JPH05246909A - アルケニルベンゼン及びその誘導体の製造方法 - Google Patents

アルケニルベンゼン及びその誘導体の製造方法

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JPH05246909A
JPH05246909A JP4303707A JP30370792A JPH05246909A JP H05246909 A JPH05246909 A JP H05246909A JP 4303707 A JP4303707 A JP 4303707A JP 30370792 A JP30370792 A JP 30370792A JP H05246909 A JPH05246909 A JP H05246909A
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alkylbenzene
potassium
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Keizo Shimada
恵造 島田
Seiji Ito
誠司 伊藤
Kazuhiro Sato
和広 佐藤
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、アルキルベンゼンと共役ジオレフ
ィンとを反応せしめて、アルケニルベンゼン及びその誘
導体を効率よく製造する方法を提供することにある。 【構成】 本発明の目的は、炭素数8以上のアルキルベ
ンゼンと共役ジオレフィンとを反応させてアルケニルベ
ンゼンを製造する方法において、該反応を、(a)アル
カリ金属(A成分)と、(b)炭酸カリウム塩及び/又
は水酸化カリウム(B成分)を(c)二重結合を有する
置換基を少なくとも有する芳香族炭化水素(C成分)の
存在下分散処理した触媒の存在下に実施することを特徴
とする方法によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルキルベンゼンと共役
ジオレフィンとをアルカリ金属の存在下で反応せしめ
て、アルケニルベンゼンを効率よく、安全に製造する方
法に関する。更に詳細には、例えばo―キシレンと1,
3―ブタジエンとの反応によって得られるアルケニルベ
ンゼンである5―(o―トリル)―ペンテンは、それを
環化してジメチルテトラリンとなし、これを脱水素して
ジメチルナフタレンとし、次いで、酸化することによっ
て高分子原料として有用なナフタレンジカルボン酸に転
換できる工業的価値の高い化合物であり、本発明はこの
ような有用なアルケニルベンゼンを製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキルベンゼンと1,3―ブタ
ジエンとをアルカリ金属の存在下に反応せしめ、アルケ
ニルベンゼンを製造する方法は知られている(米国特許
第3244758号明細書参照)。
【0003】しかしながら、上記方法は、高収率でアル
ケニルベンゼンを得ようとすれば、高価な金属カリウム
を多量に使用しなれればならない欠点があった。また、
この問題を解決するために、アルキルベンゼンに1,3
―ブタジエンを吹き込んで反応させる際に、触媒として
金属カリウムと金属ナトリウムを併用すると高価な金属
カリウムの使用が少量で済む方法が提案された(特公昭
56―34570号公報、米国特許第3766288
号、米国特許第3953535号参照)。
【0004】更に金属カリウムを炭酸カリウム又はアル
ミナに担持して固定床でo―キシレンとブタジエンの反
応を行わしめる製造工程の改良を行った方法が提案され
ている(米国特許第4990717号)。
【0005】しかしながら、これらの方法はいずれも金
属カリウムを直接使用する方法であり、金属カリウム
は、空気、酸素、水等に対して反応性が強く、これらの
化合物と接触するだけで発火し、火災安全上危険であ
り、特にナトリウム―カリウム(Na―K:ナック)合
金は酸素、水に対して活性が高く、微量の酸素、水等と
接触して発火し、周辺の可燃物(石油類)との共存下で
は、きわめて危険である。
【0006】また英国特許1269280号には、ナト
リウムと無水カリウム化合物を触媒として使用する、オ
レフィンによる芳香族の側鎖アルキル化反応において、
ジエンが反応阻害作用を有する旨記載されている。
【0007】さらに、特開昭61―263643号公報
には、金属ナトリウムおよび無水硫酸カリウムを触媒と
して使用しトルエンをブタジエンでアルケニル化する方
法が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の課題
を解決し、高価で発火の危険性の大きい金属カリウムを
直接使用することなくアルケニルベンゼンを高収率で製
造することを目的とする。しかもアルケニル化反応に高
活性、高選択性の触媒の存在下で、アルキルベンゼンと
例えば1,3―ブタジエンとを反応することにより、目
