JP3160062B2 - ベルト駆動装置 - Google Patents

ベルト駆動装置

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JP3160062B2
JP3160062B2 JP10659292A JP10659292A JP3160062B2 JP 3160062 B2 JP3160062 B2 JP 3160062B2 JP 10659292 A JP10659292 A JP 10659292A JP 10659292 A JP10659292 A JP 10659292A JP 3160062 B2 JP3160062 B2 JP 3160062B2
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  • Drives For Endless Conveyors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子プリンタ装置や電
子写真装置に内蔵され、感光ベルトや転写ベルト等を使
用するベルト駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば電子プリンタ装置や電
子写真装置において、この装置の軽量化及びコンパクト
化を目的として、表面に感光体層または誘電体層を有す
る平ベルトを、互いに平行に配置した複数本のロ−ラに
掛け渡すことによって、前記平ベルトを感光ドラムまた
は転写ドラム等の代わりに感光ベルトまたは転写ベルト
として利用することが知られている。
【0003】そして、このような用途に用いられる平ベ
ルトは、その基材がプラスチックフィルムや金属箔等の
ような伸びが小さくて強度の高い材料によって形成され
る場合が多い。従って、この種の平ベルトは弾性変形し
難い。そのために、前記装置内に収容された部品の寸法
誤差、ローラの取付誤差、ベルト張力のアンバランス、
ベルト周長さの不均一などが生じている場合、これらを
ベルト自体の変形によって吸収することができない。こ
の結果、前記平ベルトが、走行時にベルト幅方向へ偏動
してしまうといった問題があった。
【0004】しかし、前記装置は、正確な画像(文字)
形成を行うために、高精度、高解像度が要求されるの
で、この平ベルトの偏動を防止する必要がある。
【0005】そして、このような、平ベルトの偏動を防
止するための従来技術として、特開昭56−12750
1号公報や特開昭59−205052号公報に示される
ように平ベルトに偏動防止用のガイドを設けたり、特開
昭57−60347号公報に示されるように規制部材を
設けることによって平ベルトの偏動を強制的に防止する
ようにしたものがある。また、実開昭58−11060
9号公報に示されるように、1本のロ−ラを偏動調整用
ロ−ラとすると共に偏動検出用のベルト位置センサを備
えさせ、前記ベルト位置センサによって平ベルトの偏動
が検出されると、その偏動量に応じて偏動調整用ロ−ラ
の軸端部を変位させることにより偏動を修正するように
したものや、実開昭64−48457号公報に示される
ように、平ベルトが偏動すると、この偏動に伴なってロ
−ラを回転軸方向に移動させ、このロ−ラの移動によっ
て該ロ−ラの回転軸を揺動させて、ロ−ラを反対方向へ
移動させることにより偏動を修正するようにしたものが
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭56−127501号公報、特開昭59−2050
52号公報及び特開昭57−60347号公報に示され
ているような構成では、平ベルトの偏動を外的要因によ
り強制的に規制するようにしているから、平ベルトとロ
−ラとの組合わせの条件如何により機構として成立し得
ない場合がある。即ち、平ベルトの偏動に伴う寄り力が
大きくなるものでは、ガイド及び規制部材の強度を増大
させておく必要がある。また、平ベルト自体の幅方向座
屈強度を増大させる必要があり、同時に平ベルト端部が
損傷しないように端部強度も増大させる必要がある。従
って、ベルト厚さが薄くなるほど上記方式の採用は困難
となる。また、平ベルトにガイドを設ける場合に、精度
良くガイドを設ける必要があり、特にシ−ムレスベルト
の場合では、このガイドを形成することが非常に困難で
あった。
【0007】また、前記実開昭58−110609号公
報や実開昭64−48457号公報に示されているよう
な構成では、複雑なメカニズムを用いて偏動を検出、修
正するために、高価でしかも余分なスペ−スを必要と
し、装置全体としての大型化に繋る。そればかりでな
く、複雑な機構であるために、部品点数が多くなり、そ
れだけ故障発生要因部が増加することになり、装置の信
頼性が十分に確保されているとは言い難いものであっ
た。
【0008】これらの点を解決するために、本発明の発
明者らは、自動的に偏動を検出、修正することができる
ベルト駆動装置について、その構造の改良を進めてい
る。詳しくは、複数のローラのうち1本を偏動調整用ロ
−ラとし、この偏動調整用ロ−ラの片側に、該偏動調整
用ロ−ラと独立して回転自在な偏動検出用ロ−ラを備え
させておく。そして、前記平ベルトを予め前記偏動検出
用ロ−ラに向って偏動させるように構成しておく。そし
て、平ベルトの走行時に、該平ベルトが、その偏動よっ
て偏動検出用ロ−ラに接触すると、この接触により偏動
検出用ロ−ラが回転し、この回転力を偏動調整用ロ−ラ
の軸端部を移動させる力に変換することによって平ベル
トに逆方向の偏動成分を与え、前記偏動を修正させるよ
うにした構成について開発している。
【0009】本発明は、このように、自動的に偏動を検
出、修正することができるベルト駆動装置について、部
品点数を低減させて、装置全体のコンパクト化を図り、
その実用性を大幅に向上させるような構成を得ることを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、予め、平ベルトを所定方向に偏動させる
ようにしながら、逐次、1本のロ−ラの一方の軸端を変
位させることによって、前記偏動を修正するようにした
ベルト駆動装置に対して、平ベルトに所定のベルト張力
を与える手段の構成部材と前記ロ−ラ軸端の変位を案内
する手段の構成部材とを1部材に兼用させるようにし
た。具体的に、請求項1記載の発明は、平ベルトと、該
平ベルトが掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整用ロ
−ラとされた複数本のロ−ラと、前記偏動調整用ローラ
の一方の軸端部を回転自在にかつ該一方の軸端部を偏動
調整用ローラ上の平ベルトを他方の軸端部側に移動させ
るように変位可能に支持する一端側支持孔と、偏動調整
用ローラの前記他方の軸端部を回転自在に支持する他端
側支持孔とを有し、前記偏動調整用ローラ以外の1本の
ローラの両軸端部に該ローラの軸心回りに揺動可能に連
結された1対の支持部材と、前記偏動調整用ロ−ラの
一方の軸端部に該偏動調整用ロ−ラと独立して回転自
在に支持され、前記一方の軸端に向かって径が漸次大き
くなる断面外向 きテーパ状に形成された偏動検出部材
と、前記偏動調整用ローラ上の平ベルトを前記偏動検出
部材の配設位置に向って偏動させる片寄付与手段と、前
記偏動検出部材と該偏動検出部材側の支持部材との間に
設けられ、前記片寄付与手段によ平ベルトが偏動し
前記偏動検出部材の外向きテーパ面接触することによ
り該偏動検出部材に発生する回転運動を前記偏動調整用
ロ−ラの前記一方の軸端部が該偏動調整用ローラ上の平
ベルトを偏動検出部材から離れる方向に移動させるよう
に変位する運動に変換るロ−ラ端部変位手段とを備え
させる。そして、前記一端側支持孔、前記ロ−ラ端部
変位手段による変位方向に沿って延びるように形成され
た長孔からなるものとすると共に、前記各支持部材に、
該支持部材が連結されていないロ−ラと前記偏動調整用
ローラと両軸心間の距離を大きくするベルト張力部材
を連結するような構成としている。
【0011】請求項2記載の発明は、前記請求項1記載
