JP3105998B2 - ベルト駆動装置 - Google Patents

ベルト駆動装置

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JP3105998B2
JP3105998B2 JP04116226A JP11622692A JP3105998B2 JP 3105998 B2 JP3105998 B2 JP 3105998B2 JP 04116226 A JP04116226 A JP 04116226A JP 11622692 A JP11622692 A JP 11622692A JP 3105998 B2 JP3105998 B2 JP 3105998B2
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康範 見方
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子プリンタ装置や電
子写真装置に内蔵され、感光ベルトや転写ベルト等を使
用するベルト駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば電子プリンタ装置や電
子写真装置において、この装置の軽量化及びコンパクト
化を目的として、表面に感光体層または誘電体層を有す
る平ベルトを、互いに平行に配置した複数本のローラに
掛け渡すことによって、前記平ベルトを感光ドラムまた
は転写ドラム等の代わりに感光ベルトまたは転写ベルト
として利用することが知られている。
【0003】そして、このような用途に用いられる平ベ
ルトは、その基材がプラスチックフィルムや金属箔等の
ような伸びが小さくて強度の高い材料によって形成され
る場合が多い。従って、この種の平ベルトは弾性変形し
難い。そのために、前記装置内に収容された部品の寸法
誤差、ローラの取付誤差、ベルト張力のアンバランス、
ベルト周長さの不均一などが生じている場合、これらを
ベルト自体の変形によって吸収することができない。こ
の結果、前記平ベルトが、走行時にベルト幅方向へ偏動
してしまうといった問題があった。
【0004】しかし、前記装置は、正確な画像(文字)
形成を行うために、高精度、高解像度が要求されるの
で、この平ベルトの偏動を防止する必要がある。
【0005】そして、このような、平ベルトの偏動を防
止するための従来技術として、特開昭56−12750
1号公報や特開昭59−205052号公報に示される
ように平ベルトに偏動防止用のガイドを設けたり、特開
昭57−60347号公報に示されるように規制部材を
設けることによって平ベルトの偏動を強制的に防止する
ようにしたものがある。また、実開昭58−11060
9号公報に示されるように、1本のローラを偏動調整用
ローラとすると共に偏動検出用のベルト位置センサを備
えさせ、前記ベルト位置センサによって平ベルトの偏動
が検出されると、その偏動量に応じて偏動調整用ローラ
の軸端部を変位させることにより偏動を修正するように
したものや、実開昭64−48457号公報に示される
ように、平ベルトが偏動すると、この偏動に伴なってロ
ーラを回転軸方向に移動させ、このローラの移動によっ
て該ローラの回転軸を揺動させて、ローラを反対方向へ
移動させることにより偏動を修正するようにしたものが
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭56−127501号公報、特開昭59−2050
52号公報及び特開昭57−60347号公報に示され
ているような構成では、平ベルトの偏動を外的要因によ
り強制的に規制するようにしているから、平ベルトとロ
ーラとの組合わせの条件如何により機構として成立し得
ない場合がある。即ち、平ベルトの偏動に伴う寄り力が
大きくなるものでは、ガイド及び規制部材の強度を増大
させておく必要がある。また、平ベルト自体の幅方向座
屈強度を増大させる必要があり、同時に平ベルト端部が
損傷しないように端部強度も増大させる必要がある。従
って、ベルト厚さが薄くなるほど上記方式の採用は困難
となる。また、平ベルトにガイドを設ける場合に、精度
良くガイドを設ける必要があり、特にシームレスベルト
の場合では、このガイドを形成することが非常に困難で
あった。
【0007】また、前記実開昭58−110609号公
報や実開昭64−48457号公報に示されているよう
な構成では、複雑なメカニズムを用いて偏動を検出、修
正するために、高価でしかも余分なスペースを必要と
し、装置全体としての大型化に繋る。そればかりでな
く、複雑な機構であるために、部品点数が多くなり、そ
れだけ故障発生要因部が増加することになり、装置の信
頼性が十分に確保されているとは言い難いものであっ
た。
【0008】これらの点を解決するために、本発明の発
明者は、自動的に偏動を検出、修正することができるベ
ルト駆動装置について、その構造の改良を進めている。
詳しくは、複数のローラのうち1本を偏動調整用ローラ
とし、この偏動調整用ローラの片側に、該偏動調整用ロ
ーラと独立して回転自在な偏動検出用ローラを備えさせ
ておく。そして、前記平ベルトを予め前記偏動検出用ロ
ーラに向って偏動させるように構成しておく。そして、
平ベルトの走行時に、該平ベルトが、その偏動よって偏
動検出用ローラに接触すると、この接触により偏動検出
用ローラが回転し、この回転力を偏動調整用ローラの軸
端部を移動させる力に変換することによって平ベルトに
逆方向の偏動成分を与え、前記偏動を修正させるように
した構成について開発している。
【0009】そして、このように平ベルトの偏動を修正
することができる機構をより実用的なものとするために
は、この機構をベルト駆動装置へ組付ける際の作業性を
向上させてベルト駆動装置全体としての組立作業の簡略
化を図る必要がある。
【0010】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、自動的に偏動を検出、修正することができるベ
ルト駆動装置について、組立作業の簡略化を図ることが
できるような構成を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、予め、平ベルトを所定方向に偏動させる
ようにしながら、逐次、1本のローラの一方の軸端を変
位させることによって、前記偏動を修正するようにした
ベルト駆動装置に対して、平ベルトの偏動を修正する機
構をユニット化するようにした。具体的に、請求項1記
載の発明は、平ベルトと、該平ベルトが掛け渡され、少
なくとも1本が偏動調整用ローラされた複数本のロー