的物から分離することが困難でかつ煩雑な副生成物の生
成を抑制し、高純度の目的物、すなわち、アルケニルベ
ンゼンを高収率で製造することを目的とするものであ
る。
【0009】更に該アルケニルベンゼンを環化し、アル
キルテトラリンを製造する方法及び該アルキルテトラリ
ンを脱水素しアルキルナフタレンを製造する方法を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、前記本発明の目的は炭素数8以上のアルキルベンゼ
ンと共役ジオレフィンとを反応させてアルケニルベンゼ
ンを製造する方法において、該反応を下記の触媒の反応
下に実施する方法により達成されることが判明した。
【0011】(a)アルカリ金属(A成分)と(b)炭
酸カリウム塩及び/又は水酸化カリウム(B成分)を
(c)二重結合を有する置換基を少なくとも有する芳香
族炭化水素(c成分)の存在下分散処理した触媒。
【0012】かかる本発明によれば、目的生成物と分離
することが困難であって且つ煩雑副生成物の生成が抑制
され、高純度アルケニルベンゼンを高収率で得ることが
可能となる。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】(A)出発原料 本発明方法においてアルケニルベンゼンの製造は、炭素
数8以上のアルキルベンゼンおよび共役ジオレフィンを
出発原料として使用する。
【0015】アルキルベンゼンは炭素数8以上、好まし
くは8〜10のアルキルベンゼンであり、具体的には、
エチルベンゼン、o―キシレン、m―キシレン、p―キ
シレン、エチルトルエン、ジエチルベンゼンが挙げられ
る。これらのアルキルベンゼンは、目的とするアルケニ
ルベンゼンの種類によって適当に選択される。これらア
ルキルベンゼンは、それぞれ単品で使用するのが好まし
い。何となれば、2種以上の混合物で使用すると反応混
合物から目的とする特定のアルケニルベンゼンを高純度
で得ることが困難となるからである。
【0016】例えばo―キシレンと1,3―ブタジエン
の反応においては、p―キシレン、m―キシレン、エチ
ルベンゼン等の他のアルキルベンゼンが不純物として混
入すると目的物の純度を著しく低下させる要因となる。
従って、o―キシレンの純度は95%以上、好ましくは
98%以上のものが好ましい。ただし、ベンゼンやシク
ロヘキサン等のアルキル基を有しない微量の炭化水素の
混入は差支えない。
【0017】同様にエチルベンゼン、m―キシレン、p
―キシレンを用いる場合においても、それぞれの単品の
純度は95%以上、好ましくは98%以上のものが好ま
しく、ベンゼンやシクロヘキサン等のアルキル基を有し
ない少量の炭化水素の混入は差支えない。
【0018】出発原料であるアルキルベンゼンは脱水し
て、反応に用いることが好ましい。脱水方法としては、
例えば適当な乾燥剤(例えば活性アルミナ、シリカゲ
ル、モレキュラーシーブス、活性炭等)による吸着分
離、深冷分離、あるいは金属ナトリウム、金属カリウム
と予め接触させて脱水する方法等がある。原料中の含水
量は、低ければ低い程好ましく、通常の含水量の測定法
であるカールフィッシャー法の測定感度以下、例えば数
ppm以下が特に好ましい。
【0019】本発明において使用する他の出発原料であ
る共役ジオレフィンとしてはブタジエン、イソプレン等
が挙げられる。1,3―ブタジエンは、如何なる方法で
製造されたものでもよく、また1,3―ブタジエンの純
度は如何なるものであってもよい。例えばブタン又はブ
テンの脱水素によって得られる粗ブタジエンをそのまま
用いることもできるし、また該粗ブタジエンを抽出等の
方法によって精製した1,3―ブタジエンであってもよ
い。また1,3―ブタジエンは、脱水して反応に用いる
ことが好ましい。脱水方法としては適当な乾燥剤例えば
活性アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブス、活
性炭等による吸着分離あるいは深冷分離等がある。1,
3―ブタジエン中の含水量は低ければ低いほど、好まし
く、数ppm以下が特に好ましい。
【0020】(B)触媒及びその調製 前述したように本発明方法における反応は、下記の触媒
の存在下に行なわれる。
【0021】(a)アルカリ金属(A成分)と(b)炭
酸カリウム塩及び/又は水酸化カリウム(B成分)を
(c)二重結合を有する置換基を少なくとも有する芳香
族炭化水素(c成分)の存在下分散処理した触媒。
【0022】A成分としてのアルカリ金属はナトリウム
が好ましく、その純度は高いものほどよいが、少量のカ
リウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の
金属を含有していても差支えない。純度としては90%
以上、できれば99%以上が好ましい。
【0023】一方B成分はA成分の分散剤であり、炭酸
カリウム塩及び/又は水酸化カリウムが使用される。こ
