JPH09296073A - 電気絶縁用注型樹脂組成物 - Google Patents

電気絶縁用注型樹脂組成物

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JPH09296073A
JPH09296073A JP11066496A JP11066496A JPH09296073A JP H09296073 A JPH09296073 A JP H09296073A JP 11066496 A JP11066496 A JP 11066496A JP 11066496 A JP11066496 A JP 11066496A JP H09296073 A JPH09296073 A JP H09296073A
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JP
Japan
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silica powder
resin composition
particle diameter
electrical insulation
component
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JP11066496A
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English (en)
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Akihiro Nishida
昭博 西田
Masaru Nakanishi
勝 中西
Michio Tan
通雄 丹
Masataka Tada
雅孝 多田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた電気的特性および機械的特性を有する電
気絶縁用注型樹脂組成物を提供する。 【解決手段】熱硬化性樹脂と球状溶融シリカ粉末を含有
する電気絶縁用注型樹脂組成物であって、上記球状溶融
シリカ粉末が、下記に示す(A)および(B)の要件を
満たすものを用いる。 (A)最大粒子径が8〜32μm。 (B)平均粒子径が3〜20μm。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧用絶縁体の
成形に用いる電気絶縁用注型樹脂組成物に関し、特に、
超高電圧化のもとで電気機器の絶縁部や電力ケーブル接
続部の小形化に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】電気機器の絶縁部材や電力ケーブル接続
部、例えば、套筒の注型に使用される樹脂組成物におい
ては、電気的特性や機械的特性等を向上させるために、
無機質充填材が配合されている。その充填材には、各種
のものが使用されているが、代表的な充填材としてはシ
リカ粉末をあげることができる。
【0003】従来、このシリカ粉末には、摩砕または破
砕により得られる破砕結晶性シリカ粉末が使用されてい
た。しかしながら、この破砕結晶性シリカ粉末において
は、形状が破砕状であるために電気的ストレスが集中
し、また、結晶性のために非結晶組織のものに比べて絶
縁破壊強度が低く、さらに分極作用も非結晶組織のもの
に比べて強いために誘電損失も大きい。
【0004】このようなことから、上記破砕結晶性シリ
カ粉末を溶融し、この溶融粒体を急冷して得られる球状
溶融シリカ粉末を樹脂組成物の充填材として使用するこ
とが提案されている(特開平2−117936号公
報)。この球状溶融シリカ粉末を充填材として使用した
樹脂組成物は、上記破砕結晶性シリカ粉末を充填材とし
て使用した樹脂組成物よりも、tanδ、誘電率、絶縁
破壊強度等の電気的特性に優れている。
【0005】この球状溶融シリカ粉末においては、ボー
ルミル等の粉砕により得た破砕結晶性シリカ粉末を酸素
ガス等で溶射装置に移送し、溶射装置においてそのシリ
カ粉末をバーナーにより炉中に溶射し、これを水槽で水
冷することにより得られる。そして、得られた粒子径は
上記破砕結晶性シリカ粉末に略等しく、その粒子径分布
は1〜100μmの範囲内である。
【0006】しかしながら、余りにも粒子径の小さなも
