JPH05171032A - 強化熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

強化熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH05171032A
JPH05171032A JP34330491A JP34330491A JPH05171032A JP H05171032 A JPH05171032 A JP H05171032A JP 34330491 A JP34330491 A JP 34330491A JP 34330491 A JP34330491 A JP 34330491A JP H05171032 A JPH05171032 A JP H05171032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
weight
polyphenylene ether
resin
ether resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34330491A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kurasawa
義博 倉沢
Suetsugi Kakiichi
末次 柿市
Koji Nishida
耕治 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority to JP34330491A priority Critical patent/JPH05171032A/ja
Publication of JPH05171032A publication Critical patent/JPH05171032A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度、耐熱性及び成型外観の優れた強
化熱可塑性樹脂組成物の提供。 【構成】 変性ポリフェニレンエーテル樹脂(a)が分
散相を形成し且つポリアミド樹脂(b)が連続相を形成
する樹脂配合物(X)と、表面をアミノシランで処理さ
れたガラス繊維(Y)および中空ガラスバルーン(Z)
を含有しており、該ガラス繊維が該変性ポリフェニレン
エーテル樹脂で覆われていることを特徴とする強化熱可
塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観、軽量性、及び対
衝撃性に優れた強化熱可塑性樹脂組成物に関する。更に
詳しくは、特定のポリフェニレンエーテル樹脂、ポリア
ミド樹脂、ガラス繊維及び中空ガラスバルーンから成る
強化熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】熱可塑性樹脂はその種類、性質
の豊富さ及び成形性の良さから現在世界で最も多く使用
されている樹脂であり、更にその目的に応じて様々な無
機フィラーが充填されている。例えば、近年の軽量化に
対しては中空ガラスバルーンを充填し低比重化をはかる
ことが行われているのは周知の事実である。しかしなが
ら、この場合には剛性等の機械的強度や耐熱性に関して
は、大幅な改良効果は期待できない。そこで機械的強度
の向上のために、中空ガラスバルーンにガラス繊維を併
用することが試みられている。しかしながら、この場合
にはガラス繊維の充填による粘度の上昇や、ガラス繊維
との擦れにより中空ガラスバルーンが破損してしまい、
低比重化の効果は薄く、又成型外観が悪い、衝撃強度に
劣るといった問題点があり、改良が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討の結果、特定樹脂成分および充填剤の
配合により上記課題が解決されることを見い出し、本発
明を完成させるに至った。即ち、本発明は、アミノ基と
反応しうる官能基を有する変性ポリフェニレンエーテル
樹脂(a)を(a)と(b)の合計100重量部に対し
て10〜90重量部、およびポリアミド樹脂(b)を
(a)と(b)の合計100重量部に対して90〜10
重量部含有し、且つ該ポリフェニレンエーテル樹脂
(a)が平均粒径1.0μm以下の分散相を形成し且つ
該ポリアミド樹脂(b)が連続相を形成する樹脂配合物
(X)と、表面をアミノシランで処理されたガラス繊維
(Y)を全組成物に対し5〜50重量%、および平均粒
子密度が0.2〜1.0g/ccの中空ガラスバルーン
(Z)を全組成物に対し0.1〜30重量%含有してお
り、該ガラス繊維が該変性ポリフェニレンエーテル樹脂
で覆われていることを特徴とする強化熱可塑性樹脂組成
物を提供するものである。
【0004】[発明の具体的説明] (構成成分)本発明において用いられるポリフェニレン
エーテル樹脂とは下記一般式(1):
【0005】
【化1】
【0006】で示される構造単位を有し、式中、nは少
なくとも50であり、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン原子、三級α−炭素原子
を含有しない炭化水素基、ハロゲン原子が少なくとも2
個の炭素原子を介して置換したハロ炭化水素基、炭化水
素オキシ基及びハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原
子を介して置換したハロ炭化水素オキシ基からなる群よ
り選択した一価の置換基を表す。
【0007】上記三級α−炭素原子を含有しない炭化水
素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル等の低級アルキル基;ビニル、アリ
ル、ブテニル、シクロブテニル等のアルケニル基;フェ
ニル、トリル、キシレニル、2,4,6−トリメチルフ
ェニル等のアリール基:ベンジル、フェニルエチル、フ
ェニルプロピル等のアラルキル等が挙げられる。ハロゲ
ン原子が少なくとも2個の炭素原子を介して置換したハ
ロ炭化水素基としては、例えば、2−クロロエチル、2
−ブロモエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジクロ
ロエチル、2−又は3−ブロモブロビル、2,2−ジフ
ルオロ−3−ヨードプロビル、2−、3−、4−又は5
