JPH05253435A - 一酸化窒素吸着剤及びその製造方法 - Google Patents

一酸化窒素吸着剤及びその製造方法

Info

Publication number
JPH05253435A
JPH05253435A JP4329652A JP32965292A JPH05253435A JP H05253435 A JPH05253435 A JP H05253435A JP 4329652 A JP4329652 A JP 4329652A JP 32965292 A JP32965292 A JP 32965292A JP H05253435 A JPH05253435 A JP H05253435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
atmosphere
nitric oxide
heat treatment
oxidizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4329652A
Other languages
English (en)
Inventor
Keita Yura
慶太 由良
Yuji Horii
雄二 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Publication of JPH05253435A publication Critical patent/JPH05253435A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 窒素酸化物のうち一酸化窒素は吸着活性が低
く、そのままの状態では活性炭に吸着せず、何らかの方
法で二酸化窒素に酸化してから吸着除去しなければなら
ない。本発明では、活性炭を改質し一酸化窒素をそのま
まで吸着除去することのできる一酸化窒素吸着剤を提供
しようとするものである。 【構成】 活性炭を、不活性ガスおよび/または還元性
ガス雰囲気下400 〜1200℃で加熱処理する。または活性
炭を酸化性ガス雰囲気下200 〜1000℃で加熱処理した
後、不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲気下400
〜1200℃で加熱処理する。或いは活性炭を酸化剤溶液に
浸漬し乾燥後、不活性ガスおよび/または還元性ガス雰
囲気下400 〜1200℃で加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気あるいは各種煙道
排気等に含まれる窒素酸化物のうち、特に化学的に不活
性で処理の困難な一酸化窒素を効率良く吸着除去するこ
とのできる一酸化窒素吸着剤及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】窒素酸化物は代表的な大気汚染物質であ
り、これまでにも多くの処理技術が提案されている。吸
着除去法もその1つであり、活性炭を始めとして多数の
吸着剤が提案されており、比較的吸着活性の高い二酸化
窒素については一応の成果を得ている。ところが公知の
吸着剤は、低沸点で低活性の一酸化窒素に対する吸着性
能が乏しいので、従来は一酸化窒素を一旦二酸化窒素に
酸化してから吸着除去する方式を採用している。
【0003】そのため、被処理ガスを予め酸化するため
のオゾン発生器を併設したり、あるいは吸着剤や担体に
酸化剤(亜塩素酸ナトリウムや過マンガン酸カリウム
等)を添着させておくことが必要であった(たとえば
「化学工場」18(5),9(1974) や「日本化学会誌」1978
(2),303 など)。
【0004】しかしこれらの方法では、オゾン発生器の
設備及び運転経費が高くつくばかりでなく、余剰オゾン
の酸化作用により吸着剤の失活が加速されるという難点
があり、また酸化剤を添着させる方法では、酸化剤の寿
命が非常に短く且つ吸着剤の再生が困難であるといった
問題があり、殆んど実用化されていないのが実情であ
る。
【0005】また、大気汚染が深刻化し空気清浄化の必
要性が高まるにつれて、高速道路のトンネル排気や屋内
駐車場の換気あるいは一般大気中の窒素酸化物の効率的
な除去法について更に改良研究が進められており、たと
えば「清水建設研究報告」45,95(1987) には、アルカリ
を添着した活性炭により低濃度窒素酸化物を吸着除去す
る方法も提案されている。しかしこの方法でも、上記の
