JPH0510815U - ベルト駆動装置 - Google Patents
ベルト駆動装置Info
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- JPH0510815U JPH0510815U JP5693491U JP5693491U JPH0510815U JP H0510815 U JPH0510815 U JP H0510815U JP 5693491 U JP5693491 U JP 5693491U JP 5693491 U JP5693491 U JP 5693491U JP H0510815 U JPH0510815 U JP H0510815U
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- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動的に偏動を検出、修正することができる
ベルト駆動装置について、平ベルトを予め偏動させる構
成の信頼性を高める。 【構成】 第1〜第3の3本のロ−ラ1,2,3に転写
ベルト4を走行可能に掛け渡す。第3ロ−ラ3の軸端部
に偏動検出部材11を配設し、転写ベルト4が偏動して
偏動検出部材11に接触することによって発生する偏動
検出部材11の回転トルクを利用することで転写ベルト
4に逆方向の偏動成分を発生させて初期偏動を解消す
る。前記初期偏動の付勢力を与える手段として、各ロ−
ラ1,2,3の軸線から所定角度だけ傾斜されたロ−ラ
シャフト10c,10dに取付けられた片寄ロ−ラ10
a,10bの外周面を転写ベルト4の表裏面に夫々接触
させる。
ベルト駆動装置について、平ベルトを予め偏動させる構
成の信頼性を高める。 【構成】 第1〜第3の3本のロ−ラ1,2,3に転写
ベルト4を走行可能に掛け渡す。第3ロ−ラ3の軸端部
に偏動検出部材11を配設し、転写ベルト4が偏動して
偏動検出部材11に接触することによって発生する偏動
検出部材11の回転トルクを利用することで転写ベルト
4に逆方向の偏動成分を発生させて初期偏動を解消す
る。前記初期偏動の付勢力を与える手段として、各ロ−
ラ1,2,3の軸線から所定角度だけ傾斜されたロ−ラ
シャフト10c,10dに取付けられた片寄ロ−ラ10
a,10bの外周面を転写ベルト4の表裏面に夫々接触
させる。
Description
【0001】
本考案は、電子写真方式を用いた機器に内蔵され、転写ベルトや感光体ベルト
等を使用するベルト駆動装置に関するものである。
【0002】
従来より、例えば電子写真装置において、この装置の軽量化及びコンパクト化
を目的として、表面に誘電体層または感光体層を有する平ベルトを、互いに略平
行に配置した複数本のロ−ラに掛け渡すことによって、前記平ベルトを転写ドラ
ムまたは感光体ドラム等の代わりに転写ベルトまたは感光体ベルトとして利用す
ることが知られている。
【0003】
そして、このような用途に用いられる平ベルトは、その基材がプラスチックフ
ィルムや金属箔等のような伸びが小さくて強度の高い材料によって形成される場
合が多い。従って、この種の平ベルトは弾性変形し難い。そのために、前記電子
写真装置内に収容された部品の寸法誤差、ロ−ラの取付誤差、ベルト張力のアン
バランス、ベルト周長さの不均一などが生じている場合、これらをベルト自体の
変形によって吸収することができない。この結果、前記平ベルトが、走行時にベ
ルト幅方向へ偏動してしまうといった問題があった。
【0004】
しかし、前記電子写真装置は、正確な画像形成を行うために、高精度、高解像
度が要求されるので、この平ベルトの偏動を防止する必要がある。
【0005】
そして、このような、平ベルトの偏動を防止するための従来技術として、特開
昭56−127501号公報や特開昭59−205052号公報に示されるよう
に平ベルトに偏動防止用のガイドを設けたり、特開昭57−60347号公報に
示されるように規制部材を設けることによって平ベルトの偏動を強制的に防止す
るようにしたものがある。また、実開昭58−110609号公報に示されるよ
うに、1本のロ−ラを偏動調整用ロ−ラとすると共に偏動検出用のベルト位置セ
ンサを備えさせ、前記ベルト位置センサによって平ベルトの偏動が検出されると
、その偏動量に応じて偏動調整用ロ−ラの軸端部を変位させることにより偏動を
