WO2019111298A1 - 絶縁スペーサ - Google Patents
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Abstract
実施形態の絶縁スペーサは、ガス絶縁開閉装置の高電圧導体部と金属容器間を支持する。絶縁スペーサは、電界の上昇に伴って誘電率が上昇する非線形誘電率材料からなる。非線形誘電率材料は、マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に充填された第一の充填剤および第二の充填剤と、を含む。マトリックス樹脂は、少なくとも1分子中に2つ以上のエポキシを有するエポキシ化合物である。第一の充填剤は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種である。第二の充填剤は、シリカまたはアルミナである。
Description
本発明は、絶縁スペーサに関する。
現在、高電圧大容量の電力系統では、六フッ化硫黄(SF6)ガスを絶縁・消孤媒体としたガス絶縁開閉装置が広く用いられている。ここで、図10を参照して、一般的なガス絶縁開閉装置の構成例を説明する。図10に示すように、ガス絶縁開閉装置を構成する機器の1つであるガス絶縁母線100は、金属容器2と、金属容器2内に挿通された通電用の高電圧導体部1と、高電圧導体部1と共に金属容器2の内部に封入された絶縁ガス4と、を有する。高電圧導体部1は、金属容器2と共に同軸円筒構造を構成している。高電圧導体部1には、絶縁スペーサ6が取付けられている。絶縁スペーサ6は、高電圧導体部1を絶縁支持する。絶縁スペーサ6の近傍には、電界緩和シールド5が設けられている。一般に、絶縁スペーサ6は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂に配合したアルミナやシリカ等の充填剤とを含む樹脂から構成される。絶縁スペーサ6は、前記の樹脂を金型注型することにより製造される。
ガス絶縁母線100の大きさを決定付ける絶縁スペーサ6近傍の電界分布は、高電圧導体部1、絶縁スペーサ3および電界緩和シールド5の幾何学的形状と、絶縁スペーサ6および絶縁ガス4の誘電率とにより決定される。ガス絶縁母線100においては、機器の性能向上および小型化にとって、絶縁スペーサ6の表面の最大電界値を低減することが重要である。そのために、絶縁スペーサ6の形状の最適化や、絶縁スペーサ6の低誘電率化が試みられてきたが、その技術開発には限界が近付いている。絶縁スペーサ6の形状は、沿面距離を伸ばすためにコーン型の複雑な形状をなしており、金型設計や注型に高い技術力や製造コストが必要になっている。
絶縁スペーサ6の誘電率を空間的に自由に変化させることが可能であるならば、絶縁スペーサ6の表面の最大電界値を低減させることが可能である。それにより、ガス絶縁開閉装置の小型化やそれに伴う機器コストの低減を実現できる。金型注型で製作される絶縁スペーサ6の誘電率を空間的に変化させるという技術課題を解決するための従来技術としては、例えば、注型する際に、エポキシ樹脂および充填剤の配合量が異なる材料を複数用意し、その材料の割合を連続的に変化させて絶縁スペーサを加熱成型する方法が知られている。
本発明が解決しようとする課題は、ガス絶縁開閉装置の小型化および絶縁特性を向上する絶縁スペーサを提供することである。
実施形態の絶縁スペーサは、ガス絶縁開閉装置の高電圧導体部と金属容器間を支持する。絶縁スペーサは、電界の上昇に伴って誘電率が上昇する非線形誘電率材料からなる。非線形誘電率材料は、マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に充填された第一の充填剤および第二の充填剤と、を含む。マトリックス樹脂は、少なくとも1分子中に2つ以上のエポキシを有するエポキシ化合物である。第一の充填剤は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種である。第二の充填剤は、シリカまたはアルミナである。
以下、実施形態の絶縁スペーサを、図面を参照して説明する。なお、図10に示したガス絶縁母線100と同一の構成については同一符号を附して、説明を省略する。
[絶縁スペーサ]
図1は、実施形態の絶縁スペーサを有するガス絶縁開閉装置におけるガス絶縁母線近傍の断面図である。図1において、図10に示したガス絶縁母線100と同一の構成については同一符号を附して、説明を省略する。
図1に示すように、ガス絶縁開閉装置を構成する機器の1つであるガス絶縁母線20は、高電圧導体部1と、金属容器2と、絶縁スペーサ3と、絶縁ガス4と、電界緩和シールド5と、を有する。
絶縁スペーサ3は、高電圧導体部1と金属容器2間を支持する。