−フルオロアミル、2−クロロビニル、クロロエチルフ
ェニル、エチルクロロフェニル、フルオロキシリル、ク
ロロナフチル、ブロモベンジル等が挙げられる。
【0008】また、炭化水素オキシ基としては、例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェ
ノキシ、エチルフェノキシ、ナフトキシ、メチルナフト
キシ、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、トリルエト
キシ等が挙げられる。ハロゲン原子を少なくとも2個の
炭素原子を介して置換したハロ炭化水素オキシ基として
は、例えば、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキ
シ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジブロモエトキ
シ、2−及び3−ブロモプロポキシ、クロロエチルフェ
ノキシ、エチルクロロフェノキシ、ヨードキシロキシ、
クロロナフトキシ、ブロモベンジルオキシ、クロロトリ
ルエトキシ等が挙げられる。
【0009】本発明に用いるポリフェニルエーテル樹脂
には、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリ
メチルフェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノ
ールと2,3,5,6−テトラメチルフェノールの共重
合体、2,6−ジエチルフェノールと2,3,6−トリ
メチルフェノールの共重合体等の共重合体も含む。ま
た、上記一般式(I)のポリフェニレンエーテルに、ス
チレン系モノマー(例えば、スチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン等)をグラフト化したもの
等、変性されたポリフェニレンエーテルを使用してもよ
い。上記に相当するポリフェニレンエーテルの製造方法
は公知であり、例えば、米国特許第3306874号、
第3306875号、第3257357号及び第325
7358号各明細書ならびに特公昭25−17880号
公報及び特開昭50−51197号公報に開示されてい
る。
【0010】本発明の目的のために、好ましいポリフェ
ニレンエーテル樹脂は、エーテル酸素原子に対する2つ
のオルソ位にアルキル置換基を有するもの及び2,6−
ジアルキルフェノールと2,3,6−トリアルキルフェ
ノールの共重合体である。また、本発明に用いるポリフ
ェニレンエーテル樹脂は、30℃、クロロホルム中で測
定した固有粘度が0.2〜0.8であることが好まし
く、更に好ましくは0.3〜0.7である。0.2未満
では機械的強度に劣り、0.8を越えると成型性に劣る
ため好ましくない。また、成形性を改良する点から、固
有粘度が0.2〜0.4のポリフェニレンエーテル樹脂
と固有粘度が0.4〜0.8のポリフェニレンエーテル
樹脂を併用することも好ましいことである。
【0011】次に成分(a)として用いられる変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂とは、先に述べたポリフェニレ
ンエーテル樹脂がアミノ基と反応しうる官能基を有する
ものであり、好ましくは該ポリフェニレンエーテル樹脂
に同一分子内に極性基と不飽和基を合わせ持つ化合物
(c)を0.01重量%以上付加させたものである。ア
ミノ基と反応しうる官能基としては、例えばカルボキシ
ル基、酸無水物基、エポキシ基、チオカルボキシル基、
チオカルボン酸無水物基等を挙げることができる。
【0012】ここで用いる成分(c)の同一分子内に極
性基と不飽和基を合わせ持つ化合物としては、不飽和カ
ルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化
合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシ
アン酸エステル等があげられる。具体的には、無水マレ
イン酸、マレイン酸、フマール酸、マレインイミド、マ
レイン酸とヒドラジド、無水マレイン酸とジアミンとの
反応物、例えば、次式:
【0013】
【化2】
【0014】(式中、Rは脂肪族基又は芳香族基を表
す)で示される構造を有するもの、無水メチルナジック
酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタ
コン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸及び
その誘導体;大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻
実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落下生油、椿油、オリ
ーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油脂類;エポキシ
化大豆油等のエポキシ化天然油脂類;アクリル酸、ブテ
ン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテ
ン酸、アンゲリカ酸、チブリン酸、2−ペンテン酸、3
−ペンテン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロ
トン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル
−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−
エチルクロトン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、
2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−
ウンデセン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、
5−ドデセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセ
ン、9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オ
