JP2935054B2 - タルク配合サーモトロピック液晶ポリマー組成物およびその製造法 - Google Patents

タルク配合サーモトロピック液晶ポリマー組成物およびその製造法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性、特に熱変形温度、耐ブリスター性
に優れたサーモトロピツク液晶ポリマー組成物の製造法
に関する。
(従来の技術) タルクをサーモトロピツク液晶ポリマーに配合した組
成物は従来から種々試みられている(たとえば、特開昭
59−36154号公報、特開昭60−124649号公報等)。特開
昭59−36154号公報では、金属不純物が少なく、高めら
れた温度で分解し得る成分の含有量がきわめて少ないタ
ルクを使用することを特徴としている。特開昭60−1246
49号公報では、タルクの性状については特に限定はして
いないが、平均粒径1〜10μmが好ましいことが記載さ
れている。
しかしながら、これらタルクを配合したサーモトロピ
ツク液晶ポリマーは、機械的強度、および耐熱性が必ず
しも充分ではなかつた。特に、全芳香族ポリエステルの
ごとき高耐熱性、高強度を要求される樹脂においては、
これを高温使用型の電子機器材料として用いる場合、高
温度下においては充分にその性能を発揮できないという
問題点があつた。
すなわち、オキシペンゾイル基を有する全芳香族ポリ
エステルにタルクを配合する場合、該ポリエステルを加
熱溶融し、混合することによりなされる。
しかるに、上記オキシペンゾイル基を有する全芳香族
ポリエステルの場合にはその溶融温度は通常のポリエス
テルには見られないような高温となる。
このような高温に起因して特異な現象が生じる。たと
えばタルク中の不純物金属、あるいは場合によりタルク
それ自身による触媒的作用によるポリエステルの熱分
解、加水分解(共存水分と反応する)などの反応であ
る。
タルク中に共存する水分の影響については、本発明者
らは特願昭63−301039号としてその解決法をすでに提案
した。この技術は、特定条件下における水分量を有する
タルクを用いるものである。
しかしながらタルク中の水分を絶無にすることは困難
であり、またある程度タルクを乾燥し水を除去すること
すらコストの増大を招く。ポリエステルの熱分解防止に
ついてはほとんど提案がない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記に示した従来のタルクを含むサーモト
ロピツク液晶ポリマー組成物の持つ課題を解決すること
を目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討し
た結果、融点が340℃以上のサーモトロピツク液晶ポリ
マーに、比表面積5m2/g以上で平均粒径40μm以下のタ
ルクを該ポリマーとタルクの合計に対して5〜60wt%配
合したことを特徴とするサーモトロピツク液晶ポリマー
組成物およびその製造法に関する発明をするにいたつ
た。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明で言うサーモトロピツク液晶ポリマーとは、溶
融時に光学的異方性を示す熱可塑性溶融可能なポリマー
である。このような溶融時に光学的異方性を示すポリマ
ーは、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列を
とる性質を有している。光学的異方性溶融相の性質は、
直交偏光子を利用した通常の偏光検査法により確認でき
る。
サーモトロピソク液晶ポリマーほ、一般に細長く、偏
平で、分子の長鎖に沿つて剛性が高く同軸または平行の
いずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合を有している
ようなモノマーから製造される。
本発明で用いるサーモトロピツク液晶ポリマーには、
一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相を形成するポリマ
ーのセグメントで構成され、残りの部分が異方性溶融相
を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントから構成される
ポリマーも含まれる。また、複数のサーモトロピツク液
晶ポリマーを複合したものも含まれる。
本発明においては、サーモトロピツク液晶ポリマーの
うち前記式であらわされるオキシベンゾイル基をモノマ
ー単位として含む重合体または共重合体を用いる。この
ものは、耐熱性が特に高く摺動材そのほかの用途に好ま
しい。
さらに好ましいのは上記(共)重合体の中でも、オキ
シベンゾイル基を含む全芳香族ポリエステルである。
上記のような光学的異方性溶融相を形成する全芳香族
ポリエステルの構成成分としては (A)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸系化合
