JP3296592B2 - ベルト駆動装置 - Google Patents

ベルト駆動装置

Info

Publication number
JP3296592B2
JP3296592B2 JP14230292A JP14230292A JP3296592B2 JP 3296592 B2 JP3296592 B2 JP 3296592B2 JP 14230292 A JP14230292 A JP 14230292A JP 14230292 A JP14230292 A JP 14230292A JP 3296592 B2 JP3296592 B2 JP 3296592B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
hendo
belt
deviation
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14230292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05338842A (ja
Inventor
陸三 上月
誠喜 藤森
浩 三橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP14230292A priority Critical patent/JP3296592B2/ja
Publication of JPH05338842A publication Critical patent/JPH05338842A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3296592B2 publication Critical patent/JP3296592B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Paper Feeding For Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Structure Of Belt Conveyors (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルト駆動装置に係
り、特に、ベルトに偏動が生じた際にローラの軸端部を
変位させることによって偏動修正を行う機構を備えたも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子プリンタ装置や電子写真装
置において、この装置の軽量化及びコンパクト化を目的
として、表面に感光体層または誘電体層を有する平ベル
トを、互いに平行に配置した複数本のローラに掛け渡す
ことによって、前記平ベルトを感光ドラムまたは転写ド
ラム等の代わりに感光ベルトまたは転写ベルトとして利
用すること知られている。
【0003】そして、このような装置にあっては、正確
な画像(文字)形成を行うために、高精度、高解像度が
要求される。ところが、前記平ベルトの走行時に該ベル
トが幅方向へ偏動するような場合には正確な画像形成を
行うことができず性能が大幅に低下してしまうことにな
る。
【0004】このため、従来より、この偏動を抑制する
ための構成として様々なものが提案されている。その一
例として、特開昭56−127501号公報に示される
ように平ベルトの偏動を強制的に防止するようにしたも
のや、実開昭58−110609号公報に示されるよう
に、平ベルトの偏動をベルト位置センサによって検出し
て、平ベルトの偏動が検出されると、その偏動量に応じ
て1本のローラの軸端部を変位させることにより偏動を
修正するようにしたものなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の構成は、実用性の面で課題が残されてい
た。つまり、平ベルトの偏動を強制的に防止するように
したものでは、平ベルトが損傷しないようにその強度を
増大させておく必要があり、厚さの薄いベルトを使用す
ることができない。また、ベルト位置センサによって偏
動を検出するようにしたものでは、複雑なメカニズムを
用いて偏動を検出、修正するために、高価でしかも余分
なスペースを必要とし、装置全体としての大形化に繋っ
てしまう。
【0006】そこで、これらの点を解決するために、本
発明の発明者らは、自動的に偏動を検出、修正すること
ができるベルト駆動装置について、その構造の改良を進
めている。詳しくは、複数のローラのうち1本を偏動
調整用ローラとし、この偏動調整用ローラの片側に、該
偏動調整用ローラから独立して回転自在な偏動検出部材
を備えさせておく。そして、前記平ベルトを予め前記偏
動検出部材に向って偏動させるように構成しておく。そ
して、平ベルトの走行時に、該平ベルトが、その偏動よ
って偏動検出部材に接触すると、この接触により偏動検
出部材が回転し、この回転力を偏動調整用ローラの軸端
部を変位させる力に変換することによって平ベルトに逆
方向の偏動成分を与え、前記偏動を修正させるようにし
た構成について開発している。
【0007】そして、このように平ベルトの偏動を修正
することができる機構をより実用的なものとするために
は、以下の点を改良する必要があった。つまり、このよ
うな装置では、平ベルトを予め前記偏動検出部材に向っ
て偏動させるようにしているために、この偏動に伴って
偏動調整用ローラにその軸方向の推力が作用することに
なる。また、この平ベルトの偏動により該平ベルトが偏
動検出部材に接触すると、この接触によって前記偏動検
出部材にも軸方向の推力が作用することになる。このよ
うに、偏動調整用ローラや偏動検出部材に軸方向の推力
が作用すると、前記偏動検出部材が、本ベルト駆動装置
を支持しているフレーム等に押付けられることになっ
て、この押付け力が前記偏動調整用ローラの軸端部の
に対する抵抗として働くことになる。従って、このよ
うな状況では、前記抵抗が、円滑な偏動修正動作を阻害
することになってしまい、偏動修正の制御幅が大きくな
ってしまう。つまり、平ベルトの偏動検出部材に対する
接触面積(乗り上げ量)が大きくならねば偏動修正動作
が行われないことになってしまうため、正確な画像(文
字)形成が行えるとは言い難いものであった。また、こ
のような電子プリンタ装置や電子写真装置に採用される
ベルト駆動装置に限らず、その他、種々のベルト駆動装