ラと、前記偏動調整用ローラの一方の軸端部に、該偏動
調整用ローラと独立して回転自在に支持された偏動検出
部材と、前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に
向って移動させる片寄付与手段と、一端が偏動検出部材
に連繋され、前記片寄付与手段によって平ベルトが偏動
し、この偏動により前記偏動検出部材に前記平ベルトが
接して回転トルクが作用したときに、前記偏動検出部材
に巻き取られることによって、該偏動検出部材の回転運
動を前記偏動調整用ローラの軸端部が所定方向に変位す
る運動に変換し、前記平ベルトを前記偏動検出部材から
離れる方向に移動させるように設けられた可撓性部材を
有するローラ端部変位手段と、少なくとも前記偏動検出
部材が配設されている側の前記偏動調整用ローラの軸端
部を、前記ローラ端部変位手段による変位方向に変位可
能に案内支持するように設けられた長孔を有する支持部
と、前記ローラ端部変位手段の作動によって偏動調整
用ローラの軸端部が所定方向に変位された際、この軸端
部に対して、その変位方向と逆方向の付勢力を与える付
勢手段とを備えさせる。そして、前記ローラ端部変位手
段の可撓性部材の他端は、前記支持部材に連繋されてお
り、また、前記付勢手段は、前記支持部材に設けられて
いるものとする
【0012】請求項2記載の発明は、前記請求項1記載
ベルト駆動装置において、付勢手段を以下の部材によ
って構成している。つまり、支持部材に形成されている
長孔の延長方向に延びて、一端が前記長孔に開口し、他
端が支持部材の一端面に開口したシャフト挿入孔と、該
シャフト挿入孔に挿入されて、先端部が前記長孔内に臨
み、先端が偏動調整用ローラの軸端部に当接自在とされ
たバックテンションシャフトと、前記シャフト挿入孔に
おける支持部材の一端面に形成されている前記開口を閉
塞する止め板と、前記バックテンションシャフトの背面
と止め板との間に縮装されたバックテンションスプリン
グとを備えさせた構成とする。そして、前記シャフト挿
入孔にバックテンションシャフト及びバックテンション
スプリングを順に挿入し、前記シャフト挿入孔における
支持部材の一端面に形成されている前記開口を止め板に
よって閉塞して、前記バックテンションシャフトの背面
と止め板との間にバックテンションスプリングを縮装し
て付勢手段を構成するようにしている。
【0013】請求項3記載の発明は、前記請求項1また
は2記載のベルト駆動装置において、ケーシング内に収
容されたベルト駆動装置を対象としている。そして、支
持部材を、偏動調整用ロ−ラとその他の1本のロ−ラと
の両軸端部間に亘って架設して、この支持部材によって
各ローラ軸端部を回転自在に支持させる。また、この各
支持部材に、平ベルトに所定のベルト張力を付与する付
勢部材を連結する。そして、前記支持部材を、偏動調整
用ローラの軸端部に支持された偏動検出部材の外側位置
で且つ前記ケーシングの内側位置に配設する。また、本
ベルト駆動装置を、偏動調整用ローラの軸端部に、偏動
検出部材、支持部材を順に組付け、前記偏動検出部材と
支持部材との間に可撓性部材を架設した状態で、前記ケ
ーシングに収容させるような構成とした。
【0014】請求項4記載の発明は、前記請求項1記載
のベルト駆動装置において、ローラ端部変位手段を、
撓性部材に代えて、支持部材に長孔の延長方向に沿って
形成されたラックギヤと、偏動検出部材の外周部に形成
され前記ラックギヤに噛合するピニオンギヤとによって
構成するようにした。
【0015】
【作用】上記の構成により、本発明では、以下に述べる
ような作用が得られる。請求項1記載の発明では、平ベ
ルトが片寄付与手段の作用によって偏動して偏動検出部
材に接すると、該偏動検出部材が平ベルトとの接触摩擦
により回転する。そして、この回転運動に伴って可撓性
部材が前記偏動検出部材に巻き取られて、前記回転運動
が、前記偏動調整用ローラの軸端部が所定方向に変位す
る運動に変換される。このようにして偏動調整用ローラ
の軸端部が変位すると、平ベルトに前記偏動方向とは逆
方向の偏動変位が発生するために、前記初期の偏動が修
正される。また、この偏動調整用ローラの軸端部の変位
量は付勢手段の付勢力によって調整される。つまり、初
期の偏動に応じた偏動調整用ローラの軸端部の変位量が
自動的に与えられ、平ベルトの偏動を修正する。このた
め、前記平ベルトは安定した走行を行うことができ、特
に、このベルト駆動装置を電子プリンタ装置や電子写真
装置に適用した場合には正確な画像(文字)形成を行う
ことができる。一方、本装置の組立時において、偏動調
整用ローラに、偏動を修正するための機構を組付ける際
には、偏動調整用ローラの軸端部に、偏動検出部材、付
勢手段が組込まれた支持部材を組付けた後、該支持部材
と偏動検出部材との間に可撓性部材を掛渡すといった簡
単な作業によって行われる。つまり、各機能部品が支持
部材にユニット化されていることによって、装置全体と
しての組立作業性が向上される。
【0016】請求項2記載の発明では、ローラ端部変位
手段の作動によって偏動調整用ローラの軸端部が所定方
向に変位された際、付勢手段によって、この軸端部に対
して、その変位方向と逆方向の付勢力が与えられて、こ
の変位量が適切に設定されることになる。そして、この
付勢手段の組立て作業は、先ず、シャフト挿入孔にバッ
クテンションシャフト及びバックテンションスプリング
を順に挿入させ、その後、前記シャフト挿入孔における
支持部材の一端面に形成されている前記開口を止め板に
よって閉塞する。これによって、前記バックテンション
シャフトの背面と止め板との間にバックテンションスプ
リングが縮装され、前記バックテンションシャフトの先
端が偏動調整用ローラの軸端部を押圧して、上述した変
位方向と逆方向の付勢力が得られることになり、簡単な
作業で付勢手段を得ることができる。
【0017】請求項3記載の発明では、ベルト駆動装置
の組立て動作においては、先ず、偏動調整用ローラの軸
端部に、偏動検出部材、支持部材を順に組付け、前記偏
動検出部材と支持部材との間に可撓性部材を架設する。
このようにして、偏動調整用ローラに各機能部品を一体
的に組付けた後、ケーシングに収容させるようにする。
これにより、前記支持部材は、偏動検出部材の外側位置
で且つケーシングの内側位置に配設される。このような
組立て動作であるために、各機能部品がユニット化され
ることになり、その配設スペースの縮小及び組付け作業
時間が短縮される。また、支持部材には付勢部材が連結
されていることにより、平ベルトに所定のベルト張力が
