JP3501241B2 - サーモトロピック液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
サーモトロピック液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法Info
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Description
リマーフィルムおよびその製造方法に関し、さらに詳し
くは無機充填材を含むサーモトロピック液晶ポリマーを
用い射出成形により成形するサーモトロピック液晶ポリ
マーフィルムおよびその製造方法に関する。
強度、耐熱性、寸法安定性等の性質に優れるために電気
・電子部品やOA機器部品に応用されている。
が開発され、この基板用途にエンジニアリングプラスチ
ックをベースにしたフィルムが各種提案されている。主
な提案には、機械的強度、耐熱性等の特徴を有するとこ
ろから、例えばポリイミドフィルムがある。しかし、ポ
リイミドは極めて高価であるし、また吸湿率が高く(5
重量%)、そのために誘電性能が低下し、吸湿膨張が生
じるという欠点を有する。
消することが可能なサーモトロピック液晶ポリマーのフ
ィルム化については各種の提案がある。しかし、いまだ
満足すべきレベルに到達していないのが現状である。す
なわち、サーモトロピック液晶ポリマーのフィルム化は
他のポリマーと同様に押出によるインフレーション成形
やTダイ成形で検討されているが、サーモトロピック液
晶ポリマーそれ自身の配向性が強いため、得られたフィ
ルムが縦裂きし易い、カールし易い、あるいは線膨張係
数の縦横比が大きすぎる等の欠点がある。例えば、上記
サーモトロピック液晶ポリマーフィルムの欠点を改良す
るために特表平2−504948号公報ではサーモトロ
ピック液晶ポリマーフィルムからなるフレキシブル配線
基板を提案している。ここで用いるフィルムは多重回転
ダイによるインフレーション成形法で成形している。し
かし、サーモトロピック液晶ポリマーのフィルムをイン
フレーション成形で成形するには多重回転ダイ等という
複雑な装置が必要としているし、また得られたフィルム
の性質も必ずしも満足できるものではなかった。
流動性が良好なところから薄肉化製品が射出成形により
製造されてはいるが、今まで実用的なサーモトロピック
液晶ポリマーからなるフィルムを射出成形により製造す
ることは提案されていなかった。
る場合、厚みが薄いのでサーモトロピック液晶ポリマー
の冷却速度が早く、金型末端まで充分に充填し難い。ま
たサーモトロピック液晶ポリマーを狭い金型空間に充填
するので抵抗があり高い充填圧で充填することが必要と
なるが、従来の射出成形機による射出成形圧は必ずしも
充分ではなかったのである。すなわち、従来の射出成形
機によっては実用性のあるフィルム、すなわち一定厚み
以下の薄さと一定面積以上の面積を有する実用的なフィ
ルムを得ることができなかったのである。その上、厚み
が薄くなるとサーモトロピック液晶ポリマーの場合、射
出成形では配向性が大となって、そりなどの物性は極端
に悪化し、物性の点では厚みを薄くすることは良いとは
考えられなかった。
面積のフィルムを作成し、これを試験することが行われ
ているが、サーモトロピック液晶ポリマーの一定厚み以
上のものは射出成形によるとしても、薄いフィルム状試
験片が必要な場合は、プレス成形により製造し、これに
ついて試験することが多かった。プレス成形では、生産
性に劣り工業的なフィルムの製造には適さない。
ピック液晶ポリマーのフィルムにおける上記のような欠
点を解決する目的でなされたものであり、具体的には表
面平滑性に優れ、縦裂きやカールしにくく、線膨張係数
の縦横比が小さいサーモトロピック液晶ポリマーフィル
ムおよびその製造方法を提供するところにある。
は、射出成形法により成形されてなる厚さ200μm未
満、面積5cm2以上であり、無機充填材を含むサーモ
トロピック液晶ポリマーからなるフィルムに関する。
トロピック液晶ポリマーを射出成形することを特徴とす
るサーモトロピック液晶ポリマーからなるフィルムの製
造方法に関する。
射出速度が200mm/sec以上の高速射出により成
形することを特徴とするサーモトロピック液晶ポリマー
からなるフィルムの製造方法に関する。
押出機内に逆流防止手段を有する高速射出成形機により
成形することを特徴とするサーモトロピック液晶ポリマ
ーフィルムの製造方法に関する。
て、逆止リングを具備し、かつシリンダーと該リングと
のクリアランスが0.3mm以下であるようなスクリュ
ー式射出成形機により射出することを特徴とするサーモ
トロピック液晶ポリマーフィルムの製造方法に関する。
いうサーモトロピック液晶ポリマーは、溶融時に光学的
異方性を示す熱可塑性である溶融可能なポリマーであ
る。このように溶融時に光学的異方性を示すポリマー
は、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をと
る性質を示す。光学的異方性溶融相の性質は、直交偏光
子を利用した通常の偏光検査法により確認することがで
きる。
は、例えば、液晶性ポリエステル、液晶性ポリカーボネ
ート、液晶性ポリエステルイミド等が挙げられる。具体
的には(全)芳香族ポリエステル、ポリエステルアミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエステルカーボネート、ポ
リアゾメチン等が挙げられる。好ましくはサーモトロピ
ック液晶ポリエステル樹脂であって、分子内にエステル
結合を複数個含む限り本発明のポリエステルの範疇に含
まれる。さらに好ましいポリエステルは、芳香族ポリエ