修正するようにしたものや、実開昭64−48457号公報に示されるように、
平ベルトが偏動すると、この偏動に伴なってロ−ラを回転軸方向に移動させ、こ
のロ−ラの移動によって該ロ−ラの回転軸を揺動させて、ロ−ラを反対方向へ移
動させることにより偏動を修正するようにしたものがある。
【0006】
しかしながら、前記特開昭56−127501号公報、特開昭59−2050
52号公報及び特開昭57−60347号公報に示されているような構成では、
平ベルトの偏動を外的要因により強制的に規制するようにしているから、平ベル
トとロ−ラとの組合わせの条件如何により機構として成立し得ない場合がある。
即ち、平ベルトの偏動に伴う寄り力が大きくなるものでは、ガイド及び規制部材
の強度を増大させておく必要がある。また、平ベルト自体の幅方向座屈強度を増
大させる必要があり、同時に平ベルト端部が損傷しないように端部強度も増大さ
せる必要がある。従って、ベルト厚さが薄くなるほど上記方式の採用は困難とな
る。また、平ベルトにガイドを設ける場合に、精度良くガイドを設ける必要があ
り、特にシ−ムレスベルトの場合では、このガイドを形成することが非常に困難
であった。
【0007】
また、前記実開昭58−110609号公報や実開昭64−48457号公報
に示されているような構成では、複雑なメカニズムを用いて偏動を検出、修正す
るために、高価でしかも余分なスペ−スを必要とし、装置全体としての大型化に
繋る。そればかりでなく、複雑な機構であるために、部品点数が多くなり、それ
だけ故障発生要因部が増加することになり、装置の信頼性が十分に確保されてい
るとは言い難いものであった。
【0008】
これらの点を解決するために、本考案の考案者は、自動的に偏動を検出、修正
することができるベルト駆動装置について、その構造の改良を進めている。詳し
くは、複数のロ−ラのうち1本を偏動調整用ロ−ラとし、この偏動調整用ロ−ラ
の片側に、該偏動調整用ロ−ラと独立して回転自在な偏動検出用ロ−ラを備えさ
せておく。そして、前記平ベルトを予め前記偏動検出用ロ−ラに向って偏動させ
るように構成しておく。そして、平ベルトの走行時に、該平ベルトが、その偏動
よって偏動検出用ロ−ラに接触すると、この接触により偏動検出用ロ−ラが回転
し、この回転力を偏動調整用ロ−ラの軸端部を移動させる力に変換することによ
って平ベルトに逆方向の偏動成分を与え、前記偏動を修正させるようにした構成
について開発している。
【0009】
本考案は、このように、自動的に偏動を検出、修正することができるベルト駆
動装置について、平ベルトを予め偏動させる構成について、その実用性を大幅に
向上させることを目的とする。
【0010】
この目的を達成するために、本考案は、予め、平ベルトを所定方向に偏動させ
るようにしながら、逐次、この偏動を修正するようにしたベルト駆動装置に対し
て、この偏動を与える機能を発揮するようなロ−ラを備えさせるようにした。具
体的に、請求項1記載の考案は、平ベルトと、該平ベルトが掛け渡され、少なく
とも1本が偏動調整用ロ−ラに構成された複数本のロ−ラと、前記偏動調整用ロ
−ラの一方の軸端部に、該偏動調整用ロ−ラと独立して回転自在に支持された偏
動検出部材と、前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移動させる
片寄付与手段と、前記偏動検出部材に連繋され、該偏動検出部材に前記平ベルト
が接して回転トルクが作用したときに、その回転運動を前記偏動調整用ロ−ラの
軸端部が所定方向に変位する運動に変換し、前記平ベルトを前記片寄付与手段に
よる移動方向とは逆方向に移動させるロ−ラ端部変位手段とを備えさせる。そし
て、前記片寄付与手段に、前記各ロ−ラの軸線から所定角度だけ傾斜された回転
軸を有する少なくとも1つの片寄ロ−ラを備えさせ、該片寄ロ−ラの外周面を前
記平ベルトに接触させるような構成としている。
【0011】
請求項2記載の考案は、前記請求項1記載のベルト駆動装置において、平ベル
トの表裏面に夫々接触する一対の片寄ロ−ラを平ベルトを挟んで配設するような
構成としている。
【0012】
請求項3記載の考案は、前記請求項1記載のベルト駆動装置において、同軸上
に配置された複数の片寄ロ−ラを備えさせ、各片寄ロ−ラの外周面を前記平ベル
