JP2903653B2 - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物

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JP2903653B2 JP16058090A JP16058090A JP2903653B2 JP 2903653 B2 JP2903653 B2 JP 2903653B2 JP 16058090 A JP16058090 A JP 16058090A JP 16058090 A JP16058090 A JP 16058090A JP 2903653 B2 JP2903653 B2 JP 2903653B2
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    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は力学的強度、耐加水分解性の改良された液晶
ポリエステル樹脂組成物及びそれよりなるハイブリッド
IC基板用封止材料に関するものであり、詳しくは、液晶
ポリエステルの特徴である低線膨張率、流動性、弾性
率、耐熱性を失わない範囲で、これに力学強度、耐加水
分解性を賦与する方法に関するもので、具体的には、液
晶ポリエステルと無機充填剤との複合物において、特定
のビスオキサゾリン化合物及びビスエポキシ化合物が配
合されていることを特徴とする、液晶ポリエスエル樹脂
組成物に関する。
[従来の技術] 異方性溶融相を形成するサーモトロピックな液晶ポリ
エステル樹脂(以下、単に液晶ポリエステルと略記)
は、一般的に、成形収縮率が小さいこと、流動性が良好
なことでバリの発生が少ないこと、弾性率が極めて高い
こと、射出成形品の後収縮が小さいこと、耐薬品性が良
好なこと等の性質が利用されて電気、電子材料の分野、
自動車材料の分野、音響機器の分野、スポーツ用品の分
野等に市場開拓が進められている。
[発明が解決しようとする課題] かかる有用な素材である液晶ポリエステルは、しかし
ながら、液晶性本来の性質に由来する現象であるとおも
われるところのガラス繊維等に代表される充填剤との濡
れ性が十分ではなく、充填剤と樹脂との界面の接着性が
十分ではない。そのため、力学的強度が不充分であるば
かりでなく、たとえば、繰り返し振動がかかるような部
位に使用される場合、その繰り返し疲労強度は、大幅に
低下するのみならず、たとえば、高温、高湿下に放置さ
れた場合、樹脂と充填剤との界面より水分が侵入し、加
水分解を進行せしめ、物性低下の原因となってしまい、
製品の用途や形状に制限を生ずる等の問題点を有してい
た。
[問題点を解決する為の手段] 本発明者らは液晶ポリエステルに充填剤を配合して複
合化するさいに、特定のビスオキサゾリン化合物及び特
定のビスエポキシ化合物を加えることにより、力学強度
のみならず、耐加水分解性が大幅に改良されることを見
出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、 液晶ポリエステル100重量部に対し、 (A) 無機充填剤 …… 10〜400重量部 (B)下記一般式(I)で表されるビスオキサゾリン
化合物 …… 0.1〜10重量部 及び ビスエポキシ化合物 …… 0.1〜5重量部 を溶融混練してなる液晶ポリエステル樹脂組成物,及び
それよりなるハイブリッドIC基板用封止材料に存する。
[式中、R1〜R8は各々水素原子またはアルキル基を、ま
た式中Xは−(CH2−(ここでn=0〜17)、 を表わす。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うプレッシャークッカー試験とは、熱水が
下方に存在する密閉容器内において、120℃の飽和水蒸
気中に、所定時間放置(プレッシャークッカー処理)す
る試験である。
本発明で言う流動開始温度とは、フローテスター
(株)島津製作所製)を用い、直径0.5mm、長さ2.0mmの
キャピラリーで、荷重を100kg/cm2とし、初期温度150℃
より昇温温度10℃/minで昇温して行き、ポリマーがキャ
ピラリーから流動し始める温度である。
本発明に使用することができる液晶ポリエステルと
は、溶融時に化学的異方性を示すサーモトロピック液晶
ポリマーである。溶融時に光学的異方性を示すポリマー
は、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な並行配列をと
る性質があり、一般に細長く、偏平で、分子の長鎖に沿
って剛性が高く同軸または並行のいずれかの関係にある
複数の連鎖伸長結合を有しているようなモノマーから製
造される。
上記のような溶融時に光学的異方性を示すポリマーの
構成成分、モノマーとしては (A)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸系化合
物の少なくとも1種、 (B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物の少なくと
も1種、 (C)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオー
ル系化合物の少なくとも1種 (D)芳香族ジチオール、芳香族チオフェノール、芳香
族チオールカルボン酸系化合物の少なくとも1種、 (E)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合
物の少なくとも1種 等があげられる。これ等は単独で構成される場合もある
が、多くは(A)と(C)、(A)と(D)、(A)と
(B)と(C)、(A)と(B)と(E)、あるいは
(A)、(B)、(C)及び(E)等の様に組合せて構
成される。
上記(A1)芳香族ジカルボン酸系化合物としては、テ
レフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−
トリフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボ
ン酸、ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸、ジ
フェニルエタン−4,4′−ジカルボン酸、イソフタル
酸、ジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタン−3,3′−ジカルボン酸、ジフェニルエ
タン−3,3′−ジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボ
ン酸のごとき芳香族ジカルボン酸またはクロロテレフタ
ル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メ
チルテレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレ
フタル酸、メトキシテレフタル酸、エトキシテレフタル
酸等、上記芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシ
またはアハロゲン置換体が挙げられる。
(A2)脂環族ジカルボン酸としては、トランス−1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂環族ジカルボン酸またはトランス−1,4−(2−
メチル)シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4
−(2−クロル)シクロヘキサンジカルボン酸等、上記
脂肪族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合物としては、
4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−
ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸または3−
メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒド
ロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ
−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、2−クロロ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、3−プロモ−4−ヒドロキシ安
息香酸、6−ヒドロキシ−5−クロロ−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、6
−ヒドロキシ−5,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸等の芳
香族ヒドロキシカルボン酸のアルキル、アルコキシまた
はハロゲン置換体が挙げられる。
(C1)芳香族ジオールとしては、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−
ジヒドロキシトリフェニル、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、2,6−ナフタレンジオール、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)
エタン、3,3′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6
−ナフタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン等の芳香族ジオールまたはクロロハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フ
ェニルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、フェ
ノキシハイドロキノン、4−クロロレゾルシン、4−メ
チルレゾルシン等の芳香族ジオールのアルキル、アルコ
キシまたはハロゲン置換体が挙げられる。
(C2)脂環族ジオールとしては、トランス−1,4−シク
ロヘキサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオ
ール、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、
シス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、トランス−
1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シクロヘキ
サンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサンジメタ
ノールのような脂環族ジオールまたはトランス−1,4−
(2−メチル)シクロヘキサンジオール、トランス−1,
4−(2−クロロ)シクロヘキサンジオールのような脂
環族ジオールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置
換体が挙げられる。
(C3)脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール等の直鎖状または分岐状脂肪族ジオー
ルが挙げられる。
(D1)芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジ
チオール、ベンゼン−1,3−ジチオール、2,6−ナフタレ
ン−ジチオール、2,7−ナフタレン−ジチオール等が挙
げられる。
(D2)芳香族メルカプトカルボン酸ととしては、4−メ
ルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メル
カプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフト
エ酸等が挙げられる。
(D3)芳香族メルカプトフェノールとしては、4−メル
カプトフェノール、3−メルカプトフェノール、6−メ
ルカプトフェノール等が挙げられる。
(E)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合
物としては、4−アミノフェノール、N−メチル−4−
アミノフェノール、1,4−フェニレンジアミン、N−メ
チル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,
4−フェニレンジアミン、3−アミノフェノール、3−
メチル−4−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミ
ノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミ
ノ−4′−ヒドロキシジフェニル、4−アミノ−4′−
ヒドロキシジフェニルエーテル、4−アミノ−4′−ヒ
ドロキシジフェニルメタン、4−アミノ−4′−ヒドロ
キシジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノフェニル
スルフィド(チオジアニリン)、4,4′−ジアミノフェ
ニルスルホン、2,5−ジアミノトルエン、4,4′−エチレ
ンジアニリン、4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリ
ン)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジ
アニリン)等が挙げられる。
本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリマーは、上
記化合物を溶融アシドリシス法やスラリー重合法等の多
様なエステル形成法により製造することが出来る。
本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリマーには、
一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相を形成するポリマ
ーのセグメントで構成され、残りの部分が異方性溶融相
を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントから構成される
ポリマーも含まれる。また、複数のサーモトロピック液
晶ポリマーを複合したものも含まれる。
これらの液晶ポリエステルの代表的なものとしては、
次のような例が上げられる。即ち、少なくとも一般式 で表わされるモノマー単位を含む(共)重合体であっ
て、具体的には 等が挙げられる。
また、本発明の液晶ポリエステルには、ポリエステル
アミド、例えば 等のモノマー単位を有するものも含まれる。
本発明に使用することができる無機充填剤としては、
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、チタン酸カリ等のウ
イスカー、およびそれらを通常のエポキシ系、シラン系
化合物などで表面処理した繊維状補強材、また、シリ
カ、アルミナ、シリカアルミナ、シリカマグネシア、チ
タニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、マイ
カ、石膏、ガラスフレークなどの無機フィラー(等)が
例示される。
該無機充填剤は、液晶ポリエステル100重量部に対
し、10〜400重量部、好ましくは20〜300重量部である。