図1は、実施形態の絶縁スペーサを有するガス絶縁開閉装置におけるガス絶縁母線近傍の断面図である。図1において、図10に示したガス絶縁母線100と同一の構成については同一符号を附して、説明を省略する。
図1に示すように、ガス絶縁開閉装置を構成する機器の1つであるガス絶縁母線20は、高電圧導体部1と、金属容器2と、絶縁スペーサ3と、絶縁ガス4と、電界緩和シールド5と、を有する。
絶縁スペーサ3は、高電圧導体部1と金属容器2間を支持する。
絶縁スペーサ3は、電界の上昇に伴って誘電率が上昇する非線形誘電率材料からなる。
非線形誘電率材料は、マトリックス樹脂と、そのマトリックス樹脂中に充填された第一の充填剤および第二の充填剤と、を含む。
絶縁スペーサ3は、非線形誘電率材料を用いて、金型注型によって製作される。
非線形誘電率材料は、マトリックス樹脂と、そのマトリックス樹脂中に充填された第一の充填剤および第二の充填剤と、を含む。
絶縁スペーサ3は、非線形誘電率材料を用いて、金型注型によって製作される。
マトリックス樹脂は、少なくとも1分子中に2つ以上のエポキシを有するエポキシ化合物である。このようなエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやヒダントインエポキシのような複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのエポキシ化合物の中でも、絶縁スペーサ3を金型注型で製作するには、エポキシ当量が125~500のビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
本実施形態における非線形誘電率材料は、エポキシ樹脂用のいずれの硬化剤を含んでいてもよい。エポキシ樹脂用の硬化剤としては、例えば、一般にエポキシ樹脂用化合物として用いられている、脂肪族あるいは芳香族の酸無水物、カルボン酸、アミン類、フェノール類等が挙げられる。これらのエポキシ用硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのエポキシ用硬化剤の中でも、特にポットライフが長く、硬化時の発熱の少ない点から、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、メチル無水ナジック酸等の酸無水物類が好ましい。これらの酸無水物類の中でも、ポットライフが長く、かつ硬化が速いため、作業性の点から有利であり、またその硬化物の特性も他の硬化剤を用いた場合よりも優れている点から、無水フタル酸とメチル無水ナジック酸がより好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、エポキシ化合物1当量に対して、0.7~0.9当量の範囲であることが好ましい。エポキシ樹脂用硬化剤の配合量が、エポキシ化合物1当量に対して0.7以上であれば、絶縁スペーサ3の耐熱性や耐湿性等の耐環境性が低下することがない。また、エポキシ樹脂用硬化剤の配合量が、エポキシ化合物1当量に対して0.9以下であれば、絶縁スペーサ3の化学的耐熱性や、電気特性が低下することがない。
第一の充填剤としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)および酸化チタン(TiO2)からなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。すなわち、これらの第一の充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第一の充填剤の比誘電率は70以上である。
第一の充填剤の平均粒径は、0.1μm~15μmであることが好ましい。第一の充填剤の平均粒径が前記の範囲内であれば、絶縁スペーサ3を金型注型で製作することができる。
ここで、第一の充填剤の平均粒径は、例えば、第一の充填剤を分散して含有する所定の樹脂(硬化物)の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、個々の第一の充填剤の粒径を測定して、その粒径を算術平均することで得られる。
ここで、第一の充填剤の平均粒径は、例えば、第一の充填剤を分散して含有する所定の樹脂(硬化物)の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、個々の第一の充填剤の粒径を測定して、その粒径を算術平均することで得られる。
一般的に、充填剤の粒径が小さい程、マトリックス樹脂に対する充填剤の充填率を上げることが難しくなる。そのため、第一の充填剤は、見かけの粒径が大きくなる一次凝集体として、クラスター状に凝集していてもよい。
