JP2911669B2 - アルケニルベンゼン及びその誘導体の製造方法 - Google Patents

アルケニルベンゼン及びその誘導体の製造方法

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms
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    • C07C2/72Addition to a non-aromatic carbon atom of hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルキルベンゼンとブタ
ジエンとを金属ナトリウムの存在下で反応せしめて、ア
ルケニルベンゼンを安全に効率よく、製造する方法に関
する。更に詳細には、例えばo―キシレンと1,3―ブ
タジエンとの反応によって得られるアルケニルベンゼン
である5―(o―トリル)―ペンテンは、それを環化し
てジメチルテトラリンとなし、これを脱水素してジメチ
ルナフタレンとし、次いで酸化することによって高分子
原料として有用なナフタレンジカルボン酸に転換できる
工業的価値の高い化合物であり、本発明はこのような有
用な原料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキルベンゼンと1,3―ブタ
ジエンとをアルカリ金属の存在下に反応せしめ、モノア
ルケニルベンゼンを製造する方法は知られている(米国
特許第3244758号明細書参照)。
【0003】しかしながら、上記方法は、高収率でモノ
アルケニルベンゼンを得ようとすれば、高価な金属カリ
ウムを多量に使用しなければならない欠点があった。ま
た、この問題を解決するために、アルキルベンゼンに
1,3―ブタジエンを吹き込んで反応させる際に、触媒
として金属カリウムと金属ナトリウムを併用すると高価
な金属カリウムの使用が少量で済む方法が提案された
(特公昭56―34570号公報、米国特許第3766
288号、米国特許第3953535号参照)。
【0004】更に金属カリウムを炭酸カリウム又はアル
ミナに担持して、固定床でo―キシレンとブタジエンの
反応を行わしめる、製造工程の改良を行った方法が提案
されている(米国特許第4,990,717号)。
【0005】しかしながら、これらの方法はいずれも金
属カリウムを直接使用するため、空気、酸素、水等に対
して反応性が強く、これらの化合物と接触するだけで発
火し、周辺の可燃物(石油類)との共存下では、きわめ
て危険である。
【0006】また英国特許1269280号(1972
年4月6日))には、ナトリウムと無水カリウム化合物
を触媒として使用する、オレフィンによる芳香族の側鎖
アルキル化反応において、ジエンが反応阻害作用を有す
る旨記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の課題
を解決し、高価で発火の危険性の大きい金属カリウムを
直接使用することなくアルケニルベンゼンを高収率で製
造することを目的とする。しかもアルケニル化反応に高
活性、高選択性の触媒の存在下で、アルキルベンゼンと
1,3―ブタジエンとを反応することにより、目的物か
ら分離することが困難でかつ煩雑な副生成物の生成を抑
制し、高純度の目的物、即ち、アルケニルベンゼンを高
収率で製造することを目的とするものである。更に該ア
ルケニルベンゼンを環化し、アルキルテトラリンを製造
する方法及び該アルキルテトラリンを脱水素しアルキル
ナフタレンを製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルキルベン
ゼンと1,3―ブタジエンとを触媒の存在下で反応せし
め、アルケニルベンゼンを製造するに当り、触媒とし
て、(a)金属ナトリウム、(b)炭酸カリウム及び
(c)あらかじめアルカリ処理した無機酸化物を分散熱
処理した触媒を使用し、かつ、酸素及び水が実質的に存
在しない環境下で、アルキルベンゼンと1,3―ブタジ
エンとを反応せしめることを特徴とするアルケニルベン
ゼン及びその誘導体の製造方法である。
【0009】すなわち、アルキルベンゼンと1,3―ブ
タジエンとを反応せしめ、アルケニルベンゼンを製造す
るに際し、酸素及び水分を実質的に存在せしめることな
く、かつ、触媒として、(a)金属ナトリウム、(b)
炭酸カリウム及び(c)あらかじめアルカリ処理した無
機酸化物を分散熱処理した担持触媒の存在下で、アルキ
ルベンゼンと1,3―ブタジエンとを反応せしめること
により、目的物から分離することが困難で、かつ煩雑な
副生成物の生成を抑制し、高純度のアルケニルベンゼン
を高収率で製造することを特徴とするアルケニルベンゼ
ン及びその誘導体の製造方法である。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0010】本発明方法で用いる原料のアルキルベンゼ