クタデセン酸、アイコセン酸、トコセン酸、エルカ酸、
テトラコセン酸、マイコリベン酸、2,4−ペンタジエ
ン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニ
ウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン
酸、9,12−ヘキサデカジエン酸、9,12−オクタ
デカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、オクタデカトリエン酸、アイコサジエン酸、
アイコサトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシノー
ル酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサペン
タエン酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエ
ン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、テト
ラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、オク
タコセン酸、トラアコンテン酸等の不飽和カルボン酸;
【0015】あるいはこれらの不飽和カルボン酸のエス
テル、酸アミド、無水物;あるいはアリルアルコール、
クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、アリ
ルカルビノール、メチルプロペニルカルビノール、4−
ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−オー
ル、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン−
3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,
5−ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン
−1−オール、Cn2n-5OH、Cn2n-7OH、Cn
2n-9OH(ただし、nは正の整数)で示されるアルコー
ル、3−ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル
−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジ
エン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,
5−ジオール等の不飽和アルコール;あるいはこのよう
な不飽和アルコールのOH基が、NH2基で置き換えら
れた不飽和アミン;あるいはブタジエン、イソプレン等
の低分子量体(例えば平均分子量が500から10,0
00ぐらいのもの);あるいは高分子量体(例えば平均
分子量が10,000以上のもの)に無水マレイン酸、
フェノール類を付加したもの又はアミノ酸、カルボキシ
ル基、水酸基、エポキシ基等を導入したもの;イソシア
ン酸アリル等が挙げられる。
【0016】また、不飽和基と極性基を合わせ持つ化合
物の定義には、不飽和基を2個以上極性基を2個以上
(同種又は異種)含んだ化合物も含まれることはいうま
でもなく、また、成分(c)として2種以上の化合物を
用いることも可能である。これらのうちでより好ましく
は、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イ
タコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びその無水物、オレ
インアルコール等の不飽和アルコール、エポキシ化天然
油脂類であり、さらに好ましくは無水マレイン酸、マレ
イン酸、オレイルアルコール、エポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油であり、とりわけ好ましくは無水マレイ
ン酸及び無水マレイン酸とマレイン酸との混合物であ
る。
【0017】同一分子内に極性基と不飽和基を合わせ持
つ化合物(c)の付加率は0.01重量%以上、好まし
くは0.05重量%以上である。付加率が0.01重量
%未満だと変性効果が薄く、もう一成分の熱可塑性樹脂
及びガラス繊維との親和性が劣り好ましくない。該化合
物(c)の付加量を増加すれば、それに応じてその効果
は増大するのでその上限量は制限されないが、専ら経済
的理由からその上限は5重量%程度である。
【0018】かかる変性ポリフェニレンエーテル樹脂を
得る方法としては、公知の如何なる方法を用いても良
い。例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂と同一分子内
に極性基と不飽和基を合わせ持つ化合物(c)を溶媒に
溶解させ、適当な条件下で反応させる方法、ポリフェニ
レンエーテル樹脂とを同一分子内に極性基と不飽和基を
合わせ持つ化合物(c)とを押出機を用いて適当な条件
下で溶融混練する方法等があり、また反応系に適当なラ
ジカル発生剤、例えばジクミルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド等を加えても良い。
【0019】次に、成分(b)のポリアミド樹脂とは、
主鎖に−CONH−結合を有し、加熱溶融できるもので
ある。その代表的なものとしては、ナイロン−4、ナイ
ロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイ
ロン−12、ナイロン−6,10、その他公知の芳香族
ジアミン、芳香族ジカルボン酸等のモノマー成分を含む
結晶性又は非晶性のポリアミドを用いることができる。
ここでいう非晶性ポリアミドとは、示査走査熱量計(D
SC)により測定した結晶化度が実質的に存在しないも
のをいう。好ましいポリアミド樹脂(b)はナイロン−
6、ナイロン−6,6であり、これらと非晶性ポリアミ
ドを併用することも好ましい。また、25℃、98%濃
硫酸中で測定した相対粘度が2.0〜7.0であること
が好ましい。2.0未満だと機械的強度が不足し、7.