のベルト駆動装置において、偏動調整用ロ−ラの一方の
軸端部を支持する長孔を、前記偏動調整用ロ−ラに隣り
合う2本のロ−ラの軸心同士を繋いだ直線を長軸とし前
記偏動調整用ロ−ラが平ベルトによって規制を受けなが
ら長軸回りを移動した際に描く楕円の軌跡に略沿うよう
に延長するような構成としている。
【0012】請求項3記載の発明は、前記請求項2記載
のベルト駆動装置において、平ベルトが掛け渡される3
本のローラを備えて成し、長孔の延長方向を、偏動調整
用ローラの軸心と他の2本のローラの軸心とを繋いだ2
本の直線の成す角がおよそ90°のとき、長孔の延長方
向に平行な直線と、偏動調整用ローラと他の1本のロー
ラとの各軸心同士を繋いだ直線との成す角が37.5°
〜47.5°の間の値となるように設定している。
【0013】請求項4記載の発明は、前記請求項1記載
のベルト駆動装置において、偏動調整用ロ−ラの一方の
軸端部を支持する長孔を、前記偏動調整用ロ−ラに隣り
合う2本のロ−ラの軸心同士を繋いだ直線を長軸とし前
記偏動調整用ロ−ラが平ベルトによって規制を受けなが
ら長軸回りを移動した際に描く楕円の軌跡よりも外側に
向かって延長するような構成としている。
【0014】請求項5記載の発明は、前記請求項1、
2、3または4記載のベルト駆動装置において、長孔
を、偏動調整用ローラが他の全てのローラに対して平行
となっている状態において、この偏動調整用ローラの軸
部材と長孔の長手方向の両端面との間に僅かな隙間が形
成されるような位置に形成するような構成とした。
【0015】請求項6記載の発明は、前記請求項1、
2、3、4または5記載のベルト駆動装置において、偏
動調整用ローラと支持部材との間に、ローラ端部変位手
段の作動によって偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向
に変位された際、この軸端部に対して、その変位方向と
逆方向の付勢力を与えるバックテンションスプリングを
配設するような構成とした。
【0016】請求項7記載の発明は、前記請求項1、
2、3、4、5または6記載のベルト駆動装置におい
て、ローラ端部変位手段に、片寄付与手段によって平ベ
ルトが偏動して、偏動検出部材に平ベルトが接して回転
トルクが作用したときに、その回転運動によって前記偏
動検出部材に巻取られることによって偏動調整用ローラ
の軸端部を所定方向に変位させる偏動検知ベルトを備え
させ、該偏動検知ベルトを、前記偏動検出部材と支持部
材との間に架設された可撓性を有する帯状体で形成する
ような構成とした。
【0017】
【作用】上記の構成により、本発明では、以下に述べる
ような作用が得られる。請求項1記載の発明では、平ベ
ルトが片寄付与手段の作用によって偏動して偏動検出部
材に接すると、該偏動検出部材が平ベルトとの接触摩擦
により回転する。そして、ロ−ラ端部変位手段によって
偏動検出部材の回転運動が、前記偏動調整用ロ−ラの軸
端部が所定方向に変位する運動に変換される。このよう
にして偏動調整用ロ−ラの軸端部が変位すると、平ベル
トに前記偏動方向とは逆方向の偏動変位が発生するため
に、前記初期の偏動を修正する。つまり、初期の偏動に
応じた偏動調整用ロ−ラの軸端部の変位量が自動的に与
えられ、平ベルトの偏動を修正する。このため、前記平
ベルトは安定した走行を行うことができ、特に、このベ
ルト駆動装置を電子プリンタ装置や電子写真装置に適用
した場合には正確な画像(文字)形成を行うことができ
る。また、前記偏動調整用ロ−ラとその他の1本のロ−
ラとの両軸端部間には、前記ロ−ラ端部変位手段による
軸端部の変位方向を案内する長孔を有し且つ前記平ベル
トに所定のベルト張力を付与するベルト張力部材が連結
された支持部材が架設されているため、この支持部材
に、平ベルトに所定のベルト張力を与える手段と前記ロ
−ラ軸端の変位を案内する手段とを兼用させることがで
き、部品点数の低減及び装置全体としてのコンパクト化
が図れる。
【0018】請求項2記載の発明では、偏動調整用ロ−
ラの一方の軸端部が長孔の延長方向に沿って移動する
際、ベルト張力は変化することなしに、偏動調整用ロー
ラの一方の軸端部の変位によって平ベルトの偏動を修正
することになる。このため、平ベルトの波打ち等の発生
を回避しながら偏動修正動作が行われる。
【0019】請求項3記載の発明では、ローラ端部変位
手段による偏動調整用ローラの軸端部の変位方向は前記
請求項2記載の発明における楕円の軌跡に近似した直線
の延長方向に設定されていることになる。つまり、長孔
の延長方向を前記楕円の軌跡に略沿うような直線で近似
させることができるので、長孔の加工を容易に行うこと
ができるようにしながらも正確な偏動修正動作が行われ
る。
【0020】請求項4記載の発明では、偏動調整用ロ−
ラの一方の軸端部が長孔の延長方向に沿って移動する
際、この移動方向はベルト周長を大きくする方向であ
り、この片側のベルト張力のみが大きくなる。そして、
平ベルトはベルト張力の大きい側から小さい側へ偏動す
ることになる。そして、この偏動方向は片寄付与手段に
よる初期偏動方向とは逆方向となっているため初期偏動
の解消が確実に行われる。
【0021】請求項5記載の発明では、偏動調整用ロー
ラの軸部材と長孔の長手方向の両端面との間に僅かな隙
間が形成されていることにより、偏動調整用ローラの軸
端部をローラ端部変位手段による変位方向と逆方向に変
位させておくことによって、平ベルトの初期偏動を発生
させることができる。
【0022】請求項6記載の発明では、バックテンショ
ンスプリングの付勢力とベルト張力部材の付勢力とが互
いに影響を与え合うことがなく、この両付勢力が相殺さ
れるようなこともないので、平ベルトに与える張力と偏
動修正動作時の偏動調整用ローラの軸端部の復帰力が良
好に得られる。
【0023】請求項7記載の発明では、偏動修正動作に
おいて偏動検出部材に巻き取られる偏動検知ベルトが可
撓性を有する帯状体で形成されているために、偏動検出
部材の巻取り動作が確実に行われる。
【0024】
【実施例】(第1実施例) 次に、本発明の第1実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。また、本第1実施例では、本発明に係るベルト駆
動装置を小型プリンタに採用した場合について説明す
る。
【0025】図1は、本例に係るベルト駆動装置1が備
えられた小型プリンタ2の縦断面を示している。この小
型プリンタ2は、本体ケーシング2a内の中央部に前記
ベルト駆動装置1が備えられている。このベルト駆動装
置1は、第1、第2、第3の3本のロ−ラ3,4,5を
備えており、この各ローラ3,4,5に感光ベルト6が
走行(図1の矢印A参照)可能に掛け渡されて成ってい
る。尚、このベルト駆動装置1の詳細については後述す
る。
【0026】また、このベルト駆動装置1は上下一対の
ユニットケース1a,1b内に収容されている。そし
て、この各ユニットケース1a,1bの複数箇所には、
該ユニットケース1a,1bの幅方向(図1における紙
面垂直方向)の略全域に亘って延びる開口が形成されて
いる。そして、前記ベルト駆動装置1の周辺において、
この各開口に対向した位置には、以下のような各機器が
配置されている。つまり、下側ユニットケース1bに形
成されている3箇所の開口の形成位置には、図1におけ
る左側から順にクリーナ7、帯電器8、露光器9が前記
感光ベルト6に対向するように配設されている。また、
上側ユニットケース1aと下側ユニットケース1bの右
側の接続部分に形成されている開口の形成位置には現像
器10が前記感光ベルト6に対向するように配設されて
いる。更に、上側ユニットケース1aに形成されている
開口の形成位置には、転写用帯電器11が前記感光ベル
ト6に対向するように配設されている。
【0027】また、前記本体ケーシング2aの図1にお
いて右側面にはプリント用紙Pが備えられたペーパーカ
セット12が差込まれている。また、前記ベルト駆動装
置1の上方には、このペーパーカセット12内のプリン
ト用紙Pを取出して搬送する複数の搬送ローラ13,1
