JPH0524298Y2 - - Google Patents

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JPH0524298Y2
JPH0524298Y2 JP1986048682U JP4868286U JPH0524298Y2 JP H0524298 Y2 JPH0524298 Y2 JP H0524298Y2 JP 1986048682 U JP1986048682 U JP 1986048682U JP 4868286 U JP4868286 U JP 4868286U JP H0524298 Y2 JPH0524298 Y2 JP H0524298Y2
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、品質及び耐衝撃強度等が優れたレト
ルト容器入り焼魚に関する。
(従来の技術) 魚類を原料とするレトルト食品は、特開昭58−
175477号、或いは同59−42838号等で提案されて
いる。前者は生魚と調味液とをレトルトパウチに
入れ、脱気密封した後レトルト殺菌処理すること
により、殺菌時に於けるカードの発生及び煮崩れ
を防止して魚を調理する技術である。また後者
は、白身魚の魚肉を酸性溶液中に浸漬した後、蒸
煮してからレトルトパウチに入れ、魚肉のPHが特
定のものになるように調味液を注入し、真空包装
して加圧加熱殺菌する技術である。同技術の効果
は、殺菌時に於けるカードの発生及び煮崩れを防
止することである。
ところで、以上のような公知文献で提案されて
いる魚類のレトルト食品は、何れも魚体及び調味
液を容器に収容してレトルト殺菌処理したいわゆ
る“煮魚”に関するものである。これに対して、
現状では“焼魚”のレトルト食品は未だ提案され
ていない。
本考案者らは、特に“焼魚”のレトルト食品に
注目し、これを種々試作検討した結果、焼魚のレ
トルト食品を製造する場合には、下記するような
特有の問題が発生することを知つた。
即ち、第1の問題は、焼魚のレトルト食品の場
合には、魚体が直接容器に収容される(煮魚の場
合のように容器内に煮汁が収容されない)ため、
容器の外部からかかる衝撃が魚体にまで及びやす
く、レトルト殺菌時或いは輸送時等に魚体の身崩
れ或いは表皮の剥離が起こりやすいことである。
第2の問題は、レトルト殺菌時に魚体が離水現
象を起こして液汁(以下ドリツプと称する)を放
出し、このドリツプが魚体と容器内面との間に介
在することにより、焼魚に求められるドライな食
感及び風味が著しく損われることである。特に容
器が透明である場合には、ドリツプが流出するこ
と及びドリツプ中の油分が冷却時に魚体表面に付
着、固化することにより外観が著しく損われる。
(考案が解決しようとする問題点) 本考案は、上記のような問題を解決し、ドリツ
プの発生が極力押えられて品質が優れ、同時にレ
トルト殺菌時、輸送時等に於ける耐衝撃強度が付
加されたレトルト容器入り焼魚を提供することを
目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本考案者らは、上記の目的を達成すべく試作検
討を繰返した結果、以下なる知見を得た。
即ち、基本的に、焼魚のレトルト食品は、焼魚
を、皿状容器と該皿状容器の上方開放部に覆設す
るためのフイルム製蓋材又は該皿状容器を収容密
封するためのフイルム製袋状容器とから構成され
たレトルト容器に真空包装することによつて構成
する。そして上記の場合に、特に該皿状容器の底
部に凹部を形成し、かつ真空包装は含気率が25%
以下となるように行なう。以上の構成のレトルト
容器入り焼魚によると、焼魚を、皿状容器と柔軟
性のあるフイルム製包材とから構成されたレトル
ト容器に低含気率で真空包装したものであるた
め、焼魚をレトルト容器に高い密着度で包装する
ことができ、これによつてレトルト殺菌時の魚体
からのドリツプの流出を最小限に押え、同時に魚
肉の身崩れ及び魚体表面部分からの水分の蒸散に
よる魚肉の硬化を防止することができる。また、
レトルト殺菌時に僅かに発生するドリツプは、該
殺菌時にレトルト容器の外部からかかる圧力によ
つて、魚体表面とこれに密着するレトルト容器内
面との間を移動せしめられ、遂には皿状容器の底
部に形成された凹部に収容される。したがつて、
殺菌後に得られるレトルト容器入り焼魚は、ドリ