第一の充填剤の表面は、チタネートカップリング処理またはシランカップリング処理が施されていてもよい。第一の充填剤に表面処理を施すことにより、非線形誘電率材料の主成分であるマトリックス樹脂に対する第一の充填剤の濡れ性を向上することができる。
非線形誘電率材料における第一の充填剤の充填率は、10vol%~45vol%であることが好ましい。
非線形誘電率材料における第一の充填剤の充填率が上記の範囲内であれば、非線形誘電率材料において、電界領域で顕著な電界非線形性が発生する。なお、電界非線形性とは、電界の上昇に伴って比誘電率が上昇する性質のことである。
非線形誘電率材料における第一の充填剤の充填率が上記の範囲内であれば、非線形誘電率材料において、電界領域で顕著な電界非線形性が発生する。なお、電界非線形性とは、電界の上昇に伴って比誘電率が上昇する性質のことである。
第二の充填剤としては、シリカ(SiO2)またはアルミナ(Al2O3)が用いられる。
第二の充填剤としては、比誘電率が低い材料を用いるため、電界の比誘電率に及ぼす影響が小さい。そのため、第二の充填剤を用いる目的は、絶縁スペーサ3の機械的強度を向上することと、熱線膨張係数を制御することである。
第二の充填剤としては、比誘電率が低い材料を用いるため、電界の比誘電率に及ぼす影響が小さい。そのため、第二の充填剤を用いる目的は、絶縁スペーサ3の機械的強度を向上することと、熱線膨張係数を制御することである。
第二の充填剤の平均粒径は、第一の充填剤の平均粒径との相性によって決定され、1μm~30μmの範囲が適正な平均粒径である。
ここで、第二の充填剤の平均粒径は、例えば、第二の充填剤を分散して含有する所定の樹脂(硬化物)の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、個々の第二の充填剤の粒径を測定して、その粒径を算術平均することで得られる。
ここで、第二の充填剤の平均粒径は、例えば、第二の充填剤を分散して含有する所定の樹脂(硬化物)の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、個々の第二の充填剤の粒径を測定して、その粒径を算術平均することで得られる。
第二の充填剤としては、平均粒径が1μm~30μmの溶融シリカが好ましい。
第二の充填剤は、非線形誘電率材料における第一の充填剤と第二の充填剤の合計充填率が35vol%~55vol%となるように充填されることが好ましい。
合計充填率が35vol%以上であれば、絶縁スペーサ3に、構造材料として必要な硬化物の弾性率が得られる。また、合計充填率が55vol%以下であれば、非線形誘電率材料の粘度が顕著に上昇することがなく、容易に注型作業を行うことができる。
合計充填率が35vol%以上であれば、絶縁スペーサ3に、構造材料として必要な硬化物の弾性率が得られる。また、合計充填率が55vol%以下であれば、非線形誘電率材料の粘度が顕著に上昇することがなく、容易に注型作業を行うことができる。
本実施形態における非線形誘電率材料は、第一の充填剤と第二の充填剤以外に、他の充填剤が充填されていてもよい。
他の充填剤としては、非線形誘電率材料を用いた絶縁スペーサ3の注型作業に支障がない限り、いかなる種類の充填剤でも用いることができる。他の充填剤としては、粒子状充填剤または繊維状充填剤が用いられる。粒子状充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、ドロマイト、雲母粉、炭化ケイ素、ガラス粉、カーボン、グラファイト、硫酸バリウム、ボロンナイトライド、窒化ケイ素等が挙げられる。繊維状充填剤としては、例えば、ウォーラストナイト、チタン酸カリウムウィスカー、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、カーボン繊維、アラミッド繊維、フェノール繊維等が挙げられる。これらの充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の充填剤としては、非線形誘電率材料を用いた絶縁スペーサ3の注型作業に支障がない限り、いかなる種類の充填剤でも用いることができる。他の充填剤としては、粒子状充填剤または繊維状充填剤が用いられる。粒子状充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、ドロマイト、雲母粉、炭化ケイ素、ガラス粉、カーボン、グラファイト、硫酸バリウム、ボロンナイトライド、窒化ケイ素等が挙げられる。繊維状充填剤としては、例えば、ウォーラストナイト、チタン酸カリウムウィスカー、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、カーボン繊維、アラミッド繊維、フェノール繊維等が挙げられる。これらの充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態における非線形誘電率材料は、必要に応じて、難燃剤、離形剤、沈降防止剤、シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤を代表とする界面改質剤、消泡剤、硬化促進剤、酸化防止剤、顔料、染料等の添加剤が配合されていてもよい。
