JPH0512433U - ベルト駆動装置 - Google Patents

ベルト駆動装置

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JPH0512433U
JPH0512433U JP5806691U JP5806691U JPH0512433U JP H0512433 U JPH0512433 U JP H0512433U JP 5806691 U JP5806691 U JP 5806691U JP 5806691 U JP5806691 U JP 5806691U JP H0512433 U JPH0512433 U JP H0512433U
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JP5806691U
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Inventor
浩 三橋
修一 永谷
Original Assignee
バンドー化学株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動的に偏動を検出、修正することができる
ベルト駆動装置について、偏動を検出する部材の構成を
改良してベルトの寿命を延長する。 【構成】 第1〜第3の3本のロ−ラ1,2,3に転写
ベルト4を走行可能に掛け渡す。第3ロ−ラ3の軸端部
に近接して該第3ロ−ラ3の外周面に対向する偏動検出
部材11を配設する。転写ベルト4が偏動すると、該転
写ベルト4の端縁部を第3ロ−ラ3と偏動検出部材11
との間に挟み込むようにして偏動を検出するようにす
る。従って、転写ベルト4の端縁部に延びや損傷を発生
させることなしに常に安定した偏動検出が行える。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、電子写真方式を用いた機器に内蔵され、転写ベルトや感光体ベルト 等を使用するベルト駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば電子写真装置において、この装置の軽量化及びコンパクト化 を目的として、表面に誘電体層または感光体層を有する平ベルトを、互いに略平 行に配置した複数本のロ−ラに掛け渡すことによって、前記平ベルトを転写ドラ ムまたは感光体ドラム等の代わりに転写ベルトまたは感光体ベルトとして利用す ることが知られている。
【0003】 そして、このような用途に用いられる平ベルトは、その基材がプラスチックフ ィルムや金属箔等のような伸びが小さくて強度の高い材料によって形成される場 合が多い。従って、この種の平ベルトは弾性変形し難い。そのために、前記電子 写真装置内に収容された部品の寸法誤差、ロ−ラの取付誤差、ベルト張力のアン バランス、ベルト周長さの不均一などが生じている場合、これらをベルト自体の 変形によって吸収することができない。この結果、前記平ベルトが、走行時にベ ルト幅方向へ偏動してしまうといった問題があった。
【0004】 しかし、前記電子写真装置は、正確な画像形成を行うために、高精度、高解像 度が要求されるので、この平ベルトの偏動を防止する必要がある。
【0005】 そして、このような、平ベルトの偏動を防止するための従来技術として、特開 昭56−127501号公報や特開昭59−205052号公報に示されるよう に平ベルトに偏動防止用のガイドを設けたり、特開昭57−60347号公報に 示されるように規制部材を設けることによって平ベルトの偏動を強制的に防止す るようにしたものがある。また、実開昭58−110609号公報に示されるよ うに、1本のロ−ラを偏動調整用ロ−ラとすると共に偏動検出用のベルト位置セ ンサを備えさせ、前記ベルト位置センサによって平ベルトの偏動が検出されると 、その偏動量に応じて偏動調整用ロ−ラの軸端部を変位させることにより偏動を 修正するようにしたものや、実開昭64−48457号公報に示されるように、 平ベルトが偏動すると、この偏動に伴なってロ−ラを回転軸方向に移動させ、こ のロ−ラの移動によって該ロ−ラの回転軸を揺動させて、ロ−ラを反対方向へ移 動させることにより偏動を修正するようにしたものがある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭56−127501号公報、特開昭59−2050 52号公報及び特開昭57−60347号公報に示されているような構成では、 平ベルトの偏動を外的要因により強制的に規制するようにしているから、平ベル トとロ−ラとの組合わせの条件如何により機構として成立し得ない場合がある。 即ち、平ベルトの偏動に伴う寄り力が大きくなるものでは、ガイド及び規制部材 の強度を増大させておく必要がある。また、平ベルト自体の幅方向座屈強度を増 大させる必要があり、同時に平ベルト端部が損傷しないように端部強度も増大さ せる必要がある。従って、ベルト厚さが薄くなるほど上記方式の採用は困難とな る。また、平ベルトにガイドを設ける場合に、精度良くガイドを設ける必要があ り、特にシ−ムレスベルトの場合では、このガイドを形成することが非常に困難 であった。