トに接触させるような構成としている。
【0013】
請求項4記載の考案は、請求項1,2または3記載のベルト駆動装置において
、片寄ロ−ラを、偏動検出部材が配設されている側の平ベルトの端縁部近傍に配
置するような構成とした。
【0014】
上記の構成により本考案では以下に述べるような作用が得られる。先ず請求項
1記載の考案では、各ロ−ラの軸線から所定角度だけ傾斜された回転軸を有する
少なくとも1つの片寄ロ−ラを備えた片寄付与手段の作用によって、平ベルトが
偏動検出部材の配設位置に向かって偏動し、該偏動検出部材に接すると、該偏動
検出部材が平ベルトとの接触摩擦により回転する。そして、ロ−ラ端部変位手段
によってこの偏動検出部材の回転運動が、前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定
方向に変位する運動に変換される。このようにして偏動調整用ロ−ラの軸端部が
変位すると、平ベルトに前記偏動方向とは逆方向の偏動変位が発生するために、
前記初期の偏動を修正する。つまり、初期の偏動に応じた偏動調整用ロ−ラの軸
端部の変位量が自動的に与えられ、平ベルトの偏動を修正する。このため、前記
平ベルトは安定した走行を行うことができ、特に、このベルト駆動装置を電子写
真装置に適用した場合には正確な画像形成を行うことができる。また、前記片寄
付与手段は、上述したように各ロ−ラの軸線から所定角度だけ傾斜された回転軸
を有する少なくとも1つの片寄ロ−ラを備えており、該片寄ロ−ラの外周面が前
記平ベルトに接触されているため、平ベルトの走行時には、該平ベルトに、片寄
ロ−ラにより、偏動検出部材へ向かう付勢力が確実に与えられ、この付勢力によ
って平ベルトは、偏動検出部材へ向かう初期偏動が行われる。このように、片寄
ロ−ラによって平ベルトの初期偏動を確実に行わせることができる。
【0015】
請求項2記載の考案では、平ベルトの走行時には、該平ベルトの表裏面に夫々
接触する一対の片寄ロ−ラによって、平ベルトに偏動検出部材へ向かう初期偏動
を行わせる。このように、平ベルトの両面から初期偏動のための付勢力が与えら
れるため、この初期偏動をより確実に行わせることができる。
【0016】
請求項3記載の考案では、平ベルトの走行時には、同軸上に配置され、且つ平
ベルトに接触された複数の片寄ロ−ラによって、平ベルトに偏動検出部材へ向か
う初期偏動を行わせる。このように、複数の片寄ロ−ラによって付勢力が与えら
れるため、これによっても、初期偏動を確実に行わせることができる。
【0017】
請求項4記載の考案では、片寄ロ−ラが偏動検出部材が配設されている側の平
ベルトの端縁部近傍に配置されているために、該片寄ロ−ラは、平ベルトの初期
偏動方向側の端縁部を引張るようにして前記初期偏動を行わせる。これにより、
平ベルトの撓みや皺の発生を回避しながら確実な初期偏動を行わせることができ
る。
【0018】
以下、本考案の第1実施例を図面に沿って詳細に説明する。
【0019】
図1は、本考案による電子写真装置内に収容されたベルト駆動装置を示してい
る。3軸系の転写ベルトの駆動装置の全体を示す図1において、1,2,3は、
夫々第1、第2及び第3ロ−ラである。各ロ−ラ1,2,3は、夫々軸部材1a
,2a,3aと、該軸部材1a,2a,3aの左右両端部を除いた部分で、軸部
材1a,2a,3aと同心上で僅かに大径に形成されたゴム等で成る筒状体1b
,2b,3bとから成っている。この筒状体1b,2b,3bの材料としては、
例えばEPDM系架橋ゴムが採用される。但し、この各筒状体1b,2b,3b
は樹脂やアルミニウムなどのように弾性体材料でないものであってもよい。 前
記各ロ−ラ1,2,3には、基材の表面に誘電体層が形成されて成る本考案でい
う平ベルトとしての転写ベルト4が走行可能に掛け渡されている。従って、本ベ
ルト駆動装置は、前記転写ベルト4が電子写真装置の転写搬送体として機能する
ようになっている。また、前記転写ベルト4の基材としては、例えば2軸延伸ポ
リエステルが採用されており、引張弾性率が200kg/mm2 以上に設定されてい
る。
【0020】
第1ロ−ラ1は、軸部材1aが駆動モ−タ5の駆動軸に連結されて該駆動モ−
タ5の駆動力が伝達可能となっている。つまり、この第1ロ−ラ1が駆動ロ−ラ
として機能するようになっている。
【0021】
