JPH0922969A - 電子部品封止材 - Google Patents

電子部品封止材

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JPH0922969A
JPH0922969A JP14842395A JP14842395A JPH0922969A JP H0922969 A JPH0922969 A JP H0922969A JP 14842395 A JP14842395 A JP 14842395A JP 14842395 A JP14842395 A JP 14842395A JP H0922969 A JPH0922969 A JP H0922969A
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JP
Japan
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acid
liquid crystal
molding
temperature
glass
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JP14842395A
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English (en)
Inventor
Satoru Ishii
悟 石井
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイクルタイムが短く、熱処理工程も不用で
あり、かつ射出成形し封止をする際に断線やショートの
生じることの少ない電子部品封止材を提供する。 【構成】 サーモトロピック液晶ポリマー100重量部
および該ポリマーの成形温度条件で軟化し得る低温軟化
無機ガラス1〜250重量部とからなることを特徴とす
る電子部品封止材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品の封止材に関
する。詳しくは、流動性の優れるサーモトロピック液晶
ポリマーに低軟化点の低温軟化無機ガラスを配合し、サ
ーモトロピック液晶ポリマーの良好な流動性を低下させ
ずに、優れた放熱効果等を付与した樹脂組成物を使用す
ることにより、被封止素子の損傷等を防止することがで
きる電気封止材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電気電子部品の内部素子の保護
を目的として樹脂による封止が行われている。この封止
材としては一般にエポキシ樹脂が使用されている。しか
しエポキシ樹脂のごとき熱硬化性樹脂はサイクルタイム
が長い、バリが多量にでる、熱処理工程が必要となる、
リサイクルが出来ない等の問題が多い材料である。ま
た、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の通常の
熱可塑性樹脂では溶融粘度が高く、射出による封止操作
の際に高圧の射出圧力により被封止素子の位置ズレ等を
起こすという問題が生じていた。
【0003】そこで、以上の問題を解消するために、特
に溶融粘度が低く、低圧射出成形が可能なサーモトロピ
ック液晶ポリマーを使用した封止成形も多く試みられて
いる。その際、被封止素子からの放熱効果を高める、線
膨張係数を低減するといった目的から、無機充填材、例
えば、シリカ、ガラスビーズ、ガラス粉末等をかなりの
量で添加する方法が一般に行われている。しかしなが
ら、従来の無機充填材は射出温度において当然固体であ
るため、射出成形時に被封止素子に衝突し、その衝撃で
被封止素子のボンディングワイヤーの断線やショート等
が生じ、問題となっていた。
【0004】とりわけ、サーモトロピック液晶ポリマー
は溶融粘度が低く、射出による封止には小部品の封止が
可能であるので有利ではあるが、それが高速の射出につ
ながり、無機充填材の衝突による損傷がかえって問題と
なり易い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の課題を解決し、サイクルタイムが短く、熱処理工程も
不用であり、かつ射出成形し封止をする際に断線やショ
ートの生じることの少ない電子部品封止材を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、射
出成形による封止を行う際に、被封止素子の損傷が起こ
らない封止材を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到
達した。
【0007】すなわち本発明は、サーモトロピック液晶
ポリマー100重量部および該ポリマーの成形温度で軟
化し得る低温軟化無機ガラス1〜250重量部とからな
ることを特徴とする電子部品封止材に関する。
【0008】以下、本発明についてさらに詳しく説明す
る。本発明においてサーモトロピック液晶ポリマーと
は、溶融時に光学的異方性を示す熱可塑性である溶融可
能なポリマーである。このように溶融時に光学的異方性
を示すポリマーは、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的
な平行配列を採る性質を示す。光学的異方性溶融相の性
質は、直交偏光子を利用した通常の偏光検査法により確
認することができる。
【0009】上記液晶ポリマーとしては、例えば、液晶
性ポリエステル、液晶性ポリカーボネート、液晶性ポリ
エステルイミド等、具体的には、(全)芳香族ポリエス