のを使用すると、通常の配合量のもとでは(50〜70
重量%)、樹脂組成物の粘度が著しく高くなり、注型が
困難となる。また、余りにも粒子径の大きいものを使用
すると、樹脂製品の硬化中での顕著な沈降が避けられ
ず、充填材の不均一分布による特性低下が余儀なくされ
る。このため、上記の特開平2−117936号公報に
おいては、平均粒子径10〜50μmの範囲内の球状溶
融シリカ粉末を使用することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、高電圧用機器の
小形縮小化ならびに超高電圧化の傾向は、ますます強
く、このような状況下では、絶縁体に作用する電気スト
レスが著しく強くなることから、まず、その絶縁体材料
(樹脂組成物)の一層の耐電圧強度の向上が要求され
る。さらに、誘電体損失(εtanδ・V2 )も超高電
圧化に伴い増大し、その発生熱による絶縁体の熱的損傷
も懸念される。特に、εtanδが温度上昇に伴い上昇
すれば、熱暴走破壊も否定し難い。
【0008】従来、破砕結晶性シリカ粉末に代えて球状
溶融シリカ粉末を使用するにあたり、上記の特開平2−
117936号公報では、注型作業性を保証するための
適度の粘性確保と樹脂硬化中での充填材の沈降防止のた
めに、上記のように平均粒子径の限定(10〜50μ
m)が提案されているが、この平均粒子径の限定だけで
は高電圧用機器の小形縮小化ならびに超高電圧化に対し
て満足に対処しきれていないのが実情である。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みなれたも
ので、優れた電気的特性および機械的特性を有する電気
絶縁用注型樹脂組成物の提供をその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電気絶縁用注型樹脂組成物は、熱硬化性
樹脂と球状溶融シリカ粉末を含有する電気絶縁用注型樹
脂組成物であって、上記球状溶融シリカ粉末が、下記に
示す(A)および(B)の要件を満たすものであるとい
う構成をとる。 (A)最大粒子径が8〜32μm。 (B)平均粒子径が3〜20μm。
【0011】本発明者らは、前述の超高電気ストレスに
対処するために、球状溶融シリカ粉末を主な充填材とし
て使用する樹脂組成物の一層の電気的特性の向上を図る
べく、検討を行ったところ、粒子径1〜100μmの範
囲において、粒子径32μmを超えるものは、粒子径3
2μm以下のものに比べて耐電圧強度および機械的強度
に劣るという知見を得た。
【0012】この原因は必ずしも定かではないが、電気
破壊および機械的破壊は樹脂と充填材との界面の最大ス
トレスがかかるところからスタートすると考えられ、充
填材の最大粒子径が小さいほど最大ストレスは低下する
と推定される。具体的には、シリカ粉末の粒子径が小さ
いほど、樹脂と充填材との線膨張係数の差より生じる応
力がより均一に分散され、樹脂と充填材との微小剥離が
減少すること、および充填材形状による微小突起がより
小さくなることが推測される。
【0013】さらに、本発明者らは、引き続いて継続的
に一連の研究を重ねた。その結果、最大粒子径が8〜3
2μmであって、しかも平均粒子径が3〜20μmであ
る球状溶融シリカ粉末を用いると、電気的特性および機
械的特性の双方に優れた電気絶縁用注型樹脂組成物が得
られることを見いだした。
【0014】なお、球状溶融シリカ粉末の平均粒子径を
3〜10μmに設定することにより、上記効果に加え
て、電気絶縁用注型樹脂組成物により作製される成形品
の耐電圧強度および機械的強度を10〜20%向上する
ことができる。この原因としては、上記界面の欠陥の縮
小ということに加えて、欠陥数が減少するためと推測さ
れる。
【0015】さらに、球状溶融シリカ粉末の最大粒子径
を8〜16μmに設定することにより、上記効果に加え
て、電気絶縁用注型樹脂組成物により作製される成形品
の耐電圧強度および機械的強度を10〜20%向上する
ことができる。
【0016】そして、このような電気絶縁用注型樹脂組
成物における熱硬化性樹脂として、各種エポキシ樹脂を
用いることにより、成形加工性に優れ、しかも電気的特
性および機械的特性に優れるものを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0018】本発明の電気絶縁用注型樹脂組成物は、熱