ステルである。
細長く、偏平な分子構造からなり、分子の長鎖に沿って
剛性が高く、同軸または平行のいずれかの関係にある複
数の連鎖伸長結合を有している。
トロピック液晶ポリエステル樹脂には、一つの高分子鎖
の一部が異方性溶融相を形成するポリマーのセグメント
で構成され、残りの部分が異方性溶融相を形成しないポ
リマーのセグメントから構成されるポリマーも含まれ
る。また、複数のサーモトロピック液晶ポリエステル樹
脂を複合したものも含まれる。
構成するモノマーの代表例としては、 (a)芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種、 (b)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物の少なくと
も1種、 (c)芳香族ジオール系化合物の少なくとも1種、 (d)(d1)芳香族ジチオール、(d2)芳香族チオフ
ェノ−ル、(d3)芳香族チオ−ルカルボン酸化合物の
少なくとも1種、 (e)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合
物の少なくとも1種、等が挙げられる。
多くは(a)と(c)、(a)と(d)、(a),
(b)と(c)、(a),(b)と(e)、あるいは
(a),(b),(c)と(e)等の様に組合せて構成
される。
しては、テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸、4,4′−トリフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,
4′−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエ−テル−3,
3′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボ
ン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族
ジカルボン酸またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレ
フタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、
ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシ
テレフタル酸、エトキシテレフタル酸等、上記芳香族ジ
カルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体が挙げられる。
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、
2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3
−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−
5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−ク
ロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジク
ロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸
のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げら
れる。
−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジ
フェニル、4,4′−ジヒドロキシトリフェニル、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒ
ドロキシジフェニルエ−テル、1,6−ナフタレンジオ
−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族
ジオ−ルまたはクロロハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロ
キノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロ
キノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン
等の芳香族ジオ−ルのアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
ゼン−1,4−ジチオ−ル、ベンゼン−1,3−ジチオ
−ル、2,6−ナフタレン−ジチオ−ル、2,7−ナフ
タレン−ジチオ−ル等が挙げられる。
4−メルカプトフエノ−ル、3−メルカプトフェノ−
ル、6−メルカプトフェノ−ル等が挙げられる。
は、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香
酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト
−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
アミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N−
メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジ
アミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3
−アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−
ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−
1−ナフト−ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルエ−テ
ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、
4、4′−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリ
ン)、4,4′ジアミノジフェニルスルホン、2,5−
ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリン、
4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,
4′−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシジアニリ
ン)等が挙げられる。
エステル樹脂は、上記モノマーから溶融アシドリシス法
やスラリー重合法等の多様なエステル形成法等により製
造することができる。
サーモトロピック液晶ポリエステル樹脂のそれは、約2
000〜200000、好ましくは約4000〜100
000である。かかる分子量の測定は、例えば圧縮フィ
ルムについて赤外分光法により末端基を測定して求める
ことができる。また溶液形成を伴う一般的な測定法であ
るGPCによることもできる。
ピック液晶ポリエステル樹脂のうち下記一般式(1)で
表わされるモノマー単位を必須成分として含む(共)重
合体である芳香族ポリエステルまたはコポリエステルが
好ましい。該モノマー単位は5モル%以上含むものが好
ましい。より好ましくは約30モル%以上、最も好まし
くは約50モル%以上含むものである。
は、p−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およびビフェノ
ールの3種の化合物からそれぞれ誘導される構造の繰返
し単位を有する下記式(2)で表わされるコポリエステ
ルである。この下記式(2)で表されるコポリエステル
のビフェノールから誘導される構造の繰り返し単位は、
その一部または全部をジヒドロキシベンゼンから誘導さ
れる繰り返し単位で置換されたコポリエステルであるこ
ともできる。あるいは、p−ヒドロキシ安息香酸および
ヒドロキシナフタリンカルボン酸の2種の化合物からそ
れぞれ誘導される構造の繰返し単位を有する下記式
(3)で表わされるコポリエステルである。
マーは単独でもかまわないが、それら2種以上を混合し
て使用することができる。
いフィルムのこれらの性質を改良するために充填剤を添
加する。充填剤の具体例としては、繊維状、粉粒状充填
剤および両者の混合物が挙げられる。繊維状充填剤とし
てはガラス繊維、シラスガラス繊維、アルミナ繊維、炭
化ケイ素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石こ
う繊維、金属繊維(例えばステンレス繊維等)等の無機
質繊維および炭素繊維等が挙げられる。また粉粒状の充
填剤としては、ワラステナイト、セリサイト、カオリ
ン、マイカ、クレー、ベントナイト、アスベスト、タル
ク、アルミナシリケート等のケイ酸塩、アルミナ、酸化
ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニア、酸化チタ
ン等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム等の硫酸塩、ピロリン酸カルシウム、ガラスビー
ズ、窒化ほう素、炭化ケイ素、サイアロン等が挙げら
れ、これらは中空であってもよい(例えば、中空ガラス
繊維、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、カー
ボンバルーン等)。上記充填剤は必要ならばシラン系ま
たはチタン系カップリング剤で予備処理して使用するこ
ともできる。充填剤の配合量は、一般的には組成物全体
に対して1〜90重量%であるが、通常の比重のもので
は組成物全体に対して80重量%以下、好ましくは70
重量%以下配合する。酸化チタン、酸化亜鉛等の比重の
高いものでは90重量%以下を配合する。下限値は、縦
裂きやカールが防止できる限り特に限定されないが、通
常は好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重
量%以上である。充填剤とサーモトロピック液晶ポリマ
ーとの混合は、従来公知の方法により適宜に行うことが
できる。
止剤および熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、
ヒドロキノン、フォスファイト類およびこれらの置換体
等)、紫外線吸収剤(例えば、レゾルシノール、サリシ
レート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等)、滑
剤および離型剤、染料(例えばニトロシン等)、および
顔料(例えば、硫化カドミウム、フタロシアニン、カー
ボンブラック等)を含む着色剤、難燃剤、可塑剤、帯電
防止剤等を通常の添加剤を添加し、所定の特性を付与す
ることができる。
非液晶性の樹脂を配合して使用することもできる。配合
することができる樹脂は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の
いずれでもよいが、好ましくはポリアミド樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフ
ォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエー
テルケトン樹脂等のいわゆる熱可塑性のエンジニアリン
グプラスチックが例示される。上記熱可塑性樹脂の配合
量は、本発明のサーモトロピック液晶ポリマー100重
量部あたり1〜200重量部、好ましくは1〜100重
量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。
ることが肝要である。通常のサーモトロピック液晶ポリ
マーの射出成形は、実際上は100mm/sec程度で
行われているが、本発明の製造方法では200mm/s
ec以上、好ましくは500mm/sec以上の高速な
射出成形速度を採用する。射出成形速度の上限値は特に
限定されないが、例えば2000mm/secである。
上記高速射出が達成できるよう、他の射出成形条件を適
宜に選択する。特に高圧な射出成形をすることになり、
例えば、その他の射出成形条件としては、樹脂温200
〜420℃、金型温度60〜130℃、射出圧力1〜1
000kg/cm2の範囲から適宜に選択できる。ま
た、保圧をする場合は、保圧時間としては通常0.5〜
60secの範囲から適宜に選択できる。これら条件は
金型容積、フィルム厚み等により適宜に条件を変更して
行う。
形が可能な射出成形機ならば、いずれの成形機を採用す
ることもできる。例えば、計量された溶融樹脂を金型に
射出充填するとき、スクリュー先端部より押圧された溶
融樹脂の逆流を防止するために設けられる逆流防止手段
を採用するスクリュー式射出成形機を用いるのが好まし
い。この逆流防止手段としては、例えばシリンダー内側
に嵌合された逆止リングを利用することができる。逆流
防止手段としての逆止リングを用いる場合、逆止リング
とシリンダーの間隙(クリアランス)は、0.3mm以
下、好ましくは0.1mm以下とするのが適当である。
クリアランスの下限値は特に制限されないが、あまりに
狭いとシリンダーの回転・移動等の運動を妨げることに
なりかねない。それ故、通常は0.005mm以上であ
る。
の任意のゲート形状のものが使用することができる。例
えば、好ましいゲートは、図1(a)〜(b)の平面図
および側面図に示されるようなフィルムゲートである。
図1において、1はフィルム状成形体を構成するキャビ
ティである。2はスプルー、3はランナー、4はフィル
ムゲートである。
その厚みは1mm以下の厚さのフィルムである。好まし
くは200μm未満、さらに好ましくは150μm以下
の厚さのフィルムである。下限値は、金型形状にもよる
が、通常は5μm以上である。フィルム面積は5cm2
以上、好ましくは100cm2以上、さらに好ましくは
300cm2以上である。上限値は、射出成形機の能力
にもよるが、通常は10000cm2以下である。
ムは、厚さ、面積等の形状の他、極めて薄いにも拘らず
物性が良好であるのでフレキシブルプリント基板等の用
途に最適である。
るが、これら実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。
(フタル酸/イソフタル酸/4−ヒードロキシ安息香酸
/4,4−ジヒドロキシジフェニルからそれぞれ誘導さ
れる繰返単位を有するサーモトロピック液晶ポリエステ
ル樹脂であって、それぞれのモル比は、0.75/0.
25/3/1である。これをホットステージを装着した
偏光顕微鏡を用いて光学的異方性を観察したところ34
0℃以上で溶融状態で光学的異方性を示した。)に、ガ
ラス繊維を30重量%配合した樹脂を用いて、図1に示
されるようなキャビティを有する金型によって射出成形
を行った。
形機UH−1000(型締めストローク300mm)を
用い、成形温度350℃、射出速度500mm/se
c、金型温度120℃で成形した。この射出成形機はシ
ール機構クリアランス0.08mmで最高射出速度も1
000mm/secを有している。
出し、フィルムゲート部をカッターを用いてカットし
て、シート状の成形品を得た。
m、幅50mmのフィルム状の射出成形品が得られた。
この成形品について表面粗度、引裂き強度、そりの大き
さ、MDおよびTDの線膨張係数を測定した。結果を表
1に示す。
析装置SAU−2を用い、シートの中心から流動方向に
1mm間を測定した。引裂き強度は該シートをカッター
で流動方向に25mm切れ目を入れてインストロン社製
万能材料試験機4204型を用い、切れ目をさらに割く
ような形で測定した。そりの大きさは平面に置き片側を
セロテープで固定し、平面との密着性の程度を目視で評
価した。線膨張係数はセイコー電子工業社製熱機械的分
析装置TMA/SS100を用い、シートを中央から3
×20mm(MD方向)、20×3mm(TD方向)に
それぞれ切取り、100〜200℃の温度範囲で測定し
た。
ピック液晶ポリエステル樹脂にタルクを50重量%配合
した樹脂を用いて、実施例1で用いた方法により射出成
形を行い、厚み100μm、長さ50mm、幅50mm
のフィルム状の成形品を得た。この成形品について表面
粗度、引裂き強度、そりの大きさ、線膨張係数を測定し
た。結果を表1に示す。
ピック液晶ポリエステル樹脂にガラス繊維を30重量%
配合した樹脂を用いて、実施例1で用いた方法により射
出成形を行い、厚み300μm、長さ50mm、幅50
mmのフィルム状の射出成形品を得た。この成形品につ
いて表面粗度、引裂き強度、そりの大きさ、線膨張係数
を測定した。結果を表1に示す。
ピック液晶ポリエステル樹脂(無機充填材無配合)を用
いて、実施例1で用いた方法により射出成形を行い、厚
み100μm、長さ50mm、幅50mmのフィルム状