ンはベンゼン核に1〜2個のメチル基又はエチル基を持
つアルキルベンゼンであり、具体的な化合物としてはト
ルエン、エチルベンゼン、o―キシレン、m―キシレ
ン、p―キシレンがあげられる。これらのアルキルベン
ゼンは、それぞれ単品で使用することが好ましく、混合
物を使用すると反応生成物であるアルケニルベンゼン類
から目的物を純度よく分離することが困難になる。
【0011】例えばo―キシレンと1,3―ブタジエン
の反応においては、トルエンやp―キシレン、m―キシ
レン、エチルベンゼン等のアルキルベンゼンが不純物と
して混入すると目的物の純度を著しく低下させる要因と
なる。従って、o―キシレンの純度は95%以上、好ま
しくは98%以上のものが好ましい。ただし、ベンゼン
やシクロヘキサン等のアルキル基を有しない微量の炭化
水素の混入は差支えない。
【0012】同様にトルエン、エチルベンゼン、m―キ
シレン、p―キシレンを用いる場合においても、それぞ
れの単品の純度は95%以上、好ましくは98%以上の
ものが好ましく、ベンゼンやシクロヘキサン等のアルキ
ル基を有しない少量の炭化水素の混入は差支えない。
【0013】出発原料であるアルキルベンゼンは脱水し
て、反応に用いることが好ましい。脱水方法としては、
例えば適当な乾燥剤(例えば活性アルミナ、シリカゲ
ル、モレキュラーシーブス、活性炭等)による吸着分
離、深冷分離、あるいは金属ナトリウム、金属カリウム
と予め接触させて脱水する方法等がある。原料中の含水
量は、低ければ低い程好ましく、通常の含水量の測定法
であるカールフィッシャー法の測定感度以下、例えば数
ppm以下が特に好ましい。
【0014】本発明において、1,3―ブタジエンは、
如何なる方法で製造されたものでもよく、また1,3―
ブタジエンの純度は如何なるものであってもよい。例え
ばブタンまたはブテンの脱水素によって得られる粗ブタ
ジエンをそのまま用いることもできるし、また該粗ブタ
ジエンを抽出等の方法によって精製した1,3―ブタジ
エンであってもよい。また1,3―ブタジエンは、脱水
して反応に用いることが好ましい。脱水方法としては適
当な乾燥剤例えば活性アルミナ、シリカゲル、モレキュ
ラーシーブス、活性炭等による吸着分離あるいは深冷分
離等がある。1,3―ブタジエンなかの含水量は低けれ
ば低い程好ましく、数ppm以下が特に好ましい。
【0015】本発明において、アルキルベンゼンと1,
3―ブタジエンとの反応に用いられる触媒は、(a)金
属ナトリウム、(b)炭酸カリウム及び(c)あらかじ
めアルカリ処理した無機酸化物を混合分散した触媒であ
る。
【0016】好ましくは、(b)炭酸カリウムと(c)
あらかじめアルカリ処理した無機酸化物と混合分散した
無機組成物を作成しておき、さらに該組成物と(a)金
属ナトリウムとを分散熱処理することにより調製するこ
とができる。
【0017】金属ナトリウムの純度は、高いものほどよ
いが少量のカリウム、カルシウム、マグネシウムを含有
していてもさしつかえない。純度としては、90%以
上、できれば99.0%以上が好ましい。
【0018】無機酸化物のアルカリ処理に用いられるア
ルカリ処理剤としては、第I族アルカリ金属の水酸化
物、第II族アルカリ土類金属の水酸化物であり、それら
には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム等があげられるが、なかでも水酸化ナトリウムが
好ましい。
【0019】本発明の方法において、アルミナ等の無機
酸化物を例えば水酸化ナトリウムでアルカリ処理して焼
成脱水したアルミナ(無機酸化物)を使用すると、少量
の炭酸カリウムで高活性の触媒組成物が得られる。
【0020】(アルカリ処理無機酸化物の調製)アルカ
リ処理無機酸化物は、例えば、水酸化ナトリウムのフレ
ークス粉末あるいは水溶液と、アルミナ、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、ゼオライト、シリカ、アルミナ
等の無機酸化物とを混合あるいは浸漬、乾燥、焼成脱水
処理して調製される。焼成脱水処理は200℃以上、好
ましくは250〜500℃の温度で行われる。アルカリ
剤である水酸化物と、アルミナ等の上記無機酸化物との
割合は、重量比で0.1:99.9〜30:70の範囲
でよく、アルケニル化の反応性及びアルカリ処理の点か
らこの比は1:99〜20:80(重量比)の範囲が好
ましい。
【0021】また、このアルカリ処理方法としては、代
表的には、二つの方法があげられる。即ち、乾式法と湿
式法である。乾式法は水酸化物の粉末、ペレットとアル
ミナ等の上記固体酸化物とをよく混合粉砕して、130
〜150℃に加温し、この温度で撹拌して分散混合した
後、50〜500℃で焼成乾燥する。この方法は水酸化
物の量が5〜10重量%をこえる場合によく用いられる
が、水酸化物の量がそれ以下の場合は、均一分散の点か
ら好ましくない。従って、水酸化物の混合比が小さい場
