JPH0524641U - ベルト駆動装置 - Google Patents

ベルト駆動装置

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JPH0524641U
JPH0524641U JP7349591U JP7349591U JPH0524641U JP H0524641 U JPH0524641 U JP H0524641U JP 7349591 U JP7349591 U JP 7349591U JP 7349591 U JP7349591 U JP 7349591U JP H0524641 U JPH0524641 U JP H0524641U
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JP
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deviation
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belt
deviation detecting
roller
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誠喜 藤森
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Bando Chemical Industries Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動的に偏動を検出、修正することができる
ベルト駆動装置について、偏動を検出する部材の構成を
改良して環境変化の影響を受けないようにする。 【構成】 第1〜第3の3本のロ−ラ1,2,3に転写
ベルト4を走行可能に掛け渡す。第3ロ−ラ3の軸端部
に偏動検出部材11を配設し、転写ベルト4が偏動して
偏動検出部材11に接触することによって発生する偏動
検出部材11の回転トルクにより紐部材を巻き取って第
3ロ−ラ3の軸端部を変位させて転写ベルト4に逆方向
の偏動成分を発生させて初期偏動を解消する。偏動検出
部材11の乗り上げ面11aに多数の凹部を形成し、転
写ベルト4が偏動検出部材11に接触する際の、この両
者の接触面積を小さくすることで、湿度変化の影響によ
るこの接触部分の摩擦係数の変化を抑制する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、電子写真方式を用いた機器に内蔵され、転写ベルトや感光体ベルト 等を使用するベルト駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば電子写真装置において、この装置の軽量化及びコンパクト化 を目的として、表面に誘電体層または感光体層を有する平ベルトを、互いに略平 行に配置した複数本のロ−ラに掛け渡すことによって、前記平ベルトを転写ドラ ムまたは感光体ドラム等の代わりに転写ベルトまたは感光体ベルトとして利用す ることが知られている。
【0003】 そして、このような用途に用いられる平ベルトは、その基材がプラスチックフ ィルムや金属箔等のような伸びが小さくて強度の高い材料によって形成される場 合が多い。従って、この種の平ベルトは弾性変形し難い。そのために、前記電子 写真装置内に収容された部品の寸法誤差、ロ−ラの取付誤差、ベルト張力のアン バランス、ベルト周長さの不均一などが生じている場合、これらをベルト自体の 変形によって吸収することができない。この結果、前記平ベルトが、走行時にベ ルト幅方向へ偏動してしまうといった問題があった。
【0004】 しかし、前記電子写真装置は、正確な画像形成を行うために、高精度、高解像 度が要求されるので、この平ベルトの偏動を防止する必要がある。