第2ロ−ラ2は、従動ロ−ラであって、その軸線が前記第1ロ−ラ1の軸線と
平行に配置されている。
【0022】
第3ロ−ラ3は、本考案でいう偏動調整用ロ−ラであって、この軸線も前記第
2ロ−ラ2と同様に第1ロ−ラ1の軸線と平行に配置されている。また、この第
3ロ−ラ3は、その左右両軸端部に配設されたスプリング3c,3cによってC
方向に付勢力が与えられている。そして、この付勢力によって転写ベルト4の張
力が調整されるようになっている。
【0023】
また、第3ロ−ラ3の軸端部は、図2及び図3に示すように、軸受部材である
ブッシュ7を介して下枠8aに回転可能に支持されている。また、この下枠8a
は、可動部材6に取付けられた上枠8bにスライドベアリング9を介して係合し
ている。従って、前記下枠8a、上枠8b及びスライドベアリング9により、第
3ロ−ラ3の軸端部をロ−ラ軸線と略直行する方向に移動可能に支持するロ−ラ
支持部材8が構成されている。また、第3ロ−ラ3の軸部材3aにおける下枠8
aの取付位置より内側位置には偏動検出部材11が第3ロ−ラ3と同軸上で且つ
、該第3ロ−ラ3から独立して回動自在となるように軸部材3aに支持されてい
る。また、軸部材3aの外側端部にはリング部材12が装着されている。
【0024】
前記偏動検出部材11は、前記転写ベルト4のベルト材と摩擦係数が高く且つ
耐摩耗性に優れたウレタンエラストマ等によって形成されている。そして、この
偏動検出部材11は、その内側端面が、前記第3ロ−ラ3の筒状体3bの端面と
小間隙を存して近接配置されている。また、この偏動検出部材11は、第3ロ−
ラ3の筒状体3bの端面に対向する部分の外径が第3ロ−ラ3の外径と同径に設
定され、且つ筒状体3b端面から離れるに従って次第にその径が大きくなるテ−
パ状に傾斜された乗り上げ面11aを有している。そして、これによって、転写
ベルト4にA方向の偏動が発生すると、図2に仮想線で示すように、その偏動に
より転写ベルト4が偏動検出部材11の乗り上げ面11aに乗り上げるようにな
っている。
【0025】
また、前記偏動検出部材11には、紐部材13の一端が連結されている。一方
、この紐部材13の他端は固定部材Sに取付けられている。つまり、後述する片
寄付与手段10の動作によって発生する転写ベルト4の偏動により、転写ベルト
4が偏動検出部材11の乗り上げ面11aに乗り上げ、偏動検出部材11に回転
トルクが作用したとき、偏動検出部材11の回転により前記紐部材13が偏動検
出部材11に巻き取られて、前記第3ロ−ラ3のA方向の軸端部を、第1ロ−ラ
1の軸端部から離れる方向に、即ち、図1B方向に変位させるようになっている
。即ち、第3ロ−ラ3をベルト進行方向に向って右方向に傾けた状態で、転写ベ
ルト4を第3ロ−ラ3の周方向に沿って巻回させることによって、該転写ベルト
4を図中A方向とは逆方向に移動させるように構成されている。これによって、
偏動検出部材11に回転トルクが作用したときに前記第3ロ−ラ3の軸端部を所
定方向に変位させるロ−ラ端部変位手段14が構成されている。即ち、第3ロ−
ラ3の軸端部がB方向に変位されると、転写ベルト4は、A方向とは逆方向へ巻
回されながら走行するために、初期の偏動成分(A方向成分)とは逆の偏動成分
が発生し、初期の偏動成分と打ち消し合うまで軸部材3aの軸端部が変位される
ことになる。
【0026】
また、図4に示すように、軸部材3aの外側端部のリング部材12にはスプリ
ング15が連結され、このスプリング15が紐部材13の巻取動作による変位方
向とは反対方向に常時付勢するようになっており、スプリング15によって第3
ロ−ラ3の軸端部の所定量以上の変位を抑制するようになっている。このような
構成により、第3ロ−ラ3の軸端部の変位による逆方向の偏動成分が片寄付与手
段10の動作によって生じる初期偏動成分より大きくなると、転写ベルト4は逆
方向に偏動を開始し、偏動検出部材11の乗り上げ面11aへの乗り上げ量は減
少するから、偏動検出部材11の回転トルクも減少し、その結果、スプリング1
5によって第3ロ−ラ3の軸端部の変位量も小さくなるようになっている。
【0027】
また、偏動検出部材11のロ−ラ端部外側への移動はストッパ16によって規
制されている。
【0028】
次に、本例の特徴とするところの片寄付与手段10について説明する。この片