テル、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエ
ステルカーボネート、ポリアゾメチン等が挙げられる。
【0010】サーモトロピック液晶ポリマーは、一般に
細長く、偏平な分子構造からなり、分子の長鎖に沿って
剛性が高く、同軸または平行のいずれかの関係にある複
数の連鎖伸長結合を有している。
【0011】本発明において用いるサーモトロピック液
晶ポリマーには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相
を形成するポリマーのセグメントで構成され、残りの部
分が異方性溶融相を形成しないポリマーのセグメントか
ら構成されるポリマーも含まれる。また、複数のサーモ
トロピック液晶ポリマーを複合したものも含まれる。
【0012】サーモトロピック液晶ポリマー、好ましく
はサーモトロピック液晶ポリエステルを構成するモノマ
ーの代表例としては (A)芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種、 (B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物の少なくと
も1種、 (C)芳香族ジオール系化合物の少なくとも1種、 (D)(D1)芳香族ジチオール、(D2)芳香族チオ
フェノ−ル、(D3)芳香族チオ−ルカルボン酸化合物
の少なくとも1種、 (E)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合
物の少なくとも1種、等が上げられる。これらは単独で
構成される場合もあるが、多くは(A)と(C)、
(A)と(D)、(A),(B)と(C)、(A),
(B)と(E)、あるいは(A),(B),(C)と
(E)等の様に組合せて構成される。
【0013】上記(A)芳香族ジカルボン酸系化合物と
しては、テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸、4,4′−トリフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,
4′−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエ−テル−3,
3′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボ
ン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族
ジカルボン酸またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレ
フタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、
ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシ
テレフタル酸、エトキシテレフタル酸等、上記芳香族ジ
カルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体が挙げられる。
【0014】(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、
2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3
−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドキシ−5
−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロ
ロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジクロ
ロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸の
アルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げられ
る。
【0015】(C)芳香族ジオールとしては、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジ
フェニル、4,4′−ジヒドロキシトリフェニル、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒ
ドロキシジフェニルエ−テル、1,6−ナフタレンジオ
−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族
ジオ−ルまたはクロロハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロ
キノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロ
キノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン
等の芳香族ジオ−ルのアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
【0016】(D1)芳香族ジチオールとしては、ベン
ゼン−1,4−ジチオ−ル、ベンゼン−1,3−ジチオ
−ル、2,6−ナフタレン−ジチオ−ル、2,7−ナフ
タレン−ジチオ−ル等が挙げられる。
【0017】(D2)芳香族チオフェノールとしては、