物の少なくとも1種、 (B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物の少なくと
も1種、 (C)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオー
ル系化合物の少なくとも1種、 (D)芳香族ジチオール、芳香族チオフエノール、芳香
族チオールカルボン酸系化合物の少なくとも1種、 (E)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合
物の少なくとも1種 等があげられる。これ等は単独で構成される場合もある
が、多くは(A)と(C)、(A)と(D)、(A)
(B)と(C)、(A)(B)と(E)、あるいは
(A)(B)(C)と(E)等の様に組合せて構成され
る。
上記(A1)芳香族ジカルボン酸系化合物としては、テ
レフタル酸、4,4′−ジフエニルジカルボン酸、4,4′−
トリフエニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、ジフエニルエーテル−4,4′−ジカルボ
ン酸、ジフエノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸、ジ
フエノキシブタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフエニル
エタン−4,4′−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフエ
ニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸、ジフエノキシエ
タン−3,3′−ジカルボン酸、ジフエニルエタン−3,3′
−ジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸のごと
き芳香族ジカルボン酸またはクロロテレフタル酸、ジク
ロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフ
タル酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、
メトキシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸等、上記
芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
(A2)脂肪族ジカルボン酸としては、トランス−1,4−
シクロへキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロへキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロへキサンジカルボン酸
等の脂環族ジカルボン酸またはトランス−1,4−(2−
メチル)シクロへキサンジカルボン酸、トランス−1,4
−(2−クロル)シクロへキサンジカルボン酸等、上記
脂環族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体等が挙げられる。
(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物としては、
4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−
ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸または3−
メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒド
ロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ
−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、2−クロロ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安
息香酸、6−ヒドロキシ−5−クロロ−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、6
−ヒドロキシ−5,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸等の芳
香族ヒドロキシカルボン酸のアルキル、アルコキシまた
はハロゲン置換体が挙げられる。
(C1)芳香族ジオールとしては、4,4′−ジヒドロキシ
ジフエニル、3,3′−ジヒドロキシジフエニル、4,4′−
ジヒドロキシトリフエニル、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、2,6−ナフタレンジオール、4,4′−ジヒドロキシジ
フエニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフエノキシ)
