JP2798706B2 - 耐衝撃熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

耐衝撃熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JP2798706B2
JP2798706B2 JP14834589A JP14834589A JP2798706B2 JP 2798706 B2 JP2798706 B2 JP 2798706B2 JP 14834589 A JP14834589 A JP 14834589A JP 14834589 A JP14834589 A JP 14834589A JP 2798706 B2 JP2798706 B2 JP 2798706B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐低温衝撃性及び寸法安定性が優れ、外観
光沢が良好な熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
(従来の技術) ポリフェニレンエーテル樹脂は、優れた機械的性質及
び耐熱性を有する有用な樹脂として注目されており、ス
チレン系樹脂等とブレンドして用いられているが、耐溶
剤性が著しく悪く、この点を改良するために、ポリアミ
ドとのブレンド(特公昭59−41663号公報等)又はポリ
エステルとのブレンド(特公昭51−21662号公報等)が
提案されている。
さらに、これらのブレンド物の衝撃強度改良を目的と
して、ポリフェニレンエーテルとポリアミドの組合せ
に、カルボキシル基、イミド基、エポキシ基等の極性基
を含む化合物と耐衝撃改良材としてゴム質を加えてなる
組成物(特開昭59−49753号公報)が提案されている。
近年、このような耐衝撃性、耐溶剤性、耐熱性、成形
性、寸法安定性等が優れた特性を有するポリフェニレン
エーテル樹脂組成物は、自動車外板材として、例えばフ
ェンダー、ドアパネルとして利用されつつあるが、さら
に耐衝撃性の向上が要求されるようになった。
(発明が解決しようとする課題) 従来のポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、耐高速
衝撃性は満足されるが、その反面、剛性及び耐熱性の低
下が大きいという欠点がある。特に、上記のような用途
においては、低温での高速衝撃では延性破壊となること
が望ましい。
そこで本発明は、上記の樹脂組成物が有する欠点を改
良し、耐低温衝撃性が優れ、外観光沢が改良された樹脂
組成物を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討
を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミ
ド樹脂及び不飽和基と極性基を併せ持つ化合物からなる
中間組成物をあらかじめブレンドし、これにポリアミド
樹脂、次いで耐衝撃性改良材とポリアミド樹脂とを溶融
混練して製造した樹脂組成物は耐低温高速衝撃性と剛性
の物性バランスが優れた組成物となることを見い出し、
本発明に到達した。
すなわち、本発明はポリフェニレンエーテル樹脂
(a)75〜99重量%、ポリアミド樹脂(b)0.1〜19.9
重量%及び同一分子内に不飽和基と極性基とを併せ持つ
化合物(c)0.01〜10重量%を溶融混練して中間組成物
(A)100重量%を得、 次いでこの中間組成物(A)10〜70重量%と、ポリア
ミド樹脂(B)5〜50重量%とを前段で溶融混練し、後
段でこれに耐衝撃性改良材(C)1〜35重量%と、ポリ
アミド樹脂(D)5〜70重量%とを加えて溶融混練する
ことを特徴とする耐衝撃熱可塑性樹脂組成物の製造方法
である。
成分(a)のポリフェニレンエーテル樹脂は、次式: で示される構造単位を有し、式中、nは少なくとも50で
あり、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、三級α−炭素原子を含有しない炭化
水素基、ハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子を介
して置換したハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基及びハ
ロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子を介して置換し
たハロ炭化水素オキシ基からなる群よる選択した一価の
置換基を表す。
上記三級α−炭素原子を含有しない炭化水素基として
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル等の低級アルキル基;ビニル、アルリ、ブテ
ニル、シクロブテニル等のアルケニル基;フェニル、ト
リル、キシレニル、2、4、6−トリメチルフェニル等
のアリール基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプ
ロピル等のアラルカル基等が挙げられる。ハロゲン原子
が少なくとも2個の炭素原子を介して置換したハロ炭化
水素基としては、例えば、2−クロロエチル、2−ブロ
モエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジクロロエチ
ル、2−又は3−ブロモプロピル、2,2−ジフルオロ−
3−ヨードプロピル、2−,3−,4−又は5−フルオロア
ミル、2−クロロビニル、クロロエチルフェニル、エチ
ルクロロフェニル、フルオロキシリル、クロロナフチ
ル、ブロモベンジル等が挙げられる。また、炭化水素オ
キシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシ、フェノキシ、エチルフェノキシ、ナフ
トキシ、メチルナフトキシ、ベンジルオキシ、フェニル
エトキシ、トリルエトキシ等が挙げられる。ハロゲン原
子を少なくとも2個の炭素原子を介して置換したハロ炭
化水素オキシ基としては、例えば、2−クロロエトキ
シ、2−ブロモエトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2
−ジブロモエトキシ、2−及び3−ブロモプロポキシ、
クロロエチルフェノキシ、エチルクロロフェノキシ、ヨ
ードキシロキシ、クロロナフトキシ、ブロモベンジルオ
キシ、クロロトリルエトキシ等が挙げられる。
本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹脂には、2,
6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール
の共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,5,6−テト
ラメチルフェノールの共重合体、2,6−ジエチルフェノ
ールと2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体等の共
重合体も含む。また、[I]のポリフェニレンエーテル
に、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレン等)をグラフト化した
もの等、変性されたポリフェニレンエーテルを使用して
もよい。
上記に相当するポリフェニレンエーテルの製造方法は
公知であり、例えば、米国特許第3306874号、第3306875
号、第3257357号及び第3257358号各明細書ならびに特公
昭52−17880号公報及び特開昭51−51197号公報に開示さ
れている。
本発明の目的のために好ましいポリフェニレンエーテ
ル樹脂は、エーテル酸素原子に対する2つのオルソ位に
アルキル置換基を有するもの及び2,6−ジアルキルフェ
ノールと2,3,6−トリアルキルフェノールの共重合体で
ある。
本発明で使用されるポリフェニレンエーテル樹脂
(a)は、固有粘度が0.35〜0.70dl/g(30℃、クロロホ
ルム中で測定)であるのが好ましい。
次に、成分(b)のポリアミド樹脂は、ポリマー主鎖
に−CO−NH−結合を有し、加熱溶融できるものである。
その代表的なものとしては、ナイロン−4、ナイロン−
6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、ナ
イロン−6,10等が挙げられ、その他、公知の芳香族ジア
ミン、芳香族ジカルボン酸等のモノマー成分を含む低結
晶性又は非晶性のポリアミド及び透明ナイロン等も用い
ることができる。
好ましいポリアミド樹脂(b)は、ナイロン−6,6、
ナイロン−6及び非晶性ポリアミドであり、中でも非晶
性ポリアミドが特に好ましい。
本発明で使用されるポリアミド樹脂(b)は、相対粘
度が2.0〜8.0(25℃、98%濃硫酸中で測定)であるのが
好ましい。
次に、成分(c)の同一分子内に不飽和基と極性性と
を併せ持つ化合物は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重
結合又は炭素−炭素三重結合と、極性基すなわちポリア
ミド樹脂中に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在する
カルボキシル基、アミノ基と親和性又は化学反応性を示
す官能基とを、同一分子内に併せ持つ化合物である。か
かる官能基としては、カルボン酸のカルボキシル基、カ
ルボン基より誘導される基すなわちカルボキシル基の水
素原子又は水酸基が置換した各種の塩、エステル、酸ア
ミド、酸無水物、イミド、酸アジド、酸ハロゲン化物、
あるいはオキゾリン、ニトリル、エポキシ基、アミノ
基、水酸基又はイソシアン酸エステル等が挙げられる。
不飽和基と極性基を併せ持つ化合物としては、不飽和カ
ルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化
合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシ
アン酸エステル等が主に用いられる。
具体的には、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール
酸、マレインイミド、マレイン酸ヒドラジン、無水マレ
イン酸とジアミンとの反応物、例えば、次式: (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基を表す)等で示され
