JP2887011B2 - 接触的アルケニルベンゼン環化 - Google Patents

接触的アルケニルベンゼン環化

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルケニルベンゼンをそ
の相当するジアルキルテトラヒドロナフタレンに環化す
るための接触的方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアルキルナフタレン、例えば2,6−
ジメチルナフタレンはその相当するナフタレンジカルボ
ン酸への酸化のための望ましい出発物質である。このよ
うな酸は各種のポリマーの製造のために有用なモノマー
である。例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸をエ
チレングリコールと共に重合した場合、ポリエチレンテ
レフタレートよりも良好な耐熱性および機械的性質を有
し、フィルム、繊維などを製造するために使用されうる
ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)が生成する。
【0003】石油または石炭から誘導された製油所スト
リーム中に、ジメチルナフタレンは分離するのが困難で
費用のかかる異性体混合物として存在する。したがっ
て、特定のジメチルナフタレンを単独で、あるいは他の
1種または2種の特定の異性体との混合物として製造す
るための技術が切望されている。1つの有望な方法とし
て、1種以上のアルケニルベンゼンをその相当するジア
ルキルテトラリン、すなわちジアルキルテトラヒドロナ
フタレンに接触環化し、次いでこれをその相当するジア
ルキルナフタレンに脱水素化することが挙げられる。こ
のようなジアルキルナフタレンの混合物、例えば1,6
−、1,5−および/または2,6−ジメチルナフタレン
の混合物または三体(triad)は次に異性化して単独の
生成物例えば2,6−ジメチルナフタレンとすることが
できる。このような環化、脱水素化および異性化の工程
シーケンスは例えばSikkengaらの1989年2月27日
出願の同時係属米国特許出願第316,308号に開示されて
いる。
【0004】従来、このような方法においてアルケニル
ベンゼンの環化に使用される触媒は通常、単位格子寸法
(unit cell size)が約24.2〜約24.7Åであり、
SiO2とAl23のモル比が約4:1〜約6:1であ
りそしてナトリウム含量がゼオライトの重量に基づき元
素状ナトリウムとして計算して約0.05〜約3.5重量
%である酸性で超安定な水素型のY−型ゼオライト触媒
である。しかしながら、今般、同様のタイプの低酸性触
媒、すなわち実質的にSiO2とAl23のモル比が高
く、かつNa2O含量が低いものが高収率で高選択性と
いう予想外に改良されたアルケニルベンゼンの環化をも
たらすことが見い出された。
【0005】
【発明の概要】本発明によれば、比較的高収率でアルケ
ニルベンゼンをその相当するジメチルテトラヒドロナフ
タレンに接触環化するための改良された方法が提供され
る。
【0006】本発明の方法においては、実質的に吸収水
を含まず、かつブレンステッド酸性度を示すが、単位格
子寸法(unit cell size)が約24.3Å以下であり、
そしてナトリウム含量が結晶性ゼオライトの重量に基づ
き元素状ナトリウムとして計算して約0.4重量%より
多くないか、またはNa2OとAl23のバルクモル比
が約0.001:1〜約1:1である比較的酸性度が低
く、超安定な結晶性ゼオライトY触媒が使用される。
【0007】このような触媒のSiO2/Al23バル
クモル比は少なくとも約12、好ましくは少なくとも約
30である。
【0008】本発明の方法は、約120℃〜約350℃
の範囲の温度および環化の間反応物を実質的に液体状態
に維持するのに十分な圧力を維持しながら、約0.1重
量%よりも多くない水を含む液状のアルケニルベンゼン
供給ストリームをこのような触媒と接触させることによ
り実施される。
【0009】本発明の他の種々の特徴、利点、目的、意
図、態様などは本明細書全体から当業者に理解されよ
う。
【0010】
【好ましい態様の詳細な説明】本発明によれば、式
【化4】 (式中、R1は水素、メチルおよびエチルから成る群の
1員であり、R2は水素およびメチルから成る群の1員
であり、そしてYは−CH=CH−CH3および−CH2
−CH=CH2から成る群のアルケニル基である)を有
するアルケニルベンゼンの環化方法が提供される。本発
明の方法には、液状で水の含量が約0.1重量%より多
くないアルケニルベンゼンを比較的酸性度が低く、超安
定な水素型の結晶性アルミノケイ酸塩ゼオライトYであ
る固体で粒状の環化触媒、すなわち立方晶系のホージャ
サイト結晶構造を有するモレキュラーシーブと接触させ
ることが含まれる。本発明に使用されるゼオライトY触
媒は、シリカ/アルミナ バルクモル比が少なくとも約
12であり、単位格子寸法が約24.3Åよりも大きく
なく、そしてナトリウム含量がゼオライトの重量に基づ
き元素状ナトリウムとして計算して約0.4重量%より
も多くなく、好ましくは約0.25重量%よりも多くな
いものであるか、または酸化ナトリウム/アルミナ バ
ルクモル比が約0.001:1〜約1:1の範囲内のも
のである。アルケニルベンゼンの環化は液相中、約12
0℃〜約350℃の範囲の温度において、好ましくは還
流条件下で行われる。反応圧は反応物および反応生成物
が環化進行中液相に維持されるように選択される。アル