0を越えると成型性に劣るため好ましくない。
【0020】次に、成分(Y)のガラス繊維としては、
市販のチヨップトストランド、ロービングを用いること
ができる。繊維径は1〜30μmの物が好ましく、更に
好ましくは3〜20μmである。3μm未満だと製造が
困難で実用的でなく、20μmを超過すると製品外観が
悪くなる。チヨップトストランドを用いる場合にはその
繊維長は特に限定されるものではないが操作性から1〜
10mmのものが好ましい。また、本発明でガラス繊維
の処理に用いるアミノシランとしてはモノアミノシラ
ン、ジアミノシラン、トリアミノシラン等があげられ
る。好ましくはモノアミノシラン、ジアミノシランであ
り、具体的にはN−β(アミノエチル)−γアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γアミノプロ
ピルトリエトキシシラン等が使用される。また、集束剤
もマトリックスとなる樹脂に適した物の使用が好まし
い。
【0021】本発明において(Z)成分として用いられ
る中空ガラスバルーンとは、ガラス微小中空球のことで
あり、一般に市販されている物を用いることができる。
平均粒子密度は0.2〜1.0g/ccであり、好まし
くは0.3〜0.8g/ccである。1.0g/ccを
超過すると軽量化効果が薄く、0.2g/cc未満だと
耐圧強度が不足し混練、射出成形時に破損してしまう。
また、本発明における中空ガラスバルーンは、あらかじ
めカップリング剤で処理しておくことも可能である。処
理方法としては、例えば、溶融したガラスを高速で延伸
しながら途中に設けたカップリング剤、集束剤塗布装置
にて浸漬させてカップリング剤や集束剤を付着させる。
【0022】本発明において衝撃強度が必要とされる場
合には耐衝撃改良材を加えることができる。本発明に使
用される耐衝撃性改良材は、天然または合成ゴム状物質
を用いることができる。本発明に使用するためのゴムの
例としては、天然ゴムおよび合成ゴム例えばポリブタジ
エン、ポリイソプレン、またはこのようなジエン類とビ
ニル単量体例えばスチレンのようなビニル芳香族単量体
との共重合体がある。ゴムまたはゴム状重合体として好
適なものの例には、天然ゴム、SBR型ゴム、ブタジエ
ンとアクリロニトリルを含有する合成GR−N型ゴム、
およびブタジエン、ブタジエン−スチレンまたはイソプ
レンから作られた合成ゴム、ポリクロロブタジエン、例
えばネオプレン;ポリイソブチレンおよびイソブチレン
とブタジエンまたはイソプレンとの共重合体;ポリイソ
プレン;エチレンとプロピレンの共重合体、およびこれ
らとブタジエンの共重合体;
【0023】サイオコールゴム;アクリルゴム;ポリウ
レタンゴム;ジエン、例えばブタジエンおよびイソプレ
ンと各種の単量体例えばアルキル不飽和エステル(例え
ばメチルメタクリレート)、不飽和ケトン例えばメチル
イソプロペニルケトン、ビニル複素環例えばビニルピリ
