JP3409579B2 - 音響機器用樹脂成形体 - Google Patents
音響機器用樹脂成形体Info
- Publication number
- JP3409579B2 JP3409579B2 JP11629196A JP11629196A JP3409579B2 JP 3409579 B2 JP3409579 B2 JP 3409579B2 JP 11629196 A JP11629196 A JP 11629196A JP 11629196 A JP11629196 A JP 11629196A JP 3409579 B2 JP3409579 B2 JP 3409579B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- component
- group
- resin
- nylon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカーのフレ
ームまたはコンピュータのスピーカー部の構成部品(た
だし、スピーカーの振動板を除く。)である音響機器用
樹脂成形体に関するものである。更に詳しくは、本発明
は、音響部品の用途に供せられる音響特性、加工特性に
優れた、ポリフェニレンエーテル及びポリアミドを主成
分としたスピーカーのフレームまたはコンピュータのス
ピーカー部の構成部品(ただし、スピーカーの振動板を
除く。)である音響機器用樹脂成形体に関するものであ
る。
ームまたはコンピュータのスピーカー部の構成部品(た
だし、スピーカーの振動板を除く。)である音響機器用
樹脂成形体に関するものである。更に詳しくは、本発明
は、音響部品の用途に供せられる音響特性、加工特性に
優れた、ポリフェニレンエーテル及びポリアミドを主成
分としたスピーカーのフレームまたはコンピュータのス
ピーカー部の構成部品(ただし、スピーカーの振動板を
除く。)である音響機器用樹脂成形体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、音響用途の部品として金属、紙、
種々の樹脂成形体が用いられてきた。近年、加工コスト
の低減から、熱可塑性樹脂を射出成形によって成形する
事により、従来の金属とか紙の組み合わせより、複雑な
形状の部品をより経済的に製造する方法が試みられてい
る。しかし、成形加工特性、音響性能、組立加工工程に
おける接着剤との接着性や加工時の耐熱性の全てを満足
する成形体得られていない。例えば音響特性の優れたポ
リプロピレンを主成分とする成形体では、耐熱性、接着
剤との接着性が十分でなく、ポリアミド樹脂の成形体
は、接着性は満足させるが、吸水時の音質の変化が顕著
であり、耐熱性も不十分である。
種々の樹脂成形体が用いられてきた。近年、加工コスト
の低減から、熱可塑性樹脂を射出成形によって成形する
事により、従来の金属とか紙の組み合わせより、複雑な
形状の部品をより経済的に製造する方法が試みられてい
る。しかし、成形加工特性、音響性能、組立加工工程に
おける接着剤との接着性や加工時の耐熱性の全てを満足
する成形体得られていない。例えば音響特性の優れたポ
リプロピレンを主成分とする成形体では、耐熱性、接着
剤との接着性が十分でなく、ポリアミド樹脂の成形体
は、接着性は満足させるが、吸水時の音質の変化が顕著
であり、耐熱性も不十分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、音響用途に供せられる
部品にポリアミド、ポリフェニレンエーテルおよびマイ
カを主成分とする樹脂成形品を用いることにより、音響
特性が優れ、成形加工特性、加工工程における接着剤と
の接着性や加工時の耐熱性を満足するスピーカーのフレ
ームまたはコンピュータのスピーカー部の構成部品(た
だし、スピーカーの振動板を除く。)である音響機器用
樹脂成形体を提供する点に存する。
発明が解決しようとする課題は、音響用途に供せられる
部品にポリアミド、ポリフェニレンエーテルおよびマイ
カを主成分とする樹脂成形品を用いることにより、音響
特性が優れ、成形加工特性、加工工程における接着剤と
の接着性や加工時の耐熱性を満足するスピーカーのフレ
ームまたはコンピュータのスピーカー部の構成部品(た
だし、スピーカーの振動板を除く。)である音響機器用
樹脂成形体を提供する点に存する。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のうち
一の発明は、下記(A)成分〜(C)成分を含有し、ス
ピーカーのフレームである音響機器用樹脂成形体に係る
ものである。 (A):ポリフェニレンエーテル (B):ポリアミド (C):マイカまた、本発明のうち他の発明は、上記の(A)成分〜
(C)成分を含有し、コンピュータのスピーカー部の構
成部品(ただし、スピーカーの振動板を除く。)である
音響機器用樹脂成形体に係るものである。
一の発明は、下記(A)成分〜(C)成分を含有し、ス
ピーカーのフレームである音響機器用樹脂成形体に係る
ものである。 (A):ポリフェニレンエーテル (B):ポリアミド (C):マイカまた、本発明のうち他の発明は、上記の(A)成分〜
(C)成分を含有し、コンピュータのスピーカー部の構
成部品(ただし、スピーカーの振動板を除く。)である
音響機器用樹脂成形体に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる樹脂の構成成
分(A)は、ポリフェニレンエーテルであり、下式で示
されるフェノール化合物の一種又は二種以上を、酸化カ