ケニルベンゼンとの触媒接触時間は変えることができる
が、アルケニルベンゼンから誘導されたジアルキルテト
ラヒドロナフタレンを多く含んだ液状生成物を生成する
のに十分なものである。
【0011】本発明の実施のために有用なゼオライトに
関して本明細書で使用される「比較的酸性度が低い」な
る用語は望ましくない多量の副生成物を生じさせること
なく所望の環化に触媒作用を及ぼすのに十分な酸性度を
付与する程度に比較的少ないブレンステッド酸部位が結
晶性ゼオライト構造(crystaline zeolite framework)
中に存在することを意味する。
【0012】その酸性度がプロトンの存在に負うもので
ある物質はブレンステッド酸と称される。結晶性アルミ
ノケイ酸塩またはゼオライトの場合、ブレンステッド酸
部位は4個の酸素原子に囲まれたアルミニウム原子が存
在する結晶性ゼオライト構造中に存する。このようなブ
レンステッド酸部位の幾らかは結晶構造中に存在するア
ルカリ金属により中和されるため、特定のゼオライトの
ブレンステッド酸性度は上記したようにSiO2/Al2
3およびNa2O/Al23のバルクモル比を規定する
ことによって示すことができる。結晶性ゼオライト触媒
の単位格子あたりの構造ブレンステッド酸部位の数につ
いては、本発明の方法のために触媒は単位格子あたり平
均して約10以下、好ましくは約4以下の構造ブレンス
テッド酸部位を有する。
【0013】ゼオライトに関して本明細書で使用される
「超安定な」なる用語は脱アルミナ化して酸および熱水
条件下における分解に対して非常に改良された耐性を有
する合成ゼオライトを生成することにより熱的に安定化
されたゼオライトを意味する。
【0014】本発明における結晶性アルミノケイ酸塩モ
レキュラーシーブに関して本明細書で使用される「ゼオ
ライトY」なる用語はホージャサイト鉱物類の特徴的な
骨組構造を有するゼオライトを意味する。
【0015】本明細書で使用される「バルクモル比」な
る用語はモレキュラーシーブの結晶構造中に存在するし
ないに関らず指定した部分のモル比を示す。
【0016】本発明の方法において触媒として採用され
る超安定なゼオライトYは水素型で比較的酸性度が低
く、そしてアルミナ(Al23)含量およびナトリウム
(または酸化ナトリウム)含量が共に低いY−型モレキ
ュラーシーブ物質である。触媒細孔ウインドーまたは開
口部は12個の四面体原子により決められる。このよう
なゼオライトの触媒骨組アルミナ濃度もまたX線回折で
測定して約24.3Åより多くない単位格子寸法当りの
部で示される。SiO2/Al23バルクモル比は約1
2以上であり、好ましくは少なくとも約30である。ナ
トリウム含量を酸化ナトリウムで表わした場合、Na2
O/Al23 バルクモル比は約0.001〜約1、好ま
しくは約0.01〜約0.05の範囲内である。
【0017】本発明の方法において使用されるゼオライ
ト触媒がゼオライト重量を基準にして約0.4重量%以
下、好ましくは約0.25重量%以下の、比較的低いナ
トリウム含量(酸化ナトリウムとして)であることもま
た重要である。
【0018】このような低酸性度、格子寸法、Na2
/Al23およびSiO2/Al23のモル比、そして
Na2O含量からなる組み合せを有する、現存の好まし
い超安定なゼオライトYはConteka社(オランダ)から
「ContekaCBV760」という商品名で商業的に入手しう
る。この特定の触媒は粉末状であり、そしてNa2O/
Al23 バルクモル比が約0.05であり、SiO2
Al23 バルクモル比が50であり、ナトリウム含量
がゼオライトの重量に基づき元素状ナトリウムとして
0.075である。この触媒は単位格子寸法が24.2Å
であり、そして表面積が720m2/gである。ゼオライ
トYのような他の好適な触媒はPQ社(ペンシルバニア
州)から「Valfor CP301-26」という商品名で商業的に
入手しうる。この特定の触媒は粉末状で単位格子寸法が
24.25Åであり、SiO2/Al23 バルクモル比
が約80であり、ナトリウム含量がゼオライト重量に基
づき元素状ナトリウムとして計算して約0.023重量
%であり、そして表面積が775m2/gである。この触
媒のNa2O/Al23 バルクモル比は約0.02であ
る。
【0019】本発明の環化方法において使用されるゼオ
ライト触媒は粉末状または粒状の何れでもよい。粉末状
の触媒は好都合には用いる液相の反応物中混合すること
により機械的に分散される。これが粒状の場合、その粒
径は幅広く変えることができ、例えば平均最大径を約1
/32〜約1インチとすることができ、そして所与の場
合における正確な粒径は粒状のものが用いられかつそれ
を通して液相の反応物が循環するものである特定の固定
床反応器の選択により決められる。本明細書で使用され
る「粒状」なる用語は種々の可能な物理的形態を有し、
かつ種々の可能な製造法例えば圧縮、押出などにより製
造された多孔性構造を意味し、そしてこのような用語に
は担持された(supported)および担持されていないゼ
オライト触媒形態の両方が含まれる。
【0020】担持される場合、ゼオライトY触媒は用い
る環化条件下で不活性である多孔性、耐火性の無機酸化
物上で保持されうる。このような酸化物の代表例として
はシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、
ベントナイトまたは他の白土などが挙げられる。現存の
好ましいこのような酸化物はシリカ、アルミナおよびシ
