JPH0524297B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、フリーアクセスフロアを構成するフ
ロアパネルとその支持脚及びフリーアスセスフロ
アの施工方法に関するものである。

（従来の技術） 電算機等のオフイス・オートメーシヨン機器が
汎用されるに伴い、電算機室等の特殊な建屋のみ
ならず、一般のオフイスビルにおいても、床下に
自由空間を確保した二重床構造、すなわちフリー
アクセスフロアが使用されつつある。

フリーアクセスフロアは、通常、コンクリート
床等の基準床面上に、支持装置で支承された多数
のフロアパネルを敷設して構成される。

フロアパネルは基準床面の上方、一定高さの位
置に、水平に敷設されなければならないから、フ
ロアパネルの支持装置は、単にフロアパネルを確
実に支承できるのみでなく、その高さや傾きを容
易に調節できるものである必要がある。

そこで、従来は、フロアパネルの支持脚取付け
部に上下方向へ貫通するナツト管を固着し、この
ナツト管に螺着したボルト杆をフロアパネルの上
面側から回転させ得るようにしたフロアパネルの
支持装置が提案されている（例えば、実開昭59−
146444号参照）。斯かる支持装置によれば、フロ
アパネルを敷設したままでボルト杆の突出量を調
節できるから、フロアパネルの高さや傾きの補正
が容易であるという利点がある。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上述した従来のフロアパネルの支持装
置では、ナツト管が予め、フロアパネルに固着さ
れているから、ボルト杆はフロアパネル製作時、
あるいは、フロアパネル敷設時に、ナツト管に螺
着しなければならない。

ボルト杆をフロアパネル製作時にナツト管とと
もにフロアパネルに取付けた場合には、ボルト杆
やナツト管の一部がフロアパネルの下面から突出
するため、フロアパネルの梱包の邪魔になるばか
りでなく、搬送時には隣接するフロアパネルとの
間に無駄な空間を生じるから、搬送効率が低いと
いう欠点を生じる。

また、ボルト杆をフロアパネル敷設時にナツト
管に螺着する場合には、螺着作業に時間を要する
ばかりでなく、ボルト杆の螺入代が大きいから突
出量の調節にも時間を要し、フロアパネル敷設時
の作業効率の向上が困難であるという欠点を生じ
る。

そこで、本発明の目的は、フロアパネルの梱
包、搬送が容易かつ効率的な、フロアパネルとそ
の支持脚を提供すると共に、施工時の作業効率が
高いフリーアスセスフロアの施工方法を提供する
ことにある。

（問題点を解決するための手段） 前述の目的を達成するため、本発明のフロアパ
ネルとその支持脚は次のような構成を採る。

すなわち、鋼板製の上面板と、前記上面板に接
合され、かつ前記上面板との間に空間部を形成す
る鋼板製の下面板と、前記上面板と前記下面板と
に固定されて前記上面板と前記下面板との間に延
在し、かつその両端部を前記上面板と前記下面板
とに開口するスリーブと、前記空間部に充填され
た充填剤とを有する、フロアパネルと、 軸方向に貫通するネジ孔を有し、かつ前記スリ
ーブに圧入される支持脚のスリーブと、前記ネジ
孔に螺着された支持脚用ボルト杆と、前記支持脚
のスリーブに形成され、かつ前記支持脚のスリー
ブを前記フロアパネルのスリーブに圧入する際に
前記フロアパネルの前記下面板に当接して、前記
支持脚のスリーブの前記フロアパネルのスリーブ
内への挿入量を規制する鍔部とを有する、支持脚
と、 からなる、フロアパネルとその支持脚である。

また、本発明のフリーアスセスフロアの施工方
法は次のような構成を採る。

すなわち、フロアパネルを形成する工程と、 前記フロアパネルの支持脚取付け部に両端を開
口させたスリーブを装着し、前記スリーブによつ
て前記フロアパネルに前記フロアパネルの上下方
向へ延在する貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に圧入される支持脚のスリーブを前
記フロアパネルとは別体に形成する工程と、 前記支持脚のスリーブに、該スリーブを軸方向
へ貫通するネジ孔と、該スリーブの外周面に設け
られて該スリーブの前記貫通孔への挿入量を規制
する鍔部とを形成する工程と、 上端部にドライバー係合溝が形成された支持ボ
ルト杆を前記支持脚のスリーブの前記ネジ孔に螺
着させる工程と、 フリーアクセスフロアの施工時に、前記支持脚
のスリーブを前記支持ボルト杆と共に前記フロア
パネルの下面側から前記貫通孔に圧入し、前記鍔
部を前記フロアパネルの下面に当接させると共
に、前記支持ボルト杆を前記フロアパネルの下面
側に突出させる工程と、 前記フロアパネルを前記支持ボルト杆で支持さ
せて基準床面上に敷設する工程と、 前記フロアパネルの敷設後、前記フロアパネル
の上面側から前記支持ボルト杆の前記ドライバー
係合溝に回転工具を係合させ、前記支持ボルト杆
を回転させて前記フロアパネルの高さを調節する
工程と、 を有することを特徴とする、フリーアスセスフロ
アの施工方法である。