【0007】 また、前記実開昭58−110609号公報や実開昭64−48457号公報 に示されているような構成では、複雑なメカニズムを用いて偏動を検出、修正す るために、高価でしかも余分なスペ−スを必要とし、装置全体としての大型化に 繋る。そればかりでなく、複雑な機構であるために、部品点数が多くなり、それ だけ故障発生要因部が増加することになり、装置の信頼性が十分に確保されてい るとは言い難いものであった。
【0008】 これらの点を解決するために、本考案の考案者らは、自動的に偏動を検出、修 正することができるベルト駆動装置について、その構造の改良を進めている。詳 しくは、複数のロ−ラのうち1本を偏動調整用ロ−ラとし、この偏動調整用ロ− ラの片側に、該偏動調整用ロ−ラと同軸上で独立して回転自在な偏動検出用ロ− ラを備えさせておく。また、この偏動検出用ロ−ラは外径が前記偏動調整用ロ− ラから離れるにしたがって次第に大きくなっており、その外周にテ−パ状の乗り 上げ面を有している。そして、前記平ベルトを予め前記偏動検出用ロ−ラに向っ て偏動させるように構成する。そして、平ベルトの走行時に、該平ベルトが、そ の偏動によって偏動検出用ロ−ラの乗り上げ面に乗り上げると、この乗り上げに より偏動検出用ロ−ラが回転し、この回転力を偏動調整用ロ−ラの軸端部を所定 方向に移動させる力に変換することによって平ベルトに逆方向の偏動成分を与え 、前記偏動を解消させるようにしたベルト駆動装置について開発している。
【0009】 ところが、この種のベルト駆動装置では、上述したように、平ベルトの偏動に 伴って該平ベルトがテ−パ状の乗り上げ面に乗り上げるため、この平ベルトの端 縁部分が局部的に延び、このベルト端縁部が波打ち状になったり損傷したりする ことがあり、このようにベルト端縁部に波打ちや損傷が発生すると、正確な偏動 検出、修正が行えなくなるため、このような状態になった平ベルトは別の平ベル トに交換することが必要であった。このため、上記装置にあっては、ベルト交換 の頻度が高くなってしまうといった不具合があり、本装置を実用的なものとする ためには、ベルトの長寿命化を図ることが必要である。
【0010】 本考案は、これらの点に鑑みてなされたものであって、上述したように偏動検 出用ロ−ラによって自動的に偏動を検出、修正することができるベルト駆動装置 について、この偏動検出ロ−ラの配設状態を改良することによって、このベルト 駆動装置の実用性を大幅に向上させることができる構成を得ることを目的とする 。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本考案は、予め、平ベルトを所定方向に偏動させ るようにしながら、この偏動を偏動検出部材によって検出して、逐次、この偏動 を修正するようにしたベルト駆動装置に対して、平ベルトが偏動検出部材のテ− パ面に乗り上げるといった動作を行わせることなしに該平ベルトの偏動を検出で きるようにした。具体的に、請求項1記載の考案は、平ベルトと、該平ベルトが 掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整用ロ−ラに構成された複数本のロ−ラと 、前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部近傍に配設され、前記平ベルトが偏動し た際、該平ベルトが接することによって、この偏動を検出する偏動検出部材と、 前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移動させる片寄付与手段と 、前記偏動検出部材に連繋され、該偏動検出部材に前記平ベルトが接して回転ト ルクが作用したときに、その回転運動を前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方 向に変位する運動に変換し、前記平ベルトを前記片寄付与手段による移動方向と は逆方向に移動させるロ−ラ端部変位手段とを備えさせる。そして、前記偏動検 出部材を、前記平ベルトに偏動が生じた際、偏動調整用ロ−ラと偏動検出部材と の間で前記平ベルトを挟み込むように、前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部に おいて、前記偏動調整用ロ−ラの外周面と小間隙を存するように配設する構成と している。