【0005】 そして、このような、平ベルトの偏動を防止するための従来技術として、特開 昭56−127501号公報や特開昭59−205052号公報に示されるよう に平ベルトに偏動防止用のガイドを設けたり、特開昭57−60347号公報に 示されるように規制部材を設けることによって平ベルトの偏動を強制的に防止す るようにしたものがある。また、実開昭58−110609号公報に示されるよ うに、1本のロ−ラを偏動調整用ロ−ラとすると共に偏動検出用のベルト位置セ ンサを備えさせ、前記ベルト位置センサによって平ベルトの偏動が検出されると 、その偏動量に応じて偏動調整用ロ−ラの軸端部を変位させることにより偏動を 修正するようにしたものや、実開昭64−48457号公報に示されるように、 平ベルトが偏動すると、この偏動に伴なってロ−ラを回転軸方向に移動させ、こ のロ−ラの移動によって該ロ−ラの回転軸を揺動させて、ロ−ラを反対方向へ移 動させることにより偏動を修正するようにしたものがある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭56−127501号公報、特開昭59−2050 52号公報及び特開昭57−60347号公報に示されているような構成では、 平ベルトの偏動を外的要因により強制的に規制するようにしているから、平ベル トとロ−ラとの組合わせの条件如何により機構として成立し得ない場合がある。 即ち、平ベルトの偏動に伴う寄り力が大きくなるものでは、ガイド及び規制部材 の強度を増大させておく必要がある。また、平ベルト自体の幅方向座屈強度を増 大させる必要があり、同時に平ベルト端部が損傷しないように端部強度も増大さ せる必要がある。従って、ベルト厚さが薄くなるほど上記方式の採用は困難とな る。また、平ベルトにガイドを設ける場合に、精度良くガイドを設ける必要があ り、特にシ−ムレスベルトの場合では、このガイドを形成することが非常に困難 であった。
【0007】 また、前記実開昭58−110609号公報や実開昭64−48457号公報 に示されているような構成では、複雑なメカニズムを用いて偏動を検出、修正す るために、高価でしかも余分なスペ−スを必要とし、装置全体としての大型化に 繋る。そればかりでなく、複雑な機構であるために、部品点数が多くなり、それ だけ故障発生要因部が増加することになり、装置の信頼性が十分に確保されてい るとは言い難いものであった。
【0008】 これらの点を解決するために、本考案の考案者は、自動的に偏動を検出、修正 することができるベルト駆動装置について、その構造の改良を進めている。詳し くは、複数のロ−ラのうち1本を偏動調整用ロ−ラとし、この偏動調整用ロ−ラ の片側に、該偏動調整用ロ−ラと独立して回転自在な偏動検出用ロ−ラを備えさ せておく。また、この偏動検出用ロ−ラは外径が前記偏動調整用ロ−ラから離れ るにしたがって次第に大きくなっており、その外周にテ−パ状の乗り上げ面を有 している。そして、前記平ベルトを予め前記偏動検出用ロ−ラに向って偏動させ るように構成する。そして、平ベルトの走行時に、該平ベルトが、その偏動によ って偏動検出用ロ−ラの乗り上げ面に乗り上げると、この乗り上げにより偏動検 出用ロ−ラが回転し、この回転力を偏動調整用ロ−ラの軸端部を所定方向に移動 させる力に変換することによって平ベルトに逆方向の偏動成分を与え、前記偏動 を解消させるようにしたベルト駆動装置について開発している。
【0009】 ところが、この種のベルト駆動装置では、上述したように、平ベルトが偏動検 出用ローラの乗り上げ面に乗上げ、この両者間の接触摩擦力によって偏動検出用 ローラが回転することにより、平ベルトの偏動を検出するようにしているために 、環境条件、特に、湿度の変化によって前記平ベルトと偏動検出部材との間の摩 擦係数が変化してしまい安定した偏動修正動作を行うことができなくなることが あった。詳しく説明すると、図15には、偏動検出部材を高密度ポリエチレンで 構成した場合における相対湿度と前記摩擦係数との関係を示している。この図か らも判るように、常温時(実線)及び高温時(破線)共に相対湿度の上昇に伴っ て平ベルトと偏動検出用ローラとの間の摩擦係数が低下し、特に、相対湿度が7 0%を越えているような場合、平ベルトが偏動検出部材の乗上げ面へ乗上げる乗 上げ量が僅かな状態では、この両者間にスリップが発生し、偏動検出部材に所定 の回転力を伝達することができなくなる。そして、平ベルトの乗上げ量が大きく なると、両者の接触面積が大きくなることによって前記スリップの発生はなくな り、偏動検出部材へ所定の回転力を伝達することができ偏動修正動作が行われる ことになる。従って、このような高湿度の環境下にあっては、平ベルトの偏動量 が大きくならなければ偏動修正が行われず、本装置本来の機能が十分に発揮でき るとは言い難い状態となるといった課題があった。また、このように平ベルトの 乗り上げ量が大きくなることは、ベルト端部が損傷し易く、ベルト寿命を短縮さ せてしまうことに繋る。