れらは200℃〜500℃で3〜20時間焼成脱水処理
して使用するのが好ましい。
【0024】炭酸カリウム塩としては、炭酸カリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム・カリウムがあげら
れ、これらは少量の炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウムを含有していても差支えない。
【0025】一方、水酸化カリウムは焼成脱水処理した
ものが使用されるが、焼成脱水処理に供する水酸化カリ
ウムは純度80%以上のものが好ましく用いられる。通
常のペレット状の水酸化カリウムは、10〜15%の水
を含有していて、それを、そのまま金属ナトリウムと分
散処理すると多量の金属ナトリウムが分解消費され、触
媒としての活性は発現しにくい。従って、高温好ましく
は250℃以上で脱水する必要があるが、150℃付近
から液状になり、脱水乾燥が行いにくい。脱水乾燥を容
易にし、少量の金属ナトリウムで高性能を発現させるた
めには、アルミナ、珪酸カルシウムの如き無機酸化物と
混合し、焼成脱水するとすぐれた水酸化カリウムを含む
焼成脱水無機組成物が得られる。
【0026】焼成脱水処理によって水酸化カリウムの一
部が酸化カリウムとなっていてもよい。また、この水酸
化カリウムの焼成脱水無機組成物の調製に用いる水酸化
カリウムは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩を
含有していても良く、場合によっては、これらの炭酸塩
を適当な割合で混合した方が高性能を発揮することもあ
る。
【0027】好ましいB成分は、炭酸カリウム、炭酸水
素カリウム及び炭酸ナトリウム・カリウムよりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種である。
【0028】分散剤であるB成分は、平均粒径が約10
0μm以下の粒子であることが望ましく、平均粒径が1
0〜50μmの粒子のものが特に好ましい。
【0029】本発明方法において、C成分である二重結
合を有する置換基を少なくとも有する芳香族炭化水素を
触媒の調製に使用すると、一層有利に優れた高活性の触
媒を得ることができる。かつ又C成分の芳香族炭化水素
は、分子中に共役二重結合を有しているものが好まし
い。この共役二重結合としては、置換基の中に存在して
いてもよく、スチレンのように置換基と芳香族環(ベン
ゼン環)にまたがって存在していてもよい。C成分の具
体例としては、、スチレン、α―メチルスチレン、β―
メチルスチレン、ビニルトルエン、シビニルベンゼン、
インデン、アルキルインデン等があげられる。さらに該
原料アルキルベンゼンがo―キシレンの場合は5―(o
―トリル)ペンテン、原料アルキルベンゼンがp―キシ
レンの場合は5―(p―トリル)ペンテン、原料アルキ
ルベンゼンがm―キシレンの場合は5―(m―トリル)
ペンテン、原料アルキルベンゼンがエチルベンゼンの場
合は5―フェニルヘキセン等が好ましい。
【0030】触媒を調製する場合のA成分:B成分の割
合は重量比で1:1000〜1:1の範囲、好ましくは
1:500〜1:1の範囲であり、1:100〜1:1
の範囲が特に好ましい。C成分の存在下に触媒の調製を
行なう場合、そのC成分はA成分1モルに対して0.0
1〜20モルの範囲、好ましくは0.02〜10モルの
範囲使用するのが有利である。
【0031】触媒を調製する方法は、A成分とB成分と
を、随時C成分の存在下、不活性溶媒中で分散処理する
ことが好ましい。分散処理はA成分の金属が溶融しうる
温度条件下で行うことが好ましい。かかる温度として1
00〜230℃の範囲が好ましい。分散処理は窒素、ヘ
リウム、アルゴン、水素などの不活性ガス雰囲気下で行
なうのが好ましい。触媒の調製は、不活性溶媒中で分散
加熱処理する湿式処理方法と、溶媒を使用しない乾式分
散処理方法とがあるが、乾式分散処理方法は、触媒の活
性の観点からは優れているが、調製工程における取り扱
い性や安全性の点からは湿式分散処理方法が優れてい
る。
【0032】触媒を溶媒中で分散処理する方法は、不活
性溶媒中、A成分及びB成分とを、随時C成分の共存下
で高速撹拌することにより行うことができる。
【0033】例えば、金属ナトリウムを炭酸カリウム塩
等の分散剤に3重量%分散担持する場合には、金属ナト
リウム3部と分散処理剤となる炭酸カリウム97部と
を、o―キシレン1000部に同時に入れて、130〜
160℃で加熱撹拌つつ、スチレン0.5部を導入して
処理する方法が採用されるが、あらかじめ、適当な分散
混合比で分散させた分散液を作製しておき、それに更に
不活性溶媒を加えるか、或は、さらに炭酸カリウムを投
入して分散させながらジオレフィンを導入して加熱活性
化処理する方法で行なうこともできる。
【0034】不活性溶媒としては、n―オクタン、n―
ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の炭素数が8
〜20からなり、沸点100〜230℃の、好ましくは
130〜200℃の、パラフィン等があげられるが、な
かでも、反応原料として使用されるアルキルベンゼン好
ましくは、炭素数8以上のアルキルベンゼンを用いるこ
とが工業的に好ましい。
【0035】このように均一分散処理した触媒は、原料
アルキルベンゼン及び共役ジオレフィン例えば1,3―
ブタジエンを導入して反応してもよいが、反応の前に、
原料アルキルベンゼンと触媒との分散性を更によくする
ために100〜200℃で1〜5時間、前処理して反応
すると活性を向上させることができる。
【0036】前述の如くして、A成分、B成分及びC成
分を分散処理する際に、炭酸塩を存在させることもでき
る。かかる炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム又は炭酸バリウムなどを示すこ
とができる。さらに炭酸塩の他にアルミナ(Al
2 3 )を存在させることもできる。
【0037】(C)反応条件及び方法 本発明方法において、アルキルベンゼンと共役ジオレフ
ィンとの反応は水分及び酸素を実質的に存在せしめない
環境下で行なうことが好ましい。従って、系外から反応
系に導入される原料、すなわち、アルキルベンゼン及び
共役ジオレフィンは、前述の如く脱水することが望まし
い。
【0038】更に、反応系の空間部は酸素や水分を実質
上存在せしめないために、例えば乾燥窒素、乾燥アルゴ
ン等の如き乾燥不活性ガスで充たすか、あるいはアルキ
ルベンゼンの沸点以上の反応条件では、空間をアルキル
ベンゼン等の蒸気で満たすことが望ましい。
【0039】使用されるA成分(アルカリ金属)の量
は、アルキルベンゼン1モルに対しどのような割合でも
よいが、通常は1ミリモル以上あればよい。1ミリモル
以下では反応がきわめておそくなり好ましくない。又、
アルカリ金属のアルキルベンゼンに対する使用割合が大
きすぎると、目的物の選択率や収率が低下することがあ
る。従って、その上限としてはアルキルベンゼン1モル
に対して300ミリモル以下が好ましい。
【0040】本発明方法において用いられるB成分(炭
酸カリウム塩及び/又は水酸化カリウム)の使用量は、
アルキルベンゼン1モルに対して、1ミリモル以上のカ
リウムイオンを存在させるに必要な量でよく、通常は、
アルキルベンゼン1モルに対して、炭酸カリウム塩、水
酸化カリウムがカリウム原子として1ミリモル以上あれ
ばよいがこれらの化合物を分散剤として機能させるため
には更に多く用いられる。例えばo―キシレン1モルに
対して炭酸カリウムのカリウム原子を2ミリモル〜50
0ミリモルである。
【0041】炭酸カリウム塩、水酸化カリウムの量がカ
リウム原子として1ミリモル以下では反応がおそく、5
00ミリモルを越えると目的物の収率、選択率が低下し
てくる。従って、好ましい使用量の範囲は2ミリモル〜
300ミリモルである。
【0042】本発明において反応は100〜200℃の
範囲の温度で行うことが好ましい。反応温度が100℃
以下では反応時間が長くなり200℃を越えると副反応
生成物が多くなり好ましくない。好ましい反応温度は1
10〜180℃である。またアルキルベンゼンに対する
共役ジオレフィンの反応モル比は通常の条件内で適当に
選択できる。例えばアルキルベンゼン:共役ジオレフィ
ンのモル比が1:0.001〜0.5、好ましくは1:
0.01〜0.3、特に好ましくは1:0.05〜0.
2の範囲で実施し得る。
【0043】反応時間は、0.05〜10時間の範囲の
時間が採用される。反応時間は、触媒量(g―触媒/g
―アルキルベンゼン)、触媒組成(g―金属ナトリウム
/g―炭酸カリウム塩及び/又は水酸化カリウム塩)、
反応温度(℃)及びアルキルベンゼンと共役ジオレフィ
ンの比(g―アルキルベンゼン/g―共役ジオレフィ
ン)とそれぞれ関連があり、目的生成物の純度や触媒の
使用様式、例えば循環使用の有無等から適当な時間が採
用される。一般には上記要因の数値が減少すれば反応時
間は長くなるが、好ましい反応時間は0.2〜10時
間、特に好ましくは0.3〜5時間である。
【0044】反応は、最初から原料であるアルキルベン
ゼン、共役ジオレフィン及び触媒を同時に仕込み反応さ
せるバッチ反応、最初にアルキルベンゼンと触媒を仕込
み、次に共役ジオレフィンを反応時間の経過と共に定量
導入するセミバッチ反応、反応器にアルキルベンゼン、
共役ジオレフィン及び触媒を連続的に導入する連続反応
のいずれの反応方法を採用してもよく、またそれらを適
当に組み合わせたものでもよいが、セミバッチ反応又
は、連続反応が好ましい。
【0045】連続反応には二つの形式が採用される。す
なわち、触媒を反応系中に分散撹拌下にアルキルベンゼ
ンと共役ジオレフィンを連続的に所定量ずつ供給しなが
ら反応を実施する方法と、分散活性化した触媒を固定床
に設置して、そこに、連続的にアルキルベンゼンを流
