JPH11102126A - 転写搬送装置 - Google Patents

転写搬送装置

Info

Publication number
JPH11102126A
JPH11102126A JP26315697A JP26315697A JPH11102126A JP H11102126 A JPH11102126 A JP H11102126A JP 26315697 A JP26315697 A JP 26315697A JP 26315697 A JP26315697 A JP 26315697A JP H11102126 A JPH11102126 A JP H11102126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
roller
transfer
deviation
control roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26315697A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Mihashi
浩 三橋
Masayuki Murao
雅之 村尾
Kimikazu Kimura
公計 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP26315697A priority Critical patent/JPH11102126A/ja
Publication of JPH11102126A publication Critical patent/JPH11102126A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー像を用紙に転写する転写搬送装置に対
し、ベルトに作用する負荷を軽減し、且つ構成の複雑化
を招くことなしに、ベルトの偏動を確実に解消して高画
質の画像を安定的に得る。 【解決手段】 プリンタ装置の転写搬送ユニットに、転
写搬送ベルト6が掛け渡される複数本のローラのうちの
1本を偏動制御ローラとする。偏動制御ローラの軸端部
に、偏動する転写搬送ベルト6の接触により回転する偏
動検知リング21を設ける。偏動する転写搬送ベルト6
の接触に伴う偏動検知リング21の回転運動を偏動制御
ローラの一方の軸端部の変位運動に変換して転写搬送ベ
ルト6に上記とは逆方向の偏動成分を与える。偏動制御
ローラと転写搬送ベルト6との間の摩擦係数を0.3以
上に設定して、この両者間でのスリップの発生を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト駆動装置に
係り、特に、プリンタ装置や複写装置等に適用され、用
紙に感光体上のトナー像を転写しながら該用紙を搬送す
るものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平5−31224
0号公報に開示されているような電子写真方式のプリン
タ装置が知られている。この種の装置の一例について説
明する。図7に示すものは、互いに異なった色のトーナ
像を形成する4個の画像形成ユニットa1〜a4を備
え、各画像形成ユニットa1〜a4から記録用紙b上に
トナー像を順に転写して、用紙bを1回搬送するだけで
フルカラー画像が得られるようにした所謂フルカラープ
リンタの模式図である。
【0003】詳しくは、複数本のローラc1〜c4に、
表面に誘電体層を有する平ベルトdが走行可能に掛け渡
され、この平ベルトdが転写搬送ベルトとして機能する
ようになっている。つまり、転写搬送ベルトdの走行に
伴って用紙bを図中右側から左側に向かって搬送しなが
ら、各画像形成ユニットa1〜a4において順にトナー
像を転写していく。図中e1〜e4は画像形成ユニット
a1〜a4との間で用紙bを挾持搬送する転写ローラで
ある。f1,f2は、トナー像を定着させる定着ローラ
である。
【0004】また、この種の装置では、トナー像の転写
中に転写搬送ベルトdに偏動が生じると、画像形成部分
において転写像にずれが生じ画像品質の悪化を招くこと
になる。従って、高画質の画像を安定的に得るために
は、転写搬送ベルトdが偏動することなく用紙bが安定
して搬送されることが必要である。
【0005】つまり、ベルトd及び複数本のローラc1
〜c4から成るユニットは、プリンタ本体などにねじ止
めなどの手段により取り付けられるが、このユニットを
構成する各部品の加工誤差やプリンタ本体に対する組み
付け誤差がある場合には各ローラの平行度を高い精度で
得ることはできない。このような状況でベルトが走行す
ると、該ベルトは幅方向の一方向に偏りながら走行する
ことになってしまい、画像品質が悪化してしまう。