合は湿式法が採用される。即ち、水酸化物が0.1〜1
0重量%に相当する適当量を水に溶解し、この水溶液に
アルミナ等の上記固体酸化物を投入して、浸漬、含浸し
た後100〜150℃で乾燥し、更に、250〜500
℃で2〜20時間焼成乾燥してアルカリ処理無機酸化物
を調製する。
【0022】(炭酸カリウム及びアルカリ処理無機酸化
物よりなる無機組成物の調製)本発明方法において、金
属ナトリウムの担体(分散処理剤)は、炭酸カリウム
と、あらかじめアルカリ水酸化物でアリカリ処理したア
ルミナ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ゼオライ
ト、シリカ、アルミナ等の無機酸化物とを混合分散し
て、好ましくは焼成脱水処理して調製される。
【0023】焼成脱水処理は200℃以上、好ましくは
250〜500℃の温度で行われる。炭酸カリウムと上
記アルカリ処理したアルミナ等の上記無機酸化物との割
合は、いかなる割合でもよく、通常は重量比で1:99
〜50:50の範囲でよい。触媒の活性及び担体の調製
等の観点からこの比は、2:98〜40:60(重量
比)の範囲が好ましい。炭酸カリウムの分散混合比がア
ルカリ水酸化物を担持したアルミナ等の無機酸化物に対
して1%未満の場合は触媒としての反応活性が小さくな
りまた50%を越えるとその効果が小さい。
【0024】(触媒の調製)本発明の方法は、(a)金
属ナトリウムと、(b)炭酸カリウム及び(c)アルカ
リ処理無機酸化物よりなる無機組成物とを分散加熱処理
した触媒を用いることが好ましい。(a)金属ナトリウ
ムと、上記炭酸カリウム及びアルカリ処理無機酸化物よ
りなる無機組成物との割合は触媒全重量に対して0.1
〜30重量%、好ましくは1.0〜20重量%である。
【0025】本発明方法において用いられる触媒の調製
は、金属ナトリウムを、上記炭酸カリウム及びアルカリ
処理したアルミナ等の無機酸化物よりなる無機組成物の
微粒子に、不活性ガス中で分散担持処理する方法がとら
れる。不活性ガスとしては窒素、水素、ヘリウム、アル
ゴン等が好ましい。
【0026】金属ナトリウムの分散熱処理は、不活性溶
媒中で分散担持する方法と、溶媒を使用しない、いわゆ
る乾式分散担持方法が採用される。本発明方法において
は、いずれの方法によって調製された触媒を用いること
ができる。分散熱処理する温度は100〜250℃好ま
しくは110〜200℃の範囲で行われる。
【0027】例えば、金属ナトリウム3重量%を、乾式
分散担持方法で分散担持する場合、金属ナトリウム3部
を担体となるアルカリ処理したアルミナ27部と110
〜170℃で窒素雰囲気中20〜60分高速撹拌した
後、更に、炭酸カリウム及びアルカリ処理アルミナより
なる無機組成物70部を追加して撹拌処理することによ
って均一な触媒が調製される。
【0028】また、例えば、不活性溶媒中で分散担持す
る方法では、金属ナトリウムの3重量%を分散担持する
場合に金属ナトリウム3部と担体となる上記炭酸カリウ
ムとアルミナ47部とを混合分散して溶媒o―キシレン
50部に同時に入れて、加圧下110〜160℃で高速
撹拌して分散担持せしめた後、o―キシレン950部に
炭酸カリウム担持アルミナ50部を投入して撹拌分散す
る方法で行うと良い。
【0029】ここに用いられる不活性溶媒としては、n
―オクタン、n―ノナン、デカン、ウンデカン、トデカ
ン、o―キシレン、m―キシレン等の炭素8〜20個か
らなる沸点100〜250℃好ましくは130〜200
℃の炭化水素があげらるが、なかでも、反応原料として
用いられるアルキルベンゼンを用いることが工業的に好
ましい。
【0030】このように均一分散担持処理した触媒は
1,3―ブタジエンを導入して反応する前にアルキルベ
ンゼンと触媒との混合物を100〜200℃で1〜5時
間、前処理して反応すると活性を向上させることができ
る。
【0031】本発明方法ではアルキルベンゼンと1,3
―ブタジエンとの反応は水分及び酸素を実質的に存在せ
しめないで行なう。従って、系外から反応系に導入され
る原料、即ちアルキルベンゼン及び1,3―ブタジエン
は、前述の如く脱水することが望ましい。更に、反応系
の空間部は酸素や水分を実質上存在せしめないために、
例えば乾燥窒素、乾燥アルゴン等の如き乾燥不活性ガス
で充たすか、あるいはアルキルベンゼンの沸点以上の加
圧反応条件では、空間部をアルキルベンゼン等の蒸気で
満たすことが望ましい。
【0032】本発明において反応は100℃〜200℃
の範囲の温度で行うことが好ましい。反応温度が100
℃以下では反応時間が長くなり200℃を越えると副反
応生成物が多くなり好ましくない。好ましい反応温度は
110〜180℃である。またアルキルベンゼンに対す
る1,3―ブタジエンの反応モル比は通常の条件内で適
当に選択できる。例えばアルキルベンゼン:1,3―ブ
タジエン=1:0.001〜0.5、好ましくは1:
0.01〜0.3、特に好ましくは1:0.05〜0.
