JPH0524368U - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字媒体の一部に貼られたシール等の厚みに
より、印字範囲の一部に生じた印字面上の盛り上がり部
分の影響を受けず、良好な印字品位及び安定した印字が
可能な装置を提供することを目的とする。 【構成】 キャリッジ２のガイド部２ａが、印字面のふ
くらみに乗り上げて矢印Ｃの向きに移動すると、キャリ
ッジ２全体が、メインシャフト６の周囲に、矢印Ｄの向
きに回転する。このとき、キャリッジ２にとりつけられ
たガイドアーム２２は、スプリング２４の押圧力に抗し
て、ガイドローラ２１とガイドローラ２３の間隔を離す
向きに移動するので、ガイドビーム７が、キャリッジ２
の回転を妨げることがなく、ガイド部２ａが、印字面の
ふくらみをスムーズに乗り越えることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、通帳やその他の媒体に印字を行なうための、印字装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

図４は従来の通帳証書類印字装置の印字機構部を示す斜視図である。

【０００３】 図４において、印字ヘッド１は、プラテン８に対向してキャリッジ２に取り付 けられている。キャリッジ２は、プラテン８と平行に配置されたメインシャフト ６に支持されており、メインシャフト６上を平行に移動することができる。

【０００４】 キャリッジ２は、その下部にガイド部２ａを備えている。ガイド部２ａは、媒 体の走行をガイドし、図示せぬインクリボンによる媒体の汚れを防ぐ他、印字ヘ ッド１を媒体から守るためのものである。また、キャリッジ２は、その上部にガ イドローラ３が回転可能に取り付けられている他、ガイドプレート４が取り付け られている。ガイドプレート４にはガイドローラ５が回転可能に取り付けられて いる。そして、ガイドローラ３とガイドローラ５は、メインシャフト６と平行に 配置されたガイドビーム７をはさみ込むことにより、メインシャフト６と共にキ ャリッジ２の移動をガイドしている。

【０００５】 印字ヘッド１の先端と印字面との間隔は最適な印字ヘッド１のインパクト力を 確保するために、一定間隔のヘッドギャップが設定されている。

【０００６】 図５はヘッドギャップ自動調整機構を示す側面図である。図５を用いてヘッド ギャップの設定動作を説明する。

【０００７】 まず、プラテン８とガイド部２ａの間に通帳９を搬送した後、図示せぬ制御部 の指示により、ステッピングモータ１０を矢印Ａ１方向に回転させる。これによ りギア１１及び１２を経てプラテン８のラック部８ａに駆動が伝達される。そし て、プラテン８は矢印Ａ２方向に上昇し通帳９をガイド部２ａに押し付ける。

【０００８】 ステッピングモータ１０はその軸１０ａにギア１１の他スリットディスク１３ が取り付けられており、スリットディスク１３を挟むセンサ１４の信号により制 御部はステッピングモータ１０の動作を監視している。

【０００９】 図示せぬ制御部は、ステッピングモータ１０を矢印Ａ１方向に回転させようと しているにもかかわらず、スリットディスク１３が回転しないことをセンサ１４ の信号によって検知し、これにより通帳９を介してプラテン８がガイド部２ａに 突き当たったことを検知する。ここでいったんステッピングモータ１０を停止す る。そして次に、矢印Ｂ１方向に一定量ステッピングモータ１０を回転させるこ とによりプラテンを矢印Ｂ２方向に下降させ、ガイド部２ａと通帳９の印字面と の間に一定の間隔を確保する。

【００１０】 印字ヘッド１は、ガイド部２ａが通帳９と接触した面と印字ヘッド１の先端と が、一定の間隔となるように固定されているため、以上の動作によりヘッドギャ ップは設定される。また、印字面とガイド部２ａとの間に一定の間隔を設けるこ とにより、印字の高速化を可能としている。

【００１１】 図６は印字媒体の一例である通帳の外観図を示し、図６（ａ）は正面図、図６ （ｂ）は平面図、図６（ｃ）は側面図を示す。図６は通帳を綴じ目１５より開い た状態を示しており、裏表紙１６の中紙１７側の面には印鑑シール１８が貼り付 けられており、その裏側の面には磁気ストライプ１９が貼り付けられている。