置にこのような機構を採用した場合にあっても同様の課
題が発生することになる。
【0008】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、自動的に偏動を検出、修正することができるベ
ルト駆動装置について、偏動修正動作をより円滑に行わ
せることができるベルト駆動装置を得ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、予め、平ベルトを所定方向に偏動さ
せるようにしながら、逐次、1本のローラの一方の軸端
を変位させることによって、前記偏動を修正するよう
にしたベルト駆動装置に対して、平ベルトの偏動の伴っ
て発生する推力が軸端部の変位に影響を与えないように
した。
【0010】具体的には、各々、軸方向の両端部が夫々
軸端保持部材を介してケーシングに支持された複数本の
ローラと、該複数本のローラに掛け渡された平ベルトと
を備え、前記複数本のローラのうちの少なくとも1本の
ローラは、一方の軸端部が軸心に略直交する方向に変位
自在な偏動調整用ローラとされ、前記偏動調整用ローラ
前記一方の軸端部に、該偏動調整用ローラから独立し
て回転自在に支持された偏動検出部材と、前記偏動調整
用ローラ上の平ベルトを前記一方の軸端部の側に偏動さ
せる片寄付与手段と、前記偏動検出部材に連繋され、前
記片寄付与手段により偏動した平ベルトが前記偏動検出
部材に接して該偏動検出部材に回転トルクが作用したと
きに、その回転運動を前記偏動調整用ローラの前記一方
軸端部の所定方向への変位運動に変換することによ
、前記偏動調整用ローラ上の平ベルトを前記偏動検出
部材から離れる方向に移動させるローラ端部変位手段と
を備えたベルト駆動装置を前提としている。
【0011】そして、前記偏動調整用ローラにおいて、
前記一方の軸端部の所定方向への変位運動の際、該偏動
調整用ローラの他方の軸端部を揺動中心とする振子運動
が可能となるように、前記他方の軸端部を保持る前記
軸端保持部材を前記ケーシングに遊嵌状態支持させ
る。同時に、前記平ベルトの偏動により前記偏動調整用
ローラ及び偏動検出部材に軸方向の推力が作用して該偏
動調整用ローラ及び偏動検出部材が軸方向移動する
際、前記偏動検出部材の端面が前記軸端保持部材及び前
ケーシングに接触しないように、前記推力による偏動
検出部材の軸方向の移動量を、前記他方の軸端部を保持
る前記軸端保持部材によって規制させるべく前記遊嵌
状態の支持間隙を所定値に設定する構成とした。
【0012】
【作用】上記の構成により、本発明では、平ベルトが片
寄付与手段の作用によって偏動して偏動検出部材に接す
ると、該偏動検出部材が平ベルトとの接触摩擦により回
転する。そして、この回転運動に伴って前記回転運動
が、前記偏動調整用ローラの軸端部が所定方向に変位す
る運動に変換される。このようにして偏動調整用ローラ
の軸端部が変位すると、平ベルトに前記偏動方向とは逆
方向の偏動が発生するために、前記初期の偏動が修正さ
れる。つまり、初期の偏動に応じた偏動調整用ローラの
軸端部の変位量が自動的に与えられ、平ベルトの偏動を
修正する。このため、前記平ベルトは安定した走行を行
うことができ、特に、このベルト駆動装置を電子プリン
タ装置や電子写真装置に適用した場合には正確な画像
(文字)形成を行うことができる。そして、偏動修正動
作においては、ローラ全体として、偏動検出部材が設け
られていない側の軸端部を揺動中心とする振子運動を行
い、これによって円滑な偏動修正動作が行われる。ま
た、平ベルトがベルト幅方向に偏動して、その推力によ
って偏動調整用ローラ及び偏動検出部材が軸方向へ移動
する際、その移動量は、前記偏動検出部材が設けられて
いない側の軸端部を保持している軸端保持部材によって
規制されるため、偏動検出部材の端面が軸端保持部材や
ケーシングに接触して前記偏動修正動作の抵抗となるよ
うなことが回避できる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。また、本実施例では、本発明に係るベル
ト駆動装置を小型プリンタに採用した場合について説明
する。
【0014】図1は、本例に係るベルト駆動装置1が備
えられた小型プリンタ2の縦断面を示している。この小
型プリンタ2は、本体ケーシング2a内の中央部に前記
ベルト駆動装置1が備えられている。このベルト駆動装
置1は、第1、第2、第3の3本のローラ3,4,5を
備えており、この各ローラ3,4,5に感光ベルト6が
走行(図1の矢印A参照)可能に掛け渡されて成ってい
る。尚、このベルト駆動装置1の詳細については後述す
る。
【0015】また、このベルト駆動装置1は上下一対の
ユニットケース1a,1b内に収容されている。そし
て、この各ユニットケース1a,1bの複数箇所には、
該ユニットケース1a,1bの幅方向(図1における紙
面垂直方向)の略全域に亘って延びる開口が形成されて
いる。そして、前記ベルト駆動装置1の周辺において、
この各開口に対向した位置には、以下のような各機器が
配置されている。つまり、下側ユニットケース1bに形
成されている3箇所の開口の形成位置には、図1におけ
る左側から順にクリーナ7、帯電器8、露光器9が前記
感光ベルト6に対向するように配設されている。また、
上側ユニットケース1aと下側ユニットケース1bの右
側の接続部分に形成されている開口の形成位置には現像
器10が前記感光ベルト6に対向するように配設されて
いる。更に、上側ユニットケース1aに形成されている
開口の形成位置には、転写用帯電器11が前記感光ベル
ト6に対向するように配設されている。
【0016】また、前記本体ケーシング2aの図1にお
いて右側面にはプリント用紙Pが備えられたペーパーカ
セット12が差込まれている。また、前記ベルト駆動装
置1の上方には、このペーパーカセット12内のプリン
ト用紙Pを取出して搬送する複数の搬送ローラ13,1
3,…が配設されている。更に、プリント用紙搬送方向
における前記転写用帯電器11の下流側には定着器14
が、更に、その下流側には搬出ローラ15が夫々配設さ
れている。また、図1における16は、プリント基板を
備えて成り各機器へ制御信号を送信する制御部である。
【0017】このような構成により、本小型プリンタ2
の駆動時には、前記感光ベルト6が図1に矢印Aで示す
方向に走行し、この走行に伴って、前記制御部16から