ツプの発生が極力押えられ、また僅かに発生した
ドリツプは、皿状容器の底部に形成された凹部に
収容されて魚体表面のドリツプの付着が少なく、
焼魚が本来のドライな食感及び風味を有する、品
質の優れたものとなる。同時に、レトルト容器入
り焼魚は耐衝撃強度が付与されたものとなる。
本考案は、上記の知見に基づいて成されたもの
で、その要旨は、底部に1又は複数の凹部を形成
した皿状容器と該皿状容器の上方開放部に覆設す
るためのフイルム製蓋材又は該皿状容器を収容密
封するためのフイルム製袋状容器とから構成され
たレトルト容器に、焼魚を該皿状容器に載置した
状態で含気率が25%以下となるように真空包装し
た後、レトルト殺菌処理してなるレトルト容器入
り焼魚である。
以下本考案について図面に基づいて詳細に説明
する。第1図は、本考案のレトルト容器入り焼魚
の一例を示す縦断面図である。
レトルト容器1は、後記の焼魚2を収容するた
めのものであり、皿状容器3の上方開放部にフイ
ルム製蓋材4を覆設して構成される。
皿状容器3は、側壁10及び底壁11から構成
された成形容器である。該皿状容器3の側壁10
の高さh1は、焼魚2の高さh2とほぼ同じか或
いはこれよりも若干高くすることが望ましい。こ
れによつて、レトルト容器入り焼魚の輸送時或い
は積み重ね時に於ける、焼魚2の肉質及び表皮の
損傷を防止することができる。また、側壁10の
高さh1は、例えば底壁11の面積が100cm2〜500
cm2の場合に、35mm以下好ましくは25mm以下とし、
これによつてフイルム製蓋材4を無理なく密着包
装することができる。皿状容器3の形状は、任意
であり、図面のものの他に椀状、平板状等とする
ことができる。
皿状容器3の材料は、耐水性でかつレトルト殺
菌時の加熱に耐え得るものであれば何れでもよ
い。具体的には、ナイロン、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリプロピレン、塩化ビニリデン、こ
れらの発泡物、紙材及びこれらを適宜ラミネート
したもの等が例示される。皿状容器3に紫外線遮
断性を付与するためには、上記の材料にアルミニ
ウム箔をラミネートした材料の使用が望ましい。
本考案では、特に皿状容器3の底部、即ち図面
のものでは底壁11に1つ又は複数の凹部13を
形成する。該凹部13は、皿状容器3の底壁11
の任意の位置に、例えば底壁11の周縁及び/又
は中央部或いは底壁11の全体にわたつて任意の
数設けることができる。また、凹部13の形状は
任意であり、例えば図面のように皿状容器3を上
方に保持する脚部14に凹部13を形成するか、
底壁11に単に凹部13を形成するか、或いは底
壁11に凹凸を付ける等によつて形成することが
できる。皿状容器3の脚部14に凹部13を形成
する場合には、後記する本考案の本来の作用効果
に加えて、皿状容器3を和風皿らしい好適な外
観、形状とすることができる。
以上の如く皿状容器3の底壁11に凹部13を
形成することによつて、レトルト殺菌処理時に僅
かに発生するドリツプを該凹部13に確実に収容
し、焼魚2の表面へのドリツプの付着を極力少な
くすることができるのである。
尚、凹部13の容積は、焼魚の重量の3重量%
〜25重量%好ましくは5重量%〜20重量%の水を
収容できる容積とするのがよい。これによつて、
レトルト殺菌処理時に発生するドリツプをより確
実に凹部13に収容することができる。
また、ドリツプを吸収、保持するための発泡性
材料、布地或いは高分子吸水剤によつて構成され
たもの等の吸収材を凹部13に設けることができ
る。これによつて、凹部13へのドリツプの収容
をより確実に行ない得る。
フイルム製蓋材4は、例えば皿状容器3の上縁
のフランジ15にヒートシール或いは接着等し
て、該皿状容器3の上方開放部を密封する状態で
設けられる。該フイルム製蓋材4の材料は、柔軟
性を有し、耐水性でかつレトルト殺菌時の加熱に
耐え得るものであれば何れでもよい。具体的に
は、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、ポ
リプロピレン、塩化ビニリデン及びこれらを適宜
ラミネートしたもの等が例示される。フイルム製
蓋材4に紫外線遮断性を付与するためには、上記
の材料にアルミニウム箔をラミネートした材料の
使用が望ましい。尚、好適な柔軟性を得る上で
は、特に曲げ弾性率(ASTM D 790)が21000
