JPH0732518Y2 - 蛇行検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、平ベルトの駆動装置、特に、電子写真方式を
用いた機器の感光体ベルト、転写搬送ベルト等のベルト
駆動装置に関するものである。

（従来の技術） 従来より、例えば電子写真装置において、装置の軽量化
及びコンパクト化を目的として、互いに略平行に配置し
た複数本のローラ部材に、表面に感光体層または誘電体
層を形成した平ベルトを掛け渡し、該平ベルトを感光体
ドラムの代わりに感光体ベルト、または転写搬送ベルト
として用いることが知られている。

ところが、このような用途に用いられる平ベルトは、プ
ラスチックフィルムや金属箔等、伸びが小さくて強度の
高い材料を基材として形成される場合が多い。従って、
この種の平ベルトは、弾性変形し難いことから、各関連
部品の寸法誤差、ローラ部材の取付誤差、ベルト張力の
アンバランス、ベルト周長さの不均一などをベルト自体
の変形で吸収することができず、この結果、平ベルトの
走行時に蛇行が発生し易いという問題があった。

しかし、このような電子写真装置では、正確な画像形成
を行うために、高精度、高解像度が要求されるので、こ
の平ベルトの蛇行を検出して、それを解消する必要があ
る。

そして、このような、ベルトの蛇行を検出して、それを
解消するための従来技術として、実開昭58-110609号公
報や実開昭64-48457号公報に示されるような複雑なメカ
ニズム構造を用いて蛇行を検出、修正するようにしたも
のがある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述した公報に示されるものでは、複雑
なメカニズムを用いて蛇行を検出、修正するために、高
価でしかも余分なスペースを必要とし、装置全体として
の大型化に繋るばかりでなく、複雑な機構で部品点数が
多く、それだけ故障発生要因部が増加することになり、
装置の信頼性が十分に確保されているとは言い難いもの
であった。

本考案は、これらの点に鑑みてなされたものであって、
ローラ部材及び平ベルトに複雑な加工を施すことなく、
簡単な機構で必要スペースが小さく、安価にベルトの蛇
行を検出することができる蛇行検出装置を提供すること
を目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案では、平ベルトに
蛇行が発生すると、その蛇行変位によって平ベルトと接
触する蛇行検出部材を備えるようにした。具体的に、請
求項（１）記載の考案は、平ベルトと、該平ベルトが掛
け渡され、少なくとも１本が蛇行検出用ローラ部材に構
成された複数本のローラ部材と、前記蛇行検出用ローラ
部材の一方の軸端部に、該蛇行検出用ローラ部材と独立
して回転自在に支持された蛇行検出部材を備えている。
そして、前記蛇行検出用ローラ部材の前記蛇行検出部材
が配設された軸端部を回転軸心と直行する所定方向に移
動可能に支持するローラ支持部材と、蛇行検出部材に連
結され、蛇行検出部材に平ベルトが接して回転トルクが
作用したときに、その回転運動を直線運動に変換するこ
とによって、蛇行検出用ローラ部材の軸端部を所定方向
に変位させるローラ端部変位手段とを備えている。更
に、蛇行検出部材に平ベルトとの接触による回転トルク
が作用していない状態では、平ベルトを蛇行検出部材の
配設方向に向って蛇行移動させるように構成されてお
り、また、蛇行検出用ローラ部材の軸端部をローラ端部
変位手段による変位方向とは逆方向に付勢する付勢手段
が設けられているベルト駆動装置を前提としている。そ
して、前記蛇行検出部材の外周面に、平ベルトが乗り上
げ可能な乗り上げ面を形成し、該乗り上げ面を、蛇行検
出用ローラ部材の支軸の軸心を通る断面の輪郭が、蛇行
検出用ローラ部材のローラから離れるに従って支軸外側
に向って回転軸心から離れるように傾斜させた構成とし
た。

請求項（２）記載の考案は、請求項（１）記載の蛇行検
出装置を前提とし、蛇行検出部材の乗り上げ面を、支軸
の軸心を通る断面の輪郭が、蛇行検出用ローラ部材のロ
ーラから離れるに従って回転軸心から離れるように傾斜
し且つ中凹状に湾曲させた構成とした。

請求項（３）記載の考案は、請求項（１）または（２）
記載の蛇行検出装置を前提とし、蛇行検出部材における
ローラとの対向端を、該ローラの径よりも小径に形成す
るような構成とした。