金属容器2内に封入される代表的な絶縁ガス4としては、六フッ化硫黄(SF6)が挙げられる。絶縁ガス4としては、六フッ化硫黄(SF6)以外のガスを用いることができる。絶縁ガス4としては、例えば、自然由来ガスである空気、二酸化炭素、酸素、窒素等を用いることができる。これらのガスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合した混合ガスとして用いてもよい。
以上説明した実施形態によれば、絶縁スペーサ3が、電界の上昇に伴って誘電率が上昇する非線形誘電率材料からなる。これにより、非線形誘電率材料が、それ自体が持つ比誘電率の電界依存性によって、あたかも空間的に絶縁スペーサ3の誘電率が傾斜したかのような状態となり、絶縁スペーサ3の表面の最大電界値が抑制される。その結果、ガス絶縁開閉装置の小型化および絶縁特性の向上に貢献することができる。
以下、実験例、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
第一の充填剤は、比誘電率が70以上と高いため、マトリックス樹脂の比誘電率に電界非線形性があると、非線形誘電率材料としたときに、第一の充填剤とマトリックス樹脂の相乗効果として、多大な比誘電率の電界非線形性が発現する。以下、シミュレーション結果に基づいて、電界非線形性について説明する。
第一の充填剤は、比誘電率が70以上と高いため、マトリックス樹脂の比誘電率に電界非線形性があると、非線形誘電率材料としたときに、第一の充填剤とマトリックス樹脂の相乗効果として、多大な比誘電率の電界非線形性が発現する。以下、シミュレーション結果に基づいて、電界非線形性について説明する。
図2は、表1に記載した条件において、非線形誘電率材料の比誘電率のシミュレーション結果を示す図である。
図2に示す結果から、ガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサに発生する電界領域である5kV/mm~15kV/mmの間で電界の上昇に伴って比誘電率が上昇するのは、マトリックス樹脂の比誘電率に電界依存性が存在するときであることが読み取れる。第一の充填剤の比誘電率に電界依存性がある場合も、主に低電界側 (5kV/mm以下)にて、電界の上昇に伴って比誘電率が上昇する特性を有しているが、第一の充填剤の寄与はマトリックス樹脂と比較して非常に小さい。
図2に示す結果から、ガス絶縁開閉装置の絶縁スペーサに発生する電界領域である5kV/mm~15kV/mmの間で電界の上昇に伴って比誘電率が上昇するのは、マトリックス樹脂の比誘電率に電界依存性が存在するときであることが読み取れる。第一の充填剤の比誘電率に電界依存性がある場合も、主に低電界側 (5kV/mm以下)にて、電界の上昇に伴って比誘電率が上昇する特性を有しているが、第一の充填剤の寄与はマトリックス樹脂と比較して非常に小さい。
図3は、表2に記載した条件において、第一の充填剤の比誘電率を4~2000まで変化させた場合の非線形誘電率材料の比誘電率のシミュレーション結果を示す図である。
図3に示す結果から、5kV/mm~15kV/mmの間の電界領域で顕著な電界非線形性が発生するのは、第一の充填剤の比誘電率が70以上の場合であることが分かった。
図3に示す結果から、5kV/mm~15kV/mmの間の電界領域で顕著な電界非線形性が発生するのは、第一の充填剤の比誘電率が70以上の場合であることが分かった。
[実験例2]
図4は、非線形誘電率材料の比誘電率の電界非線形性が発現する理由を模式的に示す図である。
図4(a)、(b)に示すように、第一の充填剤7の比誘電率が70であり、第二の充填剤8の比誘電率が4であるとき、第一の充填剤7の比誘電率および第二の充填剤8の比誘電率が4であるとき(図4(c)、(d))とは異なり、マトリックス樹脂9に電圧が分担され、マトリックス樹脂9により高い電界が印加される。非線形誘電率材料に印加される電界が低電界であるときには、マトリックス樹脂9に印加される電界も低いため、マトリックス樹脂9の比誘電率は低いままであり、非線形誘電率材料としての比誘電率も上昇しない(図4(a)、(d))。一方、非線形誘電率材料に印加される電界が高電界であるときには、マトリックス樹脂9にも高電界が印加され、比誘電率が上昇するため、非線形誘電率材料としての比誘電率も上昇する。これが、第一の充填剤7は比誘電率が70以上と高く、マトリックス樹脂9として比誘電率に電界非線形性がある材料を用いたときに、第一の充填剤7とマトリックス樹脂9の相乗効果として、多大な比誘電率の電界非線形性が発現する理由である。このとき、マトリックス樹脂9に対する第一の充填剤7の充填率は、所望の比誘電率の電界依存性を得るために適切な値とすることが望まれる。