【0010】 また、図16には、偏動検出部材内に短繊維を練込んで構成した場合における 相対湿度と前記摩擦係数との関係を示している。このように構成した偏動検出部 材にあっても、相対湿度が70%を越えると、急激に摩擦係数が低下して前記ス リップが発生する。そればかりでなく、この装置を長時間運転させた場合には、 平ベルトにより乗上げ面が損傷し、この損傷によって摩擦係数が変化して偏動修 正動作が行えなくなるといった課題も有しているものであった。また、このよう な構成の偏動検出部材はコストが高く、実用性に欠けるものであった。
【0011】 本考案は、これらの点に鑑みてなされたものであって、上述したように偏動検 出用ロ−ラによって自動的に偏動を検出、修正することができるベルト駆動装置 について、この偏動検出用ロ−ラを改良することによって、環境変化の影響を受 け難いベルト駆動装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本考案は、予め、平ベルトを所定方向に偏動させ るようにしながら、この偏動を偏動検出部材によって検出して、逐次、この偏動 を修正するようにしたベルト駆動装置に対して、偏動検出部材の乗り上げ面の一 部を平ベルトに接触させないようにすることによって平ベルトとの間の摩擦係数 が環境変化、特に湿度変化の影響を受けないようにした。具体的に、請求項1記 載の考案は、平ベルトと、該平ベルトが掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整 用ロ−ラに構成された複数本のロ−ラと、前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部 に、該偏動調整用ロ−ラと独立して回転自在に支持された偏動検出部材と、前記 平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移動させる片寄付与手段とを備 えさせる。そして、前記偏動検出部材に連繋され、該偏動検出部材に前記平ベル トが接して回転トルクが作用したときに、その回転運動を前記偏動調整用ロ−ラ の軸端部が所定方向に変位する運動に変換し、前記平ベルトを前記片寄付与手段 による移動方向とは逆方向に移動させるロ−ラ端部変位手段とを備えさせる。更 に、前記偏動検出部材の外周面に、前記平ベルトが乗り上げ可能な乗り上げ面を 形成し、この乗り上げ面に多数の凹部を形成するような構成とした。
【0013】 請求項2記載の考案は、前記請求項1記載のベルト駆動装置において、偏動検 出部材における少なくとも乗り上げ面成形部分を、耐摩耗性を有する樹脂材料に よって形成すると共に、この偏動検出部材の乗り上げ面に形成されている凹部内 に、平ベルトとの間での摩擦係数が高い高摩擦係数材料を配設するような構成と した。
【0014】 請求項3記載の考案は、前記請求項1または2記載のベルト駆動装置において 、偏動検出部材の乗り上げ面のうち、平ベルトの乗り上げ量が小さいときの乗り 上げ領域を平坦面で形成すると共に、平ベルトの乗り上げ量が大きいときの乗り 上げ領域に凹部を形成するような構成とした。
【0015】
【作用】
上記の構成により本考案では以下に述べるような作用が得られる。先ず、請求 項1記載の考案では、片寄付与手段の作用によって、平ベルトが偏動検出部材の 配設位置に向かって偏動し、該偏動検出部材に接すると、該偏動検出部材が平ベ ルトとの接触摩擦により回転する。そして、ロ−ラ端部変位手段によってこの偏 動検出部材の回転運動が前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位する運 動に変換される。このようにして偏動調整用ロ−ラの軸端部が変位すると、平ベ ルトに前記偏動方向とは逆方向の偏動変位が発生するために、前記初期の偏動を 修正する。つまり、初期の偏動に応じた偏動調整用ロ−ラの軸端部の変位量が自 動的に与えられ、平ベルトの偏動を修正する。このため、前記平ベルトは安定し た走行を行うことができ、特に、このベルト駆動装置を電子写真装置に適用した 場合には正確な画像形成を行うことができる。そして、前記平ベルトが偏動検出 部材に接触する際には、該偏動検出部材の乗り上げ面に平ベルトが乗り上げるこ とになる。そして、この乗り上げ面には多数の凹部が形成されているために、こ の凹部が形成されている部分では、平ベルトと偏動検出部材とが接触することが なく、全体としての接触面積が小さいために、環境変化、特に湿度変化の影響に よってこの接触部分の摩擦係数の変化を抑制することができる。従って、いかな る環境下においても常に安定した摩擦係数が得られ、正確な偏動修正動作が行わ れる。