請求項（４）記載の考案は、請求項（１）または（２）
記載の蛇行検出装置を前提とし、蛇行検出部材の乗り上
げ面の内側に、蛇行検出用ローラ部材のローラの径と同
径で且つローラに向って延びる円柱部を形成するような
構成とした。

請求項（５）記載の考案は、請求項（１）、（２）また
は（３）記載の蛇行検出装置を前提とし、蛇行検出部材
の乗り上げ面の内側に、蛇行検出用ローラ部材のローラ
の径より小径で且つローラに向って延びる小径円柱部を
形成するような構成とした。

（作用） 次に、上記構成による本考案の作用を述べる。

請求項（１）記載の考案によれば、平ベルトが蛇行によ
り変位して蛇行検出部材に接触すると、該蛇行検出部材
は平ベルトとの接触摩擦により回転する。従って、この
蛇行検出部材の回転によって平ベルトに蛇行が発生した
ことが検出できる。また、蛇行検出部材の乗り上げ面が
ローラから離れるに従って回転軸心から離れるように傾
斜していることにより、平ベルトが蛇行検出部材に乗り
上げた際に、この両者間でのスリップの発生を防止で
き、確実に蛇行の検出が行える。

請求項（２）記載の考案によれば、蛇行検出部材の乗り
上げ面がローラから離れるに従って回転軸心から離れる
ように傾斜し且つ中凹状に湾曲していることにより、平
ベルトが蛇行検出部材に乗り上げた際に、この両者間で
のスリップの発生を防止でき確実に蛇行の検出が行える
ばかりでなく、ローラ周面と乗り上げ面とが略面一状に
成形できるため、その乗り上げ状態の平ベルトがローラ
と蛇行検出部材との境界部分で折れ曲がることが抑制さ
れている。

請求項（３）記載の考案によれば、蛇行検出部材のロー
ラとの対向端がローラの径より小径に形成されているこ
とにより、平ベルトに過大な張力が作用してローラが変
形した状態で蛇行が発生しても、平ベルトの端縁が蛇行
検出部材の側端面に当接することがなく、該平ベルトは
蛇行検出部材への乗り上げ動作が可能となる。

請求項（４）記載の考案によれば、蛇行検出部材の乗り
上げ面の内側に、ローラの径と同径で且つローラに向っ
て延びる円柱部が形成されていることにより、平ベルト
に蛇行が発生すると、該平ベルトは円柱部に接触し、そ
の後、更に、蛇行が進むと乗り上げ面に接触する。従っ
て、平ベルトの蛇行変位が大きくなるのに伴って蛇行検
出部材に作用する回転トルクが大きくなり、蛇行量に応
じた蛇行検出部材の回転量を得ることができる。

請求項（５）記載の考案によれば、蛇行検出部材の乗り
上げ面の内側に、ローラの径より小径で且つローラに向
って延びる小径円柱部が形成されていることにより、平
ベルトを、小径円柱部に対向した位置で該小径円柱部と
小間隙を存した状態で走行させると、平ベルトに蛇行が
発生した際には、平ベルトの端縁が小径円柱部に接触す
ることなしに乗り上げ面に接触する。従って、平ベルト
の蛇行発生時に、ローラと蛇行検出部材との間隙に平ベ
ルトが巻き込まれることが防止でき、このローラと平ベ
ルトとの間隙に高い寸法精度を要せず、製作の簡略化が
図れる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に沿って詳細に説明す
る。

第１図は、本考案による電子写真装置内に収容にされた
平ベルト駆動装置を示している。３軸系の感光体ベルト
の駆動装置の全体を示す第１図において、1,2,3は、夫
々第１、第２及び第３ローラ部材であって、夫々支軸1
a,2a,3aと、該支軸1a,2a,3aの左右両端部を除いた部分
で、支軸1a,2a,3aと同心上で僅かに大径に形成された弾
性体ローラ1b,2b,3bから成っている。この弾性体ローラ
1b,2b,3bの材料としては、例えばEPDM系架橋ゴムが採用
される。但し、このローラ1b,2b,3bは弾性体でなくても
よい。

また、前記各ローラ部材1,2,3には、基材の表面に感光
体層が形成されてなる本考案でいう平ベルトとしての感
光体ベルト４が走行可能に掛け渡されており、この感光
体ベルト４が電子写真装置の感光体として機能するよう
になっている。また、前記感光体ベルト４の基材として
は、例えば２軸延伸ポリエステルが採用されており、引
張弾性率が200kg/mm²以上に設定されている。