【0006】また、従来より、このようなベルトの偏動
を防止するための構成として様々なものが提案されてい
る。その一例として、図8に示すように、ベルト(d)の
一部をローラ(c)に係止させることでベルト(d)の偏動を
強制的に防止するものがある。具体的には、ベルト背面
側の両端縁部にゴム製のレール状係止部材(g)を装着し
ておく。一方、ローラ(c)の両端部に、部分的に小径に
した段部(h)を形成しておき、この段部(h)に係止部材
(g)を係止する。この状態でベルト(d)が走行し、係止部
材(g)の位置が段部(h)によって規制されることでベルト
(d)の偏動が阻止されるようになっている。
【0007】また、その他の従来技術として、ローラの
両端部にフランジを突設しておき、このフランジにより
ベルトの端縁位置を規制して偏動を阻止するようにした
り、ベルトの走行位置を光センサなどの検出手段によっ
て検出し、偏動が検出された際にはローラの軸端部を変
位させることで偏動方向とは逆方向の偏動成分をベルト
に与えるようにしたものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の構成は、実用性の面で課題が残されてい
た。この不具合を解消することは、この種のベルト駆動
装置を電子写真装置に組み込む際の実用性を大幅に向上
させるものであり、この不具合の解消がかねてより要求
されていた。
【0009】先ず、図8に示す構成では、ベルト(d)の
偏動力が大きい場合には、係止部材(g)に過大な負荷が
作用し、該係止部材(g)が破損して偏動阻止機能が損な
われてしまったり、係止部材(g)の摩耗が著しくなって
該係止部材(g)がローラ(c)の段部(h)から脱落してしま
う可能性もある。
【0010】ローラに設けたフランジにより偏動を規制
するものでは、フランジに接触するベルトの端縁部分に
作用する負荷が大きく、この端縁が破損することによ
り、ベルト寿命の長期化を図ることができない。
【0011】更に、センサによって偏動を検出するもの
では、装置全体としての部品点数の増加を招いてしま
い、構成の複雑化及びコストの上昇を招いてしまう。
【0012】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、トナー像を用紙に転写する転写搬送装置に
対し、ベルトに作用する負荷を軽減し、且つ構成の複雑
化を招くことなしに、ベルトの偏動を確実に解消して高
画質の画像を安定的に得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、ベルトに偏動が生じた際、ローラの軸
端部を変位させることによって偏動を修正するようにし
たものに対し、この軸端部が変位するローラとベルトと
の間の摩擦力を適切に設定することにより、安定した偏
動修正動作を行うようにした。
【0014】具体的に請求項1記載の発明は、複数本の
ローラに走行可能に掛け渡された転写搬送ベルトと、該
転写搬送ベルトに対向して配置された感光体とを備え、
転写搬送ベルト上で用紙を搬送しながら、感光体表面に
形成されたトナー像を用紙に転写する転写搬送装置を前
提とする。上記複数本のローラのうち少なくとも1本を
偏動制御ローラに構成する一方、この偏動制御ローラの
少なくとも一方の軸端部に、ベルトの偏動発生時、該軸
端部をローラ軸線に対して直交する方向に変位させるこ
とによってベルトの偏動を修正するローラ端部変位手段
を備えさせる。また、上記偏動制御ローラを、ベルトと
の間の摩擦係数が0.3以上に設定されるよう構成す
る。この特定事項により、転写搬送ベルトが走行する
と、それに伴って用紙が搬送される。この用紙には、転
写搬送ベルトに対向して配置された感光体の表面に形成
されたトナー像が転写され、所定の画像が形成される。
このような画像形成動作において、偏動制御ローラとベ
ルトとの間の摩擦係数を比較的高く設定しているため
に、この両者間でのスリップの発生により偏動修正動作
が良好に行われなくなってしまうといった状況を回避で
きる。
【0015】請求項2及び3記載の発明は、上記の摩擦
係数を得るための偏動制御ローラの構成を具体化したも
のである。つまり、請求項2記載の発明は、偏動制御ロ
ーラの表面をウレタンゴムで形成している。また、請求
項3記載の発明は、偏動制御ローラの表面を有機繊維が
露出した繊維複合エラストマで形成している。
【0016】この特定事項により、偏動制御ローラの表
面を構成する材料を改良するといった比較的簡単な構成
でもって上記の適切な摩擦係数を確実に得ることができ
る。
【0017】請求項4記載の発明は、上記請求項1記載
の転写搬送装置において、ローラ端部変位手段を偏動制