【0012】 請求項2記載の考案は、平ベルトと、該平ベルトが掛け渡され、少なくとも1 本が偏動調整用ロ−ラに構成された複数本のロ−ラと、前記偏動調整用ロ−ラの 一方の軸端部近傍に配設され、前記平ベルトが偏動した際、該平ベルトが接する ことによって、この偏動を検出する偏動検出部材と、前記平ベルトを前記偏動検 出部材の配設位置に向って移動させる片寄付与手段と、前記偏動検出部材に連繋 され、該偏動検出部材に前記平ベルトが接して回転トルクが作用したときに、そ の回転運動を前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位する運動に変換し 、前記平ベルトを前記片寄付与手段による移動方向とは逆方向に移動させるロ− ラ端部変位手段とを備えさせる。そして、前記偏動検出部材を、前記平ベルトの 表裏面に夫々対向可能に配置された一対の検出ロ−ラで成し、各検出ロ−ラを、 前記平ベルトに偏動が生じた際、この各検出ロ−ラ間で前記平ベルトを挟み込む ように近接配置した構成としている。
【0013】
【作用】
上記の構成により本考案では以下に述べるような作用が得られる。先ず、請求 項1記載の考案では、片寄付与手段の作用によって、平ベルトが偏動検出部材の 配設位置に向かって偏動すると、該平ベルトの端縁部が偏動調整用ロ−ラと偏動 検出部材との間に挟み込まれる。これにより、偏動検出部材が平ベルトとの接触 摩擦により回転する。そして、ロ−ラ端部変位手段によってこの偏動検出部材の 回転運動が前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位する運動に変換され る。このようにして偏動調整用ロ−ラの軸端部が変位すると、平ベルトに前記偏 動方向とは逆方向の偏動変位が発生するために、前記初期の偏動を修正する。つ まり、初期の偏動に応じた偏動調整用ロ−ラの軸端部の変位量が自動的に与えら れ、平ベルトの偏動を修正する。このため、前記平ベルトは安定した走行を行う ことができ、特に、このベルト駆動装置を電子写真装置に適用した場合には正確 な画像形成を行うことができる。このように、平ベルトは、偏動検出部材に接触 する際に、延びが生じたり破損したりすることがないため、その長寿命化が図ら れている。
【0014】 請求項2記載の考案では、片寄付与手段の作用によって、平ベルトが偏動検出 部材の配設位置に向かって偏動すると、該平ベルトの端縁部が各検出ロ−ラ間に 挟み込まれて、偏動検出部材が平ベルトとの接触摩擦により回転することになり 、前記請求項1記載の考案における動作と同様にして、初期偏動の修正動作が行 われる。このように、各ロ−ラと独立して偏動の検出が行われるようになってい るために、この偏動検出動作がより確実に行える。
【0015】
【実施例】
(第1実施例) 以下、請求項1記載の考案に係る第1実施例を図面に沿って詳細に説明する。 図1は、本例に係る電子写真装置内に収容されたベルト駆動装置を示している。 3軸系の転写ベルトの駆動装置の全体を示す図1において、1,2,3は、夫々 第1、第2及び第3ロ−ラである。各ロ−ラ1,2,3は、夫々軸部材1a,2 a,3aと、該軸部材1a,2a,3aの左右両端部を除いた部分で、軸部材1 a,2a,3aと同心上で僅かに大径に形成されたゴム等で成る筒状体1b,2 b,3bとから成っている。この筒状体1b,2b,3bの材料としては、例え ばEPDM系架橋ゴムが採用される。但し、この各筒状体1b,2b,3bは樹 脂やアルミニウムなどのように弾性体材料でないものであってもよい。
【0016】 前記各ロ−ラ1,2,3には、基材の表面に誘電体層が形成されて成る本考案 でいう平ベルトとしての転写ベルト4が走行可能に掛け渡されている。従って、 本ベルト駆動装置は、前記転写ベルト4が電子写真装置の転写搬送体として機能 するようになっている。また、前記転写ベルト4の基材としては、例えば2軸延 伸ポリエステルが採用されており、引張弾性率が200kg/mm2 以上に設定され ている。
【0017】 第1ロ−ラ1は、軸部材1aが駆動モ−タ5の駆動軸に連結されて該駆動モ− タ5の駆動力が伝達可能となっている。つまり、この第1ロ−ラ1が駆動ロ−ラ として機能するようになっている。
【0018】 第2ロ−ラ2は、従動ロ−ラであって、その軸線が前記第1ロ−ラ1の軸線に 対して傾斜配置されている。つまり、例えば第2ロ−ラ2のA方向の軸端部のみ を、第1ロ−ラ1との水平平行位置に対してC方向に僅かに(例えば1mm)変位 させている。
【0019】 第3ロ−ラ3は、本考案でいう偏動調整用ロ−ラであって、その軸線が第1ロ −ラ1の軸線と平行に配置されている。また、この第3ロ−ラ3は、その左右両 軸端部に配設されたスプリング3c,3cによってC方向に付勢力が与えられて いる。そして、この付勢力によって転写ベルト4の張力が調整されるようになっ ている。