ップリング触媒を用い、酸素又は酸素含有ガスで酸化重
合させて得られる重合体が好ましい。
分(A)は、ポリフェニレンエーテルであり、下式で示
されるフェノール化合物の一種又は二種以上を、酸化カ
ップリング触媒を用い、酸素又は酸素含有ガスで酸化重
合させて得られる重合体が好ましい。
【0006】
【0007】(式中、R1〜R5は、独立に、水素、ハ
ロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基から選ばれ
る一種であるが、そのうち少なくともひとつは水素原子
である。)。R1〜R5の具体例としては、水素、塩
素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−又は
iso−プロピル、pri−、sec−又はt−ブチ
ル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチ
ル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、
メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、
クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、
エチルフェニル、アリルなどがあげられる。
ロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基から選ばれ
る一種であるが、そのうち少なくともひとつは水素原子
である。)。R1〜R5の具体例としては、水素、塩
素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−又は
iso−プロピル、pri−、sec−又はt−ブチ
ル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチ
ル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、
メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、
クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、
エチルフェニル、アリルなどがあげられる。
【0008】上記の式により表される化合物の具体例と
しては、フェノール、o−,m−,又はp−クレゾー
ル、2,6−、2,5−、2,4−又は3,5−ジメチ
ルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、
2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェ
ノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,
5−、2,3,6−又は2,4,6−トリメチルフェノ
ール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモー
ル、2−メチル−6−アリルフェノールなどがあげられ
る。
しては、フェノール、o−,m−,又はp−クレゾー
ル、2,6−、2,5−、2,4−又は3,5−ジメチ
ルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、
2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェ
ノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,
5−、2,3,6−又は2,4,6−トリメチルフェノ
ール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモー
ル、2−メチル−6−アリルフェノールなどがあげられ
る。
【0009】更に(A)成分としては、上記式以外のフ
ェノール化合物、たとえばビスフェノール−A、テトラ
ブロモビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノ
ン、ノボラック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合
物と上記式で表される化合物の共重合体を用いてもよ
い。
ェノール化合物、たとえばビスフェノール−A、テトラ
ブロモビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノ
ン、ノボラック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合
物と上記式で表される化合物の共重合体を用いてもよ
い。
【0010】(A)成分として好ましいものとしては、
2,6−ジメチルフェノールの単独重合体、2,6−ジ
フェニルフェノールの単独重合体、大量部の2,6−キ
シレノールと少量部の3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノールの共重合体、大量部の2,6−キシレノールと少
量部の2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体が
あげられる。
2,6−ジメチルフェノールの単独重合体、2,6−ジ
フェニルフェノールの単独重合体、大量部の2,6−キ