4−メルカプトフエノ−ル、3−メルカプトフェノ−
ル、6−メルカプトフェノ−ル等が挙げられる。
【0018】(D3)芳香族チオールカルボン酸として
は、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香
酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト
−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
【0019】(E)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジ
アミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N−
メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジ
アミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3
−アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−
ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−
1−ナフト−ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルエ−テ
ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、
4、4′−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリ
ン)、4,4′ジアミノジフェニルスルホン、2,5−
ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリン、
4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,
4′−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシジアニリ
ン)等が挙げられる。
【0020】本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリ
マーは、上記モノマーから溶融アシドリシス法やスラリ
ー重合法等の多様なエステル形成法等により製造するこ
とができる。
【0021】分子量としては、本発明に用いるに好適な
サーモトロピック液晶ポリエステルのそれは、約200
0〜200000、好ましくは約4000〜10000
0である。かかる分子量の測定は、例えば圧縮フィルム
について赤外分光法により末端基を測定して求めること
ができる。また溶液形成を伴う一般的な測定法であるG
PCによることもできる。
【0022】これらのモノマーから得られるサーモトロ
ピック液晶ポリマーのうち一般式(1)で表わされるモ
ノマー単位を必須成分として含む(共)重合体である芳
香族ポリエステルが好ましい。特に好ましいものは、該
モノマー単位を5モル%以上含む芳香族ポリエステルで
ある。
【0023】
【化1】
【0024】本発明で用いられる特に好ましい芳香族ポ
リエステルは、p−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およ
びビフェノールの3種の化合物からそれぞれ誘導される
構造の繰返し単位を有する一般式(2)で表わされるポ
リエステル、この一般式(2)で表されるポリエステル
のビフェノールから誘導される構造の繰り返し単位は、
その一部または全部をジヒドロキシベンゼンから誘導さ
れる繰り返し単位で置換されたポリエステルであること
もできる。p−ヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナ
フタリンカルボン酸の2種の化合物からそれぞれ誘導さ
れる構造の繰返し単位を有する一般式(3)で表わされ
るポリエステルである。
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】本発明で用いられるサーモトロピック液晶
ポリマーは、1種または2種以上の混合物として使用す
ることもできる。上記のサーモトロピック液晶ポリマー
は、溶融時に剪断力を与えると分子鎖のからみあいが少
なくなり粘度が大幅に低下する性質がある。そのため大
きな剪断力がかかる射出成形時には、流動抵抗が小さく
なり、低い射出圧力での成形が可能であるので有利であ
る。
【0028】また、本発明で用いるサーモトロピック液
晶ポリマーの融点は特に制限されないが、封止成形品の
耐熱性と成形し易さのバランスを考慮すると450℃以
下、好ましくは300〜450℃の範囲にあるものであ
る。融点が450℃を超えると通常の射出成形機で射出
による封止が困難となるので好ましくない。なお、ここ
でサーモトロピック液晶ポリマーの融点は、DSC(示
差走査熱量計)によるピーク温度から求める。
【0029】本発明における低温軟化無機ガラスは、封
止材の成形温度条件下で軟化することが必須である。冷
却された常温では固化しているが、成形条件下での冷却
条件において常温でガラス状態または結晶状態であるか
は問わない。いずれの状態のものであっても良い。しか
しながら通常はいわゆるガラス状態である。
【0030】このような低温軟化無機ガラスを充填した