る構造を有するもの、無水メチルナジック酸、無水ジク
ロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水
イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びその誘導体;
大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実
油、ゴマ油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤ
シ油、イワシ油などの天然油脂類;エポキシ化大豆油等
のエポキシ化天然油脂類;アクリル酸、ブテン酸、クロ
トン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アン
ゲリカ酸、チブリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン
酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4
−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペン
テン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロ
トン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン
酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン
酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン
酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘ
キサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン
酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセ
ン酸、マイコリペン酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘ
キサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デ
カジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカ
ジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリ
エン酸、リノール酸、リノレン酸、オクタデカトリエン
酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサ
テトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オ
レイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサ
ジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ド
コサペンタンエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン
酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテ
ン酸等の不飽和カルボン酸;あるいはこれらの不飽和カ
ルボン酸のエステル、酸アミド、無水物;あるいはアリ
ルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカル
ビノール、アリルカルビノール、メチルプロペニルカル
ビノール、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン
−1−オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタ
ジエン−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オー
ル、3,5−ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエ
ン−1−オール、CnH2n-5OH、CnH2n-7OH、CnH2n-9OH
(ただし、nは正の整数)で示されるアルコール、3−
ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン
−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオー
ル、2,6−オクタジエン−4,5−ジオール等の不飽和アル
コール;あるいはこのような不飽和アルコールのOH基
が、NH2基で置き換えられた不飽和アミン;あるいはブ
チジエン、イソプレン等の低重合(例えば平均分子量が
500から10,000ぐらいのもの);あるいは高分子量体
(例えば平均分子量が10,000以上のもの)に無水マレイ
ン酸、フェノール類を付加したもの、又はアミノ基、カ
ルボキシル基、水酸基、エポキシ基等を導入したもの;
イソシアン酸アリル等が挙げられる。
また、不飽和基と極性基を併せ持つ化合物の定義に
は、不飽和基を2個以上、極性基を2個以上(同種又は
異種)を含んだ化合物も含まれることはいうまでもな
く、また、成分(c)として2種以上の化合物を用いる
ことも可能である。これらのうちでより好ましくは、無
水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン
酸等の不飽和ジカルボン酸及びその無水物、オレイルア
ルコール等の不飽和アルコール、エポキシ化天然油脂類
であり、さらに好ましくは無水マレイン酸、マレイン
酸、オレイルアルコール、エポキシ化大豆油、エポキシ
化アマニ油であり、とりわけ好ましくは無水マレイン酸
及び無水マレイン酸とマレイン酸との混合物である。
上記した成分(a),(b)及び(c)は中間組成物
(A)100重量%について次のような割合で配合され
る。
すなわち、各成分の配合比は、成分(a)が75〜99重
量%、好ましくは67〜97重量%、特に好ましくは73〜96
重量%であり、成分(b)が0.1〜19.9重量%、好まし
くは0.5〜19重量%、特に好ましくは1.5〜17重量%であ
り、成分(c)が0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5
重量%、特に好ましくは0.2〜2重量%である。
成分(a)が75重量%未満では最終組成物の耐熱剛性
及び低温高速衝撃強度が不満足であり、99重量%を超過
すると最終組成物の低温高速衝撃強度が不満足となる。
また、成分(b)が0.1重量%未満では最終組成物の低
温高速衝撃強度が不満足であり、一方19.9重量%を超過
すると最終組成物の耐熱剛性及び低温高速衝撃強度が不
満足となる。さらに成分(c)が0.01重量%未満では最
終組成物の低温高速衝撃強度が不足し、10重量%を超過
すると最終組成物の成形品の外観に難点が生じる。
中間組成物(A)には、上記した必須成分(a),
(b)及び(c)の他に、耐衝撃改良材、各種安定剤、
流動成調整剤、耐衝撃改良フィラー(例えば1μm以下
の粒状無機フィラー)、耐熱剛性改良フィラー(例えば
アスペクト比5以上の針状もしくは繊維状フィラー)等
の任意成分を、本発明の効果を著しく損なわない範囲で
添加して用いることができる。
中間組成物(A)は、所定の割合に配合した上記の成
分を溶融混練して得られる。
まず、各成分を全て、ヘンシェルミキサー、スーパー
ミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー等により混
合し、次いで、この混合物をL/D=10〜30の1軸または
3軸型押出機を使用して、溶融混練する。
このときの溶融混練温度は、通常200〜350℃の範囲で
ある。
中間組成物(A)は、溶融状態のまま若しくはペレッ
ト化したもの、又はさらにそれを粉砕してパウダー化し
乾燥したものを、最終組成物の製造に用いることができ
る。
前段工程における成分(B)のポリアミド樹脂として
は、前述した中間組成物(A)の成分(b)として挙げ
たポリアミドを用いることができる。
次に、後段工程における成分(C)の耐衝撃改良材と
しては、例えばアルケニル芳香族化合物−共役ジエン共
重合体、ポリオレフィン系共重合体などのエラストマー
を挙げることができる。
また、これらのエラストマーにマレイン酸、マレイン
酸モノメチルエステル、無水マレイン酸、イタコン酸、
イタコン酸モノメチルエステル、無水イタコン酸、フマ
ール酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸、又はエンド−
ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−カルボン酸若
しくはこれらの誘導体等の脂環式カルボン酸をパーオキ
サイド、電離放射線、紫外線等を利用して、グラフト化
したものを使用してもよい。
これらのエラストマーの引張弾性率が高すぎると、耐
衝撃改良材としては不十分となるので、エラストマーの
引張弾性率は5000kg/cm2(ASTM D−882)以下であるも
のが好ましい。
後段工程における成分(D)のポリアミド樹脂は、前
述した中間組成物(A)の成分(b)として挙げたポリ
アミドを用いることができる。
中間組成物(A)、ポリアミド(B)、耐衝撃性材料
材(C)及びポリアミド(D)は以下の割合で配合され
る。
すなわち、最終樹脂組成物に対し、中間組成物(A)
は10〜70重量%、好ましくは12〜65重量%、特に好まし
くは15〜60重量%、(B)は5〜50重量%、好ましくは
7〜47重量%であり、特に好ましくは9〜45重量%、
(C)は1〜35重量%、好ましくは1〜30重量%、特に
好ましくは2〜50重量%、(D)は5〜70重量%、好ま
しくは7〜67重量%であり、特に好ましくは9〜65重量
%である。
中間組成物(A)が10重量%未満では耐熱剛性が不足
であり、70重量%を超過すると耐有機溶剤性及び耐低温
高速衝撃性が不足する。また、成分(B)が5重量%未
満では耐低温高速衝撃性が不満足であり、一方50重量%
を超過すると耐低温高速衝撃性及び耐熱剛性が不満足で
ある。(C)が1重量%未満では耐低温高速衝撃性が不
満足であり、35重量%を超過すると剛性が不満足とな
る。また、(D)が5重量%未満では耐低温高速衝撃性
が不満足であり、50重量%を超過すると耐低温高速衝撃
性及び耐熱剛性が不満足である。
また、本発明の樹脂組成物には、上記した必須成分の
他に例えば酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウムなどの粒状フィラー;ウォラスト、
ティスモなどの針状フィラー;ガラス繊維、カーボン繊
維などの繊維状フィラー等のフィラーならびに各種安定
剤、滑剤、着色剤、流動性調整剤、核剤、防カビ剤等の
任意成分を、本発明の効果を著しく損なわない範囲で添
加して用いることができる。
本発明の最終樹脂組成物を製造するには、例えば以下
の各方法を用いて溶融混練し製造することができる。
1)L/D=30〜60の1軸又は2軸型押出機を使用して、
第一ホッパーからペレット状若しくはパウダー状の中間
組成物(A)及び成分(B)を導入し、同時に同じ押出
機の中間ホッパーから、後段の成分(C)及び成分
(D)の混合物を固体又は溶融状態で導入して、全体を
溶融混練し最終組成物を製造する方法。
2)L/D=10〜30の1軸又は2軸型押出機を使用して中
間組成物(A)及び成分(B)を溶融混練し、ペレット
化した前段の組成物と後段の成分(C)及び成分(D)
を上述した中間組成物(A)の製造と同様の手段により
混合物とした後、L/D=10〜30の1軸又は2軸型押出機
を使用して溶融混練し、最終組成物を製造する方法。
3)L/D=10〜30の1軸又は2軸型押出機を使用して、
中間組成物(A)及び成分(B)を溶融混練し、溶融状
態の前段組成物に、後段の成分(C)及び成分(D)の
混合物を固体又は溶融状態で導入して、全体を有用混練
し、最終組成物を製造する方法。
4)L/D=40〜60の1軸又は2軸型押出機を使用して、
中間組成物(A)の各成分の混合物を第一ホッパーから
導入し、同時に第一ホッパーに近い中間ホッパーから成
分(B)を固体又は溶融状態で導入し、さらに同押出機
のベントに近い中間ホッパーから後段の成分(C)及び
成分(D)の混合物を固体又は溶融状態で導入して、全
体を溶融混練し、最終組成物を製造する方法。
上記の方法において、溶融混練温度は、通常200〜350
℃の範囲である。
かくして得られた樹脂組成物は、溶融混練後に押出
し、ペレット状とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に通常適用され
る成形法、すなわち射出成形法、押出し成形法、中空成
形法等により、容易に成形することができる。なかで
も、射出成形法を用いて成形するのが好ましい。
本発明の方法により製造された樹脂組成物は、機械的
物性が良好であることから、自動車の内外装部品、電気
機器外装部品等、ならびにオフィスオートメーション機
器等の部品用途に適している。
(実施例) 以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は
これによりその範囲を限定されるものではない。
実施例1〜2 中間組成物(A)の製造 (a)ポリフェニレンエーテル樹脂; 固有粘度0.5dl/g(30℃クロロホルム中)のポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを使用した。
(b)ポリアミド樹脂; 非晶性ナイロン(ノバミッドX21、三菱化成工業
(株)製、ガラス転移温度125℃、JIS K6810準拠による
相対粘度2.1dl/g)を使用した。
(c)同一分子内に不飽和基と極性基とを併せ持つ化合
物; 市販の無水マレイン酸(試薬グレード)を使用した。
上記した成分(a),(b)及び(c)を表1に示し
た配合比で、スーパーミキサーにて充分混合撹拌した。
次に、この混合物を、(株)日本製鋼所製TEX2軸型押
出機(L/D=30)を用い、設定温度260℃、スクリュー回
転数400rpmで溶融混練し、組成物とした後、ストランド
状に押出し、カッターにてペレットとした。これを105
℃8時間熱風乾燥機にて乾燥した。かくして中間組成物
を得た。
樹脂組成物の製造 (A)中間組成物; 上記のようにして製造した中間組成物を用いた。
(B)ポリアミド樹脂; ナイロン6(ウルトラミッドB−5、バーディッシェ
アニリンウントソーダアクチェゲゼルシャフト社(西独
国)製、射出成形グレード)を用いた。
(C)耐衝撃改良材; 市販のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(KX6
5、日本合成ゴム(株)製、スチレン含有量28重量%)
を用いた。
(D)ポリアミド樹脂; ナイロン6(ウルトラミッドB−5)を用いた。
中間組成物(A)及び成分(B)の他に、耐衝撃性改
良材として(C)と同一の市販の水素化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(G1651)又は市販の無水マレ