リカ−アルミナである。このような保持された触媒の場
合、ゼオライトは担持された触媒の総重量のうち少なく
とも約10重量%〜約90重量%を構成し、好ましくは
そのゼオライトの量が約20〜約80重量%のものが使
用される。
【0021】本発明の方法の実施において使用される好
ましいアルケニルベンゼンは5−(モノメチルフェニ
ル)−ペンタ−1−エン、5−(モノメチルフェニル)
−ペンタ−2−エン、5−(フェニル)−ヘキサ−1−
エン、5−(フェニル)−ヘキサ−2−エンおよびこれ
らの混合物である。その例には5−(o−、m−または
p−トリル)−ペンタ−1−または2−エンおよび5−
フェニル−ヘキサ−1−または−2−エンが含まれる。
【0022】異性体生成物混合物の生成を最少限にする
ためには、存在しうるすべての溶媒を除き供給原料の総
重量に基づいて少なくとも約90重量%の特定のアルケ
ニルベンゼンからなる供給原料を、そしてより好ましく
は少なくとも約98重量%のアルケニルベンゼンからな
るものを反応物として使用することが好ましい。最も好
ましくは、このような供給原料は実質的に純粋なアルケ
ニルベンゼン化合物からなる。本明細書で使用される
「実質的に純粋な」なる用語は100重量%を基準にし
て少なくとも約99重量%の単独化合物からなる組成物
を意味する。
【0023】本発明の方法を実施するための現存の最も
好ましいアルケニルベンゼンは5−(o−トリル)ペン
タ−2−エン(OTP)である。
【0024】本発明の実施において使用される供給原料
は実質的に水分および他の非炭化水素成分を含まないも
のである。約230℃以下の温度において操作する場
合、水の存在はゼオライト触媒を一時的に失活させる。
非炭化水素成分は触媒に有毒な試薬であるかあるいはそ
れを含むか、または生成するものである。このような成
分または試薬の例としてはアミン、金属カチオンなどが
挙げられる。
【0025】本発明に従ってアルケニルベンゼンを環化
するためには、このような化合物を上記の超安定なゼオ
ライトY触媒と接触させ、得られた混合物を約120℃
〜約350℃の範囲の温度および炭化水素反応物を実質
的に液相に維持するのに十分な圧力に、生成物をその相
当するジアルキルテトラヒドロナフタレンで富化するの
に十分な時間維持する。
【0026】好ましい環化温度は約160〜約250℃
の範囲内である。環化は液相中で行われるため、圧力は
反応において決定的なものではなく、そしてそれは主と
して反応温度によって決められる。環化反応中、反応圧
は好ましくは反応物を実質的に液相に維持するよう調整
される。好適な反応圧は約2.5〜約525psiaの範囲
内である。
【0027】一般に、環化反応部において使用されるゼ
オライト触媒の量は触媒として有効に作用するのに十分
な量である。反応速度を最適にするために触媒濃度を変
えることができる。ゼオライト触媒の濃度は反応器の総
装入量に基づいて約0.1〜約10重量%の範囲内が好
ましく、また約0.3〜約2重量%(同基準)の範囲内
の触媒濃度がより好ましい。しかしながら、所望なら
ば、これより多量のまたは少量の触媒を使用することが
できる。
【0028】アルケニルベンゼンのジアルキルテトラヒ
ドロナフタレンへの環化は所望によりバッチ式、連続式
または半連続式で行うことができる。環化の間、アルケ
ニルベンゼンは好ましくはその相当する予め生成された
ジアルキルテトラヒドロナフタレンと一緒に混合され
る。
【0029】連続式環化方法は図式的に図1に示され
る。反応器10は撹拌器12、還流カラム14およびオ
ーバーヘッドコンデンサー16を備えている。適当な供
給源18からのアルケニルベンゼン供給原料は、その中
に懸濁された粒状のゼオライト触媒とともに反応物およ
び反応生成物からなる沸騰液体混合物22を含み、かつ
安定な状態の還流条件に維持された反応器10にライン
20を経て供給される。その中の液体レベル以下の比較
的低沸点の供給原料が反応器中に導入され、環化した生
成物は反応器10から還流カラム14を経て回収され、
そしてライン24を経てオーバーヘッドコンデンサー1
6に運ばれる。回収された生成物はコンデンサー16で
凝縮され、そしてその一部は還流ライン26により反応
器10に戻され、残りは生成物ライン28を経て生成物
貯蔵部30に輸送される。本発明の触媒の比較的高い活
性により、供給原料の還流カラムへの図示された損失の
ない「重質物リサイクル」が可能となる。すなわち、供
給原料は反応器内の温度および圧力の条件下で蒸発する
前に環化生成物に変換される。上記の「重質物リサイク
ル」技術を利用して得られた環化生成物の分析結果は環
化生成物中の供給原料物質が約1重量%以下であること
を示した。
【0030】バッチ式環化は好ましくは実質的に存在す
るすべてのアルケニルベンゼンが変換されるまで行われ
る。その後、生成物のジメチルテトラヒドロナフタレン
はフラッシュ蒸留によって反応混合物から容易に分離す
ることができる。
【0031】バッチ式の方法を行うために、ゼオライト
触媒が粉末状で存在する撹拌されたタンク反応器を利用
することができる。始動時に、開始剤バッチは好ましく
はこのような反応器中で製造される。このようなバッチ
はゼオライト触媒および接触条件下で実質的に液相であ
る非反応性炭化水素からなる。このような非反応性炭化
水素の選択は幅広く変えることができ、決定的なもので
はないが、このような炭化水素としてジメチルテトラヒ
ドロナフタレン、特にバッチ式法で製造されることが求
められている特定のジメチルテトラヒドロナフタレンを