シレノールと少量部の3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノールの共重合体、大量部の2,6−キシレノールと少
量部の2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体が
あげられる。
【0011】本発明に用いられる樹脂の構成成分(B)
はポリアミドであり、該ポリアミドとは、結晶性脂肪族
ポリアミド及び芳香族ポリアミドなどより選ばれる少な
くとも一種のポリアミドである。
はポリアミドであり、該ポリアミドとは、結晶性脂肪族
ポリアミド及び芳香族ポリアミドなどより選ばれる少な
くとも一種のポリアミドである。
【0012】前記の結晶性脂肪族ポリアミドとは、たと
えば以下に示すものをいう。
えば以下に示すものをいう。
【0013】これらのものは等モル量の炭素原子4〜1
2個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と炭素原子2〜12
個を含む脂肪族ジアミンとの結合により製造することが
でき、その際に所望に応じてポリアミド中にてカルボキ
シル末端基よりアミン末端基を過剰に与えるようにジア
ミンなどを用いることができる。逆に、過剰の酸性基を
与えるように二塩基性酸を用いることもできる。同様
に、これらのポリアミドを該酸及びアミンの酸生成及び
アミン生成誘導体、たとえばエステル、酸塩化物、アミ
ン塩などからも良好に製造することができる。このポリ
アミドを製造するために用いる代表的な脂肪族ジカルボ
ン酸にはアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベ
リン酸、セバシン酸及びドデカンジオン酸が含まれ、一
方代表的な脂肪族ジアミンにはヘキサメチレンジアミン
及びオクタメチレンジアミンが含まれる。加えて、これ
らのポリアミドはラクタムもしくは炭素原子4〜12個
のω−アミノ酸の単位、又は炭素原子4〜12個の脂肪
族ジカルボン酸、及び炭素原子2〜12個の脂肪族ジア
ミンから誘導される化合物、たとえば、ε−カプロラク
タム、ω−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸などのラクタム、又はアミ
ノ酸、前記した各種ジアミンとアジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸との等モル塩などの自己縮合等により製
造することができる。
2個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と炭素原子2〜12
個を含む脂肪族ジアミンとの結合により製造することが
でき、その際に所望に応じてポリアミド中にてカルボキ
シル末端基よりアミン末端基を過剰に与えるようにジア
ミンなどを用いることができる。逆に、過剰の酸性基を
与えるように二塩基性酸を用いることもできる。同様
に、これらのポリアミドを該酸及びアミンの酸生成及び
アミン生成誘導体、たとえばエステル、酸塩化物、アミ
ン塩などからも良好に製造することができる。このポリ
アミドを製造するために用いる代表的な脂肪族ジカルボ
ン酸にはアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベ
リン酸、セバシン酸及びドデカンジオン酸が含まれ、一
方代表的な脂肪族ジアミンにはヘキサメチレンジアミン
及びオクタメチレンジアミンが含まれる。加えて、これ
らのポリアミドはラクタムもしくは炭素原子4〜12個
のω−アミノ酸の単位、又は炭素原子4〜12個の脂肪
族ジカルボン酸、及び炭素原子2〜12個の脂肪族ジア
ミンから誘導される化合物、たとえば、ε−カプロラク
タム、ω−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸などのラクタム、又はアミ
ノ酸、前記した各種ジアミンとアジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸との等モル塩などの自己縮合等により製
造することができる。
【0014】ポリアミドの例には、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンアゼ
ラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレンセバサミ
ド(ナイロン610)、及びポリヘキサメチレンドデカ
ノアミド(ナイロン612)、ポリ−ビス−(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタンドデカノアミド、ポリテトラ
メチレンアジパミド(ナイロン46)又はラクタムの環
開裂により生じるポリアミド;即ちポリカプロラクタム
(ナイロン6)、及びポリラウリルラクタムが含まれ
る。また上記の重合体を製造する際に使用される少なく
とも2種のアミン又は酸の重合により製造されるポリア
ミド、たとえばアジピン酸、セバシン酸、及びヘキサメ
チレンジアミンから製造される重合体を用いることがで
きる。さらにナイロン66とナイロン6の共重合体であ
るナイロン66/6や、ナイロン6/12の如き共重合
体が含まれる。
アジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンアゼ
ラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレンセバサミ
ド(ナイロン610)、及びポリヘキサメチレンドデカ