第１ローラ部材１は、支軸1aが駆動モータ５の駆動軸に
連係されて該駆動モータ５の駆動力が伝達可能となって
おり、所謂駆動ローラとして機能するようになってい
る。

第２ローラ部材２は、所謂従動ローラで、その軸線が第
１ローラ部材１の軸線に対して傾斜配置されている。例
えば支軸2aのＡ方向側軸端部のみを、第１ローラ部材１
との水平方向位置に対してＣ方向に僅かに（例えば1m
m）変位させている。

第３ローラ部材３は、本考案でいう蛇行検出用ローラ部
材であって、その軸線が第１ローラ部材１の軸線と略平
行に配置されている。また、第３ローラ部材３は、その
左右両軸端部に配設されたスプリング3c,3cによってＣ
方向に付勢力が与えられており、この付勢力によって感
光体ベルト４の張力を調整するようになっている。この
ように各ローラ部材1,2,3が配設されていることによ
り、この各ローラ部材1,2,3に掛け渡されている感光体
ベルト４は、常にＡ方向に蛇行するような構成となって
いる。

また、第３ローラ部材３の支軸3aの軸端部は、第２図及
び第３図に示すように、軸受部材であるブッシュ７を介
して下枠8aに回転可能に支承され、該下枠8aがスライド
ベアリング９を介して可動部材６に取付固定された上枠
8bに第１ローラ部材１の軸端部に対して接近及び離隔可
能となるように係合されている。これによって本考案で
いうローラ支持部材が構成されている。

そして、第３ローラ部材３の支軸3aの下枠8aの取付位置
より内側位置には蛇行検出部材11が第３ローラ部材３と
同軸上で且つ、該第３ローラ部材３から独立して回動自
在に配設されている。また、この蛇行検出部材11の外側
位置にはリング部材12が装着されている。

前記蛇行検出部材11は、ベルト材との摩擦係数が高く耐
摩耗性に優れたウレタンエラストマー等によって形成さ
れており、弾性体ローラ3bの端面から離れるに従って径
が大きくなるテーパ状に傾斜された乗り上げ面11aを有
している。そして、その内側端面は、前記弾性体ローラ
3bの側面と小間隙を存して近接配置されている。これに
よって、感光体ベルト４に蛇行が発生すると、第２図に
仮想線で示すように、その蛇行変位により感光体ベルト
４が蛇行検出部材11の乗り上げ面11aに乗り上げるよう
になっている。

また、蛇行検出部材11には、一端部が固定部材Ｓに取付
固定された紐部材13の他端部が連結され、感光体ベルト
４の蛇行変位により、感光体ベルト４が蛇行検出部材11
の乗り上げ面11aに乗り上げ、蛇行検出部材11に回転ト
ルクが作用したとき、蛇行検出部材11の回転により前記
紐部材13が蛇行検出部材11に巻き取られて、前記第３ロ
ーラ部材３の支軸3aの軸端部を、第１図Ｂ方向に変位さ
せるようになっている。即ち、支軸3aの軸端部がＢ方向
に変位されると、感光体ベルト４にはＡ方向とは逆方向
へ巻回されながら走行するために、初期の蛇行成分（Ａ
方向成分）とは逆の蛇行成分が発生し、初期の蛇行成分
と打ち消し合うまで支軸3aの軸端部は変位されることに
なる。これによって、本考案でいうローラ端部変位手段
14が構成されている。

また、第４図に示すように、支軸3aの軸端部のリング部
材12には付勢手段としてのスプリング15が連結され、紐
部材13の巻取動作による変位方向とは反対方向に常時付
勢されるようになっており、スプリング15によって支軸
3aの軸端部の所定量以上の変位を抑制するようになって
いる。このような構成により、支軸3aの軸端部の変位に
よる逆方向の蛇行成分が初期蛇行成分より大きくなる
と、感光体ベルト４は逆方向に蛇行を開始し、蛇行検出
部材11への乗り上げ量は減少するから、蛇行検出部材11
の回転トルクも減少し、その結果、スプリング15によっ
て支軸3aの軸端部の変位量も小さくなるようになってい
る。

また、蛇行検出部材11のローラ端部外側への移動はスト
ッパ16によって規制されている。

上記のような構成による動作として、第１及び第３ロー
ラ部材1,3に対する第２ローラ部材２の傾斜配置によ
り、感光体ベルト４の走行時に、該感光体ベルト４は常
にＡ方向へ蛇行変位している。