の成形品を得た。この成形品について表面粗度を測定し
た。結果を表1に示す。
ピック液晶ポリエステル樹脂(無機充填材無配合)を用
いて、幅60mm、クリアランス0.12mmのTダイ
(クリエイト・プラスチック社製)を用いて、押出成形
を行った。得られたフィルムは厚み100μm、長さ5
0mm、幅50mmの大きさにカッターを用いてカット
した。この成形品について表面粗度、引裂き強度、そり
の大きさ、線膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
ック社製20φ単軸押出成形機を用い、成形温度(Tダ
イ部360℃、バレル部345℃)、スクリュ回転数5
0rpm、押出量30g/min、巻取り速度20rp
m(100mmφのロール)で成形した。
ピック液晶ポリエステル樹脂にガラス繊維を30重量%
配合した樹脂を用い、比較例2で用いた方法により押出
成形を行い、厚み100μm、長さ50mm、幅50m
mのフィルム状の成形品を得た。この成形品について表
面粗度、引裂き強度、そりの大きさ、線膨張係数を測定
した。結果を表1に示す。
フィルムは、厚みが極めて薄いにも拘らず表面平滑性に
優れ、縦裂きやカールしにくく、あるいは線膨張係数の
縦横比が小さいので、フレキシブル回路基板等のエンジ
ニアリングプラスチックをベースとしたフィルム(シー
ト)が必要とする多くの分野で利用される。また、本発
明の製造方法では充填剤を含有するサーモトロピック液
晶ポリマーを射出成形法を用いるので、従来の押出法で
成形して得られたフィルムと比較して表面平滑性が極め
て良好なフイルムを効率よく成形できる。
ルムを射出成形する射出成形機のフィルムゲートの一例
を示す平面図および側面図。
ィルムゲート。
Claims (6)
- 【請求項1】 無機充填材を含有するサーモトロピック
液晶ポリマーを原料として、逆止リングを具備するスク
リュウを搭載した射出成形機とフィルム状キャビティを
有する金型とを成形機器として製造されてなる液晶ポリ
マー製フィルムにおいて、 (1)射出成形機におけるシリンダーと前記逆止リング
とのクリアランスが0.005以上0.1mm以下であ
り、 (2)射出成形時の前記スクリュウの移動速度が500
mm/秒以上であり、 (3)フィルム面積が5cm2以上、かつ厚みが200
μm以下であって、 その縦横の線膨張係数の差が32ppm/℃以下である
ことを特徴とするサーモトロピック液晶ポリマーフィル
ム。 - 【請求項2】 サーモトロピック液晶ポリマーが、p−
ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およびビフェノールの3
種の化合物から誘導される構造の繰返し単位を有する芳
香族ポリエステルであることを特徴とする請求項1に記
載のサーモトロピック液晶ポリマーフィルム。 - 【請求項3】 金型のゲートがフィルムゲートであるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のサーモトロピ
ック液晶ポリマーフィルム。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のサ
ーモトロピック液晶ポリマーフィルムを含むフレキシブ
ル回路基板。 - 【請求項5】 無機充填剤を含有するサーモトロピッ
ク液晶ポリマーを原料として、逆止リングを具備するス
クリュウを搭載した射出成形機とフィルム状キャビティ
を有する金型とを成形機器として液晶ポリマー製フィル
ムを製造する方法において、 (1)射出成形機におけるシリンダーと上記逆止リング
とのクリアランスが0.005以上0.1mm以下であ
り、 (2)射出成形時の上記スクリュウの移動速度が500
mm/秒以上であり、 (3)フィルム面積が5cm2以上、かつ、厚みが200
μm以下であること、 を特徴とするサーモトロピック液晶ポリマーフィルムの
製造方法。 - 【請求項6】 金型のゲートがフィルムゲートであるこ
とを特徴とする請求項5に記載のサーモトロピック液晶
ポリマーフィルムの製造方法。
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JP21069194A JP3501241B2 (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | サーモトロピック液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法 |
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JPH0852754A JPH0852754A (ja) | 1996-02-27 |
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JP21069194A Expired - Lifetime JP3501241B2 (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | サーモトロピック液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法 |
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- 1994-08-12 JP JP21069194A patent/JP3501241B2/ja not_active Expired - Lifetime
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