し、アルキルベンゼン中に共役ジオレフィンを導入しな
がら連続反応を実施する方法がある。
【0046】連続反応形式では、管形反応器、塔形式の
反応器及び槽形式の反応器のいずれの形式でもよい。連
続反応で好ましい方式は、複数個の反応区域を設け、共
役ジオレフィンを各反応区域に定量導入する所謂十字流
形連続方式である。
【0047】反応操作は、触媒の存在下にアルキルベン
ゼンと共役ジオレフィンとが十分混合できればよく、特
別な制約はないが、触媒の存在する反応系へ共役ジオレ
フィンを導入する導入方式は、共役ジオレフィンの導入
口付近に共役ジオレフィンの重合物と推測される樹脂状
又はガム状物が付着して、閉塞現象を起す傾向がある。
従って触媒の存在する反応系へ、共役ジオレフィンとア
ルキルベンゼンとの混合相、例えば液状共役ジオレフィ
ンとアルキルベンゼンとの液相混合物、気体状共役ジオ
レフィンと液体状アルキルベンゼンとの気―液混合物な
どの形態で、共役ジオレフィンとアルキルベンゼンを導
入する方式が好ましい。
【0048】あるいは反応域空間部に、共役ジオレフィ
ンを供給して、触媒の存在する反応液表面で吸収反応を
行わせることによって閉塞現象を防止することもでき
る。また共役ジオレフィンの導入の際にキャリアガスと
共に吹き込むと同時に撹拌効果を増加させることもでき
る。キャリアガスとしては酸素、水分を除去した不活性
ガス、例えば窒素、アルゴン、水素が適当である。
【0049】更に反応は、適当な撹拌を設けることによ
って、好ましく行うことができるが、共役ジオレフィン
を気相で反応系に導入し、該ガスで撹拌効果をもたせる
こともできる。撹拌は、触媒を反応系内に均一に分散
し、更に、反応原料と反応生成物とを均一に混合するた
めに必要な強さであることが望ましい。
【0050】液相分散反応系で反応した場合、反応後、
使用した触媒を反応混合物から分離するには、例えば遠
心沈降、重力沈降等の公知の手段、あるいは、より低い
温度においての液―固相からの固相の分離、例えば濾
過、遠心分離等の公知の手段を用いればよい。分離した
触媒は反応系に循環再使用することができる。
【0051】触媒が失活して触媒機能が失われた時、分
散処理剤の表面の相はアルカリ金属の活性が失活してい
る。従って有機物付着のまま酸化焼成して、再生し、再
使用することができる。
【0052】本発明方法によれば、o―キシレンと1,
3―ブタジエンの反応では5―(o―トリル)―ペンテ
ンが、p―キシレンと1,3―ブタジエンの反応におい
ては5―(p―トリル)―ペンテンが、m―キシレンと
1,3―ブタジエンの反応においては5―(m―トリ
ル)ペンテンが、エチルベンゼンとブタジエンの反応に
おいては5―(フェニル)―ヘキセンがそれぞれ合成さ
れる。
【0053】(D)アルケニルベンゼンの利用 本発明の目的生成物であるアルケニルベンゼンは前述の
如く、環化反応させ、次いで脱水素することにより、医
薬品や高分子材料の原料として有用な化合物、すなわ
ち、モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレンに
することができる。この場合、フェニル―ヘキセンやト
リル―ペンテンを環化する時のペンテンやヘキセンの純
度が問題となる。
【0054】すなわち、主目的物たる、フェニル―ヘキ
セン、トリル―ペンテン類のいわゆるアリールアルケン
におけるオレフィン性二重結合の位置が1又は2の位置
のものであるが、従来公知の方法ではオレフィン性二重
結合の位置の異なる異性体、例えばo―キシレンと1,
3―ブタジエンの反応では5―(o―トリル)―ペンテ
ン―(1)、5―(o―トリル)―ペンテン―(2)、
に加えて5―(o―トリル)―ペンテン―(3)、5―
(o―トリル)―ペンテン―(4)等がかなりの量副生
し、混入する。
【0055】他の、エチルベンゼン、p―キシレン、m
―キシレンと1,3―ブタジエンの反応で合成されるフ
ェニルヘキセン、トリルペンテンにおいてもオレフィン
性二重結合の位置の異なる異性体が副生し、混合する。
【0056】これらの異性体のうちオレフィン性二重結
合が1又は2の位置にあるものは環化されてアルキルテ
トラリンに転化し得るが、他のものはアルキルテトラリ
ンに転化しないのみならず、目的物たるアルキルテトラ
リンと反応して高沸点生成物となり目的物の収率を低下
させる。
【0057】しかも本発明方法の目的生成物のアルケニ
ルベンゼンから前記オレフィン性二重結合が3,4の位
置にある異性体を除去することは極めて困難であって、
例えばo―キシレンと1,3―ブタジエンとの反応混合
物[目的生成物は5―(o―トリル)―ペンテン―
(2)と5―(o―トリル)―ペンテン―(1)であ
る]を粗精留したものを理論段数50段の精留等を用い
て還流比20で精留しても、前記異性体はほとんど分離
できない。これに対し、本発明方法によって得られた反
応物中には、かかる分離困難な副反応が極めて少なく、
