JPH04225927A - アルケニルベンゼン及びその誘導体の製造方法 - Google Patents

アルケニルベンゼン及びその誘導体の製造方法

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JPH04225927A
JPH04225927A JP3119007A JP11900791A JPH04225927A JP H04225927 A JPH04225927 A JP H04225927A JP 3119007 A JP3119007 A JP 3119007A JP 11900791 A JP11900791 A JP 11900791A JP H04225927 A JPH04225927 A JP H04225927A
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JP
Japan
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reaction
butadiene
catalyst
alkylbenzene
xylene
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JP3119007A
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English (en)
Inventor
Keizo Shimada
島田 恵造
Koji Sumitani
隅谷 浩二
Seiji Ito
誠司 伊藤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルキルベンゼンとブタ
ジエンとをアルカリ金属の存在下で反応せしめて、アル
ケニルベンゼンを安全に効率よく製造する方法に関する
。更に詳細には、例えばo−キシレンと1,3−ブタジ
エンとの反応によって得られるアルケニルベンゼンであ
る5−(o−トリル)−ペンテンは、それを環化してジ
メチルテトラリンとなし、これを脱水素し、ジメチルナ
フタレンとし、次いで酸化することによって高分子原料
として有用なナフタレンジカルボン酸に転換できる工業
的価値の高い化合物であり、本発明はこのような有用な
原料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキルベンゼンと1,3−ブタ
ジエンとをアルカリ金属の存在下に反応せしめ、モノア
ルケニルベンゼンを製造する方法は知られている(米国
特許第3244758号明細書参照)。
【0003】しかしながら、上記方法は、高収率でモノ
アルケニルベンゼンを得ようとすれば、高価な金属カリ
ウムを多量に使用しなければならない欠点があった。ま
た、この問題を解決するために、アルキルベンゼンに1
,3−ブタジエンを吹き込んで反応させる際に、触媒と
して金属カリウムと金属ナトリウムを併用すると高価な
金属カリウムの使用が少量で済む方法が提案された(特
公昭56−34570号公報、米国特許第376628
8号、米国特許第3953535号参照)。
【0004】しかしながら、これらの方法はいずれも金
属カリウムを直接使用するため、空気,酸素,水等に対
して反応性が強く、これらの化合物と接触するだけで発
火し、火災安全上危険であり、特にナトリウム−カリウ
ム(Na−K:ナック)合金は酸素,水に対して活性が
高く、微量のO2 ,H2 O等と接触しても発火し、
周辺の可燃物(石油類)との共存下では、きわめて危険
である。
【0005】また英国特許1269280号(1972
年4月6日)には、ナトリウムと無水カリウム化合物を
触媒として使用する、オレフィンによる芳香族の側鎖ア
ルキル化反応において、ジエンが反応阻害作用を有する
旨記載されている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述の課題を解決し、高価で
発火の危険性の大きい金属カリウムを直接使用すること