寄付与手段10は、前記第1ロ−ラ1と第2ロ−ラ2の略中間位置に配置されて
、転写ベルト4の表面4a及び裏面4bの夫々に当接された上下一対の片寄ロ−
ラ10a,10bを備えている。各ロ−ラ10a,10bについて説明すると、
転写ベルト4の裏面4bに当接する上側片寄ロ−ラ10aは、その外周部分にゴ
ム等の摩擦係数の高い部材が配設されていると共に、その回転軸となるロ−ラシ
ャフト10cは、平面視においては、各ロ−ラ1,2,3の軸部材1a,2a,
3aと平行であって、図6に示すような正面視では、転写ベルト4から離れるに
したがって、所定角度αをもって上方へ傾斜するように配置されている。これに
より、転写ベルト4の走行時には、この上側片寄ロ−ラ10aから転写ベルト4
の表面に作用する力は、ベルト表面に対して斜め下方外側に傾斜されることにな
り、その分力の一部は矢印D方向に向っていることになる。したがって、この上
側片寄ロ−ラ10aによって矢印D方向への付勢力が与えられるようになってい
る。
【0029】
一方、転写ベルト4の表面4aに当接する下側片寄ロ−ラ10bも、前記上側
片寄ロ−ラ10aと同様に、その外周部分にゴム等の摩擦係数の高い部材が配設
されている。また、この下側片寄ロ−ラ10bにおける回転軸となるロ−ラシャ
フト10dは、平面視においては、各ロ−ラ1,2,3の軸部材1a,2a,3
aと平行であって、図6に示すような正面視では、転写ベルト4から離れるにし
たがって、所定角度αをもって下方へ傾斜するように配置されている。これによ
っても、転写ベルト4の走行時には、この下側片寄ロ−ラ10bから転写ベルト
4の裏面に作用する力は、ベルト裏面に対して斜め上方外側に傾斜されることに
なり、その分力の一部は矢印D方向に向っていることになる。したがって、前記
上側片寄ロ−ラ10aと同様に、転写ベルト4の走行時には、この下側片寄ロ−
ラ10bによって矢印D方向への付勢力が与えられるようになっている。
【0030】
以下、上記の構成による動作について説明する。先ず、転写ベルト4の走行時
には、前記片寄付与手段10の各ロ−ラ10a,10bによって、転写ベルト4
は常に図1におけるA方向(図6におけるD方向)へ偏動するような力が作用し
ており、これによって、転写ベルト4は、走行しながら偏動検出部材11に向か
って偏動する、
そして、転写ベルト4の偏動により転写ベルト4の端部が偏動検出部材11の
乗り上げ面11aに乗り上げると、図5に示すように、転写ベルト4と偏動検出
部材11の乗り上げ面11aとの間に作用する摩擦力により、偏動検出部材11
が軸部材3aに対して回転せしめられ、その回転によって紐部材13を巻取るこ
とになる。
【0031】
この紐部材13の巻取りにより、偏動検出部材11が配置されている第3ロ−
ラ3の軸端部がB方向へ変位し、その変位により転写ベルト4はA方向と逆方向
に巻回されながら走行することになって、転写ベルト4のA方向への偏動が制限
される。それと共に、前記軸端部の変位により、スプリング15が伸びてスプリ
ング力も作用しているので、紐部材13の巻取り力とスプリング15のスプリン
グ力とのバランスにより、第3ロ−ラ3の変位量が規制され、ある一定位置に転
写ベルト4の端部の位置が維持されることになる。
【0032】
このようにして転写ベルト4の走行が行われるために、転写ベルト4の大きな
偏動が防止され、例えば、転写ベルト4の偏動量を10数μmに抑えることがで
きる。つまり、予め転写ベルト4を一方向へ偏動させながら、その偏動を自動的
に逐次修正するようにしていることにより、偏動量を微量にすることができ、転
写ベルト4に安定した走行を行わせることができ、本例のような電子写真装置に
あっては正確な画像形成を行うことができる。
【0033】
このように、本実施例では、片寄付与手段10に備えられた各ロ−ラ10a,
10bにより、転写ベルト4が偏動検出部材11に向かって移動する初期偏動を
確実に与えることができ、この種のベルト駆動装置の実用性を大幅に向上するこ
とができる。また、各ロ−ラ10a,10bの傾斜角度αを任意に設定して、転
写ベルト4に与えられる初期偏動方向の付勢力の大きさを調整するようにすれば
、この初期偏動の偏動速度を自由に設定することができる。
【0034】
(変形例)
次に、請求項3記載の考案に係る変形例について説明する。本例は、片寄付与