送信された制御信号に基づいて前記帯電器8及び露光器
9によって感光ベルト6表面にプリントしようとする画
像(文字)の静電潜像が形成される。その後、現像器1
0において、この感光ベルト6表面の静電潜像部分にト
ナーが付着されて感光ベルト6表面にトナー像が形成さ
れることになる。この動作と同時に、前記搬送ローラ1
3によって前記ペーパーカセット12のプリント用紙P
が取出されて搬送され、前記転写用帯電器11の配設位
置において、感光ベルト6とプリント用紙Pとが接触さ
れて、感光ベルト6表面のトナー像がプリント用紙Pに
転写される。その後、このトナー像が転写されたプリン
ト用紙Pは、定着器14に搬送されてトナー像の定着が
行われた後、搬出ローラ15によって、本小型プリンタ
2の上側ケーシング2b上へ搬出されることになる。ま
た、この動作終了後において、感光ベルト6の表面に残
ったトナーは前記クリーナ7によって掻き落とされて回
収されることにより、該感光ベルト6の表面が浄化され
ることになる。このような動作を繰返すことにより、高
速連続印刷が行われることになる。
【0018】このような動作によって印刷が行われるた
めに、前記感光ベルト6に偏動が発生するような状況で
は、感光ベルト6表面へのトナー像の形成及び該トナー
像のプリント用紙Pへの転写が良好に行われなくなり、
正確な画像(文字)形成を行うことができなくなってし
まう。そして、本例のベルト駆動装置1は、この感光ベ
ルト6の偏動を抑制するような機構が備えられている。
以下、このベルト駆動装置1について詳細に説明する。
【0019】図2に示すように、本例のベルト駆動装置
1は、3軸系のベルト駆動装置であって、上述したよう
に、図2における3,4,5は、夫々第1、第2及び第
3ローラである。各ローラ3,4,5は、夫々軸部材3
a,4a,5aと、該軸部材3a,4a,5aの左右両
端部を除いた部分で、軸部材3a,4a,5aと同心上
で僅かに大径に形成されたゴム等で成る筒状体3b,4
b,5bとから成っている。この筒状体3b,4b,5
bの材料としては、例えばEPDM系架橋ゴムが採用さ
れる。但し、この各筒状体3b,4b,5bは樹脂やア
ルミニウムなどのように弾性体材料でないものであって
もよい。
【0020】そして、前記各ローラ3,4,5には、基
材の表面に感光体層が形成されて成る本発明でいう平ベ
ルトとしての感光ベルト6が走行可能に掛け渡されてい
る。従って、本ベルト駆動装置1にあっては、上述した
如く、この感光ベルト6が小型プリンタ2の感光転写搬
送体として機能するようになっている。また、前記感光
ベルト6の基材としては、例えば2軸延伸ポリエステル
が採用されており、引張弾性率が200kg/mm2 以上に
設定されている。
【0021】第1ローラ3は、軸部材3aが図示しない
駆動モータの駆動軸に連繋されて該駆動モータの駆動力
が伝達可能となっている。つまり、この第1ローラ3が
駆動ローラとして機能するようになっている。
【0022】第2ローラ4は、従動ローラであって、そ
の軸線が前記第1ローラ3の軸線と平行に配置されてい
る。
【0023】第3ローラ5は、本発明でいう偏動調整用
ローラであって、この軸線も、図2に示す状態において
は、前記第2ローラ4と同様に第1ローラ3の軸線と平
行に配置されている。
【0024】そして、図6に示すように、前記第2ロー
ラ4と第3ローラ5の左右両軸端間には本発明でいう軸
端保持部材としての一対のテンションアーム17,18
が架設されている。この各テンションアーム17,18
は、例えばポリアセタール樹脂やナイロン樹脂などのよ
うな摺動性を有するエンジニアリングプラスチックで形
成されている。そして、この一対のテンションアーム1
7,18のうち、図6において右側に配置されている第
1テンションアーム17は、その上端部近傍に、前記第
3ローラ5の軸部材5aよりも僅かに大径に形成された
円形の軸部材挿入孔17aが形成されている。そして、
この軸部材挿入孔17aには前記第3ローラ5の軸部材
5aの右側端部が挿入されて回転自在に支持されてい
る。一方、この第1テンションアーム17の下端部近傍
には、前記第2ローラ4の軸部材4aよりも僅かに大径
に形成された円形の軸部材挿入孔17bが形成されてい
る。そして、この軸部材挿入孔17bには前記第2ロー
ラ4の軸部材4aの右側端部がブッシュ17cを介して
挿入されて回転自在に支持されている。このようにして
第1テンションアーム17によって第2ローラ4及び第
3ローラ5が支持されているために、該第2ローラ4と
第3ローラ5との右側の軸間距離は一定値に固定される
ようになっている。
【0025】一方、図6において左側に配置されている
第2テンションアーム18は、その下端部近傍に、前記
第2ローラ4の軸部材4aよりも僅かに大径に形成され
た円形の軸部材挿入孔18bが形成されている。そし
て、この軸部材挿入孔18bには前記第2ローラ4の軸
部材4aの左側端部がブッシュ18cを介して挿入され
て回転自在に支持されている。そして、この第2テンシ
ョンアーム18の上端部近傍には、所定方向に伸びる長
孔18aが形成されている。この長孔18aは、上下
(短軸)方向の開口寸法が前記第3ローラ5の軸部材5
aの径よりも僅かに大きく設定されており、この長孔1
8aに前記第3ローラ5の軸部材5aの左側端部がブッ
シュ18dを介して挿入されて回転自在に支持されてい
る。つまり、この第3ローラ5の軸部材5aの左側端部
は、この長孔18aの延長方向に沿って移動自在となる
ように支持されている。このようにして、各テンション
アーム17,18には軸部材挿入孔17a,17b,1
8b及び長孔18aが形成され、この各孔17a,17
b,18a,18bによって第2ローラ4及び第3ロー
ラ5の各軸端部が支持されている。
【0026】次に、この長孔18aの延長方向について
詳述する。この長孔18aの延長方向は、図7に示すよ
うに、第1ローラ3と第2ローラ4との各軸心O1,O
2同士を繋いだ直線Sを長軸とし前記第3ローラ5が感
光ベルト6によって規制を受けながら、つまり、感光ベ
ルト6の裏面に接触しながら、この長軸S回りを移動し
た際に、その軸心O3が描く楕円の軌跡Tに略沿うよう
に設定されている。具体的には、本図7に示すように、
第2ローラ4と第3ローラ5との各軸心O2,O3同士
を繋いだ直線Uと、第1ローラ3と第3ローラ5との各
軸心O1,O3同士を繋いだ直線Vとの成す角が90°