図4は、非線形誘電率材料の比誘電率の電界非線形性が発現する理由を模式的に示す図である。
図4(a)、(b)に示すように、第一の充填剤7の比誘電率が70であり、第二の充填剤8の比誘電率が4であるとき、第一の充填剤7の比誘電率および第二の充填剤8の比誘電率が4であるとき(図4(c)、(d))とは異なり、マトリックス樹脂9に電圧が分担され、マトリックス樹脂9により高い電界が印加される。非線形誘電率材料に印加される電界が低電界であるときには、マトリックス樹脂9に印加される電界も低いため、マトリックス樹脂9の比誘電率は低いままであり、非線形誘電率材料としての比誘電率も上昇しない(図4(a)、(d))。一方、非線形誘電率材料に印加される電界が高電界であるときには、マトリックス樹脂9にも高電界が印加され、比誘電率が上昇するため、非線形誘電率材料としての比誘電率も上昇する。これが、第一の充填剤7は比誘電率が70以上と高く、マトリックス樹脂9として比誘電率に電界非線形性がある材料を用いたときに、第一の充填剤7とマトリックス樹脂9の相乗効果として、多大な比誘電率の電界非線形性が発現する理由である。このとき、マトリックス樹脂9に対する第一の充填剤7の充填率は、所望の比誘電率の電界依存性を得るために適切な値とすることが望まれる。
図5は、表3に記載した条件において、第一の充填剤の充填率を5vol%~55vol%まで変化させた場合の非線形誘電率材料の比誘電率の電界依存性のシミュレーション結果を示す図である。
図5に示す結果から、5kV/mm~15kV/mmの間の電界領域で顕著な電界非線形性が発生するのは、非線形誘電率材料における第一の充填剤の充填率が10vol%~45vol%の場合であることが分かった。
図5に示す結果から、5kV/mm~15kV/mmの間の電界領域で顕著な電界非線形性が発生するのは、非線形誘電率材料における第一の充填剤の充填率が10vol%~45vol%の場合であることが分かった。
[実験例3]
図6は、エポキシ樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO3)と溶融シリカ(SiO2)を充填した非線形誘電率材料の電界緩和効果および粘度を、溶融シリカのみ50vol%充填した材料の特性で規格化した結果を示す図である。図7は、電界緩和効果を検証したガス絶縁母線20の絶縁スペーサ3周辺の解析モデル図である。
図7に示す直径100mmの高電圧導体部1と直径300mmの金属容器2の間に、厚さ30mmのディスク型の絶縁スペーサ3が配置されたモデルにおいて、チタン酸バリウムと溶融シリカの充填率を変えて絶縁スペーサ3を製作し、絶縁スペーサ3の表面の電界分布を解析し、その最大電界値で電界緩和効果を評価した。
図6に示す結果から、非線形誘電率材料におけるチタン酸バリウムの充填率が20vol%~40vol%の場合に、顕著な電界非線形性が発生することが分かった。また、図6に示す結果から、非線形誘電率材料におけるチタン酸バリウムの充填率が40vol%を超えると、非線形誘電率材料の粘度が顕著に上昇することが分かった。
図6は、エポキシ樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO3)と溶融シリカ(SiO2)を充填した非線形誘電率材料の電界緩和効果および粘度を、溶融シリカのみ50vol%充填した材料の特性で規格化した結果を示す図である。図7は、電界緩和効果を検証したガス絶縁母線20の絶縁スペーサ3周辺の解析モデル図である。
図7に示す直径100mmの高電圧導体部1と直径300mmの金属容器2の間に、厚さ30mmのディスク型の絶縁スペーサ3が配置されたモデルにおいて、チタン酸バリウムと溶融シリカの充填率を変えて絶縁スペーサ3を製作し、絶縁スペーサ3の表面の電界分布を解析し、その最大電界値で電界緩和効果を評価した。
図6に示す結果から、非線形誘電率材料におけるチタン酸バリウムの充填率が20vol%~40vol%の場合に、顕著な電界非線形性が発生することが分かった。また、図6に示す結果から、非線形誘電率材料におけるチタン酸バリウムの充填率が40vol%を超えると、非線形誘電率材料の粘度が顕著に上昇することが分かった。