イン酸変性エチレン−プロピレンゴム(T7741P、日本合
成ゴム(株)製、無水マレイン酸含有量0.5〜1重量
%)を表1に示した配合比でスーパーミキサーにて十分
混合した。次にこの混合物を(株)日本製鋼所製TEX2軸
型押出機(L/D=30)用い、設定温度260℃、スクリュー
回転数300rpmで前段の溶融混練を行った。同時に同じ押
出機の中間ホッパーから成分(C)及び成分(D)の混
合物を定量的に添加して後段の溶融混練を行い、樹脂組
成物とした後、ストランド状に押出し、カッターにてペ
レットとした。
物性及び評価試験 上記の樹脂組成物のペレットから、インラインスクリ
ュー式射出成形機(東芝機械製作所製IS−90B型)を用
い、シリンダー温度280℃、金型冷却温度70℃にて射出
成形を行い、試験片を作成した。
なお、射出成形に際しては、その直前まで減圧乾燥器
を用い、0.1mmHg、80℃の条件で48時間乾燥を行った。
また、射出成形された試験片は、成形直後にデシケータ
に入れ、23℃にて4日間〜6日間放置した後評価試験を
行い結果を表2に示した。
なお、各物性値と諸特性は、下記の方法により測定し
た。
(1)高速衝撃試験 支持台(穴径2インチ)上に設定した試験片(120mm
×80mm、厚さ2mm)に、荷重センサーであるダート(径5
/8インチ)を11m/secの速度で衝突させ、試験片の衝撃
荷重における変形破壊挙動を測定し、得られた衝撃パタ
ーンにおける亀裂発生点までにおいて吸収された衝撃エ
ネルギーを算出し、材料の衝撃強度とした。また、破壊
した試験片の破損状態は5回測定して、5回全部が延性
破壊を◎、4〜3回延性破壊を○、2〜1回延性破壊を
△、全部脆性破壊を×で示した。
なお、測定雰囲気温度は、−20℃及び−30℃であっ
た。
(2)アイゾット衝撃強度 ISO R180−1969(JIS K7110)(ノッチ付アイゾット
衝撃強度)に準じ、東洋精機製作所製アイゾット衝撃試
験機を用いて測定した。
なお、測定雰囲気温度は、−20℃及び−30℃であっ
た。
(3)曲げ弾性率 ISO R178−1974 Procedure 12(JIS K7203)に準じ、
インストロン試験機を用いて測定した。
なお、測定温度は、23℃であった。
(4)表面光沢度 JIS D8741に準じ、日本電色工業(株)の光沢計を用
いて測定した。
実施例3〜5 実施例1において前段工程で任意成分として使用した
耐衝撃改良材を、実施例3では後段工程における耐衝撃
改良材(C)として使用し、実施例4では中間組成物
(A)の溶融混練の際使用し、実施例5では実施例2の
前段工程で使用した耐衝撃改良材を中間組成物(A)の
製造に使用した以外は実施例1と同じ配合成分を用い、
同様に実施した。その組成比及び評価結果はそれぞれ表
1及び表2に示す。
比較例1〜6 実施例と同じ配合成分を用い、表1のとおりの組成比
でまた製造工程を変えて樹脂組成物を製造した。すなわ
ち、比較例1では後段成分を前段工程で使用し、後段工
程を省いた。比較例2では後段成分のポリアミド樹脂
(D)のみ前段工程で使用し、比較例3では前段成分の
ポリアミド樹脂(B)を使用せず、代りに後段工程でこ
れを添加し、耐衝撃改良材は逆に後段工程で使用せず、
前段工程でこれを添加した。比較例4では比較例3にお
ける耐衝撃改良材についてのみ同様に実施した。比較例
5では中間組成物(A)を製造の際、ポリアミド樹脂
(b)を使用しなかった。比較例6では、中間組成物
(A)を製造することなく、前段組成物は1工程で製造
多した。評価結果は表2に示す。
(発明の効果) 上記評価試験の結果からあらかじめポリフェニレンエ
ーテル樹脂をを主体とする中間組成物を製造し、次にこ
の中間組成物に前段でポリアミド樹脂等を溶融混練し、
続いて、後段にて耐衝撃改良材とポリアミド樹脂等を配
合溶融して製造した本発明の樹脂組成物は、低温におけ
る衝撃強度及び高速衝撃強度が著しく向上しており、外
観光沢も優れていることがわかる。
したがって、本発明によれば、剛性と低温衝撃強度の
バランスがよく改良され、外観光沢も良好な樹脂組成物
が得られ、その用途は広く、工業的に有用な材料となり
うるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 53:02 23:26)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンエーテル樹脂(a)75〜99
    重量%、ポリアミド樹脂(b)0.1〜19.9重量%及び同
    一分子内に不飽和基と極性基とを併せ持つ化合物(c)
    0.01〜10重量%を溶融混練して中間組成物(A)100重
    量%を得、 次いでこの中間組成物(A)10〜70重量%と、ポリアミ
    ド樹脂(B)5〜50重量%とを前段で溶融混練し、後段
    でこれに耐衝撃性改良材(C)1〜35重量%と、ポリア
    ミド樹脂(D)5〜70重量%とを加えて溶融混練するこ
    とを特徴とする耐衝撃熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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