なくアルケニルベンゼンを高収率で製造することを目的
とする。しかもアルケニル化反応に高活性,高選択性の
触媒の存在下で、アルキルベンゼンと1,3−ブタジエ
ンとを反応することにより、目的物から分離することが
困難でかつ煩雑な副生成物の生成を抑制し、高純度の目
的物、即ち、アルケニルベンゼンを高収率で製造するこ
とを目的とするものである。更に該アルケニルベンゼン
を環化し、アルキルテトラリンを製造する方法及び該ア
ルキルテトラリンを脱水素しアルキルナフタレンを製造
する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の構成】本発明は、アルキルベンゼンと1,3−
ブタジエンとを触媒の存在下で反応せしめ、アルケニル
ベンゼンを製造するに当り、触媒としてアルカリ金属を
無機カリウム塩と分散処理した触媒を使用し、かつ、酸
素及び水が実質的に存在しない環境下でアルキルベンゼ
ンと1,3−ブタジエンとを反応せしめることを特徴と
するアルケニルベンゼンの製造方法である。
【0008】すなわち、アルキルベンゼンと1,3−ブ
タジエンとを反応せしめ、アルケニルベンゼンを製造す
るに際し、酸素及び水分を実質的に存在せしめることな
く、かつ、触媒としてアルカリ金属を、高温焼成脱水乾
燥した無水の炭酸カリウムの微粉末と特定の割合で分散
処理した担持触媒の存在下でアルキルベンゼンと1,3
−ブタジエンとを反応せしめることにより、目的物から
分離することが困難でかつ煩雑な副生成物の生成を抑制
し、高純度のアルケニルベンゼンを高収率で製造するこ
とを特徴とするアルケニルベンゼンの製造方法である。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明方法で用いる原料のアルキルベンゼ
ンはベンゼン核に1〜2個のメチル基又はエチル基を持
つアルキルベンゼンであり、具体的な化合物としてはト
ルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン
、p−キシレンがあげられる。これらのアルキルベンゼ
ンは、それぞれ単品で使用することが好ましく、混合物
を使用すると反応生成物であるアルケニルベンゼン類か
ら目的物を純度よく分離することが困難になる。
【0010】例えばo−キシレンと1,3−ブタジエン
の反応においては、トルエンやp−キシレン,m−キシ
レン,エチルベンゼン等のアルキルベンゼンが不純物と
して混入すると目的物の純度を著しく低下させる要因と
なる。従って、o−キシレンの純度は95%以上、好ま
しくは98%以上のものが好ましい。ただし、ベンゼン
やシクロヘキサン等のアルキル基を有しない微量の炭化
水素の混入は差支えない。
【0011】同様にトルエン,エチルベンゼン,m−キ
シレン,p−キシレンを用いる場合においても、それぞ
れの単品の純度は95%以上、好ましくは98%以上の
ものが好ましく、ベンゼンやシクロヘキサン等のアルキ
ル基を有しない少量の炭化水素の混入は差支えない。
【0012】出発原料であるアルキルベンゼンは脱水し
て、反応に用いることが好ましい。脱水方法としては、
例えば適当な乾燥剤(例えば活性アルミナ,シリカゲル
,モレキュラーシーブス,活性炭等)による吸着分離、
深冷分離,あるいは金属ナトリウム,金属カリウムと予
め接触させて脱水する方法等がある。原料中の含水量は
、低ければ低い程好ましく、通常の含水量の測定法であ
るカールフィッシャー法の測定感度以下、例えば数pp
m 以下が特に好ましい。
【0013】本発明において、1,3−ブタジエンは、
如何なる方法で製造されたものでもよく、また1,3−
ブタジエンの純度は如何なるものであってもよい。例え
ばブタンまたはブテンの脱水素によって得られる粗ブタ
ジエンをそのまま用いることもできるし、また該粗ブタ
ジエンを抽出等の方法によって精製した1,3−ブタジ
エンであってもよい。また1,3−ブタジエンは、脱水
して反応に用いることが好ましい。脱水方法としては適