[実施例1]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるJER828(商品名:三菱化学社製、エポキシ当量190)を70質量部、脂環式エポキシ樹脂であるセロキサイド2021P(商品名:ダイセル社製)を30質量部、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸であるHN5500(商品名:日立化成社製)を90質量部、硬化促進剤として四級アンモニウム塩であるニッサンカチオンM2-100(商品名:日本油脂社製)を0.5質量部含む樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物に対して、平均粒径2μmのチタン酸バリウム(共立マテリアル社製)を20vol%と平均粒径19μmの溶融シリカFB24(商品名:デンカ社製)30vol%を配合し、非線形誘電率材料組成物(A)を調製した。
次に、非線形誘電率材料組成物(A)を100℃で予熱した電界・誘電率特性評価用の電極モデル金型内に真空注型し、一次硬化条件は100℃で3時間、二次硬化条件は150℃で10時間として、電気試験用注型品(A)を製作した。
二次硬化後の非線形誘電率材料組成物(A)のガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC)法で測定した結果、Tg=150℃であった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるJER828(商品名:三菱化学社製、エポキシ当量190)を70質量部、脂環式エポキシ樹脂であるセロキサイド2021P(商品名:ダイセル社製)を30質量部、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸であるHN5500(商品名:日立化成社製)を90質量部、硬化促進剤として四級アンモニウム塩であるニッサンカチオンM2-100(商品名:日本油脂社製)を0.5質量部含む樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物に対して、平均粒径2μmのチタン酸バリウム(共立マテリアル社製)を20vol%と平均粒径19μmの溶融シリカFB24(商品名:デンカ社製)30vol%を配合し、非線形誘電率材料組成物(A)を調製した。
次に、非線形誘電率材料組成物(A)を100℃で予熱した電界・誘電率特性評価用の電極モデル金型内に真空注型し、一次硬化条件は100℃で3時間、二次硬化条件は150℃で10時間として、電気試験用注型品(A)を製作した。
二次硬化後の非線形誘電率材料組成物(A)のガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC)法で測定した結果、Tg=150℃であった。
[実施例2]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるJER828(商品名:三菱化学社製、エポキシ当量190)を70質量部、脂環式エポキシ樹脂であるセロキサイド2021P(商品名:ダイセル社製)を30質量部、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸であるMH700(商品名:新日本理化社製)を90質量部、硬化促進剤として四級アンモニウム塩であるニッサンカチオンM2-100(商品名:日本油脂社製)を0.5質量部含む樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物に対して、平均粒径1.2μmのチタン酸ストロンチウム(共立マテリアル社製)を25vol%と平均粒径19μmの溶融シリカFB24(商品名:デンカ社製)25vol%を配合し、非線形誘電率材料組成物(B)を調製した。
次に、非線形誘電率材料組成物(B)を100℃で予熱した電界・誘電率特性評価用の電極モデル金型内に真空注型し、一次硬化条件は100℃で3時間、二次硬化条件は150℃で10時間として、電気試験用注型品(B)を製作した。
二次硬化後の非線形誘電率材料組成物(B)のガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC)法で測定した結果、Tg=155℃であった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるJER828(商品名:三菱化学社製、エポキシ当量190)を70質量部、脂環式エポキシ樹脂であるセロキサイド2021P(商品名:ダイセル社製)を30質量部、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸であるMH700(商品名:新日本理化社製)を90質量部、硬化促進剤として四級アンモニウム塩であるニッサンカチオンM2-100(商品名:日本油脂社製)を0.5質量部含む樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物に対して、平均粒径1.2μmのチタン酸ストロンチウム(共立マテリアル社製)を25vol%と平均粒径19μmの溶融シリカFB24(商品名:デンカ社製)25vol%を配合し、非線形誘電率材料組成物(B)を調製した。