【００１２】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述した従来の印字装置では、一部に磁気ストライプや印鑑シ ール等が貼り付けられた通帳を印字する場合、磁気ストライプや印鑑シールの厚 みにより、平坦であるはずの印字面の一部に図６の１７ａ部及び１７ｂ部の如く 盛り上がり部が生じるため、印字の際、この盛り上がり部にキャリッジ下部のガ イド部が衝突し、これにより、通帳を斜行させ斜め印字が発生したり、斜行した 通帳を搬送することによりジャムが発生し易くなる等の欠点があった。

【００１３】 本考案は、通帳等の媒体の一部に貼られた印鑑シールや磁気ストライプ等の厚 みにより、印字範囲の一部に生じた印字面の盛り上がり部分の影響を受けず、良 好な印字品位及び安定した印字を保つことができる、優れた装置を提供すること を目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、印字装置の印字機構部において、キャリッジを支持するメインシャ フトを支点として、印字ヘッドを取り付けたキャリッジを、印字面とキャリッジ のガイド部との間隔が広がる方向に移動可能とする機構を設けたものである。

【００１５】

【作用】

メインシャフトを支点として、印字ヘッドを取り付けたキャリッジを、印字面 とキャリッジのガイド部との間隔が広がる方向に移動可能とすることにより、印 字の際、通帳の一部に貼られた印鑑シールや磁気ストライプ等の厚みによる印字 面上の盛り上がり部に、キャリッジ下部のガイド部が衝突した際の負荷を取り除 くことができる。

【００１６】

【実施例】

以下本考案にかかわる実施例を図面にしたがって説明する。なお各図面に共通 する要素には同一の符号を付す。

【００１７】 図１は本考案の実施例を示す通帳証書類印字装置の印字機構部を示す斜視図で ある。

【００１８】 図１において、キャリッジ２の上部には、回転可能なガイドローラ２３を有す るガイドプレート２２が取り付けられている。また、キャリッジ１の上部には、 回転可能なガイドローラ２１を有するレバー２０が、支点２０ａを軸として回転 可能に取り付けられている。

【００１９】 レバー２０は、ガイドプレート２２との間に取り付けられたスプリング２４に より、ガイドプレート２２側に引っ張られており、これにより、レバー２０に支 持されたガイドローラ２１は、ガイドローラ２３側に向けて所定の圧力が加えら れている。そして、ガイドローラ２１とガイドローラ２３は、メインシャフト６ と平行に配置されたガイドビーム７を、前述のスプリング２４の力によりはさみ 込むことで、メインシャフト６と共にキャリッジ２の移動をガイドしている。ま た、メインシャフト６はキャリッジ２を平行移動可能に支持している他、図の如 くメインシャフト６は円柱形を成すため、メインシャフト６を支点にキャリッジ ２を回転可能にも支持している。

【００２０】 上記以外の構成は従来と同様であるので省略する。

【００２１】 以上の構成により、キャリッジ２は矢印Ｃ方向に所定の力が加わると、メイン シャフト６を支点として矢印Ｄ方向に回転することができる。

【００２２】 ただし、キャリッジ２を矢印Ｃ方向に移動させる力は、印字の際における印字 ヘッド１のインパクト力よりも強く、ヘッドギャップを設定する際通帳９を介し てプラテン８をガイド部２ａに突き当てる力よりも強く設定されているため、通 常の印字動作には何ら支障を及ぼさない。

【００２３】 次に、上記印字機構による動作を説明する。図２は本考案の実施例である印字 機構を用いて、通帳の印鑑シールや磁気ストライプの貼られていない部分を印字 する状態を示す説明図であり、図２（ａ）は正面図、図２（ｂ）は平面図、図２ （ｃ）は側面図を示す。

【００２４】 図２において、印字ヘッド１の先端と通帳９の印字面とのヘッドギャップは、 従来と同様のヘッドギャップ自動調整動作により、最適な間隔が設定されている 。ガイドローラ２１及び２３はスプリング２４の力によりガイドビーム７に絶え ず接触した状態で、ヘッドギャップの自動調整及び印字動作を行っている。

【００２５】 図３は本考案の実施例である印字機構を用いて、通帳の印鑑シールを貼り付け た上の印字面を印字する状態を示す説明図であり、図３（ａ）は正面図、図３（ ｂ）は平面図、図３（ｃ）は側面図を示す。