ノアミド(ナイロン612)、ポリ−ビス−(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタンドデカノアミド、ポリテトラ
メチレンアジパミド(ナイロン46)又はラクタムの環
開裂により生じるポリアミド;即ちポリカプロラクタム
(ナイロン6)、及びポリラウリルラクタムが含まれ
る。また上記の重合体を製造する際に使用される少なく
とも2種のアミン又は酸の重合により製造されるポリア
ミド、たとえばアジピン酸、セバシン酸、及びヘキサメ
チレンジアミンから製造される重合体を用いることがで
きる。さらにナイロン66とナイロン6の共重合体であ
るナイロン66/6や、ナイロン6/12の如き共重合
体が含まれる。
【0015】これらの結晶性ポリアミドにあって好まし
くはナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン11、ナイロン12などが用いられる。より好ましく
は、ナイロン6、ナイロン66あるいはナイロン6とナ
イロン66との任意の比率の混合物が用いられる。また
これらポリアミドの末端官能基はアミン末端の多いも
の、カルボキシ末端の多いもの、両者がバランスしたも
の、あるいはこれらの任意の比率の混合物が好適に用い
られる。
くはナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン11、ナイロン12などが用いられる。より好ましく
は、ナイロン6、ナイロン66あるいはナイロン6とナ
イロン66との任意の比率の混合物が用いられる。また
これらポリアミドの末端官能基はアミン末端の多いも
の、カルボキシ末端の多いもの、両者がバランスしたも
の、あるいはこれらの任意の比率の混合物が好適に用い
られる。
【0016】前記の芳香族ポリアミドとは、たとえばポ
リヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)の
如き芳香族成分を含有するコポリアミドである。かかる
芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミドは芳香族ア
ミノ酸及び/又は芳香族ジカルボン酸たとえば、パラア
ミノメチル安息香酸、パラアミノエチル安息香酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などを主要構成成分とする溶融
重合が可能なポリアミドを意味する。
リヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)の
如き芳香族成分を含有するコポリアミドである。かかる
芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミドは芳香族ア
ミノ酸及び/又は芳香族ジカルボン酸たとえば、パラア
ミノメチル安息香酸、パラアミノエチル安息香酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などを主要構成成分とする溶融
重合が可能なポリアミドを意味する。
【0017】ポリアミドの他の構成成分となるジアミン
はヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサンなどを使用することができる。またジアミンの代
わりにイソシアネート類を用いる事が出来る。たとえば
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネートなどである。
はヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサンなどを使用することができる。またジアミンの代
わりにイソシアネート類を用いる事が出来る。たとえば
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネートなどである。
【0018】必要に応じて用いられる共重合成分は特に
限定なく、ラクタムもしくは炭素原子4〜12個のω−
アミノ酸の単位、又は炭素原子4〜12個の脂肪族ジカ
ルボン酸、及び炭素原子2〜12個の脂肪族ジアミンか
ら誘導される化合物、たとえば、ε−カプロラクタム、
ω−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などのラクタム、又はアミノ酸、前
記した各種ジアミンとアジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸との等モル塩などが利用できる。
限定なく、ラクタムもしくは炭素原子4〜12個のω−
アミノ酸の単位、又は炭素原子4〜12個の脂肪族ジカ
ルボン酸、及び炭素原子2〜12個の脂肪族ジアミンか
ら誘導される化合物、たとえば、ε−カプロラクタム、
ω−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などのラクタム、又はアミノ酸、前
記した各種ジアミンとアジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸との等モル塩などが利用できる。
【0019】これらの成分からなる熱可塑性芳香族コポ
リアミドの代表例をあげるとパラアミノメチル安息香酸
とε−カプロラクタムとの共重合ポリアミド(ナイロン
AMBA/6)、2,2,4−/2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分と
するポリアミド(ナイロンTMDT、TMDT/6