Kg/cm2以下好ましくは70〜12000Kg/cm2で、かつ
厚みが200μ以下好ましくは5μ〜120μのものが望
ましい。
上記のように柔軟性のある材料で構成されたフ
イルム製蓋材4を、皿状容器3の上方開放部に覆
設することによつて、焼魚2を該レトルト容器1
に含気率の低い高密着度で真空包装することがで
きる。そして、この場合には、レトルト殺菌時の
ドリツプの発生及び魚体表面部分からの水分の蒸
散による魚肉の硬化を極力防止することができ、
また耐衝撃強度も向上する。
尚、フイルム製蓋材4の材料が透明性或いは光
沢を有するものである場合には、上記の効果に加
えて、魚体の立体感及び鮮度感のある優れた外観
のレトルト容器入り焼魚を得ることができる。透
明性のある材料としては、曇度(ASTM D
1003−61)が15%以下好ましくは4.5%以下のも
のがよい。光沢のある材料としては、光沢度(20
%Gardner Glossmeter)が70%以上好ましくは
90〜180%のものがよい。
また、皿状容器3及びフイルム製蓋材4をガス
遮断性及び紫外線遮断性のある材料で構成するこ
とにより、焼魚2の保存性を高めることができ
る。加えて、両者に先に例示した材料の中でアル
ミ箔を含まないものを使用すれば、レトルト容器
1を電子レンジで加熱することができる。
焼魚2は、魚類を焼成して得られたものであ
る。魚類は、如何なるものでもよく、例えばイワ
シ、アジ、サンマ、サバ、サケ、ブリ、サワラ、
ニシン、ウナギ、アナゴ、カレイ、タイ、タラ等
が例示される。魚類を焼成するための手段は任意
であり、例えば直火、赤外線等による加熱を採用
することができる。尚、魚類を下記する特定の硬
さに焼成するためには、特に中火〜弱火による直
火で加熱することが望ましい。
上記の焼魚2は、特に魚肉の硬さが85g〜
1500g好ましくは105g〜1250gであることが望ま
しい。これによつて、焼魚2を、後記するように
レトルト容器2に高密着度で真空包装する場合に
於ける魚肉の身崩れを防止することができる。し
かも、上記特定の硬さの焼魚2をレトルト容器1
に高密着度で真空包装したものによれば、レトル
ト殺菌時の魚体からのドリツプの流出を最小限に
押えることができる。また、レトルト殺菌時或い
は輸送時に於ける魚体の身崩れ、表皮の剥離等も
極力防止できるのである。
ここで、焼魚2の硬さとは、下記する測定法に
よつて求められるものである。即ち、焼魚2の硬
さは、レオメーター(不動工業(株)製)を用いて、
焼成後室温放冷した焼魚の魚肉を1cm3角に切りそ
ろえて試料を作成し、該試料の魚肉の筋せんいに
対して直角に力を加えて測定したものである。上
記の場合の測定条件は、プランジヤー直径18mm、
上昇スピード6cm/分、クリアランス5mmであ
る。尚、前記特定の硬さの焼魚2をレトルト容器
1に真空包装し、レトルト殺菌した後の焼魚の硬
さは、通常40g〜1500gとなる。
また、焼魚2の形状は、全魚(腹抜き魚体を含
む)或いは適宜手段によつて切断された切り身
(半身、二枚に開いたもの等)等何れでもよい。
レトルト殺菌時のドリツプの流出を防止する上
で、焼魚2を全魚とするか、或いは切り身にする
場合は生魚を切り身にしてから焼成することが望
ましい。
本考案のレトルト容器入り焼魚は、以上述べた
焼魚2を、皿状容器3に載置した状態でレトルト
容器1に真空包装した後レトルト殺菌処理して構
成される。
焼魚2をレトルト容器1に真空包装する場合
は、常法により例えば真空包装機でバキユームシ
ールする等によつて行なう。
本考案で、真空包装は、特に含気率が25%以下
好ましくは15%以下となるように行なう。これに
より、前記のフイルム製蓋材4の柔軟性とあいま
つて、焼魚2を該レトルト容器1に極めて高い密
着度で真空包装することができ、殺菌時のドリツ
プ防止効果、魚肉の硬化防止効果及び耐衝撃強度
が向上し、外観が優れたレトルト容器入り焼魚を
得ることができるのである。
最後に、上記のようにして真空包装した焼魚2
を、常法により例えば熱水式レトルト、蒸気式レ
トルト等でレトルト加熱殺菌処理して求めるレト
ルト容器入り焼魚を得る。レトルト殺菌処理は、
例えば圧力0.8〜1.7Kg/cm2(ゲージ圧力)好まし
くは1〜1.5Kg/cm2(ゲージ圧力)、温度115〜130
℃好ましくは121〜127℃で5〜60分程度行なわれ
る。