射出材料を封止成形に用いた場合、封止成形としての射
出工程においてガラスが軟化するため、被封止素子にこ
れが衝突した際の衝撃が非常に緩和され、被封止素子の
配線が断線やショートする等といった成形不良の発生を
抑制することが可能である。
【0031】本発明においては、サーモトロピック液晶
ポリマーが溶融する封止成形としての射出成形条件下で
本発明における無機ガラスは軟化している必要がある。
かかる観点から無機ガラスの軟化点を決定すれば良い。
ここで、無機ガラスの軟化する温度としての軟化点は、
ガラスについて用いられる測定方法、例えば直径0.7
mm、長さ23cmのガラス繊維を加熱し、これが自重
で毎分1mmの早さで伸びる温度として軟化点を求める
ことができる。従って、この測定方法により求める軟化
点を用いれば、本発明における無機ガラスの軟化点は、
封止材の成形温度以下の軟化点であるといえる。
【0032】無機ガラスはサーモトロピック液晶ポリマ
ーの成形条件下で軟化すれば良くその軟化点は特に限定
されないが、通常は450℃を超えないものが好まし
い。軟化点が450℃を超えると、高温射出が必要とな
り、高温ではサーモトロピック液晶ポリマーの熱劣化が
生じることがあり、安定した成形ができなくなる可能性
がある。その他、高温の成形温度では被封止素子に熱的
損傷を与えることもありいずれも好ましくない。好まし
い軟化点は200〜400℃である。
【0033】本発明において低温軟化無機ガラスの種類
としては、前述のように低温軟化点の無機ガラスであっ
て、好ましくは配合するサーモトロピック液晶ポリマー
を実質的に劣化、分解等をさせることがないものであっ
て、しかも耐湿性や化学的安定性の良いものである。例
えば亜鉛リン酸ガラスやハンダガラス、その他ほう酸塩
ガラス、ハロゲン化物ガラス等の中から軟化点が450
℃以下のものが適宜に好ましく使用できる。例えば亜鉛
リン酸ガラスはP25−ZnO−R2O(Rは各種アル
カリ金属)を基本組成とするガラスであり、300℃か
ら400℃の間に軟化点を持つ。またハンダガラスはP
bOやZnO、B23等により構成される低温軟化ガラ
スであるが、特にその中で420℃以下に軟化点を持ち
本発明に使用可能なものは主にB23−PbO系のハン
ダガラスである。これらの低温軟化ガラスは、軟化点が
低温であるものの封止材使用温度領域においては、熱伝
導度や線膨張係数等といった他の物理的性質は基本的に
通常のガラスと同様である。従って、本発明の封止材
は、熱伝導率が良く、また線膨張係数も小さいので封止
材に適当である。
【0034】具体的なガラスの組成としては、モル%で
44〜58%のP25、0〜7%のAl23、0〜10
%のB23、4〜10%のAl23+B23、0〜30
%のLi2O、10〜30%のNa2O、10〜45%の
Li2O+Na2O、0〜20%のCu2O、10〜30
%のLi2O+Cu2Oからなる組成;10〜35%のR
2O(ここで、R2Oは、0〜25%のLi2O、0〜2
5%のNa2O、0〜25%のK2Oからなる群から選択
される少なくとも二つのアルカリ金属酸化物からな
る)、12〜55%のZnO、20〜40%のP25
らなる組成;5〜25%のLi2O、0〜15%のNa2
O、0〜10%のK2O、5〜25%のLi2O+Na2
O+K2O、35〜50%のZnO、0〜15%のPb
O、0.75〜6%のAl23、29〜37%のP25
からなる組成;10〜35%のR2O(ここで、R2
は、0〜25%のLi2O、0〜25%のNa2O、0〜
25%のK2Oからなる群から選択される少なくとも二
つのアルカリ金属酸化物からなる)、12〜55%のZ
nO、28〜45%のP25、合計で0.5〜5%のY
23および/またはランタニド群から選択される希土類
元素の少なくとも一つの酸化物からなる組成等の組成が
例示される。
【0035】サーモトロピック液晶ポリマーの成形温度
で軟化し得る低温軟化無機ガラスは、サーモトロピック
液晶ポリマー100重量部に対して1〜250重量部、
好ましくは10〜150重量部、さらに好ましくは30
〜100重量部配合する。配合量が1重量部未満である
と、放熱性や線膨張係数の低減といった封止材のための
効果を得にくい。また配合量が250重量部を超える
と、得られた封止材の射出成形による封止には、より高
い射出圧力が必要となるため、被封止素子の位置ずれ等
が生じ易くなる。
【0036】また、本発明においては、本発明の効果を
損なわない範囲で従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、増
量剤、補強剤、顔料、難燃化剤、充填材等の種々の添加
剤を適宜の量添加してもよい。これらの添加剤および充
填剤は適宜に1種または2種以上併用することができ
る。
【0037】これらの添加成分は有機化合物でも無機化
合物でもよく、また形状も粉粒状、鱗片状、針状、球
状、中空状および繊維状のものいずれも使用できる。よ
り具体的にはヒンダードフェノール系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、アミ
ド系化合物の代表される安定剤;水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム等の無機難燃剤;炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、
クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、ガラス粉、酸化
鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、シリカ、窒化ホ
ウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラック、雲母、ガ
ラス板、セリサイト、パイロフィライト、アルミフレー
ク、黒鉛、シラスバルーン、金属バルーン、軽石、ガラ
ス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金
属繊維、シリコンカーバイド繊維、アスベスト、ウォラ
ストナイト等に代表される無機充填剤;アゾ染料、イン
ジゴ染料等の染料;ベンガラ等の顔料等を使用すること
ができる。特に上述の無機化合物を充填する際は、シラ
ンカップリング剤や有機チタネートカップリング剤や金
属塩等で表面処理したものを使用してもよい。
【0038】また、本発明の効果を損なわない範囲で従
来公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を適宜量添加して
もよい。これらの樹脂は1種または2種以上併用するこ
とができる。
【0039】具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン、シリコー
ン樹脂、フッ素系樹脂、ポリアセータール、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルイ
ミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスル
フォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
【0040】本発明において、各成分の配合方法につい
ては任意である。例えば、サーモトロピック液晶ポリマ
ーのペレットと低温軟化ガラスの粉末をタンブラーでド
ライブレンドした後、2軸等の押出機にて溶融混練しペ
レット化した後、常法の封止のための成形方法により封
止成形をすることができる。
【0041】また封止対象の電子部品としては特に限定
されないが、例えば、IC、トランジスター、ダイオー
ド、コンデンサー、インダクター、コイル、抵抗器等の
電気・電子部品が挙げられる。
【0042】封止成形方法は任意であるが、通常は射出
成形により行われる。すなわち、これら電子部品を金型
内に挿入し、常法に従い射出することにより封止成形を
行うことができる。封止のための射出成形条件は、例え
ば、射出温度(シリンダー温度)250〜450℃、金
型温度30〜200℃、射出圧力100〜3000Kg
/cm2の範囲から適宜に選択することができる。
【0043】なお、サーモトロピック液晶ポリマーの成
形温度は、その融点(DSCによる)の近傍ではある
が、必ずしも融点より高いということはない。すなわ
ち、一般にサーモトロピック液晶ポリマーはそのDSC
による融点以下の温度でも一定の流動性を有し、それ故
かかる温度でも一応の成形が可能ではある。このような
低温度では溶融粘度はかなり高いこともあるが、加熱温
度が低いことからポリマーの劣化等が少ないという利点
もある。一方、融点を超える高い成形温度では溶融粘度
が低下し、成形が容易となる傾向がある。
【0044】それ故、サーモトロピック液晶ポリマーの
成形温度は、該ポリマー、成形機、成形方法、または配
合する充填剤の種類等の条件により適宜選択され、必ず
しもその融点以上あるいはそれ以下の温度で行なうと決
まったものではない。
【0045】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 [亜鉛リン酸ガラス製造例]実施例に使用する亜鉛リン
酸ガラスを2種類製造した。金属の炭酸塩、リン酸塩、
酸化物の混合物からなるバッチ材料をそれぞれボールミ
ルで充分に混合し均一な混合物を得た。混合物はシリカ
るつぼに装填し、るつぼ上に蓋を乗せた後、約1000
℃に加熱した炉の中で3時間保持、溶融した。その後、
溶融物を金型に流し込んで約250℃で冷却した。25
0℃まで冷却した後、室温へ冷却し粉砕して粒子状にし
た。バッチ材料から計算した酸化物基準の組成は以下の
通りである。 (亜鉛リン酸ガラス1) (P25:33mol%、Al23:2mol%、Li
2O:7mol%、Na2O:8mol%、K2O:5m
ol%、ZnO:40mol%) 軟化点320℃ (亜鉛リン酸ガラス2) (P25:33mol%、Al23:2mol%、Li
2O:7mol%、Na2O:6mol%、K2O:7m
ol%、ZnO:45mol%) 軟化点320℃
【0046】実施例1 パラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ビフェノー
ル、イソフタル酸からそれぞれ誘導される繰り返し構成
単位を有するサーモトロピック液晶コポリエステル(偏
光顕微鏡により溶融時光学異方性を示すことを確認し、
またDSCによる融点は360℃であった)100重量
部に対し、亜鉛リン酸ガラス1(軟化点320℃)60
重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押出機に
より360℃で押し出しペレットを得た。
【0047】次いで、金線によりリードフレームに接続
されたICチップ部品を金型キャビティに挿入し、射出
温度360℃、金型温度80℃で封止成形を行った。成
形後、封止部品20個を軟エックス線透過装置により内
