JP3410253B2 - 射出成形材料 - Google Patents
射出成形材料Info
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Description
れ、溶融樹脂流路中に易破壊または易変形性の細密部位
を有する金型による射出成形に適した射出成形材料、並
びにそれを射出成形することにより成形されてなる電気
・電子回路接続用コネクターおよび光コネクター用フェ
ルールに関するものである。
流動性と高耐熱性を合わせ持つエンジニアリングプラス
チックであり、その特徴から小型・薄肉であってハンダ
づけ等に耐性が必要な電気・電子部品やOA機器部品等
の用途を中心に射出成形材料として使用されている。
ーは射出成形の方向によりその物性が変化するというい
わゆる異方性を有しており、射出成形品に反りが生じ易
い。また、機械的物性に異方性が現れ易いということか
ら寸法精度のより向上も望まれる。その他、成形品表面
がフィブリル化し易く、使用時に表面剥離や欠落等を生
じることがある。これは表面粗度の低下(より平滑でな
くなる)等にもつながる。電気・電子・オプトエレクト
ロニクス部品はより小型化されていることもあって、よ
り寸法精度や表面粗度が重要であり、また表面からの剥
離片の存在等はオプトエレクトロニクス部品の光伝達阻
害にもなり得る。
これらの性質を改善するため一般にガラス繊維やタルク
等の無機充填材を多量に添加する方法が採られている。
しかしながら、サーモトロピック液晶ポリマー溶融時に
固体であるこれら無機充填材の存在は、サーモトロピッ
ク液晶ポリマーの有する良好な流動性を阻害する傾向が
ある。流動性の低下は、小型、薄肉、または微細化の傾
向が著しい電気・電子・オプトエレクトロニクス部品の
成形には好ましくない。
クス部品の細密化が進み、従ってその成形金型も微細構
造を有するものが使用されている。すなわち、金型内部
分構造において、細径構造、薄肉構造をなす金型を使用
して、これら部品が成形されることが多くなっている。
このような構造は金属でなっているものではあるが、し
かし細径、薄肉等の微細構造のためにその機械的強度が
低く、易破壊性または易変形性である。このような易破
壊性または易変形性の細密部位の例としては、金型内の
ピンが例示される。すなわち、例えば、電気・電子回路
接続用コネクターでは製品として接続配線を通す構造と
するために、金型のキャビティー内にピンを通した構造
として成形する。成形後においてはピン位置は配線を通
す孔となる。また光コネクター用フェルールには光ファ
イバー挿入用孔あるいは位置ぎめピン用孔等を設ける必
要があり、このためこれらの成形用金型にはそのキャビ
ティー内にピンを設けることが必要である。位置ぎめピ
ン用孔は別にしても、光ファイバー挿入用孔は光ファイ
バーが100μm前後と細径であるので、成形用ピンも
同様に細径となる。これら金型内のピンは、細径である
ために金属製であっても機械的強度が不足し、易破壊性
または易変形性である。
樹脂が高速で射出されと上記ピン等に衝突し、その衝撃
によりピンが破損し、成形不能に陥る等の問題が発生し
得る。サーモトロピック液晶ポリマーの元来有する良好
な流動性と、生産効率の向上のために試みられている射
出成形速度の高速化とあいまって、サーモトロピック液
晶ポリマーの射出成形における金型内の溶融樹脂の流速
は極めて高速となっている。そのため、このピン破損の
問題は無機充填材含有のサーモトロピック液晶ポリマー
に特有の問題となっている。
ーモトロピック液晶ポリマーの高流動性を維持したま
ま、かつ細密部が破損する等の事故が生じないような、
射出成形材料と該成形材料からなるコネクターおよび光
コネクター用フェルールを提供することを目的とする。
細密部を有する金型を使用した射出成形を行う際に、細
密部の破損が生じない射出成形材料を得るべく鋭意検討
した結果、本発明に到達した。
ロピック液晶ポリマー100重量部および(B)該ポリ
マーの成形温度で軟化し得る低温軟化無機ガラス1〜2
50重量部からなる射出成形材料であって、前記低温軟
化無機ガラスは、亜鉛リン酸ガラス、ハンダガラス、ほ
う酸塩ガラスおよびハロゲン化物ガラスから選ばれる1
種であり、溶融樹脂流路中に易破壊または易変形性の細
密部位を有する金型による射出成形に適した射出成形材
料に関する。
り射出成形されてなる電気・電子回路接続用コネクター
に関する。本発明の第3は、前記の射出成形材料により
射出成形されてなる光コネクター用フェルールに関す
る。
マーとは、溶融時に光学的異方性を示す熱可塑性である
溶融可能なポリマーである。このように溶融時に光学的
異方性を示すポリマーは、溶融状態でポリマー分子鎖が
規則的な平行配列を採る性質を示す。光学的異方性溶融
相の性質は、直交偏光子を利用した通常の偏光検査法に
より確認することができる。
性ポリエステル、液晶性ポリカーボネート、液晶性ポリ
エステルイミド等、具体的には、(全)芳香族ポリエス
テル、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエ
ステルカーボネート、ポリアゾメチン等が挙げられる。
細長く、偏平な分子構造からなり、分子の長鎖に沿って
剛性が高く、同軸または平行のいずれかの関係にある複
数の連鎖伸長結合を有している。
晶ポリマーには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相