使用することが好ましい。
【0032】実質的に水分および上記したような他の非
炭化水素成分を含まない反応物原料は好ましくはその中
にすでにこのような開始剤バッチを含んでいるバッチ反
応器に加えられる。本発明において、最も好ましい供給
原料は実質的に純粋なOTPである。
【0033】液相中の反応物および反応生成物温度が上
記した温度範囲内のレベルで維持されるように反応器内
の熱の除去および温度制御が可能な速度で供給原料の添
加が行われる。
【0034】所定の量の供給原料を加えてその相当する
ジアルキルテトラヒドロナフタレンに変換した後、その
生成物はフラッシュ蒸留により反応器から取り出され
る。タンク中に残留するのは「後端(heel)」組成物で
あり、これにはゼオライト触媒、場合によっては幾らか
の残余のジメチルテトラヒドロナフタレン生成物および
約160以上すなわちジアルキルテトラヒドロナフタレ
ンの分子量以上の分子量を有する炭化水素副生成物が含
まれる。このような炭化水素副生成物は典型的にはアル
ケニルベンゼンおよび生成したジアルキルテトラヒドロ
ナフタレンのダイマーを含有する。
【0035】反応後のフラッシュ蒸留中、バッチ反応の
終了時に反応器中に存在すると推定されるジメチルテト
ラヒドロナフタレン生成物の総量に基づいて少なくとも
約60重量%のジメチルテトラヒドロナフタレンが取り
出される。
【0036】その後、追加の所定量の供給原料がタンク
中に存在する後端組成物に加えられる。前述の通り、供
給原料添加速度は好ましくは環化中の熱の除去および温
度制御が可能な速度である。供給原料の所望の変換が達
成された後、フラッシュ蒸留工程が繰り返されて反応器
から追加の生成物が取り出される。
【0037】このようなバッチ工程シーケンスは触媒活
性が維持される限り多数のサイクルについて繰り返すこ
とができる。しかしながら、サイクルが繰り返されるに
つれて上記の炭化水素副生成物の平衡レベルへの蓄積が
反応器中で生じうる。
【0038】このような副生成物のレベルまたは量があ
る所定の点に到達した場合、分解操作を同時にまたは逐
次的に行って比較的大きな分子を小さな低沸点分子へと
分解することができ、そのうちの幾つかはアルケニルベ
ンゼンである。同時に、存在するこのようなアルケニル
ベンゼンは反応し、そしてジアルキルテトラヒドロナフ
タレンに環化される。このような操作が逐次的に行われ
る場合、上記したような先行するバッチサイクル(複数
可)の結果として製造される後端組成物はこのような後
端組成物を実質的に液相に維持するのに十分な圧力にお
いて約180℃〜約350℃の範囲の温度に加熱され、
その結果このような後端組成物中のダイマーは追加のジ
アルキルテトラヒドロナフタレンに変換され、次いでこ
れは反応器からフラッシュ蒸留によって取り出される。
すなわち、同一のゼオライトY触媒は2つの機能をす
る。それによりジメチルテトラヒドロナフタレンの収率
は最大になる。
【0039】本発明の方法を実施するための特に好まし
い態様において、1,5−ジメチルテトラヒドロナフタ
レンは5−(o−トリル)−ペンタ−2−エン(OT
P)を環化することにより製造される。そのために、粉
末状触媒および1,5−ジメチルテトラヒドロナフタレ
ンからなる開始剤バッチは上記の温度および圧力条件を
用いるOTP装入量の100%変換により撹拌されたタ
ンク反応器中で最初に生成される。使用される触媒の量
は次の工程(以下に説明する)におけるOTPの添加
後、ゼオライト触媒の濃度が前述の好ましい範囲内とな
るような量である。
【0040】次に、実質的に水分および非炭化水素成分
を含まない実質的に純粋なOTPが約160℃〜約25
0℃の範囲の温度および反応物を液相に維持するのに十
分な圧力に維持された反応器に加えられる。OTP添加
は上記温度範囲内の所定の還流レベルにおいて反応器内
の熱の除去および温度制御が可能な速度で行われる。
【0041】実質的にすべてのOTPが変換されるま
で、圧力が所定の還流レベルを維持するのに十分なレベ
ルまで徐々に減少されながら反応器はこのような所定の
還流レベルに維持される。
【0042】最後に、このようにして生成した1,5−
ジメチルテトラヒドロナフタレンの約75〜約80重量
%は反応器からフラッシュ蒸留される。
【0043】次いで、前述の変換工程が少なくとも1回
連続して繰り返される。後述する実施例のように、この
シーケンスは顕著な触媒失活を伴わないで少なくとも7
回繰り返すことができる。すなわち、その後のバッチに
おけるOTP変換を完了させるのに反応温度または反応
時間の増加は必要でない。このようなバッチ7回で製造
された有用な生成物の量はより酸性なゼオライトY触媒
を用いて行われる比較しうる操作で製造された有用な生
成物の量よりも4.1%高かった。このような増加はま
た最終生成物の不純物における49重量%減少を示すも
のである。さらに、このような7回のバッチにより有用
な成分の累積収率は比較しうる操作における85%から
本発明の触媒を用いた場合の90%まで増加した。同時
に、望ましくないジメチルテトラヒドロナフタレン異性
体の量は1.2重量%から平均して約0.9重量%まで減
少した。
【0044】本発明において使用される触媒は従来から
アルケニルベンゼンの環化のために使用されていたより
酸性な触媒よりも、より活性かつより安定で、そして高
収率でより高純度の生成物を与える。
【0045】その上、本発明の触媒の熱安定性より多数
回の連続バッチの操作が可能となり、各バッチにおいて