当な乾燥剤例えば活性アルミナ,シリカゲル,モレキュ
ラーシーブス,活性炭等による吸着分離あるいは深冷分
離等がある。1,3−ブタジエン中の含水量は、低けれ
ば低い程好ましく、数ppm 以下が特に好ましい。
【0014】本発明においてアルキルベンゼンと1,3
−ブタジエンとの反応に用いられる触媒は、アルカリ金
属を無機カリウム塩微粉末と分散処理した触媒である。
【0015】アルカリ金属は金属ナトリウムが好ましく
、その純度は高いものほどよいが微量のカルシウム,マ
グネシウムを含有していてもさしつかえない。純度とし
ては90%以上、できれば99.0%以上が好ましい。
【0016】分散剤として用いられる無機カリウム塩と
しては酸化カリウム,水酸化カリウム,炭酸カリウム,
塩化カリウムがあげられる。特に好ましいものは、炭酸
カリウム,塩化カリウムであり、またこの両者の混合物
が好ましい効果を出す場合もある。これらの炭酸カリウ
ム,塩化カリウムには、炭酸ナトリウム,塩化ナトリウ
ムを当量程度又はそれ以下含有してもさしつかえない。 この分散剤としての無機カリウム塩の平均粒径は100
μm以下が好ましく、特に10〜50μmが好ましい。 粒径の調製はふるい等ですることができる。
【0017】炭酸カリウム中の炭酸ナトリウム,塩化ナ
トリウムは場合によっては触媒の機能を向上させること
もある。炭酸カリウムを炭酸ナトリウムの混合物として
用いる場合、10:1〜1:10の重量比、好ましくは
10:1〜1:1の重量比で使用される。
【0018】アルカリ金属と分散剤の無機カリウム塩と
の割合はどのような割合で分散担持してもよいが、金属
ナトリウムの最終割合は重量にして0.1〜30%、好
ましくは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜10%
である。
【0019】使用される無機カリウム塩、例えばK2 
CO3 ,KCl,K2 CO3 −Na2 CO3 
,K2 CO3 −NaCl,K2 CO3−KCl等
は十分に乾燥しておく必要があり、また担体触媒として
活性を向上させるためには、200〜500℃の高温で
焼成乾燥することが好ましい。
【0020】本発明方法において用いられるアルカリ金
属と無機カリウム塩からなる担持触媒の調製は、例えば
、ナトリウム金属を無機カリウム塩の微粒子に分散担持
する方法がとられる。
【0021】その方法としては、不活性溶媒分散担持法
が好ましい。不活性溶媒分散担持法により、金属ナトリ
ウムが無機カリウム塩に対し0.1〜30重量%を均一
に調製するためにはマスターバッチ法,個別分散液を混
合する方法を採用するのが好ましい。即ち、例えば金属
ナトリウム3重量%を分散担持する場合に、金属ナトリ
ウム3部に分散剤となる炭酸カリウム97部を溶媒o−
キシレン1000部に同時に入れて110〜130℃で
高速攪拌する方法が採用されるが、あらかじめ適当な分
散比で分散させた分散液を作成しておき、それをさらに
溶媒中で炭酸カリウムにより分散させる方法を行うこと
もできる。また金属ナトリウム3部をo−キシレン30
0部で乳化分散した液と97部の炭酸カリウムをo−キ
シレン700部に分散した液を混合し分散担持する方法
を行うこともできる。金属ナトリウム3部と炭酸カリウ
ム47部をo−キシレン500部に乳化分散した液と炭
酸カリウム50部をo−キシレン500部に分散した液
を混合分散する方法を行うことができる。溶媒を用いな
い場合においてもマスターバッチ方法により分散担持を
実施し、さらに不活性溶媒分散担持法を行うことによっ
て均一で高活性,高選択に優れた触媒を調製することが
できる。不活性溶媒としては、反応原料として用いるア
ルキルベンゼンを用いることが工業的には好ましい。
【0022】このように均一分散担持した分散触媒は1
,3−ブタジエンを導入して反応する前にアルキルベン
ゼンと触媒との混合物を100〜200℃で1〜5時間
前処理して反応すると活性を向上させることができる。