御ローラの両軸端部に備えさせる。また、各ローラ端部
変位手段に、偏動制御ローラと独立して回転自在に支持
された偏動検出部材を備えさせ、転写搬送ベルトが偏動
して偏動検出部材に接触して該偏動検出部材に回転トル
クが作用したとき、その回転運動を偏動制御ローラの軸
端部が所定方向に変位する運動に変換してベルトの偏動
を修正する構成としている。
【0018】この特定事項により、変動するベルトが偏
動検出部材に接触すると、この接触に伴って偏動検出部
材に作用する回転トルクが、偏動制御ローラの軸端部を
所定方向に変位させる運動に変換されることになる。こ
れにより、ベルトには初期偏動とは逆方向への偏動成分
が与えられて偏動が修正される。このような機能を発揮
する部品が偏動制御ローラの両軸端部に配設されている
ため、ローラが何れの方向に偏動した場合であってもこ
の偏動を修正する動作が良好に得られることになる。
【0019】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
の転写搬送装置において、偏動制御ローラの転写搬送ベ
ルト背面との接触部におけるローラ軸線方向の長さ寸法
を、ベルトの幅寸法よりも大きく設定した構成としてい
る。
【0020】この特定事項により、変動するベルトの一
端縁部が一方の偏動検出部材に接触している状態では、
該ベルトの他端縁部が他方の偏動検出部材に接触するこ
とはない。つまり、偏動方向側ではローラ端部変位手段
の動作により軸端部が変位するのに対し、反対方向側で
は軸端部は変位しない。つまり、一方の軸端部のみが変
位することで偏動修正動作が行われることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。本形態では、本発明を、一般にフルカ
ラープリンタと呼ばれる電子写真装置の転写搬送ベルト
ユニットに適用した場合について説明する。
【0022】図1に示すように、本転写搬送ユニット1
は、第1〜第3の複数本のローラ2〜4に転写搬送ベル
ト6が掛け渡されて構成されている。これら複数本のロ
ーラ2〜4のうち第1ローラ2は図示しない駆動モータ
の駆動軸に直結された駆動ローラとなっている。第2ロ
ーラ3は上記第1ローラ2との間で用紙Pを搬送するた
めのスパンを形成する従動ローラとなっている。第3ロ
ーラ4は後述偏動修正機構20が装着され、軸端部を変
位させることによって偏動を修正する偏動制御ローラと
なっている。第1ローラ2は、ローラ表面がEPDM系
架橋ゴムで構成され、転写搬送ベルト6との間の摩擦係
数が高く維持されるようになっている。また、第2ロー
ラ3は、ローラ表面が樹脂、アルミニウム、ステンレス
等で構成されている。第3ローラ4の構成については後
述する。
【0023】転写搬送ベルト6は、その表面に誘電体層
が形成されている。つまり、この転写搬送ベルト6が用
紙Pにトナー像を転写する転写搬送体として機能するよ
うになっている。尚、この転写搬送ベルト6の基材とし
ては、比誘電率の高いPET(ポリエステル)やETF
E(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、P
VDF(フッ化ビニリデン樹脂)等の樹脂系フィルムが
使用されている。
【0024】転写搬送ベルト6の上側には感光体として
の4個の画像形成ユニット7a〜7dがベルト走行方向
に亘って対向配置されている。これら画像形成ユニット
7a〜7dは、各々異なった色(例えばイエロー、マゼ
ンダ、シアン、ブラック)のトナー像を形成するように
なっている。
【0025】図中8a〜8dは転写ローラである。これ
ら転写ローラ8a〜8dは、上記画像形成ユニット7a
〜7dに対向した位置に夫々配置され、この画像形成ユ
ニット7a〜7dとの間で転写搬送ベルト6を挾持して
いる。この転写ローラ8a〜8dにはトナーの電荷(マ
イナス)とは逆の電荷(プラス)が与えられており、画
像形成ユニット7a〜7dのトナー像を、搬送される用
紙P上に転写可能となっている。尚、図中9a,9b
は、用紙P上に転写されたトナー像を定着させるための
定着ローラである。
【0026】次に、第3ローラ4に装着された偏動修正
機構20について説明する。この偏動修正機構20は第
3ローラ4の両軸端部に設けられている。各偏動修正機
構20の構成は共に同一であるので、ここでは図2にお
いて手前側に位置する偏動修正機構20について説明す
る。
【0027】図2〜図4に示すように、第3ローラ4の
軸端部には、偏動検出部材としての偏動検知リング21
が配設されている。この偏動検知リング21は、その中
心部に第3ローラ4の軸端部と略同径の挿通孔が形成さ
れている。この挿通孔に第3ローラ4の軸端部が挿通さ
れている。これにより、偏動検知リング21は、第3ロ