エタン、3,3′−ジヒドロキシジフエニルエーテル、1,6
−ナフタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
エニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)メ
タン等の芳香族ジオールまたはクロロハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フ
エニルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、フエ
ノキシハイドロキノン、4−クロロレゾルシン、4−メ
チルレゾルシン等の芳香族ジオールのアルキル、アルコ
キシまたはハロゲン置換体が挙げられる。
(C2)脂環族ジオールとしては、トランス−1,4−シク
ロへキサンジオール、シス−1,4−シクロへキサンジオ
ール、トランス−1,4−シクロへキサンジメタノール、
シス−1,4−シクロへキサンジメタノール、トランス−
1,3−シクロへキサンジオール、シス−1,2−シクロへキ
サンジオール、トランス−1,3−シクロへキサンジメタ
ノールのような脂環族ジオールまたはトランス−1,4−
(2−メチル)シクロへキサンジオール、トランス−1,
4−(2−クロロ)シクロへキサンジオールのような脂
環族ジオールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置
換体が挙げられる。
(C3)脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール等の直鎖状または分岐状脂肪族ジオー
ルが挙げられる。
(Dl)芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジ
チオール、ベンゼン−1,3−ジチオール、2,6−ナフタレ
ン−ジチオール、2,7−ナフタレン−ジチオール等が挙
げられる。
(D2)芳香族チオフエノールとしては、4−メルカプト
フエノール、3−メルカプトフエノール、6−メルカプ
トフエノール等が挙げられる。
(D3)芳香族チオールカルボン酸としては、4−メルカ
プト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプ
ト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ酸
等が挙げられる。
(E)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合
物としては、4−アミノフエノールヽN−メチル−4−
アミノフエノール、1,4−フエニレンジアミン、N−メ
チル−1,4−フエニレンジアミノ、N,N′−ジメチル−1,
4−フエニレンジアミン、3−アミノフエノール、3−
メチル−4−アミノフエノール、2−クロロ−4−アミ
ノフエノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミ
ノ−4′−ヒドロキシジフエニル、4−アミノ−4′−
ヒドロキシジフエニルエーテル、4−アミノ−4′−ヒ
ドロキシジフエニルメタン、4−アミノ−4′−ヒドロ
キシジフエニルスルフイド、4,4′−ジアミノフエニル
スルフイド(チオジアニリン)、4,4′−ジアミノジフ
エニルスルホン、2,5−ジアミノトルエン、4,4′−エチ
レンジアニリン、4,4′−ジアミノジフエノキシエタ
ン、4,4′−ジアミノジフエニルメタン(メチレンジア
ニリン)、4,4′−ジアミノジフエニルエーテル(オキ
シジアニリン)等が挙げられる。
なお、全芳香族ポリエステルとは芳香族カルボン酸と
芳香族アルコールとから実質的に得られるポリエステル
を一般には示すが、本発明の全芳香族ポリエステルは、
前述の異方性溶融相を形成しないセグメント部分は脂肪
族、脂環族の酸またはアルコールによるエステルで構成
されるものも包含される。さらに、ポリエステルそれ自
体または異方性溶融相を形成するセグメントにおいて
も、これらが異方性溶融相を形成する限りそれらが脂肪
族あるいは脂環族の酸またはアルコールとのエステルか
らなるものも包含される。具体的な全芳香族ポリエステ
ルとしては、 等がある。
特に、本発明のポリマーはDSC(differencial scanni
ng calorimetry、示差走差熱量測定)による融点が340
℃以上の全芳香族ポリエステルであるので熱変形温度、
高温領域における剛性、耐衝撃性等、さらに広い領域の
性能が改良され、本発明によるタルクの配合効果が著し
い。
タルクは、Mg3Sl4O10(OH)2で表される化学組成を持つ
白色粉末で、その構造は層状構造をなし層間結合力が弱
いので剥離しやすく、滑らかな感触を与えるので滑石と
も呼ばれる。タルクの不純物含有量は産地によつて異な
るが、本発明に用いられるタルクは不純物の少ない高品
位の鉱石を原料としたものが好ましく、アルミナ、酸化