【0023】本発明方法では、アルキルベンゼンと1,
3−ブタジエンとの反応は水分及び酸素を実質的に存在
せしめないで行なう。従って、系外から反応系に導入さ
れる原料即ちアルキルベンゼン及び1,3−ブタジエン
は、前述の如く脱水することが望ましい。更に、反応系
の空間部は酸素や水分を実質上存在せしめないために、
例えば乾燥窒素,乾燥アルゴン等の如き乾燥不活性ガス
で充たすか、あるいはアルキルベンゼンの沸点以上の加
圧反応条件では、空間部をアルキルベンゼン等の蒸気で
満たすことが望ましい。
【0024】本発明において反応は50〜200℃の範
囲の温度で行うことが好ましい。反応温度が50℃以下
では反応時間が長くなり200℃を越えると副反応生成
物が多くなり好ましくない。好ましい反応温度は80〜
180℃である。またアルキルベンゼンに対する1,3
−ブタジエンの反応モル比は通常の条件内で適当に選択
できる。例えばアルキルベンゼン:1,3−ブタジエン
=1:0.001〜0.5、好ましくは1:0.01〜
0.3、特に好ましくは1:0.05〜0.2の範囲で
実施し得る。
【0025】反応時間は、0.05〜10時間の範囲の
時間が採用される。反応時間は、触媒量(g−触媒/g
−アルキルベンゼン)、触媒組成(g−ナトリウム/g
−無機カリウム塩)、反応温度(℃)およびアルキルベ
ンゼンと1,3−ブタジエンの比(g−アルキルベンゼ
ン/g−1,3−ブタジエン)とそれぞれ関連があり、
目的生成物の純度や触媒の使用様式、例えば循環使用の
有無等から適当な時間が採用される。一般には上記要因
の数値が減少すれば反応時間は長くなるが、好ましい反
応時間は0.2〜8時間、特に好ましくは0.3〜4時
間である。
【0026】反応は、最初から原料であるアルキルベン
ゼン,1,3−ブタジエンおよび触媒を同時に仕込み反
応させるバッチ反応、最初にアルキルベンゼンと触媒を
仕込み、次に1,3−ブタジエンを反応時間の経過と共
に定量導入するセミバッチ反応、反応器にアルキルベン
ゼン,1,3−ブタジエンおよび触媒を連続的に導入す
る連続反応のいずれの反応方式を採用してもよくまたそ
れらを適当に組み合わせたものでもよいが、セミバッチ
反応または、連続反応が好ましい。
【0027】連続反応には二つの形式が採用される。即
ち本発明の方法においては触媒が金属ナトリウムを無機
カリウム塩に分散処理した固体微粉末触媒であるため触
媒の固定床に連続的にアルキルベンゼンを流し、アルキ
ルベンゼン中に1,3−ブタジエンを導入しながら連続
反応を実施する方法と、触媒を反応系中に分散攪拌下に
反応を実施する方法がある。
【0028】連続反応形式では、管形反応器、塔形式の
反応器および槽形式の反応器のいずれの形式でもよい。 連続反応で好ましい方式は、複数個の反応区域を設け、
1,3−ブタジエンを各反応区域に定量導入する所謂十
字流形連続反応方式である。
【0029】反応操作は、触媒の存在下にアルキルベン
ゼンと1,3−ブタジエンとが十分接触混合できればよ
く、特別な制約はないが、触媒の存在する反応系へ1,
3−ブタジエンを導入する導入方式は、1,3−ブタジ
エンの導入口付近に1,3−ブタジエンの重合物と推測
される樹脂状またはガム状物が付着して、閉塞現象を起
す傾向があるので、触媒の存在する反応系へ、1,3−
ブタジエンとアルキルベンゼンとの混合相、例えば液状
ブタジエンとアルキルベンゼンとの液相混合物、気体状
1,3−ブタジエンと液体状アルキルベンゼンとの気−
液混合物などの形態で、1,3−ブタジエンとアルキル
ベンゼンを導入する方式が好ましい。あるいは反応域空
間部に、1,3−ブタジエンを供給して、触媒の存在す
る反応液表面で吸収反応を行なわせることによって閉塞
現象を防止することもできる。またブタジエンの導入の
際にキャリアガスと共に吹き込むと同時に攪拌効果を増
加させることもできる。キャリアガスとしては酸素,水
分を除去した不活性ガス、例えば窒素,アルゴン,水素
が適当である。
【0030】更に反応は、適当な攪拌を設けることによ