で、前記直線Sと直線Uとの成す角が50°、前記直線
Sと直線Vとの成す角が40°で成る3軸系において、
前記直線Uと、長孔18aの延長方向つまり前記軸心O
3を通る直線Wとの成す角θが42.5°となるように
設定されている。また、この角θの値は、37.5°〜
47.5°の間において任意に設定可能である。
【0027】また、この長孔18aの形成位置及び長さ
寸法は、図8に示すように、第3ローラ5が第1ローラ
3及び第2ローラ4に対して平行となっている状態にお
いて、この第3ローラ5の軸部材5aが挿通されている
ブッシュ18dと長孔18aの長手方向の両端面との間
に僅かな隙間X,Yが形成されるように設定されてい
る。具体的に、本例では、ブッシュ18dの図8におけ
る右側Xに1.5mm、左側Yに2.0mmの隙間が形成さ
れるように長孔18aの位置及び長さ寸法が設定されて
いる。
【0028】一方、図2の如く、前記第1テンションア
ーム17及び第2テンションアーム18における第3ロ
ーラ5の支持位置の右側面にはテンションスプリング1
9が取付けられている。このテンションスプリング19
は、第1ローラ3と第3ローラ5との各軸心O1,O3
同士を繋いだ直線(図7における直線V)に沿って配設
されており、その一端が前記上側ユニットケース1aか
ら延びるスプリング支持片1cに当接され、他端が各テ
ンションアーム17,18の側面に形成されてスプリン
グ係止突起18eに係止されて、この両者1c,18e
間に縮装されている。従って、このテンションスプリン
グ19によって、各テンションアーム17,18には図
2に矢印Bで示す方向への付勢力が与えられている。そ
して、この付勢力は、各テンションアーム17,18
を、第2ローラ4の軸心O2を中心として図2における
反時計回り方向に回転させるように働く、つまり、この
付勢力は、第3ローラ5の軸線の位置を第1ローラ3か
ら遠ざける方向へ作用することになるため、この付勢力
により、感光ベルト6に所定のベルト張力が与えられる
ような構成となっている。また、この各テンションスプ
リング19,19は、左右の付勢力が異なるように設定
されている。つまり、第1テンションアーム17に取付
けられているテンションスプリング19の付勢力が第2
テンションアーム18に取付けられているテンションス
プリング19の付勢力よりも大きく設定されている。こ
れによって、図6における右側のベルト張力が左側のベ
ルト張力よりも大きくなるように構成されており、感光
ベルト6の走行時にはベルト張力の大きい側から小さい
側へ、つまり、図6の矢印C方向へ感光ベルト6が偏動
するような構成とされている。これによって、本発明で
いう片寄付与手段が構成されている。
【0029】次に、前記感光ベルト6の偏動を抑制する
ための機構について説明する。この機構は、前記第2テ
ンションアーム18に組込まれてユニット化されてい
る。先ず、前記第2テンションアーム18について説明
する。この第2テンションアーム18は、図9及び図1
0にも示すように、側面視が略三角形状を呈する板材で
成り、その図9及び図10における上端部に前記第3ロ
ーラ5の軸部材5aの左側端部を支持する上述した長孔
18aが、下端部に前記第2ローラ4の軸部材4aの左
側端部を支持する上述した軸部材挿入孔18bが夫々形
成されている。そして、前記長孔18aからは図9にお
いて斜め左下方に延びて本第2テンションアーム18の
一端面18fに開口するシャフト挿入孔20が形成され
ている。また、このシャフト挿入孔20の延長方向は前
記長孔18aの長軸の延長方向に一致されている。ま
た、このシャフト挿入孔20に近接した位置には、該シ
ャフト挿入孔20の延長方向に沿って延びるネジ穴21
が形成されている。更に、前記シャフト挿入孔20及び
ネジ穴21が開口する端面18fには、このシャフト挿
入孔20及びネジ穴21の開口領域に亘って溝22が形
成されている。そして、図11に示すように、この第2
テンションアーム18における前記各ローラ3,4,5
の配設位置に対向する内側端面18gには、係止ピン2
3が立設されている。この係止ピン23は、前記第2テ
ンションアーム18の内側端面18gに対して垂直方向
に延びており、その形状としては、先端部近傍に大径部
23aが形成されており、先端部が円錐状に形成されて
いる。
【0030】そして、図2及び図11に示すように、こ
の第2テンションアーム18のシャフト挿入孔20には
バックテンションシャフト24が挿入されている。この
バックテンションシャフト24は、先端が円錐状に形成
されており、この先端が前記長孔18a内に臨むことに
よって前記第3ローラ5の軸部材5aの外周面に前記ブ
ッシュ18dを介して当接するようになっている。ま
た、このバックテンションシャフト24におけるその延
長方向の中間部には大径部24aが形成されている。そ
して、このバックテンションシャフト24の背面側から
は前記シャフト挿入孔20にバックテンションスプリン
グ25が挿入されており、このバックテンションスプリ
ング25が前記バックテンションシャフト24の大径部
24a背面に当接されるようになっている。更に、この
バックテンションスプリング25の背部側からは、止め
板26が前記溝22内に嵌込まれている。この止め板2
6には前記ネジ穴21に対応した位置に開口26aが形
成されており、この開口26aを通過して前記ネジ穴2
1に止めネジ27が螺着されている。これによって、前
記バックテンションスプリング25は、前記バックテン
ションシャフト24の大径部24aと止め板26との間
に縮装されていることになり、このバックテンションス
プリング25の付勢力によって前記バックテンションシ
ャフト24の先端が前記第3ローラ5の軸部材5aを図
2における矢印D方向に押圧されていることになる。
【0031】また、図6、図12及び図13に示すよう
に、前記第3ローラ5の左側の軸端部における前記第2
テンションアーム18の内側位置には偏動検出部材28
が配設されている。この偏動検出部材28は、その中心
部に第3ローラ5の軸部材5aと略同径の挿通孔28a
が形成されており、この挿通孔28aに前記第3ローラ
5の軸部材5aが挿通されていることにより、該第3ロ
ーラ5と同軸上で且つ、該第3ローラ5から独立して回
動自在となるように軸部材5aに支持されている。ま
た、この偏動検出部材28は、前記感光ベルト6のベル