方法と同様に一酸化窒素を予め二酸化窒素に酸化してか
らでなければ満足のいく除去効率を得ることができず、
前述の問題を解消し得るものではない。
【0006】大気中あるいは通常の排気中に含まれる窒
素酸化物の大部分は一酸化窒素であるので、これを酸化
することなく、また水蒸気等の共存ガスの影響をあまり
受けずに吸着除去することができ、且つ吸・脱着を繰り
返した場合でも吸着活性が低下しない様な吸着剤の開発
が望まれる。
【0007】こうした要望に沿うものとして、特開昭64
-85137号や特開平2-69311 号には、活性炭素繊維に一酸
化窒素に対して化学的親和性を有する銅その他の金属の
酸化物や水酸化物よりなる微粒子を分散させ、これによ
り吸着効率を高める方法が開示されている。しかしこの
方法は、金属酸化物や金属水酸化物よりなる微粒子を活
性炭素繊維にうまく分散吸着させることが困難であり、
しかも金属酸化物等の添着によって吸着剤の親水性が増
大し、水分の吸着によって吸着活性が短時間のうちに低
下するという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、一酸
化窒素を主体とする窒素酸化物を、二酸化窒素に酸化す
ることなく直接且つ効率良く吸着除去することのできる
一酸化窒素吸着剤及びその製造方法を提供しようとする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る一酸化窒素吸着剤の構成は、活性
炭を、不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲気中40
0 〜1200℃で加熱処理し、あるいは活性炭を、酸化性ガ
ス雰囲気中200 〜1000℃で加熱処理した後、不活性ガス
および/または還元性ガス雰囲気中400 〜1200℃で加熱
処理し、あるいは活性炭を、酸化剤溶液に浸漬し、乾燥
した後不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲気中40
0 〜1200で加熱処理したものであるところに要旨を有す
るものである。
【0010】
【作用】本発明者らは、様々の活性炭を対象として、5
ppm 程度の一酸化窒素を含む空気から常温で一酸化窒素
を効率良く吸着除去することのできる方法の開発を期し
て種々実験を重ねたところ、活性炭を予め特定の条件で
加熱処理しておくと、一酸化窒素吸着能が著しく高めら
れることをつきとめた。
【0011】即ち活性炭を、不活性ガスおよび/または
還元性ガス雰囲気中400 〜1200℃、より好ましくは600
〜1000℃の温度で加熱処理し、あるいは先ず酸化性ガス
雰囲気中200 〜1000℃、より好ましくは300 〜800 ℃の
温度で加熱処理し、次いで不活性ガスおよび/または還
元性ガス雰囲気中400 〜1200℃、より好ましくは600〜1
000℃の温度で再加熱処理することによって得られる熱
処理活性炭は、一酸化窒素に対して優れた吸着能を示
し、二酸化窒素に酸化せずとも一酸化窒素のままの状態
でも十分に吸着除去することができる。
【0012】更に前記酸化性雰囲気中での加熱処理に替
えて、活性炭を酸化剤に浸漬し、乾燥した後に不活性ガ
スおよび/または還元性ガス雰囲気中400 〜1200℃、よ
り好ましくは600 〜1000℃で加熱処理することによって
得られる熱処理活性炭は細孔構造の発達も良好で、より
一酸化窒素吸着能に優れているため好ましいことを見出
した。
【0013】一般に吸着剤として使用される活性炭は、
石炭やヤシ殻等の炭素含有物質を炭化し、これを水蒸気
等の酸化性雰囲気中で賦活することによって得られる多
孔質体であり、その殆んどは炭素であるが、表面には賦
活化工程で導入されたカルボキシル基やヒドロキシル基
等の各種の含酸素官能基が存在している。
【0014】ところがこの様な活性炭を不活性ガスおよ
び/または還元性ガス雰囲気中で加熱処理すると、前述
の様な官能基の変化もしくは脱離が起こって表面化学構
造が変化すると共に、細孔径等の物理的構造変化が起こ
り、一酸化窒素吸着能が向上するものと考えられる。尚
後記実施例からも明らかである様に、空気等の酸化性ガ
ス雰囲気で加熱処理すると一酸化窒素吸着能はかえって
低下する傾向があり、こうした点を考えると、活性炭の
一酸化窒素吸着能は表面特性を一般に疎水化が進行する