2の範囲で実施し得る。
【0033】反応時間は、0.05〜10時間の範囲の
時間が採用される。反応時間は、触媒量(g―触媒/g
―アルキルベンゼン)、触媒組成(g―金属ナトリウム
/g―炭酸カリウム)、反応温度(℃)およびアルキル
ベンゼンと1,3―ブタジエンの比(g―アルキルベン
ゼン/g―1,3―ブタジエン)とそれぞれ関連があ
り、目的生成物の純度や触媒の使用様式、例えば循環使
用の有無等から適当な時間が採用される。一般には上記
要因の数値が減少すれば反応時間は長くなるが、好まし
い反応時間は0.2〜8時間、特に好ましくは0.3〜
4時間である。
【0034】反応は、最初から原料であるアルキルベン
ゼン、1,3―ブタジエンおよび触媒を同時に仕込み反
応させるバッチ反応、最初にアルキルベンゼンと触媒を
仕込み、次に1,3―ブタジエンを反応時間の経過と共
に定量導入するセミバッチ反応、反応器にアルキルベン
ゼン、1,3―ブタジエンおよび触媒を連続的に導入す
る連続反応のいずれの反応方式を採用してもよくまたそ
れらを適当に組み合わせたものでもよいが、セミバッチ
反応または、連続反応が好ましい。
【0035】連続反応には二つの形式が採用される。即
ち本発明の方法においては触媒が金属ナトリウムを、炭
酸カリウムを含有する無機組成物と分散処理した固体微
粉末触媒であるため触媒の固定床に連続的にアルキルベ
ンゼンを流し、アルキルベンゼン中に1,3―ブタジエ
ンを導入しながら連続反応を実施する方法と、触媒を反
応系中に分散撹拌下に反応を実施する方法がある。
【0036】連続反応形式では、管形反応器、塔形式の
反応器および槽形式の反応器のいずれの形式でもよい。
連続反応で好ましい方式は、複数個の反応区域を設け、
1,3―ブタジエンを各反応区域に定量導入する所謂十
字流形連続方式である。
【0037】反応操作は、触媒の存在下にアルキルベン
ゼンと1,3―ブタジエンとが十分触媒混合できればよ
く、特別な制約はないが、触媒の存在する反応系へ1,
3―ブタジエンを導入する導入方式は、1,3―ブタジ
エンの導入口付近に1,3―ブタジエンの重量物と推測
される樹脂状またはガム状物が付着して、閉塞現象を起
す傾向があるので、触媒の存在する反応系へ、1,3―
ブタジエンとアルキルベンゼンとの混合相、例えば液状
ブタジエンとアルキルベンゼンとの液相混合物、気体状
1,3―ブタジエンと液体状アルキルベンゼンとの気―
液混合物などの形態で、1,3―ブタジエンとアルキル
ベンゼンを導入する方式が好ましい。あるいは反応域空
間部に、1,3―ブタジエンを供給して、触媒の存在す
る反応液表面で吸収反応を行なわせることによって閉塞
現象を防止することもできる。またブタジエンの導入の
際にキャリアガスと共に吹き込むと同時に撹拌効果を増
加させることもできる。キャリアガスとしては酸素、水
分を除去した不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、水素
が適当である。
【0038】更に反応は、適当な撹拌を設けることによ
って、好ましく行なうことができるが、1,3―ブタジ
エンを気相で反応系に導入し、該ガスで撹拌効果をもた
せることもできる。撹拌は、触媒を反応系内に均一に分
散し、更に、反応原料と反応生成物とを均一に混合する
ために必要な強さであることが望ましい。液相分散反応
系で反応した場合、反応後、使用した触媒を反応生成物
系から分離するには、例えば遠心沈降、重力沈降等の公
知の手段、あるいは、より低い温度においての液―固相
からの固相の分離、例えば濾過、遠心分離等の公知の手
段を用いればよい。分離した触媒は反応系に循環再使用
することができる。
【0039】触媒が失活して触媒機能が失われた時、炭
酸カリウムを担持した担体の相は金属ナトリウムが失活
している。従って有機物付着のまま酸化焼成して、金属
ナトリウムと処理して再生し、再使用することができ
る。
【0040】触媒が失活して触媒機能が失われた時、炭
酸カリウムを担持した相は金属ナトリウムが失活してい
る、従って、有機物付着のまま、酸化焼成して、金属ナ
トリウムを適当量加えて、分散処理するか、または、金
属ナトリウムと炭酸カリウムを1:3〜1:10の割合
で追加して分散処理することにより再使用することがで
きる。
【0041】本発明方法によれば、トルエンと1,3―
ブタジエンの反応においては5―フェニル―ペンテンが
合成され、また、o―キシレンと1,3―ブタジエンの
反応では5―(o―トリル)―ペンテンが、p―キシレ
ンと1,3―ブタジエンの反応においては5―(p―ト