しかして、この感光体ベルト４の蛇行変位により感光体
ベルト４の端部が蛇行検出部材11の乗り上げ面11aに乗
り上げると、第５図に示すように、感光体ベルト４と蛇
行検出部材11の乗り上げ面11aとの間に作用する摩擦力
により、蛇行検出部材11が回転せしめられ、その回転に
よって紐部材13を巻取ることになる。

この紐部材13の巻取りにより、蛇行検出部材11が配置さ
れている第３ローラ部材３の端部である支軸3aの軸端部
がＢ方向へ変位し、その変位により感光体ベルト４のＡ
方向への変位が抑制される。それと共に、前記軸端部の
変位により、スプリング15が伸びてスプリング力も作用
しているので、紐部材13の巻取り力とスプリング15のス
プリング力とのバランスにより、第３ローラ部材３の変
位量が規制され、ある一定位置に感光体ベルト４の端縁
の位置が維持されることになる。

このようにして感光体ベルト４の走行が行われるため
に、感光体ベルト４の蛇行が解消され、例えば、感光体
ベルト４の蛇行量を10数μｍに抑えることができる。

また、蛇行検出部材11の乗り上げ面11aをテーパ状に傾
斜させることは、ベルトの回転によるトルクを蛇行検出
部材11に確実に伝達できるようにするために望ましい
が、この傾斜は必ずしも必要ではなく、乗り上げ面11a
の径を弾性体ローラ3bと同径に形成してもよい。

次に、本第１実施例における変形例について説明する。

第６図に示すように、本例の蛇行検出部材11の乗り上げ
面11aは、第３ローラ部材３の弾性体ローラ3bから離れ
るに従って支軸3aの回転軸心から離れるように傾斜し且
つ中凹状に湾曲して形成されている。つまり、弾性体ロ
ーラ3bの端部周辺の周面と蛇行検出部材11の乗り上げ面
11aの内側端周辺の周面とは、略面一状に連続してい
る。このような構成により、仮想線で示すように感光体
ベルト４が乗り上げ面11aに乗り上げた際には、感光体
ベルト４が、弾性体ローラ3bと蛇行検出部材11との境界
部分で折れ曲ることがないために、感光体ベルト４の長
寿命化が図れ、且つその乗り上げ量が多くなるに従って
感光体ベルト４と乗り上げ面11aとの摩擦力が大きく増
大することになるために、蛇行変位量が大きい場合の蛇
行解消動作が迅速に行われ、蛇行解消動作の応答性が向
上される。

また、他の変形例として第７図に示すように、蛇行検出
部材11の乗り上げ面11aを感光体ベルト４が乗り上げる
領域のみに傾斜又は湾曲させて形成するような構成とし
てもよい。

（第２実施例） 次に、本考案における第２実施例について説明する。本
例では、蛇行検出部材11が上述した第１実施例のものと
異なっているために、その特徴とする部分のみについて
述べるに止める。

第８図に示すように、本例の蛇行検出部材11は、その弾
性体ローラ3bとの対向端、つまり弾性体ローラ3bに対向
する垂直面部分が、弾性体ローラ3bの径よりも僅かに小
径に形成されて成っている。従って、このような構成に
よれば、感光体ベルト４に蛇行が発生した場合、該感光
体ベルト４の端縁が確実に乗り上げ面11aに接触し、該
乗り上げ面11aに乗り上げることが可能となる。また、
感光体ベルト４に過大な張力が作用して感光体ベルト４
が弾性体ローラ3bを押し付けることにより、第８図に仮
想線で示すように、弾性体ローラ3bが半径方向に変形す
るような状況において蛇行が発生しても、感光体ベルト
４の端縁が蛇行検出部材11の内側端面に当接することが
抑制され、乗り上げ面11aへの円滑な乗り上げ動作を得
ることができる。

（第３実施例） 次に、本考案における第３実施例について説明する。本
例においても蛇行検出部材11の形状を特徴部分としてい
る。

第９図に示すように、本例の蛇行検出部材11は、その乗
り上げ面11aの内側に一体的に円柱部17が形成されてい
る。この円柱部17は、弾性体ローラ3bの径と同径で、且
つ乗り上げ面11aの内側端から弾性体ローラ3bに向って
水平方向に延びている。このような構成により、感光体
ベルト４に蛇行が発生すると、該感光体ベルト４は円柱
部17に接触し、その後、更に、蛇行が進むと乗り上げ面
11aに乗り上げることになる。そして、感光体ベルト４
が円柱部17に接触している状態では、蛇行検出部材11へ
作用する回転トルクは小さく、感光体ベルト４が乗り上
げ面11aに乗り上げるとその回転トルクが大きくなる。
従って、感光体ベルト４の蛇行変位が大きくなるに伴っ
て蛇行検出部材11に作用する回転トルクが次第に大きく
なり、蛇行量に応じた蛇行検出部材11の回転量を得るこ
とができ、その蛇行解消のための軸端部の変位量が調整
できる。

