性および機械的特性
の双方に優れ、特に耐電圧特性が大幅に向上した注型エ
ポキシ樹脂組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/40 H01B 3/40 N // B29L 31:34
Claims (5)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂と無機質充填材を含有する
電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物であって、上記熱硬
化性樹脂が、下記の(A)〜(C)成分を用いて構成さ
れ、上記(B)成分の配合割合が、(A)成分1当量に
対して0.6〜1.0当量の範囲に設定されていること
を特徴とする電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物。 (A)下記の(a)および(b)を含有し、下記の
(c)を除く混合エポキシ樹脂。 (a)下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA
型エポキシ樹脂。 【化1】 (b)下記の一般式(2)で表される結晶性エポキシ樹
脂。 【化2】 〔ただし、上記(a)および(b)の重量比は、(a)
が60〜80重量%、(b)が20〜40重量%であ
る。〕 (c)下記の一般式(3)で表されるノボラック型エポ
キシ樹脂。 【化3】 (B)酸無水物。 (C)硬化促進剤。 - 【請求項2】 熱硬化性樹脂を構成する(B)成分であ
る酸無水物が、下記の(d)および(e)からなる混合
酸無水物である請求項1記載の電気絶縁用注型エポキシ
樹脂組成物。 (d)下記の構造式(4)で表される無水フタル酸。 【化4】 (e)下記の構造式(5)で表されるテトラヒドロ無水
フタル酸。 【化5】 〔ただし、上記(d)および(e)の重量比は、(d)
が60〜90重量%、(e)が10〜40重量%であ
る。〕 - 【請求項3】 無機質充填材が、球状の溶融シリカ粉末
である請求項1または2記載の電気絶縁用注型エポキシ
樹脂組成物。 - 【請求項4】 無機質充填材が、下記に示す(X)およ
び(Y)の要件を満たす球状の溶融シリカ粉末である請
求項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用注型エポ
キシ樹脂組成物。 (X)粒径50μm以下の粒子が全体の99重量%以
上。 (Y)平均粒径が35μm以下。 - 【請求項5】 無機質充填材が、溶融アルミナである請
求項1または2記載の電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23817395A JPH0977847A (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23817395A JPH0977847A (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0977847A true JPH0977847A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=17026269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23817395A Pending JPH0977847A (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 電気絶縁用注型エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0977847A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006008568A1 (en) * | 2004-06-21 | 2006-01-26 | Hexcel Composites, Ltd. | Crystalline resin sandwich films |
JP2008169101A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-07-24 | Nippon Electric Glass Co Ltd | ガラスヤーン回巻体とその製造方法、ガラスクロス、ガラスヤーン合撚糸、ガラスヤーン合撚糸回巻体とその製造方法、合撚糸のガラスクロス及び透明複合体組成物 |
EP2546275A2 (en) | 2002-09-05 | 2013-01-16 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Curable epoxy resin compositions, epoxy resin compositions for the encapsulation of electronic parts, stabilizers for electrical insulating oils, and casting epoxy resin compositions for electrical insulation. |
-
1995
- 1995-09-18 JP JP23817395A patent/JPH0977847A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2546275A2 (en) | 2002-09-05 | 2013-01-16 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Curable epoxy resin compositions, epoxy resin compositions for the encapsulation of electronic parts, stabilizers for electrical insulating oils, and casting epoxy resin compositions for electrical insulation. |
WO2006008568A1 (en) * | 2004-06-21 | 2006-01-26 | Hexcel Composites, Ltd. | Crystalline resin sandwich films |
US7854964B2 (en) | 2004-06-21 | 2010-12-21 | Hexcel Composites, Ltd. | Crystalline resin sandwich films |
US8304080B2 (en) | 2004-06-21 | 2012-11-06 | Hexcel Composites Ltd. | Crystalline resin sandwich films |
JP2008169101A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-07-24 | Nippon Electric Glass Co Ltd | ガラスヤーン回巻体とその製造方法、ガラスクロス、ガラスヤーン合撚糸、ガラスヤーン合撚糸回巻体とその製造方法、合撚糸のガラスクロス及び透明複合体組成物 |
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