方向に変化させることによって改善されるものと思われ
る。
【0015】尚この熱処理工程では、活性炭表面で前述
の様な化学構造の変化が起こると共に細孔径の変化も起
こるため、これらの化学的影響と物理的影響を別個に評
価することはむずかしい。しかし本発明者らが別途確認
したところによると、上記熱処理によって得られる吸着
剤の一酸化窒素吸着能をより向上させるうえで好ましい
細孔径は5〜20Å程度であり、従って熱処理に当たって
は、同時に活性炭の細孔径が5〜20Å程度に発達し得る
様な条件を選択することが望まれる。
【0016】従って本発明においては、前述の如く熱処
理の全工程を不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲
気中で行なう方法の他、先ず空気等の酸化性ガス雰囲気
で加熱処理した後、不活性ガスおよび/または還元性ガ
ス雰囲気中で再加熱処理する方法が更に好ましい方法と
して挙げられる。即ち後者の方法を利用すれば、酸化性
ガス雰囲気下の加熱処理工程で細孔構造の発達が起こ
り、その後の不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲
気下での再加熱工程で表面化学構造の改質が行なわれる
ことになり、得られる吸着剤の一酸化窒素吸着能は一段
と優れたものとなる。
【0017】通常、活性炭を空気雰囲気下で加熱する
と、200 ℃をこえると酸化反応が起こり始め、活性炭表
面に、たとえばカルボキシル基、カルボニル基、フェノ
ール性水酸基のような、酸素を含んだ官能基が導入され
る。しかし、空気中の酸素と表面炭素が化合し、二酸化
炭素、一酸化炭素などのガス成分となって飛散する反応
も同時進行しているので活性炭はその表面から徐々に焼
失していく。このとき酸化の条件が穏和であると、すな
わち比較的低温領域であると、活性炭元来の細孔構造は
さらに発達し、活性炭全体の細孔容積は増加するが、酸
化の条件が過激であると、すなわち500 ℃以上の高温で
は、活性炭の燃焼消失反応が主となって、むしろ細孔構
造は大きく損傷する。この現象は空気中ばかりでなく雰
囲気が酸化性のガスであれば同様の傾向を示し、雰囲気
の違いよって多少の違いはあるが、ある温度を境にして
大きく細孔構造が損傷を受けるという共通の特徴を持っ
ている。本発明では、この境界よりやや低い温度で酸化
させて、細孔構造の損傷を最小限にくいとめつつその構
造の発達を最大限に進行させる、という相拮抗する現象
を中庸にとどめることを狙いとしている。
【0018】本発明において不活性ガスおよび/または
還元性ガス雰囲気中での加熱温度を400 〜1200℃と定め
たのは、この加熱温度が低過ぎる場合は前述の如き表面
化学構造の改質効果が十分に進まず、且つ細孔構造の発
達も不十分となって満足のいく一酸化窒素吸着能が得ら
れず、逆に高過ぎると活性炭表面における細孔の収縮が
起こり、吸着活性が極端に低下してくるからである。こ
うしたことを考慮すればより好ましい熱処理温度は600
〜1000℃の範囲である。熱処理時間は特に限定されず、
加熱温度に応じて適当に選定すればよいが、通常は2〜
12時間程度で十分である。また不活性ガスや還元性ガス
の種類も特に限定されないが、コストや改質効果等を考
慮して最も一般的なのは窒素および水素である。
【0019】また表面化学構造の改質に先立って行なわ
れる酸化性ガス雰囲気での加熱処理温度は200 〜1000
℃、より好ましくは300 〜800 ℃の範囲から選定すべき
であり、このときの温度が低過ぎる場合は、酸化による
表面細孔構造の発達が十分に進まず、一方高過ぎると炭
素の焼損が著しくなる。このときの熱処理時間も加熱温
度に応じて決定すべきであるが、通常は0.5 〜12時間の
範囲から選定される。酸化性ガスの種類も特に限定され
ないが、コストや改質能等を総合的に考えて最も一般的
なのは空気等の酸素含有ガス、あるいは二酸化炭素であ
る。
【0020】更に工業的に優れた一酸化窒素吸着能を得
るためには、前記の酸化性ガス雰囲気での加熱処理に替
えて、酸化剤溶液中に活性炭を浸漬し、その後乾燥して
不活性ガスおよび/還元性ガス雰囲気中加熱処理する方
法が推奨される。
【0021】酸化性雰囲気中での加熱処理は前述のよう
に活性炭細孔構造の発達を意図したものであるが、工業
的規模でこの方法を一酸化窒素吸着剤に適用する場合、
その発達の程度を適当なところでとめるための加熱温度
