JPH07178152A - 脂肪族アルデヒド吸着剤 - Google Patents

脂肪族アルデヒド吸着剤

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JPH07178152A
JPH07178152A JP5346390A JP34639093A JPH07178152A JP H07178152 A JPH07178152 A JP H07178152A JP 5346390 A JP5346390 A JP 5346390A JP 34639093 A JP34639093 A JP 34639093A JP H07178152 A JPH07178152 A JP H07178152A
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granular
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atmosphere
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哲也 花本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】炭素質原料を粒状またはハニカム状、繊維状に
成型して炭化し、水蒸気含有率15容量%以下の雰囲気で
賦活した後、そのままの雰囲気で300 ℃以下まで冷却
し、金属カルボン酸塩を0.1 〜20重量%担持せしめてな
る活性炭及び更に、常法により得られた粒状またはハニ
カム状、繊維状活性炭を、実質的に酸素または/及び水
蒸気を含まない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中で約50
0 ℃以上で処理した後、そのままの雰囲気中で300 ℃以
下まで冷却し、更に金属カルボン酸塩を0.1 〜20重量%
担持せしめてなる活性炭及び脱臭方法である。 【効果】本発明の粒状またはハニカム状、繊維状金属カ
ルボン酸塩添着活性炭は酸化触媒として高い機能を有す
るため、アセトアルデヒド或いはホルムアルデヒド等の
悪臭ガスの酸化除去能力に優れている。特に低温・低濃
度の雰囲気中においてもこれらの悪臭ガスの高い除去能
力を保持している点に特徴がある。この特性を利用した
冷蔵庫内の脱臭剤や、室内用の空気清浄器の悪臭ガスの
除去剤に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂肪族アルデヒド吸着剤
及びその脱臭方法に関するもので、更に詳しく述べると
空気中の悪臭の最も大きな原因の一つである、タバコの
煙等に含まれているアセトアルデヒド等脂肪族アルデヒ
ド類の吸着・除去性に優れた吸着剤で、特に低濃度のア
ルデヒド吸着性が優れた特徴がある。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境の変化に伴い生活空間に
存在する微量な硫化水素、アンモニア、メルカプタン、
アミン及びアルデヒド等の悪臭ガスに対する関心が高ま
っている。これらの悪臭ガスを除去して快適な生活環境
を維持するために、脱臭剤が要求され、家庭生活にも様
々な悪臭ガス吸着剤が使用されている。
【0003】これらの悪臭ガス吸着剤は日常生活で使用
されるものであるから、次のような条件を満たすもので
あることが要求される。
【0004】(1)日常の生活空間に存在する微量な硫
化水素、アンモニア、メルカプタン、アミン及びアルデ
ヒド等の各種悪臭ガスに対して優れた脱臭性能を有する
ものであること。(2)安全性が高いものであること。
(3)取扱が容易なものであること。(4)安価なもの
であること。
【0005】室内または車内等一般の生活空間の空気中
に含まれている、悪臭成分の種類はかなり多いが、最も
大きな原因の一つはタバコの煙等に含まれているアルデ
ヒド類、特にアセトアルデヒドの臭気である。
【0006】一般に、活性炭は気相での悪臭物質を低濃
度でも比較的高い平衡吸着量で吸着するため、他の脱臭
剤に比較して有利であり、現在広く使用されている。し
かし、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの様な脂肪
族アルデヒドの低濃度の気相中からの吸着性は悪く、例
えば、気相における吸着性能が優れたヤシ殻活性炭によ
る吸着試験の結果、気相中のアセトアルデヒド濃度26pp
m の場合、活性炭のアセトアルデヒド平衡吸着量は0.1
%であり、100ppmでも0.65%にしか達しない。
【0007】この欠点を改良する試みとしては、アンモ
ニウム塩、亜硫酸塩、または酸性亜硫酸塩を活性炭に添
着する方法が提案されている(特開昭53-29292号) 。し