次に、非線形誘電率材料組成物(B)を100℃で予熱した電界・誘電率特性評価用の電極モデル金型内に真空注型し、一次硬化条件は100℃で3時間、二次硬化条件は150℃で10時間として、電気試験用注型品(B)を製作した。
二次硬化後の非線形誘電率材料組成物(B)のガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC)法で測定した結果、Tg=155℃であった。
[比較例]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるJER828(商品名:三菱化学社製、エポキシ当量190)を70質量部、脂環式エポキシ樹脂であるセロキサイド2021P(商品名:ダイセル社製)を30質量部、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸であるHN5500(商品名:日立化成社製)を90質量部、硬化促進剤として四級アンモニウム塩であるニッサンカチオンM2-100(商品名:日本油脂社製)を0.5質量部含む樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物に対して、平均粒径19μmの溶融シリカFB24(商品名:デンカ社製)50vol%を配合し、従来の材料であるシリカ充填エポキシ材料を調製した。
次に、シリカ充填エポキシ材料を100℃で予熱した電界・誘電率特性評価用の電極モデル金型内に真空注型し、一次硬化条件は100℃で3時間、二次硬化条件は150℃で10時間として、電気試験用注型品(C)を製作した。
二次硬化後のシリカ充填エポキシ材料のガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC)法で測定した結果、Tg=152℃であった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるJER828(商品名:三菱化学社製、エポキシ当量190)を70質量部、脂環式エポキシ樹脂であるセロキサイド2021P(商品名:ダイセル社製)を30質量部、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸であるHN5500(商品名:日立化成社製)を90質量部、硬化促進剤として四級アンモニウム塩であるニッサンカチオンM2-100(商品名:日本油脂社製)を0.5質量部含む樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物に対して、平均粒径19μmの溶融シリカFB24(商品名:デンカ社製)50vol%を配合し、従来の材料であるシリカ充填エポキシ材料を調製した。
次に、シリカ充填エポキシ材料を100℃で予熱した電界・誘電率特性評価用の電極モデル金型内に真空注型し、一次硬化条件は100℃で3時間、二次硬化条件は150℃で10時間として、電気試験用注型品(C)を製作した。
二次硬化後のシリカ充填エポキシ材料のガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC)法で測定した結果、Tg=152℃であった。
[評価]
電気試験用注型品(A)~(C)について、電界-誘電率特性を実測した。
図8は、電気試験用注型品(A)~(C)の電界-誘電率特性の実測データを示す図である。
図8に示す結果から、電気試験用注型品(A)、(B)は5kV/mm~15kV/mmの間の電界領域で顕著な電界非線形性が発生することが分かった。
電気試験用注型品(A)~(C)について、電界-誘電率特性を実測した。
図8は、電気試験用注型品(A)~(C)の電界-誘電率特性の実測データを示す図である。
図8に示す結果から、電気試験用注型品(A)、(B)は5kV/mm~15kV/mmの間の電界領域で顕著な電界非線形性が発生することが分かった。
図7に示す直径100mmの高電圧導体部1と直径300mmの金属容器2の間に、厚さ30mmのディスク型の絶縁スペーサ3,6が配置されたモデルにおいて、絶縁スペーサ3として電気試験用注型品(A)、(B)を用い、従来の絶縁スペーサ6として電気試験用注型品(C)を用いて、高電圧導体部1から金属容器2間の電界分布を解析し、非線形誘電率材料による最大電界値の低減効果を評価した。