付与されている。
【0018】請求項4記載の発明では、平ベルトの偏動
により該平ベルトが偏動検出部材に接して該偏動検出部
材が回転すると、偏動検出部材の外周部に形成されたピ
ニオンギヤが長孔に形成されたラックギヤに噛合されな
がら、偏動検出部材が長孔の延長方向に沿って移動す
る。これによって偏動調整用ローラの軸端部が所定方向
に変位され、平ベルトに前記偏動方向とは逆方向の偏動
変位が発生するために、前記初期の偏動が修正される。
このように、ラックギヤ及びピニオンギヤの噛合いによ
って偏動検出部材の回転運動が偏動調整用ローラの軸端
部の変位運動に変換されるようになっているために、こ
の運動変換動作が確実に行われる。
【0019】
【実施例】(第1実施例) 次に、請求項1、2及び3記載の発明に係る第1実施例
を図面に基づいて詳細に説明する。また、本第1実施例
では、本発明に係るベルト駆動装置を小型プリンタに採
用した場合について説明する。
【0020】図1は、本例に係るベルト駆動装置1が備
えられた小型プリンタ2の縦断面を示している。この小
型プリンタ2は、本体ケーシング2a内の中央部に前記
ベルト駆動装置1が備えられている。このベルト駆動装
置1は、第1、第2、第3の3本のローラ3,4,5を
備えており、この各ローラ3,4,5に感光ベルト6が
走行(図1の矢印A参照)可能に掛け渡されて成ってい
る。尚、このベルト駆動装置1の詳細については後述す
る。
【0021】また、このベルト駆動装置1は上下一対の
ユニットケース1a,1b内に収容されている。そし
て、この各ユニットケース1a,1bの複数箇所には、
該ユニットケース1a,1bの幅方向(図1における紙
面垂直方向)の略全域に亘って延びる開口が形成されて
いる。そして、前記ベルト駆動装置1の周辺において、
この各開口に対向した位置には、以下のような各機器が
配置されている。つまり、下側ユニットケース1bに形
成されている3箇所の開口の形成位置には、図1におけ
る左側から順にクリーナ7、帯電器8、露光器9が前記
感光ベルト6に対向するように配設されている。また、
上側ユニットケース1aと下側ユニットケース1bの右
側の接続部分に形成されている開口の形成位置には現像
器10が前記感光ベルト6に対向するように配設されて
いる。更に、上側ユニットケース1aに形成されている
開口の形成位置には、転写用帯電器11が前記感光ベル
ト6に対向するように配設されている。
【0022】また、前記本体ケーシング2aの図1にお
いて右側面にはプリント用紙Pが備えられたペーパーカ
セット12が差込まれている。また、前記ベルト駆動装
置1の上方には、このペーパーカセット12内のプリン
ト用紙Pを取出して搬送する複数の搬送ローラ13,1
3,…が配設されている。更に、プリント用紙搬送方向
における前記転写用帯電器11の下流側には定着器14
が、更に、その下流側には搬出ローラ15が夫々配設さ
れている。また、図1における16は、プリント基板を
備えて成り各機器へ制御信号を送信する制御部である。
【0023】このような構成により、本小型プリンタ2
の駆動時には、前記感光ベルト6が図1に矢印Aで示す
方向に走行し、この走行に伴って、前記制御部16から
送信された制御信号に基づいて前記帯電器8及び露光器
9によって感光ベルト6表面にプリントしようとする画
像(文字)の像が帯電される。その後、現像器10にお
いて、この感光ベルト6表面の帯電された部分にトナー
が付着されて感光ベルト6表面にトナー像が形成される
ことになる。この動作と同時に、前記搬送ローラ13に
よって前記ペーパーカセット12のプリント用紙Pが取
出されて搬送され、前記転写用帯電器11の配設位置に
おいて、感光ベルト6とプリント用紙Pとが接触され
て、感光ベルト6表面のトナー像がプリント用紙Pに転
写される。その後、このトナー像が転写されたプリント
用紙Pは、定着器14に搬送されてトナー像の定着が行
われた後、搬出ローラ15によって、本小型プリンタ2
の上側ケーシング2b上へ搬出されることになる。ま
た、この動作終了後において、感光ベルト6の表面に残
ったトナーは前記クリーナ7によって掻き落とされて回
収されることにより、該感光ベルト6の表面が浄化され
ることになる。このような動作を繰返すことにより、高
速連続印刷が行われることになる。
【0024】このような動作によって印刷が行われるた
めに、前記感光ベルト6に偏動が発生するような状況で
は、感光ベルト6表面へのトナー像の形成及び該トナー
像のプリント用紙Pへの転写が良好に行われなくなり、
正確な画像(文字)形成を行うことができなくなってし
まう。そして、本例のベルト駆動装置1は、この感光ベ
ルト6の偏動を抑制するような機構が備えられている。
以下、このベルト駆動装置1について詳細に説明する。
【0025】図2に示すように、本例のベルト駆動装置
1は、3軸系のベルト駆動装置であって、上述したよう
に、図2における3,4,5は、夫々第1、第2及び第
3ローラである。各ローラ3,4,5は、夫々軸部材3
a,4a,5aと、該軸部材3a,4a,5aの左右両
端部を除いた部分で、軸部材3a,4a,5aと同心上
で僅かに大径に形成されたゴム等で成る筒状体3b,4
b,5bとから成っている。この筒状体3b,4b,5
bの材料としては、例えばEPDM系架橋ゴムが採用さ
れる。但し、この各筒状体3b,4b,5bは樹脂やア
ルミニウムなどのように弾性体材料でないものであって
もよい。
【0026】そして、前記各ローラ3,4,5には、基
材の表面に感光体層が形成されて成る本発明でいう平ベ
ルトとしての感光ベルト6が走行可能に掛け渡されてい
る。従って、本ベルト駆動装置1にあっては、上述した
如く、この感光ベルト6が小型プリンタ2の感光転写搬
送体として機能するようになっている。また、前記感光
ベルト6の基材としては、例えば2軸延伸ポリエステル
が採用されており、引張弾性率が200kg/mm2 以上に
設定されている。
【0027】第1ローラ3は、軸部材3aが図示しない
駆動モータの駆動軸に連繋されて該駆動モータの駆動力
が伝達可能となっている。つまり、この第1ローラ3が
駆動ローラとして機能するようになっている。
【0028】第2ローラ4は、従動ローラであって、そ
の軸線が前記第1ローラ3の軸線と平行に配置されてい
る。
【0029】第3ローラ5は、本発明でいう偏動調整用
ローラであって、この軸線も、図2に示す状態において
は、前記第2ローラ4と同様に第1ローラ3の軸線と平
行に配置されている。
【0030】そして、本例の特徴の1つとして、図3に