3,…が配設されている。更に、プリント用紙搬送方向
における前記転写用帯電器11の下流側には定着器14
が、更に、その下流側には搬出ローラ15が夫々配設さ
れている。また、図1における16は、プリント基板を
備えて成り各機器へ制御信号を送信する制御部である。
【0028】このような構成により、本小型プリンタ2
の駆動時には、前記感光ベルト6が図1に矢印Aで示す
方向に走行し、この走行に伴って、前記制御部16から
送信された制御信号に基づいて前記帯電器8及び露光器
9によって感光ベルト6表面にプリントしようとする画
像(文字)の像が帯電される。その後、現像器10にお
いて、この感光ベルト6表面の帯電された部分にトナー
が付着されて感光ベルト6表面にトナー像が形成される
ことになる。この動作と同時に、前記搬送ローラ13に
よって前記ペーパーカセット12のプリント用紙Pが取
出されて搬送され、前記転写用帯電器11の配設位置に
おいて、感光ベルト6とプリント用紙Pとが接触され
て、感光ベルト6表面のトナー像がプリント用紙Pに転
写される。その後、このトナー像が転写されたプリント
用紙Pは、定着器14に搬送されてトナー像の定着が行
われた後、搬出ローラ15によって、本小型プリンタ2
の上側ケーシング2b上へ搬出されることになる。ま
た、この動作終了後において、感光ベルト6の表面に残
ったトナーは前記クリーナ7によって掻き落とされて回
収されることにより、該感光ベルト6の表面が浄化され
ることになる。このような動作を繰返すことにより、高
速連続印刷が行われることになる。
【0029】このような動作によって印刷が行われるた
めに、前記感光ベルト6に偏動が発生するような状況で
は、感光ベルト6表面へのトナー像の形成及び該トナー
像のプリント用紙Pへの転写が良好に行われなくなり、
正確な画像(文字)形成を行うことができなくなってし
まう。そして、本例のベルト駆動装置1は、この感光ベ
ルト6の偏動を抑制するような機構が備えられている。
以下、このベルト駆動装置1について詳細に説明する。
【0030】図2に示すように、本例のベルト駆動装置
1は、3軸系のベルト駆動装置であって、上述したよう
に、図2における3,4,5は、夫々第1、第2及び第
3ロ−ラである。各ロ−ラ3,4,5は、夫々軸部材3
a,4a,5aと、該軸部材3a,4a,5aの左右両
端部を除いた部分で、軸部材3a,4a,5aと同心上
で僅かに大径に形成されたゴム等で成る筒状体3b,4
b,5bとから成っている。この筒状体3b,4b,5
bの材料としては、例えばEPDM系架橋ゴムが採用さ
れる。但し、この各筒状体3b,4b,5bは樹脂やア
ルミニウムなどのように弾性体材料でないものであって
もよい。
【0031】そして、前記各ロ−ラ3,4,5には、基
材の表面に感光体層が形成されて成る本発明でいう平ベ
ルトとしての感光ベルト6が走行可能に掛け渡されてい
る。従って、本ベルト駆動装置1にあっては、上述した
如く、この感光ベルト6が小型プリンタ2の感光転写搬
送体として機能するようになっている。また、前記感光
ベルト6の基材としては、例えば2軸延伸ポリエステル
が採用されており、引張弾性率が200kg/mm2 以上に
設定されている。
【0032】第1ロ−ラ3は、軸部材3aが図示しない
駆動モ−タの駆動軸に連繋されて該駆動モ−タの駆動力
が伝達可能となっている。つまり、この第1ロ−ラ3が
駆動ロ−ラとして機能するようになっている。
【0033】第2ロ−ラ4は、従動ロ−ラであって、そ
軸心が前記第1ロ−ラ3の軸心と平行に配置されてい
る。
【0034】第3ロ−ラ5は、本発明でいう偏動調整用
ロ−ラであって、この軸心も、図2に示す状態において
は、前記第2ロ−ラ4と同様に第1ロ−ラ3の軸心と平
行に配置されている。
【0035】そして、本例の特徴の1つとして、図3に
示すように、前記第2ロ−ラ4と第3ロ−ラ5の左右両
軸端間には本発明でいう支持部材としての一対のテンシ
ョンアーム17,18が架設されている。この一対のテ
ンションアーム17,18のうち、図3において右側に
配置されている第1テンションアーム17は、その上端
部近傍に、前記第3ローラ5の軸部材5aよりも僅かに
大径に形成された円形の軸部材挿入孔17aが形成され
ている。そして、この軸部材挿入孔17aには前記第3
ローラ5の軸部材5aの右側端部が挿入されて回転自在
に支持されている。一方、この第1テンションアーム1
7の下端部近傍には、前記第2ロ−ラ4の軸部材4aよ
りも僅かに大径に形成された円形の軸部材挿入孔17b
が形成されている。そして、この軸部材挿入孔17bに
は前記第2ロ−ラ4の軸部材4aの右側端部がブッシュ
17cを介して挿入されて回転自在に支持されている。
このようにして第1テンションアーム17によって第2
ローラ4及び第3ローラ5が支持されているために、該
第2ロ−ラ4と第3ロ−ラ5との右側の軸間距離は一定
値に固定されるようになっている。
【0036】一方、図3において左側に配置されている
第2テンションアーム18は、その下端部近傍に、前記
第2ロ−ラ4の軸部材4aよりも僅かに大径に形成され
た円形の軸部材挿入孔18bが形成されている。そし
て、この軸部材挿入孔18bには前記第2ロ−ラ4の軸
部材4aの左側端部がブッシュ18cを介して挿入され
て回転自在に支持されている。そして、この第2テンシ
ョンアーム18の上端部近傍には、所定方向に伸びる長
孔18aが形成されている。この長孔18aは、上下
(短軸)方向の開口寸法が前記第3ロ−ラ5の軸部材5
aの径よりも僅かに大きく設定されており、この長孔1
8aに前記第3ロ−ラ5の軸部材5aの左側端部がブッ
シュ18dを介して挿入されて回転自在に支持されてい
る。つまり、この第3ロ−ラ5の軸部材5aの左側端部
は、この長孔18aの延長方向に沿って移動自在となる
ように支持されている。このようにして、各テンション
アーム17,18には軸部材挿入孔17a,17b,1
8b及び長孔18aが形成され、この各孔17a,17
b,18a,18bによって第2ローラ4及び第3ロー
ラ5の各軸端部が支持されている。
【0037】次に、この長孔18aの延長方向について
詳述する。この長孔18aの延長方向は、図4に示すよ
うに、第1ローラ3と第2ロ−ラ4との各軸心O1,O
2同士を繋いだ直線Sを長軸とし前記第3ロ−ラ5が感
光ベルト6によって規制を受けながら、つまり、感光ベ
ルト6の裏面に接触しながら、この長軸S回りを移動し
た際に、その軸心O3が描く楕円の軌跡Tに略沿うよう
に設定されている。具体的には、本図4に示すように、
第2ロ−ラ4と第3ロ−ラ5との各軸心O2,O3同士
を繋いだ直線Uと、第1ロ−ラ3と第3ロ−ラ5との各
軸心O1,O3同士を繋いだ直線Vとの成す角が90°
で、前記直線Sと直線Uとの成す角が50°、前記直線
Sと直線Vとの成す角が40°で成る3軸系において、
前記直線Uと、長孔18bの延長方向つまり前記軸心O
3を通る直線Wとの成す角θが42.5°となるように
設定されている。また、この角θの値は、37.5°〜
47.5°の間において任意に設定可能である。この値
の限定理由については後述する。
【0038】また、この長孔18aの形成位置及び長さ
寸法は、図5に示すように、第3ローラ5が第1ローラ
3及び第2ローラ4に対して平行となっている状態にお
いて、この第3ローラ5の軸部材5aが挿通されている
ブッシュ18dと長孔18aの長手方向の両端面との間
に僅かな隙間X,Yが形成されるように設定されてい
る。具体的に、本例では、ブッシュ18dの図5におけ
る右側Xに1.5mm、左側Yに2.0mmの隙間が形成さ
れるように長孔18aの位置及び長さ寸法が設定されて
いる。
【0039】一方、図2の如く、前記第1テンションア
ーム17及び第2テンションアーム18における第3ロ
−ラ5の支持位置の右側面には本発明でいうベルト張力
部材としてのテンションスプリング19が取付けられて
いる。このテンションスプリング19は、第1ロ−ラ3
と第3ロ−ラ5との各軸心O1,O3同士を繋いだ直線