10重量部より少ないと、無機充填剤を加えた効果が十分
得られず、また400重量部より多いと、充填が困難とな
り、また、物性も低下するので好ましくない。
次に、本発明で使用されるビスオキサゾリン化合物誘
導体について記す。オキサゾリン化合物には、1官能又
は2官能以上の多官能の化合物が存在するが、2官能の
ものが好ましい。1官能のオキサゾリン化合物は、上記
液晶ポリエステルの末端基と反応しうるが、次いで、エ
ポキシ化合物あるいは充填剤表面に存在するシランカッ
プリング剤等との反応が生じないので好ましくない。3
官能以上の多官能では、ゲルが生じ易く好ましくない。
従って、本発明に使用されるのは、下記一般式(I)で
表されるビスオキサゾリンン化合物である。
[式中、R1〜R8は各々水素原子またはアルキル基を、ま
た式中Xは−(CH2−(ここでn=0〜17) を表す。
本発明では、2種類以上のビスオキサゾリン化合物を
使っても良い。
本発明で使用されるビスオキサゾリン化合物は、前記
一般式で表されるものである。ここでR1〜R8は各々水素
原子またはアルキル基で表されるものであるが、合成が
容易であることからR1〜R8の全てが水素原子であるもの
が好ましいい。
かかる化合物の具体例としては、2,2′−ビス(2−
オキサゾリン)、テトラメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−
オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メ
チル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビ
ス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m
−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリ
ン)、等があげられる。
ビスオキサゾリン化合物の使用量は、液晶ポリエステ
ルに対し0.1〜10重量部、好ましくは、1〜6重量部で
ある。0.1重量部未満では、実質的な力学強度、および
耐加水分解性改良効果は無く、また、10重量部を越える
と可塑化効果が大きすぎ、異方性溶融物を形成しにくく
なり、物性の低下を来す。
ビスオキサゾリン化合物は溶融状の液晶ポリエステル
に加えても良いし、固体状の液晶ポリエステル、例えば
チップ、粉体等と予め混合しておいてから溶融し反応さ
せても良い。
ビスオキサゾリン化合物は、固体状(例えば粉体)で
使用しても良いし、また、溶融させるか或るいは不活性
溶媒に分散させるなどして液状で使用しても良い。
本発明で使用されるビスエポキシ化合物は分子中に二
個のエポキシ基を持つエポキシ化合物を言い、好ましく
はビスフェノールA等のビスフェノール化合物から誘導
される各種のジグリシジルエーテル化合物や各種のジグ
リシジルエステル化合物が挙げられる。
ビスエポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシ
ジルエーテル、テトラブロムビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロビ
レングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレング
リコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジ
ルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、ジブロネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、グリセロールジグリシジルエーテル、ハイドロキ
ノンジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエ
ステル、0−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタ
ル酸ジグリシジルエステル、等がある。
また2種類以上のビスエポキシ化合物を使っても良
い。
本発明においては、ビスオキサゾリン化合物とビスエ
ポキシ化合物を併用するが、これにより力学的強度及び
耐加水分解性改良等の点で好ましい効果を発現させるこ
とができる。
また、本発明の樹脂組成物においては、ビスオキサゾ
リン化合物及び/またはビスエポキシ化合物の一部が液
晶ポリエステルと反応しても良い。
本発明の液晶ポリエステルの末端基の多くは水酸基、
カルボキシル基、または、それらがアルキル、アルコキ
シ、ハロゲン置換された基になっている。これらの
(共)重合体分子鎖の末端基のすくなくとも一部は、ビ
スオキサゾリン化合物及び/またはビスエポキシ化合物
と反応し、それが更にガラス繊維等に代表される充填剤
表面に反応ないしは接触し、無添加の時と比較すると、
液晶ポリエステルと充填剤界面の親和性が大幅に改善さ
れた状態となり、力学強度、耐加水分解性の改良された
液晶ポリエステル樹脂組成を形成していると思われる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、無機充填剤