示すように、前記第2ローラ4と第3ローラ5の左右両
軸端間には本発明でいう支持部材としての一対のテンシ
ョンアーム17,18が架設されている。この各テンシ
ョンアーム17,18は、例えばポリアセタール樹脂や
ナイロン樹脂などのような摺動性を有するエンジニアリ
ングプラスチックで形成されている。そして、この一対
のテンションアーム17,18のうち、図3において右
側に配置されている第1テンションアーム17は、その
上端部近傍に、前記第3ローラ5の軸部材5aよりも僅
かに大径に形成された円形の軸部材挿入孔17aが形成
されている。そして、この軸部材挿入孔17aには前記
第3ローラ5の軸部材5aの右側端部が挿入されて回転
自在に支持されている。一方、この第1テンションアー
ム17の下端部近傍には、前記第2ローラ4の軸部材4
aよりも僅かに大径に形成された円形の軸部材挿入孔1
7bが形成されている。そして、この軸部材挿入孔17
bには前記第2ローラ4の軸部材4aの右側端部がブッ
シュ17cを介して挿入されて回転自在に支持されてい
る。このようにして第1テンションアーム17によって
第2ローラ4及び第3ローラ5が支持されているため
に、該第2ローラ4と第3ローラ5との右側の軸間距離
は一定値に固定されるようになっている。
【0031】一方、図3において左側に配置されている
第2テンションアーム18は、その下端部近傍に、前記
第2ローラ4の軸部材4aよりも僅かに大径に形成され
た円形の軸部材挿入孔18bが形成されている。そし
て、この軸部材挿入孔18bには前記第2ローラ4の軸
部材4aの左側端部がブッシュ18cを介して挿入され
て回転自在に支持されている。そして、この第2テンシ
ョンアーム18の上端部近傍には、所定方向に伸びる長
孔18aが形成されている。この長孔18aは、上下
(短軸)方向の開口寸法が前記第3ローラ5の軸部材5
aの径よりも僅かに大きく設定されており、この長孔1
8aに前記第3ローラ5の軸部材5aの左側端部がブッ
シュ18dを介して挿入されて回転自在に支持されてい
る。つまり、この第3ローラ5の軸部材5aの左側端部
は、この長孔18aの延長方向に沿って移動自在となる
ように支持されている。このようにして、各テンション
アーム17,18には軸部材挿入孔17a,17b,1
8b及び長孔18aが形成され、この各孔17a,17
b,18a,18bによって第2ローラ4及び第3ロー
ラ5の各軸端部が支持されている。
【0032】次に、この長孔18aの延長方向について
詳述する。この長孔18aの延長方向は、図4に示すよ
うに、第1ローラ3と第2ローラ4との各軸心O1,O
2同士を繋いだ直線Sを長軸とし前記第3ローラ5が感
光ベルト6によって規制を受けながら、つまり、感光ベ
ルト6の裏面に接触しながら、この長軸S回りを移動し
た際に、その軸心O3が描く楕円の軌跡Tに略沿うよう
に設定されている。具体的には、本図4に示すように、
第2ローラ4と第3ローラ5との各軸心O2,O3同士
を繋いだ直線Uと、第1ローラ3と第3ローラ5との各
軸心O1,O3同士を繋いだ直線Vとの成す角が90°
で、前記直線Sと直線Uとの成す角が50°、前記直線
Sと直線Vとの成す角が40°で成る3軸系において、
前記直線Uと、長孔18bの延長方向つまり前記軸心O
3を通る直線Wとの成す角θが42.5°となるように
設定されている。また、この角θの値は、37.5°〜
47.5°の間において任意に設定可能である。
【0033】また、この長孔18aの形成位置及び長さ
寸法は、図5に示すように、第3ローラ5が第1ローラ
3及び第2ローラ4に対して平行となっている状態にお
いて、この第3ローラ5の軸部材5aが挿通されている
ブッシュ18dと長孔18aの長手方向の両端面との間
に僅かな隙間X,Yが形成されるように設定されてい
る。具体的に、本例では、ブッシュ18dの図5におけ
る右側Xに1.5mm、左側Yに2.0mmの隙間が形成さ
れるように長孔18aの位置及び長さ寸法が設定されて
いる。
【0034】一方、図2の如く、前記第1テンションア
ーム17及び第2テンションアーム18における第3ロ
ーラ5の支持位置の右側面には本発明でいう付勢部材と
してのテンションスプリング19が取付けられている。
このテンションスプリング19は、第1ローラ3と第3
ローラ5との各軸心O1,O3同士を繋いだ直線(図4
における直線V)に沿って配設されており、その一端が
前記上側ユニットケース1aから延びるスプリング支持
片1cに当接され、他端が各テンションアーム17,1
8の側面に形成されてスプリング係止突起18eに係止
されて、この両者1c,18e間に縮装されている。従
って、このテンションスプリング19によって、各テン
ションアーム17,18には図2に矢印Bで示す方向へ
の付勢力が与えられている。そして、この付勢力は、各
テンションアーム17,18を、第2ローラ4の軸心O
2を中心として図2における反時計回り方向に回転させ
るように働く、つまり、この付勢力は、第3ローラ5の
軸線の位置を第1ローラ3から遠ざける方向へ作用する
ことになるため、この付勢力により、感光ベルト6に所
定のベルト張力が与えられるような構成となっている。
また、この各テンションスプリング19,19は、左右
の付勢力が異なるように設定されている。つまり、第1
テンションアーム17に取付けられているテンションス
プリング19の付勢力が第2テンションアーム18に取
付けられているテンションスプリング19の付勢力より
も大きく設定されている。これによって、図3における
右側のベルト張力が左側のベルト張力よりも大きくなる
ように構成されており、感光ベルト6の走行時にはベル
ト張力の大きい側から小さい側へ、つまり、図3の矢印
C方向へ感光ベルト6が偏動するような構成とされてい
る。これによって、本発明でいう片寄付与手段が構成さ
れている。
【0035】次に、前記感光ベルト6の偏動を抑制する
ための機構について説明する。この機構は、前記第2テ
ンションアーム18に組込まれてユニット化されてい
る。先ず、前記第2テンションアーム18について説明
する。この第2テンションアーム18は、図6及び図7
にも示すように、側面視が略三角形状を呈する板材で成
り、その図6及び図7における上端部に前記第3ローラ
5の軸部材5aの左側端部を支持する上述した長孔18
aが、下端部に前記第2ローラ4の軸部材4aの左側端
部を支持する上述した軸部材挿入孔18bが夫々形成さ
れている。そして、前記長孔18aからは図6において
斜め左下方に延びて本第2テンションアーム18の一端