手段10の変形例であり、その他の構成は上述した実施例と同様であるため説明
を省略し、その特徴部分のみについて述べる。図7に示すように、本例の片寄付
与手段10は、各ロ−ラシャフト10c,10d上に径の異なる3つの片寄ロ−
ラ10e,10f,10gが夫々配設されている。詳述すると、各ロ−ラシャフ
ト10c,10dは、上述した実施例と同様に、転写ベルト4に対して所定の傾
斜角度βを存して配設されており、各片寄ロ−ラ10e,10f,10gは、夫
々の外周部が転写ベルト4の表裏面4a,4bに夫々に接触するように、ロ−ラ
シャフト10c,10dの先端側に配設されているものの径が小さく、該ロ−ラ
シャフト10c,10dの基端側に向かってしだいに径が小さいものが設けられ
ている。
【0035】
このような構成によれば、片寄付与手段10によって転写ベルト4に与えられ
る初期偏動方向の付勢力を確実に転写ベルト4に伝達することができ、装置の信
頼性が向上される。
【0036】
次に、請求項4記載の考案に係る変形例について説明する。本例も、片寄付与
手段10の変形例であり、その他の構成は上述した実施例と同様であるため説明
を省略し、その特徴部分のみについて述べる。図8に示すように、本例の片寄付
与手段10は、各ロ−ラシャフト10c,10dが平面視において各ロ−ラ1,
2,3の軸線から傾斜配置されている。詳述すると、図8の如く、転写ベルト4
の表面側においてロ−ラシャフト10cは、ベルト幅方向内側に向うにしたがっ
て転写ベルト4の走行方向(矢印参照)に向って傾斜するように配置され、その
先端部に片寄ロ−ラ10aが回転自在に取り付けられている。また、転写ベルト
4の裏面側においても同様の構成とされている。
【0037】
このような構成により、転写ベルト4の走行時には、片寄ロ−ラ10aの回転
方向が斜め外側に向うことになり、これによっても、転写ベルト4の走行に伴う
該転写ベルト4の初期偏動が確実に行われ、装置の信頼性が向上される。更に、
このような構成によれば、片寄ロ−ラ10aが転写ベルト4の偏動側端部を外側
に引張ることになるため、平ベルト4の撓みや皺の発生を回避することもできる
。
【0038】
尚、上述した各例では、電子写真装置の転写ベルトの駆動装置について説明し
たが、本考案は、これに限らず、感光体ベルトの駆動装置、或いは通常の平ベル
ト駆動装置についても同様に適用することができる。また、片寄付与手段10と
して第2ロ−ラ2や第3ロ−ラ3を第1ロ−ラ1に対して傾斜配置させたり、転
写ベルト4に張力を与えるためのスプリング3c,3cの付勢力を左右で異なる
ようにする構成と、本考案の構成とを組合わせることで、より確実で且つ最適な
偏動状態を得るようにすることもできる。
【0039】
上述してきたように、本考案によれば、以下に述べるような効果が発揮される
。先ず、請求項1記載の考案によれば、片寄付与手段に、各ロ−ラの軸線から所
定角度だけ傾斜された回転軸を有する少なくとも1つの片寄ロ−ラを備えさせ、
該片寄ロ−ラの外周面を平ベルトに接触させるようにして、平ベルトの走行時に
、該平ベルトに偏動検出部材へ向かう付勢力を与え、この付勢力によって平ベル
トに偏動検出部材へ向かう初期偏動を行わせるようにしているため、平ベルトの
初期偏動を確実に行わせることができ、ベルト駆動装置の実用性を大幅に向上す
ることができる。
【0040】
請求項2記載の考案によれば、平ベルトの表裏面に夫々接触する一対の片寄ロ
−ラによって平ベルトの両面から付勢力を与えるようにして平ベルトの初期偏動
を行わせるようにしているため、初期偏動をより確実に行わせることができる。
【0041】
請求項3記載の考案によれば、同軸上に配置され且つ平ベルトに接触された複
数の片寄ロ−ラによって、平ベルトの初期偏動を行わせるようにしているため、
複数の片寄ロ−ラによって付勢力を与えることができ、これによっても、初期偏
動を確実に行わせることができる。
【0042】
請求項4記載の考案によれば、片寄ロ−ラを偏動検出部材が配設されている側
の平ベルトの端縁部近傍に配置して、該片寄ロ−ラにより、平ベルトの初期偏動
方向側の端縁部を引張るようにして初期偏動を行わせるようにしているために、
この片寄ロ−ラにより、確実な初期偏動を行わせることができるばかりでなく、
平ベルトの撓みや皺の発生を回避することもできるため、特に、実用性の向上が