って、好ましく行なうことができるが、1,3−ブタジ
エンを気相で反応系に導入し、該ガスで攪拌効果をもた
せることもできる。攪拌は、触媒を反応系内に均一に分
散し、更に、反応原料と反応生成物とを均一に混合する
ために必要な強さであることが望ましい。液相分散反応
系で反応した場合、反応後、使用した触媒を反応生成物
系から分離するには、例えば遠心沈降,重力沈降等の公
知の手段、あるいは、より低い温度においての液−固相
からの固相の分離、例えば濾過,遠心分離等の公知の手
段を用いればよい。分離した触媒は反応系に循環再使用
することができる。
【0031】触媒が失活して触媒機能が失われた時、炭
酸カリウム,塩化カリウムの相は金属ナトリウムが失活
しており、一部水酸化物になって作用している。従って
有機物付着のまま酸化焼成して、炭酸塩に転換されるこ
とによって再生し、再使用することができる。
【0032】本発明方法によれば、トルエンと1,3−
ブタジエンの反応においては5−フェニル−ペンテンが
合成され、また、o−キシレンと1,3−ブタジエンの
反応では5−(o−トリル)−ペンテンが、p−キシレ
ンと1,3−ブタジエンの反応においては5−(p−ト
リル)−ペンテンが、m−キシレンと1,3−ブタジエ
ンの反応においては5−(m−トリル)ペンテンが、エ
チルベンゼンとブタジエンの反応においては5−(フェ
ニル)−ヘキセンがそれぞれ合成される。
【0033】本発明の目的生成物であるアルケニルベン
ゼンは前述の如く、環化反応させ、次いで脱水素するこ
とにより、医薬品や高分子材料の原料として有用な化合
物、即ち、モノアルキルナフタレン,ジアルキルナフタ
レンにすることができる。この場合、フェニル−ペンテ
ン,フェニル−ヘキセンやトリル−ペンテンを環化する
時のペンテンやヘキセンの純度が問題となる。即ち、主
目的物たるフェニル−ペンテン,フェニル−ヘキセン,
トリル−ペンテン類のいわゆるアリールアルケンオレフ
ィン性二重結合の位置が1又は2の位置のものであるが
、従来公知の方法ではオレフィン性二重結合の位置の異
なる異性体、例えばo−キシレンとブタジエンの反応で
は5−(o−トリル)−ペンテン−(1),5−(o−
トリル)−ペンテン−(2),5−(o−トリル)−ペ
ンテン−(3),5−(o−トリル)−ペンテン−(4
)等がかなりの量副生し、混入する。他のトルエン,エ
チルベンゼン,p−キシレン,m−キシレンとブタジエ
ンの反応で合成されるフェニルペンテン,フェニルヘキ
セン,トリルペンテンにおいてもオレフィン性二重結合
の位置の異なる異性体が副生し、混合する。これらの異
性体のうちオレフィン性二重結合が1又は2の位置にあ
るものは環化されてアルキルテトラリンに転化し得るが
、他のものはアルキルテトラリンに転化しないのみなら
ず、目的物たるアルキルテトラリンと反応して高沸点生
成物となり目的物の収率を低下させる。しかも本発明方
法の目的生成物のアルケニルベンゼンから前記オレフィ
ン性二重結合が3,4,5の位置にある異性体を除去す
ることは極めて困難であって、例えばo−キシレンと1
,3−ブタジエンとの反応混合物(目的生成物は5−(
o−トリル)−ペンテン−(2)と5−(o−トリル)
−ペンテン−(1)である)を粗蒸留したものを理論段
数50段の精留塔を用いて還流比20で精留しても、前
記異性体はほとんど分離できない。これに対し、本発明
方法によって得られた反応物中には、かかる分離困難な
副反応物が極めて少なく、従って環化反応生成物の収率
も極めて高いという特長がある。
【0034】アルケニルベンゼンはそれ自体公知の方法
、すなわち硫酸,固体リン酸,シリカアルミナの如き酸
触媒と100〜250℃の温度で10秒〜10時間接触
させることにより環化してアルキルテトラリンとするこ
とができる。
【0035】アルキルテトラリンは、それ自体公知の方
法、すなわち、アルミナ−クロミヤ,Pt/Al2 O
3 等の脱水素触媒と350〜450℃の温度で5秒〜
10分間接触させることにより脱水素されアルキルナフ