(図4における直線V)に沿って配設されており、その
一端が前記上側ユニットケース1aから延びるスプリン
グ支持片1cに当接され、他端が各テンションアーム1
7,18の側面に形成されてスプリング係止突起18e
に係止されて、この両者1c,18e間に縮装されてい
る。従って、このテンションスプリング19によって、
各テンションアーム17,18には図2に矢印Bで示す
方向への付勢力が与えられている。そして、この付勢力
は、各テンションアーム17,18を、第2ローラ4の
軸心O2を中心として図2における反時計回り方向に回
転させるように働く、つまり、この付勢力は、第3ロ−
ラ5の軸心O3の位置を第1ロ−ラ3から遠ざける方向
へ作用することになるため、この付勢力により、感光ベ
ルト6に所定のベルト張力が与えられるような構成とな
っている。また、この各テンションスプリング19,1
9は、左右の付勢力が異なるように設定されている。つ
まり、第1テンションアーム17に取付けられているテ
ンションスプリング19の付勢力が第2テンションアー
ム18に取付けられているテンションスプリング19の
付勢力よりも大きく設定されている。これによって、図
3における右側のベルト張力が左側のベルト張力よりも
大きくなるように構成されており、感光ベルト6の走行
時にはベルト張力の大きい側から小さい側へ、つまり、
図3の矢印C方向へ感光ベルト6が偏動するような構成
とされている。これによって、本発明でいう片寄付与手
段が構成されている。
【0040】次に、前記感光ベルト6の偏動を抑制する
ための機構について説明する。この機構は、前記第2テ
ンションアーム18に組込まれてユニット化されてい
る。先ず、前記第2テンションアーム18について説明
する。この第2テンションアーム18は、図6及び図7
にも示すように、側面視が略三角形状を呈する板材で成
り、その図6及び図7における上端部に前記第3ローラ
5の軸部材5aの左側端部を支持する上述した長孔18
aが、下端部に前記第2ローラ4の軸部材4aの左側端
部を支持する上述した軸部材挿入孔18bが夫々形成さ
れている。そして、前記長孔18aからは図6において
斜め左下方に延びて本第2テンションアーム18の一端
面18fに開口するシャフト挿入孔20が形成されてい
る。また、このシャフト挿入孔20の延長方向は前記長
孔18aの長軸の延長方向に一致されている。また、こ
のシャフト挿入孔20に近接した位置には、該シャフト
挿入孔20の延長方向に沿って延びるネジ穴21が形成
されている。更に、前記シャフト挿入孔20及びネジ穴
21が開口する端面18fには、このシャフト挿入孔2
0及びネジ穴21の開口領域に亘って溝22が形成され
ている。そして、図8に示すように、この第2テンショ
ンアーム18における前記各ローラ3,4,5の配設位
置に対向する内側端面18gには、係止ピン23が立設
されている。この係止ピン23は、前記第2テンション
アーム18の内側端面18gに対して垂直方向に延びて
おり、その形状としては、先端部近傍に大径部23aが
形成されており、先端部が円錐状に形成されている。
【0041】そして、図2及び図8に示すように、この
第2テンションアーム18のシャフト挿入孔20にはバ
ックテンションシャフト24が挿入されている。このバ
ックテンションシャフト24は、先端が円錐状に形成さ
れており、この先端が前記長孔18a内に臨むことによ
って前記第3ローラ5の軸部材5aの外周面に前記ブッ
シュ18dを介して当接するようになっている。また、
このバックテンションシャフト24におけるその延長方
向の中間部には大径部24aが形成されている。そし
て、このバックテンションシャフト24の背面側からは
前記シャフト挿入孔20にバックテンションスプリング
25が挿入されており、このバックテンションスプリン
グ25が前記バックテンションシャフト24の大径部2
4a背面に当接されるようになっている。更に、このバ
ックテンションスプリング25の背部側からは、止め板
26が前記溝22内に嵌込まれている。この止め板26
には前記ネジ孔21に対応した位置に開口26aが形成
されており、この開口26aを通過して前記ネジ孔21
に止めネジ27が螺着されている。これによって、前記
バックテンションスプリング25は、前記バックテンシ
ョンシャフト24の大径部24aと止め板26との間に
縮装されていることになり、このバックテンションスプ
リング25の付勢力によって前記バックテンションシャ
フト24の先端が前記第3ローラ5の軸部材5aを図2
における矢印D方向に押圧されていることになる。
【0042】また、図3、図9及び図10に示すよう
に、前記第3ロ−ラ5の左側の軸端部における前記第2
テンションアーム18の内側位置には偏動検出部材28
が配設されている。この偏動検出部材28は、その中心
部に第3ロ−ラ5の軸部材5aと略同径の挿通孔28a
が形成されており、この挿通孔28aに前記第3ロ−ラ
5の軸部材5aが挿通されていることにより、該第3ロ
ーラ5と同軸上で且つ、該第3ロ−ラ5から独立して回
動自在となるように軸部材5aに支持されている。ま
た、この偏動検出部材28は、前記感光ベルト6のベル
ト材と摩擦係数が高く且つ耐摩耗性に優れたウレタンエ
ラストマ等によって形成されている。そして、この偏動
検出部材28は、その内側端面が、前記第3ロ−ラ5の
筒状体5bの端面と小間隙を存して近接配置されてい
る。また、この偏動検出部材28の内側端面に対向する
筒状体5bの端面には薄肉円筒状の接触リング5cが埋
設されており、この接触リング5cの端面が偏動検出部
材28の内側端面に当接されることによって、この偏動
検出部材28と第3ローラ5の筒状体5bとの直接接触
を回避させながら偏動検出部材28の位置を規制するよ
うになっている。また、この偏動検出部材28は、第3
ロ−ラ5の筒状体5bの端面に対向する部分の外径が第
3ロ−ラ5の外径と同径に設定され、且つ筒状体5b端
面から離れるに従って次第にその径が大きくなるテ−パ
状に傾斜された乗り上げ面28bを有している。そし
て、これによって、感光ベルト6に図3における矢印C
方向の偏動が発生すると、その偏動により感光ベルト6
の端縁部が偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り
上げるようになっている(図3参照)。また、この偏動
検出部材28の外側端面にはボス部28cが形成されて
いる。このボス部28cは、その外側端面が前記ブッシ
ュ18dの内側端面に当接されるようになっており、こ
れによっても該偏動検出部材28の軸方向外側への移動
が規制されている。
【0043】また、この偏動検出部材28における前記
第2テンションアーム18に対向する端面には、係止ピ
ン29が立設されている。この係止ピン29は、前記第
2テンションアーム18に設けられている係止ピン23
と同様に、先端部が円錐状に形成されている。
【0044】そして、前記第2テンションアーム18に
設けられている係止ピン23と偏動検出部材28に設け
られている係止ピン29との間には偏動検知ベルト30
が掛け渡されている。この偏動検知ベルト30は、可撓
性を有するフィルム状の帯体であって、その両端が巻き
込まれてフック部30a,30bが形成されており、こ
の各フック部30a,30bが前記各係止ピン23,2
9に係止された状態で、この偏動検知ベルト30の一部
が偏動検部材28のボス部28cに巻き付けられてい
る。
【0045】このような構成により、前記感光ベルト6
の走行に伴う偏動(図3の矢印C方向)により、感光ベ
ルト6が偏動検出部材28の乗り上げ面28bに乗り上
げ、偏動検出部材28に回転トルクが作用したとき、偏
動検出部材28の回転により前記偏動検知ベルト30が
偏動検出部材28のボス部28cに巻き取られて、前記
第3ロ−ラ5の左側の軸端部が、前記長孔18aに沿っ
て移動されて、第1ロ−ラ3の軸端部から離れる方向
に、即ち、図2の矢印E方向に変位されるようになって
いる。即ち、第3ロ−ラ5をベルト進行方向Aに向って
右側に傾けた状態として、感光ベルト6を第3ロ−ラ5