第2図は、本考案のレトルト容器入り焼魚の別
の例を示す縦断面図である。これによると、レト
ルト容器入り焼魚は、焼魚2を皿状容器5に載置
した状態で、これをフイルム製袋状容器6に真空
包装した後、レトルト殺菌処理して構成される。
皿状容器5及び焼魚2は、第1図に示すものと同
様のものである。フイルム製袋状容器6は、2枚
のフイルム材を重合し、各々の周縁部をシールす
るか、或いはフイルム材を折重ねて周縁部をシー
ルする等によつて形成されたものである。フイル
ム製袋状容器6の材料は、前記フイルム製蓋材4
の材料と同様である。
焼魚2をフイルム製袋状容器6に真空包装する
場合の条件及び包装後にレトルト殺菌処理する場
合の条件も第1図のものの場合と同様である。
(考案の効果) 以上の構成である本考案のレトルト容器入り焼
魚によれば、焼魚をレトルト容器に高い密着度で
包装することができ、これによつてレトルト殺菌
時の魚体からのドリツプの流出を最少限に押え、
同時に魚肉の身崩れ、魚体表面部分の肉質の硬化
等を防止することができる。また、レトルト殺菌
時に僅かに発生するドリツプは、皿状容器の底部
に形成された凹部に収容される。
したがつて、殺菌後に得られるレトルト容器入
り焼魚は、ドリツプの発生が極力押えられ、また
魚体表面のドリツプの付着が少なく、焼魚が本来
のドライな食感及び風味を有する、品質の優れた
ものとなり、同時に、レトルト容器入り焼魚は耐
衝撃強度が付与されたものとなる。加えて、フイ
ルム製蓋材及びフイルム製袋状容器が透明材等で
構成される場合には、魚体の立体感及び鮮度感の
ある優れた外観のものとなる。
本考案のレトルト容器入り焼魚によれば、容器
のまま湯で温めるか或いは電子レンジで温める等
の極めて簡便な操作によつて焼魚を喫食すること
ができ、また皿状容器が喫食用の皿となるため、
利用価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本考案のレトルト容器入
り焼魚の一例を示す縦断面図である。 1……レトルト容器、2……焼魚、3,5……
皿状容器、4……フイルム製蓋材、6……フイル
ム製袋状容器、10……側壁、11……底壁、1
3……凹部、14……脚部、15……フランジ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 底部に1又は複数の凹部を形成した皿状容器
    と該皿状容器の上方開放部に覆設するためのフ
    イルム製蓋材又は該皿状容器を収容密封するた
    めのフイルム製袋状容器とから構成されたレト
    ルト容器に、焼魚を該皿状容器に載置した状態
    で含気率が25%以下となるように真空包装した
    後、レトルト殺菌処理してなるレトルト容器入
    り焼魚。 (2) 焼魚がイワシ、アジ、サンマ、サバ、サケ、
    ブリ、サワラ、ニシン、ウナギ、アナゴ、カレ
    イ、タイ、タラからなる群から選ばれた魚類で
    ある実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のレト
    ルト容器入り焼魚。 (3) 皿状容器の底部に形成された凹部の容積が、
    焼魚の重量の3重量%〜25重量%の水を収容で
    きる容積である実用新案登録請求の範囲第(1)項
    又は第(2)項記載のレトルト容器入り焼魚。 (4) 焼魚の魚肉の硬さが85g〜1500gである実用
    新案登録請求の範囲第(1)項、第(2)項又は第(3)項
    記載のレトルト容器入り焼魚。 (5) フイルム製蓋材又はフイルム製袋状容器の材
    料が、曲げ弾性率が21000Kg/cm2以下で、かつ
    厚みが200μ以下のものである実用新案登録請
    求の範囲第(1)項、第(2)項、第(3)項又は第(4)項記
    載のレトルト容器入り焼魚。 (6) フイルム製蓋材又はフイルム製袋状容器の材
    料が、曇度15%以下のものである実用新案登録
    請求の範囲第(5)項記載のレトルト容器入り焼
    魚。 (7) 皿状容器の底部に形成された凹部に吸収材が
    設けられてなる実用新案登録請求の範囲第(1)
    項、第(2)項又は第(3)項記載のレトルト容器入り
    焼魚。
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