【0020】 このように各ロ−ラ1,2,3が配設されていることにより、この各ロ−ラ1 ,2,3に掛け渡されている転写ベルト4は、その走行時において常にA方向に 偏動するような構成となっている。つまり、前記第2ロ−ラ2の軸線が第1ロ− ラ1の軸線に対して傾斜配置されていることによって本考案でいう片寄付与手段 が構成されている。
【0021】 また、第3ロ−ラ3の軸端部は、図2に示すように、軸受部材であるブッシュ 7を介して下枠8aに回転可能に支持されている。また、この下枠8aは、可動 部材6に取付けられた上枠8bにスライドベアリング9を介して係合している。 従って、前記下枠8a、上枠8b及びスライドベアリング9により、第3ロ−ラ 3の軸端部をロ−ラ軸線と略直行する方向に移動可能に支持するロ−ラ支持部材 8が構成されている。
【0022】 そして、図2及び図3に示すように、前記第3ロ−ラ3の一方の軸端部に近接 した位置には、本考案の特徴とする部材である偏動検出部材11が配設されてい る。以下、この偏動検出部材11について詳細に説明する。この前記偏動検出部 材11は、ウレタンエラストマ等によって形成されている。そして、この偏動検 出部材11は、その外周面が、前記第3ロ−ラ3の筒状体3bの一方の端部周辺 の外周面に小間隙を存して対向して配設されるように、前記第3ロ−ラ3の軸部 材3aと平行に配設された回転軸11aによって回転自在に支持されている。ま た、この偏動検出部材11は、その内側端面部分(図2における右側端面)の外 径が小さく設定され、該内側端面から外側(図2の左側)に向うに従って次第に その径が大きくなるテ−パ状に傾斜されたテ−パ面11bを有している。更に、 このテ−パ面11bの外側(図2における左側)には前記第3ロ−ラ3の筒状体 3bの外径と略同径の円筒状に形成された円筒部11cが一体形成されている。 このような構成により、この偏動検出部材11と第3ロ−ラ3の筒状部材3bと の間隙寸法は、テ−パ面11bの形成位置にあっては第3ロ−ラ3の外側に向か うにしたがって次第に小さくなっていると共に、円筒部11cの形成位置にあっ ては均一となっている。詳しくは、前記テ−パ面11bの内側端面部分における 第3ロ−ラ3との間隙は前記転写ベルト4の厚さ寸法よりも僅かに大きく設定さ れており、また、前記円筒部11cにおける第3ロ−ラ3との間隙は前記転写ベ ルト4の厚さ寸法よりも僅かに小さく設定されている。従って、前記転写ベルト 4に偏動が発生した場合には、転写ベルト4が第3ロ−ラ3の筒状体3bと偏動 検出部材11のテ−パ面11bとの間で挟み込まれるようになり、転写ベルト4 の表面4aと偏動検出部材11のテ−パ面11bとの接触摩擦力によって転写ベ ルト4の走行力が偏動検出部材11の回転力として与えられるように構成されて いる。
【0023】 また、前記偏動検出部材11の円筒部11cの外側には巻取り筒部11dが形 成され、該巻取り筒部11dには、該巻取り筒部11dに巻取り可能な紐部材1 3の一端が連結されている。一方、この紐部材13は、2つのロ−ラR1,R2 を経て、その他端が、前記第3ロ−ラ3の軸部材3aを回転自在に支持する支持 リング3dの外周面に取付けられている。つまり、片寄付与手段の動作によって 発生する転写ベルト4の偏動により、転写ベルト4の表面4aが偏動検出部材1 1のテ−パ面11bに接触して、偏動検出部材11に回転トルクが作用したとき 、偏動検出部材11の回転(図3の矢印D)により前記紐部材13が偏動検出部 材11の巻取り筒部11dに巻き取られて、前記第3ロ−ラ3のA方向の軸端部 を、第1ロ−ラ1の軸端部から離れる方向に、即ち、図1及び図3のB方向に変 位させるようになっている(図3の仮想線参照)。即ち、第3ロ−ラ3をベルト 進行方向に向って右方向に傾けることにより、転写ベルト4を図中A方向とは逆 方向に移動させるように構成されている。これによって、偏動検出部材11に回 転トルクが作用したときに前記第3ロ−ラ3の軸端部を所定方向に変位させるロ −ラ端部変位手段14が構成されている。即ち、第3ロ−ラ3の軸端部がB方向 に変位されると、転写ベルト4は、A方向とは逆方向へ巻回されながら走行する ために、初期の偏動成分(A方向成分)とは逆の偏動成分が発生し、初期の偏動 成分と打ち消し合うまで軸部材3aの軸端部が変位されることになる。また、前 記支持リング3dには、第3ロ−ラ3の軸端部をB方向とは反対方向に付勢する スプリング15が取付けられており、前記第3ロ−ラ3の変位に対して戻り方向 への力が与えられるようになっている。