【0016】 請求項2記載の考案では、偏動検出部材の乗り上げ面成形部分は耐摩耗性を有 する樹脂材料によって形成されているために、この偏動検出部材の乗り上げ面全 体としての耐摩耗性が向上されており、また、平ベルトから偏動検出部材への動 力の伝達は、平ベルトとの間での摩擦係数が高い高摩擦係数部材によって確実に 行われる。
【0017】 請求項3記載の考案では、湿度が低い場合には、平ベルトと偏動検出部材との 間の摩擦係数が高く確保されているために、平ベルトは偏動検出部材の乗り上げ 面の平坦面に接触するのみで所定の偏動修正動作が行われる。一方、湿度が高い 場合には、平ベルトが前記乗り上げ面のうち凹部が形成されている領域にまで達 し、この部分での摩擦抵抗により、平ベルトの駆動力が偏動検出部材に伝達され 、迅速に偏動修正動作が行われる。このため、低湿度下での乗り上げ面の摩滅の 抑制と、高湿度下での走行安定性が得られる。
【0018】
【実施例】
(第1実施例) 以下、請求項1記載の考案に係る第1実施例を図面に沿って詳細に説明する。 図1は、本例に係る電子写真装置内に収容されたベルト駆動装置を示している。 3軸系の転写ベルトの駆動装置の全体を示す図1において、1,2,3は、夫々 第1、第2及び第3ロ−ラである。各ロ−ラ1,2,3は、夫々軸部材1a,2 a,3aと、該軸部材1a,2a,3aの左右両端部を除いた部分で、軸部材1 a,2a,3aと同心上で僅かに大径に形成されたゴム等で成る筒状体1b,2 b,3bとから成っている。この筒状体1b,2b,3bの材料としては、例え ばEPDM系架橋ゴムが採用される。但し、この各筒状体1b,2b,3bは樹 脂やアルミニウムなどのように弾性体材料でないものであってもよい。
【0019】 前記各ロ−ラ1,2,3には、基材の表面に誘電体層が形成されて成る本考案 でいう平ベルトとしての転写ベルト4が走行可能に掛け渡されている。従って、 本ベルト駆動装置は、前記転写ベルト4が電子写真装置の転写搬送体として機能 するようになっている。また、前記転写ベルト4の基材としては、例えば2軸延 伸ポリエステルが採用されており、引張弾性率が200kg/mm2 以上に設定され ている。
【0020】 第1ロ−ラ1は、軸部材1aが駆動モ−タ5の駆動軸に連結されて該駆動モ− タ5の駆動力が伝達可能となっている。つまり、この第1ロ−ラ1が駆動ロ−ラ として機能するようになっている。
【0021】 第2ロ−ラ2は、従動ロ−ラであって、その軸線が前記第1ロ−ラ1の軸線に 対して傾斜配置されている。つまり、例えば第2ロ−ラ2のA方向の軸端部のみ を、第1ロ−ラ1との水平平行位置に対してC方向に僅かに(例えば1mm)変位 させている。
【0022】 第3ロ−ラ3は、本考案でいう偏動調整用ロ−ラであって、その軸線が第1ロ −ラ1の軸線と平行に配置されている。また、この第3ロ−ラ3は、その左右両 軸端部に配設されたスプリング3c,3cによってC方向に付勢力が与えられて いる。そして、この付勢力によって転写ベルト4の張力が調整されるようになっ ている。
【0023】 このように各ロ−ラ1,2,3が配設されていることにより、この各ロ−ラ1 ,2,3に掛け渡されている転写ベルト4は、その走行時において常にA方向に 偏動するような構成となっている。つまり、前記第2ロ−ラ2の軸線が第1ロ− ラ1の軸線に対して傾斜配置されていることによって本考案でいう片寄付与手段 が構成されている。
【0024】 また、第3ロ−ラ3の軸端部は、図2及び図3に示すように、軸受部材である ブッシュ7を介して下枠8aに回転可能に支持されている。また、この下枠8a は、可動部材6に取付けられた上枠8bにスライドベアリング9を介して係合し ている。従って、前記下枠8a、上枠8b及びスライドベアリング9により、第 3ロ−ラ3の軸端部をロ−ラ軸線と略直行する方向に移動可能に支持するロ−ラ 支持部材8が構成されている。また、第3ロ−ラ3の軸部材3aにおける下枠8 aの取付位置より内側位置には本例の特徴とする部材である偏動検出部材11が 第3ロ−ラ3と同軸上で且つ、該第3ロ−ラ3から独立して回動自在となるよう に軸部材3aに支持されている。また、軸部材3aの外側端部にはリング部材1 2が装着されている。