タレンとすることができる。
【0036】アルキルナフタレンはそれ自体公知の方法
、すなわち、シリカ−アルミナ,ZSM−5,Y型ゼオ
ライト,H型モルディナイト等の固体酸触媒と200〜
450℃の温度で5秒〜10時間接触させることにより
、異性化することができる。例えば1,5−ジメチルナ
フタレンを2,6−ジメチルナフタレンとすることがで
きる。
【0037】本発明によればアルキルベンゼンから高分
子材料の原料として有用な化合物であるジメチルナフタ
レンを以下のように製造することが可能となる。
【0038】すなわち、o−キシレンと1,3−ブタジ
エンとをアルカリ金属を無機カリウム塩と分散処理した
触媒により反応せしめ、5−(o−トリル)−ペンテン
を製造し、次いで、該5−(o−トリル)−ペンテンを
それ自体公知の方法で環化せしめ、1,5−ジメチルテ
トラリンを製造し、その後、該1,5−ジメチルテトラ
リンをそれ自体公知の方法で脱水素し、1,5−ジメチ
ルナフタレンを製造し、その後、該1,5−ジメチルナ
フタレンを異性化して2,6−ジメチルナフタレンを製
造することができる。
【0039】さらに該2,6−ジメチルナフタレンを酸
化することにより、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸
を製造することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明方法によって得られた反応生成物
中には、分離困難な副反応物が極めて少なく、従って環
化反応生成物の収率も極めて高い。
【0041】本発明方法によれば、酸素と水分を実質的
に存在せしめないで、触媒として金属ナトリウムを、高
温焼成して脱水した無機カリウム塩の微粉末と特定割合
で分散処理した触媒の存在下で、アルキルベンゼンと1
,3−ブタジエンとを反応せしめることによって、高価
で発火の危険性の大きい金属ナトリウム−カリウム(N
a−K:ナック)合金を直接使用することなく、しかも
アルケニル化反応に高活性で高選択性が高く、従って目
的物から分離することが困難でかつ煩雑な、副生成物の
生成を抑制し、高純度の目的物を高収率で製造すること
が可能になった。  本発明方法で使用する触媒は触媒
調整の際、ナックのように分離に手間がかかることなく
容易に分離可能でしかもコストが安いという利点を有し
ている。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。
【0043】なお、本発明はかかる実施例に限定される
ものではないことはいうまでもない。以下の実施例およ
び比較例において、目的物の収率,純度は以下の定義に
従う。また、単に「部」とあるのは、重量部を意味する
【0044】(収率および純度)全反応混合物を常温で
濾過後、約500gをウイドマー精留塔で22mmHg
(abs)の減圧下で蒸留し、精留塔頂温度が75℃以
下の留分、75〜170℃の留分、および残留物に分離
した。そして75〜175℃の留分を、キシレンを1,
3−ブタジエンでアルケニル化したアルケニル化物とし
て採取した。このアルケニル化物留分のサンプル中で占
める割合から全反応混合物中のアルケニル化物の収量を
計算した。
【0045】また、前記アルケニル化物の留分をガスク
ロマトグラフ法で分析し、5−(トリル)−ペンテン(
2)および5−(トリル)ペンテン(1)の含有量(重
量%)を求め、目的物の収量を計算した。なお、該アル
ケニル化物留分中には、未反応のキシレンは0.1重量
%以下しか含有されていなかった。
【0046】トルエンとブタジエンの反応物についても
同様に5−フェニルペンテン(1)及び5−フェニル−
ペンテン(2)の含有量を求めて、目的物の収量を計算
した。
【0047】アルキルベンゼンとしてキシレン類及びエ
チルベンゼンを用いた時の収率は下記の式で計算した。
【0048】
【数1】 トルエンとブタジエンの反応物の計算は次式で計算した
【0049】