【0024】 以下、上記の構成による動作について説明する。先ず、第1ロ−ラ1及び第3 ロ−ラ3に対する第2ロ−ラ2の傾斜配置により、転写ベルト4の走行時に、該 転写ベルト4は常に図1におけるA方向へ偏動するような力が作用しており、こ れによって、転写ベルト4は、走行しながら偏動検出部材11に向かって偏動す る、 そして、転写ベルト4の偏動により転写ベルト4の端縁部が第3ロ−ラ3の筒 状体3bと偏動検出部材11のテ−パ面11bとの間に挟み込まれた状態となっ て、転写ベルト4の表面4aが偏動検出部材11に接触すると、転写ベルト4と 偏動検出部材11のテ−パ面11bとの間に作用する摩擦力により、偏動検出部 材11が回転軸11aを中心に回転し、その回転によって紐部材13を巻取るこ とになる。
【0025】 この紐部材13の巻き取りにより、第3ロ−ラ3の軸端部がB方向へ変位し、 転写ベルト4の進行方向に対して第3ロ−ラ3の回転方向が傾けられて、転写ベ ルト4はA方向と逆方向に巻回されながら走行することになる。これによって、 転写ベルト4のA方向への偏動が制限される。それと共に、前記軸端部の変位に よりスプリング15が延びてスプリング力も作用しているので、紐部材13の巻 取り力とスプリング15のスプリング力とのバランスにより、第3ロ−ラ3の変 位量が規制され、ある一定位置に転写ベルト4の端部の位置が維持されることに なる。
【0026】 このようにして転写ベルト4の走行が行われるために、転写ベルト4の大きな 偏動が防止され、例えば、転写ベルト4の偏動量を10数μmに抑えることがで きる。つまり、予め転写ベルト4を一方向へ偏動させながら、その偏動を自動的 に逐次修正するようにしていることにより、偏動量を微量にすることができ、転 写ベルト4に安定した走行を行わせることができ、本例のような電子写真装置に あっては正確な画像形成を行うことができる。
【0027】 このように、本例によれば、転写ベルト4の偏動を、該転写ベルト4を第3ロ −ラ3と偏動検出部材11との間に挟み込むようにして行っているために、この 転写ベルト4の端縁部は常に各ロ−ラ1,2,3に接触しており、その周長が長 くなるようなことはないため、この端縁部に延びや損傷が発生するようなことが なく、転写ベルト4の長寿命化を図ることができ、この種のベルト駆動装置の実 用性を大幅に向上することができる。
【0028】 (第2実施例) 次に、請求項2記載の考案に係る第2実施例について説明する。本例は、偏動 検出部材11の変形例であって、ベルト駆動装置の主たる構成は上述した第1実 施例のものと同様であるために、その説明を省略し、偏動検出部材11の構成に ついて説明するに止める。
【0029】 図4及び図5に示すように、本例の偏動検出部材11は、第1ロ−ラ1と第3 ロ−ラ3との略中間位置に配設されている。そして、この偏動検出部材11は、 転写ベルト4を挟んで配設された一対の検出ロ−ラ17,18を備えている。詳 述すると、各検出ロ−ラ17,18は、上述した第1実施例における偏動検出部 材11と同様のテ−パ面17a,18a及び円筒部17b,18bを有しており 、片寄付与手段の動作によって転写ベルト4が偏動した場合には、この各検出ロ −ラ17,18間に転写ベルト4が挟み込まれ、各検出ロ−ラ17,18に転写 ベルト4からの回転トルクが伝達されて、偏動を検出することになる。また、転 写ベルト4の外側に配設されている検出ロ−ラ17には第3ロ−ラ3を支持して いる支持リング3dとの間に紐部材13が架設されており、転写ベルト4の偏動 に伴う検出ロ−ラ17による紐部材13の巻取りによって、第3ロ−ラ3の一方 の軸端部が変位されて初期偏動を修正するようになっている。このように、本例 の構成によれば、転写ベルト4の端縁部における延びや損傷の発生を防止して、 転写ベルト4の長寿命化を図ることができるばかりでなく、第3ロ−ラ3と独立 して偏動を検出することができるので、その検出精度がいっそう向上される。
【0030】 尚、上述した各例では、電子写真装置の転写ベルトの駆動装置について説明し たが、本考案は、これに限らず、感光体ベルトの駆動装置、或いは通常の平ベル ト駆動装置についても同様に適用することができる。更に、片寄付与手段として は、第3ロ−ラ3を第1ロ−ラ1に対して傾斜配置させたり、転写ベルト4に張 力を与えるためのスプリング3c,3cの付勢力を左右で異なるようにして構成 するようにしてもよい。
【0031】
【考案の効果】
上述してきたように、本考案によれば、以下に述べるような効果が発揮される 。先ず、請求項1記載の考案によれば、平ベルトに偏動が生じた際、偏動調整用 ロ−ラと偏動検出部材との間で前記平ベルトを挟み込むように、偏動検出部材を 、偏動調整用ロ−ラの外周面と小間隙を存するように配設して、平ベルトが偏動 検出部材に接触する際に、該平ベルトに延びが生じたり破損したりすることを抑 制するようにしているために、前記平ベルトの長寿命化が図れ、この種のベルト 駆動装置の実用性を大幅に向上することができる。