硬化性樹脂と、特定の要件を満たした球状溶融シリカ粉
末とを用いて得られる。
【0019】上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等が用いられ、
一般に、電気的特性や機械的特性に優れ、成形加工性も
良いという点からエポキシ樹脂が用いられる。このエポ
キシ樹脂としては、室温(約25℃)で液状または固体
状を呈するビスフェノールA型エポキシ樹脂、結晶性エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エ
ポキシ樹脂等が好適である。これらのエポキシ当量は、
通常、170〜500である。これらエポキシ樹脂は、
それぞれ単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0020】そして、上記熱硬化性樹脂としてエポキシ
樹脂を用いる場合には、通常、硬化剤としての酸無水物
が用いられる。この酸無水物としては、無水フタル酸、
無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリッ
ト酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ
無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。例えば、耐熱性に優れ、機械的強度も向上するとい
う点から無水フタル酸とテトラヒドロ無水フタル酸を併
用することが好ましい。
【0021】上記エポキシ樹脂と酸無水物との配合割合
は、エポキシ樹脂1当量に対して、酸無水物0.6〜
1.0当量と設定することが好ましい。すなわち、酸無
水物の配合割合が1.0当量を超えると電気的特性が低
下する傾向にあり、逆に、0.6当量未満では耐熱性が
低下する恐れがあるからである。なお、上記酸無水物の
当量(酸無水物当量)は、エポキシ樹脂中のエポキシ基
1個に対して酸無水物中の酸無水物基が1個の場合を1
当量とする。そして、上記配合割合が0.6〜1.0当
量とは、エポキシ樹脂中のエポキシ基1個に対して、酸
無水物中の酸無水物基の数が0.6〜1.0個であると
いう趣旨である。
【0022】そして、熱硬化性樹脂とともに用いられる
球状溶融シリカ粉末は、球状シリケート、球状アルミナ
等の製造と同じ方法で製造することができる。例えば、
摩砕または破砕、例えば、ボールミルによる粉砕で得ら
れた高SiO2 純度の破砕結晶性シリカ粉末(粒子径分
布1〜100μm)を溶射装置に酸素ガスで移送し、溶
射装置のバーナーで溶射して、この溶射粒を水槽で冷却
・収集することにより得ることができる。
【0023】本発明において用いられる上記球状溶融シ
リカ粉末は、下記に示す(A)および(B)の要件を満
たしていなければならない。 (A)最大粒子径が8〜32μm。 (B)平均粒子径が3〜20μm。
【0024】すなわち、粒子径の分布においてその上限
を32μm(A)とし、平均粒子径を3〜20μm
(B)の微細粒子径に設定することにより、より一層の
電気的特性の向上を図ることができる。特に、(B)の
平均粒子径を3〜10μmに設定することが好ましい。
そして、上記粒子径の分布に加えて、さらに、球状溶融
シリカ粒子の最大粒子径が8〜16μmであることが好
ましい。このように平均粒子径および最大粒子径を上記
範囲となるよう設定することにより、優れた電気的特性
および機械的特性が得られるようになる。
【0025】上記球状溶融シリカ粉末の最大粒子径およ
び平均粒子径が上記範囲内となるよう調製する方法とし
ては、例えば、遠心分離を利用した乾式分級法が用いら
れる。
【0026】本発明における球状溶融シリカ粉末の最大
粒子径および平均粒子径は、例えば、つぎのようにして
測定することができる。すなわち、まず異なるメッシュ
の篩を多段に、かつ、メッシュの細かいものほど下段側
に配し(多段篩の段数を多くするほど、高精度の平均粒
子径の測定が可能となる)、試料を最上段篩から最下段
篩に向けて通し、各段篩に残る試料重量を測定し、粒子
径−重量分布曲線を求める。そして、粒子径rの試料の
重量wは、粒子径rの粒の個数をn、粒の比重をρとす
れば、w=(4r3 ρn)/3で算出される。そして、
粒子径−重量分布(r−w分布)から粒子径−個数分布