図9は、電気試験用注型品(A)~(C)について、高電圧導体部1から金属容器2間の電界分布を解析した結果を示す図である。
図6に示した非線形誘電率材料の電界緩和効果に関する結果は、図9に示す高電圧導体部1の表面の最大電界値をまとめた結果であり、非線形誘電率材料による最大電界値の低減効果、すなわち、絶縁性能向上効果を示している。
また、絶縁スペーサ3は金型注型で製作するため、非線形誘電率材料の粘度が高過ぎると金型注型による製作が不可能となる。このような注型作業性の制約から、金型注型で絶縁スペーサ3を製作することが可能なチタン酸バリウムおよび溶融シリカの充填率が決定される。機器のサイズを10%小型化することが可能な電界緩和効果を得るためには、具体的には、チタン酸バリウムと溶融シリカの合計充填率を50vol%としたとき、チタン酸バリウムの充填率は15vol%~40vol%であることが好ましく、溶融シリカの充填率はそれに対応した35vol%~10vol%であることが好ましい。
図9は、電気試験用注型品(A)~(C)について、高電圧導体部1から金属容器2間の電界分布を解析した結果を示す図である。
図6に示した非線形誘電率材料の電界緩和効果に関する結果は、図9に示す高電圧導体部1の表面の最大電界値をまとめた結果であり、非線形誘電率材料による最大電界値の低減効果、すなわち、絶縁性能向上効果を示している。
また、絶縁スペーサ3は金型注型で製作するため、非線形誘電率材料の粘度が高過ぎると金型注型による製作が不可能となる。このような注型作業性の制約から、金型注型で絶縁スペーサ3を製作することが可能なチタン酸バリウムおよび溶融シリカの充填率が決定される。機器のサイズを10%小型化することが可能な電界緩和効果を得るためには、具体的には、チタン酸バリウムと溶融シリカの合計充填率を50vol%としたとき、チタン酸バリウムの充填率は15vol%~40vol%であることが好ましく、溶融シリカの充填率はそれに対応した35vol%~10vol%であることが好ましい。
以上のことから、非線形誘電率材料からなる絶縁スペーサの表面の最大電界値は、従来の絶縁スペーサよりも低下し、非線形誘電率材料からなる絶縁スペーサは高い絶縁性能を有する。これにより、非線形誘電率材料からなる絶縁スペーサの絶縁特性は向上し、従来よりも小型で絶縁特性に優れるガス絶縁開閉装置を提供できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1・・・高電圧導体部、2・・・金属容器、3・・・絶縁スペーサ、4・・・絶縁ガス、5・・・電解緩和シールド、7・・・第一の充填剤、8・・・第二の充填剤、9・・・マトリックス樹脂、10・・・非線形誘電率材料、20・・・ガス絶縁母線
Claims (7)
- ガス絶縁開閉装置の高電圧導体部と金属容器間を支持する絶縁スペーサであって、
前記絶縁スペーサは、電界の上昇に伴って誘電率が上昇する非線形誘電率材料からなり、
前記非線形誘電率材料は、マトリックス樹脂と、前記マトリックス樹脂中に充填された第一の充填剤および第二の充填剤と、を含み、
前記マトリックス樹脂は、少なくとも1分子中に2つ以上のエポキシを有するエポキシ化合物であり、
前記第一の充填剤は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第二の充填剤は、シリカまたはアルミナである絶縁スペーサ。 - 前記非線形誘電率材料における前記第一の充填剤の充填率が10vol%~45vol%であり、
前記第二の充填剤が、前記非線形誘電率材料における前記第一の充填剤と前記第二の充填剤の合計充填率が35vol%~55vol%となるように充填された請求項1に記載の絶縁スペーサ。 - 前記第一の充填剤の平均粒径が0.1μm~15μmである請求項1または2に記載の絶縁スペーサ。
- 前記第一の充填剤は、凝集体である請求項1~3のいずれか1項に記載の絶縁スペーサ。
- 前記第一の充填剤の表面は、チタネートカップリング処理またはシランカップリング処理が施されている請求項1~4のいずれか1項に記載の絶縁スペーサ。
- 前記第二の充填剤は、平均粒径が1μm~30μmの溶融シリカである請求項1~5のいずれか1項に記載の絶縁スペーサ。
- 前記エポキシ樹脂は、エポキシ当量が125~500のビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項1~6のいずれか1項に記載の絶縁スペーサ。
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