かしながら、その効果は十分満足できるものでなく、特
に生活空間における悪臭除去の場合に問題とされる低濃
度領域において、その効果は著しく低い。
【0008】また、主として空気中のアセトアルデヒド
を除去するための吸着剤として、アニリンを添着した活
性炭が、特公昭60-54095号公報、特開平252043号公報及
び特開平3-98642 号公報に開示されている。現在アニリ
ンを添着した活性炭は室内または車内の空気浄化剤とし
てかなり使用されている。しかし、アニリンは元来劇毒
物であり、一般家庭で脱臭用に使用することが好ましく
ないことは言うまでもない。
【0009】その他、有機系脱臭剤もあるが耐熱性が低
く、加工も困難で高価である。また、硫酸鉄にアスコル
ビン酸を加えた脱臭剤も使用されている。この様な組成
の脱臭剤は、アンモニア、アミン等の塩基性の悪臭ガス
に対する脱臭効果は良好であるが、硫化水素、メルカプ
タン及びアルデヒド等に対する脱臭効果は殆どなく、ま
た水に濡れると溶解するため、湿潤ガスの脱臭には使用
出来ない欠点がある。
【0010】その他にも多数の化学脱臭剤が開示されて
いるが、酸性やアルカリ性の強いものが多く、また除去
出来るガスの種類も限られており、吸湿または乾燥の影
響を受け易い欠点を有するものも多い。
【0011】ベントナイトに無機の多塩基酸を添着した
脱臭剤(特開昭60-43373)、ビタミンB12 の触媒作用に
よるもの(特開昭61-164556 )、金属フタロシアニンを
使用するもの(特開昭62-131514 )等も有開示されてい
るが、吸着性能が悪く効果も小さい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は日常の生活空
間に存在する微量の悪臭成分の除去を目的としたもの
で、特に問題となるアルデヒド等の悪臭ガスに対して優
れた脱臭効果を有し、且つ安全性が高く取扱が容易な、
新しい組成の悪臭ガス吸着剤を提供しようとするもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は低温で希薄な
アセトアルデヒド等の悪臭ガスを除去するため、例えば
冷蔵庫、トイレ或いは空気清浄器等で使用する脱臭触媒
性が優れた触媒の調製法について種々検討した。その結
果、特定のプロセスを経て作られた粒状、ハニカム状及
び繊維状の活性炭に鉄、クロム、ニッケル、コバルト、
マンガン、銅、マグネシウム及びカルシウムの少なくと
も一種の金属からなる金属カルボン酸塩を添着すること
により、0〜40℃で10ppm 程度以下の極めて低濃度のア
セトアルデヒド或いはホルムアルデヒド等の悪臭ガスを
殆ど酸化除去することが出来、且つ副反応による有害悪
臭物質も生成しない極めて高活性な脱臭触媒が得られる
ことを見出し、これに基づいて本発明に到達した。
【0014】すなわち、炭素質原料を粒状またはハニカ
ム状、繊維状に成型して炭化し、水蒸気含有率15容量%
(以下、容量%の容量を省略する)以下の雰囲気で賦活
した後、そのままの雰囲気で300 ℃以下まで冷却し、
鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、
銅、マグネシウム及びカルシウムからなる群より選ばれ
た一種または二種以上の金属からなる金属カルボン塩を
0.1 〜20重量%(以下、重量%の重量を省略する)担持
せしめた金属カルボン酸添着活性炭からなる脂肪族アル
デヒド吸着剤及び更に、常法により得られた粒状または
ハニカム状、繊維状活性炭を、実質的に酸素または/及
び水蒸気を含まない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中で
約500 ℃以上で処理した後、そのままの雰囲気中で300
℃以下まで冷却し、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、
マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムから
なる群より選ばれた一種または二種以上の金属からなる
金属カルボン塩を0.1 〜20%担持せしめた金属カルボン
酸添着活性炭からなる脂肪族アルデヒド吸着剤であり、
またそれらを使用した悪臭ガスの除去方法である。
【0015】ここで「常法で得られた粒状またはハニカ
ム状、繊維状活性炭」とは水蒸気含有率15%よりかなり
高い雰囲気中で賦活し、賦活反応終了後充分に冷却する
以前に賦活炉から取り出して空気に接触せしめる通常の
製法で得られた活性炭で、本発明の担体として用いた場
合、アセトアルデヒド或いはホルムアルデヒドなどの脂
肪族アルデヒド等悪臭ガスの酸化触媒活性が低い活性炭
を言う。また「実質的に酸素又は/及び水蒸気を含まな