鉄等の金属不純物は合計1wt%以下が好ましい。
市販されている配合用タルクは、微粉末であり取扱が
困難なため、通常は袋詰めにして放置したものを取り出
して使用する。これらのタルクは保存状態のよいもので
も若干の水分を含む。
タルクをサーモトロピツク液晶ポリマーに配合する場
合、サーモトロピツク液晶ポリマーを加熱して溶融状態
とする。前述のように高融点のサーモトロピツク液晶ポ
リマー、特に融点340℃以上の超耐熱性ポリマーの場
合、配合時に加熱されたタルクより発生する水分による
ポリマーの加水分解あるいはタルクに含まれる不純物金
属等によつて促進されるポリマーの熱劣化のため物性低
下を起し、充分な強度および耐熱性が得られなかつた。
しかるに、比表面積5m2/g以下のタルクを用いること
により、配合時の加水分解および熱劣化を著しく低下さ
せることが出来、強度および耐熱性のすぐれたサーモト
ロピツク液晶ポリマー組成物を得ることができる。この
様なタルクは、吸湿性が低いことおよび配合時に高温で
樹脂と接触する面積が小さいことがこのような効果をも
たらすと推定される。
比表面積が5m2/gを越えるタルクを用いる場合、サー
モトロピツク液晶ポリマー組成物の強度及び耐熱性が充
分でない。平均粒径が40μmを越えるタルクを用いると
引張り強度、耐熱衝撃強度が低下しかつ成形部品の表面
のなめらかさが劣る。
配合前のタルクの乾燥は必ずしも必要ではないが、乾
繰を行うことにより本発明をより効果的にすることが出
来る。
なお、タルクは前述のように滑石とも呼ばれ滑らかな
感触を与えるが、実際にはタルク粒子の表面は微細構造
を有し、また層状構造の層間にも空隙が存在する。ま
た、これらの構造はタルクの生産地の由来、製造法、そ
の他の要因により変動する。したがつて、たとえば同一
粒経のタルク粒子であつても、粒径分布のいかんにかか
わらず必らずしも同一の比表面積(BET法により測定)
を有するとはかぎらない。
したがつて、本発明においては上述のように比表面積
(BET法により測定)が5m2/g以下であるような表面積
の小さいタルク粒子を用いることが肝要である。
タルクの配合量としては、サーモトロピツク液晶ポリ
マーとタルクの合計に対して5〜60wt%の範囲が好まし
い。タルクの配合量が60wt%を超える場合は、本発明の
組成物の強度および耐衝撃性が低下する。また、タルク
の配合量が5wt%未満の場合は配合効果が不十分であ
り、本発明の目的を達成することができない。
本発明ではタルク単独を使用してもよく、あるいは所
望に応じて他の配合剤を加えても良い。
他の配合剤としては、無機配合剤、有機配合剤、安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔科、染料、改質剤等
があげられる。このうち特に無機配合剤が重要で加工
性、物性等の改良のためにしばしば用いられる。無機配
合剤としては、二硫化モリブデン、マイカ、クレー、セ
リサイト、炭酸カルシユーム、珪酸カルシユーム、シリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシユー
ム、黒鉛、チタン酸カリ、ガラス繊維、炭素繊維、各種
ウイスカー等がある。
この場合、タルクと他の配合剤との合計量は、組成物
に対する割合で60wt%以下が望ましい。また、本発明の
目的とする特性を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂
や熱硬化性樹脂を含有することができる。
本発明のタルク配合サーモトロピツク液晶ポリマー組
成物は各種の方法によつて製造することができる。例え
ば、サーモトロピツク液晶ポリマーの重合時もしくは重
合体の後処理時にタルクを共存させる方法、該樹脂とタ
ルクとを押出機もしくは混練装置内に入れて混合する方
法、所定のタルクを含む樹脂(マスターバツチ)を該樹
脂と共に上に述べた方法や成形時に共存させて処理する
方法などを採用することができる。
本発明によつて得られる組成物は通常射出成形によつ
て所望の形状に成形され各種の用途に使用される。
サーモトロピツク液晶ポリマーは、タルクを重合時、
あるいはその後に配合するにしろ、いずれにしろ少なく
とも最終製品の製造は、該ポリマーは熱溶融状態とな
り、タルクと接触することになる。
(実施例) 以下、実施例によつて、本発明を説明するがこれらの
実施例は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明
の好適な態様を示すものである。
実施例1 テレフタル酸 イソフタル酸、4−ヒドロキシ安息香
酸、4,4′−ジヒドロキシジフエニルをモノマー単位と
する式: *数字はモル比(合計で100) で示される四元共重合体よりなる、融点が350℃である
サーモトロピツク液晶ポリマ−2.60kgと比表面積3.6m2/
gで平均粒径15μmのタルク2.40kgと攪拌羽根付きの混
合機で混合した。
比表面積はBET法により測定した。