を形成するポリマーのセグメントで構成され、残りの部
分が異方性溶融相を形成しないポリマーのセグメントか
ら構成されるポリマーも含まれる。また、複数のサーモ
トロピック液晶ポリマーを複合したものも含まれる。
はサーモトロピック液晶ポリエステルを構成するモノマ
ーの代表例としては(A)芳香族ジカルボン酸の少なく
とも1種、(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物
の少なくとも1種、(C)芳香族ジオール系化合物の少
なくとも1種、(D)(D1)芳香族ジチオール、(D
2)芳香族チオフェノ−ル、(D3)芳香族チオ−ルカ
ルボン酸化合物の少なくとも1種、(E)芳香族ヒドロ
キシアミン、芳香族ジアミン系化合物の少なくとも1
種、等が挙げられる。これらは単独で構成される場合も
あるが、多くは(A)と(C)、(A)と(D)、
(A),(B)と(C)、(A),(B)と(E)、あ
るいは(A),(B),(C)と(E)等のように組合
せて構成される。
しては、テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸、4,4′−トリフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,
4′−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエ−テル−3,
3′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボ
ン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族
ジカルボン酸またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレ
フタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、
ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシ
テレフタル酸、エトキシテレフタル酸等、上記芳香族ジ
カルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体が挙げられる。
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、
2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3
−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドキシ−5
−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロ
ロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジクロ
ロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸の
アルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げられ
る。
−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジ
フェニル、4,4′−ジヒドロキシトリフェニル、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒ
ドロキシジフェニルエ−テル、1,6−ナフタレンジオ
−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族
ジオ−ルまたはクロロハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロ
キノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロ
キノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン
等の芳香族ジオ−ルのアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
ゼン−1,4−ジチオ−ル、ベンゼン−1,3−ジチオ
−ル、2,6−ナフタレン−ジチオ−ル、2,7−ナフ
タレン−ジチオ−ル等が挙げられる。
4−メルカプトフエノ−ル、3−メルカプトフェノ−
ル、6−メルカプトフェノ−ル等が挙げられる。
は、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香
酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト
−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
アミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N−
メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジ
アミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3
−アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−
ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−
1−ナフト−ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルエ−テ
ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、
4、4′−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリ
ン)、4,4′ジアミノジフェニルスルホン、2,5−
ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリン、
4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,
4′−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシジアニリ
ン)等が挙げられる。
マーは、上記モノマーから溶融アシドリシス法やスラリ
ー重合法等の多様なエステル形成法等により製造するこ
とができる。
サーモトロピック液晶ポリエステルのそれは、約200
0〜200000、好ましくは約4000〜10000
0である。かかる分子量の測定は、例えば圧縮フィルム
について赤外分光法により末端基を測定して求めること
ができる。また溶液形成を伴う一般的な測定法であるG
PCによることもできる。
ピック液晶ポリマーのうち一般式(1)で表わされるモ
ノマー単位を必須成分として含む(共)重合体である芳
香族ポリエステルが好ましい。特に好ましいものは、該
モノマー単位を5モル%以上含む芳香族ポリエステルで
ある。
リエステルは、p−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およ
びビフェノールの3種の化合物からそれぞれ誘導される
構造の繰返し単位を有する一般式(2)で表わされるポ
リエステル、この一般式(2)で表されるポリエステル
のビフェノールから誘導される構造の繰り返し単位は、
その一部または全部をジヒドロキシベンゼンから誘導さ
れる繰り返し単位で置換されたポリエステルであること
もできる。p−ヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナ
フタリンカルボン酸の2種の化合物からそれぞれ誘導さ
れる構造の繰返し単位を有する一般式(3)で表わされ
るポリエステルである。
ポリマーは、1種または2種以上の混合物として使用す
ることもできる。上記のサーモトロピック液晶ポリマー
は、溶融時に剪断力を与えると分子鎖のからみあいが少
なくなり粘度が大幅に低下する性質がある。そのため大
きな剪断力がかかる射出成形時には、流動抵抗が小さく
なり、低い射出圧力での成形が可能であるので有利であ
る。
晶ポリマーの融点は特に制限されないが、成形品の耐熱
性と成形し易さのバランスを考慮すると450℃以下、
好ましくは300〜450℃の範囲にあるものである。
融点が450℃を超えると通常の射出成形機で射出が困
難となるので好ましくない。なお、ここでサーモトロピ
ック液晶ポリマーの融点は、DSC(示差走査熱量計)
によるピーク温度から求める。
発明の射出成形温度において軟化し得ることが必須であ
る。冷却された常温では固化しているが、成形条件下で
の冷却条件において常温でガラス状態または結晶状態で
あるかは問わない。いずれの状態のものであっても良
い。しかしながら通常はいわゆるガラス状態である。
射出材料を射出成形すれば、射出工程においてガラスが
軟化するため、金型の易破壊または易変形性の細密部位
にこれが衝突した際の衝撃が非常に緩和され、該細密部
位の破損、変形等といった成形不良の発生を抑制するこ
とが可能である。
ポリマーの射出成形温度で本発明における無機ガラスは
軟化している必要がある。かかる観点から無機ガラスの
軟化点を決定すれば良い。ここで、無機ガラスの軟化点
は、ガラスについて用いられる測定方法、例えば直径
0.7mm、長さ23cmのガラス繊維を加熱し、これ
が自重で毎分1mmの早さで伸びる温度として軟化点を
求めることができる。従って、この測定方法により求め
る軟化点を用いれば、本発明における無機ガラスの軟化
点は、封止材の成形温度以下の軟化点であるといえる。
ーの成形温度で軟化すれば良く、その軟化点は特に限定
されないが、通常は450℃を超えないものが好まし
い。軟化点が450℃を超えると、高温射出が必要とな
り、高温ではサーモトロピック液晶ポリマーの熱劣化が
生じることがあり安定した成形ができなくなる可能性が
ある。好ましい軟化点は200〜400℃である。
としては、前述のように低温軟化点の無機ガラスであっ
て、好ましくは配合するサーモトロピック液晶ポリマー
を実質的に劣化、分解等をさせることがないものであっ
て、しかも耐湿性や化学的安定性の良いものである。例
えば亜鉛リン酸ガラスやハンダガラス、その他ほう酸塩
ガラス、ハロゲン化物ガラス等の中から軟化点が450
℃以下の物が適宜に好ましく使用できる。例えば亜鉛リ
ン酸ガラスはP2O5−ZnO−R2O(Rは各種アルカ
リ金属)を基本組成とするガラスであり、300℃から
400℃の間に軟化点を持つ。またハンダガラスはPb
OやZnO、B2O3等により構成される低温軟化ガラス
であるが、特にその中で420℃以下に軟化点を持ち本
発明に使用可能なものは主にB2O3−PbO系のハンダ
ガラスである。これらの低温軟化ガラスは、軟化点が低