い」とは、賦活後の活性炭の熱処理において、活性炭表
面に結合した酸素原子が存在しない様な雰囲気の意味
で、酸素及び水蒸気が1〜2%以下の状態をいう。以下
本発明について詳しく説明する。
【0016】本発明において用いられる粒状またはハニ
カム状、繊維状活性炭は炭素質原料として、ヤシ殻炭、
石炭などの炭素質原料にフェノール樹脂、コールター
ル、ピッチ等のバインダーを加えて粒状またはハニカム
状、繊維状に成型した後、炭化し、本発明の方法で賦活
することにより得られる。
【0017】この際、賦活ガスは水蒸気の他、二酸化炭
素ガスを含むが、水蒸気含有率は15%以下とする必要が
ある。通常使用されている活性炭賦活用ガスの組成は水
蒸気40〜60%で、それより高い場合も多い。水蒸気によ
る炭素質の賦活速度は二酸化炭素ガスよりかなり速いた
め、賦活ガスの組成は水蒸気分圧がなるべく高くなる様
に設定されている。従って本発明の条件は、常法に較べ
て著しく賦活速度を遅くしたマイルドな条件になってい
る。実施例7及び比較例9〜11、表5に示す様に水蒸
気含有率が高い条件下で賦活された場合は、明らかにア
セトアルデヒド等の悪臭ガスの酸化触媒性が低下してい
ることが分かる。水蒸気含有率が低い賦活条件が活性炭
の酸化触媒能を向上させる機構の詳細は明らかでない
が、かかる条件下で得られた粒状またはハニカム状、繊
維状活性炭はその表面に結合した酸素原子が存在しない
状態になっていることが指摘されている。
【0018】本発明の活性炭の比表面積は500m2/g 以上
であることが好ましく、800m2/g 以上になればより好ま
しい。
【0019】常法で得られた粒状またはハニカム状、繊
維状活性炭は、粒状またはハニカム状、繊維状に成型し
た炭素質原料を水蒸気、燃焼ガス等で賦活することによ
り製造されているが、かかる活性炭を本発明に使用して
も、充分な酸化触媒性を示さない。本発明の効果は前述
の様な特定の組成のガスで賦活された粒状またはハニカ
ム状、繊維状活性炭を用いることによって初めて得られ
るものである。
【0020】更に、賦活後においても賦活ガスと同様の
ガスのもとで活性炭を温度300 ℃以下に冷却し、その後
系外に取り出すことが必要である。冷却時の雰囲気は賦
活時に用いられる窒素ガス、炭酸ガスまたはこれらの混
合ガス(酸素、水素、水蒸気の含有量は規定量以下)の
雰囲気であればよく、賦活に用いるガスと冷却に用いる
ガスとは必ずしも同一組成のものでなくてもよい。本発
明において「そのままの雰囲気で冷却」するとは前記の
様な意味である。
【0021】前述の様にして得られた活性炭に鉄、クロ
ム、ニッケル、コバルト、マンガン、銅、マグネシウム
及びカルシウムの一種以上の金属からなる金属カルボン
酸塩を添着すれば、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒ
ド等の悪臭ガスを速やかに酸化する強い触媒性を示す。
しかし、本発明の賦活された粒状またはハニカム状、繊
維状活性炭を賦活後高温のまま系外へ取り出し、水蒸
気、水素ガス、あるいは酸素ガスを多量に含む雰囲気中
に放置すれば、得られた活性炭に鉄、クロム、ニッケ
ル、コバルト、マンガン、銅、マグネシウム及びカルシ
ウムの一種以上の金属からなる金属カルボン酸塩を添着
しても、酸化触媒としての能力が著しく低いものしか得
られない。
【0022】賦活後の活性炭を300 ℃以上で空気中に取
り出すと、低温低濃度における酸化触媒としての能力が
著しく低下する。賦活後窒素ガス中で冷却した場合と、
空気中で冷却した場合の触媒性に及ぼす影響を、表1の
実施例1及び比較例1に示す。また賦活後活性炭が空気
に触れる温度が触媒性に及ぼす影響については、表4の
実施例6及び比較例7、8に示す。
【0023】更に本発明においては、常法により得られ
た粒状またはハニカム状、繊維状活性炭或いは調製され
た直後は高い酸化触媒性を示したが、使用中に空気等に
触れて表面が酸化され酸化触媒性が低下した粒状または
ハニカム状、繊維状活性炭を、前述の賦活ガスと同組成
のガス中で、温度500 ℃以上で処理し、そのままの雰囲
気中で300 ℃以下まで冷却することにより得られる粒状
またはハニカム状、繊維状活性炭も、前述の様にして調
製した粒状またはハニカム状、繊維状活性炭と同様に、
鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マンガン、銅、マグ
ネシウム及びカルシウムの一種以上の金属からなる金属
カルボン酸塩を添着することにより、アセトアルデヒド
またはホルムアルデヒド等の悪臭ガスに対する高い酸化
触媒性を示す。換言すれば、この熱処理によって粒状ま
たはハニカム状、繊維状活性炭に高い酸化触媒能が付与