面18fに開口するシャフト挿入孔20が形成されてい
る。また、このシャフト挿入孔20の延長方向は前記長
孔18aの長軸の延長方向に一致されている。また、こ
のシャフト挿入孔20に近接した位置には、該シャフト
挿入孔20の延長方向に沿って延びるネジ穴21が形成
されている。更に、前記シャフト挿入孔20及びネジ穴
21が開口する端面18fには、このシャフト挿入孔2
0及びネジ穴21の開口領域に亘って溝22が形成され
ている。そして、図8に示すように、この第2テンショ
ンアーム18における前記各ローラ3,4,5の配設位
置に対向する内側端面18gには、係止ピン23が立設
されている。この係止ピン23は、前記第2テンション
アーム18の内側端面18gに対して垂直方向に延びて
おり、その形状としては、先端部近傍に大径部23aが
形成されており、先端部が円錐状に形成されている。
【0036】そして、図2及び図8に示すように、この
第2テンションアーム18のシャフト挿入孔20にはバ
ックテンションシャフト24が挿入されている。このバ
ックテンションシャフト24は、先端が円錐状に形成さ
れており、この先端が前記長孔18a内に臨むことによ
って前記第3ローラ5の軸部材5aの外周面に前記ブッ
シュ18dを介して当接するようになっている。また、
このバックテンションシャフト24におけるその延長方
向の中間部には大径部24aが形成されている。そし
て、本例の特徴の一つとして、このバックテンションシ
ャフト24の背面側からは前記シャフト挿入孔20にバ
ックテンションスプリング25が挿入されており、この
バックテンションスプリング25が前記バックテンショ
ンシャフト24の大径部24a背面に当接されるように
なっている。更に、このバックテンションスプリング2
5の背部側からは、止め板26が前記溝22内に嵌込ま
れている。この止め板26には前記ネジ孔21に対応し
た位置に開口26aが形成されており、この開口26a
を通過して前記ネジ孔21に止めネジ27が螺着されて
いる。これによって、前記バックテンションスプリング
25は、前記バックテンションシャフト24の大径部2
4aと止め板26との間に縮装されていることになり、
このバックテンションスプリング25の付勢力によって
前記バックテンションシャフト24の先端が前記第3ロ
ーラ5の軸部材5aを図2における矢印D方向に押圧さ
れていることになる。このようにして、第2テンション
アームに形成されたシャフト挿入孔20、バックテンシ
ョンシャスト24、止め板26及びバックテンションス
プリング25によって本発明でいう付勢手段が構成され
ている。
【0037】また、図3、図9及び図10に示すよう
に、前記第3ローラ5の左側の軸端部における前記第2
テンションアーム18の内側位置には偏動検出部材28
が配設されている。この偏動検出部材28は、その中心
部に第3ローラ5の軸部材5aと略同径の挿通孔28a
が形成されており、この挿通孔28aに前記第3ローラ
5の軸部材5aが挿通されていることにより、該第3ロ
ーラ5と同軸上で且つ、該第3ローラ5から独立して回
動自在となるように軸部材5aに支持されている。ま
た、この偏動検出部材28は、前記感光ベルト6のベル
ト材と摩擦係数が高く且つ耐摩耗性に優れたウレタンエ
ラストマ等によって形成されている。そして、この偏動
検出部材28は、その内側端面が、前記第3ローラ5の
筒状体5bの端面と小間隙を存して近接配置されてい
る。また、この偏動検出部材28の内側端面に対向する
筒状体5bの端面には薄肉円筒状の接触リング5cが埋
設されており、この接触リング5cの端面が偏動検出部
材28の内側端面に当接されることによって、この偏動
検出部材28と第3ローラ5の筒状体5bとの直接接触
を回避させながら、この両者間の摩擦係数を小さくする
と共に、偏動検出部材28の位置を規制するようになっ
ている。また、この偏動検出部材28は、第3ローラ5
の筒状体5bの端面に対向する部分の外径が第3ローラ
5の外径と同径に設定され、且つ筒状体5b端面から離
れるに従って次第にその径が大きくなるテーパ状に傾斜
された乗り上げ面28bを有している。そして、これに
よって、感光ベルト6に図3における矢印C方向の偏動
が発生すると、その偏動により感光ベルト6の端縁部が
偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り上げるよう
になっている(図3参照)。また、この偏動検出部材2
8の外側端面にはボス部28cが形成されている。この
ボス部28cは、その外側端面が前記ブッシュ18dの
内側端面に当接されるようになっており、これによって
も該偏動検出部材28の軸方向外側への移動が規制され
ている。
【0038】また、この偏動検出部材28における前記
第2テンションアーム18に対向する端面には、係止ピ
ン29が立設されている。この係止ピン29は、前記第
2テンションアーム18に設けられている係止ピン23
と同様に、先端部が円錐状に形成されている。
【0039】そして、本例のもう一つの特徴として、前
記第2テンションアーム18に設けられている係止ピン
23と偏動検出部材28に設けられている係止ピン29
との間には本発明でいう可撓性部材としての偏動検知ベ
ルト30が掛け渡されている。この偏動検知ベルト30
は、可撓性を有するフィルム状の帯体であって、その両
端が巻き込まれてフック部30a,30bが形成されて
おり、この各フック部30a,30bが前記各係止ピン
23,29に係止された状態で、この偏動検知ベルト3
0の一部が偏動検知部材28のボス部28cに巻き付け
られている。
【0040】このような構成により、前記感光ベルト6
の走行に伴う偏動(図3の矢印C方向)により、感光ベ
ルト6が偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り上
げ、偏動検出部材28に回転トルクが作用したとき、偏
動検出部材28の回転により前記偏動検知ベルト30が
偏動検出部材28のボス部28cに巻き取られて、前記
第3ローラ5の左側の軸端部が、前記長孔18aに沿っ
て移動されて、第1ローラ3の軸端部から離れる方向
に、即ち、図2の矢印E方向に変位されるようになって
いる。即ち、第3ローラ5をベルト進行方向Aに向って
右側に傾けた状態として、感光ベルト6を第3ローラ5
の周方向に沿って巻回させることによって、該感光ベル
ト6を図3における矢印C方向とは逆方向の矢印F方向
に移動させるように構成されている。これによって、偏
動検出部材28に回転トルクが作用したときに前記第3
ローラ5の軸端部を所定方向に変位させるローラ端部変