の周方向に沿って巻回させることによって、該感光ベル
ト6を図3における矢印C方向とは逆方向の矢印F方向
に移動させるように構成されている。これによって、偏
動検出部材28に回転トルクが作用したときに前記第3
ロ−ラ5の軸端部を所定方向に変位させるロ−ラ端部変
位手段が構成されている。即ち、第3ロ−ラ5の左側の
軸端部がE方向に変位されると、初期の偏動成分(C方
向成分)とは逆の偏動成分が発生し、初期の偏動成分と
打ち消し合うまで第3ローラ5の軸端部が変位されるこ
とになる。
【0046】また、上述したように、第3ローラ5の軸
端部5aには、バックテンションシャフト24を介して
バックテンションスプリング25の付勢力が作用されて
いるために、感光ベルト6の偏動検出部材28への乗り
上げ動作が解消されると、このバックテンションスプリ
ング25の付勢力によって第3ロ−ラ5の軸部材5aの
左側の軸端部が所定位置(図2に示す位置)に戻される
ようになっている。このような構成により、第3ロ−ラ
5の軸端部の変位による逆方向の偏動成分が初期偏動成
分より大きくなると、感光ベルト6は逆方向に偏動を開
始し、偏動検出部材28の乗り上げ面28bへの乗り上
げ量は減少するから、偏動検出部材28の回転トルクも
減少し、その結果、バックテンションスプリング25に
よって第3ロ−ラ5の軸端部の変位量も小さくなるよう
になっている。
【0047】以下、上記の構成によるベルト駆動装置1
の動作について説明する。先ず、感光ベルト6の走行時
には、上述したように左右のベルト張力が異なっている
ために、感光ベルト6は常に図1におけるC方向へ偏動
する。つまり、この感光ベルト6は、走行しながら偏動
検出部材28に向かって偏動する、そして、感光ベルト
6の偏動により該感光ベルト6の端部が偏動検出部材2
8の乗り上げ面28bに乗り上げると、感光ベルト6と
偏動検出部材28の乗り上げ面28bとの間に作用する
摩擦力により、偏動検出部材28が軸部材5aに対して
回転せしめられ、その回転によって偏動検知ベルト30
を巻取ることになる。
【0048】この偏動検知ベルト30の巻取りにより、
偏動検出部材28が配置されている第3ロ−ラ5の軸端
部がE方向へ変位する。この軸端部の変位方向は、上述
した楕円の軌跡Tに略沿うような直線で近似されている
ものであって、これにより、ベルト張力を変化させるこ
となしに第3ローラ5の軸端部が変位されることにな
る。そして、この変位により感光ベルト4はC方向と逆
方向に巻回されながら走行することになって、感光ベル
ト4のC方向への偏動が制限される。それと共に、前記
軸端部の変位により、バックテンションシャフト24が
長孔18aから抜け出る方向へ移動され、これによって
バックテンションスプリング25が押し縮められてスプ
リング反力も大きくなるので、偏動検知ベルト30の巻
取り力とバックテンションスプリング25のスプリング
反力とのバランスにより、第3ロ−ラ5の変位量が規制
され、ある一定位置に感光ベルト6の端部の位置が維持
されることになる。
【0049】このようにして感光ベルト6の走行が行わ
れるために、感光ベルト6の大きな偏動が防止され、例
えば、感光ベルト6の偏動量を10数μmに抑えること
ができる。つまり、予め感光ベルト6を一方向へ偏動さ
せながら、その偏動を自動的に修正するようにしている
ことにより、偏動量を微量にすることができ、感光ベル
ト6に安定した走行を行わせることができ、本例のよう
な小型プリンタ2にあっては正確な画像(文字)印刷を
行うことができる。
【0050】このように、本実施例では、各テンション
アーム17,18によって、感光ベルト6にベルト張力
を付与する機能、ロ−ラ端部変位手段による軸端部の変
位機能、更には、予め感光ベルト6を偏動検出部材28
の配設位置に向かって偏動させる機能を発揮させること
ができるために、少ない部品点数でもって、これら各機
能を共存させることができ、この種のベルト駆動装置の
実用性を大幅に向上することができる。また、第2テン
ションアーム18は、ユニット化されているために、ベ
ルト駆動装置への組付けが簡単に行える。
【0051】また、本例の構成によれば、バックテンシ
ョンスプリング25が、第2テンションアーム18に組
込まれているために、このバックテンションスプリング
25の付勢力とテンションスプリング19の付勢力とが
互いに影響を与え合うことがないので、この両付勢力が
相殺されるようなこともなく、感光ベルト6に与える張
力を最適値に設定でき且つ偏動修正動作時の第3ローラ
5の軸端部の復帰力を良好に得ることができる。
【0052】また、偏動修正動作において偏動検出部材
28に巻取られる偏動検知ベルト30を帯状体で形成し
たために、その巻取り動作が確実に行われることにな
り、装置の信頼性の向上が図られている。また、この偏
動検知ベルト30にあっても第2テンションアーム18
がユニット化されていることによって該第2テンション
アーム18に一体的に組付けられているため、その配設
スペースが小さくて済む。
【0053】次に、上述した長孔18aの延長方向を決
定する角θの値を、37.5°〜47.5°の間に設定
した理由について説明する。この値は実験的に求められ
たものであって、本発明の発明者らが偏動修正動作の状
況を前記角θを変更しながら行った実験に基づいて設定
したものである。そして、本実験では前記角θを37
°,37.5°,42.5°,47.5°,48°の場
合について夫々実験を行った。この実験の結果を図11
及び以下の表1に示す。
【0054】
【表1】★この結果からも判るように、前記角θの値が
37.5°〜47.5°の間であれば、略正常な偏動修
正動作が行え、本例のような42.5°に設定した場合
に最も良好な動作が行われている。このため、この角θ
の値を上述の如く設定している。つまり、この角θの値
は、上述したように、長孔18aの延長方向を前記楕円
の軌跡Tに略沿うような直線で近似させるようにしたも
のであって、これにより、長孔18aの加工を容易に行
うことができるようにしながらも、ベルト張力を変化さ
せることなしに第3ローラ5の一方の軸端部を変位させ
て感光ベルト6の偏動を修正することができるので、該
感光ベルト6の波打ち等の発生を回避しながら偏動修正
動作を行うことができるようにしている。また、上述し
た直線Uと直線Vとの成す角(図4参照)は90°に限
らず、±5°程度の範囲内であれば前記角θの値を上記
の37.5°〜47.5°の範囲内に設定することによ
って、長孔18aの延長方向を前記楕円の軌跡Tに略沿
うような直線で近似させることができ、略正常な偏動修
正動作を行わせることができることも実験によって確認
されている。
【0055】(変形例) 次に、本発明の請求項5記載の発明に係る本第1実施例
の変形例について説明する。上述した第1実施例では、
テンションスプリング19,19の付勢力を左右で変え
て左右のベルト張力を変更することによって感光ベルト
6の初期偏動を行わせるようにしていたが、本例では、
予め第3ローラ5の軸端部を変位させておくことによっ
て初期偏動を行わせるようにしている。つまり、例えば
前記バックテンションスプリング25の付勢力を大きく
設定することによって、図5における右側の隙間Xを小
さくしたり又は無くするようにする。これにより、第3
ローラ5はベルト進行方向に向って左側に傾けられた状
態となり、感光ベルト6は走行に伴って偏動検出部材2
8に向って偏動させるようにする。つまり、第3ローラ
5の軸端部を変位させることによって初期偏動を行わせ
るような構成とされている。
【0056】このように、第3ローラ5が他の全てのロ
ーラ3,4に対して平行となっている状態において、こ
の第3ローラ5の軸部材5aと長孔18aの長手方向の
両端面との間に僅かな隙間が形成されるような位置に前
記長孔18aを形成するようにしていることによって、
左右のベルト張力の調整ばかりでなく第3ローラ5の軸
端部の変位による初期偏動を与える構成を簡単に得るこ
とができる。
【0057】尚、上述した各例では、小型プリンタ2の