ト材と摩擦係数が高く且つ耐摩耗性に優れたウレタンエ
ラストマ等によって形成されている。そして、この偏動
検出部材28は、その内側端面が、前記第3ローラ5の
筒状体5bの端面と小間隙を存して近接配置されてい
る。また、この偏動検出部材28の内側端面に対向する
筒状体5bの端面には薄肉円筒状の接触リング5cが埋
設されており、この接触リング5cの端面が偏動検出部
材28の内側端面に当接されることによって、この偏動
検出部材28と第3ローラ5の筒状体5bとの直接接触
を回避させながら、この両者間の摩擦係数を小さくする
と共に、偏動検出部材28の位置を規制するようになっ
ている。また、この偏動検出部材28は、第3ローラ5
の筒状体5bの端面に対向する部分の外径が第3ローラ
5の外径と同径に設定され、且つ筒状体5b端面から離
れるに従って次第にその径が大きくなるテーパ状に傾斜
された乗り上げ面28bを有している。そして、これに
よって、感光ベルト6に図6における矢印C方向の偏動
が発生すると、その偏動により感光ベルト6の端縁部が
偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り上げるよう
になっている(図6参照)。また、この偏動検出部材2
8の外側端面にはボス部28cが形成されている。この
ボス部28cは、その外側端面が前記ブッシュ18dの
内側端面に対向されるようになっている。
【0032】また、この偏動検出部材28における前記
第2テンションアーム18に対向する端面には、係止ピ
ン29が立設されている。この係止ピン29は、前記第
2テンションアーム18に設けられている係止ピン23
と同様に形成されている。
【0033】そして、前記第2テンションアーム18に
設けられている係止ピン23と偏動検出部材28に設け
られている係止ピン29との間には偏動検知ベルト30
が掛け渡されている。この偏動検知ベルト30は、可撓
性を有するフィルム状の帯体であって、その両端が巻き
込まれてフック部30a,30bが形成されており、こ
の各フック部30a,30bが前記各係止ピン23,2
9に係止された状態で、この偏動検知ベルト30の一部
が偏動検出部材28のボス部28cに巻き付けられてい
る。
【0034】このような構成により、前記感光ベルト6
の走行に伴う偏動(図6の矢印C方向)により、感光ベ
ルト6が偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り上
げ、偏動検出部材28に回転トルクが作用したとき、偏
動検出部材28の回転により前記偏動検知ベルト30が
偏動検出部材28のボス部28cに巻き取られて、前記
第3ローラ5の左側の軸端部が、前記長孔18aに沿っ
て移動されて、第1ローラ3の軸端部から離れる方向
に、即ち、図2の矢印E方向に変位されるようになって
いる。即ち、第3ローラ5をベルト進行方向Aに向って
右側に傾けた状態として、感光ベルト6を第3ローラ5
の周方向に沿って巻回させることによって、該感光ベル
ト6を図6における矢印C方向とは逆方向の矢印F方向
に移動させるように構成されている。これによって、偏
動検出部材28に回転トルクが作用したときに前記第3
ローラ5の軸端部を所定方向に変位させるローラ端部変
位手段が構成されている。即ち、第3ローラ5の左側の
軸端部がE方向に変位されると、初期の偏動成分(C方
向成分)とは逆の偏動成分が発生し、初期の偏動成分と
打ち消し合うまで第3ローラ5の軸端部が変位されるこ
とになる。
【0035】また、上述したように、第3ローラ5の軸
部材5aには、バックテンションシャフト24を介して
バックテンションスプリング25の付勢力が作用されて
いるために、感光ベルト6の偏動検出部材28への乗り
上げ動作が解消されると、このバックテンションスプリ
ング25の付勢力によって第3ローラ5の軸部材5aの
左側の軸端部が所定位置(図2に示す位置)に戻される
ようになっている。このような構成により、第3ローラ
5の軸端部の変位による逆方向の偏動成分が初期偏動成
分より大きくなると、感光ベルト6は逆方向に偏動を開
始し、偏動検出部材28の乗り上げ面28bへの乗り上
げ量は減少するから、偏動検出部材28の回転トルクも
減少し、その結果、バックテンションスプリング25に
よって第3ローラ5の軸端部の変位量も小さくなるよう
になっている。
【0036】そして、本例の特徴とする構成としては、
前記第3ローラ5の左右両軸端部の支持状態にある。以
下、第3ローラ5の左右両軸端部周辺の夫々の構成につ
いて説明する。先ず、図3及び図4における第3ローラ
5の右側の軸端部の構成について説明する。この右側の
軸端部は、上述したように第1テンションアーム17の
上側の軸部材挿入孔17aに挿入支持されており、その
外側端部には第1EリングR1が装着されて第3ローラ
5の右側の軸端部の抜け止めが図られている。また、第
1テンションアーム17の上端部の外側部には円筒部1
7dが一体形成されており、この円筒部17dの外側端
に外側フランジ17eが、その内側に内側フランジ17
fが夫々形成されている。そして、この第3ローラ5に
おける軸部材5aの大径部の外側端面と前記第1Eリン
グR1との間隔は、前記第1テンションアーム17の円
筒部17dの幅寸法よりも僅かに大きく設定されてい
る。また、前記第1テンションアーム17は、その上端
部が本発明でいうケーシングとしての前記上側ユニット
ケース1aに支持されている。つまり、この第1テンシ
ョンアーム17における両フランジ17e,17fの間
には周方向に亘る凹部17gが形成されていることにな
り、この凹部17g内に前記上側ユニットケース1aの
一部が嵌込まれることによって前記第1テンションアー
ム17の上端部がこの上側ユニットケース1aに支持さ
れている。そして、この凹部17g内に位置する上側ユ
ニットケース1aの左右両側には前記凹部17gを形成
しているフランジ17e,17fとの間に小間隙が形成
されている。このような構成により、この第3ローラ5
の右側の軸端部にあっては、この第3ローラ5に外力が
作用していない状態において、第1EリングR1と外側
フランジ17eとの間、該外側フランジ17eと上側ユ
ニットケース1aとの間、該上側ユニットケース1aと
内側フランジ17fとの間そして第1テンションアーム
17と軸部材5aの大径部端面との間の夫々に小間隙
(図4における寸法e)が形成されるようになってい