【0025】 前記偏動検出部材11は、高密度ポリエチレン等によって形成されている。そ して、この偏動検出部材11は、その内側端面が、前記第3ロ−ラ3の筒状体3 bの端面と小間隙を存して近接配置されている。また、この偏動検出部材11は 、第3ロ−ラ3の筒状体3bの端面に対向する前記内側端面部分の外径が第3ロ −ラ3の筒状体3bの外径と同径に設定され、且つ筒状体3b端面から離れるに 従って次第にその径が大きくなるテ−パ状に傾斜された乗り上げ面11aを有し ている。そして、この偏動検出部材11の特徴とする構成として、図6に示すよ うに、この乗り上げ面11aには、本考案でいう凹部として、第3ローラ3の筒 状体3bに対向する内側端から外側端に向って延びる断面略V字状の溝17が、 その全周に亘って複数形成されている。そして、このように構成された偏動検出 部材11は、転写ベルト4にA方向の偏動が発生すると、図2に仮想線で示すよ うに乗り上げ面11aに転写ベルト4が乗り上げるようになっている。つまり、 この転写ベルト4と偏動検出部材11との接触部分は、各V字状溝17の接触部 分としての頂面部分であって、その接触面積は小さくなっている。
【0026】 また、前記偏動検出部材11の外側には円筒部分11b(図2参照)が形成さ れており、この円筒部分11bには、紐部材13の一端が連結されている。一方 、この紐部材13の他端は固定部材S(図4参照)に取付けられている。つまり 、片寄付与手段の動作によって発生する転写ベルト4の偏動により、転写ベルト 4が偏動検出部材11の乗り上げ面11aに乗り上げ、偏動検出部材11に回転 トルクが作用したとき、偏動検出部材11の回転により前記紐部材13が偏動検 出部材11の円筒部分11bに巻き取られて、前記第3ロ−ラ3のA方向の軸端 部を、第1ロ−ラ1の軸端部から離れる方向に、即ち、図1のB方向に変位させ るようになっている。即ち、第3ロ−ラ3をベルト進行方向に向って右方向に傾 けて、転写ベルト4を図中A方向とは逆方向に移動させるように構成されている 。これによって、偏動検出部材11に回転トルクが作用したときに前記第3ロ− ラ3の軸端部を所定方向に変位させるロ−ラ端部変位手段14が構成されている 。即ち、第3ロ−ラ3の軸端部がB方向に変位されると、転写ベルト4は、A方 向とは逆方向へ巻回されながら走行するために、初期の偏動成分(A方向成分) とは逆の偏動成分が発生し、初期の偏動成分と打ち消し合うまで軸部材3aの軸 端部が変位されることになる。
【0027】 また、偏動検出部材11のロ−ラ端部外側への移動はストッパ16によって規 制されている。
【0028】 以下、上記の構成による動作について説明する。先ず、第1ロ−ラ1及び第3 ロ−ラ3に対する第2ロ−ラ2の傾斜配置により、転写ベルト4の走行時に、該 転写ベルト4は常に図1におけるA方向へ偏動するような力が作用しており、こ れによって、転写ベルト4は、走行しながら偏動検出部材11に向かって偏動す る。
【0029】 そして、転写ベルト4の偏動により転写ベルト4の端縁部が偏動検出部材11 の乗り上げ面11aに乗り上げると、図5に示すように、転写ベルト4と偏動検 出部材11の乗り上げ面11aとの間に作用する摩擦力により、偏動検出部材1 1が軸部材3aに対して回転せしめられ、その回転によって前記円筒部分11b が紐部材13を巻取ることになる。
【0030】 この紐部材13の巻取りにより、偏動検出部材11が配置されている第3ロ− ラ3の軸端部がB方向へ変位し、転写ベルト4はA方向と逆方向に巻回されなが ら走行することになる。これによって、転写ベルト4のA方向への偏動が制限さ れる。それと共に、前記軸端部の変位により、前記リング部材12に取付けられ ているスプリング15が延びて、そのスプリング力も作用しているので、紐部材 13の巻取り力とスプリング15のスプリング力とのバランスにより、第3ロ− ラ3の変位量が規制され、ある一定位置に転写ベルト4の端部の位置が維持され ることになる。