リル)―ペンテンが、m―キシレンと1,3―ブタジエ
ンの反応においては5―(m―トリル)ペンテンが、エ
チルベンゼンとブタジエンの反応においては5―(フェ
ニル)―ヘキセンがそれぞれ合成される。
【0042】本発明の目的生成物であるアルケニルベン
ゼンは前述の如く、環化反応させ、次いで脱水素するこ
とにより、医薬品や高分子材料の原料として有用な化合
物、即ち、モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタ
レンにすることができる。この場合、フェニル―ペンテ
ン、フェニル―ヘキセンやトリル―ペンテンを環化する
時のペンテンやヘキセンの純度が問題となる。
【0043】即ち、主目的物たるフェニル―ペンテン、
フェニル―ヘキセン、トリル―ペンテン類のいわゆるア
リールアルケンオレフィン性二重結合の位置が1又は2
の位置のものであるが、従来公知の方法ではオレフィン
性二重結合の位置の異なる異性体、例えばo―キシレン
とブタジエンの反応では5―(o―トリル)―ペンテン
―(1)、5―(o―トリル)―ペンテン―(2)、5
―(o―トリル)―ペンテン―(3)、5―(o―トリ
ル)―ペンテン―(4)等がかなりの量副生し、混入す
る。他のトルエン、エチルベンゼン、p―キシレン、m
―キシレンとブタジエンの反応で合成されるフェニルペ
ンテン、フェニルヘキセン、トリルペンテンにおいても
オレフィン性二重結合の位置の異なる異性体が副生し、
混合する。
【0044】これらの異性体のうちオレフィン性二重結
合が1又は2の位置にあるものは環化されてアルキルテ
トラリンに転化し得るが、他のものはアルキルテトラリ
ンに転化しないのみならず、目的物たるアルキルテトラ
リンと反応して高沸点生成物となり目的物の収率を低下
させる。しかも本発明方法の目的生成物のアルケニルベ
ンゼンから前記オレフィン性二重結合が4,5の位置に
ある異性体を除去することは極めて困難であって、例え
ばo―キシレンと1,3―ブタジエンとの反応混合物
(目的生成物は5―(o―トリル)―ペンテン―(2)
と5―(o―トリル)―ペンテン―(1)である)を粗
精留したものを理論段数50段の精留塔を用いて還流比
20で精留しても、前記異性体はほとんど分離できな
い。これに対し、本発明方法によって得られた反応物中
には、かかる分離困難な副反応物が極めて少なく、従っ
て環化反応生成物の収率も極めて高いという特長があ
る。
【0045】アルケニルベンゼンはそれ自体公知の方
法、すなわち硫酸、固体リン酸、シリカアルミナの如き
酸触媒と100〜250℃の温度で10秒〜10時間接
触させることにより環化してアルキルテトラリンとする
ことができる。
【0046】アルキルテトラリンは、それ自体公知の方
法、すなわち、アルミナ―クロミヤ、Pt/Al2 3
等の脱水素触媒と350〜450℃の温度で5秒〜10
時間接触させることにより脱水素されアルキルナフタレ
ンとすることができる。
【0047】アルキルナフタレンはそれ自体公知の方
法、すなわち、シリカ―アルミナ、ZSM―5,Y型ゼ
オライト、H型モルディナイト等の固体酸触媒と200
〜450℃の温度で5秒〜10時間触媒させることによ
り、異性化することができる。例えば1,5―ジメチル
ナフタレンを2,6―ジメチルナフタレンとすることが
できる。
【0048】本発明によればアルキルベンゼンから高分
子材料の原料として有用な化合物であるジメチルナフタ
レンを以下のように製造することが可能となる。
【0049】すなわち、例えばo―キシレンと1,3―
ブタジエンとを金属ナトリウムを炭酸カリウムを担持し
たアルカリ処理した固体酸化物担体と分散処理した触媒
により反応せしめ、5―(o―トリル―ペンテンを製造
し、次いで、該5―(o―トリル)―ペンテンをそれ自
体公知の方法で環化させしめ、1,5―ジメチルテトラ
リンを製造し、その後、該1,5―ジメチルナフタレン
を異性化して2,6―ジメチルナフタレンを製造するこ
とができる。
【0050】さらに該2,6―ジメチルナフタレンを酸
化することにより、ナフタレン―2,6―ジカルボン酸
を製造することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明方法によって得られた反応生成物
中には、分離困難な副反応物が極めて少なく、従って環
化反応生成物の収率も極めて高い。
【0052】本発明方法によれば、酸素と水分を実質的
に存在せしめないで、触媒として金属ナトリウム、炭酸
カリウム及びアルカリ処理した無機酸化物の微粉末と特