【数2】
【0050】
【実施例1】(A)金属ナトリウムの微粒子分散液の調
製 予め金属ナトリウムの存在下で加熱還流後、蒸留して更
にモレキュラシーブで脱水した実質的に水分を含まない
o−キシレン1000部に、乾燥高純度窒素(酸素含有
率1ppm 以下、水分含有率0.1ppm 以下)を
吹込、溶存酸素を追い出し除去したのち、金属ナトリウ
ム(純度99.95%)9.0部を入れ、上記窒素雰囲
気下110〜120℃で乳化分散機を用いて30分間、
乳化分散し、金属ナトリウムの乳化分散液を調製した。
【0051】一方、高純度炭酸カリウム(純度99.9
5%以上)300部を200〜400℃で2時間焼成脱
水し、冷却後、平均粒度45μmに微粒子化して、上記
高純度窒素雰囲気下、上記脱水o−キシレン1000部
中に投入し、乳化分散機を用いて10分間分散した炭酸
カリウム分散液とした。
【0052】(B)金属ナトリウム−炭酸カリウム混合
分散液の調製 上記金属ナトリウムの微粒子分散液を高速攪拌下、上記
炭酸カリウムの分散液を投入し、140℃まで加熱し1
40℃で1時間加熱処理して触媒分散液とした。
【0053】(C)5−(o−トリル)ペンテンの合成
反応 上記(B)で調製した触媒調製液に上記の如く脱水精製
したo−キシレン2000部を窒素雰囲気中、攪拌下に
投入し(o−キシレンの合計4000部)140〜15
0℃で1時間、攪拌処理した後、1,3−ブタジエン2
00部を2.5時間かけて導入して反応せしめた。
【0054】反応終了後、速やかに110℃に冷却後、
110℃に保ったまま攪拌を停止して30分間静置し、
反応生成物液を触媒と目的物液相とに分離した。目的物
5−(o−トリル)ペンテンを22mmHg abs減
圧条件で蒸留して、5−(o−トリル)ペンテンの収率
および純度を求めた。結果を表1に示す。
【0055】
【実施例2〜8、比較例1〜5】更に実施例2〜8およ
び比較例1〜5として触媒の組成,割合,量,反応温度
,反応時間を種々変更する他は上記実施例1と同じ条件
で反応を行なって得た結果を次の表1及び表2に示す。
【0056】表1からわかるように本発明方法によれば
高収率で高純度の5−(o−トリル)ペンテンが得られ
ることがわかる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【実施例9〜16及び比較例6〜9】実施例1において
o−キシレンのかわりにp−キシレンを用いて、1,3
−ブタジエンによるアルケニル化反応を行った。
【0060】触媒の調製及び反応は実施例1と同様な条
件,操作方法で実施した。
【0061】その結果を表3及び表4に示す。
【0062】表3及び表4からわかるように本発明の方
法によれば高収率で高純度の5−(p−トリル)ペンテ
ンが得られることがわかる。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【実施例17】(A)触媒の調製 本実施例においては、金属ナトリウムを溶融して固体微
粒子炭酸カリウムに担持し、さらにエチルベンゼンで分
散処理した触媒を用いた。すなわち、高純度炭酸カリウ
ム(純度99.9%)400部(重量)を400〜50
0℃で5時間焼成脱水し、冷却後、平均粒度45μmに
微粒子化して、金属ナトリウム15部を加え高純度窒素
雰囲気下、110℃で60分間分散処理した後、更にエ
チルベンゼンの存在下130℃で60分間処理して触媒
を調製した。
【0066】(B)5−(フェニル)−ヘキセンの合成
反応 上記(A)で調製した触媒に実施例1の如く脱水精製し
たエチレンベンゼン4000部を加え135〜145℃
で1,3−ブタジエン205部を2.5時間かけて導入
し反応せしめた。
【0067】反応終了後、速やかに80℃に冷却後、そ
の温度に保ったまま攪拌を停止して30分間静置し、反
応生成物液を触媒と目的物液相として分離した。目的物
5−フェニル−ヘキセンを25mmHg abs減圧条
件で蒸留して、収率及び純度を求めた結果、純度98.