る。このような構成により、この第3ローラ5の右側の
軸端部は、第1テンションアーム17の円筒部17dを
介して上側ユニットケース1aに遊嵌合状態とされてい
る。
【0037】次に、図3及び図5における第3ローラ5
の左側の軸端部の構成について説明する。この左側の軸
端部は、上述したように第2テンションアーム18の長
孔18aにブッシュ18dを介して支持されており、ブ
ッシュ18dの外側端部には第2EリングR2がブッシ
ュ18dの内側端部には第3EリングR3が夫々軸部材
5aの外周面に装着されて第3ローラ5の左側の軸端部
の抜け止めが図られている。また、第2テンションアー
ム18の上端部の外側面は上側ユニットケース1aによ
って支持されている。そして、前記ブッシュ18dの軸
方向の寸法は前記第2テションアーム18の上端部分
の軸方向の寸法よりも僅かに大きく設定されており、こ
のブッシュ18dの左右両端部が第2テンションアーム
18の左右両端部よりも外側に位置されている。このた
め、前記第2及び第3EリングR2,R3は第2テンシ
ョンアーム18の端面から小寸法を存して離隔されるよ
うになっている。つまり、第3EリングR3と第2テン
ションアーム18の内側端面との間、第2テンションア
ーム18の外側端面と第2EリングR2との間の夫々に
小間隙(図5における寸法b)が形成されるようになっ
ている。
【0038】また、第3EリングR3と第3ローラ5の
軸部材5aの大径部端面との間隔は前記偏動検出部材2
8の軸方向寸法よりも大きく設定されており、この偏動
検出部材28に外力が作用していない状態では、該偏動
検出部材28の内側端面及び外側端面は他の部材に接触
しないようになっている。このような構成により、この
第3ローラ5の左側の軸端部にあっては、この第3ロー
ラ5に外力が作用していない状態において、軸部材5a
の大径部端面と偏動検出部材28の内側端面との間、偏
動検出部材28の外側端面と第3EリングR3との間の
夫々に小間隙(図5における寸法f)が形成されるよう
になっている。
【0039】以下、上述した各小間隙の寸法について説
明する。上述した第3ローラ5の左側の軸端部に形成さ
れている各寸法bは、第3ローラ5の右側の軸端部に形
成されている各寸法eよりも大きく設定されている。つ
まり、感光ベルト6が図6における矢印C方向へ偏動し
た際、この偏動によって第3ローラ5に矢印C方向の推
力が作用し、この推力によって第3ローラ5が左方向へ
移動した場合、その移動寸法は、前記寸法eの2倍であ
って、前記寸法bは、この寸法(2×e)よりも大きく
なっている。これによって、第3EリングR3が第2テ
ンションアーム18の内側面に接触しないように設定さ
れていることになる。また、前記偏動により感光ベルト
6が偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り上げた
場合には、この偏動検出部材28に矢印C方向の推力が
作用し、この推力によって偏動検出部材28が左方向へ
移動した場合、該偏動検出部材28の外側端面は第3E
リングR3の内側面に当接し、第2テンションアーム1
8の内側面に接触しないように設定されている。
【0040】また、上述したように、バックテンション
スプリング25が第2テンションアーム18に組込まれ
ており、偏動検知ベルト30が第2テンションアーム1
8と偏動検出部材28との間に架設されているために、
本ベルト駆動装置1の組立時において、第3ローラ5
に、偏動を修正するための機構を組付ける際には、図1
3の如く、第3ローラ5の軸端部に偏動検出部材28及
び第2テンションアーム18を順に組付けた後、第2テ
ンションアーム18及び偏動検出部材28の各係止ピン
23,29に亘って偏動検知ベルト30を掛渡すといっ
た簡単な作業によって行うことができる。つまり、各機
能部品が第2テンションアーム18にユニット化されて
いることによって、この第2テンションアーム18を組
付けた後にバックテンションスプリング25や偏動検知
ベルト30をプリンタ2の本体ケーシング2aに連繋す
るような作業が不要であるので、ベルト駆動装置1全体
としての組立作業性が向上され、組付け作業時間の簡略
化、短縮化を図ることができる。また、このユニット化
によって、各機能部品の配設スペースを縮小することが
でき、ベルト駆動装置1の小形化に伴って小型プリンタ
2全体としての小形化を図ることもできる。
【0041】次に、上記の構成によるベルト駆動装置1
の動作について説明する。先ず、感光ベルト6の走行時
には、上述したように左右のベルト張力が異なっている
ために、感光ベルト6は常に図6におけるC方向へ偏動
する。つまり、この感光ベルト6は、走行しながら偏動
検出部材28に向かって偏動する。
【0042】そして、感光ベルト6の偏動により該感光
ベルト6の端部が偏動検出部材28の乗り上げ面28b
に乗り上げると、感光ベルト6と偏動検出部材28の乗
り上げ面28bとの間に作用する摩擦力により、偏動検
出部材28が軸部材5aに対して回転せしめられ、その
回転によって偏動検知ベルト30を巻取ることになる。
【0043】この偏動検知ベルト30の巻取りにより、
偏動検出部材28が配置されている第3ローラ5の軸端
部がE方向へ変位する。この変位された状態を図14及
び図15に示している。この図からも判るように第3ロ
ーラ5の右側の軸端部において第1テンションアーム1
7の円筒部17dが上側ユニットケース1aに遊嵌合さ
れているため、この変位運動は上記間隙寸法eを吸収し
ながら行われる所謂振子運動となって迅速な変位運動が
行われる。
【0044】そして、この軸端部の変位方向は、上述し
た楕円の軌跡Tに略沿うような直線で近似されているも
のであって、これにより、ベルト張力を変化させること
なしに第3ローラ5の軸端部が変位されることになる。
そして、この変位により感光ベルトはC方向と逆方向
に巻回されながら走行することになって、感光ベルト
のC方向への偏動が制限される。それと共に、前記軸端
部の変位により、バックテンションシャフト24が長孔
18aから抜け出る方向へ移動され、これによってバッ
クテンションスプリング25が押し縮められてスプリン
グ反力も大きくなるので、偏動検知ベルト30の巻取り
力とバックテンションスプリング25のスプリング反力
とのバランスにより、第3ローラ5の変位量が規制さ