（作用） 本発明によれば、支持脚はフロア施工時に取付
けられるから、フロア施工前のフロアパネルの
上、下面は平坦であり、梱包が容易であると共に
搬送効率も高い。また、支持脚用ボルト杆のフロ
アパネルへの取付けは、ボルト杆が螺着されたス
リーブをフロアパネルの貫通孔に圧入するのみで
終了するから、取付け作業性が良好であると共に
取付け時間も短い。更に、このボルト杆は、フロ
アパネルに取付けられた時にほぼ必要突出量を有
するように、予め粗調節されてスリーブに取付け
られているから、フロアパネルに取付けられた後
は微調節のみで必要突出量に達する。したがつ
て、ボルト杆の調節には短時間を要するのみであ
る。

（実施例） 以下、本発明の実施例を第１図ないし第５図を
参照して説明する。

第１図ないし第４図は本発明の第一実施例を示
す。本実施例のフロアパネル１の支持装置は、フ
ロアパネル１の四隅部にそれぞれ形成された貫通
孔２と、貫通孔２に嵌挿される支持脚３とで構成
される。貫通孔２は、フロアパネル１の上面板４
と下面板５の間に介装された樹脂製スリーブ６に
よつて形成され、樹脂製スリーブ６はフロアパネ
ル１の上面板４と下面板５の間に充填された無機
質系充填材７によつてフロアパネル１に一体化さ
れる。この無機質系充填材７はフロアパネル１の
剛性の向上や防音効果等を得ることを目的として
充填される。なお、上面板４は四隅部に切欠き８
を形成した方形の平鋼板で構成されるが、下面板
５には平鋼板にプレス絞り加工を施すことにより
補強用の凸状リブ９，１０，１１が形成され、両
者はスポツト溶接で一体的に接合されている。

支持脚３は支持脚用ボルト杆１２とスリーブ１
３とで構成される。１４は止めネジである。ボル
ト杆１２の上端部にはドライバー係合溝１５が形
成され、ボルト杆１２はスリーブ１３を軸方向へ
貫通するネジ孔１６に螺着される。スリーブ１３
の外周には鍔部１７が形成され、鍔部１７には突
起１８が形成されている。突起１８はフロアパネ
ル１の下面板５の凹部１９と係合して、スリーブ
１３の回り止めをする。スリーブ１３に螺着され
たボルト杆１２のスリーブ１３からの突出量ｈ
は、フロアパネル１の下面板５と基準床面（図示
せず）との設定間隔Ｈから決定される。すなわ
ち、ボルト杆１２はスリーブ１３からの突出量が
ｈとなるように、スリーブ１３に予め工場等で螺
着される。

フロアパネル１を敷設するには、先ず、ボルト
杆１２が螺着されたスリーブ１３を下面板５側か
らフロアパネル１の四つの貫通孔２内にそれぞれ
圧入し、突起１８を凹部１９に係合させる。各ス
リーブ１３からのボルト杆１２の突出量は全てｈ
に設定されているから、スリーブ１３を取付けた
フロアパネル１を基準床面上に敷設すれば、フロ
アパネル１は基準床面から一定の高さＨにある。
しかし、基準床面の湾曲やボルト杆１２の突出量
ｈの誤差等からフロアパネル１の敷設後にボルト
杆１２の突出量ｈを変更する必要がある場合があ
る。このような場合には、フロアパネル１を敷設
した状態で上面板４側から貫通孔２内にドライバ
ー（図示せず）を挿入し、ドライバー係合溝１５
に係合させてボルト杆１２を回転させ、突出量ｈ
の微調節を行なう。このとき、スリーブ１３は突
起１８と凹部１９との係合によつて回り止めされ
ているから、ボルト杆１２をスリーブ１３に対し
て確実に回転させることができる。突出量ｈの微
調節が終了すると、ネジ孔１６に止めネジ１４を
螺入する。止めネジ１４はボルト杆１２の上端部
に当接してボルト杆１２回り止めを行なう。突出
量ｈの微調節が不要の場合には直ちに止めネジ１
４をネジ孔１６に螺着させればよい。ただし、止
めネジ１４は必須のものではなく、ボルト杆１２
の回り止めをなすには、接着剤で固定したり、ボ
ルト杆１２の足部下面に突起を形成してこの突起
を床面に固定された座板にくい込ませたり、パネ
ル１の自重によつてボルト杆１２をネジ孔１６の
ネジ部に圧着させる等の手段を採ることができ
る。

第５図は本発明の第二実施例を示し、本実施例
の特徴は樹脂製スリーブ２０の下端部に下面板５
に当接する鍔部２１を形成することにより、支持
脚３の挿入時にスリーブ２０がフロアパネル１か
ら抜けることを防止したことにある。また、鍔部
２１の形成に伴つて、回り止め用の突起１８が挿
入される凹部２２を鍔部２１に形成すると共に、
スリーブ２０の外周面には長手方向に延在する複
数本の突条２３を形成し、スリーブ２０の回り止
めをなしている。その他の構成は第一実施例と同
様である。