ジンとの共重合体;ポリエーテルゴム;エピクロロヒド
リンゴム等がある。好ましいゴムはポリブタジエンおよ
びブタジエンとスチレンのゴム状共重合体である。特に
好ましくは、スチレン含量が10重量%以上のスチレン
−ブチレン−スチレントリブロック共重合体あるいは、
その水素化物。または、α,β不飽和カルボン酸で変性
されたエチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴ
ムである。また、架橋アクリルゴムをコアにアルケニル
芳香族高分子をシエルに有するコアシエルエラストマー
及び/又はそのα,β−不飽和カルボン酸変性ゴム等も
用いることができ、これらを2種類以上組み合わせて用
いることも可能である。
【0024】また、本発明の樹脂組成物は、本発明の目
的を損なわない範囲で必要に応じて、酸化防止剤、耐候
性改良剤、造核剤、スリップ剤、難燃剤、各種着色剤、
帯電防止剤、離型剤等の補助成分を添加することも可能
である。また、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、ウイ
スカー等の他の無機充填剤も配合することができる。
【0025】本発明の組成物は周知の一軸押出機、二軸
押出機等の押出機をもちいて、加熱溶融状態で混練する
事により得ることができる。例えば、 熱可塑性樹脂ペレットまたはパウダーとチョップドス
トランド、中空ガラスバルーンを所定の比率で混合し、
これを押出機のホッパーから供給して、溶融混練を行う
方法、 押出機の押出方向に材料供給口を2以上設け樹脂を溶
融した後、チョップドストランドやガラスバルーンまた
はその両方を供給する方法、 押出機の先端にクロスヘッドを設け、溶融樹脂の中に
ガラスロービングを連続的に貫通させ、長繊維のまま直
接樹脂を被覆させペレット化する方法等がある。
【0026】(構成成分の組成比)本発明における各成
分の配合割合は以下の通りである。成分(a)の変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂は(a)+(b)合計100
重量部に対して10〜90重量部、好ましくは20〜8
0重量部である。10重量部未満では耐熱剛性が不足し
90重量部を超過すると衝撃強度が不足する。成分
(b)のポリアミド樹脂は(a)+(b)合計100重
量部に対して90〜10重量部、好ましくは80〜20
重量部である。20重量部未満では衝撃強度が不足し9
0重量部を超過すると耐熱剛性が不足する。成分(Y)
のガラス繊維の充填量は、全組成物に対して5〜50重
量%であり、好ましくは5〜40重量%である。5重量
%以下だと剛性、耐熱性の改良効果が小さく、50重量
%以上だと製品外観が悪くなる。成分(Z)の中空ガラ
スバルーンの充填量は、全組成物に対して0.1〜30
重量%であり、好ましくは1〜15重量%である。0.