れ、ある一定位置に感光ベルト6の端部の位置が維持さ
れることになる。
【0045】このようにして感光ベルト6の走行が行わ
れるために、感光ベルト6の大きな偏動が防止され、例
えば、感光ベルト6の偏動量を10数μmに抑えること
ができる。つまり、予め感光ベルト6を一方向へ偏動さ
せながら、その偏動を自動的に修正するようにしている
ことにより、偏動量を微量にすることができ、感光ベル
ト6に安定した走行を行わせることができ、本例のよう
な小型プリンタ2にあっては正確な画像(文字)印刷を
行うことができる。
【0046】また、感光ベルト6の偏動が解消されて該
感光ベルト6の偏動検出部材28への乗り上げが解消さ
れると、バックテンションスプリング25の付勢力によ
って第3ローラ5の軸端部が図2におけるE方向とは逆
方向に移動することになる。この時、この第3ローラ5
の戻り側にも前記長孔18aが延長形成されているため
に、図16及び図17に示すような位置まで軸端部の戻
り動作を許容するようになっており、この第3ローラ5
の軸端部が長孔18a内周面に衝突するようなことが抑
制されるようになっている。
【0047】そして、上述してきたような動作におい
て、感光ベルト6が矢印C方向へ偏動したような場合、
この偏動によって第3ローラ5に矢印C方向の推力が作
用し、この推力によって第3ローラ5が左方向へ移動す
ることになる。そして、この移動寸法は、前記寸法eの
2倍であるが、前記寸法bは、この寸法(2×e)より
も大きいために、第3EリングR3が第2テンションア
ーム18の内側面に接触するようなことはなく、このた
めに、第3ローラ5の軸端部の変位移動に対して抵抗が
生じるようなことはなくなる。また、前記感光ベルト6
の偏動により該感光ベルト6が偏動検出部材28の乗り
上げ面28bに乗り上げた場合、この偏動検出部材28
に矢印C方向の推力が作用し、この推力によって偏動検
出部材28が左方向へ移動することになる。そして、こ
の際、偏動検出部材28の外側端面は第3EリングR3
の内側面に当接するのみであって、第2テンションアー
ム18の内側面に接触するようなことはない。従って、
これによっても、第3ローラ5の軸端部の変位移動に対
して抵抗が生じるようなことはなくなる。
【0048】このように、本実施例の構成にあっては、
偏動する感光ベルトによって第3ローラ及び偏動検
出部材28に軸方向の推力が作用して、これら各部材
5,28が軸方向へ移動したような場合であっても、第
3ローラ5の軸端部の変位移動に対して抵抗が生じるよ
うなことはなく、つまり、円滑な偏動修正動作を妨げる
ような状況を回避することができるので、感光ベルト
の偏動検出部材28に対する乗り上げ量が僅かであって
も偏動修正動作が行われることになるので、偏動修正幅
の縮小を図ることができ、正確な画像(文字)形成を行
うことができる。
【0049】尚、本例では、偏動検出部材28の回転力
を軸端部に変換する部材として帯状体の偏動検知ベルト
30を採用したが、本発明はこれに限らず、偏動検出部
材28に巻取り可能な部材であれば、紐等を採用するよ
うにしてもよい。
【0050】尚、上述した実施例では、小型プリンタ2
の感光ベルト6の駆動装置について説明したが、本発明
は、これに限らず、転写ベルトの駆動装置、或いは通常
の平ベルト駆動装置についても同様に適用することがで
きる。また、片寄付与手段は左右のベルト張力を異なら
せるようにしたものに限らず、各ロ−ラのうち1本を傾
斜配置させるようにして初期偏動を行わせるような構成
としてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予め、平ベルトを所定方向に偏動させるようにしてお
き、その偏動を偏動検出部材検出したときに、偏動調
整用ローラの一方の軸端部を変位させ前記偏動を修正
するようにしたベルト駆動装置において、平ベルトが偏
動したときの推力によ偏動調整用ローラ及び偏動検出
部材が軸方向へ移動する際、その移動量は、他方の軸端
部を保持る軸端保持部材によって規制されるため、偏
動検出部材の端面が軸端保持部材やケーシングに接触し
て前記偏動修正動作の抵抗となるようなことが回避で
き、これにより、円滑な偏動修正動作が得られて偏動制
御幅を縮小させることができるので、この種のベルト駆
動装置の実用性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型プリンタの縦断面図である。
【図2】ベルト駆動装置の一部を断面で示した側面図で
ある。
【図3】各ローラの支持状態を示す縦断面図である。
【図4】第3ローラの右側軸端部の支持構造を示す縦断
面図である。
【図5】第3ローラの左側軸端部の支持構造を示す縦断
面図である。
【図6】第2ローラと第3ローラとのテンションアーム
による連結状態を示す一部を破断した正面図である。
【図7】長孔の延長方向を説明するための図である。
【図8】長孔周辺の縦断面図である。
【図9】第2テンションアームの縦断側面図である。
【図10】第2テンションアームの縦断正面図である。
【図11】第2テンションアーム及びその周辺部材の分
解斜視図である。
【図12】ローラ端部変位手段周辺の分解斜視図であ
る。
【図13】第2ローラ及び第3ローラのユニットケース
への組付け状態を示す斜視図である。
【図14】偏動修正動作における第3ローラの左側の軸
端部を示す縦断面図である。
【図15】偏動修正動作における第3ローラの右側の軸
端部を示す縦断面図である。
【図16】偏動修正戻り動作における図14相当図であ
る。
【図17】偏動修正戻り動作における図15相当図であ
る。
【符号の説明】
1 ベルト駆動装置 1a 上側ユニットケース(ケーシング) 3 第1ローラ 4 第2ローラ 5 第3ローラ(偏動調整用ローラ) 6 感光ベルト(平ベルト) 17 第1テンションアーム(軸端保持部材) 18 第2テンションアーム(軸端保持部材)19 テンションスプリング(片寄付与手段) 28 偏動検出部材30 偏動検知ベルト(ローラ端部変位手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−133935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 5/02 B65G 15/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々、軸方向の両端部が夫々軸端保持部