される。この熱処理が適用される粒状またはハニカム
状、繊維状活性炭は、石炭、ヤシ殻炭等いかなる原料か
ら得られたものでもよい。
【0024】常法で得られた粒状またはハニカム状、繊
維状活性炭はいずれもこの方法で処理することにより、
本発明の酸化触媒として適用可能な活性炭が得られる。
この際処理温度は500 ℃以上とする必要がある。処理時
間は温度によって変わるが、500 ℃の場合は通常、20〜
180 分が好ましく、800 ℃では数分の処理によって充分
その効果が得られる。熱処理温度が酸化触媒性に及ぼす
影響については、表1の実施例2及び3、比較例1に示
す。
【0025】本発明の粒状またはハニカム状、繊維状活
性炭には金属カルボン酸塩を0.1 〜20%添着させる必要
がある。活性炭に金属カルボン酸塩を添着するには、水
溶性の金属塩を使用して水溶液を調製して所定量活性炭
に添着し、その後高温で乾燥することにより目的とする
金属カルボン酸塩を活性炭に添着する事が出来る。
【0026】尚、本発明の金属カルボン酸塩に含まれる
カルボン酸残基はとくに限定しない。1価もしくは多価
カルボン酸が使用可能であるが、脱臭剤に使用するため
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、リン
ゴ酸、酒石酸、琥珀酸等の残基が好ましい。また、2種
類以上のカルボン酸残基が含まれていてもよい。
【0027】添着方法として以下の方法を適用すること
が出来る。所定量の金属塩を溶解した水溶液に粒状また
はハニカム状、繊維状活性炭を入れて攪拌し、金属塩を
充分吸着させた後液切りして200 ℃で乾燥する。或いは
所定濃度の水溶液を活性炭に均一に振りかけて吸水さ
せ、これを乾燥することによっても得られる。金属カル
ボン酸塩の担持量は0.1 〜20%とする必要があるが、担
持量が0.5 〜10%の場合がより好ましい。
【0028】金属カルボン酸の担持量が0.1 %以下の場
合は触媒活性が不充分であり、また10%以上になると添
着量が多いわりに触媒性が向上せず、また活性炭自体の
吸着性能が阻害されることも考慮すれば、添着量は20%
以下とする必要がある。金属カルボン酸塩の担持量の調
節は、水溶液中の金属カルボン酸塩の濃度と活性炭量と
の比率を変更することにより可能である。通常、溶液中
の金属カルボン酸塩はほぼ完全に活性炭に吸着される。
【0029】金属は鉄、クロム、ニッケル、コバルト、
マンガン、銅、マグネシウム及びカルシウムからなる群
の一種または二種以上を使用する必要がある。複数種の
金属カルボン酸塩を使用することにより触媒性をさらに
高め得る場合もある。
【0030】
【作用】金属カルボン酸塩を添着した多孔性物質は、添
着後の時間経過によるアセトアルデヒド触媒分解性の低
下が少ないのみならず、吸着直後のアセトアルデヒド触
媒分解性も高い。すなわち、空気浄化剤としてアセトア
ルデヒド触媒分解性能の劣化も少なく且つ、初期活性も
高い優れた性質を持っている。
【0031】また、この空気浄化剤を150 ℃にまで加熱
しても、金属カルボン酸塩類の分解はみられず、アルデ
ヒド触媒分解性能の低下も認められなかった。
【0032】この作用は多孔体が金属カルボン酸塩を安
定化しているためではないかと考えられるが、そのメカ
ニズムの詳細は明らかでない。
【0033】オフィス、家庭等生活空間の室内には、通
常タバコの臭気が強く感じられるが、組成的にはアセト
アルデヒドの他、アンモニア、低級アミン、炭化水素、
硫化水素等が含まれている。これらの成分の中、本発明
の浄化剤はタバコの臭気の主成分であるアセトアルデヒ
ドの吸着性には極めて優れているが、その他の成分の吸
着性は必ずしも充分でない。従って、本発明の空気浄化
剤は単独で使用することも出来るが、他の浄化剤と併用
すれば一層効果がある場合もある。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0035】(実施例1〜7、比較例1〜11)実施例1
は、300 メッシュ以下に粉砕した石炭100 重量部に対
し、バインダーとしてコールタールを30重量部を添加
し、滑り材を必要量添加した粉末を、250セル/inch2
ハニカム状に成型してハニカム活性炭原料とした。また
0.5mm 〜3mm の大きさに整粒した石炭を粒状活性炭の原
料とした。更に繊維状活性炭の原料としては市販のフェ
ノール樹脂繊維 [日本カイノール (株) 製「カイノー
ル」] を使用した。
【0036】これらの活性炭原料をプロパン燃焼ガス
(ガス組成:窒素80%、酸素0.2 %、炭酸ガス9.8 %、
水蒸気10%)を用いて、900 ℃で比表面積1300m2/gにな
るまで賦活した後、窒素ガス中で300 ℃以下に冷却し