I)、ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸塩及び/
又はヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分
とし、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン・イソ
フタル酸塩及び/又はテレフタル酸塩あるいはビス(3
−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン・イソフ
タル酸塩及び/又はテレフタル酸塩あるいはビス(パラ
アミノシクロヘキシル)プロパンイソフタル酸塩及び/
又はビス(パラアミノシクロヘキシル)プロパンテレフ
タル酸塩を共重合成分とするポリアミド(ナイロン6I
/PACM I、ナイロン6I/DMPACMI、ナイ
ロン6I/PACP I、ナイロン6I/6T/PAC
M I/PACM T、ナイロン6I/6T/DMPA
CM I/DMPACM T、ナイロン6I/6T/P
ACP I/PACP T)、ヘキサメチレンジアミン
・イソフタル酸塩あるいはヘキサメチレンジアミン・テ
レフタル酸塩を主成分とし、ε−カプロラクタム、12
−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン・アジピ
ン酸塩、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン・ア
ジピン酸塩、ビス(3−メチル、4−アミノシクロヘキ
シル)メタン・アジピン酸塩などを共重合成分とするポ
リアミド(ナイロン6I、6I/6T、6I/12、6
T/6、6T/66、6I/PACM 6、6I/DM
PACM 6)、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メ
タン・イソフタル酸塩又はビス(3−メチル、4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、イソフタル酸塩を主成分と
しヘキサメチレンジアミン・ドデカン2酸塩、12−ア
ミノドデカン酸などを共重合成分とするポリアミド(ナ
イロンPACM I/612、ナイロンDMPACM
I/12)などである。
リアミドの代表例をあげるとパラアミノメチル安息香酸
とε−カプロラクタムとの共重合ポリアミド(ナイロン
AMBA/6)、2,2,4−/2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分と
するポリアミド(ナイロンTMDT、TMDT/6
I)、ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸塩及び/
又はヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分
とし、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン・イソ
フタル酸塩及び/又はテレフタル酸塩あるいはビス(3
−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン・イソフ
タル酸塩及び/又はテレフタル酸塩あるいはビス(パラ
アミノシクロヘキシル)プロパンイソフタル酸塩及び/
又はビス(パラアミノシクロヘキシル)プロパンテレフ
タル酸塩を共重合成分とするポリアミド(ナイロン6I
/PACM I、ナイロン6I/DMPACMI、ナイ
ロン6I/PACP I、ナイロン6I/6T/PAC
M I/PACM T、ナイロン6I/6T/DMPA
CM I/DMPACM T、ナイロン6I/6T/P
ACP I/PACP T)、ヘキサメチレンジアミン
・イソフタル酸塩あるいはヘキサメチレンジアミン・テ
レフタル酸塩を主成分とし、ε−カプロラクタム、12
−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン・アジピ
ン酸塩、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン・ア
ジピン酸塩、ビス(3−メチル、4−アミノシクロヘキ
シル)メタン・アジピン酸塩などを共重合成分とするポ
リアミド(ナイロン6I、6I/6T、6I/12、6
T/6、6T/66、6I/PACM 6、6I/DM
PACM 6)、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メ
タン・イソフタル酸塩又はビス(3−メチル、4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、イソフタル酸塩を主成分と
しヘキサメチレンジアミン・ドデカン2酸塩、12−ア
ミノドデカン酸などを共重合成分とするポリアミド(ナ
イロンPACM I/612、ナイロンDMPACM
I/12)などである。
【0020】これらの芳香族ポリアミド群にあって非晶
性の芳香族ポリアミドが好適に用いられる。
性の芳香族ポリアミドが好適に用いられる。
【0021】本発明に用いられる樹脂の構成成分中、
(A)/(B)の含有重量比が1/99〜80/20が
好ましく、更に好ましくは3/97〜70/30であ
り、最も好ましくは5/95〜50/50である。
(A)成分が過少((B)成分が過多)な場合は、高温
剛性の低下を生じることがあり、一方(A)成分が過多
((B)成分が過小)な場合は、耐衝撃性や、流動性の
著しい低下となる好ましい成形体が得られないことがあ
る。