位手段が構成されている。即ち、第3ローラ5の左側の
軸端部がE方向に変位されると、初期の偏動成分(C方
向成分)とは逆の偏動成分が発生し、初期の偏動成分と
打ち消し合うまで第3ローラ5の軸端部が変位されるこ
とになる。
【0041】また、上述したように、第3ローラ5の軸
端部5aには、バックテンションシャフト24を介して
バックテンションスプリング25の付勢力が作用されて
いるために、感光ベルト6の偏動検出部材28への乗り
上げ動作が解消されると、このバックテンションスプリ
ング25の付勢力によって第3ローラ5の軸部材5aの
左側の軸端部が所定位置(図2に示す位置)に戻される
ようになっている。このような構成により、第3ローラ
5の軸端部の変位による逆方向の偏動成分が初期偏動成
分より大きくなると、感光ベルト6は逆方向に偏動を開
始し、偏動検出部材28の乗り上げ面28bへの乗り上
げ量は減少するから、偏動検出部材28の回転トルクも
減少し、その結果、バックテンションスプリング25に
よって第3ローラ5の軸端部の変位量も小さくなるよう
になっている。
【0042】また、上述したように、バックテンション
スプリング25が第2テンションアーム18に組込まれ
ており、偏動検知ベルト30が第2テンションアーム1
8と偏動検出部材28との間に架設されているために、
本ベルト駆動装置1の組立時において、第3ローラ5
に、偏動を修正するための機構を組付ける際には、図9
の如く、第3ローラ5の軸端部に偏動検出部材28及び
第2テンションアーム18を順に組付けた後、第2テン
ションアーム18及び偏動検出部材28の各係止ピン2
3,29に亘って偏動検知ベルト30を掛渡すといった
簡単な作業によって行うことができる。つまり、各機能
部品が第2テンションアーム18にユニット化されてい
ることによって、この第2テンションアーム18を組付
けた後にバックテンションスプリング25や偏動検知ベ
ルト30をプリンタ2の本体ケーシング2aに連繋する
ような作業が不要であるので、ベルト駆動装置1全体と
しての組立作業性が向上され、組付け作業時間の簡略
化、短縮化を図ることができる。また、このユニット化
によって、各機能部品の配設スペースを縮小することが
でき、ベルト駆動装置1の小型化に伴って小型プリンタ
2全体としての小型化を図ることもできる。
【0043】次に、上記の構成によるベルト駆動装置1
の動作について説明する。先ず、感光ベルト6の走行時
には、上述したように左右のベルト張力が異なっている
ために、感光ベルト6は常に図1におけるC方向へ偏動
する。つまり、この感光ベルト6は、走行しながら偏動
検出部材28に向かって偏動する、そして、感光ベルト
6の偏動により該感光ベルト6の端部が偏動検出部材2
8の乗り上げ面28bに乗り上げると、感光ベルト6と
偏動検出部材28の乗り上げ面28bとの間に作用する
摩擦力により、偏動検出部材28が軸部材5aに対して
回転せしめられ、その回転によって偏動検知ベルト30
を巻取ることになる。
【0044】この偏動検知ベルト30の巻取りにより、
偏動検出部材28が配置されている第3ローラ5の軸端
部がE方向へ変位する。この軸端部の変位方向は、上述
した楕円の軌跡Tに略沿うような直線で近似されている
ものであって、これにより、ベルト張力を変化させるこ
となしに第3ローラ5の軸端部が変位されることにな
る。そして、この変位により感光ベルト4はC方向と逆
方向に巻回されながら走行することになって、感光ベル
ト4のC方向への偏動が制限される。それと共に、前記
軸端部の変位により、バックテンションシャフト24が
長孔18aから抜け出る方向へ移動され、これによって
バックテンションスプリング25が押し縮められてスプ
リング反力も大きくなるので、偏動検知ベルト30の巻
取り力とバックテンションスプリング25のスプリング
反力とのバランスにより、第3ローラ5の変位量が規制
され、ある一定位置に感光ベルト6の端部の位置が維持
されることになる。
【0045】このようにして感光ベルト6の走行が行わ
れるために、感光ベルト6の大きな偏動が防止され、例
えば、感光ベルト6の偏動量を10数μmに抑えること
ができる。つまり、予め感光ベルト6を一方向へ偏動さ
せながら、その偏動を自動的に修正するようにしている
ことにより、偏動量を微量にすることができ、感光ベル
ト6に安定した走行を行わせることができ、本例のよう
な小型プリンタ2にあっては正確な画像(文字)印刷を
行うことができる。
【0046】このように、本実施例では、各テンション
アーム17,18によって、感光ベルト6にベルト張力
を付与する機能、ローラ端部変位手段による軸端部の変
位機能、更には、予め感光ベルト6を偏動検出部材28
の配設位置に向かって偏動させる機能を発揮させること
ができるために、少ない部品点数でもって、これら各機
能を共存させることができ、この種のベルト駆動装置の
実用性を大幅に向上することができる。
【0047】また、本例の構成によれば、バックテンシ
ョンスプリング25が、第2テンションアーム18に組
込まれているために、このバックテンションスプリング
25の付勢力とテンションスプリング19の付勢力とが
互いに影響を与え合うことがないので、この両付勢力が
相殺されるようなこともなく、感光ベルト6に与える張
力を最適値に設定でき且つ偏動修正動作時の第3ローラ
5の軸端部の復帰力を良好に得ることができる。
【0048】また、前記付勢手段は、前記シャフト挿入
孔20にバックテンションシャフト24及びバックテン
ションスプリング25に挿入し、前記シャフト挿入孔2
0における第2テンションアーム18の一端面に形成さ
れている前記開口を止め板26によって閉塞して、前記
バックテンションシャフト24の背面と止め板26との
間にバックテンションスプリング25を縮装することに
よって構成されるようになっているために、簡単な作業
で付勢手段を得ることができ、装置全体としての組立て
作業の簡略化及び組立て時間の短縮を図ることができ
る。
【0049】また、偏動修正動作において偏動検出部材
28に巻取られる偏動検知ベルト30を帯状体で形成し
たために、その巻取り動作が確実に行われることにな
り、装置の信頼性の向上が図られている。
【0050】尚、本例では、可撓性部材として帯状体の
偏動検知ベルト30を採用したが、本発明はこれに限ら
ず、偏動検出部材28に巻取り可能な部材であれば、紐
等を採用するようにしてもよい。
【0051】(第2実施例) 次に、請求項4記載の発明に係る第2実施例について説
明する。本実施例は、偏動検出部材28に前記感光ベル