や時間の選択が難しい場合もある。一般にはJISにも
規定されている活性炭の着火温度以下であれば、活性炭
を消失させることなく酸化状態を進行させることが可能
であるが、活性炭の酸化は着火温度以下でもかなりの速
度で進み、また活性炭の種類によっても着火温度が異な
ることもあって、温度のみの規定によって細孔構造を最
適化させることは難しい場合がある。このため酸化が十
分に進行せずに細孔構造が未発達であったり、酸化が進
行しすぎて細孔が焼失したりすることが起こり、その後
に不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲気中での加
熱処理を施しても十分な一酸化窒素吸着能を得ることが
できないことがある。
【0022】そこで上記のような場合、酸化性ガス雰囲
気中での加熱処理に替えて酸化剤溶液中に活性炭を浸漬
することによって、活性炭細孔構造を損傷することなく
効率的に発達させることができる。即ち酸化剤溶液を用
いることによってなんらの積極的な加熱操作もなく活性
炭と接触させるだけで酸化が進行するので、細孔構造の
発達は穏和であり、あまり損傷を受けない。以下、上記
の前処理方法について詳説する。
【0023】活性炭を酸化剤溶液に浸漬するという前処
理方法は、酸化雰囲気下での加熱と異なり、活性炭表面
が酸化剤溶液の働きにより酸化が進行するが、表面官能
基の導入が主に進み表面の炭素が気体成分として脱離す
ることは主たる反応ではないので、細孔構造の損傷が進
むことを考慮する必要がない。たとえば濃硝酸(約13規
定)に活性炭を浸漬させると活性炭表面から激しく気泡
が発生し、溶液の液面からは赤褐色の気体、すなわち二
酸化窒素ガスが発生していることが分かる。この反応は
ほぼ数時間でおさまるが、とりだした活性炭を水洗乾燥
後重量を測定すると重量の増加が認められる。この重量
増加は活性炭の表面にカルボキシル基、ヒドロキシル
基、カルボニル基などの酸化状態の進んだ官能基と、硝
酸によってニトロ化されニトロ基が導入されたことを表
している。酸化剤溶液による酸化処理では反応が十分に
進んでも活性炭の焼失が起こらない。酸化剤溶液による
酸化反応は比較的穏和であることが分かる。表面官能基
はその後の不活性あるいは還元性雰囲気下での熱処理で
脱離するが、そのときに生成した“空孔”が吸着の活性
点として寄与すると思われる。したがってこの処理の前
に表面官能基が十分多く入っておれば、それだけ高い一
酸化窒素吸着性能を期待することができる。
【0024】このように活性炭を酸化剤溶液に浸漬させ
る方法によって活性炭の酸化を進める場合には、酸化が
進みすぎて一酸化窒素吸着能の高い細孔構造を破壊する
ことを考慮する必要がないので細孔構造のより緻密な制
御が可能となる。酸化剤溶液浸漬後の活性炭は、酸化状
態が進み表面の親水性が高まっているため選択的な一酸
化窒素吸着活性は低下しているが、不活性あるいは還元
性雰囲気下で熱処理することによって表面の官能基が除
去され再度選択的な一酸化窒素吸着活性をとりもどす。
こうして得た処理後の活性炭は、元の活性炭に比べて一
酸化窒素吸着に最適な細孔構造が効率的に発達させられ
ているため、より優れた一酸化窒素吸着活性を示すと考
えられる。
【0025】本発明における酸化剤溶液とは酸化作用を
示す液体を広く包含するが、好ましい例として硝酸,過
酸化水素が挙げられる。それぞれの酸化剤はその酸化能
力に応じた差があるため、酸化剤溶液の濃度は一律に規
定できるものではないが、硝酸なら1規定以上、過酸化
水素水なら2重量%以上の濃度で効果的な酸化作用が認
められる。このようにして得られた酸化が進み細孔構造
の発達した活性炭は、乾燥後不活性ガスおよび/または
還元性ガス雰囲気中、400 〜1200℃、好ましくは600 〜
1000℃の温度に加熱されることによって官能基が除去さ
れて、一旦失った一酸化窒素吸着能を回復し、とりわけ
優れた一酸化窒素吸着能を示す。
【0026】以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0027】
【実施例】
実施例1 市販の活性炭A(武田薬品社製商品名「白鷺G」)を使
用し、これを表1に示す様々の条件で加熱処理を施して
改質した。得られた各改質炭を円筒容器(直径22mm)内
に7cmの高さに充填し、該充填層に、一酸化窒素5ppm
を含む相対湿度55〜60%の空気を大気圧下25℃で流速0.