ーラ4と同軸上で且つ、該第3ローラ4から独立して回
動自在となるようにローラ軸端部に支持されている。
【0028】また、この偏動検知リング21は、転写搬
送ベルト6との間の摩擦係数が高く且つ耐摩耗性に優れ
たポリアセタール、ナイロン、PPS等の硬質樹脂、ま
たはウレタン、シリコンゴム等の弾性材料によって形成
されている。この偏動検知リング21は、その内側端面
が、第3ローラ4のローラ本体部4aの端面に対向して
配置されている。また、この偏動検知リング21は、乗
り上げ面21aを有している。この乗り上げ面21a
は、第3ローラ4のローラ本体部4aの端面に対向する
部分の外径が第3ローラ4の外径と同径に設定され、且
つローラ本体部4aの端面から離れるに従って次第にそ
の径が大きくなるテーパ状に傾斜されて成る。これによ
り、転写搬送ベルト6の偏動により該ベルト6が乗り上
げ面21aへ乗り上げ可能となっている。また、この偏
動検知リング21の外側端面にはボス部21bが一体形
成されている。
【0029】第3ローラ4の軸端部分は、軸受け部材2
2によって回転自在に支持されている。この軸受け部材
22には長孔22aが形成されており、第3ローラ4の
軸端部は、この長孔22aに挿通されて回転自在に支持
されている。この長孔22aの延長方向は、第3ローラ
4に対する転写搬送ベルト6の接触部での接線方向に設
定されている。
【0030】また、この軸受け部材22には、ベルト6
に張力を付与するためのテンションスプリング23が係
止されている。このテンションスプリング23は、図示
しない装置の本体フレームと軸受け部材22との間に縮
装されており、その付勢力により第3ローラ4を転写搬
送ベルト6に押圧して該ベルト6に所定の張力を付与す
る。
【0031】上記偏動検知リング21のボス部21bと
軸受け部材22との間には検知紐30が掛け渡されてい
る。詳しくは、検知紐30の一端はボス部21bの外周
面に、他端は軸受け部材22に突設された係止ピン22
bにそれぞれ取り付けられている。このため、偏動検知
リング21が回転した際には、そのボス部21bに検知
紐30が巻き付けられることにより、第3ローラ4の一
端が長孔22a内を図3における右下方向へ変位するよ
うな構成となっている。
【0032】更に、第3ローラ4の一端と軸受け部材2
2に突設されたもう一つの係止ピン22cとの間にはバ
ックテンションスプリング24が装着されている。この
ため、上記検知紐30がボス部21bに巻き取られるこ
とにより第3ローラ4の軸端が変位した場合には、その
変位方向とは逆方向のバックテンションが第3ローラ4
の軸端に作用する構成となっている。
【0033】このような構成により、上記ベルト6の走
行に伴う偏動(図2及び図4の矢印A方向)により、該
ベルト6が偏動検知リング21の乗り上げ面21aに乗
り上げると、偏動検知リング21に回転トルクが作用す
る(図3の矢印B参照)。この偏動検知リング21の回
転により上記検知紐30が偏動検知リング21のボス部
21bに巻き取られる。この検知紐30の一端は本体フ
レームに固定されているので、この巻き取り動作に伴
い、第3ローラ4の軸端部が、上記軸受け部材22の長
孔22aに沿って移動する(図3の矢印C参照)。これ
により、第3ローラ4がベルト進行方向に向って所定方
向(例えば左側)に傾けられる。つまり、第3ローラ4
に沿って巻回されるベルト6を、図2及び図4における
矢印A方向とは逆方向の矢印D方向に移動させるように
構成されている。これによって、偏動検知リング21に
回転トルクが作用したときに上記第3ローラ4の軸端部
をローラ軸心に対して直交する方向に変位させるローラ
端部変位手段としての偏動修正機構20が構成されてい
る。即ち、第3ローラ4の右側の軸端部が図3における
矢印C方向に変位されると、初期の偏動成分(A方向成
分)とは逆の偏動成分が発生し、初期の偏動成分と打ち
消し合うまで第3ローラ4の軸端部が変位されるように
なっている。
【0034】また、上述したように、第3ローラ4の軸
端部には、バックテンションスプリング24の付勢力が
作用している。このため、ベルト6の偏動検知リング2
1への乗り上げ動作が解消すると、このバックテンショ
ンスプリング24の付勢力によって第3ローラ4の軸端
部が所定位置(図4に示す位置)に戻されるようになっ
ている。このような構成により、第3ローラ4の軸端部
の変位による逆方向の偏動成分が初期偏動成分より大き
くなると、ベルト6は逆方向に偏動を開始し、偏動検知
リング21の乗り上げ面21aへの乗り上げ量は減少す
るから、偏動検知リング21の回転トルクも減少し、そ
の結果、バックテンションスプリング24によって第3