(r−n分布)を求め、この分布曲線から平均粒子径を
計算することができる。実際には、この理論を応用し
た、粒度分布測定機(例えば、CILAS社製、Laser
Granulometer model 715)によって、最大粒子径および
平均粒子径が求められる。
【0027】上記球状溶融シリカ粉末の配合量は、注型
上の適度な粘度(例えば、130℃でのB型粘度計によ
る粘度測定で最低溶融粘度が5〜25ポイズ)を得るよ
うに設定され、通常、組成物全体に対し50〜70重量
%に設定される。上記B型粘度計による粘度において、
上記粘度範囲を外れ粘度が高過ぎると混合性や流動性が
低下し、逆に粘度が低過ぎると充填材の沈降が生じる。
そして、球状溶融シリカ粉末の配合量が50重量%未満
では、樹脂組成物の溶融粘度が著しく低下し、充填材の
沈降が発生する。また機械的強度も低下する。逆に、7
0重量%を超えると、高粘度になりすぎ、混合性および
流動性が低下する等の悪影響が現れるという傾向がみら
れる。
【0028】さらに、本発明においては、充填材として
上記球状溶融シリカ粉末が主として配合されるが、他の
充填材を補足的に適宜に配合することができる。他の充
填材としては、アルミナ、ガラス繊維、炭素繊維、炭酸
カルシウム、タルク、カオリン、金属粉末等があげられ
る。これら他の充填材を配合する場合の配合割合として
は、充填材全体の10重量%以内となるように設定する
ことが好ましい。
【0029】なお、本発明の電気絶縁用注型樹脂組成物
には、上記熱硬化性樹脂および球状溶融シリカ粉末なら
びに他の充填材以外に、必要に応じて硬化促進剤、希釈
剤、可塑剤、顔料、離型剤、難燃剤等の他の添加剤を適
宜に配合することができる。
【0030】そして、本発明の電気絶縁用注型樹脂組成
物は、上記各原料を所定の割合で配合し、真空加熱下で
気泡を排除しつつ攪拌混合することにより調製される。
その攪拌温度は、通常、100〜140℃に設定され
る。そして、この調製された電気絶縁用注型樹脂組成物
は、所定の成形型内に注入され、所定の条件で加熱硬化
されて所望の製品に成形される。
【0031】本発明の電気絶縁用注型樹脂組成物は、前
述のように、例えば、130℃におけるB型粘度計によ
る最低溶融粘度で5〜25ポイズとなるように調製する
ことが好ましい。
【0032】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0033】
【実施例1】ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量450〜500)70重量部(以下「部」と略
す)、結晶性エポキシ樹脂(エポキシ当量150〜20
0)30部、酸無水物(無水フタル酸およびテトラヒド
ロ無水フタル酸)40部、硬化促進剤0.3部に対し
て、平均粒子径および最大粒子径が後記表1に示す値で
ある球状溶融シリカ粉末を200部配合した。この樹脂
組成物を約120℃の温度にて減圧下(3〜5Tor
r)で攪拌混合することにより電気絶縁用注型樹脂組成
物を得た。そして、この電気絶縁用注型樹脂組成物を用
い注型法により成形硬化して所定形状の成形品を作製し
た。
【0034】
【実施例2〜7、比較例1〜7】平均粒子径および最大
粒子径が後記の表1および表2に示す値である球状溶融
シリカ粉末を同表に示す配合量で配合した。それ以外
は、実施例1と同様にして電気絶縁用注型樹脂組成物を
得、この電気絶縁用注型樹脂組成物を用い注型法により
成形硬化して所定形状の成形品を作製した。
【0035】これらの実施例品および比較例品である成
形品(試料)を用いて、絶縁破壊強度、誘電正接、誘電
率ならびに曲げ強度を、下記に示す各試験方法に従って
測定した。なお、いずれの試験においても、試料数10
個の平均値を求めた。これらの結果を併せて後記の表1
および表2に示す。
【0036】〔絶縁破壊強度〕厚み1mmで両面に電極
を一体的に設けた試料を作製し、これを絶縁油中に浸漬
し、初期電圧を50kVとし、10kVずつ昇圧した。
そして、昇圧毎に1分間保持する方法で課電し、試料が
破壊した時の電圧値(実効値)を求めた。
【0037】〔誘電正接および誘電率〕厚み1mm、直
径60mmで、片面に主電極とその周囲のガード電極
を、他面に対向電極をそれぞれ導電塗料により形成した