2m/秒で流し、該充填層を通過して出てくる空気の窒素
酸化物濃度を化学発光式窒素酸化物分析計によって測定
し、下記式によって除去率を求めた。 除去率(%)=1−[(出口側一酸化窒素濃度+出口側
二酸化窒素濃度)/入口側一酸化窒素濃度]
【0028】尚上記活性炭Aはヤシ殻系ガス吸着炭(約
3mm径の円筒状成型炭)であり、8Å以下の細孔は殆ん
ど有しておらず、窒素吸着法によって求めた平均細孔径
は13Å、BET比表面積は1070m2/gのものである。また
別種の市販活性炭B(クラレケミカル社製商品名「クラ
レコールGG」:8Å以下の細孔は殆んど有しておら
ず、窒素吸着法による平均細孔径は14Å,BET比表面
積は730m2/g )を使用し、上記と同様にして改質処理及
び吸着実験を行なった。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から次の様に考察することができる。 No.1,21 :未処理の市販活性炭であり、一酸化窒素吸着
能は十分と言えない。 No.2,22 :酸化性ガスとして空気を用いたものであり、
熱処理により一酸化窒素吸着能は非処理のものに比べて
著しく低下している。 No.3,11 :還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気で行なっ
たものであるが、熱処理温度が低過ぎるため殆んど改質
効果が認められない。 No.10,16:熱処理温度が高過ぎるため、非処理物に比べ
て吸着能が大幅に低下している。 No.4〜9,12〜15,23 〜25:本発明の規定要件を満たすも
のであり、いずれも非処理物に比べて吸着能が大幅に向
上している。 No.17,18:二酸化炭素(酸化性ガス)を使用したもので
あり、いずれもかなり良好な改質効果が得られている。
しかしながらNo.17 は、同じ熱処理温度を採用したNo.5
およびNo.12 に比べて処理時間を長くしているにもかか
わらず、これらに比べると特に初期の除去率が低く、ま
たNo.18も、同じ熱処理温度を採用したNo.7およびNo.13
に比べて処理時間を長くしているにもかかわらず初期
の除去率が低く、これらの例より熱処理雰囲気ガスとし
ては酸化性の二酸化炭素よりも還元性の水素ガスや不活
性の窒素ガスの方が好ましいことが分かる。
【0031】No.19,20,26 :これらは酸化性ガス雰囲気
下に適正な温度で加熱処理した後、還元性ガス雰囲気下
に適正な温度で加熱処理したものであるが、前半の熱処
理で細孔構造が発達し、後半の熱処理で表面改質が行な
われているため、最も高い除去率が得られている。 No.27,28:300 ℃程度の酸化(空気)処理では、細孔構
造の発達による効果が出ている(単独の水素処理:No.6
よりも高性能)。しかし、200 ℃未満の低温酸化処理で
は、No.6のものと殆ど変わらず、効果は認められなかっ
た。 No.29,30:No.29 は、No.6に比較して高性能であった
が、No.30 では、No.6はもちろん、No.1(元の活性炭)
のものよりも吸着性能が低下している。これは、酸化処
理温度が高過ぎるため、細孔特性が不適当な範囲に変化
してしまったと考えられている。
【0032】実施例2 本発明の吸着剤を実用化するに当たっては、吸着処理に
より吸着量が飽和した後は吸着処理を停止した後、加熱
により脱着再生が行なわれる。この脱着再生工程で高温
の空気に相当時間触れることになり、それにより一酸化
窒素吸着能が再び低下する恐れがある。そこでこうした
再生処理による性能低下の有無を確認するため、前記実
施例1におけるNo.7の活性化された吸着剤を、170 ℃に
保持した恒温槽(大気雰囲気)内に一定時間保持し、そ
の後の吸着性能を実施例1と同様の方法で調べた。その
結果は表2に示す通りであり、本発明の吸着剤は再生処
理によっても活性低下を生じることがなく、吸・脱着の
繰り返しに十分耐え得るものであることが分かる。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 市販ヤシ殻活性炭に比べより小さい細孔を有する(平均
孔径8Å)試作活性炭Cを用いて実施例1と同様にして
改質処理及び吸着実験を行なった。尚、被処理空気の相
対湿度は表3に示すように調整した。使用した酸化剤溶
液濃度は濃硝酸が13規定、過酸化水素水が5重量%であ
る。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】実施例4 また前述の市販活性炭Aを用い実施例3と同様の改質処
理を行なった。表4に吸着実験結果を示す。
【0037】
【表4】
【0038】表3及び表4から明らかな様に、本発明の
規定要件を満たす実施例では、一酸化窒素の吸着能に優
れていることが分かる。中でも、前処理として酸化剤溶
液浸漬を行なったものは、酸化性ガス雰囲気中で加熱処
理したもの、或は前処理を行なわなかったものよりも優