温であるものの固体としては他の機械的・物理的性質は
基本的に通常のガラス充填材と同様である。従って、本
発明の成形材料を用いて射出成形すれば、異方性が少な
く、寸法精度の良い、表面剥離等の少ない射出成形品が
得られるので、射出成形材料に適当である。
44〜58%のP2O5、0〜7%のAl2O3、0〜10
%のB2O3、4〜10%のAl2O3+B2O3、0〜30
%のLi2O、10〜30%のNa2O、10〜45%の
Li2O+Na2O、0〜20%のCu2O、10〜30
%のLi2O+Cu2Oからなる組成;10〜35%のR
2O(ここで、R2Oは、0〜25%のLi2O、0〜2
5%のNa2O、0〜25%のK2Oからなる群から選択
される少なくとも二つのアルカリ金属酸化物からな
る)、12〜55%のZnO、20〜40%のP2O5か
らなる組成;5〜25%のLi2O、0〜15%のNa2
O、0〜10%のK2O、5〜25%のLi2O+Na2
O+K2O、35〜50%のZnO、0〜15%のPb
O、0.75〜6%のAl2O3、29〜37%のP2O5
からなる組成;10〜35%のR2O(ここで、R2O
は、0〜25%のLi2O、0〜25%のNa2O、0〜
25%のK2Oからなる群から選択される少なくとも二
つのアルカリ金属酸化物からなる)、12〜55%のZ
nO、28〜45%のP2O5、合計で0.5〜5%のY
2O3および/またはランタニド群から選択される希土類
元素の少なくとも一つの酸化物からなる組成等の組成が
例示される。
において軟化し得る低温軟化無機ガラスは、サーモトロ
ピック液晶ポリマー100重量部に対して1〜250重
量部、好ましくは10〜150重量部、さらに好ましく
は30〜100重量部配合する。配合量が1重量部未満
であると、異方性の改善効果や、寸法精度の向上、表面
粗度の改善等の効果が得られ難いので好ましくない。ま
た配合量が250重量部を超えると、得られた成形材料
を用いて射出成形するには、より高い射出圧力が必要と
なり小型・薄肉の成形品の製造が困難となるので好まし
くない。
損なわない範囲で従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、増
量剤、補強剤、顔料、難燃化剤、充填材等の種々の添加
剤を適宜の量添加してもよい。これらの添加剤および充
填剤は適宜に1種または2種以上併用することができ
る。
合物でもよく、また形状も粉粒状、鱗片状、針状、球
状、中空状および繊維状のものいずれも使用できる。よ
り具体的にはヒンダードフェノール系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、アミ
ド系化合物の代表される安定剤;水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム等の無機難燃剤;炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、
クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、ガラス粉、酸化
鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、シリカ、窒化ホ
ウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラック、雲母、ガ
ラス板、セリサイト、パイロフィライト、アルミフレー
ク、黒鉛、シラスバルーン、金属バルーン、軽石、ガラ
ス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金
属繊維、シリコンカーバイド繊維、アスベスト、ウォラ
ストナイト等に代表される無機充填剤;アゾ染料、イン
ジゴ染料等の染料;ベンガラ等の顔料等を使用すること
ができる。特に上述の無機化合物を充填する際は、シラ
ンカップリング剤や有機チタネートカップリング剤や有
機金属塩等で表面処理したものを使用してもよい。
来公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を適宜量添加して
もよい。これらの樹脂は1種または2種以上併用するこ
とができる。
ン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン、シリコー
ン樹脂、フッ素系樹脂、ポリアセータール、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルイ
ミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスル
フォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
ては任意である。例えば、サーモトロピック液晶ポリマ
ーのペレットと低温軟化無機ガラスの粉末をタンブラー
でドライブレンドした後、2軸等の押出機にて溶融混練
しペレット化した後、射出成形に供する。
形材料は、細密部を樹脂流路に有した金型を使用した射
出成形に用いた場合、成形時における細密部に与える衝
撃が小さく、細密部の破損が生じにくい。
ク液晶ポリマーの優れた流動性が保持されるため複雑な
形状の成形も容易であり、成形時における細密部に与え
る衝撃が小さいので、極めて複雑な形状を有する電気・
電子・オプトエレクトロニクス部品、特に電気・電子回
路接続用コネクター、光コネクター用フェルール等の成
形には特に好ましいものである。