て、粒状 (イ) 、ハニカム状 (ロ) 、繊維状活性炭
(ハ) を得た。
【0037】次に比較例1は、実施例1と同様にして比
表面積が1300m2/gになるまで賦活した後、活性炭 (イ)
、 (ロ) 、 (ハ) を窒素中に取り出し、500 ℃になる
まで冷却し、更に空気中に取り出して、放置冷却して各
活性炭を得た。更に、比較例1の活性炭 (イ) を700
℃、N2 50 %、CO2 50%、の気流中で10分間処理した
後、窒素中に取り出し、室温まで冷却して実施例2の活
性炭を得た。また、比較例1の活性炭を900 ℃の窒素中
で5分間処理した後、窒素中で室温まで冷却して実施例
3の活性炭を得た。
【0038】これらの粉末状または粒状、ハニカム状、
繊維状活性炭に次の様にして金属酸化物を添着した。金
属として100mg を含む金属酢酸塩の水溶液200 mlに活性
炭担体50g をいれてよく攪拌し、3時間放置した後、10
0 ℃で乾燥して金属添着量2.0wt %の金属酢酸塩添着活
性炭を得た。
【0039】このようにして得られた金属酢酸塩を添着
した粒状またはハニカム状、繊維状活性炭1gを3.8 リッ
トルのガロン瓶に入れ、アセトアルデヒド等の悪臭ガス
の除去テストを行った。
【0040】30℃におけるアセトアルデヒドの除去速度
の測定結果を表1に示す。尚比較例2は実施例1で得ら
れた活性炭に金属酸化物を添着せず、その儘の状態で使
用したものであり、比較例3は市販マンガン触媒を本発
明の方法により得られた活性炭に2.0wt%添着した場合で
あり、比較例4は市販のマンガンセラミックス触媒(神
戸製鋼所製「マンガンチッド」) を添着した場合であ
る。
【0041】
【表1】
【0042】本発明の粒状またはハニカム状、繊維状金
属酢酸塩添着活性炭(実施例1〜3)はいづれもアセト
アルデヒド等の悪臭ガスを短時間に完全に除去し、かつ
副反応による有害な悪臭物質も生成せず、優れた悪臭除
去能力を示した。
【0043】一方比較例(1〜4)に示す様に、通常の
粒状またはハニカム状、繊維状活性炭及び本発明以外の
方法により調製された粒状またはハニカム状、繊維状金
属酸化物添着活性炭、市販マンガン触媒添着活性炭は、
いづれも悪臭ガス除去速度が遅かった。
【0044】実施例1 (イ) の活性炭に金属カルボン酸
塩の種類を変更した場合の、アセトアルデヒドの悪臭ガ
ス除去速度の測定結果を表2〔実施例4 (イ) 〜 (ワ)]
に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2に示すように、本発明の金属カルボン
酸塩添着活性炭は悪臭ガス除去速度が速く、有害な反応
副生物も生成しない。
【0047】実施例1 (ロ) の活性炭に表3に示す様に
金属カルボン酸塩を添着したハニカム活性炭(イ)〜
(ヌ)を調製し、比較のために比較例5、6に示す組成
を有するハニカム活性炭調製各1gを用いて、実施例1と
同様の方法で低温 (5℃) におけるアセトアルデヒド等
の悪臭ガス除去速度を測定した。
【0048】その結果及び試料の性状を表3に併せて示
す。
【0049】
【表3】
【0050】表3に示す様に本発明の粒状またはハニカ
ム状、繊維状金属カルボン酸塩添着活性炭は、低温でも
極めて速やかに悪臭ガスを除去出来ることが分かる。
【0051】ヤシ殻炭化物を賦活してN2中で冷却後、表
4に示す様に空気中に取り出すときの温度を変え、金属
カルボン酸塩を添着して実施例6、比較例7、8の粒状
金属カルボン酸塩添着活性炭を得た。これらの活性炭を
使用して実施例1と同様の方法で、アセトアルデヒドな
どの悪臭ガス除去速度を測定した。
【0052】その結果及び使用した活性炭の性状を表4
に併せて示す。
【0053】
【表4】
【0054】表4に示すように、本発明の金属カルボン
酸塩添着活性炭の性能は冷却後初めて空気に接触する温
度に依存し、300 ℃以上では悪臭ガス除去能が大幅に低
下することが分かる。
【0055】実施例1の活性炭原料を賦活する際、賦活
ガスの水蒸気分圧が異なる条件で900 ℃で比表面積1450
m2/gになるまで賦活した後、窒素で置換した容器内に活
性炭を取り出し、該窒素中で300 ℃以下に冷却して表5
に示す活性炭を得た。これらに実施例1と同様の方法で
金属酢酸塩を5.0 wt%添着してハニカム状酢酸マンガン
添着活性炭を得た。これらの活性炭を使用して実施例1
と同様な方法でアセトアルデヒド等の悪臭ガス除去速度
を測定した。
【0056】その結果及び使用した活性炭の性状を表5
に併せて示す。
【0057】
【表4】
【0058】表5に示すように、本発明のハニカム状酢
酸マンガン添着活性炭の性能は賦活時の水蒸気濃度に依
存し、水蒸気濃度が15%以下の場合に高い触媒性を示す
ことが認められる。
【0059】