追加の触媒を加えることなく同一の条件が用いられる。
さらに、重質副生成物が堆積する場合、それらは同じ触
媒および同じ反応器を用いる分解操作によって有用な生
成物に選択的に変換することができる。固定床反応器中
における本発明の触媒の使用は等しく正の結果を与え
る。
【0046】本発明の方法において、アルケニルベンゼ
ン供給原料は迅速に有用な生成物に変換され、それによ
り反応器中において供給原料例えばOTPが危険なまで
に高濃度となるのが避けられる。フラッシュ蒸留し、所
望の生成物を触媒および重質副生成物から分離すること
ができ、それにより次のバッチに使用するための準備が
できた反応器が残るため、安全で費用効果のある、そし
て操作効率の良い有利な方法が提供される。
【0047】本発明で使用されるゼオライト触媒は著し
く低い異性化活性を示す。すなわち、反応生成物は実質
的に異性体への生成物分解がなく触媒の存在下で長期間
の間維持することができる。この特徴は後述の実施例1
8で詳しく説明する。
【0048】本発明の好ましい環化生成物としては、容
易に脱水素化することのできるジメチルテトラヒドロナ
フタレン異性体が挙げられる。好適な変換方法は当該技
術分野において公知である。
【0049】
【実施例】以下の実施例を用いて本発明を詳しく説明す
る。これらの実施例において、「有用な生成物」なる用
語は環化生成物中のすべての有用な成分、例えば脱水素
化および異性化によって所望の2,6−ジメチルナフタ
レンに変換することができるすべてのジメチルテトラヒ
ドロナフタレン(DMTと称する)異性体およびすべて
のジメチルナフタレン(DMNと称する)異性体を意味
する。これらの実施例において、「DMT異性体」は
1,5−、1,6−、2,5−および2,6−DMT異性体
である。
【0050】〔実施例1〜16〕 酸性で超安定なY−型ゼオライト触媒における高アルミ
ナ含量のものと低アルミナ含量のものとの比較比較的高
いアルミナ含量の酸性で超安定なY−型ゼオライト触媒
(触媒A)を比較的低いアルミナ含量の超安定なY−型
ゼオライト触媒(触媒B)と比較するために、以下のゼ
オライト触媒物質を使用した。
【表1】
【0051】触媒AはUnion Carbide社から「LZ-Y72」
という商品名で商業的に入手しうる触媒である。触媒B
はConteka社から「Conteka CBV 760」という商品名で商
業的に入手しうる触媒である。それぞれの触媒につい
て、以下の操作を行った。
【0052】電磁撹拌器、還流コンデンサーおよび蒸留
/収集ヘッドを備えた1,000mlのフラスコに1.8g
の粉末状触媒および150gの98重量%(炭化水素供
給原料の総重量に基づいて)の5−(o−トリル)ペン
タ−2−エン(OTP)を装入した。フラスコを6psia
の圧力および180〜190℃にし、そしてその点で反
応器の内容物は還流した。その後、OTPが変換される
につれて圧力は徐々に減少し、その間温度および還流を
維持した。この変換を2〜4時間行ったところ、その生
成物は約88重量%(100重量%の生成物基準)のジ
メチルテトラヒドロナフタレンを含有し、残りは重質お
よび軽質副生成物により構成されていた。最初の150
gのバッチ中の変換されたOTPは第2のそしてその後
の連続バッチのための「後端」組成物として用いられ
た。結果を以下の表2および表3に示す。
【0053】表2には触媒Aを用いた場合の結果を示
し、そして表3には触媒Bを用いた場合の結果を示す。
供給したOTPの量および製造された生成物の量をバッ
チ操作条件とともに各表に示す。
【0054】最初の完全バッチ(表2および表3の各々
において#1)について、5.4gの追加の触媒をフラ
スコに入れた。反応器中の還流が180〜190℃にお
いて確立した後、各バッチについて440gの追加のO
TPを2時間にわたって加えた。本発明の方法において
熱発生はOTP添加速度によって制御することができる
ので、この操作は大規模の工業用作業において好まし
い。OTP添加に続いて、ガスクロマトグラフィーによ
り測定してすべての加えたOTPが変換されたことを確
認するまで、反応混合物を上記の温度における還流下に
維持した。典型的には、完全な変換を達成するために、
OTP添加後約2〜5時間必要であった。次に各バッチ
において製造された生成物の約75%を反応器からフラ
ッシュ蒸留し、そして生成物の約25%が次のバッチの
ための後端として残した。重質副生成物およびすべての
触媒は後端中に残留した。バッチ2〜7の各々について
は追加の触媒を加えなかった。各バッチについて加えた
OTPの量は前のバッチから取り除いた環化生成物の量
とほぼ同じであった。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】表2を見てわかるように触媒Aの場合、触
媒は連続バッチ操業とともに徐々に失活しており、この
ような触媒失活を補うためにバッチ温度または反応時間
の増加が要求される。各バッチ中の有用な生成物の重量
%はバッチ生成物の総重量に基づいて約90.6〜約9
2.8重量%であった。製造された有用な生成物の平均
重量%はバッチ1〜7を通して91.6%であった。望
ましくないDMT異性体の量は約1.07%〜約1.34
%の範囲内であり、そして平均して1.2%であった。
反応系から取り出された有用な生成物の累積量を表2の
最右欄に示す。生成物の後端が反応系に残留するため、
初期の操業の収率は低かった。7回の完全バッチの後、
得られた有用な生成物の累積量はOTP 1gあたり0.
