JPH05241339A - フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物 - Google Patents

フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物

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JPH05241339A
JPH05241339A JP4495292A JP4495292A JPH05241339A JP H05241339 A JPH05241339 A JP H05241339A JP 4495292 A JP4495292 A JP 4495292A JP 4495292 A JP4495292 A JP 4495292A JP H05241339 A JPH05241339 A JP H05241339A
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JP
Japan
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printing plate
photosensitive resin
dimer acid
flexographic printing
resin composition
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JP4495292A
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English (en)
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Masaharu Taniguchi
雅治 谷口
Hisayoshi Yamada
久義 山田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】この発明は、数平均分子量500〜30000
のポリエン化合物10〜60重量%および30〜200
℃の軟化点を有するダイマー酸系ポリアミドまたはダイ
マー酸系ポリエステルを樹脂成分として含有し、かつア
クリルモノマー類および光重合開始剤を必須成分とする
フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物に関するものであ
る。 【効果】本発明によれば、水性インキその他のフレキソ
インキを使用したフレキソ印刷において印刷耐性の優れ
た水現像性のフレキソ印刷版を与える感光性樹脂組成物
の提供を可能としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフレキソ印刷版用感光性
樹脂組成物に関するものであり、特に印刷耐性が改良さ
れた水現像可能のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化ゴム、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、ポリウレタン等のエラストマ−を担体樹
脂成分として、これにエチレン系不飽和化合物、光重合
開始剤を配した感光性樹脂組成物はエラストマーの特性
を生かして、フレキソ印刷版材として有用であり、例え
ば米国特許2948611号、同3024180号明細
書、特公昭51−43374号公報等のごとく、多くの
提案がなされている。
【0003】このような感光性樹脂固形版材は、ハロゲ
ン化炭化水素現像を必要として、健康障害、環境汚染等
の問題点を有しているため、水で現像できる感光性樹脂
固形フレキソ印刷版材の開発が望まれ、例えば、特公昭
62−42259号、特開昭61−22339号、特開
昭63−186232号公報等に水現像可能の感光性樹
脂固形フレキソ印刷版材を与える感光性樹脂組成物に関
する提案がなされている。
【0004】しかしながら、印刷版材の生版強度と水現
像性、およびフレキソ印刷版としての柔軟性、さらには
フレキソ印刷の主たるインキである水性インキへの適合
性を全て満足させることは難しく末だ実用的に満足なも
のは得られていない。特に現像工程において、実質的に
中性水のみで実用的な現像性を有する感光性樹脂固形フ
レキソ印刷版材は得られていない。
【0005】上記の問題点にかんがみて、本発明者等は
水現像が可能にして、水性あるいはアルコール性等の極
性の溶剤を含有するインキに対して耐性を有する感光性
樹脂固形版材の可能性の検討を進めた結果、主として液