ト6が接して回転トルクが作用した際に、その回転運動
を第3ローラ5の軸端部の所定方向への変位運動に変換
するための手段の変形例であり、それ以外の構成は上述
した第1実施例と同様である。従って、本例では、偏動
検出部材28の回転運動を第3ローラ5の軸端部の変位
運動に変換する手段のみについて説明する。
【0052】図11及び図12に示すように、本例の第
2テンションアーム18における長孔18aは、その内
側下面にラックギヤ35が形成されている。一方、本例
の偏動検出部材28のボス部28cの外側端近傍の外周
部には前記ラックギヤ35に噛合されたピニオンギヤ3
6が形成されている。従って、この偏動検出部材28
は、転動することにより、ピニオンギヤ36がラックギ
ヤ35に噛合されながら長孔18aの長手方向へ移動自
在とされており(図12の矢印G,H参照)、この偏動
検出部材28の移動に伴って第3ローラ5の軸端部も移
動されることになる。
【0053】従って、本例のベルト駆動装置1における
感光ベルト6の偏動修正動作について説明すると、先
ず、感光ベルト6の偏動により該感光ベルト6の端部が
偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り上げると
(図11参照)、感光ベルト6と偏動検出部材28の乗
り上げ面28bとの間に作用する摩擦力により、偏動検
出部材28が軸部材5aに対して回転せしめられる。そ
して、この偏動検出部材28が回転すると、該偏動検出
部材28のピニオンギヤ36が長孔18aのラックギヤ
35に噛合されながら図12の矢印G方向に転動する。
これにより、この偏動検出部材28に挿通されている第
3ローラ5の軸端部も移動することになる。つまり、第
3ローラ5が、上述した第1実施例の場合と同様にベル
ト進行方向Aに向って右側に傾けられた状態となって、
これにより感光ベルト6はC方向(図3参照)と逆方向
に巻回されながら走行することになって、感光ベルト6
のC方向への偏動が制限される。
【0054】このように、本例の構成によれば、ラック
ギヤ35及びピニオンギヤ36の噛合いによって偏動検
出部材28の回転運動が第3ローラ5の軸端部の変位運
動に変換されるようになっているために、この運動変換
動作が確実に行われることになり、装置の信頼性の向上
が図れる。また、上述した第1実施例のような偏動検知
ベルト30を備えていないので、装置を組立てる際に、
偏動検知ベルト30の偏動検出部材28のボス部28c
への巻き付け作業が不要になって更に組立作業の簡略化
が図れる。
【0055】尚、上述した各実施例では、小型プリンタ
2の感光ベルト6の駆動装置について説明したが、本発
明は、これに限らず、転写ベルトの駆動装置、或いは通
常の平ベルト駆動装置についても同様に適用することが
できる。また、片寄付与手段は左右のベルト張力を異な
ることなるようにしたものに限らず、各ロ−ラのうち1
本を傾斜配置させるようにして初期偏動を行わせるよう
な構成としてもよい。
【0056】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
以下に述べるような効果が発揮される。先ず、請求項1
記載の発明によれば、自動的に偏動を検出、修正するこ
とができるベルト駆動装置に対して、少なくとも偏動検
出部材が配設されている側の偏動調整用ローラの軸端部
を、ローラ端部変位手段による該軸端部の変位方向を案
内する長孔を有する支持部材によって支持させ、前記ロ
ーラ端部変位手段を、一端が前記支持部材に連結され、
他端が前記偏動検出部材に連結された可撓性部材を備え
させて成し、前記支持部材に、前記ローラ端部変位手段
の作動によって偏動調整用ローラの軸端部が所定方向に
変位された際、この軸端部に対して、その変位方向と逆
方向の付勢力を与える付勢手段を設けるような構成とし
たために、各機能部品が支持部材にユニット化されるこ
とになり、装置の組立時において、偏動調整用ローラの
軸端部に偏動検出部材及び支持部材を組付けた後、該支
持部材と偏動検出部材との間に可撓性部材を掛渡すとい
った簡単な作業によって偏動を修正するための機構を組
付けることができるので、装置全体としての組立作業性
の向上が図れ、また、このユニット化によって、各機能
部品の配設スペースを縮小することができ、ベルト駆動
装置の小型化を図ることもできる。
【0057】請求項2記載の発明によれば、付勢手段
を、シャフト挿入孔、バックテンションシャフト、止め
板及びバックテンションスプリングで成し、前記シャフ
ト挿入孔にバックテンションシャフト及びバックテンシ
ョンスプリングを順に挿入し、前記シャフト挿入孔にお
ける支持部材の一端面に形成されている前記開口を止め
板によって閉塞して、前記バックテンションシャフトの
背面と止め板との間にバックテンションスプリングを縮
装するようにしたために、簡単な作業で付勢手段を得る
ことができ、装置全体としての組立て作業の簡略化及び
組立て時間の短縮を図ることができる。
【0058】請求項3記載の発明によれば、支持部材
を、偏動調整用ローラの軸端部に支持された偏動検出部
材の外側位置で且つケーシングの内側位置に配設し、ベ
ルト駆動装置を、偏動調整用ローラの軸端部に、偏動検
出部材、支持部材を順に組付け、前記偏動検出部材と支
持部材との間に可撓性部材を架設した状態で、前記ケー
シングに収容させるような構成としたために、各機能部
品がユニット化されることになり、その配設スペースの
縮小が図れ装置全体としての小型化を図ることができ、
また、組付け作業時間の簡略化、短縮化を図ることもで
きる。また、支持部材に付勢部材を連結して、平ベルト
に所定のベルト張力を付与するようにしたために、この
支持部材をベルトに所定の張力を与える手段として利用
することができる。
【0059】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同じく、自動的に偏動を検出、修正すること
ができるベルト駆動装置に対して、少なくとも偏動検出
部材が配設されている側の偏動調整用ローラの軸端部
を、ローラ端部変位手段による該軸端部の変位方向を案
内する長孔を有する支持部材によって支持させ、ローラ
端部変位手段を、前記長孔の延長方向に沿って形成され
たラックギヤと、前記偏動検出部材の外周部に形成され
前記ラックギヤに噛合するピニオンギヤとによって構成
するようにし、ラックギヤ及びピニオンギヤの噛合いに
よって偏動検出部材の回転運動を偏動調整用ローラの軸
端部の変位運動に変換するようにしたために、この運動