定割合で分散熱処理した触媒の存在下で、アルキルベン
ゼンと1,3―ブタジエンとを反応せしめることによっ
て、高価で発火の危険性の大きい金属ナトリウム―カリ
ウム(Na―K:ナック)合金を直接使用することな
く、しかもアルケニル化反応に高活性で選択性が高く、
従って目的物から分離することが困難でかつ煩雑な、副
生成物の生成を抑制し、高純度の目的物を高収率で製造
することが可能になった。本発明方法で使用する触媒は
触媒調整の際、ナックのように分離に手間がかかること
なく容易に分離可能でしかもコストが安いという利点を
有している。
【0053】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。な
お、本発明はかかる実施例に限定されるものではないこ
とはいうまでもない。以下の実施例および比較例におい
て、目的物の収率、純度は以下の定義に従う。また、単
に「部」とあるのは、重量部を意味する。
【0054】(収率および純度)全反応混合物を常温で
濾過後、約500gをウイドマー精留塔で22mmHg(ab
s)の減圧下で蒸留し、精留塔頂温度が75℃以下の留
分、75〜170℃の留分、および残留物に分離した。
そして75〜175℃の留分を、キシレンを1,3―ブ
タジエンでアルケニル化したアルケニル化物として採取
した。このアルケニル化物留分のサンプル中で占める割
合から全反応混合物中のアルケニル化物の収量を計算し
た。
【0055】また、前記アルケニル化物の留分をガスク
ロマトグラフ法で分析し、5―(トリル)―ペンテン
(2)および5―(トリル)ペンテン(1)の含有量
(重量%)を求め、目的物の収量を計算した。なお、該
アルケニル化物留分中には、未反応のキシレンは0.1
重量%以下しか含有されていなかった。
【0056】トルエンとブタジエンの反応物についても
同様に5―フェニルペンテン(1)および5―フェニル
―ペンテン(2)の含有量を求めて、目的物の収量を計
算した。
【0057】アルキルベンゼンとしてキシレン類及びエ
チルベンゼンを用いた時の収率は下記の式で計算した。
【0058】
【数1】
【0059】トルエンとブタジエンの反応物の計算は次
式で計算した。
【0060】
【数2】
【0061】
【実施例1】 (A)金属ナトリウムの微粒子分散液の調製 予め金属ナトリウムの存在下で加熱還流後、蒸留して更
にモレキュラシーブで脱水した実質的に水分を含まない
o―キシレン100部に、乾燥高純度窒素(酸素含有率
1ppm以下、水分含有率0.1ppm以下)を吹込、
溶存酸素を追い出し除去したのち、金属ナトリウム(純
度99.9%)3.0部を入れ、上記窒素雰囲気下11
0〜120℃で乳化分散機を用いて30分間、乳化分散
し、金属ナトリウムの乳化分散液を調製した。
【0062】(B)水酸化ナトリウム処理無機酸化物微
粒子の調製 5〜10部の水酸化ナトリウムを水80部に溶解し、4
50℃で5時間焼成した95〜90部のアルミナ粉末
(無機酸化物)を投入し、浸漬して100℃〜150℃
で水を蒸発乾燥した後、400〜450℃で10時間焼
成乾燥して、5〜10重量%水酸化ナトリウム処理アル
ミナ(無機酸化物)を得た。このアルミナ(無機酸化
物)を平均粒度100μmに微粒子化して微粉末を調製
した。
【0063】(C)炭酸カリウム及びアルカリ処理アル
ミナ(無機酸化物)からなる無機組成物の調製 平均粒子径100μm以下で450℃、5時間焼成乾燥
したK2 CO3 の5〜10部と、上記(B)で調製した
アルカリ処理アルミナ(無機酸化物)の95〜90部を
3000mlフラスコ中、窒素雰囲気下で混合分散させ3
00℃で乾燥し、これに上記の如く乾燥したo―キシレ
ン300部を投入して、乳化分散機を用いて30分間分
散して、炭酸カリウム/アルカリ処理アルミナ分散液と
した。
【0064】(D)金属ナトリウム/炭酸カリウム/ア
ルカリ処理アルミナ触媒の調製 上記炭酸カリウム/アルカリ処理アルミナ分散液300
部に、上記金属ナトリウムの微粒子分散液を高速撹拌下
に投入し、溶媒であるo―キシレンを150〜170℃
で蒸発留去して、窒素気流下に170℃で1時間撹拌処
理して金属ナトリウム分散処理触媒とした。
【0065】(E)5―(o―トリル)ペンテンの合成
反応 上記(D)で調製した触媒に上記の如く脱水精製したo
―キシレン2000部を窒素雰囲気中、撹拌下に投入し
140℃〜144℃で1時間撹拌処理した後、1,3―
ブタジエン102部を導入して、反応せしめた。
【0066】反応終了後、速やかに100℃に冷却後、
100℃に保ったまま、撹拌を停止して、30分間静置