5%で収率88.5%であった。
【0068】
【比較例10】また、比較のため、金属ナトリウムを溶
融して、固体微粒子炭酸カリウムに担持させただけの触
媒を用いて同様の反応を行った。すなわち、高純度炭酸
カリウム(純度99.9%)400部(重量)を400
〜500℃で5時間焼成脱水し、冷却後、粒径約300
〜500μmに微粒子化して、金属ナトリウム15部を
加え高純度窒素雰囲気下、110℃で60分間分散処理
した触媒を使用し、実施例17と同様に反応を行ったと
ころ、目的物の収率は70%であった。
【0069】
【実施例18】実施例17の操作方法と同様な条件下で
調製した金属ナトリウム−炭酸カリウム分散処理触媒を
用いて、反応温度130〜145℃でトルエンと1,3
−ブタジエンの反応を行った。
【0070】その結果85%収率で純度98.5%の5
−フェニル−ペンテンが得られた。
【0071】
【実施例19】本例は5−(o−トリル)−ペンテンの
環化反応及び脱水素反応、異性化反応により2,6−ジ
メチルナフタレンの合成を行う例である。
【0072】(A)5−(o−トリル)−ペンテンの環
化反応による1,5−ジメチルテトラリンの合成実施例
1で得られた純度99.0%の5−(o−トリル)−ペ
ンテンのトルエン10%溶液を用いて環化反応を行った
。触媒として固体リン酸を用い、反応温度150〜20
0℃で窒素雰囲気中で実施した結果、原料の転化率10
0%、環化生成物である1,5−ジメチルテトラリンの
生成選択率は95%以上であった。
【0073】(B)1,5−ジメチルテトラリンの脱水
素反応による1,5−ジメチルナフタレンの合成上記(
A)の方法で得られた1,5−ジメチルテトラリンのト
ルエン10%溶液を用いて脱水素反応を行った。 脱水素触媒として0.3%Pt/Al2 O3 触媒を
用いて水素雰囲気中で400℃で脱水素した結果、1,
5−ジメチルテトラリンの転化率99%で1,5−ジメ
チルナフタレンの選択率97%で1,5−ジメチルナフ
タレンが得られた。
【0074】(C)1,5−ジメチルナフタレンの異性
化による2,6−ジメチルナフタレンの合成上記(B)
の方法で脱水素して得られた1,5−ジメチルナフタレ
ンを異性化して2,6−ジメチルナフタレンを合成する
実験を行った。
【0075】1,5−ジメチルナフタレンの10%トル
エン溶液を用いて、350〜400℃の温度でH型モル
デナイト30%を含むアルミナ分散触媒の存在下、窒素
雰囲気下で異性化反応を実施した結果、1,5−ジメチ
ルナフタレン10%、2,6−ジメチルナフタレン43
%、1,6−ジメチルナフタレン44%、その他のナフ
タレン化合物3%の組成の混合物が得られた。これを結
晶化分離した所、純度98%の2,6−ジメチルナフタ
レンの50%が回収された。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  アルキルベンゼンと1,3−ブタジエ
    ンとを触媒の存在下で反応せしめ、アルケニルベンゼン
    を製造するにあたり、触媒として、アルカリ金属を無機
    カリウム塩と分散処理した触媒を使用し、かつ、酸素及
    び水が実質的に存在しない環境下でアルキルベンゼンと
    1,3−ブタジエンとを反応せしめることを特徴とする
    アルケニルベンゼンの製造方法。
  2. 【請求項2】  アルキルベンゼンがトルエン,エチル
    ベンゼン,o−キシレン,p−キシレン,m−キシレン
    のいずれか1種である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】  アルカリ金属がナトリウムである請求
    項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】  無機カリウム塩が炭酸カリウム又は塩
    化カリウムである請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】  分散処理を不活性溶媒分散担持法によ
    り行う請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】  不活性溶媒としてアルキルベンゼンを
    用いる請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】  請求項1記載の方法により得られたア
    ルケニルベンゼンを環化することからなるアルキルテト
    ラリンの製造方法。
  8. 【請求項8】  請求項7記載の方法により得られたア
    ルキルテトラリンを脱水素することからなるアルキルナ
    フタレンの製造方法。
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