図れるものである。
【図1】ベルト駆動装置の概略斜視図である。
【図2】偏動検出部材周辺の縦断正面図である。
【図3】偏動検出部材周辺を内側から見た斜視図であ
る。
る。
【図4】偏動検出部材周辺を外側から見た斜視図であ
る。
る。
【図5】ロ−ラ端部変位手段の動作を説明するための図
である。
である。
【図6】片寄付与手段の配設状態を示す図である。
【図7】変形例における図6相当図である。
【図8】別の変形例における片寄ロ−ラ周辺の平面図で
ある。
ある。
1 第1ロ−ラ
2 第2ロ−ラ
3 第3ロ−ラ
4 転写ベルト(平ベルト)
10 片寄付与手段
10a 上側片寄ロ−ラ
10b 下側片寄ロ−ラ
10c,10d ロ−ラシャフト
10e,10f,10g 片寄ロ−ラ
11 偏動検出部材
14 ロ−ラ端部変位手段
Claims (4)
- 【請求項1】 平ベルトと、該平ベルトが掛け渡され、
少なくとも1本が偏動調整用ロ−ラに構成された複数本
のロ−ラと、 前記偏動調整用ロ−ラの一方の軸端部に、該偏動調整用
ロ−ラと独立して回転自在に支持された偏動検出部材
と、 前記平ベルトを前記偏動検出部材の配設位置に向って移
動させる片寄付与手段と、 前記偏動検出部材に連繋され、該偏動検出部材に前記平
ベルトが接して回転トルクが作用したときに、その回転
運動を前記偏動調整用ロ−ラの軸端部が所定方向に変位
する運動に変換し、前記平ベルトを前記片寄付与手段に
よる移動方向とは逆方向に移動させるロ−ラ端部変位手
段とを備え、 前記片寄付与手段は、前記各ロ−ラの軸線から所定角度
だけ傾斜された回転軸を有する少なくとも1つの片寄ロ
−ラを備え、該片寄ロ−ラの外周面が前記平ベルトに接
触されていることを特徴とするベルト駆動装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のベルト駆動装置におい
て、片寄付与手段は、平ベルトを挟んで配設され、該平
ベルトの表裏面に夫々接触する一対の片寄ロ−ラを備え
ていることを特徴とするベルト駆動装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のベルト駆動装置におい
て、片寄付与手段は、同軸上に配置された複数の片寄ロ
−ラを備えて成っており、各片寄ロ−ラの外周面が前記
平ベルトに接触されていることを特徴とするベルト駆動
装置。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載のベルト駆動
装置において、片寄ロ−ラは、偏動検出部材が配設され
ている側の平ベルトの端縁部近傍に配置されていること
を特徴とするベルト駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5693491U JPH0510815U (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | ベルト駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5693491U JPH0510815U (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | ベルト駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0510815U true JPH0510815U (ja) | 1993-02-12 |
Family
ID=13041355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5693491U Withdrawn JPH0510815U (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | ベルト駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0510815U (ja) |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP5693491U patent/JPH0510815U/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19951102 |