状成分からなる多量の光硬化性成分を少量の特定樹脂成
分、さらには有機溶剤ゲル化剤として知られる特定成分
でゲル化固形化する手法で目的とする感光性樹脂固形版
材が得られることを見い出し提案した(例えば、特開昭
63ー278053号、特開昭63ー287845号公
報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特開
昭63ー278053号、特開昭63ー287845号
公報で提案した技術を発展改良し、特に水現像が可能で
あり、フレキソインキ印刷耐性がさらに改良されたフレ
キソ印刷版を与える感光性樹脂組成物を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
数平均分子量500〜30000のポリエン化合物10
〜60重量%および30〜200℃の軟化点を有するダ
イマー酸系ポリアミドまたはダイマー酸系ポリエステル
を樹脂成分として含有し、かつアクリルモノマー類およ
び光重合開始剤を必須成分とすることを特徴とするフレ
キソ印刷版用感光性樹脂組成物により達成される。
【0008】すなわち本発明者等は、特開昭63ー27
8053号公報により、従来固形版材としては考え及ば
なかった少量の特定樹脂、好ましくはアルコール可溶性
ポリアミドで大量のエチレン系不飽和化合物を固化ある
いは強靭化せしめて、これを感光性樹脂組成物に適用す
ることにより、現像性が優れ、高範囲のインキに適性を
有する印刷版を与える感光性樹脂印刷版材となることを
見い出したものであり、さらには特開昭63ー2878
45号公報において、この感光性樹脂組成物に数平均分
子量500〜30000のポリエン化合物を配すること
により、さらに高範囲のインキに適性を有する印刷版を
与える感光性樹脂印刷版材となることを見い出したもの
であるが、この版材の改良、特にフレキソ印刷の主要イ
ンキ溶剤である水あるいはアルコ−ルへの印刷耐性改良
をさらに進めてゆくと、特に感光性樹脂組成物の主成分
として、数平均分子量500〜30000のポリエン化
合物を多量に使用し、このポリエン化合物とさらに30
〜200℃の軟化点を有するダイマー酸系ポリアミドま
たはダイマー酸系ポリエステルを併用せしめることによ
り、極性インキ耐性と柔軟性、耐刷性に優れた水現像性
のフレキソ印刷版を与える固形の感光性樹脂組成物が得
られることを見い出し本発明に到達したものである。こ
のような効果は30〜200℃の軟化点を有するダイマ
ー酸系ポリアミドまたはダイマー酸系ポリエステルが感
光性樹脂組成物中において、特に数平均分子量500〜
30000のポリエン化合物からなる相に溶解し、この
相を強化することによってもたらされるものであり、特
開昭63ー287845号公報で提案した技術を大きく
改良したものとなっている。
【0009】すなわち、これらに開示された技術におい
て使用され、主成分のアクリルモノマー類を固化せしめ
る機能を持つ高分子状ゲル化剤としてのアルコール可溶
性ポリアミドはポリエン化合物に溶解しないものである
に対して、本発明で使用されるダイマー酸系ポリアミド
またはダイマー酸系ポリエステルはポリエン化合物に溶
解し、感光性樹脂組成物中でポリエン化合物からなる相
を機械的に強化する機能を有したものとなり、したがっ
てこの感光性樹脂組成物からより耐刷性の優れたフレキ
ソ印刷版が得られるものである。
【0010】本発明において使用される数平均分子量5
00〜30000のポリエン化合物としては通常液状ゴ
ムとして知られ、実質的に結晶性を有していない数平均
分子量500〜30000好ましくは数平均分子量50
0〜5000のポリブタジエン、数平均分子量500〜
30000好ましくは数平均分子量5000〜3000
0のポリイソプレン、またはブタジエン、イソプレン、
ペンタジエン等の共役ジエン系モノマ−とオレフィン類
とからなる数平均分子量500〜30000の共重合
体、さらにはこれらポリエンの末端基あるいは分子鎖の
反応性を利用した変性体が挙げられる。変性体として、
分子内あるいは末端マレイン化物、エポキシ化物、アク
リロイルないしメタクリロイル化物等が使用され、特に
無水マレイン酸変性ポリエンのアルコ−ル類による開環
体、あるいはマレイン酸変性ポリエンさらには末端にカ
ルボキシル基を有するポリエン類が好ましく使用され
る。
【0011】これら数平均分子量500〜30000の
ポリエン化合物の使用量としては全感光性樹脂組成物中
で10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、さ
らに好ましくは25〜45重量%であり、10重量%よ