【００２６】 図３において、印字ヘッド１の先端と通帳９の印字面とのヘッドギャップは、 従来と同様のヘッドギャップ自動調整動作により、最適な間隔が設定されている 。ただし、ヘッドキャップの設定は印鑑シールや磁気ストライプの無い部分で行 われる。

【００２７】 印鑑シール１８上を印字する場合、図の如く印鑑シール１８の厚さにより、キ ャリッジ２がメインシャフト６を支点とし矢印Ｄ方向に傾き、ガイド部２ａが印 字面と接触しながら印字を行う。この時、キャリッジ２の傾きに相当する量だけ ガイドローラ２３とガイドビーム７との間に隙間が生じている。

【００２８】 また、磁気ストライプ１９の貼られている上を印字する場合も同様にキャリッ ジが傾き印字を行うことができる。

【００２９】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案によれば 印字媒体の一部に貼られたシール等の厚みにより、印字範囲の一部に、印字面 上の盛り上がり部分を有する媒体を印字する際、メインシャフトを支点として、 印字ヘッドを取り付けたキャリッジを、印字面とキャリッジのガイド部との間隔 が広がる方向に移動可能としたため、印字面上の盛り上がり部に、キャリッジの ガイド部が衝突した際、キャリッジ側が移動して逃げることにより、衝突時に負 荷を生じることなく印字を行うことが可能となる。

【００３０】 このことにより、印字範囲の一部に印字面上の盛り上がり部分を有する媒体に 対し、媒体を斜行させることなく、高品位の印字を安定した動作で、しかも高速 度で行うことができるという効果が得られる。

【００３１】 また、印字面上の盛り上がり部にガイド部が衝突する際の負荷がなくなるため 、衝突による媒体の破損を防止できるという効果も得ることができる。

【００３２】 なお、前記実施例において、印字媒体を通帳に限定して説明を行ったが、媒体 はこれに限定されるものではなく、例えば、磁気ストライプ付きの証書等のよう に印字範囲の一部に印字面の盛り上がり部分が生じた媒体であれば、同様の効果 を得ることができる。

【００３３】 前記実施例において、ヘッドギャップの設定動作をプラテンを上下する方式に より説明したが、ヘッドギャップの自動調整機構はこれに限定されるものではな く、例えば印字ヘッドをキャリッジと共に上下させることにより、ヘッドギャッ プを設定する方式であっても構わない。

【００３４】 また、前記実施例において、キャリッジ下部のガイド部を、キャリッジと一体 のものとして説明したが、ガイド部はキャリッジと一体のものに限定されるもの ではなく、キャリッジ上に固定されていれば、それぞれ別の構成であっても構わ ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す通帳証書類印字装置の印
字機構部を示す斜視図

【図２】通帳の印鑑シールや磁気ストライプの貼られて
いない部分を印字する状態を示す説明図

【図３】通帳の印鑑シールを貼り付けた上の印字面を印
字する状態を示す説明図

【図４】従来の通帳証書類印字装置の印字機構部を示す
斜視図

【図５】ヘッドギャップ自動調整機構を示す側面図

【図６】通帳の外観図

【符号の説明】

２ キャリッジ ２０ レバー ２１ ガイドローラ ２２ ガイドプレート ２３ ガイドローラ ２４ スプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メインシャフトと、該メインシャフトに
   よって、該メインシャフトの軸方向に移動可能に、かつ
   前記軸方向と垂直な方向に回転可能に、支持されたキャ
   リッジと、該キャリッジに搭載された印字ヘッドと、前
   記メインシャフトに平行に配置されたガイドビームと、
   該ガイドビームを挟み込むように該キャリッジ上に設け
   られた第１のガイドローラおよび第２のガイドローラ
   と、前記印字ヘッドと対向し前記メインシャフトと平行
   に配置されたプラテンとを備え、該キャリッジを該メイ
   ンシャフトの軸方向に移動させつつ前記印字ヘッドを駆
   動して印字を行う印字装置において、 前記第１のガイドローラを前記ガイドビームに垂直な方
   向に移動可能に該キャリッジに支持する、ガイドローラ
   支持手段と、前記第１のガイドローラを前記ガイドビー
   ムに押圧する向きに該ガイドローラ支持手段を押圧す
   る、押圧手段とを設けたことを特徴とする印字装置。