85gであった(85%)。
【0058】表3を見てわかるように触媒Bの場合、比
較的高い活性を有するため、触媒Aを用いた場合よりも
短い反応時間で180℃において操作が可能であった。
7回のバッチにおいて、触媒失活は観察されず、そのた
めOTP変換を完了させるのに温度または反応時間の増
加は必要でなかった。7回のバッチについての有用な生
成物の重量%は約94.8%〜約96.2%の範囲内であ
り、そして平均して95.7%であった。これは実施例
1〜8において触媒Aを用いて得られた収率よりも平均
して4.1%の増加である。このことは有用な最終生成
物の不純物の量が49%減少されたことを示す。さら
に、有用な生成物中の成分の累積収率は比較的触媒Aを
用いた場合85%であったのが、本発明の改良された触
媒Bを用いた場合90%と増加した。望ましくないDM
T異性体の量は比較用触媒Aを用いた場合1.2%であ
ったのが、触媒Bを用いた場合平均0.9%と減少し
た。すなわち、触媒Bは本発明の工程条件下でより活
性、より安定で、そして触媒Aよりも高純度な生成物を
高収率で与えた。
【0059】〔実施例17〕 低アルミナ含量の超安定なY−触媒を用いる重質副生成
物の分解実施例9〜16に記載の7回のバッチ操業の
後、反応容器中に残余物が残留した。この残余物は主と
してOTPとDMTの反応により生成した高分子量のダ
イマーから構成されていた。これらのダイマーは触媒の
存在下、比較的低圧で長時間加熱するだけで分解されて
DMTに戻った。いったんこのようにして生成したDM
Tは反応器からフラッシュ蒸留した。
【0060】残余物はOTPからのDMT生産の7回の
サイクルに使用されていた触媒Bを7.2g含有してい
た。変換は220℃、127トル(2.5psia)で2時
間行った。重質副生成物ダイマーは71%(138.6
g)の後端組成物を含有していた。後端組成物の残りは
DMTおよびDMN異性体であった。
【0061】92.1%(117.9g)の有用な成分を
含む蒸留生成物(128g)が得られた。反応器中の残
留物は26.7重量%の有用な成分と66.5%の重質ダ
イマーを含んでいた。すなわち、残留物中の重質物の6
7.8重量%が88重量%の選択性で有用な生成物に変
換された。この有用な生成物の追加量は98重量%の純
粋なOTP 1ポンドあたり有用な生成物0.94ポンド
まで収率で4重量%の増加を示す。
【0062】実際上、この操作は通常のフラッシュ蒸留
操作の延長であり、単に追加の反応時間が必要なだけで
ある。
【0063】この分解操作の結果を下記の表4に示す。
【表4】
【0064】〔実施例18〕 本発明の低アルミナ含量の超安定なY−型触媒の低異性
化活性OTPのバッチ式変換は実施例9〜16の操作に
おいて採用された触媒量で新鮮な試料の触媒Bを用いて
行った。詳しくは、本方法の操作において10.2gの
予め製造したジメチルテトラヒドロナフタレン、94.
4gのOTPおよび0.32gの触媒Bを使用した。温
度は190℃であり、そして圧力は203トル(3.9p
sia)であった。OTPの完全な変換は有用な生成物へ
の94.9%選択性で2時間後に観察された。18時間
後、OTP変換はまだ100%であり、その有用な生成
物への選択性は94.1%であった。
【0065】2時間でOTPを完全に変換させた後、反
応器をさらに16時間の間190℃で還流させて非常に
遅いフラッシュ蒸留工程を試みた。その結果を下記の表
5に示す。これらの結果は16時間にわたる有用な生成
物の損失は僅か0.6%であったことを示す。望ましく
ないDMT異性体の量の増加は観察されなかった。
【0066】
【表5】
【0067】〔実施例19〜24〕 使用された低アルミナ含量の超安定なY−型触媒を用い
て行った追加のバッチ操業 実施例9〜16で予め使用された触媒Bを用いて、これ
らの実施例と同様の方法でバッチ操業を行った。結果を
下記の表6に示す。触媒の実施可能な範囲を観察するた
めに温度を変えてみた。
【0068】バッチ操業第8回目はバッチ第1回目〜第
7回目と同様の条件下で行い、そして重質副生成物の分
解(実施例17、表4参照)は触媒活性に有害なもので
はないことが証明された。バッチ9は190℃までの温
度増加が触媒作用に有害ではないことを示している。バ
ッチ10において、160℃での操作は非常に低い反応
速度をもたらし、それにより不完全な変換となった。バ
ッチ10の蒸留物中の少量の水の存在は触媒が幾らか被
毒していることを示している。バッチ11において、反
応を促進し、そしてその前のバッチから水を取り除くた
めに触媒の温度を上げた。バッチ12において、触媒活
性は新鮮な触媒よりも低いが、まだ比較的高く、180
℃、5.5時間で高い変換率であった。最後に、バッチ
13は高温で行い、そしてこのような条件においてでさ
え選択性および高収率が得られることが証明された。1
3回のバッチ操業全体を通して、触媒によって変換され
たOTPの総量は触媒1gあたり812gであった。
【0069】これらのバッチ操業のすべてにおいて、触
媒は最初のバッチからの触媒Bである。触媒の量は7.