感光ベルト6の駆動装置について説明したが、本発明
は、これに限らず、転写ベルトの駆動装置、或いは通常
の平ベルト駆動装置についても同様に適用することがで
きる。また、請求項1記載の発明の範囲内にあっては、
片寄付与手段は左右のベルト張力を異なることなるよう
にしたものに限らず、第2ロ−ラ2を予め第1ロ−ラ1
に対して傾斜配置させるようにして初期偏動を行わせる
ような構成としてもよい。
【0058】(第2実施例) 以下、請求項4記載の発明に係る第2実施例を図面に沿
って説明する。第12図は、電子写真装置内に収容され
たベルト駆動装置を示している。3軸系の転写ベルトの
駆動装置の全体を示す第12図において、3,4,5
は、夫々第1、第2及び第3ロ−ラである。各ロ−ラ
3,4,5は、上述した第1実施例と同様の構成で成っ
ている。そして、この各ロ−ラ3,4,5には、基材の
表面に誘電体層が形成されて成る本発明でいう平ベルト
としての転写ベルト6aが走行可能に掛け渡されてい
る。従って、本ベルト駆動装置は、前記転写ベルト6a
が電子写真装置の転写搬送体として機能するようになっ
ている。また、本例の転写ベルト6aの基材としても、
例えば2軸延伸ポリエステルが採用されており、引張弾
性率が200kg/mm2 以上に設定されている。
【0059】第1ロ−ラ3は、軸部材3aが駆動モ−タ
31の駆動軸に連結されて該駆動モ−タ31の駆動力が
伝達可能となっている。つまり、この第1ロ−ラ3が駆
動ロ−ラとして機能するようになっている。
【0060】第2ロ−ラ4は、従動ロ−ラであって、そ
軸心が前記第1ロ−ラ3の軸心と平行に配置されてい
る。
【0061】第3ロ−ラ5は、本発明でいう偏動調整用
ロ−ラであって、この軸心も前記第2ロ−ラ4と同様に
第1ロ−ラ3の軸心と略平行に配置されている。
【0062】そして、本例の特徴の1つとして、前記第
2ロ−ラ4と第3ロ−ラ5の左右両軸端間には本発明で
いう支持部材としての一対のテンションアーム17,1
8が架設されている。この一対のテンションアーム1
7,18のうち、図12において手前側に配置されてい
る第1テンションアーム17は、その上端部及び下端部
近傍に、前記第3ロ−ラ5及び第2ロ−ラ4の夫々の軸
部材5a,4aよりも僅かに大径に形成された円形の軸
部材挿入孔17a,17bが夫々形成されている。そし
て、下側の軸部材挿入孔17bには前記第2ロ−ラ4の
軸部材4aの左側端部が挿入されて回転自在に支持され
ており、一方、上側の軸部材挿入孔17aには前記第3
ロ−ラ5の軸部材5aの左側端部が挿入されて回転自在
に支持されている。これによって、第2ロ−ラ4と第3
ロ−ラ5との左側の軸間距離が一定値に固定されるよう
になっている。
【0063】一方、図12において奥側に配置されてい
る第2テンションアーム18は、その下端部近傍に、前
記第2ロ−ラ4の軸部材4aよりも僅かに大径に形成さ
れた円形の軸部材挿入孔18bが形成されている。そし
て、この下側の軸部材挿入孔18bには前記第2ロ−ラ
4の軸部材4aの右側端部が挿入されて回転自在に支持
されている。そして、この第2テンションアーム18に
おける上端部近傍には、水平方向に伸びる長孔18aが
形成されている。この長孔18aは、上下方向の開口寸
法が前記第3ロ−ラ5の軸部材5aの径よりも僅かに大
きく設定されており、この長孔18aには前記第3ロ−
ラ5の軸部材5aの右側端部が挿入され、ブッシュ18
dを介して回転自在に支持されている。つまり、この第
3ロ−ラ5の軸部材5aの右側端部は、この長孔18a
の延長方向に沿って移動自在となるような構成とされて
いる。そして、この長孔18aの延長方向について詳述
すると、図13に示すように、第1ロ−ラ3と第2ロ−
ラ4との各軸心O1,O2同士を繋いだ線Sを長軸とし
前記第3ロ−ラ5が転写ベルト6aによって規制を受け
ながら、つまり、転写ベルト6aの裏面に接触しなが
ら、この長軸S回りを移動した際にその軸心O3が描く
楕円の軌跡Tよりも外側に向かうような方向となってお
れば、上述したような水平方向(例えば本例では矢印
Z)に限るものではない。
【0064】そして、前記左右の各テンションアーム1
7,18における第3ロ−ラ5の支持位置の背面側には
テンションスプリング19a,19bが取付けられてお
り、このテンションスプリング19a,19bによっ
て、各テンションアーム17,18には図1の矢印Bで
示す方向への付勢力が与えられている。この付勢力は、
第3ロ−ラ5の軸心O3を第1ロ−ラ3の軸心O1から
遠ざける方向への付勢力として作用するため、この付勢
力により、転写ベルト6aに所定のベルト張力が与えら
れるような構成となっている。また、この各テンション
スプリング19a,19bは、左右の付勢力が異なるよ
うに設定されている。つまり、第1テンションアーム1
7に取付けられているテンションスプリング19aの付
勢力を第2テンションアーム18に取付けられているテ
ンションスプリング19bの付勢力よりも大きく設定す
るようにしている。これによって、図12における手前
側のベルト張力が奥側のベルト張力よりも大きくなるよ
うに構成されており、転写ベルト6aの走行時にはベル
ト張力の大きい側から小さい側へ、つまり、図12の矢
印C方向へ転写ベルト4が偏動するような構成とされて
いる。これによって、本発明でいう片寄付与手段が構成
されている。
【0065】また、図14にも示すように、前記第3ロ
−ラ5の右側の軸端部における前記第2テンションアー
ム18の内側位置には偏動検出部材28が配設されてい
る。この偏動検出部材28は、第3ロ−ラ5と同軸上で
且つ、該第3ロ−ラ5から独立して回動自在となるよう
に軸部材5aに支持されている。また、この偏動検出部
材28は、前記転写ベルト6aのベルト材と摩擦係数が
高く且つ耐摩耗性に優れたウレタンエラストマ等によっ
て形成されている。そして、この偏動検出部材28は、
その内側端面が、前記第3ロ−ラ5の筒状体5bの端面
と小間隙を存して近接配置されている。また、この偏動
検出部材28は、第3ロ−ラ5の筒状体5bの端面に対
向する部分の外径が第3ロ−ラ5の外径と同径に設定さ
れ、且つ筒状体5b端面から離れるに従って次第にその
径が大きくなるテ−パ状に傾斜された乗り上げ面28b
を有している。そして、これによって、転写ベルト6a
にC方向の偏動が発生すると、その偏動により転写ベル
ト6aが偏動検出部材28の乗り上げ面28aに乗り上
げるようになっている。
【0066】また、前記偏動検出部材28には、紐部材
32の一端が連結されている。一方、この紐部材32の
他端は図示しない固定部材に取付けられている。
【0067】このような構成により、前記転写ベルト6
aの走行に伴う偏動(矢印C方向)により、転写ベルト
6aが偏動検出部材28の乗り上げ面28aに乗り上
げ、偏動検出部材28に回転トルクが作用したとき、偏
動検出部材28の回転により前記紐部材32が偏動検出
部材28に巻き取られて、前記第3ロ−ラ5の右側の軸
端部を、前記長孔18aに沿って移動させて、第1ロ−
ラ3の軸端部から離れる方向に、即ち、図12のE方向
に変位させるようになっている。即ち、第3ロ−ラ5を
ベルト進行方向Aに向って右側に傾けた状態として、こ
の平ベルト6aの右側のベルト張力のみを大きくするよ
うにして、転写ベルト6aを第3ロ−ラ5の周方向に沿
って巻回させることによって、該転写ベルト6aを図中
C方向とは逆方向に移動させるように構成されている。
これによって、偏動検出部材28に回転トルクが作用し
たときに前記第3ロ−ラ5の軸端部を所定方向に変位さ
せるロ−ラ端部変位手段構成されている。即ち、第3ロ
−ラ5の軸端部がE方向に変位されると、初期の偏動成
分(C方向成分)とは逆の偏動成分が発生し、初期の偏
動成分と打ち消し合うまで軸部材5aの軸端部が変位さ
れることになる。
【0068】また、前記第2テンションアーム18に形
成されている長孔18a内には、この長孔18aの内周
面と前記ブッシュ18dとの間にバックテンションスプ
リング25が縮装されており、このバックテンションス