し、反応生成混合物を触媒と目的物液相とに分離した。
目的物5―(o―トリル)ペンテンを22mmHg abs. 減
圧下で蒸留して、5―(p―トリル)ペンテンの収率お
よび純度を求めた。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【実施例2〜8及び比較例1〜13】更に実施例2〜8
及び比較例1〜13として触媒組成、量、反応温度、反
応時間を種々変更する他は上記実施例1と同じ条件で反
応を行なって得た結果を表1、表2及び表3に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】表1、表2及び表3からわかるように本発
明方法によれば高収率で高純度の5―(o―トリル)ペ
ンテンが得られることがわかる。
【0072】
【実施例9〜13及び比較例14〜15】実施例1にお
いてo―キシレンのかわりにp―キシレンを用いて、
1,3―ブタジエンによるアルケニル化反応を行った。
触媒の調製及び反応は実施例1と同様な条件、操作方法
で実施した。その結果を表4に示す。表4からわかるよ
うに本発明の方法によれば高収率で高純度の5―(p―
トリル)ペンテンが得られることがわかる。
【0073】
【表4】
【0074】
【実施例14】 (A)触媒の調製 本実施例においては金属ナトリウムを溶融して、炭酸カ
リウム30重量%担持した10重量%水酸化ナトリウム
処理したアルミナに、分散担持して調製した触媒を用い
た。即ち、炭酸カリウム30重量%を担持したアルミナ
を450℃5時間焼成して調製したアルミナ担体を平均
粒度100μm以下に微粒子化して、更に窒素雰囲気
下、200℃で乾燥した後、冷却した190部の担体に
金属ナトリウムの6部を加え、150℃で60分間高速
分散処理した後、130℃に冷却し脱水エチルベンゼン
1000部を加えて、135℃で60分間処理して触媒
を調製した。
【0075】(B)5―(フェニル)―ヘキセンの合成
反応 上記(A)で調製した触媒に実施例1の如く脱水精製し
たエチルベンゼン2000部を加え、135〜140℃
で1,3―ブタジエン150部を80分間かけて導入し
反応せしめた。反応終了後、速やかに80℃に冷却しそ
の温度に保ったまま撹拌を停止して30分間静置し、反
応生成物液を触媒と目的物液相に分離した。目的物であ
る5―フェニル―ヘキセンを25mmHg abs. 減圧条件で
蒸留して、収率及び純度を求めた結果、純度98.5
%、収率88.9%であった。
【0076】
【実施例15】実施例14の操作方法と同様な条件下で
調製した金属ナトリウム―炭酸カリ担持アルカリ処理ア
ルミナ分散処理触媒を用いて、反応温度105〜115
℃でトルエンと1,3―ブタジエンの反応を行った。そ
の結果86%収率で純度98.5%の5―フェニル―ペ
ンテンが得られた。
【0077】
【実施例16】本例は5―(o―トリル)―ペンテンの
環化反応及び脱水素反応、異性化反応により2,6―ジ
メチルナフタレンの合成を行う例である。
【0078】(A)5―(o―トリル)―ペンテンの環
化反応による1,5―ジメチルテトラリンの合成 実施例1で得られた純度99.0%の5―(o―トリ
ル)―ペンテンのトルエン10%溶液を用いて環化反応
を行った。触媒として固体リン酸を用い、反応温度15
0〜200℃で窒素雰囲気中で実施した結果、原料の転
化率100%、環化生成物である1,5―ジメチルテト
ラリンの生成選択率は95%以上であった。
【0079】(B)1,5―ジメチルテトラリンの脱水
素反応による1,5―ジメチルナフタレンの合成 上記(A)の方法で得られた1,5―ジメチルテトラリ
ンのトルエン10%溶液を用いて脱水素反応を行った。
脱水素触媒として0.3重量%Pt/Al23 触媒を
用いて水素雰囲気中で400℃で脱水素した結果、1,
5―ジメチルテトラリンの転化率99%で1,5―ジメ
チルナフタレンの選択率97%で1,5―ジメチルナフ
タレンが得られた。
【0080】(C)1,5―ジメチルナフタレンの異性
化による2,6―ジメチルナフタレンの合成 上記(B)の方法で脱水素して得られた1,5―ジメチ
ルナフタレンを異性化して2,6―ジメチルナフタレン
を合成する実験を行った。
【0081】1,5―ジメチルナフタレンの10%トル
エン溶液を用いて、350〜400℃の温度でH型モル
デナイト30%を含むアルミナ分散触媒の存在下、窒素
雰囲気下で異性化反応を実施した結果、1,5―ジメチ
ルナフタレン10%、2,6―ジメチルナフタレン43