れた吸着能を示すことが分かる。更に表3及び表4より
次のように考察することができる。
【0039】No.31,40:未処理の活性炭であり、一酸化
窒素吸着能は十分とは言えない。 No.38,43:還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気下での加
熱処理を行なわなかったので、一酸化窒素吸着能は不十
分である。 No.39 :酸化剤浸漬処理後に還元性ガスまたは不活性ガ
ス雰囲気下加熱処理を行なったが、熱処理温度が低すぎ
るため殆ど改質効果が認められない。 No.32〜37,41〜42:いずれも本発明の規定要件を満たす
ものであり、非処理のものに比べ吸着能が大幅に向上し
ている。また前処理として酸化剤浸漬したNo.35 〜37,
41〜42は前処理として酸化性ガス雰囲気下加熱処理した
例よりも更に優れた吸着能を示している。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、汎
用の活性炭に所定の活性化処理を施すことによって、低
濃度の一酸化窒素をそのままの状態で効率良く吸着除去
することができるので、大気や各種煙道排気あるいは駐
車場排気等の浄化処理に広く活用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭を、不活性ガスおよび/または還
    元性ガス雰囲気中400 〜1200℃で加熱処理したものであ
    ることを特徴とする一酸化窒素吸着剤。
  2. 【請求項2】 活性炭を、酸化性ガス雰囲気中200 〜10
    00℃で加熱処理した後、不活性ガスおよび/または還元
    性ガス中400 〜1200℃で加熱処理したものであることを
    特徴とする一酸化窒素吸着剤。
  3. 【請求項3】 活性炭を、酸化剤溶液に浸漬し、乾燥し
    た後、不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲気中40
    0 〜1200℃で加熱処理したものであることを特徴とする
    一酸化窒素吸着剤。
  4. 【請求項4】 活性炭を、不活性ガスおよび/または還
    元性ガス雰囲気中400 〜1200℃で加熱処理することを特
    徴とする一酸化窒素吸着剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 活性炭を、酸化性ガス雰囲気中200 〜10
    00℃で加熱した後、不活性ガスおよび/または還元性ガ
    ス雰囲気中400 〜1200℃で加熱処理することを特徴とす
    る一酸化窒素吸着剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 活性炭を、酸化剤溶液に浸漬し、乾燥し
    た後不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲気中で、
    400 〜1200℃で加熱することを特徴とする一酸化窒素吸
    着剤の製造方法。
JP4329652A 1991-12-12 1992-12-09 一酸化窒素吸着剤及びその製造方法 Withdrawn JPH05253435A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35234191 1991-12-12
JP3-352341 1991-12-12

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05253435A true JPH05253435A (ja) 1993-10-05

Family

ID=18423396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4329652A Withdrawn JPH05253435A (ja) 1991-12-12 1992-12-09 一酸化窒素吸着剤及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05253435A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227538A (ja) * 1993-12-24 1995-08-29 Matsushita Seiko Co Ltd NO除去剤およびNOx除去ユニットおよびNOx除去装置
JP2002137911A (ja) * 2000-10-31 2002-05-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 活性炭の製造方法及びそれにより得られた活性炭並びに活性炭を備えた浄水器
JP2002338222A (ja) * 2001-05-10 2002-11-27 Futamura Chemical Industries Co Ltd 表面酸化物量を調節した活性炭の製造方法