部観察したところ、金線の破断は観察されなかった。
【0048】実施例2 パラヒドロキシ安息香酸、ナフトエ酸からそれぞれ誘導
される繰り返し構成単位を有するサーモトロピック液晶
コポリエステル(偏光顕微鏡により溶融時光学異方性を
示すことを確認し、またDSCによる融点は330℃で
あった)100重量部に対し、亜鉛リン酸ガラス2(軟
化点320℃)60重量部をヘンシェルミキサーにて混
合し、二軸押出機により330℃で押し出しペレットを
得た。
【0049】次いで、金線によりリードフレームに接続
されたICチップ部品を金型キャビティに挿入し、射出
温度330℃、金型温度80℃で封止成形を行った。成
形後、封止部品20個を軟エックス線透過装置により内
部観察したところ、金線の破断は観察されなかった。
【0050】実施例3 パラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ビフェノー
ル、イソフタル酸からそれぞれ誘導される繰り返し構成
単位を有するサーモトロピック液晶コポリエステル(偏
光顕微鏡により溶融時光学異方性を示すことを確認し、
またDSCによる融点は360℃であった)100重量
部に対し、ハンダガラス(軟化点354℃)60重量部
をヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押出機により3
60℃で押し出しペレットを得た。
【0051】次いで、金線によりリードフレームに接続
されたICチップ部品を金型キャビティに挿入し、射出
温度360℃、金型温度80℃で封止成形を行った。成
形後、封止部品20個を軟エックス線透過装置により内
部観察したところ、金線の破断は観察されなかった。
【0052】比較例1 パラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ビフェノー
ル、イソフタル酸からそれぞれ誘導される繰り返し構成
単位を有するサーモトロピック液晶コポリエステル(偏
光顕微鏡により溶融時光学異方性を示すことを確認し、
またDSCによる融点は360℃であった)100重量
部に対し、ガラスビーズ(軟化点830℃)60重量部
をヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押出機により3
60℃で押し出しペレットを得た。
【0053】次いで、金線によりリードフレームに接続
されたICチップ部品を金型キャビティに挿入し、射出
温度360℃、金型温度80℃で封止成形を行った。成
形後、封止部品20個を軟エックス線透過装置により内
部観察したところ、2個の部品で金線の破断が観察され
た。
【0054】比較例2 パラヒドロキシ安息香酸、ナフトエ酸からそれぞれ誘導
される繰り返し構成単位を有するサーモトロピック液晶
コポリエステル(偏光顕微鏡により溶融時光学異方性を
示すことを確認し、またDSCによる融点は330℃で
あった)100重量部に対し、ガラスビーズ(軟化点8
30℃)60重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、
二軸押出機により330℃で押し出しペレットを得た。
【0055】次いで、金線によりリードフレームに接続
されたICチップ部品を金型キャビティに挿入し、射出
温度350℃、金型温度80℃で封止成形を行った。成
形後、封止部品20個を軟エックス線透過装置により内
部観察したところ、4個の部品で金線の破断が観察され
た。
【0056】
【発明の効果】上記のようにして得られる本発明の電子
部品封止材は、流動性に優れたサーモトロピック液晶ポ
リマーと低温軟化無機ガラスとを配合することにより、
従来の無機充填材を減らす、または使用しないことが可
能となった。従来、熱伝導率を上げるために多量の無機
充填材を使用することによって発生していた内部素子配
線等との衝突時の衝撃に起因する断線やショート等の損
傷が起こり難く、熱伝導性に優れた封止材を得ることが
できる。また、成形条件下で軟化する低温軟化無機ガラ
スを用いることにより、従来の無機充填材を配合してな
るものと比較して、サーモトロピック液晶ポリマーの有
する高流動性が維持される効果をも有する。すなわち、
固体粉体である従来の無機充填材を配合する場合サーモ
トロピック液晶ポリマーの有する高流動性が損なわれる
傾向がある。しかしながら、低温軟化無機ガラスを用い
ることにより、それが成形時溶融するためにサーモトロ
ピック液晶ポリマーの有する高流動性が維持される。そ
の結果、小型、薄肉な電気・電子部品の射出・封止およ
び狭小な空隙からなるキャビティーを有する金型による
電気・電子部品の射出・封止が可能となる。さらに、本
発明の封止材は熱可塑性樹脂からなるので成形品のリサ
イクル性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 KCK

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーモトロピック液晶ポリマー100重
    量部および該ポリマーの成形温度で軟化し得る低温軟化
    無機ガラス1〜250重量部とからなることを特徴とす
    る電子部品封止材。
JP14842395A 1995-05-02 1995-05-24 電子部品封止材 Pending JPH0922969A (ja)

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