%、1,6―ジメチルナフタレン44%、その他のナフ
タレン化合物3%の組成の混合物が得られた。これを結
晶化分離した所、純度98%の2,6―ジメチルナフタ
レンの50%が回収された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 13/48 C07C 13/48 15/24 15/24 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 隅谷 浩二 愛媛県松山市西垣生町2345番地 帝人株 式会社 松山事業所(南地区)内 (56)参考文献 特開 昭61−263643(JP,A) 特開 平2−138232(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 15/44 C07C 2/72 C07C 5/31 C07C 5/367 C07C 13/48 C07C 15/24

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルキルベンゼンと1,3―ブタジエンと
    を触媒の存在下で反応せしめ、アルケニルベンゼンを製
    造するに当り、(a)金属ナトリウム、(b)炭酸カリ
    ウム及び(c)あらかじめアルカリ処理した無機酸化物
    を分散熱処理した触媒を使用し、かつ、酸素及び水が実
    質的に存在しない環境下でアルキルベンゼンと1,3―
    ブタジエンとを反応せしめることを特徴とするアルケニ
    ルベンゼン及びその誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】(b)炭酸カリウムを(c)あらかじめア
    ルカリ処理した無機酸化物と混合分散した無機組成物
    と、(a)金属ナトリウムとを分散熱処理することを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】アルキルベンゼンが、トルエン、エチルベ
    ンゼン、o―キシレン、p―キシレン、m―キシレンの
    いずれか一種である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】アルミナ、珪酸マグネシウム、珪酸カルシ
    ウム、ゼオライト及びシリカ、アルミナから選ばれた少
    なくとも一種の無機酸化物をアルカリ処理したものを使
    用する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】アルカリ処理に使用されるアルカリが第I
    族アルカリ金属の水酸化物、第II族アルカリ土類金属の
    水酸化物である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】アルカリ処理に使用されるアルカリが水酸
    化ナトリウムである請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】アルカリ処理後に、200℃以上で乾燥処
    理を行う請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】分散熱処理を不活性ガス中で行う請求項1
    記載の方法。
  9. 【請求項9】不活性ガスが窒素、ヘリウム、アルゴン、
    水素から選ばれた少なくとも一種である請求項8記載の
    方法。
  10. 【請求項10】分散熱処理を100〜250℃で行う請
    求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】分散熱処理を不活性溶媒中で行う請求項
    1記載の方法。
  12. 【請求項12】不活性溶媒として、アルキルベンゼン及
    び/又は炭素数が8〜20からなり沸点100〜250
    ℃の、好ましくは150〜200℃のパラフィンを用い
    る請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の方法により得られたアル
    ケニルベンゼンを環化することからなるアルキルテトラ
    リンの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項13記載の方法により得られたア
    ルキルテトラリンを脱水素することからなるアルキルナ
    フタレンの製造方法。
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