試料を作製した。そして、この試料を恒温槽内で100
℃にして変成器ブリッジ法にて、測定周波数:50Hz
におけるキャパシタンスならびにコンダクタンスをそれ
ぞれ測定し、これらの結果から誘電正接および誘電率を
算出した。
【0038】〔曲げ強度〕幅10mm×長さ100mm
×厚み4mmの試料を作製し、間隔64mmの両端支持
で中央に加圧くさびで荷重を作用させ、曲げ破断したと
きの最大荷重を求めた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】上記表1および表2から、実施例品は比較
例品に比べて、絶縁破壊強度、誘電正接、曲げ強度にお
いて、かなり優れた結果が得られ、本発明において、球
状溶融シリカ粉末の最大粒子径を8〜32μmに設定し
た効果が確認できた。
【0042】また、実施例1に対して、球状溶融シリカ
粉末の平均粒子径を小さくした実施例2では、その実施
例1に比べて絶縁破壊強度ならびに曲げ強度において向
上が認められた。また、比較例2に対して、球状溶融シ
リカ粉末の最大粒子径を小さくした実施例2では、その
比較例2に比べて絶縁破壊強度ならびに曲げ強度におい
て向上が認められた。
【0043】さらに、平均粒子径が5μmの球状溶融シ
リカ粉末において、比較例3と実施例3とを比較する
と、球状溶融シリカ粉末の最大粒子径をより小さくした
実施例3の方が絶縁破壊強度ならびに曲げ強度が高く特
性の向上効果が確認できた。
【0044】そして、球状溶融シリカ粉末の最大粒子径
をより小さくした実施例4は、実施例3に比べて絶縁破
壊強度のより一層の向上効果が得られることが確認でき
た。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の電気絶縁用注型
樹脂組成物は、特定の球状溶融シリカ粉末を含有したも
のである。この球状溶融シリカ粉末として、最大粒子径
8〜32μm(A)と、平均粒子径が3〜20μm以下
(B)の要件を満たしたものを用いる。このため、優れ
た電気的特性および機械的特性の向上が実現する。
【0046】さらに、球状溶融シリカ粉末の平均粒子径
を3〜10μmに設定することにより、上記効果に加え
て、電気絶縁用注型樹脂組成物により作製される成型品
の耐電圧強度および機械的強度をより向上することがで
きる。
【0047】また、球状溶融シリカ粉末の平均粒子径を
3〜10μmに設定し、しかも最大粒子径を8〜16μ
mに設定することにより、電気的特性および機械的特性
の向上が顕著である。したがって、特に、絶縁破壊強度
および誘電正接に優れ、高電圧機器の超高圧化、小形縮
小化に極めて有用である。
【0048】そして、熱硬化性樹脂として、各種のエポ
キシ樹脂を用いることにより、成形加工性に優れ、しか
も電気的特性および機械的特性に優れたものが得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 C08L 101/00 H01B 3/40 H01B 3/40 C // B29K 67:00 (72)発明者 多田 雅孝 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂と球状溶融シリカ粉末を含
    有する電気絶縁用注型樹脂組成物であって、上記球状溶
    融シリカ粉末が、下記に示す(A)および(B)の要件
    を満たすものであることを特徴とする電気絶縁用注型樹
    脂組成物。 (A)最大粒子径が8〜32μm。 (B)平均粒子径が3〜20μm。
  2. 【請求項2】 球状溶融シリカ粉末の平均粒子径が3〜
    10μmである請求項1記載の電気絶縁用注型樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 球状溶融シリカ粉末の最大粒子径が8〜
    16μmである請求項1または2記載の電気絶縁用注型
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用注型樹脂組
    成物。
JP11066496A 1996-05-01 1996-05-01 電気絶縁用注型樹脂組成物 Pending JPH09296073A (ja)

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