【発明の効果】本発明の粒状またはハニカム状、繊維状
金属カルボン酸塩添着活性炭は酸化触媒として高い機能
を有するため、アセトアルデヒド或いはホルムアルデヒ
ド等の悪臭ガスの酸化除去能力に優れている。特に低温
・低濃度の雰囲気中においてもこれらの悪臭ガスの高い
除去能力を保持している点に特徴がある。
【0060】この特性を利用した冷蔵庫内の脱臭剤や、
室内用の空気清浄器の悪臭ガスの除去剤に適している。
【表5】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質原料を粒状またはハニカム状、繊
    維状に成型して炭化し、水蒸気含有率15容量%以下の雰
    囲気で賦活した後、そのままの雰囲気で300℃以下まで
    冷却し、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マンガン、
    亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムからなる群より
    選ばれた一種または二種以上の金属からなる金属カルボ
    ン塩を0.1 〜20重量%担持せしめた金属カルボン酸添着
    活性炭からなる脂肪族アルデヒド吸着剤。
  2. 【請求項2】 常法により得られた粒状またはハニカム
    状、繊維状活性炭を、実質的に酸素または/及び水蒸気
    を含まない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中で約500 ℃
    以上で処理した後、そのままの雰囲気中で300 ℃以下ま
    で冷却し、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マンガ
    ン、亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムからなる群
    より選ばれた一種または二種以上の金属からなる金属カ
    ルボン塩を0.1 〜20重量%担持せしめた金属カルボン酸
    添着活性炭からなる脂肪族アルデヒド吸着剤。
  3. 【請求項3】 炭素質原料を粒状、ハニカム状または、
    繊維状に成型して炭化し、水蒸気含有率15容量%以下の
    雰囲気で賦活した後、そのままの雰囲気で300 ℃以下ま
    で冷却し、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マンガ
    ン、亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムからなる群
    より選ばれた一種または二種以上の金属からなる金属カ
    ルボン塩を0.1 〜20重量%担持せしめた金属カルボン酸
    添着活性炭或いはまた、常法により得られた粒状、ハニ
    カム状または繊維状活性炭を、実質的に酸素または/及
    び水蒸気を含まない窒素ガスまたは/及び炭酸ガス中で
    約500 ℃以上で処理した後、そのままの雰囲気中で300
    ℃以下まで冷却し、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、
    マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムから
    なる群より選ばれた一種または二種以上の金属からなる
    金属カルボン塩を、0.1 〜20重量%担持せしめた金属カ
    ルボン酸添着活性炭を使用することを特徴とする脱臭方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012067601A1 (en) * 2010-11-15 2012-05-24 Corning Incorporated Carboxylic acid salt articles and methods of making and using them
JP2014528822A (ja) * 2011-08-15 2014-10-30 エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー 水銀除去用のオキサレート収着剤
JP2016172685A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 シャープ株式会社 アンモニア処理をした多孔質炭素材料及びそのホルムアルデヒド吸着への応用
CN112138198A (zh) * 2020-10-14 2020-12-29 白杨 抑菌除臭剂组合物

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