2gである。各バッチ操業の終了時に、反応器中の液体
をフラッシュ蒸留に付し、残留した残余物を後端として
次に続くバッチに用いた。第13回目のバッチ操業の終
了時に反応器中に残留した残余物は70.6gであっ
た。13回のバッチ操業全体を通して、5,928gの
供給原料OTPを使用し、そして5,848gの有用な
生成物をフラッシュ蒸留により回収した。触媒総生産性
は5,848gのOTPが7.2gの触媒Bを用いて変換
されて、触媒1gあたり812gの有用な生成物が得ら
れたという事実に基づいて決定される。
【0070】
【表6】
【0071】〔実施例25〕 5−(o−トリル)ペンテン(OTP)の連続環化 オーバーヘッドコンデンサーを備えた撹拌されたタンク
反応器にOTPを連続供給し、そして反応器の内容物の
還流温度を維持した。還流温度は反応系の圧力を調整す
ることにより調節した。
【0072】生成物(DMT)をオーバーヘッドから蒸
留物として絶えず取り出した。重質副生成物を反応器中
に維持し、それによりそれらは結局平衡濃度に達してさ
らなる重質物の生成を防ぐことができた。
【0073】下記の表7に示したデータは6日間の操作
を表わすものである。最初に装入した触媒は「低活性」
な試料のConteka 760触媒であり、それはバッチ態様に
おいて約210℃の反応温度を必要とした。この低活性
触媒を用いて5回のバッチ操業を行った後、第5回目の
バッチ操業からの炭化水素生成物を連続環化のための反
応媒体として用いた。操作の第1日目(最初の欄)にお
いて、蒸留物は94%の有用な成分(2,6−三体 DM
T+DMN、供給原料中に存在するキシレン不純物を含
まない)と僅か1%のOTPおよび生成物に変換されう
る中間体からなるものを含んでいた。操作第1日目の間
反応器中の重質物は増加し、その結果第1日目について
の総収率(表の下部に示す)は僅か81.5%(2,6−
三体)であった。第2〜6日目の蒸留物の品質は第1日
目のものと同様であった。しかしながら、反応器中の重
質物生成は減少し、第3日目の新鮮な触媒の添加は実際
に反応系中の重質物の正味損失をもたらした(負の収
率)。
【0074】6日間(55時間)の連続操業の全体を通
しての結果を表7の最右欄に示す。平均蒸留物は93.
3%の有用な成分(キシレンを含まないものを基準にし
て)を含有しており、そして2,6−三体 DMT+DM
Nの総収率は92.5%であった。
【0075】
【表7】
【0076】本発明は現在入手しうる情報および態様に
基づいて開示されかつ説明されているが、当業者が容易
に思いつくような種々の変更態様は本発明の精神および
範囲内であることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による連続環化方法を例示する図式的な
フロー線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イーアン・クレイトン・ツエンガー アメリカ合衆国イリノイ州60187.ホイ ートン.ドーセツトドライブ2036 (56)参考文献 特表 平3−500052(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 13/48 B01J 29/08 C07C 5/393

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、R1は水素、メチルおよびエチルから成る群の
    1員であり、R2は水素およびメチルから成る群の1員
    であり、そしてYは−CH=CH−CH3および−CH2
    −CH=CH2から成る群のアルケニル基である)を有
    するアルケニルベンゼンを環化する方法において、液状
    のこのアルケニルベンゼンを、結晶格子あたり平均して
    約10より多くない構造ブレンステッド酸部位を有し、
    単位格子寸法が約24.3Åより大きくなく、そしてナ
    トリウム含量がゼオライトの重量に基づき元素状ナトリ
    ウムとして計算して約0.4重量%より多くないかまた
    は酸化ナトリウムとアルミナのバルクモル比が約0.0
    01:1〜約1:1である比較的酸性度が低く、超安定
    な水素型の結晶性アルミノケイ酸塩ゼオライトYから構
    成される固体環化触媒と約120℃〜約350℃の範囲
    の温度において、ジアルキルテトラヒドロナフタレンが
    富化された液状生成物を生成するのに十分な時間接触さ
    せることを特徴とする該方法。
  2. 【請求項2】 温度が約160℃〜約250℃の範囲で
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルケニルベンゼンが予め生成されたジ
    アルキルテトラヒドロナフタレンと混合されたものであ
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 連続して実施される請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 バッチ式で実施される請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 ゼオライト触媒が粉末であり、そして接
    触は撹拌されたタンク反応器中で行われる請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 アルケニルベンゼンが5−(o−トリ
    ル)−ペンタ−2−エンである請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 アルケニルベンゼンが5−(o−トリ
    ル)−ペンタ−1−エンである請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 ゼオライト触媒が多孔性の耐火性無機酸
    化物上に担持されている請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 ゼオライト触媒が担持された触媒の総
    重量に基づいて約10〜約90重量%を構成するもので
    ある請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 式 【化2】 (式中、R1は水素、メチルおよびエチルから成る群の
    1員であり、R2は水素およびメチルから成る群の1員
    であり、そしてYは−CH=CH−CH3および−CH2