【0031】 このようにして転写ベルト4の走行が行われるために、転写ベルト4の大きな 偏動が防止され、例えば、転写ベルト4の偏動量を10数μmに抑えることがで きる。つまり、予め転写ベルト4を一方向へ偏動させながら、その偏動を自動的 に逐次修正するようにしていることにより、偏動量を微量にすることができ、転 写ベルト4に安定した走行を行わせることができ、本例のような電子写真装置に あっては正確な画像形成を行うことができる。
【0032】 そして、本例の特徴とする動作としては、上述した転写ベルト4の偏動検出部 材11の乗り上げ面11aへの乗り上げ動作時にある。つまり、上述したように 、偏動検出部材11の乗り上げ面11aには複数のV字状の溝17,17,…が 形成されているために、転写ベルト4と偏動検出部材11の乗り上げ面11aと の接触面積は小さくなっており、この接触部分の摩擦係数は湿度の影響を受ける ことがなく、常に安定した状態で維持されることになる。従って、いかなる環境 下においても常に安定した偏動修正動作を行うことができる。
【0033】 また、本考案の考案者は本例の効果を確認するために実験を行った。この実験 は、相対湿度を変化させながら、適宜、転写ベルト4と偏動検出部材11との間 の摩擦係数を測定するようにして行ったものである。その結果について説明する と、図7に破線で示すように、相対湿度60%程度までは、転写ベルト4と偏動 検出部材11の乗り上げ面11aとの間の摩擦係数には殆ど変化がなく、安定し た偏動修正動作が行われることが確認された。
【0034】 (変形例) 次に、本例の変形例について説明する。本例は、偏動検出部材11の乗り上げ 面11aに形成されている溝の変形例である。図8に示すように、本例における 溝17a,17a,…は、偏動検出部材11の内側端から外側端に向って該偏動 検出部材11の周方向に傾斜するような螺旋状に形成されている。このような螺 旋状の溝17aが形成された偏動検出部材11にあっても、上述した第1実施例 の場合と同様に、湿度変化に拘りなく転写ベルト4との間で安定した摩擦係数が 得られるようになっている。
【0035】 他の変形例として、図9に示すように、乗り上げ面11aの全体に亘って周方 向に複数本のリング状溝17b,17b,…を形成するようにしたり、図10に 示すように、略楕円形状の凹部で成る溝17c,17c,…を形成するようにし ても同様の効果を発揮することができる。
【0036】 (第2実施例) 次に、請求項2記載の考案に係る第2実施例について説明する。本例は、偏動 検出部材11の変形例であって、ベルト駆動装置の主たる構成は上述した第1実 施例のものと同様であるために、その説明を省略し、偏動検出部材11の形状の みについて説明するに止める。図11には、本例における偏動検出部材11の回 転軸心の延長方向に対して垂直な方向における縦断面を示している。この偏動検 出部材11はプラスチック製であって、この図11の如く、その乗り上げ面11 aのうち、転写ベルト4が接触する領域部分のみに、図6で示したような複数の 溝17d,17d,…が形成されている。そして、この各溝17d内には、本考 案でいう高摩擦係数材料としてのゴム製の弾性充填材18が配設されており、こ の弾性充填材18の外表面18aと、偏動検出部材11のプラスチック部分の外 表面としての乗り上げ面11aとが連続面で形成されるように構成されている。
【0037】 このような構成により、転写ベルト4に偏動が発生して、該転写ベルト4が偏 動検出部材11の乗り上げ面11aに乗り上げた場合、この転写ベルト4はプラ スチック部分とゴム部分との両方に接触することになる。そして、前記プラスチ ック部分は、転写ベルト4からの面圧を受け、この乗り上げ面11aの摩耗を抑 制するように働き、この乗り上げ面11a全体としての耐摩耗性を向上させてい る。一方、ゴム部分は、転写ベルト4との間での摩擦係数が大きいために、転写 ベルト4から伝達される駆動力を確実に偏動検出部材11に伝達する。このため 、高湿度の条件下にあっても偏動修正動作を確実に行わせることができ、また、 偏動検出部材11の長寿命化も図れるようになっている。また、本例では、弾性 充填材18をゴム製としたが硬化性接着剤等のようなもので硬化するような材料 を採用するようにしてもよい。
【0038】 また、本例の効果を確認するために行った実験の結果について説明すると、図 7に実線で示すように、この場合にも前記第1実施例と同様に、相対湿度60% 程度までは、転写ベルト4と偏動検出部材11の乗り上げ面11aとの間の摩擦 係数には殆ど変化がなく、安定した偏動修正動作が行われることが確認された。