この混合物を、エアオープンに入れ120℃で4時間乾
燥した後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)を
用いてシリンダー温度355℃で混練造粒した。
得られた樹脂ペレツトを射出成形機(住友重機工業
(株)製、SG−25)によりシリンダー温度350℃で射出
成形し、引張り試験片および熱変形試験片を得た。引張
り強度および引張り弾性率はそれぞれASTM D−638、に
準拠して求めた。
また耐熱性については、試験片をエアーオーブン中で
260℃、4時間加熱しブリスター(火ぶくれ)発生の有
無で判定した。
結果を表に示す。
なお、本実施例1および後述の比較例1において用い
たタルクを、混合前において前記特許出願記載の方法と
同様にして加熱温度300℃において重量減少を測定する
ことによりその水分含有量を測定したところ、いずれも
0.21wt%であつた。
実施例2 タルクとして、比表面積2.3m2/g、平均粒径21μmの
タルクを用いた以外は実施例1と同様に実験を行つた。
結果を表に示す。
実施例3 実施例1と同一のサーモトロピツク液晶ポリマー4.00
kgと実施例1と同一のタルク1.00kgを原料とし、実施例
1と同様の手順で実験を行つた。結果を表に示す。
実施例4 テレフタル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4,4−ジヒ
ドロキシジフエニルをモノマー単位とする式: *数字はモル比(合計で100) で示される三元共重合体よりなる融点が410℃であるサ
ーモトロピツク液晶ポリマー2.60kgと実施例1と同一の
タルク2.40kgとを攪拌羽根付きの混合機で混合した。
この混合物をエアーオーブンに入れ、120℃で4時間
乾燥した後、PCM30二軸押出機を用いてシリンダー温度4
15℃で混練造粒した。
比較例1 タルクとして比表面積8.2m2/g、平均粒径5μmのタ
ルクを用いた以外は実施例1と同様に実験を行つた。結
果を表に示す。
比較例2 実施例1と同一のサーモトロピツク液晶ポリマー3.45
kgと比較例1と同一のタルク1.55kgを原料とし、実施例
1と同様の手順で実験を行つた。結果を表に示す。
比較例3,4 タルクとして表に示す比表面積および平均粒径のタル
クを用いた以外は実施例1と同様に実験を行つた。結果
を表に示す。
比較例5 タルクとして比表面積5.8m2/g、平均粒径7μmのタ
ルクを用いた以外は実施例4と同様に実験を行つた。結
果を表に示す。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は、融点340℃以上のサー
モトロピツク液晶ポリマーに、比表面積5m2/g以下、平
均粒径40μ以下のタルクを、組成物に対して5〜60wt%
配合することにより、サーモトロピツク液晶ポリマー組
成物の異方性、耐熱性および寸法安定性を著しく改善
し、広い応用分野での実用化しうる範囲を飛躍的に拡大
する効果が得られる。
また、タルクを含むサーモトロピツク液晶ポリマー成
型品を製造する場合、タルクをモノマー重合時あるいは
ポリマー造粒時に添加するとしても、いずれにしてもタ
ルクは熱溶融ポリマーと接触せざるを得ない。
しかし、本発明によるならば前記した特願昭63−3010
39号のような特定条件下の水分量のタルクを特に用いな
くとも、容易に本発明の効果が達成されるという特徴を
有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−261417(JP,A) 特開 昭62−243630(JP,A) 特開 昭61−12742(JP,A) 特開 昭61−275359(JP,A) 特開 平2−55745(JP,A) 特開 平2−75653(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/00 - 67/08 C08K 3/00 - 3/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点が340℃以上の、少なくとも下記式で
    表されるモノマー単位を含む(共)重合体であるサーモ
    トロピック液晶ポリマーおよび比表面積が5m2/g以下で
    平均粒径が40μm以下のタルク5〜60wt%(該ポリマー
    とタルクの合計に対して)からなることを特徴とする耐
    熱性に優れたサーモトロピック液晶ポリマー組成物。
  2. 【請求項2】サーモトロピック液晶ポリマーが全芳香族
    ポリエステルである請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載のサーモトロピック液晶ポリ
    マーを熱溶融状態下に前記タルクと接触させることを特
    徴とする請求項1に記載の組成物。
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