なお、第５図中、２４は床面２５に固定された
座板、２６は、座板２４と床面２５の間に挾持さ
れかつナツト２７を内装したナツトホルダー、２
８はナツト２７と螺合するボルト２９によつてフ
ロアパネル１の隅部を下方へ押圧する押え部材、
３０はフロアパネル１上に敷かれたカーペツトで
ある。フロアパネル１の隅部をこのような押え部
材２８で下方へ押圧すれば、ボルト杆１２のガタ
がなくなるから、ボルト杆１２の回り止めがなさ
れる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明のフロアパネルの
支持装置によれば、フロアパネルと支持脚を別体
としたのでフロアパネルの上・下面に突出部が存
在せず、梱包が容易であると共に、大量のフロア
パネルを同時に搬送することが可能になる。

また、フロアパネルへの支持脚の取付けは、フ
ロアパネルの貫通孔にボルト杆を螺着したスリー
ブを圧入するのみで完了するから、取付け作業性
が極めて良好であると共に取付け時間も大巾に短
縮される。

更に、ボルト杆の突出量の調節はフロアパネル
を敷設したままでフロアパネルの上面板側から行
なうことができるから、調節作業が容易であると
共に、ボルト杆の突出量は予め粗調節されてほぼ
必要突出量になつているから、微調節のみで突出
量の調節は終了する。したがつて、本発明によれ
ば極めて作業性の高いフリーアスセスフロアの施
工方法を提供することができる。

また、フロアパネルが薄く、フロアパネルの貫
通孔の長さが十分に大きくとれない場合でも、ボ
ルト杆が螺着されるスリーブの全長を大きくすれ
ば、ボルト杆の突出量の調節代を十分に大きくす
ることができる。

そして、突出長さの異なるスリーブを数種類用
意することによつて、共通のフロアパネルを用い
て、様々な床下高さを有するアクセスフロアを施
工できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例のフロアパネルの
支持装置の要部断面図、第２図は、第１図に示し
た本発明の支持装置の取付け状態を説明するため
の要部斜視図、第３図は、本発明の支持装置を装
着したフロアパネルの一実施例の断面図であり、
第４図の−線に沿う断面図、第４図は、第３
図のフロアパネルの底面図、第５図は、本発明の
他の実施例の支持装置の要部断面図である。 １……フロアパネル、２……貫通孔、３……支
持脚、１２……ボルト杆、１３……スリーブ、１
５……ドライバー係合溝、１６……ネジ孔、１７
……鍔部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鋼板製の上面板と、前記上面板に接合され、
   かつ前記上面板との間に空間部を形成する鋼板製
   の下面板と、前記上面板と前記下面板とに固定さ
   れて前記上面板と前記下面板との間に延在し、か
   つその両端部を前記上面板と前記下面板とに開口
   するスリーブと、前記空間部に充填された充填剤
   とを有する、フロアパネルと、 軸方向に貫通するネジ孔を有し、かつ前記スリ
   ーブに圧入される支持脚のスリーブと、前記ネジ
   孔に螺着された支持脚用ボルト杆と、前記支持脚
   のスリーブに形成され、かつ前記支持脚のスリー
   ブを前記フロアパネルのスリーブに圧入する際に
   前記フロアパネルの前記下面板に当接して、前記
   支持脚のスリーブの前記フロアパネルのスリーブ
   内への挿入量を規制する鍔部とを有する、支持脚
   と、 からなる、フロアパネルとその支持脚。 ２ フロアパネルを形成する工程と、 前記フロアパネルの支持脚取付け部に両端を開
   口させたスリーブを装着し、前記スリーブによつ
   て前記フロアパネルに前記フロアパネルの上下方
   向へ延在する貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に圧入される支持脚のスリーブを前
   記フロアパネルとは別体に形成する工程と、 前記支持脚のスリーブに、該スリーブを軸方向
   へ貫通するネジ孔と、該スリーブの外周面に設け
   られて該スリーブの前記貫通孔への挿入量を規制
   する鍔部とを形成する工程と、 上端部にドライバー係合溝が形成された支持ボ
   ルト杆を前記支持脚のスリーブの前記ネジ孔に螺
   着させる工程と、 フリーアクセスフロアの施工時に、前記支持脚
   のスリーブを前記支持ボルト杆と共に前記フロア
   パネルの下面側から前記貫通孔に圧入し、前記鍔
   部を前記フロアパネルの下面に当接させるととも
   に、前記支持ボルト杆を前記フロアパネルの下面
   側に突出させる工程と、 前記フロアパネルを前記支持ボルト杆で支持さ
   せて基準床面上に敷設する工程と、 前記フロアパネルの敷設後、前記フロアパネル
   の上面側から前記支持ボルト杆の前記ドライバー
   係合溝に回転工具を係合させ、前記支持ボルト杆
   を回転させて前記フロアパネルの高さを調節する
   工程と、 を有することを特徴とする、フリーアクセスフロ
   アの施工方法。