ローラ4の軸端部の変位量も小さくなるようになってい
る。
【0035】本発明の特徴とするところは、第3ローラ
4のローラ本体部4aにある。この第3ローラ4のロー
ラ本体部4aは、ステンレス製ローラの表面にウレタン
ゴムがコーティングされて成り、転写搬送ベルト6との
間の摩擦係数が0.3以上に設定されている。また、第
3ローラ4に対する転写搬送ベルト6の有効巻き掛け角
は本形態のものは73°となっている。つまり、上記摩
擦係数を比較的高く設定することにより、たとえ有効巻
き掛け角が小さい場合であっても、第3ローラ4の軸端
部が変位した際に第3ローラ4と転写搬送ベルト6との
間でのスリップを生じ難くしている。これにより、ベル
ト6の偏動修正動作が確実に行えるようになっている。
また、図5に示すように、この第3ローラ4のローラ本
体部4aのローラ軸線方向の長さ寸法L2は転写搬送ベ
ルトの幅寸法L1よりも僅かに長く設定されている。こ
のため、ベルト6に偏動が生じていない状態では、該ベ
ルト6の左右各端縁部は共に偏動検知リング21,21
に接触せず、また、ベルト6に偏動が生じてその一端縁
部が一方の偏動検知リング21に接触した際には、他端
縁部は他方の偏動検知リング21に接触しないようにな
っている。
【0036】次に、本装置の転写搬送動作について説明
する。駆動モータの駆動に伴って第1ローラ2が回転駆
動する。これにより、転写搬送ベルト6が走行し、用紙
Pは図1中右側から左側に向かって搬送される。この用
紙Pの走行位置は、転写搬送ベルト6の幅方向両端の内
側で、且つ偏動検知リング21よりもベルト中央側位置
である。一方、各画像形成ユニット7a〜7dでは各色
のトナー像が形成され、搬送される用紙Pの表面に対し
てトナー像が順に転写される。これにより、用紙Pには
所定の画像が形成され、定着ローラ9a,9bにより画
像が定着された後、装置から送り出される。
【0037】このような搬送動作において、転写搬送ベ
ルト6が図2及び図4における矢印A方向へ偏動してベ
ルト6の端部が偏動検知リング21の乗り上げ面21a
に乗り上げると、ベルト6と偏動検知リング21の乗り
上げ面21aとの間に作用する摩擦力により、偏動検知
リング21が回転し(図3の矢印B)、その回転によっ
て検知紐30が偏動検知リング21のボス部21bに巻
き取られる。
【0038】この検知紐30の巻き取り動作により、第
3ローラ4の軸端部が図3における矢印C方向へ変位す
る。この変位によりベルト6はA方向と逆方向(D方
向)に巻回されながら走行することになって、ベルト6
のA方向への偏動が制限される。この動作において、第
3ローラ4と転写搬送ベルト6との間の摩擦係数は比較
的高く設定されているので、この両者間でのスリップが
生じ難く、ベルト6の偏動修正動作が確実に行える。そ
れと共に、上記軸端部の変位により、バックテンション
スプリング24が伸びてスプリング反力も大きくなるの
で、検知紐30の巻取り力とバックテンションスプリン
グ24のスプリング反力とのバランスにより、第3ロー
ラ4の変位量が規制され、ある一定位置にベルト6の端
部の位置が維持されることになる。
【0039】このようにしてベルト6の走行が行われる
ために、該ベルト6の大きな偏動が防止され、例えば、
ベルト6の偏動量を数mm以下に抑えることができる。つ
まり、ベルト6の偏動を自動的に修正するようにしてい
ることにより、偏動量を微量にすることができ、ベルト
6に安定した走行を行わせることができる。従って、用
紙Pに対する正確な画像形成が可能となる。また、第3
ローラ4のローラ本体部4aの長さ寸法L2は転写搬送
ベルトの幅寸法L1よりも長く設定されているために、
この偏動修正動作の際、偏動方向とは反対側のベルト端
縁部は偏動検知リング21に接触することはない。この
ため、第3ローラ4は一方の軸端部のみが変位して偏動
修正を行うことになる。つまり、他方の軸端部は固定さ
れているので、安定した偏動修正動作が行われる。
【0040】−実験例− 次に、本発明の効果を確認するために行った実験例につ
いて説明する。本実験では、ローラ本体部4aの材質が
異なる複数の第3ローラ4を用意しておき、これらを順
に取り換えながら、また、偏動発生状況を変更しながら
偏動修正動作の良否について判定を行った。つまり、第
3ローラ4と転写搬送ベルト6との間の摩擦係数を変化
させながら、それぞれの偏動修正動作について判定を行
った。本実験で使用した各種部材及び実験材料は以下の
表1とおりである。
【0041】<ベルト> ・材質:ETFE ・走行速度:80mm/sec ・張力:1.2kgf <第3ローラ> ・外径:20mm ・材質:第1試料 SUSローラの表面に厚さ30μmのウ
レタンゴムコーティング(ベルトとの間の摩擦係数1.