または易変形性の細密部位とは、金型内の細密な部分構
造で、細径構造または薄肉構造をなす細密部位であって
金属製ではあるが、その構造が微細であり、射出成形の
際に衝突する材料、特に固体の無機充填材の衝撃により
破損し易いかまたは変形し易い箇所を指す。この細密部
は、基本的には細密な構造を持つ部品、特に電気・電子
・オプトエレクトロニクス部品等を成形する際に使用さ
れる金型に多くみられる。ピンまたはピン形状の部分構
造を有する金型としては、その径が2mm以下、好まし
くは1mm以下の径のピン等の部分細密部位を有する金
型である。ピン形状としては、円柱のほか角柱等も例示
される。すなわち、より具体的にはかかる構造のピン、
またはピン形状の部分構造を有する金型を用いて射出成
形するに適したものが本発明の射出成形材料といえる。
ボビン、ロータリートランス、リレー等の電気・電子部
品;歯車、軸、軸受け等のOA機器機構部品;光コネク
ターのフェルール等のオプトエレクトロニクス部品等が
挙げられる。
用コネクターまたは光コネクターのフェルールの成形に
使用されるのが特に好ましい。何故なら、コネクターは
近年狭ピッチ化が進んでおり、最も金型構造が細密であ
るからである。従って、通常の成形材料を使用すると、
細密部、例えばコアピン等の破損が頻発するところを、
本発明の射出成形材料を使用することにより大幅に抑制
することが可能となる。
ーが得られる。ここで、コネクターとは、機器と機器、
機器とコード、コードとコード、コードと電源等を結ぶ
継電器装置をいう。特に好ましくは、電気・電子回路接
続用コネクターである。これらコネクターの成形は、配
線を通すための配線孔を設けるために易破壊性または易
変形性の細密部位としてのピンを有する金型を用いる。
本的な構成は光ファイバーが直接挿入されるフェルー
ル、それを保持するスリーブ、スリーブを固定するレセ
プタクルからなる光コネクターのフェルールをいう。フ
ェルール先端は微細な光ファイバーが挿入されるための
孔が形成されてなる。そのため、該フェルールの射出成
形においては、その金型内にピンまたはピン形状の部分
細密構造を有する。この場合にピン形状は円柱である。
そして射出形成後は、該ピンまたはピン形状の部分構造
が光ファイバー挿入孔を形成することになる。通常光フ
ァイバーの外径は、200μm以下の細径であるので本
発明の射出成形材料はフェルール成形に好適である。
は、公知の方法で行うことができる。すなわち、射出成
形条件は、例えば、射出温度(シリンダー温度)250
〜450℃、金型温度30〜200℃、射出圧力100
〜3000Kg/cm2の範囲から適宜に選択すること
ができる。
形温度は、その融点(DSCによる)の近傍ではある
が、必ずしも融点より高いということはない。すなわ
ち、一般にサーモトロピック液晶ポリマーはそのDSC
による融点以下の温度でも一定の流動性を有し、それ故
かかる温度でも一応の成形が可能ではある。このような
低温度では溶融粘度はかなり高いこともあるが、加熱温
度が低いことからポリマーの劣化等が少ないという利点
もある。一方、融点を超える高い成形温度では溶融粘度
が低下し、成形が容易となる傾向がある。
成形温度は、該ポリマー、成形機、成形方法、または配
合する充填剤の種類等の条件により適宜選択され、必ず
しもその融点以上あるいはそれ以下の温度で行なうと決
まったものではない。
明する。 [亜鉛リン酸ガラス製造例]実施例に使用する亜鉛リン
酸ガラスを2種類製造した。金属の炭酸塩、リン酸塩、
酸化物の混合物からなるバッチ材料をそれぞれボールミ
ルで充分に混合し均一な混合物を得た。混合物はシリカ
るつぼに装填し、るつぼ上に蓋を乗せた後、約1000
℃に加熱した炉の中で3時間保持、溶融した。その後、
溶融物を金型に流し込んで約250℃で冷却した。25
0℃まで冷却した後、室温へ冷却し粉砕して粒子状にし
た。バッチ材料から計算した酸化物基準の組成は以下の
通りである。 (亜鉛リン酸ガラス1) (P2O5:33mol%、Al2O3:2mol%、Li
2O:7mol%、Na2O:8mol%、K2O:5m
ol%、ZnO:40mol%) 軟化点320℃ (亜鉛リン酸ガラス2) (P2O5:33mol%、Al2O3:2mol%、Li
2O:7mol%、Na2O:6mol%、K2O:7m
ol%、ZnO:45mol%) 軟化点320℃
ル、イソフタル酸からそれぞれ誘導される繰り返し構成
単位を有するサーモトロピック液晶コポリエステル(偏
光顕微鏡により溶融時光学異方性を示すことを確認し、
またDSCによる融点は360℃であった)100重量
部に対し、亜鉛リン酸ガラス1(軟化点320℃)60
重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押出機に
より360℃で押し出しペレットを得た。
後、ゲート直後に高さ0.5mmで0.8mm角のピン
(焼き入れ焼き戻し鋼SKS21、硬度HRC60)を
そのキャビティー内に有する電子回路接続コネクター用
金型を使用して、射出温度360℃、金型温度80℃で
1000ショット成形を行った。成形後、金型内部を観
察したところ、ピンの損傷は無かった。
される繰り返し構成単位を有するサーモトロピック液晶
コポリエステル(偏光顕微鏡により溶融時光学異方性を
示すことを確認し、またDSCによる融点は330℃で
あった)100重量部に対し、亜鉛リン酸ガラス2(軟
化点320℃)60重量部をヘンシェルミキサーにて混
合し、二軸押出機により330℃で押し出しペレットを