従って環化反応生成物の収率も極めて高いという特長が
ある。
【0058】アルケニルベンゼンはそれ自体公知の方
法、すなわち硫酸、固体リン酸、シリカアルミナの如き
酸触媒と100〜250℃の温度で10秒〜10時間接
触させることにより環化してアルキルテトラリンとする
ことができる。
【0059】アルキルテトラリンは、それ自体公知の方
法、すなわち、アルミナ―クロミヤ、Pt/Al2 3
等の脱水素触媒と350〜450℃の温度で5秒〜10
時間接触させることにより脱水素されアルキルナフタレ
ンとすることができる。
【0060】アルキルナフタレンはそれ自体公知の方
法、すなわち、シリカ―アルミナ、ZSM―5、Y型ゼ
オライト、H型モルディナイト等の固体酸触媒と200
〜450℃の温度で5秒〜10時間触媒させることによ
り、異性化することができる。例えば1,5―ジメチル
ナフタレンを2,6―ジメチルナフタレンとすることが
できる。
【0061】本発明方法によればアルキルベンゼンから
高分子材料の原料として有用な化合物であるジメチルナ
フタレンを以下のように製造することが可能となる。
【0062】すなわち、例えばo―キシレンと、1,3
―ブタジエンとをアルカリ金属を炭酸カリウム及び/又
は水酸化カリウムと随時側鎖に二重結合を有する芳香族
炭化水素の存在下で、分散処理した触媒により反応せし
め、5―(o―トリル)ペンテンを製造し、次いで、該
5―(o―トリル)ペンテンをそれ自体公知の方法で環
化せしめ、1,5―ジメチルテトラリンを製造し、その
後、該1,5―ジメチルナフタレンを異性化して2,6
―ジメチルナフタレンを製造することができる。さらに
該2,6―ジメチルナフタレンを酸化することにより、
ナフタレン―2,6―ジカルボン酸を製造することがで
きる。
【0063】
【発明の効果】本発明方法によって得られた反応生成物
中には、分離困難な副反応物が極めて少なく、従って、
環化反応生成物の収率も極めて高い。
【0064】本発明方法によれば、触媒としてアルカリ
金属を、炭酸カリウム塩及び/又は水酸化カリウム微粉
末と随時二重結合を有する置換基を少なくとも含む芳香
族炭化水素の共存下で分散処理した触媒の存在下で、ア
ルキルベンゼンと共役ジオレフィンとを反応せしめるこ
とによって、高価で発火の危険性の大きい金属ナトウリ
ム―カリウム(Na―K:ナック)合金を直接使用する
ことなく、しかも、アルケニル化反応に高活性で選択性
が高く、従って目的物から分離することが困難でかつ煩
雑な、副生成物の生成を抑制し、高純度の目的物を高収
率で製造することが可能になった。
【0065】本発明で使用する触媒は触媒の調製や反応
後にナックのように分離に手間が掛ることなく、容易に
分離可能で、しかも、コストが安いという利点を有して
いる。
【0066】特に本発明においては、A成分、B成分お
よびC成分を分散処理した触媒を使用すると、C成分を
併用しない触媒と比較して、触媒の活性が一層安定化
し、高い収率で目的物が得られしかも目的物が高い濃度
で得られるという利点が達成できる。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。
【0068】なお、本発明はかかる実施例に限定される
ものではないことはいうまでもない。以下の実施例及び
比較例において、目的物の収率、純度は以下の定義に従
う。また、単に「部」とあるのは、重量部を意味する。
【0069】(収率及び純度)全反応混合物を常温で濾
過後、約500gをウイドマー精留塔で22mmHg(abs
)の減圧下で蒸留し、精留塔頂温度が75℃以下の留
分、75〜170℃の留分、及び残留物に分離した。そ
して75〜170℃の留分を、キシレンを1,3―ブタ
ジエンでアルケニル化したアルケニル化物として採取し
た。このアルケニル化物留分のサンプル中で占める割合
から全反応混合物のアルケニル化物の収量を計算した。
【0070】また、前記アルケニル化物の留分をガスク
ロマトグラフ法で分析し、5―(トリル)―ペンテン
(2)及び5―(トリル)ペンテン(1)の含有量(重
量%)を求め、目的物の収量を計算した。なお、該アル
ケニル化物留分中には、未反応のキシレンは0.1重量
%以下しか含有されていなかった。
【0071】アルキルベンゼンとしてキシレン類及びエ
チルベンゼンを用いた時の収率は下記の式で計算した。
なお、1,3―ブタジエン供給量は、反応した1,3―
ブタジエンの量ではなく、反応器内へ供給した1,3―
ブタジエンの量で示す。したがって、その一部は系外へ
流出しているものである。
【0072】
【数1】
【0073】
【実施例1】 (A)金属ナトリウムの微粒子分散液の調製 予め金属ナトリウムの存在下で加熱還流後、蒸留して、
更に、モレキュラーシーブで脱水した実質的に水分を含
まないo―キシレン500部に、乾燥高純度窒素(酸素
含有率1ppm以下、水分含有率0.1ppm以下)を
吹込み、溶存酸素を追い出し、除去したのち、金属ナト