1重量%以下だと軽量化効果が薄く、30重量%以上だ
と製品外観が悪くなる。同一分子内に不飽和基と極性基
を合わせ持つ化合物(c)はポリフェニレンエーテル樹
脂に対し0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜10
重量%である。0.1重量%未満ではポリフェニレンエ
ーテル樹脂への付加率が十分でなく、10重量%を超過
すると余剰の化合物により成形品の外観に難点が生じ
る。
【0027】(組成物の調製)本発明の組成物の調製
は、上記各構成成分を配合することにより行われる。ポ
リフェニレンエーテル樹脂(a)とポリアミド樹脂
(b)とを所定割合で混合して、成分(a)が平均粒径
1.0μm以下の分散相と成分(b)が連続相を形成す
る樹脂配合物(X)を調製し、ついで該配合物(X)に
上記ガラス繊維(Y)および中空ガラスバルーン(Z)
を所定量配合物することにより、本発明の組成物を調製
することができる。特に好ましい態様を挙げれば、所定
の方法により変性ポリフェニレンエーテル樹脂を調製
し、これとポリアミド樹脂とを所定割合で混合して溶融
混練しつつ、ガラス繊維および中空ガラスバルーンを所
定量中途でフィードすることにより、本発明の組成物を
調製することができる。
【0028】樹脂配合物において、成分(a)が分散相
を、成分(b)が連続相を形成することにより、両成分
の相溶性及び配合物の衝撃強度等の物性が良好となる。
また、分散相を構成する成分(a)の平均粒径は1.0
μm以下、好ましくは0.01〜0.5μmである。該
粒径が1.0μmを越えると、ポリフェニレンエーテル
樹脂(a)によるガラス繊維(Y)の好ましい被覆が阻
害される。なお、本発明の組成物の流動性については、
成形性、機械的強度の面から、280℃、5kg荷重で
のMFRが、10〜100g/10分であることが好ま
しく、特に好ましくは15〜90g/10分である。M
FRが10未満であると、成形加工時の圧力により中空
ガラスバルーンが破損する恐れがある。
【0029】本発明の組成物は、自動車、電気部品、一
般機器等の外装部品、構造部品、機械部品等に用いられ
る。その具体的な使用例を示せば、自動車のスポイラ
ー、ルーバー、ランプハウジング、アウトドアーハンド
ル等の外装部品、オーディオ、ビデオテープレコーダ
ー、ステレオ等の構造部品として、また、ギヤ、カム、
レバー、等の機構部品として有用な物である。また、コ
ネクター、スイッチ、リレー等の電気、電子部品、その
他カメラ、ラジオ、ファクシミリ、コンピューター等の
各種OA機器にも有用である。また、本発明組成物を用
いる成型加工法は、特に限定されるものではなく、熱可
塑性樹脂一般に適用される成型法、すなわち押出成形、
中空成形、射出成形、シート成形、熱成形、回転成形、
積層成形等の成形法により容易に成形することができる
が、中でも、射出成形が最も好ましい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。な
お、以下の記載において「部」とあるのはすべて重量部
を意味する。各実施例、比較例での諸物性の測定は次の
方法による。 1) Izod衝撃 JIS K−7110に準拠して測定した。 2) 密度 JIS K−7112に準拠して測定した。 3) 曲げ弾性率、強度 JIS K−7203に準拠して測定した。 4) MFR JIS K−7210に準拠して、280℃、5kg荷
重にて測定した。 5) 熱変形温度 JIS K−7207に準拠して、18.5kg荷重に
て測定した。
【0031】6) 製品外観 成型品を目視により評価し、以下の基準により判断し
た。 ○: 良好 △: やや不良 ×: 不良 7) 表面粗さ 表面粗さ計((株)小坂研究所製 ET−30HK)を
用いて、JISシート中央部を測定し、10点平均粗さ
(Rz)を求めた。 8) 分散粒子径 分散層であるポリフェニレンエーテルの分散粒子径は、
試験片の一部を切り出し、トルエンでエッチング後、電
子顕微鏡写真を撮影し、日本アビオニスク(株)製スピ
カIIにより画像解析を行い、測定した。
【0032】〔参考例〕変性ポリフェニレンエーテル樹脂(a)の製造 表−1に示す各成分を所定の割合で配合し、窒素雰囲気
下、ヘンシェルミキサーにて十分混合した後、異方向回
転二軸押出機(日本製鋼所(株)製、口径44mmφ、
L/D=30)を用いて、シリンダー温度250℃にて
溶融混練し、冷却後ペレット化し、変性ポリフェニレン
エーテル樹脂(a)を得た。
【0033】
【表1】
【0034】〔実施例1〜6及び比較例1〜6〕表−2
に示す各成分を所定の割合で配合し、窒素雰囲気下、ヘ
ンシェルミキサーにて十分混合した後、同方向回転二軸
押出機(日本製鋼所(株)製、口径44mmφ、L/D
=30)を用いて、シリンダー温度230℃にて溶融混
練しつつ、ガラス繊維及び中空ガラスバルーンを途中か
らフィードし、混合した後、ダイスから押し出し冷却後
ペレット化し、強化樹脂組成物を得た。この組成物を1
10℃で8時間乾燥した後、シリンダー温度280℃に
設定した日本製鋼所(株)製射出成型機(型締力100
T)を用いて射出成型し、物性測定用試験片を作成し、
評価を行った。
【0035】
【表2】
【0036】なお、表−2中に示した各成分としては、
下記のものを用いた: ポリアミド樹脂(b) b−1:カネボウ(株)製 MCIOOL(25℃、98%濃硫酸で測
定した相対湿度:2.1) b−2:カネボウ(株)製 MC161(25℃、98%濃硫酸で測
定した相対湿度:6.8) b−3:三菱化成(株)製 X21(25℃、98%濃硫酸で測定
した相対湿度:2.1) ガラス繊維(Y) Y−1:旭ファイバーグラス(株)製 直径10μm、長さ3mm アミノシラン処理品 Y−2:旭ファイバーグラス(株)製 直径10μm、長さ3mm アミノシラン未処理品
【0037】中空ガラスバルーン(Z) Z−1:住友3M(株)製 グラスバブルズs60/10000 平均粒子密度0.60g/cm3 Z−2:住友3M(株)製 グラスバブルズc15/250 平均粒子密度0.15g/cm3 対衝撃改良剤 M−EPR:日本合成ゴム(株)製T7771Y(マレ