（第４実施例） 次に、本考案における第４実施例について説明する。本
例においても蛇行検出部材11の形状を特徴部分としてい
る。

第10図に示すように、本例の蛇行検出部材11は、その乗
り上げ面11aの内側に一体的に小径円柱部18が形成され
ている。この小径円柱部18は、弾性体ローラ3bの径より
僅かに小径で、且つ乗り上げ面11aの内側端から弾性体
ローラ3bに向って水平方向に延びている。また、本例に
あっては、通常走行時の感光体ベルト４の端縁位置を第
10図に実線で示すように小径円柱部18の外側端に対向し
た位置に設定する。このような構成により、感光体ベル
ト４に蛇行が発生すると、第10図に仮想線で示すよう
に、感光体ベルト４は小径円柱部18と所定寸法を存した
まま、乗り上げ面11aに乗り上げることになる。従っ
て、感光体ベルト４に蛇行が発生しても、該感光体ベル
ト４が弾性体ローラ3bと蛇行検出部材11との間隙に巻き
込まれることが防止できる。つまり、この弾性体ローラ
3bと感光体ベルト４との間隙に高い寸法精度を要せず製
作の簡略化が図れる。

尚、上述した各実施例では、蛇行検出部材11の運動力を
蛇行解消のための手段に伝達し、蛇行検出と同時に蛇行
解消動作を行うようにしたものであったが、本考案はこ
れに限らず、単に蛇行検出部材11の回転によって蛇行を
検出するような構成としてもよい。

また、蛇行検出部材11は第３ローラ３の左右両軸端部に
配設するようにしてもよい。更に、蛇行検出部材11が配
設される蛇行検出用ローラ部材は２本以上設けてもよ
い。

また、本例では第２ローラ部材２の軸端部をＣ方向へ僅
かに変位させておくことで感光体ベルト４を予めＡ方向
へ蛇行させるようにしたが、第２ローラ部材２を第１ロ
ーラ部材１と平行に配設し、第３ローラ部材３の軸端部
を変位させておくことにより同様に感光体ベルト４を蛇
行させるようにしてもよい。

更に、上述した実施例では、電子写真装置の感光体ベル
ト駆動装置に適用した例について説明したが、本考案は
これに限るものではなく、転写搬送装置の駆動装置、或
いは通常の平ベルト駆動装置に対しても同様に適用する
ことができる。

（考案の効果） 上述したように、本考案によれば、以下に述べるような
効果が発揮される。

請求項（１）記載の考案によれば、平ベルトの蛇行によ
り、該平ベルトが蛇行検出部材に接触すると、蛇行検出
部材の乗り上げ面が傾斜して形成されていることによ
り、平ベルトが蛇行検出部材に乗り上げることで、この
両者間でのスリップの発生を防止でき、蛇行の検出を確
実に行うことができる。

請求項（２）記載の考案によれば、蛇行検出部材の乗り
上げ面が中凹状に湾曲されていることにより、平ベルト
が蛇行検出部材に乗り上げた際に、この両者間でのスリ
ップの発生を防止でき確実に蛇行の検出が行えるばかり
でなく、その乗り上げ状態の平ベルトがローラと蛇行検
出部材との境界部分で折れ曲ることが抑制され、平ベル
トの長寿命化が図れる。

請求項（３）記載の考案によれば、蛇行検出部材のロー
ラとの対向端がローラの径より小径に形成されているこ
とにより、平ベルトに過大な張力が作用してローラが変
形した状態で蛇行が発生しても、平ベルトの端縁が蛇行
検出部材の側端面に当接することが防止され、該平ベル
トは蛇行検出部材への乗り上げ動作が可能となり、確実
な蛇行検出が行える。

請求項（４）記載の考案によれば、蛇行検出部材の乗り
上げ面の内側に、ローラの径と同径で且つローラに向っ
て延びる円柱部が形成されていることにより、平ベルト
の蛇行変位が大きくなるのに伴って蛇行検出部材に作用
する回転トルクが大きくなり、蛇行量に応じた蛇行検出
部材の回転量を得ることができる。