リウム(純度99.9%)2.5部を入れ、上記窒素雰
囲気下110〜120℃で乳化分散機を用いて30分
間、乳化分散し、金属ナトリウムの乳化分散液を調製し
た。
【0074】(B)分散処理剤および分散液の調製 (B―1)炭酸カリウム塩および分散液の調製 市販の高純度炭酸カリウム塩(純度99.9%以上)を
200〜450℃で5時間焼成脱水し、冷却後、平均粒
度100μm以下に微粒子化した、高純度炭酸カリウム
塩(炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウ
ム、カリウム等)(純度99.9%以上)の100部
を、フラスコ中、窒素雰囲気において、200〜250
℃で更に乾燥し、これに上記脱水o―キシレン500部
を投入して、乳化分散機を用いて、30分間分散して、
炭酸カリウム塩の分散液とした。 (B―2)水酸化カリウム/アルミナ分散剤及びその分
散液の調製 試薬特級純度85%(残部15%は水)の水酸化カリウ
ム25部を水80部に溶解し、450℃で5時間焼成し
たアルミナ微粉末の80部を投入して、含浸、浸漬し、
100〜150℃で水を蒸発乾燥した後、400〜45
0℃で10時間焼成乾燥して、冷却後、平均粒度100
μmに微粒子化して、100部の水酸化カリウム20%
担持アルミナ分散剤を得た。これをフラスコ中窒素雰囲
気において、250℃で更に乾燥し、これに上記脱水o
―キシレン500部を投入して、乳化分散機を用いて、
30分間分散して、水酸化カリウム担持アルミナ分散液
とした。なお、本分散液は実施例8及び比較例7で用い
た。
【0075】(C)金属ナトリウム分散触媒の調製 上記(B―1)で調製した炭酸カリウム塩分散液に上記
(A)で調製した金属ナトリウムの微粒子分散液を高速
撹拌下に混合し、更に、芳香族炭化水素(C成分)とし
てスチレンを金属ナトリウム1モルに対して4.6モル
の割合で投入して、撹拌下に144℃まで加熱しその温
度で1時間加熱活性化処理を行なって触媒分散液とし
た。
【0076】(D)5―(o―トリル)ペンテンの合成
反応 上記(C)で調製した触媒分散液を、140〜145℃
で1時間撹拌処理した後、1,3―ブタジエンをo―キ
シレン1モルに対し0.1モルの割合で導入して反応せ
しめた。
【0077】反応終了後、速やかに100℃に冷却後、
100℃に保ったまま、撹拌を停止して、30分間静置
し、反応生成混合物を触媒と目的物液相とに分離した。
目的物の5―(o―トリル)ペンテンを22mmHg obs.
減圧下で蒸留して、5―(o―トリル)ペンテンの収率
及び純度を求めた結果を表1に示す。
【0078】
【実施例2〜8】触媒組成、芳香族炭化水素(C成
分)、反応温度、反応時間を種々変更させる他は実施例
1と同じ条件で行って得た結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【比較例1〜7】更に、芳香族炭化水素(C成分)を使
用しない条件下で、触媒組成、反応温度、反応時間を種
々変更した他は上記実施例1と同じ条件で反応を行った
結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】表1、表2からわかるように本発明方法に
よれば、触媒は湿式調製方法によっても活性化され、高
収率で高純度の5―(o―トリル)ペンテンが得られる
ことがわかる。
【0083】また、芳香族炭化水素(C成分)を使用し
た場合は、反応終了後の反応液中の5―o―トリルペン
テンの濃度が高く、反応系へフィードした1,3―ブタ
ジエンが系外へ流出することなく有効に反応し、5―ト
リルペンテンの生成に寄与していることがわかる。
【0084】
【実施例9〜15】実施例1においてo―キシレンのか
わりにp―キシレンを用いる他は実施例1と同様に、
1,3―ブタジエンによるアルケニル化反応を行った。
触媒の調製及び反応も実施例1と同様な条件、操作方法
で実施した。その結果を表3に示す。表3からわかるよ
うに本発明の方法によれば高収率で高純度の5―(p―
トリル)ペンテンが得られることがわかる。
【0085】
【表3】
【0086】
【実施例16】 (エチルベンゼンと1,3―ブタジエンとの反応による
5―(フェニル)―ヘキセンの合成)実施例1における
o―キシレンのかわりにエチルベンゼンを用いて1,3
―ブタジエンによるアルケニル化反応を行った。
【0087】反応混合物を処理し、目的物である5―フ
ェニル―ヘキセンを25mmHg abs.減圧条件で蒸留して
収率及び純度を求めた結果、純度98.7%、収率8
9.5%であった。
【0088】
【実施例17】金属ナトリウムの分散液、炭酸カリウム
の分散液及び芳香族炭化水素の側鎖に二重結合を有する
炭化水素化合物(C成分)として5―(o―トリル)ペ
ンテンを分散混合した触媒を実施例と同様な方法で調製
した。すなわち、原料o―キシレンの全量は1060
部、金属ナトリウムが1.5部、炭酸カリウムが3部、
5―(o―トリル)ペンテンが20部の割合で調製し、