り少ない場合は目的とするフレキソ印刷版の耐アルコ−
ル性が不十分なものとなり、また60重量%よりも多く
なると水現像性が実用的に不十分なものとなる。本発明
においては特開昭63ー287845号公報に開示され
た技術で示されるポリエンの使用範囲が大きく広がるこ
とも特徴の一つとなっているものである。
【0012】本発明の感光性樹脂組成物において使用さ
れる30〜200℃の軟化点を有するダイマー酸系ポリ
アミドまたはダイマー酸系ポリエステルとしては、ダイ
マー酸あるいは水素添加ダイマー酸をジカルボン酸成分
の主成分として、好ましくはジカルボン酸成分の50重
量%以上のダイマー酸または水素添加ダイマー酸を使用
し、公知のジアミン成分および/または公知のジオール
成分と縮合重合して得られる30〜200℃の軟化点を
有するポリアミドあるいはポリエステルがすべて使用で
き、さらにはポリエステルアミドも使用できる。また上
記成分とラクタム類またはアミノカルボン酸類との共重
合、さらには他種のジカルボン酸成分との共重合で得ら
れる30〜200℃の軟化点を有するダイマー酸系共重
合ポリマ−も使用することができる。このような原料成
分のジアミン化合物としては特に限定されるものではな
いが、例えばペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、1・4−ジアミノ
シクロヘキサン、p・p´−ビス(4−アミノシクロヘ
キシル)メタン等が使用されるが、これらに限定される
ものではなく公知のジアミン化合物をすべて使用するこ
とができる。またジオール成分としてはアルキレングリ
コール類、ポリアルキレングリコール類、ポリエステル
ポリオール類等が使用できる。
【0013】このようなダイマー酸系ポリアミドまたは
ダイマー酸系ポリエステルの製造方法としては例えば、
緒方直哉著の「重縮合」(1971年、化学同人(株)
発行)に詳細に示されているごときポリアミドあるいは
ポリエステルの通常の製造方法である溶融重縮合の手法
が広く適用できる。ダイマー酸系ポリエステルの製造方
法においては原料成分のジカルボン酸であるダイマー酸
あるいは水素添加ダイマー酸をジカルボン酸アルキルエ
ステルとして使用することもできる。
【0014】ダイマー酸系ポリアミドまたはダイマー酸
系ポリエステルの軟化点は主として原料成分で決まるも
のであるが、本発明では原料のジカルボン酸成分である
ダイマー酸または水素添加ダイマー酸を除いては、他の
原料成分を限定するものではなく、30〜200℃の軟
化点を有するダイマー酸系ポリアミドまたはダイマー酸
系ポリエステルを与えるすべての原料成分の使用が可能
である。
【0015】軟化点が30℃より低いダイマー酸系ポリ
アミドまたはダイマー酸系ポリエステルを使用すると、
本発明の主たる用途対象である印刷版材の生版強度が不
十分なものとなり、また軟化点が200℃より高いダイ
マー酸系ポリアミドまたはダイマー酸系ポリエステルを
使用すると、ポリエンへの溶解性が不十分なものとな
り、本発明の目的にそぐわないものとなる。
【0016】このような30〜200℃の軟化点を有す
るダイマー酸系ポリアミドまたはダイマー酸系ポリエス
テルの使用量としては全感光性樹脂組成物中で3〜30
重量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜20重量
%である。3重量%よりも使用量が少ないと耐刷性改良
効果が不十分となり、30重量%を越えると、この感光
性樹脂組成物から得られる本発明の目的とする印刷版材
の水現像性が不十分となりやすい。
【0017】本発明の感光性樹脂組成物において使用さ
れるアクリルモノマ−類としては、特に限定されるもの
ではないが、分子内に一個以上の水酸基、あるいはカル
ボキシル基を有する沸点150℃以上のアクリレ−トな
いしメタアクリレ−ト類、あるいはこれらの有機酸無水
物ないしアミン類による誘導体が好ましく使用される。
分子内に一個以上の水酸基、あるいはカルボキシル基を
有する沸点150℃以上のアクリレ−トないしメタアク
リレ−ト類としてはこれらの条件に該当する公知の化合
物をすべて使用できるが、例えば、カプロラクトン変性
2−ヒドロキシエチルメタアクリレ−トあるいはカプロ
ラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト(以後
この両者を合せてカプロラクトン変性2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートと略記する。また以下の説明
で(メタ)アクリレートの記載は全てアクリレート及び