【0032】 請求項2記載の考案によれば、偏動検出部材を、平ベルトの表裏面に夫々対向 可能に配置された一対の検出ロ−ラで成し、各検出ロ−ラを、前記平ベルトに偏 動が生じた際、この各検出ロ−ラ間で前記平ベルトを挟み込むように近接配置し ていることにより、平ベルトの長寿命化が図れるばかりでなく、各ロ−ラと独立 して偏動の検出を行うことができるので偏動検出動作をより確実に行うことがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるベルト駆動装置の概略斜視
図である。
【図2】偏動検出部材周辺の縦断正面図である。
【図3】ロ−ラ端部変位手段の動作を説明するための図
である。
【図4】第2実施例におけるベルト駆動装置の模式図で
ある。
【図5】検出ロ−ラ周辺の断面図である。
【符号の説明】
1 第1ロ−ラ 2 第2ロ−ラ 3 第3ロ−ラ(偏動調整用ロ−ラ) 4 転写ベルト(平ベルト) 11 偏動検出部材 14 ロ−ラ端部変位手段 17,18 検出ロ−ラ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平ベルトと、 該平ベルトが掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整用
    ロ−ラに構成された複数本のロ−ラと、 前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部近傍に配設され、
    前記平ベルトが偏動した際、該平ベルトが接することに
    よって、この偏動を検出する偏動検出部材と、 前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移
    動させる片寄付与手段と、 前記偏動検出部材に連繋され、該偏動検出部材に前記平
    ベルトが接して回転トルクが作用したときに、その回転
    運動を前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位
    する運動に変換し、前記平ベルトを前記片寄付与手段に
    よる移動方向とは逆方向に移動させるロ−ラ端部変位手
    段とを備えており、 前記偏動検出部材は、前記平ベルトに偏動が生じた際、
    偏動調整用ロ−ラと偏動検出部材との間で前記平ベルト
    を挟み込むように、前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端
    部において、前記偏動調整用ロ−ラの外周面と小間隙を
    存するように配設されていることを特徴とするベルト駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 平ベルトと、 該平ベルトが掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整用
    ロ−ラに構成された複数本のロ−ラと、 前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部近傍に配設され、
    前記平ベルトが偏動した際、該平ベルトが接することに
    よって、この偏動を検出する偏動検出部材と、 前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移
    動させる片寄付与手段と、 前記偏動検出部材に連繋され、該偏動検出部材に前記平
    ベルトが接して回転トルクが作用したときに、その回転
    運動を前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位
    する運動に変換し、前記平ベルトを前記片寄付与手段に
    よる移動方向とは逆方向に移動させるロ−ラ端部変位手
    段とを備えており、 前記偏動検出部材は、前記平ベルトの表裏面に夫々対向
    可能に配置された一対の検出ロ−ラで成り、各検出ロ−
    ラは、前記平ベルトに偏動が生じた際、この各検出ロ−
    ラ間で前記平ベルトを挟み込むように近接配置されてい
    ることを特徴とするベルト駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014142583A (ja) * 2012-12-27 2014-08-07 Ricoh Co Ltd ベルト装置、及び、画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014142583A (ja) * 2012-12-27 2014-08-07 Ricoh Co Ltd ベルト装置、及び、画像形成装置

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