JP2008221100A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Nishimatsu Constr Co Ltd 窒素酸化物除去装置
JP2011147895A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Tohoku Electric Power Co Inc 一酸化窒素用吸着材の製造方法
KR20190085791A (ko) * 2018-01-11 2019-07-19 한국에너지기술연구원 실록산 흡착제, 이의 제조방법 및 실록산 제거방법

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227538A (ja) * 1993-12-24 1995-08-29 Matsushita Seiko Co Ltd NO除去剤およびNOx除去ユニットおよびNOx除去装置
JP2002137911A (ja) * 2000-10-31 2002-05-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 活性炭の製造方法及びそれにより得られた活性炭並びに活性炭を備えた浄水器
JP2002338222A (ja) * 2001-05-10 2002-11-27 Futamura Chemical Industries Co Ltd 表面酸化物量を調節した活性炭の製造方法
JP2008221100A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Nishimatsu Constr Co Ltd 窒素酸化物除去装置
JP2011147895A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Tohoku Electric Power Co Inc 一酸化窒素用吸着材の製造方法
KR20190085791A (ko) * 2018-01-11 2019-07-19 한국에너지기술연구원 실록산 흡착제, 이의 제조방법 및 실록산 제거방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100186680B1 (ko) 비활성 가스로부터 미량의 산소를 제거하는 흡착제
US4158643A (en) Catalytic carbon for oxidation of carbon monoxide in the presence of sulfur dioxide
JP3272367B2 (ja) 脱硝用熱処理活性炭素繊維、その製造方法、それを用いた脱硝方法、及びそれを用いた脱硝システム
JPH02118121A (ja) ピッチ系活性炭素繊維およびその製造方法
CN113101898A (zh) 一种多孔颗粒状分子筛VOCs吸附剂及制备方法
Matatovmeytal et al. Optimal temperatures for catalytic regeneration of activated carbon
US4702749A (en) Technique for surface oxidation of activated carbon
JPH05253435A (ja) 一酸化窒素吸着剤及びその製造方法
JP2008207995A (ja) 炭素質材料の表面改質方法、炭素質材料又は活性炭素繊維
US4185082A (en) Catalytic carbon for oxidation of carbon monoxide in the presence of sulfur dioxide
JP3947285B2 (ja) 脱硝性能の高い脱硫脱硝用活性炭の製造方法
JP2001162175A (ja) 窒素酸化物除去用触媒の製造方法およびその製造装置
JPH0576753A (ja) 一酸化窒素吸着剤及びその製法並びに一酸化窒素の吸着除去法
JP3357137B2 (ja) 脱臭方法
JPH10323565A (ja) 排煙脱硫用活性炭素繊維及びそれを用いる脱硫方法
JPH0768528B2 (ja) ガス中の硫化カルボニルの除去方法
JPH0653214B2 (ja) 窒素酸化物除去方法
JPH06327967A (ja) ハニカム状吸着体
JP2781518B2 (ja) No除去剤
JPH0211306B2 (ja)
JPS629377B2 (ja)
JP2961249B2 (ja) ディーゼルエンジン排ガス中のカーボン微粒子の酸化除去方法及びそれに用いる触媒
JPH0583303B2 (ja)
JP3068231B2 (ja) No吸着体
JPH07178152A (ja) 脂肪族アルデヒド吸着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000307