メタアクリレートの両方を合せて略記したものであ
る。)、カプロラクトン変性2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチルβ′−ア
クリロイルオキシエチルフタレートのようなエチレンオ
キサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、プロピレ
ンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、3−
フェノキシ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−
ト、3−ブトキシ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレ−ト等、あるいはこれら化合物の水酸基へのアルキ
レンオキサイド類、ラクトン類付加体および酸無水物付
加体、例えばジカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、トリカプロラクトン変性2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキ
シジ(エチレンオキシ)エチルβ′−アクリロイルオキ
シエチルフタレート等、さらには2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレ−トと無水フタル酸あるいはコハク酸
付加体、また上記化合物でカルボキシル基を有する(メ
タ)アクリレ−ト類と3級アミン化合物の塩などが挙げ
られるが、これらに限定されるものでは無く、2種以上
を併用することも可能である。
【0018】これらエチレン系不飽和化合物成分の使用
量としては全感光性樹脂組成物中で2〜60重量%の範
囲が好ましく、より好ましくは10〜50重量%、さら
に好ましくは20〜40重量%である。2重量%より少
ない場合は目的とするフレキソ印刷版の機械的耐刷性が
不十分なものとなり、また60重量%よりも多くなると
刷版の耐アルコ−ル性が不十分なものとなる。
【0019】本発明の組成物で使用される光重合開始剤
としては、従来公知の化合物が全て使用できる。例え
ば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン
類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン
類、ジアセチル類などが挙げられる。これらの光重合開
始剤は全感光性樹脂組成物に対して0.01〜10重量
%の範囲で使用でき、0.01重量%より少ない場合は
光硬化性が不十分なものとなり、また10重量%より多
い場合は印刷版の機械的耐刷性が不十分なものとなり易
い。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物から得られるフ
レキソ印刷版材の生版形態保持性を実用的なものとする
ためにゲル化剤を使用することが好ましく、このような
ゲル化剤としては樹脂成分、アクリルモノマ−類および
必要に応じて可塑剤成分からなる組成物に添加して、1
00℃以上の温度で溶解し、室温でこの組成物を固形化
する、あるいは固形化を促進する能力を有する化合物で
あり、通常油ゲル化剤として知られる化合物である。
【0021】本発明において使用されるゲル化剤成分と
して、12−ヒドロキシステアリン酸、ベンジリデンソ
ルビト−ル類、ベンジリデンキシリト−ル類およびN−
アシルアミノ酸誘導体の群から選ばれる少なくとも1種
が使用され、具体的には1,3:2,4−ジベンジリデ
ンソルビト−ル、1,3:2,4:5,6−トリベンジ
リデンソルビト−ル、1,3:2,4−p−p´−ジト
ルイリデンソルビト−ル、1,3:2,4−p−p´−
ジエチルベンジリデンソルビト−ル、1,3:2,4−
ジベンジリデンキシリト−ル、N−ラウロイル−L−グ
ルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミドなどが代表
的な化合物であり、これらゲル化剤成分の使用量は、全
感光性樹脂組成物に対して0.1〜20重量%の範囲で
使用され、0.1重量%よりも使用量が少ない場合は目
的とするフレキソ印刷版材の形態保持性が不十分とな
り、20重量%より多い場合は得られる印刷版の耐刷性
が不良となり易い。
【0022】また本発明においては必要に応じて高分子
状のゲル化剤を使用することができる。高分子状ゲル化
剤としては数平均分子量10000以上で分子内にアミ
ド結合、水酸基、カルボキシル基等の分子間に強い水素
結合を生じる官能基ないし結合を有する高分子あるいは
部分的結晶性を有する高分子が使用でき、特に本発明の
目的に合致して、アルコール可溶性の共重合ポリアミ
ド、特にポリエチレンオキシドセグメントを有するポリ
エ−テルエステルアミドあるいはポリエ−テルアミドが
好ましく使用される。本発明の感光性樹脂組成物におい
てポリアミドを使用する場合、これらポリアミドの使用
量としてはポリエン化合物に対して、20重量%以下、
好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%
以下であり、20重量%より多量のポリアミドを使用す
ると、目的とするフレキソ印刷版の耐アルコ−ル性が不
十分なものとなり易い。多量のポリアミド成分の使用は
本発明の感光性樹脂組成物に好ましくない影響をあたえ
るが少量の使用は生版材の形態保持性を改良するために
有効であり、ポリエン化合物に対して、0.1重量%以
上、好ましくは1重量%以上が必要に応じて使用され
る。本発明の感光性樹脂組成物において、このような高
分子状ゲル化剤の使用は必須ではないが、必要に応じて
上記のゲル化剤成分と併用して用いられるものである。
【0023】本発明の感光性樹脂組成物は必要に応じて
アルキルベンゼンスルフォンアミド、類、アルキレング
ルコ−ル類、グリセリン類、3級アミン化合物さらには
ポリオレフィン系エラストマー成分等の可塑剤成分を含
有させることができる。
【0024】本発明においては目的とするフレキソ印刷
版材に良好な水現像性を付与するために、感光性樹脂組
成物を構成する樹脂成分、アクリルモノマ−類、ゲル化
剤および/または可塑剤成分の少なくとも一部がカルボ
キシル基あるいはカルボン酸塩構造を有することが好ま
しく、特に有機カルボン酸の3級アミン塩構造を有する
ことが好ましい。
【0025】また本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性
を増すために、従来公知の重合禁止剤を全て使用するこ
とができる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール
類、ハイドロキノン類、カテコール類、さらにはフェノ
チアジン等が挙げられる。これらの熱安定剤は全組成物
に対して0.001〜5重量%の範囲で使用できる。そ
の他の添加剤として染料、顔料、界面活性剤、消泡剤、
紫外線吸収剤、香料などを添加することができる。
【0026】特に本発明の感光性樹脂組成物の成分とし
て、界面活性剤の使用が有効であり、カルボキシル化ポ
リオキシエチレン高級アルキルエ−テルないしその3級
アミン塩の使用は目的とするフレキソ版のレリ−フ画像
を鮮明なものとする。これら界面活性剤の使用量は全感
光性樹脂組成物に対して、0.1〜10重量%、好まし
くは0.1〜5重量%である。
【0027】本発明の感光性樹脂組成物を製造する方法
の1例としては、まず熱安定剤、また可塑剤等の液状成
分を混合したアクリルモノマー類に樹脂成分を添加し、
攪拌下に70〜200℃、好ましくは100〜180℃
に昇温加熱して樹脂成分を溶解せしめた後に、光重合開
始剤、その他の添加剤成分を混合溶解して実質的に無溶
剤の溶解液を製造する。反応性の可塑剤成分をこの段階
で添加してもよい。この溶解液を注型あるいは流延、冷
却して直接成型品を得ることができる。本発明の感光性
樹脂組成物は実質的に熱可逆性のゲルであることを特徴
とするものであり、室温では実用強度を有する固体であ
り、加熱時は、比較的低粘度の液体となることから、こ
の特性を利用した容易な成型方法を適用することができ
る。本発明の感光性樹脂組成物は、150℃で10ポイ
ズ以下の液体、さらには120℃で100ポイズ以下の
液体となるように設計することができる。
【0028】本発明の感光性樹脂組成物を用いて印刷版
材を形成せしめるには、例えば、本組成物の溶解液を支
持体上、あるいはカバ−フィルム上に直接流延して成型
することができる。必要に応じて、溶剤を使用した場合
には、乾式製膜を行っても良いが、通常は無溶媒で成型
されるので、冷却のみで感光性樹脂シートを作製するこ
とができ、厚物の成型も容易である。感光性樹脂シート
の上面には通常ネガフィルムとの密着性を向上させるた
めに、主として水可溶性ないし分散性の樹脂からなる薄
膜層を形成させることが好ましい。
【0029】支持体としては、必要に応じて接着層を有
するスチール、ステンレス、アルミニュウム、銅などの
金属板、ポリエステルフィルムなどのプラスチックシー
ト、合成ゴムシートなどが用いられ、感光層は通常0.
1〜10mmの厚さに形成される。
【0030】本発明の感光性樹脂組成物を用いて印刷用
レリーフ像を形成するには、上記のように作製した感光
層上にネガテイブ、またはポジテイブの原画フィルムを
密着し、通常300〜450mμの波長を中心とする高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセ
ノン灯、ケミカル灯、カーボナーク灯などからの紫外線
を照射し、光反応により、硬化を行わせる。ついで未硬
化部分をスプレー式現像装置またはブラシ式現像装置を
用いて水中に溶出あるいは分散させることにより、レリ
ーフが支持体上に形成される。
【0031】これを乾燥後大気中、ないし真空中で活性
光線処理してフレキソ印刷版を得ることができる。
【0032】本発明の感光性樹脂組成物は、従来、水現
像印刷版材としては使用できなかったエラストマー成分
を含有する特徴を有することから、各種フレキソインキ
使用の印刷で耐刷性の改良された水現像フレキソ印刷版
となるものである。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0034】なお以下の実施例で使用される部数は重量
部であり、特に記載がない場合の数平均分子量は粘度測
定法とGPC法を組み合わせて求めた値である。
【0035】またダイマ酸系ポリマーの軟化点はJIS
K2531−1956に基づく環球式軟化点である。
【0036】合成例1 ダイマー酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩をオー
トクレーブ中220℃で7時間、加圧と放圧を繰り返し
た後、270℃で1時間常圧加熱を行なう方法で、軟化
点90℃のダイマ酸ポリアミドを合成した。末端基定量
法による数平均分子量はほぼ33000であった。
【0037】合成例2 公知の処方(例えば特開昭55−79437号公報)に
基づいて下記の成分からなる高分子状ゲル化剤としての
共重合ポリアミドを合成した。
【0038】εカプロラクタム/ヘキサメチレンジアミ
ンとアジピン酸の等モル塩/α、ω−ジアミノプロピル
ポリオキシエチレン(数平均分子量1000)とアジピ
ン酸の等モル塩=20/20/60 ここで得られた共重合ポリアミドの末端基を定量すると
第一級アミノ基4.0×10-5モル/g,カルボキシル
基2.1×10-5モル/gであり、末端基定量法による
数平均分子量はほぼ33000であった。
【0039】合成例3 添加剤成分としてイソフォロンジアミン 1モルと2−
エチルヘキシルグリシジルエーテル 1モルの付加物
(70℃,3時間反応)を合成した。
【0040】実施例1 合成例1で得られたダイマー酸ポリアミド12部、数平
均分子量2000のポリブタジエン1モルへの無水マレ
イン酸0.7モル付加物である“M2000−20”
(日本石油化学(株)製)10部、数平均分子量300
0のポリブタジエン1モルへの無水マレイン酸1モル付
加物である“M3000−20”(日本石油化学(株)
製)40部、β−ヒドロキシエチルβ´−アクリロイル
オキシエチルフタレート17部、カプロラクトン変性2
−ヒドロキシエチルメタアクリレ−ト15部、熱安定剤
ハイドロキノン0.1部、カルボキシル化テトラ(オキ
シエチレン)ラウリルエ−テル3部を混合、加熱、昇温
して105℃で1時間攪拌した後、合成例3に示される
添加剤3部を加えて、さらに140℃、20分攪拌した
後に光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール2
部、高分子状ゲル化剤として合成例2に示されるポリア
ミド3部、ゲル化剤成分として、ジベンジリデンソルビ
トール4部、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α・
γ−ジ−n−ブチルアミド2部を添加溶解させた。この
ようにして得られた溶液を、予めポリエステル系接着剤
が塗布・キュアされている厚さ100μのポリエステル
基板上に、感光層の厚さが1700μとなるように流
延、塗布、室温放置して、固形の感光性樹脂印刷版材を
得た。
【0041】この印刷版材の感光層上に、感度測定用グ
レースケールネガフィルム(Stouffer社製、2
1Steps Sensitivity Guide)
および画像再現性評価用ネガフィルム150線3%、5
%、10%網点、直径200μ、および300μ独立
点、幅50および70μ細線あり)を真空密着させて、
2KW超高圧水銀灯で1mの距離から3分間露光した。
【0042】露光終了後、中性水を入れたブラシ式洗い
だし機(液温35℃)で現像を行なった。現像時間10
分で深さ750μのレリーフ像が形成された。このレリ
ーフ像を評価した結果、グレイスケール部は14ステッ
プまで残っていて、画線部は5%網点、300μ独立
点、50μ細線などがほぼ完全に再現していることがわ
かった。印刷版の硬度は活性光線の後露光終了後でショ
アA硬度62であった。この印刷版を使用して水性イン
キを用いた100000枚のフレキソ印刷試験を行な
い、良好な印刷物を得た。
【0043】比較例1 実施例1において、β−ヒドロキシエチルβ′−アクリ
ロイルオキシエチルフタレートの使用量を67部とし
て、“M2000−20”“M3000−20”を使用
しないで、同様に感光性樹脂印刷版材を得たが、この生
版材は固形印刷版材としての実用強度を有していないも
のであった。
【0044】比較例2 実施例1において、ダイマ−酸系ポリアミドを使用しな
いで、同様に感光性樹脂印刷版材を得た。この版材から
実施例1と同様に印刷版を得て、水性インキを用いた5
0000枚のフレキソ印刷試験を行なったところ、約4
5000枚目で印刷物の微細画線部に欠落が観察され
た。
【0045】実施例2 軟化点101℃のダイマー酸系ポリアミド(ヘンケル白
水(株)製“マクロメルト”6301)15部、数平均
分子量2000のポリブタジエン1モルへの無水マレイ
ン酸0.7モル付加物である“M2000−20”(日
本石油化学(株)製)40部、アクリロイルオキシエチ
ルモノフタレート10部、カプロラクトン変性2−ヒド
ロキシエチルメタアクリレ−ト27部、高分子状ゲル化
剤として合成例2で得られたポリエーテルアミド5部、
熱安定剤ハイドロキノン0.25部を混合、加熱、昇温
して105℃で1時間攪拌した後、合成例3に示される
添加剤3部を加えてさらに140℃、20分攪拌した後
に光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール1.5
部、その他の添加剤成分として、カルボキシル化テトラ
(オキシエチレン)ラウリルエ−テル2部、ジベンジリ
デンソルビトール3部、N−ラウロイル−L−グルタミ
ン酸−α・γ−ジ−n−ブチルアミド4部を添加溶解さ
せた。このようにして得られた溶液を、予めポリエステ
ル系接着剤が塗布・キュアされている厚さ100μのポ
リエステル基板上に、感光層の厚さが1700μとなる
ように流延、塗布、室温放置して、固形の感光性樹脂印
刷版材を得た。この印刷版材の感光層上に、感度測定用
グレースケールネガフィルム(Stouffer社製、
21Steps Sensitivity Guid
e)および画像再現性評価用ネガフィルム150線3
%、5%、10%網点、直径200μ、および300μ
独立点、幅50および70μ細線あり)を真空密着させ
て、20Wケミカル灯15本を並べた露光装置で15c
mの距離から10分間露光した。露光終了後、中性水を
入れたブラシ式洗いだし機(液温30℃)で現像を行っ
た。現像時間10分で深さ800μのレリーフ像が形成
された。このレリーフ像を評価した結果、グレイスケー
ル部は15ステップまで残っていて、画線部は5%網
点、300μ独立点、50μ細線などがほぼ完全に再現
していることがわかった。印刷版の硬度は活性光線の後
露光終了後でショアA硬度63であった。この印刷版を
使用してアルコ−ル系溶剤10重量%を含有する水性イ
ンキを用いた100000枚のフレキソ印刷試験を行な
い、良好な印刷物を得た。
【0046】比較例3 実施例2において“M3000−20”の使用量を5部
として、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレ−トの使用量を62部とした以外は同様にして
感光性樹脂印刷版を得たが、実施例2と同様の印刷テス
トを行ったところ印刷版の膨潤が生じた。
【0047】実施例3 軟化点111℃のダイマー酸系ポリアミド(ヘンケル白
水(株)製“マクロメルト”6212)10部、数平均
分子量15000のポリイソプレン“クラプレン”LI
R−30(クラレ(株)製)45部、無水マレイン酸2
部、β−ヒドロキシエチルβ′−アクリロイルオキシエ
チルフタレート15部、カプロラクトン変性2−ヒドロ
キシエチルメタアクリレ−ト20部、熱安定剤ハイドロ
キノン0.5部、2−アクリロイルオキシエチルフタル
酸3部、カルボキシル化テトラ(オキシエチレン)ラウ
リルエ−テル3部、、高分子状ゲル化剤として合成例2
で得られたポリエーテルアミド3部を混合、加熱、昇温
して105℃で1時間攪拌した後、合成例3に示される
添加剤5部を加えて、さらに140℃、30分攪拌した
後に光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール1.
5部、その他の添加剤成分として、カルボキシル化テト
ラ(オキシエチレン)ラウリルエ−テル3部、ジベンジ
リデンソルビトール4部、N−ラウロイル−L−グルタ
ミン酸−α・γ−ジ−n−ブチルアミド3部を添加溶解
させた。このようにして得られた溶液を、予めポリエス
テル系接着剤が塗布・キュアされている厚さ100μの
ポリエステル基板上に、感光層の厚さが1700μとな
るように流延、塗布、室温放置して、固形の感光性樹脂
印刷版材を得た。
【0048】この感光性樹脂印刷版材から実施例2と同
様の方法でフレキソ印刷版を得ることができた。
【0049】実施例4 実施例2において、軟化点101℃のダイマー酸系ポリ
アミド(ヘンケル白水(株)製“マクロメルト”630
1)10部の代わりに、軟化点81℃のダイマー酸系ポ
リエステル(東レ(株)試作 ダイマー酸/ブチレング
リコール縮合重合体)10部を使用して同様に優れた耐
刷性を有するフレキソ印刷版を得ることができた。
【0050】実施例5 実施例2において、軟化点101℃のダイマー酸系ポリ
アミド(ヘンケル白水(株)製“マクロメルト”630
1)10部の代わりに、軟化点95℃のダイマー酸系ポ
リアミド(ヘンケル白水(株)製“DPX”550)1
0部を使用して同様に優れた耐刷性を有するフレキソ印
刷版を得ることができた。
【0051】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、水
性インキその他のフレキソインキを使用したフレキソ印
刷において印刷耐性の優れた水現像性のフレキソ印刷版
を与える感光性樹脂組成物の提供を可能としたものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量500〜30000のポリ
    エン化合物10〜60重量%および30〜200℃の軟
    化点を有するダイマー酸系ポリアミドまたはダイマー酸
    系ポリエステルを樹脂成分として含有し、かつアクリル
    モノマー類および光重合開始剤を必須成分とすることを
    特徴とするフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
JP4495292A 1992-03-02 1992-03-02 フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物 Pending JPH05241339A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249631A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Xerox Corp 硬化性オーバーコート組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009249631A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Xerox Corp 硬化性オーバーコート組成物

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