変換動作が確実に行われ、装置の信頼性の向上が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における小型プリンタの縦断面図で
ある。
【図2】ベルト駆動装置の一部を断面で示した側面図で
ある。
【図3】第2ローラ及び第3ローラの支持状態を示す一
部を破断した図である。
【図4】長孔の延長方向を説明するための図である。
【図5】長孔周辺の縦断面図である。
【図6】第2テンションアームの縦断側面図である。
【図7】第2テンションアームの縦断正面図である。
【図8】第2テンションアーム及びその周辺部材の分解
斜視図である。
【図9】ローラ端部変位手段周辺の分解斜視図である。
【図10】第2ローラ及び第3ローラのユニットケース
への組付け状態を示す斜視図である。
【図11】第2実施例における第3ローラの軸端部周辺
を示す縦断面図である。
【図12】長孔周辺部の側面図である。
【符号の説明】
1 ベルト駆動装置 3 第1ローラ 4 第2ローラ 5 第3ローラ(偏動調整用ローラ) 6 感光ベルト(平ベルト) 18 第2テンションアーム(支持部材) 18a 長孔 19 テンションスプリング(付勢部材) 20 シャフト挿入孔(付勢手段) 24 バックテンションシャフト(付勢手段) 25 バックテンションスプリング(付勢手段) 26 止め板(付勢手段) 28 偏動検出部材 30 偏動検知ベルト(可撓性部材) 35 ラックギヤ 36 ピニオンギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−205052(JP,A) 特開 平5−26314(JP,A) 特開 平5−18450(JP,A) 特開 平5−18449(JP,A) 特開 昭60−57040(JP,A) 実開 昭64−48457(JP,U) 実開 昭58−110609(JP,U) 実開 昭64−48457(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 7/00 F16H 7/12 G03G 15/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平ベルトと、 該平ベルトが掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整用
    ローラされた複数本のローラと、 前記偏動調整用ローラの一方の軸端部に、該偏動調整用
    ローラと独立して回転自在に支持された偏動検出部材
    と、 前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移
    動させる片寄付与手段と、一端が 前記偏動検出部材に連繋され、前記片寄付与手段
    によって平ベルトが偏動し、この偏動により前記偏動検
    出部材に前記平ベルトが接して回転トルクが作用したと
    きに、前記偏動検出部材に巻き取られることによって、
    該偏動検出部材の回転運動を前記偏動調整用ローラの軸
    端部が所定方向に変位する運動に変換し、前記平ベルト
    を前記偏動検出部材から離れる方向に移動させるように
    設けられた可撓性部材を有するローラ軸端部変位手段
    と、 少なくとも前記偏動検出部材が配設されている側の前記
    偏動調整用ローラの軸端部を前記ローラ端部変位手段に
    る変位方向に変位可能に案内支持するように設けられ
    長孔を有する支持部材と、 記ローラ端部変位手段の作動によって偏動調整用ロー
    ラの軸端部が所定方向に変位された際、この軸端部に対
    して、その変位方向と逆方向の付勢力を与える付勢手段
    とを備えており、 前記ローラ軸端部変位手段の可撓性部材の他端は、前記
    支持部材に連繋されており、 前記付勢手段は、前記支持部材に 設けられていることを
    特徴とするベルト駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベルト駆動装置におい
    て、付勢手段は、 支持部材に形成されている長孔の延長方向に延びて、一
    端が前記長孔に開口し、他端が支持部材の一端面に開口
    したシャフト挿入孔と、 該シャフト挿入孔に挿入されて、先端部が前記長孔内に
    臨み、先端が偏動調整用ローラの軸端部に当接自在とさ
    れたバックテンションシャフトと、 前記シャフト挿入孔における支持部材の一端面に形成さ
    れている前記開口を閉塞する止め板と、 前記バックテンションシャフトの背面と止め板との間に
    縮装されたバックテンションスプリングとを備えて成
    り、 前記シャフト挿入孔にバックテンションシャフト及びバ
    ックテンションスプリングが順に挿入され、前記シャフ
    ト挿入孔における支持部材の一端面に形成されている前
    記開口が止め板によって閉塞されて、前記バックテンシ
    ョンシャフトの背面と止め板との間にバックテンション
    スプリングが縮装されて構成されていることを特徴とす
    るベルト駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のベルト駆動装置
    において、ケーシング内に収容されており、支持部材は
    偏動調整用ロ−ラとその他の1本のロ−ラとの両軸端部
    間に亘って架設されて各ローラ軸端部を回転自在に支持
    しており、この各支持部材は平ベルトに所定のベルト張
    力を付与する付勢部材が連結されており、 前記支持部材は、偏動調整用ローラの軸端部に支持され
    た偏動検出部材の外側位置で且つ前記ケーシングの内側
    位置に配設されており、 偏動調整用ローラの軸端部に、偏動検出部材、支持部材
    が順に組付けられ、前記偏動検出部材と支持部材との間
    に可撓性部材が架設された状態で、前記ケーシングに収
    容されていることを特徴とするベルト駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のベルト駆動装置におい
    て、 ローラ端部変位手段は、可撓性部材に代えて、支持部材
    長孔の延長方向に沿って形成されたラックギヤと、偏
    動検出部材の外周部に形成され前記ラックギヤに噛合す
    るピニオンギヤとによって構成されていることを特徴と
    するベルト駆動装置。
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