プリング25が紐部材32の巻取動作による変位方向
(矢印E)とは反対方向に常時付勢するようになってい
る。したがって、転写ベルト6aの偏動検出部材28へ
の乗り上げ動作が解消されると、バックテンションスプ
リング25によって第3ロ−ラ5の軸部材5aの右側の
軸端部が所定位置(図12に示す位置)に戻されるよう
になっている。このような構成により、第3ロ−ラ5の
軸端部の変位による逆方向の偏動成分が初期偏動成分よ
り大きくなると、転写ベルト6aは逆方向に偏動を開始
し、偏動検出部材28の乗り上げ面28bへの乗り上げ
量は減少するから、偏動検出部材28の回転トルクも減
少し、その結果、バックテンションスプリング25によ
って第3ロ−ラ5の軸端部の変位量も小さくなるように
なっている。
【0069】以下、上記の構成による動作について説明
する。先ず、転写ベルト6aの走行時には、上述したよ
うに左右のベルト張力が異なっているために、転写ベル
ト6aは常に図12におけるC方向へ偏動する。つま
り、この転写ベルト6aは、走行しながら偏動検出部材
28に向かって偏動する、そして、転写ベルト6aの偏
動により転写ベルト6aの端部が偏動検出部材28の乗
り上げ面28bに乗り上げると、転写ベルト6aと偏動
検出部材28の乗り上げ面28bとの間に作用する摩擦
力により、偏動検出部材28が軸部材5aに対して回転
せしめられ、図15に示すように、その回転によって紐
部材32を巻取ることになる。
【0070】この紐部材32の巻取りにより、偏動検出
部材28が配置されている第3ロ−ラ5の軸端部がE方
向へ変位し、その変位により転写ベルト6aの右側のベ
ルト張力が大きくなって、転写ベルト6aはC方向と逆
方向に巻回されながら走行することになって、転写ベル
ト6aのC方向への偏動が制限される。それと共に、前
記軸端部の変位により、バックテンションスプリング2
5が押し縮められてスプリング反力も大きくなるので、
紐部材32の巻取り力とバックテンションスプリング2
5のスプリング反力とのバランスにより、第3ロ−ラ5
の変位量が規制され、ある一定位置に転写ベルト6aの
端部の位置が維持されることになる。
【0071】このようにして転写ベルト6aの走行が行
われるために、転写ベルト6aの大きな偏動が防止さ
れ、例えば、転写ベルト6aの偏動量を10数μmに抑
えることができる。つまり、予め転写ベルト6aを一方
向へ偏動させながら、その偏動を自動的に逐次修正する
ようにしていることにより、偏動量を微量にすることが
でき、転写ベルト4に安定した走行を行わせることがで
き、本例のような電子写真装置にあっては正確な画像形
成を行うことができる。
【0072】このように、本実施例によっても、各テン
ションアーム17,18によって、転写ベルト6aにベ
ルト張力を付与する機能、ロ−ラ端部変位手段による軸
端部の変位機能、更には、予め転写ベルト6aを偏動検
出部材28の配設位置に向かって偏動させる機能を発揮
させることができるために、少ない部品点数でもって、
これら各機能を共存させることができ、この種のベルト
駆動装置の実用性を大幅に向上することができる。
【0073】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
以下に述べるような効果が発揮される。先ず、請求項1
記載の発明によれば、偏動調整用ロ−ラとその他の1本
のロ−ラとの両軸端部間に、平ベルトに所定のベルト張
力を与える手段と前記ロ−ラ軸端の変位を行わせる手段
とを兼用させることができる支持部材を架設するように
したことにより、部品点数の低減及び装置全体としての
コンパクト化が図れ、この種のベルト駆動装置の実用性
を大幅に向上させることができる。
【0074】請求項2記載の発明によれば、偏動調整用
ロ−ラの一方の軸端部を支持する長孔を、前記偏動調整
用ロ−ラに隣り合う2本のロ−ラの軸心同士を繋いだ直
線を長軸とし前記偏動調整用ロ−ラが平ベルトによって
規制を受けながら長軸回りを移動した際に描く楕円の軌
跡に略沿うように延長させたことにより、ベルト張力を
変化させることなしに、偏動調整用ローラの一方の軸端
部の変位によって平ベルトの偏動を修正することができ
るので、平ベルトの波打ち等の発生を回避しながら偏動
修正動作を行うことができる。
【0075】請求項3記載の発明によれば、長孔の延長
方向を、偏動調整用ローラの軸心と他の2本のローラの
軸心とを繋いだ2本の直線の成す角がおよそ90°のと
き、長孔の延長方向に平行な直線と、偏動調整用ローラ
と他の1本のローラとの各軸心同士を繋いだ直線との成
す角が37.5°〜47.5°の間の値となるように設
定したことにより、長孔の延長方向を前記請求項2記載
の発明における楕円の軌跡に略沿うような直線で近似さ
せることができ、長孔の加工を容易に行うことができる
ようにしながらも正確な偏動修正動作を行うことができ
る。
【0076】請求項4記載の発明によれば、長孔を、前
記偏動調整用ロ−ラに隣り合うロ−ラの軸心同士を繋い
だ直線を長軸とし前記偏動調整用ロ−ラが平ベルトによ
って規制を受けながら長軸回りを移動した際に描く楕円
の軌跡よりも外側に向かって延長するようにし、偏動調
整用ロ−ラの一方の軸端部が長孔の延長方向に沿って移
動する際、この片側のベルト張力のみを大きくして初期
偏動とは逆方向の偏動成分を生じさせるようにしたこと
により、初期偏動の解消動作を確実に得ることができ
る。
【0077】請求項5記載の発明によれば、長孔を、偏
動調整用ローラが他の全てのローラに対して平行となっ
ている状態において、この偏動調整用ローラの軸部材と
長孔の長手方向の両端面との間に僅かな隙間が形成され
るような位置に形成するような構成としたために、偏動
調整用ローラの軸端部をローラ端部変位手段による変位
方向と逆方向に変位させておくことによっても、平ベル
トの初期偏動を発生させることができ、片寄付与手段を
ベルト張力を変化させることのない構成によって成すこ
とができる。
【0078】請求項6記載の発明によれば、偏動調整用
ローラと支持部材との間に、ローラ端部変位手段の作動
によって偏動調整用ローラの軸端部が所定方向に変位さ
れた際、この軸端部に対して、その変位方向と逆方向の
付勢力を与えるバックテンションスプリングを配設する
ような構成としたために、バックテンションスプリング
の付勢力とベルト張力部材の付勢力とが互いに影響を与
え合うことがなく、この両付勢力が相殺されるようなこ
ともないので、平ベルトに与える張力と偏動修正動作時
の偏動調整用ローラの軸端部の復帰力を良好に得ること
ができ、装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0079】請求項7記載の発明によれば、ローラ端部
変位手段に、片寄付与手段によって平ベルトが偏動し
て、偏動検出部材に平ベルトが接して回転トルクが作用
したときに、その回転運動によって前記偏動検出部材に
巻取られることによって偏動調整用ローラの軸端部を所
定方向に変位させる偏動検知ベルトを備えさせ、該偏動
検知ベルトを、前記偏動検出部材と支持部材との間に架
設された可撓性を有する帯状体で形成するような構成と
したために、偏動検出部材の巻取り動作が確実に行わ
れ、これによっても装置の信頼性の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における小型プリンタの縦断面図で
ある。
【図2】ベルト駆動装置の一部を断面で示した側面図で
ある。
【図3】第2ローラ及び第3ローラの支持状態を示す一
部を破断した図である。
【図4】長孔の延長方向を説明するための図である。
【図5】長孔周辺の縦断面図である。
【図6】第2テンションアームの縦断側面図である。
【図7】第2テンションアームの縦断正面図である。
【図8】第2テンションアーム及びその周辺部材の分解
斜視図である。
【図9】ローラ端部変位手段周辺の分解斜視図である。
【図10】第2ローラ及び第3ローラのユニットケース
への組付け状態を示す斜視図である。
【図11】長孔の延長方向を設定するために行った実験