    材を介してケーシングに支持された複数本のローラと、
    該複数本のローラに掛け渡された平ベルトとを備え、 前記複数本のローラのうちの少なくとも1本のローラ
    は、一方の軸端部が軸心に略直交する方向に変位自在な
    偏動調整用ローラとされ、 前記偏動調整用ローラの前記一方の軸端部に、該偏動調
    整用ローラから独立して回転自在に支持された偏動検出
    部材と、 前記偏動調整用ローラ上の平ベルトを前記一方の軸端部
    の側に偏動させる片寄付与手段と、 前記偏動検出部材に連繋され、前記片寄付与手段によ
    偏動した平ベルトが前記偏動検出部材に接して該偏動検
    出部材に回転トルクが作用したときに、その回転運動を
    前記偏動調整用ローラの前記一方の軸端部の所定方向へ
    の変位運動に変換することにより、前記偏動調整用ロー
    ラ上の平ベルトを前記偏動検出部材から離れる方向に移
    動させるローラ端部変位手段とを備えたベルト駆動装置
    であって、 前記偏動調整用ローラは、前記一方の軸端部の所定方向
    への変位運動の際、該偏動調整用ローラの他方の軸端部
    を揺動中心とする振子運動が可能となるように、前記他
    の軸端部を保持る前記軸端保持部材が前記ケーシン
    に遊嵌状態支持されていると共に、 前記平ベルトの偏動により前記偏動調整用ローラ及び偏
    動検出部材に軸方向の推力が作用して該偏動調整用ロー
    ラ及び偏動検出部材が軸方向移動する際、前記偏動検
    出部材の端面が前記軸端保持部材及び前記ケーシングに
    接触しないように、前記推力による偏動検出部材の軸方
    向の移動量が、前記他方の軸端部を保持る前記軸端保
    持部材によって規制されるべく前記遊嵌状態の支持間隙
    が所定値に設定されていることを特徴とするベルト駆動
    装置。
JP14230292A 1992-06-03 1992-06-03 ベルト駆動装置 Expired - Fee Related JP3296592B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14230292A JP3296592B2 (ja) 1992-06-03 1992-06-03 ベルト駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14230292A JP3296592B2 (ja) 1992-06-03 1992-06-03 ベルト駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05338842A JPH05338842A (ja) 1993-12-21
JP3296592B2 true JP3296592B2 (ja) 2002-07-02

Family

ID=15312215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14230292A Expired - Fee Related JP3296592B2 (ja) 1992-06-03 1992-06-03 ベルト駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3296592B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100549101C (zh) * 2006-04-13 2009-10-14 珠海国佳高分子新材料有限公司 含钠铝硅酸盐胶体的高吸水保水复合材料的制备方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5223697B2 (ja) * 2009-01-27 2013-06-26 株式会社リコー ベルト駆動装置、定着装置及び画像形成装置
CN106879547B (zh) * 2017-03-02 2022-06-07 湖南师范大学 一种自动喂食装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100549101C (zh) * 2006-04-13 2009-10-14 珠海国佳高分子新材料有限公司 含钠铝硅酸盐胶体的高吸水保水复合材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05338842A (ja) 1993-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3296592B2 (ja) ベルト駆動装置
JP3105998B2 (ja) ベルト駆動装置
JP3160062B2 (ja) ベルト駆動装置
JP2983700B2 (ja) ベルト駆動装置
JP2937566B2 (ja) ベルト駆動装置
JP2868879B2 (ja) ベルト駆動装置
JP3354203B2 (ja) ベルト駆動装置
JP2983698B2 (ja) ベルト駆動装置
JPH11263469A (ja) ベルト駆動装置
JP2641609B2 (ja) ベルト駆動装置
JPH0611001A (ja) ベルト駆動装置
KR20050055063A (ko) 벨트 구동장치
JP2868878B2 (ja) ベルト駆動装置
JP2954746B2 (ja) ベルト駆動装置
JPH07103292A (ja) ベルト駆動装置
JP3310630B2 (ja) 偏動検知部材、偏動制御装置及びベルト駆動装置
JPH11270637A (ja) ベルト駆動装置
JP2983701B2 (ja) ベルト駆動装置
JP2545494Y2 (ja) ベルト駆動装置
JP2825635B2 (ja) ベルト駆動装置
JPH0544801A (ja) ベルト駆動装置
JPH04148746A (ja) ベルト駆動装置
JP2545490Y2 (ja) ベルト駆動装置
JP2534808Y2 (ja) ベルト駆動装置
JPH0510815U (ja) ベルト駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020319

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees