JPH05222285A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH05222285A
JPH05222285A JP2393092A JP2393092A JPH05222285A JP H05222285 A JPH05222285 A JP H05222285A JP 2393092 A JP2393092 A JP 2393092A JP 2393092 A JP2393092 A JP 2393092A JP H05222285 A JPH05222285 A JP H05222285A
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JP
Japan
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group
weight
molding
polyamide resin
resin composition
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Application number
JP2393092A
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English (en)
Inventor
Koji Nishida
耕治 西田
Kiyoji Takagi
喜代次 高木
Keiichi Saito
圭一 斉藤
Yoshihiro Kurasawa
義博 倉沢
Toru Wada
亨 和田
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の成分(a)〜(b)及び組成比からな
る熱可塑性樹脂組成物。 (a)ポリフェニレンエーテル 5〜95重量% (b)ポリアミド樹脂 95〜5重量% (c)耐衝撃性改良材 1〜35重量% (d)一般式(I) 【化5】 (式中、R1 及びR2 は各々水素原子、炭素数1〜12
のアルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、アリーレン基又はアルキレン
基を表す)で示されるチオカルボン酸無水物成分(a)
〜(c)の合計量100重量部に対して 0.01〜
10重量部 【効果】 耐衝撃性及び耐熱性、併せて、高温成形時の
滞留成形定性と成形品外観が優れた熱可塑性樹脂組成物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品の外観、耐衝撃
性、耐熱性及び滞留成形安定性が優れた熱可塑性樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニルレンエーテル(以下、PP
Eと略称する)は、優れた機械的性質及び耐熱性を有す
る有用なエンジニアリングプラスチックとして注目され
ており、スチレン系樹脂等とブレンドして用いられてい
るが、耐溶剤性が著しく悪く、この点を改良するため
に、ポリアミド樹脂とのブレンド(特公昭59−416
63号公報等)又はポリエステル樹脂とのブレンド(特
公昭51−21662号公報等)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな単純なブレンド系では、例えば、PPEとポリアミ
ド樹脂とは、本質的に相溶性に乏しいため、この二相構
造の界面の接着性は良好でなく、この二相は均一かつ微
細な形態となり難く、射出成形などの成形加工時のせん
断応力を受けたとき、層状剥離(デラミネーション)を
生じ易く、得られた成形品の外観が悪化したり、二相界
面が欠陥部となり、寸法精度、耐熱性、剛性などの機械
的特性及び耐溶剤性などの物理的特性が優れた組成物は
得られず、相溶性の改善の余地があった。
【0004】そこで、これらのブレンド樹脂の相溶性と
耐衝撃強度改良を目的として、PPEとポリアミド樹脂
の組合せに、カルボキシ基、イミド基、エポキシ基等の
極性基を含む化合物と耐衝撃改良材としてゴム質を加え
た組成物(特開昭59−49753号公報)が提案され
ている。また、このようなPPE樹脂組成物は、自動車
外板材として例えば、フェンダー、ドアパネル等に利用
されるようになっているが、大型製品は高温で成形され
るため、成形品表面にやけ及びシルバーストリーク等の
熱安定性不良に起因する不良成形品が生じることがしば
しばあった。そこで本発明は、上記の樹脂組成物の相溶
性を改良し、耐衝撃性、耐熱性、成形品外観及び高温成
形時の滞留成形安定性が優れた熱可塑性樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、PPE、ポ
リアミド樹脂、耐衝撃性改良材及びチオカルボン酸無水
物を特定の比率で配合した樹脂組成物は耐衝撃性、耐熱
性、成形品外観及び滞留成形安定性が優れた組成物とな
ることを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、下記の成分(a)〜
(d)及び組成比からなることを特徴とする熱可塑性樹
脂組成物である。 (a)PPE 5〜95重量% (b)ポリアミド樹脂 95〜5重量% (c)耐衝撃性改良材 1〜35重量% (d)一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 及びR2 は各々水素原子、炭
素数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アリーレン基又
はアルキレン基を表す)で示されるチオカルボン酸無水
物成分(a)〜(c)の合計量100重量部に対して
0.01〜10重量部
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。 <PPE(a)>本発明で使用するPPEは、一般式
(II)
【0010】
【化3】
【0011】で示される構造を有し、式中、nは少なく
とも50であり、R3 、R4 、R5 及びR6 は各々水素
原子、ハロゲン原子、第三α−炭素原子を含有しない炭
化水素基、ハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子を
介して置換したハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基又は
ハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子を介して置換
したハロ炭化水素オキシ基を表す。
【0012】上記第三α−炭素原子を含有しない炭化水
素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル等の低級アルキル基;ビニル、アリ
ル、ブテニル、シクロブテニル等のアルケニル基;フェ
ニル、トリル、キシレニル、2,4,6−トリメチルフ
ェニル基等のアリール基;ベンジル、フェニルエチル、
フェニルプロピル等のアラルキル基等が挙げられる。
【0013】ハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子
を介して置換したハロ炭化水素基としては、例えば、2
−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−フルオロエチ
ル、2,2−ジクロロエチル、2−又は3−ブロモプロ
ピル、2,2−ジフルオロ−3−ヨードプロピル、2
−、3−、4−又は5−フルオロアミル等のハロアルキ
ル基;2−クロロビニル等のハロアルケニル基;クロロ
エチルフェニル、エチルクロロフェニル、フルオロキシ
リル、クロロナフチル等のハロアリール基;ブロモベン
ジル等のハロアラルキル基が挙げられる。
【0014】また、炭化水素オキシ基としては、例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のア
ルコキシル基;フェノキシ、エチルフェノキシ、ナフト
キシ、メチルナフトキシ等のアリールオキシ基;ベンジ
ルオキシ、フェニルエトキシ、トリルエトキシ等のアラ
ルキルオキシ基等が挙げられる。
【0015】ハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子
を介して置換したハロ炭化水素オキシ基としては、例え
ば、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−フ
ルオロエトキシ、2,2−ジブロモエトキシ、2−若し
くは3−ブロモプロポキシ等のハロアルコキシル基、ク
ロロエチルフェノキシ、エチルクロロフェノキシ、ヨー
ドキシロキシ、クロロナフトキシ等のハロアリールオキ
シ基;ブロモベンジルオキシ、クロロトリルエトキシ等
のハロアラルキルオキシ基等が挙げられる。
【0016】本発明に用いるPPEには、2,6−ジメ
チルフェノールと、2,3,6−トリメチルフェノール
の共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
5,6−テトラメチルフェノールの共重合体、2,6−
ジエチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノー
ルの共重合体も含む。また、式(II)のPPEに、スチ
レン系モノマー(例えば、スチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン等)をグラフト重合したもの等
の変性したPPEを使用してもよい。
【0017】上記PPEの製造方法は公知であり、例え
ば、米国特許第3306874号、同第3306875
号、同第3257357号及び同第3257358号各
明細書並びに特公昭52−17880号及び特開昭50
−51197号各公報に開示されている。
【0018】好ましいPPE(a)は、エーテル酸素原
子結合位置に対する2つのオルソ位にアルキル置換基を
有するもの及び2,6−ジアルキルフェノールと2,
3,6−トリアルキルフェノールの共重合体である。P
PE(a)は、固有粘度が0.25〜0.70dl/g(3
0℃、クロロホルム中で測定)であるものが好ましい。
固有粘度が0.25dl/g未満では、耐衝撃強度及び耐熱
性が好ましくなく、0.70dl/gを超過すると成形加工
性が困難となる。また、樹脂の成形加工性を改良する目
的で、高粘度及び低粘度の2種のPPEを組み合わせて
使用してもよい。
【0019】<ポリアミド樹脂(b)>本発明において
用いるポリアミド樹脂は、ポリマー主鎖に−CONH−
結合を有し、加熱溶融できるものである。その代表的な
ものとしては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン
−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、ナイロ
ン−6,10、その他、公知の芳香族ジアミン、芳香族
ジカルボン酸等のモノマー成分を含む結晶性又は非晶性
のポリアミドも用いることができる。ここで非晶性ポリ
アミドとは、示差走査熱量計(DSC)て測定した結晶
度が実質的に存在しないものをいう。
【0020】好ましいポリアミド樹脂(b)は、ナイロ
ン−6,6、ナイロン−6又は非晶性ポリアミド樹脂で
ある。ポリアミド樹脂(b)は、相対粘度が2.0〜
8.0(25℃、98%濃硫酸中で測定)であるものが
好ましい。
【0021】<耐衝撃性改良材(c)>本発明に使用す
る耐衝撃性改良材は、耐衝撃性改良を目的としたゴム質
物質であり、例えばアルケニル芳香族化合物−共役ジエ
ン共重合体、ポリオレフィン系共重合体等のエラストマ
ーを挙げることができる。
【0022】また、これらのエラストマーにマレイン
酸、マレイン酸モノメチルエステル、無水マレイン酸、
イタコン酸、イタコン酸モノメチルエステル、無水イタ
コン酸、フマル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸、又
はエンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−
2,3−ジカルボン酸若しくはこれらの誘導体などの脂
環式カルボン酸をパーオキサイド、電離放射線、紫外線
などを利用して、グラフト重合したものを使用してもよ
い。
【0023】これらのエラストマーの引張弾性率が高す
ぎると、耐衝撃改良材として、十分機能しないので、エ
ラストマーの引張弾性率は、5,000kg/cm2(AST
M882)以下であるものが好ましい。
【0024】<チオカルボン酸無水物(d)>本発明に
おいて使用するチオカルボン酸無水物は、PPEとポリ
アミド樹脂の相溶性を高める目的で加える硫黄化合物で
あり、一般式(I)
【0025】
【化4】
【0026】で示される構造を有し、式中、R1 及びR
2 は各々水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のア
ルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、アリレーン基又はアルキレン基を
表す。
【0027】好ましくは置換基R1 及びR2 は各々水素
原子;ハロゲン原子;メチル、エチル又はt−ブチル等
の炭素数1〜4のアルキル基;炭素数8までのシクロア
ルキル基;あるいは場合によりアルキル基又はアルコキ
シル基によって置換されていてもよいフェニル基であ
る。
【0028】例えば、H.D. Scharf, M. Verbeek; Ange
w. Chem. Int. Ed. Engl., 6, 874(1967)、又はY. Tamu
ra et. al. ; Synthesis, 559(1977)に記載の方法にて
合成できるモノチオマレイン酸無水物がある。
【0029】<構成成分の組成比>以上述べた成分
(a)〜(c)の組成比は(a)+(b)+(c)の合
計重量を100重量%として、下記のとおりである。
【0030】成分(a):5〜95重量%、好ましくは
10〜70重量%、とりわけ好ましくは、20〜50重
量%である。
【0031】成分(b):95〜5重量%、好ましくは
85〜25重量%、とりわけ好ましくは、75〜40重
量%である。
【0032】成分(c):1〜35重量%、好ましくは
3〜25重量%、とりわけ好ましくは、7〜18重量%
である。
【0033】また、成分(d)の配合組成は、(a)〜
(c)の合計量を100重量部として、それに外数とし
て加える量が0.01〜10重量部、好ましくは0.0
5〜5重量部、とりわけ好ましくは0.1〜3重量部の
範囲である。
【0034】成分(a)が上記範囲未満では最終組成物
の耐熱剛性が不満足であり、上記範囲を超過すると耐溶
剤性及び耐衝撃性が不満足となる。また、成分(b)が
上記配合範囲外では耐低温衝撃強度が不満足である。成
分(c)が上記範囲未満では衝撃強度が不満足となり、
上記範囲を超過すると耐熱剛性が不満足となる。更に、
成分(d)が上記範囲未満では耐衝撃性、耐熱性、成形
品外観が不満足となり、上記範囲を超過すると外観に難
点が生じる。
【0035】<付加的成分>本発明による熱可塑性樹脂
組成物には、他の付加的成分を添加することができる。
例えば、周知の酸化防止剤、耐候性改良剤、造核剤、難
燃剤、可塑剤、流動性改良剤等の添加剤の任意の成分を
付加的成分として本発明の効果を損なわない範囲で使用
することができる。また有機・無機充填剤、補強剤、特
にガラス繊維、マイカ、タルク、ワラストナイト、チタ
ン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリカ等の添加は剛
性、耐熱性、寸法精度等の向上に有効である。実用のた
めに各種着色剤及びそれらの分散剤なども周知のものが
本発明の効果を損なわない範囲で使用できる。
【0036】<組成物の製造及び成形法>本発明の熱可
塑性樹脂組成物を得るための溶融混練の方法としては、
熱可塑性樹脂について一般に実用されている混練方法が
適用できる。例えば、粉状又は粒状の各成分を、必要で
あれば、付加的成分の項に記載の添加物等と共に、ヘン
シェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等
により均一に混合した後、一軸又は多軸混練押出機、ロ
ール、バンバリーミキサー等で混練する等である。
【0037】また、混練の順序は、全成分を同時に混練
してもよく、あらかじめ予備混練したブレンド物を用い
て混練してもよい。更に押出機の途中から遂次、各成分
をフィードし、混練してもよい。
【0038】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工法
は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について
一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、中空
成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層
形成、プレス成形等の成形法が適用できる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれによりその範囲が限定されるものではな
い。
【0040】実施例1〜6 使用した各成分は次のとおりである。
【0041】(a)PPE:固有粘度 0.45dl/g
(30℃、クロロホルム中で測定)のポリ(2,6−ジ
メチル−1,4フェニレンエーテル)を使用した。
【0042】(b)ポリアミド樹脂:ナイロン−6(商
品名:ウルトラミッドB−4、BASF社製、射出成形
グレード、JIS K 6810準拠による相対粘度
3.5)を用いた。
【0043】ナイロン−6,6(商品名:ウルトラミッ
ドA−3、BASF社製、射出成形グレード、JIS
K 6810準拠による相対粘度2.5)を用いた。
【0044】非晶性ナイロン(商品名:ノバミッドX2
1、三菱化成工業社製、ガラス転移温度125℃、JI
S K 6810準拠による相対粘度2.1)を使用し
た。
【0045】(c)耐衝撃性改良材:市販の無水マレイ
ン酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(商品
名:T7771Y、日本合成ゴム社製、無水マレイン酸
含有量0.5〜1重量%)、市販のスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体(商品名:TR2900C、日本合
成ゴム社製、スチレン含量16重量%)、市販の水素化
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(商品名:クレ
ートンG1651、シェル化学社製、スチレン含量33
重量%)を用いた。
【0046】(d)チオカルボン酸無水物:Y. Tamura
et. al. ; Synthesis, 559(1977)記載の方法にて合成し
たモノチオマレイン酸無水物を用いた。
【0047】上記の成分(a)、(c)及び(d)を表
1に示した配合比でスーパーミキサーにて十分混合し
た。
【0048】次に、日本製鋼所社製TEX44二軸押出
機(L/D=30、ベント付き)を用い、この混合物を
第1ホッパーより導入し、混練機の中間点より成分
(b)を表1に示した配合比で途中フィードし、設定温
度260℃、スクリュー回転数400rpm で溶融混練し
樹脂組成物とした後、ストランド状に押出し、カッター
にてペレットとした。上記の樹脂組成物のペレットか
ら、インラインスクリュー式射出成形機(東芝機械製作
所社製、IS−90B型)を用い、シリンダー温度28
0℃、金型冷却温度70℃にて射出成形を行い、試験片
を作成した。
【0049】なお、射出成形に際しては、その直前まで
減圧乾燥器を用い、0.1mmHg、80℃の条件で48時
間乾燥を行った。また、射出成形された試験片は、成形
直後にデシケータに入れ、23℃にて4〜6日間放置し
た後、評価試験を行い結果を表1に示した。
【0050】なお、各物性値と諸特性は、下記の方法に
より測定した。 (1)曲げ弾性率 ISO R 178−1974 Procedure 12(JI
S K 7203)に準じ、インストロン試験機を用い
て測定した。なお、測定温度は、23℃であった。
【0051】(2)アイゾット衝撃強度 ISO R 180−1969(JIS K 711
0)(ノッチ付アイゾット衝撃強度)に準じ、東洋精機
製作所社製アイゾット衝撃試験機を用いて測定した。な
お、測定雰囲気温度は23℃及び−30℃であった。
【0052】(3)熱変形温度 東洋精機製作所社製のHDTテスターを用いて、JIS
K 7207に準じて4.6kg荷重で評価した。
【0053】(4)滞留成形安定性 インラインスクリュー式射出成形機(東芝機械製作所社
製、IS−90B型)を用い、シリンダー温度300℃
で30分滞留させた後、金型冷却温度70℃にて射出成
形を行い、試験片(120mm×120mm、厚さ2mmの平
板)を作成した。
【0054】下記の評価基準に従って、成形品のやけ及
びシルバーストリークの発生状態を観察した。 二重マル:非常に良好(サンプル表面のやけ及びシルバ
ーストリークが表面積の2%未満) ○:良好(同2〜10%) △:やや劣る(同10〜50%) ×:劣る(同50%超過)
【0055】
【表1】
【0056】比較例1 チオカルボン酸無水物(d)を配合しなかった以外は、
実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0057】比較例2 チオカルボン酸無水物(d)の代わりに市販の無水マレ
イン酸を配合した以外は、実施例1〜6と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0058】
【発明の効果】上記評価試験の結果から、PPE、ポリ
アミド樹脂、耐衝撃性改良材及びチオカルボン酸無水物
からなる本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性及び
耐熱性、併せて高温成形時の滞留成形安定性と成形品外
観が優れたものであり、その用途は広く、工業的に有用
な材料となりうるものである。
フロントページの続き (72)発明者 倉沢 義博 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 和田 亨 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(a)〜(d)及び組成比か
    らなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 (a)ポリフェニレンエーテル 5〜95重量% (b)ポリアミド樹脂 95〜5重量% (c)耐衝撃性改良材 1〜35重量% (d)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は各々水素原子、炭素数1〜12
    のアルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、ア
    ルケニル基、アリール基、アリーレン基又はアルキレン
    基を表す)で示されるチオカルボン酸無水物成分(a)
    〜(c)の合計量100重量部に対して 0.01〜
    10重量部
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