40) 第2試料 繊維複合ローラ(ポリエステル繊維をEPDMゴ
ム中に5重量部配合)(ベルトとの間の摩擦係数0.7
6) 第3試料 SUSローラ(ベルトとの間の摩擦係数0.1
5) 尚、各ローラの摩擦係数の測定は図6の装置を使用して
行った。つまり、一端がロードセルLcに接続された試験
用ベルトTBiをローラRiに掛け渡し、試験用ベルトTBiの
先端に荷重T2の重りDw(T2として0.385kgと1.75kgの2
水準を使用)を印加して、径が16mmでローラ長が27
0mmのローラRiを所定の周速(36mm/sec)で回転させ
たときのロードセルLcに加わる荷重T1から、下記式 μ=2×ln(T1/T2)/π に基づき算出した。
【0042】<偏動検知リング> ・材質:PPS+シリコンゴム ・外径:20mm ・乗り上げ面角度:3° ・乗り上げ面幅:10mm <ミスアライメント(第2ローラの軸端部を正規の位置
よりも上下方向に変位させて強制的に偏動を発生させる
ようにし、その正規の位置からの変位寸法)> ・変位寸法(上方への変位を正とする):-1.0,-0.6,-
0.2,0,+0.2,+0.6,+1.0
【0043】本実験の結果を以下の表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】この結果から第3ローラ4と転写搬送ベル
ト6との間の摩擦係数は少なくとも0.76以上に設定
すれば良好な偏動修正動作が行われることが判る。
【0046】更に、上述の繊維複合エラストマの繊維混
入量が異なる複数の第3ローラ4を用い、つまり、上記
摩擦係数(μ)が異なるものについて上記と同様の実験を
行った。その結果を以下に示す。また、この実験では、
第3ローラ4に対する転写搬送ベルト6の有効巻き掛け
角度が90°以下の複数種類(90°,75°,60
°)のものを採用して行った。
【0047】
【表2】
【0048】この実験結果から有効巻き掛け角度が90
°以下のものでは第3ローラ4と転写搬送ベルト6との
間の摩擦係数を0.3以上に設定すれば良好な偏動修正
動作が行われることが判る。また、有効巻き掛け角度を
90°よりも大きく設定したものについても同様の実験
を行ったが、この場合には摩擦係数が0.2であっても
偏動修正動作が良好に行われた。
【0049】以上により、第3ローラ4と転写搬送ベル
ト6との間の摩擦係数を0.3以上に設定すれば、偏動
修正動作時にこの両者間でのスリップの発生を防止しな
がら良好な偏動修正を行うことができ、装置の信頼性の
向上を図ることができる。
【0050】特に、第3ローラ4に対する転写搬送ベル
ト6の有効巻き掛け角度が90°以下の小さいもの、つ
まり、第3ローラ4と転写搬送ベルト6の接触量が少な
いものであっても上記摩擦係数を0.3以上に設定する
ことで偏動修正動作を良好に行うことができる。
【0051】尚、本形態では、フルカラープリンタと呼
ばれる電子写真装置の転写搬送ベルトユニットに適用し
た場合について説明したが、その他の機器、例えば複写
装置等に適用することも可能である。また、転写搬送ベ
ルトユニット以外のベルト駆動装置に対しても適用可能
である。
【0052】また、上述した実施形態では、第3ローラ
4の構成として、ステンレス製ローラの表面にウレタン
ゴムをコーティングしたものとしたが、本発明は、これ
に限らず、該第3ローラ4の表面を有機繊維が露出した
繊維複合エラストマで構成するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明では、転写搬送ベルト上で用紙を搬送しながら、
感光体表面に形成されたトナー像を用紙に転写する転写
搬送装置に対し、偏動制御ローラの軸端部を変位させる
ことでベルトの偏動を修正すると共に、この偏動制御ロ
ーラを、ベルトとの間の摩擦係数が0.3以上に設定さ
れる構成とした。このため、ベルトに作用する負荷を軽
減し且つ装置全体としての構成の簡略化を図りながら、
偏動制御ローラとベルトとの間の摩擦係数を比較的高く
設定することでこの両者間でのスリップの発生により偏
動修正動作が良好に行われなくなってしまうといった状
況を回避できる。この結果、ベルトに安定した走行を行
わせることができ、用紙に対する正確な画像形成が可能
となり、装置の信頼性の向上が図れる。
【0054】請求項2記載の発明は、偏動制御ローラの
表面をウレタンゴムで形成した。また、請求項3記載の
発明は、偏動制御ローラの表面を有機繊維が露出した繊
維複合エラストマで形成している。このため、偏動制御
ローラの表面を構成する材料を改良するといった比較的
簡単な構成でもって上記の適切な摩擦係数を確実に得る
ことができ、実用性の高い装置が得られることになる。
【0055】請求項4記載の発明は、ローラ端部変位手
段を偏動制御ローラの両軸端部に備えさせている。この
ため、ローラが何れの方向に偏動した場合であってもこ
の偏動を修正する動作が良好に得ることができる。
【0056】請求項5記載の発明は、偏動制御ローラの
転写搬送ベルト背面との接触部におけるローラ軸線方向
の長さ寸法を、ベルトの幅寸法よりも大きく設定した。
これにより、変動するベルトの一端縁部が一方の偏動検
出部材に接触している状態では、該ベルトの他端縁部が
他方の偏動検出部材に接触することはない。従って、一
方の軸端部のみが変位することで偏動修正動作が行われ
ることになるため安定した偏動修正動作が行われ、これ
によっても用紙に対する正確な画像形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの転写搬送ベルトユニ
ットの模式図である。
【図2】用紙の搬送状態を示す図である。
【図3】偏動修正機構を示す側面図である。
【図4】偏動修正機構を示す正面図である。
【図5】第3ローラの長さ寸法とベルトの幅寸法とを比
較するための図である。
【図6】ローラの摩擦係数測定用の装置を示す図であ
る。
【図7】従来例における図1相当図である。
【図8】ベルト偏動を強制的に防止する従来の構成を示
す図である。
【符号の説明】
1 転写搬送ユニット 2〜4 ローラ 6 転写搬送ベルト 7a〜7d 画像形成ユニット(感光体) 20 偏動修正機構(ローラ端部変位手段) 21 偏動検知リング(偏動検出部材) P 用紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のローラに走行可能に掛け渡され
    た転写搬送ベルトと、該転写搬送ベルトに対向して配置
    された感光体とを備え、転写搬送ベルト上で用紙を搬送
    しながら、感光体表面に形成されたトナー像を用紙に転
    写する転写搬送装置において、 上記複数本のローラのうち少なくとも1本が偏動制御ロ
    ーラに構成されている一方、この偏動制御ローラの少な
    くとも一方の軸端部に、ベルトの偏動発生時、該軸端部
    をローラ軸線に対して直交する方向に変位させることに
    よってベルトの偏動を修正するローラ端部変位手段が備
    えられ、 上記偏動制御ローラは、ベルトとの間の摩擦係数が0.