と、上記ビスオキサゾリン化合物及びビスエポキシ化合
物は、溶解混練してなるものである。該溶解混練の方法
は、バッチ式で行っても良いし、押出機等を用いて連続
式に行っても良い。また、混練の順序は任意に選ぶこと
ができる。即ち、ビスオキサゾリン化合物及びビスエポ
キシ化合物の存在下、無機充填剤を溶解混練させること
もできるし、無機充填剤を溶解混練した後、ビスオキサ
ゾリン化合物及びビスエポキシ化合物を溶解混練するこ
ともできるし、また無機充填剤をビスオキサゾリン化合
物及びビスエポキシ化合物と同時に溶解混練することも
できる。
ビスオキサゾリン化合物は昇華性が有るので、閉鎖系
で溶融混練することが好ましい。またこの時、一般的に
増粘を伴うので、押出機等を用いて連続式に行うことは
好ましい方法である。また、ビスオキサゾリン化合物を
溶解混練する場合、ビスオキサゾリン化合物の分解を避
けるため、360℃以下で行うことが好ましい。そのため
には、使用する液晶ポリエステルは360℃で溶融してい
ることが好ましい。つまり該液晶ポリエステルの流動開
始温度は360℃以下であることが好ましい。
液晶ポリエステル樹脂組成物は一般的に、成形収縮率
が小さいこと、流動性が良好なこと、バリの発生が少な
いこと、弾性率が極めて高いこと、射出成形品の後収縮
が小さいこと、耐薬品性が良好なこと等の性質により、
電気電子材料の分野、自動車材料の分野、音響機器の分
野等に利用されている。これらの利用分野のなかには、
耐加水分解性の要求される分野がある。耐加水分解性の
発現機構については、すでに述べた通りであるが、本発
明の液晶ポリエステル樹脂組成物はかかる分野の用途に
とくに適している。
本発明者らは、上記特性を持つ本発明の液晶ポリエス
テル樹脂組成物の用途を各種検討した結果、本組成物
は、射出成形によってハイブリッドIC基板封止(一体成
形)を行うのに適した材料であることを見出した。以下
に、それに関して詳細に述べるが、本発明の用途はこれ
に限定されるものではなく、本発明によってもたらされ
る特性を生かして種々の用途に使用される。
現在ハイブリッドIC基板の90%以上は、封止(一体成
形)材料としてフェノール系樹脂あるいはエポキシ系樹
脂等の熱硬化性樹脂を使用している。かかる熱硬化性樹
脂は、セラミックあるいは金属との接着性が良好であ
り、耐熱性、耐薬品性も良好であるので封止材料として
は優れた性能をもっているが、硬化時間が長いこと、あ
るいは硬化過程における体積変化が大きく又線膨張係数
も大きいことなどより、そのままではLSIあるいはセラ
ミック基板との膨張率差が大きくなり、ヒートサイクル
等の試験により樹脂内部に歪みが発生し、導通部の断裂
等のトラブルが発生する。
かかる問題を解決するために、ガラスビーズ等を混入
することにより線膨張係数を下げたり、エラストマーを
混合することにより樹脂内部に発生する歪みを低減させ
たりするなどの様々な技術的工夫がなされてきたが、そ
の封止材料としての性能には限界があると考えられてい
る。
また封止加工技術について言えば、例えばトランスフ
ァー成形法あるいは粉体コーティング法等が開発されて
いるが、かかる技術はいずれも熱硬化性樹脂を用いるも
のであり、それ故硬化時間が長いこと、原料樹脂を保存
している間の変質、成形時間が長いこと等の熱硬化性樹
脂特有の問題点がある。従って、量産化の面から言え
ば、膨大な需要をまかなうためには過大な投資が必要で
あり、コストが上昇するという問題点を有していた。一
方、熱可塑性樹脂は、溶解状態から適当な温度に冷却さ
れた金型に射出することにより瞬時に所望の形状の成形
品を得ることができるので、このような射出成形法を利
用して、ハイブリッドIC基板を封止(一体成形)する試
みが従来より数多くなされてきた。
しかしながら、かかる射出成形法では以下のような重
大な問題点が存在するため、実用の技術レベルまで到達
しえなかった。即ち、射出成形法で使用される熱可塑性
樹脂の粘度は、熱硬化性樹脂の未硬化状態における粘度
に比較してはるかに大きく、100倍あるいは1000倍にも
達する。かかる高粘度の樹脂は、組み立てられたハイブ
リッドIC基板の表面を流れるときに、その基板表面に実
装された部品あるいは配線されたワイヤー等を横から押
すことになり、その実装位置をずらしてしまう。また、
溶融樹脂の流れる力は、組み立てられたハイブリッド基
板にたわみ等の変形を生じさせるのみならず、基板自体
を破壊してしまうこともありうる。また基板の微小なた
わみは、その表面にスクリーン印刷等で作成された導通
回路に微小なクラックを発生せしめ、導通不良の原因と
なる。
このような問題点に対して、極めて流動性の高い材料
があれば、ハイブリッドIC基板表面の実装部品を傷つけ
ることもなく、また基板の破壊、たわみによる導通不良
を発生することなく、ハイブリッドIC基板封止(一体成
形)が可能となる。
汎用エンジニアリングプラスチックであるポリエチレ
ンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)の溶融粘度は、液晶ポリエステルに比べて非
常に高い。従って、PET,PBTにビスオキサゾリン化合物
を加えても、力学強度、耐加水分解性は向上するが、も