140〜145℃で1時間、撹拌処理した。
【0089】その後、1,3―ブタジエンの54部を、
2時間かけて導入した。実施例1と同一条件の反応を4
回繰り返した結果を表4のA―1〜4として示す。
【0090】5―(o―トリル)ペンテンを添加しない
場合について同様な反応を行った結果も表4のB―1〜
4として示す。5―(o―トリル)ペンテンを添加しな
い場合は、添加した場合に比べ収率が悪い上にバラツキ
が大きいことがわかる。
【0091】なお、反応液中の目的物の濃度は重量%で
あり、反応前に添加してo―(5―トリル)―ペンテン
の量は差し引いた値である。
【0092】
【表4】
【0093】
【実施例18】本例は5―(o―トリル)―ペンテンの
環化反応及び脱水素反応、異性化反応により2,6―ジ
メチルナフタレンの合成を行う例である。
【0094】(A)5―(o―トリル)―ペンテンの環
化反応による1,5―ジメチルテトラリンの合成 実施例1で得られた純度99.0%の5―(o―トリ
ル)―ペンテンのトルエン10%溶液を用いて環化反応
を行った。触媒として固体リン酸を用い、反応温度15
0〜200℃で窒素雰囲気中で実施した結果、原料の転
化率100%、環化生成物である1,5―ジメチルテト
ラリンの生成選択率は95%以上であった。
【0095】(B)1,5―ジメチルテトラリンの脱水
素反応による1,5―ジメチルナフタレンの合成 上記(A)の方法で得られた1,5―ジメチルテトラリ
ンのトルエン10%溶液を用いて脱水素反応を行った。
脱水素触媒として0.3%Pt/Al2 3 触媒を用い
て水素雰囲気中で400℃で脱水素した結果、1,5―
ジメチルテトラリンの転化率100%で1,5―ジメチ
ルナフタレンの選択率97%で1,5―ジメチルナフタ
レンが得られた。
【0096】(C)1,5―ジメチルナフタレンの異性
化による2,6―ジメチルナフタレンの合成 上記(B)の方法で脱水素して得られた1,5―ジメチ
ルナフタレンを異性化して2,6―ジメチルナフタレン
を合成する実験を行った。
【0097】1,5―ジメチルナフタレンの10%トル
エン溶液を用いて、350〜400℃の温度でH型モル
デナイト30%を含むアルミナ分散触媒の存在下、窒素
雰囲気下で異性化反応を実施した結果、1,5―ジメチ
ルナフタレン10%、2,6―ジメチルナフタレン43
%、1,6―ジメチルナフタレン44%、その他のナフ
タレン化合物3%の組成の混合物が得られた。これを結
晶化分離した所、純度98%の2,6―ジメチルナフタ
レンの50%が回収された。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 5/31 5/367 13/48 8619−4H 15/24 8619−4H // C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数8以上のアルキルベンゼンと共役
    ジオレフィンとを反応させてアルケニルベンゼンを製造
    する方法において、該反応を、(a)アルカリ金属(A
    成分)と、(b)炭酸カリウム塩及び/又は水酸化カリ
    ウム(B成分)を(c)二重結合を有する置換基を少な
    くとも有する芳香族炭化水素(C成分)の存在下分散処
    理した触媒の存在下に実施することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該A成分が、ナトリウム金属である請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該B成分が、炭酸カリウム、炭酸水素カ
    リウムおよび炭酸ナトリウム・カリウムよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 該B成分が、平均粒径が約100μm以
    下の粒子である請求項1,2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 該C成分が、分子中に共役二重結合を有
    する芳香族炭化水素である請求項1,2,3又は4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 該分散処理を不活性溶媒中で実施する請
    求項1,2,3,4又は5記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の方法により得られたアル
    ケニルベンゼンを環化することからなるアルキルテトラ
    リンの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の方法により得られたアル
    キルテトラリンを脱水素することからなるアルキルナフ
    タレンの製造方法。
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