    −CH=CH2から成る群のアルケニル基である)を有
    するアルケニルベンゼンを環化する方法において、 (A) 最初に、撹拌されたタンク反応器中において、
    約160℃〜約250℃の範囲の温度、約2.5〜約5
    25ポンド/平方インチの範囲の絶対圧で液相としての
    非反応性炭化水素および単位格子あたり平均して約10
    より多くない構造ブレンステッド酸部位を有し、結晶格
    子径が約24.3Åより大きくなく、そしてナトリウム
    含量がゼオライトの重量に基づき元素状ナトリウムとし
    て計算して約0.4重量%より多くないかまたは酸化ナ
    トリウムとアルミナのバルクモル比が約0.001:1
    〜約1:1である比較的酸性度が低く、超安定な水素型
    の結晶性アルミノケイ酸塩ゼオライトYにより構成され
    る粉末状環化触媒からなる開始剤バッチを形成させ、そ
    して (B) 液相条件下、この撹拌されたタンク反応器中に
    おける開始剤バッチに式 【化3】 (式中、R1は水素、メチルおよびエチルから成る群の
    1員であり、R2は水素およびメチルから成る群の1員
    であり、そしてYは−CH=CH−CH3および−CH2
    −CH=CH2から成る群のアルケニル基である)を有
    し、そして実質的に非炭化水素成分を含まないアルケニ
    ルベンゼンを加え、そしてこのアルケニルベンゼンを上
    記ゼオライト触媒と液相条件下約120℃〜約350℃
    の範囲の温度においてジアルキルテトラヒドロナフタレ
    ンが富化された液状生成物を生成するのに十分な時間接
    触させる、ことを特徴とする該方法。
  12. 【請求項12】 非反応性炭化水素はジアルキルテトラ
    ヒドロナフタレンを含むものである請求項11記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 触媒濃度が約0.3〜約2重量%の範
    囲である請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 生成したジアルキルテトラヒドロナフ
    タレンはフラッシュ蒸留によってタンク反応器から取り
    出され、そしてこのタンク反応器中には、ゼオライト触
    媒、残余のジアルキルテトラヒドロナフタレンおよびこ
    の残余のジアルキルテトラヒドロナフタレンよりも高い
    分子量を有する炭化水素副生成物からなる後端組成物が
    残留するものである請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 その後、追加のアルケニルベンゼンを
    上記の後端組成物に加え、そしてこの液状のアルケニル
    ベンゼンは上記のゼオライト触媒と約120℃〜約35
    0℃の範囲の温度においてジアルキルテトラヒドロナフ
    タレンが富化された液状生成物を生成するのに十分な時
    間接触させ、次いで上記のフラッシュ蒸留を繰り返すも
    のである請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 連続して実施される請求項14記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 タンク反応器中の後端組成物をこの後
    端組成物を実質的に液相に維持するのに十分な圧力にお
    いて約180℃〜約350℃の範囲の温度まで加熱し、
    それによりこの組成物を分解し、そしてジメチルテトラ
    ヒドロナフタレンを生成させ、そして同時にフラッシュ
    蒸留によりこれをこのタンク反応帯域から取り出すもの
    である請求項14記載の方法。
  18. 【請求項18】 5−(o−トリル)−ペンタ−2−エ
    ンを環化することにより1,5−ジメチルテトラヒドロ
    ナフタレンを製造するためのバッチ式方法において、 (a) 実質的に純粋な5−(o−トリル)−ペンタ−
    2−エンのアリコートを単位格子あたり平均して約10
    より多くない構造ブレンステッド酸部位を有し、単位格
    子寸法が約24.3Åより大きくなく、そしてナトリウ
    ム含量がゼオライトの重量に基づき元素状ナトリウムと
    して計算して約0.4重量%より多くないかまたは酸化
    ナトリウムとアルミナのバルクモル比が約0.001:
    1〜約1:1である実質的に中性で、超安定な水素型の
    結晶性アルミノケイ酸塩ゼオライトYにより構成される
    触媒有効量の固体環化触媒と液相条件下、約120℃〜
    約350℃の範囲の温度において5−(o−トリル)−
    ペンタ−2−エンを1,5−ジメチルテトラヒドロナフ
    タレンが富化された液状組成物に実質的に変換するのに
    十分な時間接触させ; (b) この温度および液相条件を維持しながら、この
    液状生成物にさらに別の実質的に純粋な5−(o−トリ
    ル)−ペンタ−2−エンのアリコートを加え、そしてこ
    の添加は熱を除去し、還流レベルにおける温度をこの温
    度範囲内にコントロールするような速度で行われ; (c) 5−(o−トリル)−ペンタ−2−エンが1,
    5−ジメチルテトラヒドロナフタレンを多く含んだ液状
    生成物に実質的に変換されるまでこの還流レベルを維持
    するのに十分な速度で上記の圧力を減少させながら還流
    温度レベルを維持し;そして (d) この液状生成物からその中に存在する少なくと
    も約70重量%の1,5−ジメチルテトラヒドロナフタ
    レンをフラッシュ蒸留し、残余の液状組成物を残留させ
    る工程からなることを特徴とする該方法。
  19. 【請求項19】 工程(b)、(c)および(d)の工
    程の工程順序が少なくとも1回繰り返される請求項18
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 工程(d)のあとで残余の組成物を実
    質的に液相に維持するのに十分な圧力を維持し、そして
    同時にこの反応帯域から1,5−ジメチルテトラヒドロ
    ナフタレンをフラッシュ蒸留しながら、反応帯域中の残
    余の組成物を約180℃〜約350℃の範囲の温度に加
    熱することによりさらに処理するものである請求項18
    記載の方法。
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