ともと高い溶解粘度がさらに高くなり、上記のハイブリ
ッドIC基板用封止(一体成形)材料のような成形時の溶
解粘度が低いことを要求される分野には使用できない。
これに対して液晶ポリエステルは、何れも骨格に剛直
性モンマーを導入して液晶性を発現し、高強度で易加工
姓を実現している。溶解時に異方性を示し、溶解粘度が
シェア依存性を持ち、極めて低粘度である。また、充填
剤等を高濃度に充填しても高い流動性を維持できるた
め、耐熱性や高い寸法安定性の要求される精密機器部品
等に利用されている。このように、液晶ポリエステルの
溶解粘度は元来非常に低く、たとえ、ビスオキサゾリン
化合物を加えて多少溶解粘度が上がっても、本発明で言
うハイブリッドIC基板用封止(一体成形)材料のような
精密部品で要求される流動性は十分保たれている。
また、ハイブリッドIC基板封止(一体成形)部品が自
動車等に積載されて使用された場合、高温多湿下、繰り
返しの熱サイクル(昇降温)を受けつつ過酷な条件下で
使われる。そのため、ハイブリッドIC基板用封止(一体
成形)材料には、耐加水分解性も要求される。
ハイブリッドIC基板封止(一体成形)のかかる問題点
に対し、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物を用いた
場合は、ハイブリッドIC基板実装部品を傷つけることも
なく、また基板の破壊、たわみによる導通不良も発生し
ないという効果が得られる。また、高温多湿下、繰り返
しの熱サイクル(昇降温)によっても、導通不良を起こ
さず、良好なハイブリッドIC基板用封止(一体成形)材
料が得られ、本用途に極めて良好な適正を備えている。
「実施例」 以下、実施例により、この発明を具合的に説明する
が、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これらの実施
例のみに限定されるものではない。
実施例1及び比較例1〜3 液晶ポリエステルとして三菱化成(株)製、商品名ノ
バキュレートE322(テレフタル酸成分、エチレングリ
コール成分及びパラオキシ安息香酸成分からなる液晶ポ
リエステル)、充填剤としてガラス繊維、ビスオキサゾ
リン化合物[2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサ
ゾリン)、竹本油脂(株)製、商品名;BOX−210]およ
びビスエポキシ化合物[0−フタル酸ジグリシジルエス
テル、ナガセ化成工業(株)製、商品名;デコナールEX
−721]を表−1に示す組成で混合し、40mmφ押出機を
用いて290℃で溶融混練して、押出しペレットを得た。
このペレットを乾燥した後、キャピログラフ1B(東洋精
機(株))を使用して溶融粘度を測定した。結果は表−
1の通りであった。このペレットをASTMで規定する試験
片金型を組み込んだ3.5オンス射出成形機(日精樹脂
(株)製、FS−75)を使用し、樹脂温度290℃、金型温
度100℃で射出成形を行った。得られた試験片の引張強
度、およびアイゾット衝撃強度(1/8インチノッチ付)
を各々ASTM D−638及びD−256により測定した。又、耐
加水分解性評価として、これらの試験片を用いてプレッ
シャークッカー試験を行った。48時間のプレッシャーク
ッカー処理を行った後の引張強度、およびアイゾット衝
撃強度を測定し、その物性の保持率から、耐加水分解性
の優劣を判断した。
これらの結果を表−1に併せて示す。
[発明の効果] 本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエ
ステルの特性を失わず、且つ従来の液晶ポリエステルと
無機充填剤との複合物に比べ、力学的強度及び耐加水分
解性が格段に改良された組成物である。従って、該組成
物は、電気電子材料、自動車部品用材料、音響機器材料
等に有用であり、なかでも特に、ハイブリッドIC基板の
封止(一体成型)に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 63:00) (C08K 13/02 3:00 5:15 5:353) (56)参考文献 特開 昭57−49616(JP,A) 特開 平3−14863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/00 - 67/08 C08K 3/00 - 13/08 H01L 23/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶ポリエステル100重量部に対し、 (A)無機充填剤 ……10〜400重量部 (B)下記一般式(1)で表されるビスオキサゾリン
    化合物 ……0.1〜10重量部 及び ビスエポキシ化合物 ……0.1〜5重量部 を溶融混練してなる液晶ポリエステル樹脂組成物。 〔式中、R1〜R8は各々水素原子またはアルキル基を、ま
    た式中Xは−(CH2−(ここでn=0〜17)、 を表す。〕
  2. 【請求項2】請求項1記載の液晶ポリエステル樹脂組成
    物からなるハイブリッドIC基板用封止材料。
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