イン酸変性エチレン-プロピレンゴム) SEBS:シェル化学社製クレイトンG1651(スチ
レン・水素化ブタジエン・スチレントリブロック共重合
体) コアシェルゴム:武田薬品(株)製MU3010(コ
ア:ポリブタジエン、シェル:ポリスチレン)
【0038】
【発明の効果】以上の説明及び実施例で明らかなよう
に、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、成形品の軽量
化を行いながら、機械的性質を改良することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQV 9286−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基と反応しうる官能基を有する変
    性ポリフェニレンエーテル樹脂(a)を(a)と(b)
    の合計100重量部に対して10〜90重量部、および
    ポリアミド樹脂(b)を(a)と(b)の合計100重
    量部に対して90〜10重量部含有し、且つ該ポリフェ
    ニレンエーテル樹脂(a)が平均粒径1.0μm以下の
    分散相を形成し且つ該ポリアミド樹脂(b)が連続相を
    形成する樹脂配合物(X)と、表面をアミノシランで処
    理されたガラス繊維(Y)を全組成物に対し5〜50重
    量%、および平均粒子密度が0.2〜1.0g/ccの
    中空ガラスバルーン(Z)を全組成物に対し0.1〜3
    0重量%含有しており、該ガラス繊維が該変性ポリフェ
    ニレンエーテル樹脂で覆われていることを特徴とする強
    化熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 変性ポリフェニレンエーテル樹脂(a)
    がポリフェニレンエーテル樹脂に、同一分子内に不飽和
    基と極性基を合わせもつ化合物(c)を0.01重量%
    以上付加させたものであることを特徴とする請求項第1
    項記載の組成物。
JP34330491A 1991-12-25 1991-12-25 強化熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH05171032A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34330491A JPH05171032A (ja) 1991-12-25 1991-12-25 強化熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34330491A JPH05171032A (ja) 1991-12-25 1991-12-25 強化熱可塑性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05171032A true JPH05171032A (ja) 1993-07-09

Family

ID=18360487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34330491A Pending JPH05171032A (ja) 1991-12-25 1991-12-25 強化熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05171032A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2953849A1 (fr) * 2009-12-16 2011-06-17 Rhodia Operations Composition polyamide de faible conductivite thermique
WO2012151178A2 (en) 2011-05-02 2012-11-08 3M Innovative Properties Company Thermoplastic resin composite containing hollow glass microspheres
JP2013525644A (ja) * 2010-04-28 2013-06-20 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ 断熱性構造部材とそれを組込んだドアおよび窓
CN106739294A (zh) * 2016-12-20 2017-05-31 浙江华正新材料股份有限公司 热固性树脂超低密度层压材料及其制备方法
CN111868158A (zh) * 2018-03-27 2020-10-30 巴斯夫欧洲公司 聚酰胺组合物、其制备方法、应用和制品
CN117089191A (zh) * 2023-10-20 2023-11-21 上海聚威新材料股份有限公司 一种低介电轻质ppo/pok复合材料及其制备方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101424901B1 (ko) * 2009-12-16 2014-07-31 로디아 오퍼레이션스 낮은 열 전도도를 갖는 폴리아미드 조성물
WO2011073305A1 (fr) * 2009-12-16 2011-06-23 Rhodia Operations Composition polyamide de faible conductivite thermique
CN102656232A (zh) * 2009-12-16 2012-09-05 罗地亚经营管理公司 具有低热导率的聚酰胺组合物
US9969883B2 (en) 2009-12-16 2018-05-15 Rhodia Operations Polyamide composition with low thermal conductivity