    3以上に設定されるよう構成されていることを特徴とす
    る転写搬送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の転写搬送装置において、 偏動制御ローラの表面はウレタンゴムで形成されている
    ことを特徴とする転写搬送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の転写搬送装置において、 偏動制御ローラの表面は有機繊維が露出した繊維複合エ
    ラストマで形成されていることを特徴とする転写搬送装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の転写搬送装置において、 ローラ端部変位手段は偏動制御ローラの両軸端部に備え
    られており、 各ローラ端部変位手段は、偏動制御ローラと独立して回
    転自在に支持された偏動検出部材を有し、転写搬送ベル
    トが偏動して偏動検出部材に接触して該偏動検出部材に
    回転トルクが作用したとき、その回転運動を偏動制御ロ
    ーラの軸端部が所定方向に変位する運動に変換してベル
    トの偏動を修正することを特徴とする転写搬送装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の転写搬送装置において、 偏動制御ローラの転写搬送ベルト背面との接触部におけ
    るローラ軸線方向の長さ寸法は、ベルトの幅寸法よりも
    大きく設定されていることを特徴とする転写搬送装置。
JP26315697A 1997-09-29 1997-09-29 転写搬送装置 Withdrawn JPH11102126A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26315697A JPH11102126A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 転写搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26315697A JPH11102126A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 転写搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11102126A true JPH11102126A (ja) 1999-04-13

Family

ID=17385582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26315697A Withdrawn JPH11102126A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 転写搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11102126A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009139952A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Toshiba Corp ベルト搬送装置及びベルトの蛇行規制方法
JP2010072071A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Brother Ind Ltd ベルトユニット及び画像形成装置
US8200124B2 (en) 2008-09-16 2012-06-12 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Belt unit and image forming device
US8335461B2 (en) 2008-12-22 2012-12-18 Canon Kabushiki Kaisha Belt member feeding device and image forming apparatus provided with the same
JP2014029449A (ja) * 2012-07-05 2014-02-13 Ricoh Co Ltd ベルト搬送装置、及び画像形式装置
JP2015007690A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 株式会社リコー 無端ベルト装置及び画像形成装置
JP2015169917A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 キヤノン株式会社 ベルト搬送装置及び画像形成装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009139952A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Toshiba Corp ベルト搬送装置及びベルトの蛇行規制方法
JP2010072071A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Brother Ind Ltd ベルトユニット及び画像形成装置
JP4645711B2 (ja) * 2008-09-16 2011-03-09 ブラザー工業株式会社 画像形成装置
US8200124B2 (en) 2008-09-16 2012-06-12 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Belt unit and image forming device
US8335461B2 (en) 2008-12-22 2012-12-18 Canon Kabushiki Kaisha Belt member feeding device and image forming apparatus provided with the same
US8630569B2 (en) 2008-12-22 2014-01-14 Canon Kabushiki Kaisha Belt member feeding device and image forming apparatus provided with the same
JP2014029449A (ja) * 2012-07-05 2014-02-13 Ricoh Co Ltd ベルト搬送装置、及び画像形式装置
JP2015007690A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 株式会社リコー 無端ベルト装置及び画像形成装置
JP2015169917A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 キヤノン株式会社 ベルト搬送装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8335461B2 (en) Belt member feeding device and image forming apparatus provided with the same
JP4038328B2 (ja) 画像形成装置、転写材搬送方法及び転写装置
US9417565B2 (en) Conveyor system and image forming apparatus including same
US10322893B2 (en) Image forming apparatus
US8260182B2 (en) Belt driving device and image forming apparatus equipped with the same
US10175614B2 (en) Belt device, transfer device, and image forming apparatus
JPH11102126A (ja) 転写搬送装置
JP5266776B2 (ja) ベルト寄り補正装置並びにベルト装置、画像形成装置
JP2000155478A (ja) ベルト駆動装置
US9971283B2 (en) Belt conveyance apparatus and image forming apparatus for reduced belt buckling
JPH11263469A (ja) ベルト駆動装置
US7300055B2 (en) Image forming apparatus
JP2005162466A (ja) ベルト駆動装置
JP3160062B2 (ja) ベルト駆動装置
JP3636273B2 (ja) 画像形成用ベルト装置
JP2002193471A (ja) シート搬送装置および画像形成装置
JP3901550B2 (ja) タンデム型カラー画像形成装置及びその像担持体間の距離の設定方法
JP3614424B2 (ja) 無端ベルトを用いた画像形成装置
JPH10268657A (ja) 転写搬送装置
JP3489423B2 (ja) 無端ベルトを用いた画像形成装置
JP3310630B2 (ja) 偏動検知部材、偏動制御装置及びベルト駆動装置
JP7360621B2 (ja) ベルト装置、転写装置、及び、画像形成装置
JP2009168891A (ja) 転写ベルト装置、これを備えた画像形成装置
JPH11202643A (ja) 画像形成装置
JP4220323B2 (ja) 無端ベルトを用いた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041207