得た。
て、射出温度330℃、金型温度80℃で1000ショ
ット成形を行った。成形後、金型内部を観察したとこ
ろ、ピンの損傷は無かった。
ル、イソフタル酸からそれぞれ誘導される繰り返し構成
単位を有するサーモトロピック液晶コポリエステル(偏
光顕微鏡により溶融時光学異方性を示すことを確認し、
またDSCによる融点は360℃であった)100重量
部に対し、ハンダガラス(軟化点354℃)60重量部
をヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押出機により3
60℃で押し出しペレットを得た。
て、射出温度360℃、金型温度80℃で1000ショ
ット成形を行った。成形後、金型内部を観察したとこ
ろ、ピンの損傷は無かった。
ル、イソフタル酸からそれぞれ誘導される繰り返し構成
単位を有するサーモトロピック液晶コポリエステル(偏
光顕微鏡により溶融時光学異方性を示すことを確認し、
またDSCによる融点は360℃であった)100重量
部に対し、ガラスビーズ(軟化点830℃)60重量部
をヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押出機により3
60℃で押し出しペレットを得た。
て、射出温度360℃、金型温度80℃で1000ショ
ット成形を行った。成形後、金型内部を観察したとこ
ろ、ピンが破断しているのが観察された。
される繰り返し構成単位を有するサーモトロピック液晶
コポリエステル(偏光顕微鏡により溶融時光学異方性を
示すことを確認し、またDSCによる融点は330℃で
あった)100重量部に対し、ガラスビーズ(軟化点8
30℃)60重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、
二軸押出機により330℃で押し出しペレットを得た。
て、射出温度350℃、金型温度80℃で1000ショ
ット成形を行った。成形後、金型内部を観察したとこ
ろ、ピンが破断しているのが観察された。
成形材料は、流動性に優れたサーモトロピック液晶ポリ
マーと、前記の低温軟化ガラスとを配合することによ
り、流動性を低下させることなく射出成形が可能であ
り、しかも異方性の修正やそりの防止が可能である。
ことによって発生していた細密部に与える衝撃が小さい
ので複雑な形状を有する射出成形品、特にコネクターま
たは光コネクター用のフェルールの成形のための優れた
射出成形材料を提供することが可能となる。さらに、本
発明の射出成形材料は熱可塑性樹脂からなるのでリサイ
クル性にも優れている。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)サーモトロピック液晶ポリマー1
00重量部および(B)該ポリマーの成形温度で軟化し
得る低温軟化無機ガラス1〜250重量部からなる射出
成形材料であって、前記低温軟化無機ガラスは、亜鉛リ
ン酸ガラス、ハンダガラス、ほう酸塩ガラスおよびハロ
ゲン化物ガラスから選ばれる1種であり、溶融樹脂流路
中に易破壊または易変形性の細密部位を有する金型によ
る射出成形に適した射出成形材料。 - 【請求項2】 請求項1に記載の射出成形材料により射
出成形されてなるコネクター。 - 【請求項3】 請求項1に記載の射出成形材料により射
出成形されてなる光コネクター用フェルール。 - 【請求項4】 (A)サーモトロピック液晶ポリマー1
00重量部および(B)該ポリマーの成形温度で軟化し
得る低温軟化無機ガラスであって亜鉛リン酸ガラス、ハ
ンダガラス、ほう酸塩ガラスおよびハロゲン化物ガラス
から選ばれる1種1〜250重量部からなる射出成形材
料と、溶融樹脂流路中に細径構造または薄肉構造をなす
細密部位を有する金型とを用いて、射出温度250〜4
50℃で射出成形する方法。 - 【請求項5】 前記金型が、配線を通すための配線孔を
設けるために易破壊性または易変形性の細密部位として
のピンを有する、コネクター成形用金型である、請求項
4に記載の射出成形方法。 - 【請求項6】 前記金型が、光ファイバー挿入孔を形成
する、ピンまたはピン形状の部分細密構造を有する、光
コネクター用フェルール成形用金型である、請求項4に
記載の射出成形方法。
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0919938A JPH0919938A (ja) | 1997-01-21 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4788305B2 (ja) * | 2005-11-15 | 2011-10-05 | Dic株式会社 | 燃料ポンプ用部品 |
SG147403A1 (en) * | 2007-04-23 | 2008-11-28 | Ueno Fine Chemical Ind | Liquid crystalline polymer composition and molded article made of the same |
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1995
- 1995-05-24 JP JP14842195A patent/JP3410253B2/ja not_active Expired - Fee Related
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