FR2953849A1 (fr) * 2009-12-16 2011-06-17 Rhodia Operations Composition polyamide de faible conductivite thermique
US20120316261A1 (en) * 2009-12-16 2012-12-13 Rhodia Operations Polyamide composition with low thermal conductivity
JP2013525644A (ja) * 2010-04-28 2013-06-20 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ 断熱性構造部材とそれを組込んだドアおよび窓
KR20130066568A (ko) * 2010-04-28 2013-06-20 사빅 이노베이티브 플라스틱스 아이피 비.브이. 단열 구조 부재, 및 이들을 포함하는 도어 및 윈도우
WO2012151178A3 (en) * 2011-05-02 2013-02-28 3M Innovative Properties Company Thermoplastic resin composite containing hollow glass microspheres
US9321906B2 (en) 2011-05-02 2016-04-26 3M Innovative Properties Company Thermoplastic resin composite containing hollow glass microsheres
WO2012151178A2 (en) 2011-05-02 2012-11-08 3M Innovative Properties Company Thermoplastic resin composite containing hollow glass microspheres
CN106739294A (zh) * 2016-12-20 2017-05-31 浙江华正新材料股份有限公司 热固性树脂超低密度层压材料及其制备方法
CN111868158A (zh) * 2018-03-27 2020-10-30 巴斯夫欧洲公司 聚酰胺组合物、其制备方法、应用和制品
CN111868158B (zh) * 2018-03-27 2023-02-17 巴斯夫欧洲公司 聚酰胺组合物、其制备方法、应用和制品
CN117089191A (zh) * 2023-10-20 2023-11-21 上海聚威新材料股份有限公司 一种低介电轻质ppo/pok复合材料及其制备方法
CN117089191B (zh) * 2023-10-20 2024-01-12 上海聚威新材料股份有限公司 一种低介电轻质ppo/pok复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4957966A (en) Thermoplastic resin composition
JP2842536B2 (ja) 樹脂組成物
US5017652A (en) Process for making a thermoplastic resin composition
JP2715499B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2885317B2 (ja) 耐衝撃熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2798722B2 (ja) 樹脂組成物
US5073596A (en) Polyphenylene ether resin composition
EP0225170A1 (en) Moldable composition of polyphenylene ether and polyamide resin
US5159008A (en) Reinforced polyphenylene ether resin composition
JP3223792B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH05171032A (ja) 強化熱可塑性樹脂組成物
JP3293496B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
US5162447A (en) Process for making a thermoplastic resin composition
JP3111625B2 (ja) リサイクル性が改良された樹脂組成物
JP2002206054A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物
JPH07116354B2 (ja) 樹脂組成物の製造方法
JP2002194093A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物
JP3306935B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH05230360A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2798706B2 (ja) 耐衝撃熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP3409579B2 (ja) 音響機器用樹脂成形体
JP3110089B2 (ja) 樹脂組成物
JP3432525B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造法
JP2002194207A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2985903B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物