の結果を示す図である。
【図12】第2実施例におけるベルト駆動装置の概略斜
視図である。
【図13】長孔の延長方向を説明するための図である。
【図14】偏動検出部材周辺の正面図である。
【図15】ロ−ラ端部変位手段の動作を説明するための
図である。
【符号の説明】
1 ベルト駆動装置 3 第1ロ−ラ(支持部材が連結されていないロー
ラ) 4 第2ロ−ラ(偏動調整ローラ以外の1本のロー
ラ) 5 第3ロ−ラ(偏動調整用ロ−ラ) 6 感光ベルト(平ベルト) 17 第1テンションアーム(支持部材)17a 軸部材挿入孔(他端側支持孔) 18 第2テンションアーム(支持部材) 17a 軸部材挿入孔(他端支持孔) 18a 長孔(一端側支持孔) 19 テンションスプリング(ベルト張力部材) 25 バックテンションスプリング 28 偏動検出部材28b 乗り上げ面(外向きテーパ面) 30 偏動検知ベルト O1,O2,O3 軸心 S 長軸 T 楕円軌跡
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 7/12 F16H 7/12 A G03G 15/16 G03G 15/16 21/00 21/00 // B65G 43/02 B65G 43/02 E (72)発明者 三橋 浩 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15 号 バンドー化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−57040(JP,A) 特開 昭59−205052(JP,A) 特開 平5−26314(JP,A) 特開 平5−18450(JP,A) 特開 平4−298434(JP,A) 特開 平4−133930(JP,A) 特開 平4−133928(JP,A) 特開 平4−133926(JP,A) 特開 平4−121337(JP,A) 特開 平5−18449(JP,A) 特開 平4−160253(JP,A) 特開 昭57−23506(JP,A) 実開 昭58−110609(JP,U) 実開 昭64−48457(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 7/18 B65G 15/64 B65G 23/44 B65H 5/02 F16H 7/00 F16H 7/12 G03G 15/16 G03G 21/00 B65G 43/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平ベルトと、 該平ベルトが掛け渡され、少なくとも1本が偏動調整用
    ロ−ラとされた複数本のロ−ラと、前記偏動調整用ローラの一方の軸端部を回転自在にかつ
    該一方の軸端部を偏動調整用ローラ上の平ベルトを他方
    の軸端部側に移動させるように変位可能に支持する一端
    側支持孔と、偏動調整用ローラの前記他方の軸端部を回
    転自在に支持する他端側支持孔とを有し、前記偏動調整
    用ローラ以外の1本のローラの両軸端部に該ローラの軸
    心回りに揺動可能に連結された1対の支持部材と、 前記偏動調整用ロ−ラの前記一方の軸端部に該偏動調整
    用ロ−ラと独立して回転自在に支持され、前記一方の軸
    端に向かって径が漸次大きくなる断面外向きテーパ状に
    形成された偏動検出部材と、 前記偏動調整用ローラ上の平ベルトを前記偏動検出部材
    の配設位置に向って偏動させる片寄付与手段と、 前記偏動検出部材と該偏動検出部材側の支持部材との間
    に設けられ、前記片寄付与手段によ平ベルトが偏動し
    前記偏動検出部材の外向きテーパ面接触することに
    より該偏動検出部材に発生する回転運動を前記偏動調整
    用ロ−ラの前記一方の軸端部が該偏動調整用ローラ上の
    平ベルトを偏動検出部材から離れる方向に移動させるよ
    に変位する運動に変換るロ−ラ端部変位手段とを備
    えており 前記一端側支持孔は、 前記ロ−ラ端部変位手段による変
    位方向に沿って延びるように形成された長孔からなると
    共に、前記各支持部材には、該支持部材が連結されてい
    ないロ−ラと前記偏動調整用ロ−ラと両軸心間の距離
    を大きくするベルト張力部材が連結されていることを特
    徴とするベルト駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベルト駆動装置におい
    て、偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部を支持する長孔
    は、前記偏動調整用ロ−ラに隣り合う2本のロ−ラの軸
    心同士を繋いだ直線を長軸とし前記偏動調整用ロ−ラが
    平ベルトによって規制を受けながら長軸回りを移動した
    際に描く楕円の軌跡に略沿うように延長されていること
    を特徴とするベルト駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のベルト駆動装置におい
    て、平ベルトが掛け渡される3本のローラを備えて成っ
    ており、長孔の延長方向は、偏動調整用ローラの軸心と
    他の2本のローラの軸心とを繋いだ2本の直線の成す角
    がおよそ90°のとき、長孔の延長方向に平行な直線
    と、偏動調整用ローラと他の1本のローラとの各軸心同
    士を繋いだ直線との成す角が37.5°〜47.5°の
    間の値となるように設定されていることを特徴とするベ
    ルト駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のベルト駆動装置におい
    て、偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部を支持する長孔
    は、前記偏動調整用ロ−ラに隣り合う2本のロ−ラの軸
    心同士を繋いだ直線を長軸とし前記偏動調整用ロ−ラが
    平ベルトによって規制を受けながら長軸回りを移動した
    際に描く楕円の軌跡よりも外側に向かって延長されてい
    ることを特徴とするベルト駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のベルト
    駆動装置において、長孔は、偏動調整用ローラが他の全
    てのローラに対して平行となっている状態において、こ
    の偏動調整用ローラの軸部材と長孔の長手方向の両端面
    との間に僅かな隙間が形成されるような位置に形成され
    ていることを特徴とするベルト駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載のベ
    ルト駆動装置において、偏動調整用ローラと支持部材と
    の間には、ローラ端部変位手段の作動によって偏動調整
    用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位された際、この軸端
    部に対して、その変位方向と逆方向の付勢力を与えるバ
    ックテンションスプリングが配設されていることを特徴
    とするベルト駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    のベルト駆動装置において、ローラ端部変位手段は、片
    寄付与手段によって平ベルトが偏動して、偏動検出部材
    に平ベルトが接して回転トルクが作用したときに、その
    回転運動によって前記偏動検出部材に巻取られることに
    よって偏動調整用ローラの軸端部を所定方向に変位させ
    る偏動検知ベルトを備えており、該偏動検知ベルトは、
    前記偏動検出部材と支持部材との間に架設された可撓性
    を有する帯状体で形成されていることを特徴とするベル
    ト駆動装置。
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