請求項（５）記載の考案によれば、蛇行検出部材の乗り
上げ面の内側に、ローラの径より小径で且つローラに向
って延びる小径円柱部が形成されていることにより、平
ベルトの蛇行発生時に、ローラと蛇行検出部材との間隙
に平ベルトが巻き込まれることが防止でき、このローラ
と平ベルトとの間隙に高い寸法精度を要せず、製作の簡
略化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の第１実施例を示し、第１図は
蛇行検出装置を備えたベルト駆動装置の概略斜視図、第
２図は蛇行検出部材周辺の縦断正面図、第３図はその内
側から見た斜視図、第４図はその外側から見た斜視図、
第５図は蛇行解消動作を説明するための図である。第６
図及び第７図は蛇行検出部材の変形例を示し、第６図は
湾曲した乗り上げ面を有する蛇行検出部材を示す第２図
相当図、第７図は一部にのみ乗り上げ面を有する蛇行検
出部材の側面図である。第８図は本考案の第２実施例に
おける第２図相当図である。第９図は本考案の第３実施
例における第２図相当図である。第10図は本考案の第４
実施例における第２図相当図である。 １……第１ローラ部材 ２……第２ローラ部材 ３……第３ローラ部材（蛇行検出用ローラ部材） 1a,2a,3a……支軸 1b,2b,3b……弾性体ローラ ４……感光体ベルト（平ベルト） 11……蛇行検出部材 11a……乗り上げ面 14……ローラ端部変位手段 15……スプリング（付勢手段） 17……円柱部 18……小径円柱部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉田 裕彦 兵庫県神戸市兵庫区明和通３丁目２番15号 バンドー化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−140246（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−66132（ＪＰ，Ｕ)

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平ベルトと、 該平ベルトが掛け渡され、少なくとも１本が蛇行検出用
   ローラ部材に構成された複数本のローラ部材と、 前記蛇行検出用ローラ部材の一方の軸端部に、該蛇行検
   出用ローラ部材と独立して回転自在に支持された蛇行検
   出部材と、 前記蛇行検出用ローラ部材の前記蛇行検出部材が配設さ
   れた軸端部を回転軸心と直行する所定方向に移動可能に
   支持するローラ支持部材と、 蛇行検出部材に連結され、蛇行検出部材に平ベルトが接
   して回転トルクが作用したときに、その回転運動を直線
   運動に変換することによって、蛇行検出用ローラ部材の
   軸端部を所定方向に変位させるローラ端部変位手段とを
   備えており、 蛇行検出部材に平ベルトとの接触による回転トルクが作
   用していない状態では、平ベルトを蛇行検出部材の配設
   方向に向って蛇行移動させるように構成されており、 また、蛇行検出用ローラ部材の軸端部をローラ端部変位
   手段による変位方向とは逆方向に付勢する付勢手段が設
   けられているベルト駆動装置において、 前記蛇行検出部材の外周面には平ベルトが乗り上げ可能
   な乗り上げ面を有し、該乗り上げ面は、蛇行検出用ロー
   ラ部材の支軸の軸心を通る断面の輪郭が、蛇行検出用ロ
   ーラ部材のローラから離れるに従って回転軸心から離れ
   るように傾斜していることを特徴とする蛇行検出装置。
2. 【請求項２】蛇行検出部材の乗り上げ面は、支軸の軸心
   を通る断面の輪郭が、蛇行検出用ローラ部材のローラか
   ら離れるに従って回転軸心から離れるように傾斜し且つ
   中凹状に湾曲していることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第（１）項記載の蛇行検出装置。
3. 【請求項３】蛇行検出部材におけるローラとの対向端
   は、該ローラの径よりも小径に形成されていることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第（１）項または第
   （２）項記載の蛇行検出装置。
4. 【請求項４】蛇行検出部材は、乗り上げ面の内側に、蛇
   行検出用ローラ部材のローラの径と同径で且つローラに
   向って延びる円柱部が形成されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第（１）項または第（２）項記
   載の蛇行検出装置。
5. 【請求項５】蛇行検出部材は、乗り上げ面の内側に、蛇
   行検出用ローラ部材のローラの径より小径で且つローラ
   に向って延びる小径円柱部が形成されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第（１）、第（２）また
   は第（３）項記載の蛇行検出装置。