【0039】 (第3実施例) 次に、請求項3記載の考案における第3実施例について説明する。本例も偏動 検出部材11の変形例であって、ベルト駆動装置の主たる構成は上述した第1実 施例のものと同様であるために、その説明を省略し、偏動検出部材の形状のみに ついて説明するに止める。図12に示すように、本例の偏動検出部材11は、乗 り上げ面11aのうち前記第3ローラ3の筒状体3bに対向する内側部分が平坦 なテーパ面11dで形成されており、このテーパ面11dの外側には、略スリッ ト状の切込部11e,11e,…が形成されている。つまり、この切込部11e が形成されている部分では、上述した各実施例における溝17が形成されている 部分と同様に、湿度の影響を受けることなく、転写ベルト4との間で安定した摩 擦係数が得られることになる。
【0040】 そして、このような形状の乗り上げ面11aを有する偏動検出部材11にあっ ては、湿度が低い場合には、転写ベルト4と偏動検出部材11との間の摩擦係数 が高く確保されており、平ベルト4は偏動検出部材11の乗り上げ面11aのテ ーパ面11dに接触するのみで所定の偏動修正動作が行われる。一方、湿度が高 い場合には、転写ベルト4が前記乗り上げ面11aのうち切込部11eが形成さ れている領域にまで達することになり、この部分での摩擦抵抗により、転写ベル ト4の駆動力が偏動検出部材11に伝達され、迅速に偏動修正動作が行われる。 このようにして、低湿度下での乗り上げ面11aの摩滅の抑制と、高湿度下での 走行安定性とを両立することができる。
【0041】 また、本例の偏動検出部材11の変形例として、図13に示すものは、上述し た図9で示した偏動検出部材11において乗り上げ面11aの内側部分にテーパ 面11dを形成したものであって、図14に示すものは、上述した図10で示し た偏動検出部材11において乗り上げ面11aの内側部分にテーパ面11dを形 成したものである。
【0042】 尚、上述した各例では、電子写真装置の転写ベルトの駆動装置について説明し たが、本考案は、これに限らず、感光体ベルトの駆動装置、或いは通常の平ベル ト駆動装置についても同様に適用することができる。更に、片寄付与手段として は、第3ロ−ラ3を第1ロ−ラ1に対して傾斜配置させたり、転写ベルト4に張 力を与えるためのスプリング3c,3cの付勢力を左右で異なるようにして構成 するようにしてもよい。
【0043】
【考案の効果】
上述してきたように、本考案によれば、以下に述べるような効果が発揮される 。先ず、請求項1記載の考案によれば、乗り上げ面に多数の凹部を形成するよう にして、平ベルトが偏動検出部材に接触する際に、この凹部が形成されている部 分で平ベルトと偏動検出部材とを接触させず、その全体としての接触面積を小さ くするようにしたために、環境変化、特に湿度変化の影響によってこの接触部分 の摩擦係数の変化を抑制することができ、従って、いかなる環境下においても常 に安定した摩擦係数が得られ、正確な偏動修正動作を行わせることができる。
【0044】 請求項2記載の考案によれば、偏動検出部材の乗り上げ面成形部分を耐摩耗性 を有する樹脂材料によって形成したために、この偏動検出部材の乗り上げ面全体 としての耐摩耗性が向上されており、また、偏動検出部材の乗り上げ面に形成さ れている凹部内に、平ベルトとの間での摩擦係数が高い高摩擦係数材料を配設し たために、平ベルトから偏動検出部材への動力の伝達を確実に行わせることがで きるので、偏動検出部材の長寿命化と高湿度の条件下における正確な偏動修正動 作の確保とを図ることができる。
【0045】 請求項3記載の考案によれば、偏動検出部材の乗り上げ面のうち、平ベルトの 乗り上げ量が小さいときの乗り上げ領域を平坦面で形成し、平ベルトの乗り上げ 量が大きいときの乗り上げ領域に凹部を形成するようにしたために、湿度が低い 場合には、平ベルトは偏動検出部材の乗り上げ面の平坦面に接触するのみで所定 の偏動修正動作が行われ、一方、湿度が高い場合には、平ベルトが前記乗り上げ 面のうち凹部が形成されている領域にまで達し、この部分での摩擦抵抗により、 平ベルトの駆動力が偏動検出部材に伝達され、迅速に偏動修正動作が行われる。 このため、低湿度下での乗り上げ面の摩滅の抑制と、高湿度下での走行安定性と を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト駆動装置の概略斜視図である。
【図2】偏動検出部材周辺の縦断正面図である。
【図3】偏動検出部材周辺を内側から見た斜視図であ
る。
【図4】偏動検出部材周辺を外側から見た斜視図であ
る。
【図5】ロ−ラ端部変位手段の動作を説明するための図
である。
【図6】第1実施例における偏動検出部材の斜視図であ
る。
【図7】相対湿度と摩擦係数との関係を示す図である。
【図8】変形例における図6相当図である。
【図9】他の変形例における図6相当図である。
【図10】他の変形例における図6相当図である。
【図11】第2実施例における偏動検出部材の縦断面図
である。
【図12】第3実施例における図6相当図である。
【図13】他の変形例における図12相当図である。
【図14】他の変形例における図12相当図である。
【図15】溝を有しない偏動検出部材における図7相当
図である。
【図16】短繊維が練込まれた偏動検出部材における図
7相当図である。
【符号の説明】
1 第1ロ−ラ 2 第2ロ−ラ 3 第3ロ−ラ(偏動調整用ロ−ラ) 4 転写ベルト(平ベルト) 11 偏動検出部材 11a 乗り上げ面 14 ロ−ラ端部変位手段 17 溝(凹部) 18 弾性充填材(高摩擦係数部材)

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平ベルトと、 該平ベルトが掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整用
    ロ−ラに構成された複数本のロ−ラと、 前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部に、該偏動調整用
    ロ−ラと独立して回転自在に支持された偏動検出部材
    と、 前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移
    動させる片寄付与手段と、 前記偏動検出部材に連繋され、該偏動検出部材に前記平
    ベルトが接して回転トルクが作用したときに、その回転
    運動を前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位
    する運動に変換し、前記平ベルトを前記片寄付与手段に
    よる移動方向とは逆方向に移動させるロ−ラ端部変位手
    段とを備え、 前記偏動検出部材の外周面には前記平ベルトが乗り上げ
    可能な乗り上げ面が形成されており、該乗り上げ面には
    多数の凹部が形成されていることを特徴とするベルト駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベルト駆動装置におい
    て、偏動検出部材における少なくとも乗り上げ面成形部
    分は耐摩耗性を有する樹脂材料によって形成されている
    と共に、この偏動検出部材の乗り上げ面に形成されてい
    る凹部内には、平ベルトとの間での摩擦係数が高い高摩
    擦係数材料が配設されていることを特徴とするベルト駆
    動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のベルト駆動装置
    において、偏動検出部材の乗り上げ面は、平ベルトの乗
    り上げ量が小さいときの乗り上げ領域が平坦面で形成さ
    れていると共に、平ベルトの乗り上げ量が大きいときの
    乗り上げ領域に凹部が形成されていることを特徴とする
    ベルト駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009300663A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Ricoh Co Ltd ベルト装置及び画像形成装置
JP2015168503A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 キヤノン株式会社 シート給送装置及び画像形成装置

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