(A)/(B)の含有重量比が1/99〜80/20が
好ましく、更に好ましくは3/97〜70/30であ
り、最も好ましくは5/95〜50/50である。
(A)成分が過少((B)成分が過多)な場合は、高温
剛性の低下を生じることがあり、一方(A)成分が過多
((B)成分が過小)な場合は、耐衝撃性や、流動性の
著しい低下となる好ましい成形体が得られないことがあ
る。
【0022】本発明に用いられる樹脂の構成成分(C)
はマイカである。ここでマイカとはケイ酸塩鉱物のうち
の、層状アルミノケイ酸塩、雲母(mica)族であ
る。具体的構造は、層状イオン(Si2 O5 )n 2n- 中
のSiの1/2がAlに置換されると(SiAlO5 )
n 2n- イオンになる。例えば、真珠雲母や白雲母、黒雲
母等が挙げられる。真珠雲母(margarite)
[CaO・2Al2 O3・2SiO2 ・H2 O]はAl
3+イオンを中心とするジブサイト層を(SiAlO5 )
n 2n- なる四面体層イオンで挟んでできる[Al3+(O
H)- (SiAlO5 )3-]n n-なる雲母層構造の二次
元陰イオンが重なり、その間にCa2+イオンが配列した
構造を持つ。白雲母(muscovite)[K2 O・
3Al2 O 3 ・6SiO2 ・2H2 O]では(Si2 A
lO5 )n 2n- 中のSiの1/4がAlに置換されてで
きた(Si3 AlO10)n 5n- イオンがジブサイト層を
挟んで[Al2 3+ (OH)2 - (Si2 AlO10)5-]
n n-なる雲母層構造の陰イオンをつくり、K+ イオンに
はO2-イオンが12個配位する構造である。黒雲母の一
種である金雲母(phlogopite)[K2 O・6
MgO・Al2 O3 ・6SiO2 ・2H2 O]では(S
i3 AlO10)n 5 n-イオンがブルーサイト層を挟んで
雲母層構造の陰イオンをつくり、この層状イオンがK+
イオンを間にして重なっている。ブルーサイト層でMg
2+に配位する(OH)- イオンの一部はしばしばF- イ
オンに置換されている。特に高温の溶融物から結晶させ
てつくる人工雲母はすべてF- イオンに置換され、KM
g3 F2 (Si3 AlO10)となっている。またこれら
の陽イオンの一部がMgやFeに置換されたものを用い
ることができる。
はマイカである。ここでマイカとはケイ酸塩鉱物のうち
の、層状アルミノケイ酸塩、雲母(mica)族であ
る。具体的構造は、層状イオン(Si2 O5 )n 2n- 中
のSiの1/2がAlに置換されると(SiAlO5 )
n 2n- イオンになる。例えば、真珠雲母や白雲母、黒雲
母等が挙げられる。真珠雲母(margarite)
[CaO・2Al2 O3・2SiO2 ・H2 O]はAl
3+イオンを中心とするジブサイト層を(SiAlO5 )
n 2n- なる四面体層イオンで挟んでできる[Al3+(O
H)- (SiAlO5 )3-]n n-なる雲母層構造の二次
元陰イオンが重なり、その間にCa2+イオンが配列した
構造を持つ。白雲母(muscovite)[K2 O・
3Al2 O 3 ・6SiO2 ・2H2 O]では(Si2 A
lO5 )n 2n- 中のSiの1/4がAlに置換されてで
きた(Si3 AlO10)n 5n- イオンがジブサイト層を
挟んで[Al2 3+ (OH)2 - (Si2 AlO10)5-]
n n-なる雲母層構造の陰イオンをつくり、K+ イオンに
はO2-イオンが12個配位する構造である。黒雲母の一
種である金雲母(phlogopite)[K2 O・6
MgO・Al2 O3 ・6SiO2 ・2H2 O]では(S
i3 AlO10)n 5 n-イオンがブルーサイト層を挟んで
雲母層構造の陰イオンをつくり、この層状イオンがK+
イオンを間にして重なっている。ブルーサイト層でMg
2+に配位する(OH)- イオンの一部はしばしばF- イ
オンに置換されている。特に高温の溶融物から結晶させ
てつくる人工雲母はすべてF- イオンに置換され、KM
g3 F2 (Si3 AlO10)となっている。またこれら
の陽イオンの一部がMgやFeに置換されたものを用い
ることができる。
【0023】マイカの重量平均フレーク径は5μm以
上、400μm以下が好ましい。さらに好ましくは8μ
m以上、200μm以下である。最も好ましくは15μ
m以上、90μm以下である。また重量平均アスペクト
比は10以上が好ましい。
上、400μm以下が好ましい。さらに好ましくは8μ
m以上、200μm以下である。最も好ましくは15μ
m以上、90μm以下である。また重量平均アスペクト
比は10以上が好ましい。
【0024】(C)成分の含有量は(A)成分及び
(B)成分の合計量100重量部あたり1〜150重量
部が好ましい。さらに好ましくは10〜80重量部であ
る。同様に熱可塑性樹脂組成物の剛性を向上する充填剤
としては、タルク、クレー、ガラスフレーク等の鱗片状
の無機フィラーやガラスファイバー等が挙げられるが、
いずれも音響特性の向上効果が少なくこれら単独では好
ましくない。
(B)成分の合計量100重量部あたり1〜150重量
部が好ましい。さらに好ましくは10〜80重量部であ
る。同様に熱可塑性樹脂組成物の剛性を向上する充填剤
としては、タルク、クレー、ガラスフレーク等の鱗片状
の無機フィラーやガラスファイバー等が挙げられるが、
いずれも音響特性の向上効果が少なくこれら単独では好
ましくない。
【0025】本発明に用いる樹脂に下記成分を加えると
さらに音響特性を高める効果がある。すなはち、共役ジ
エン化合物の50%以上が1,2もしくは3、4結合で
重合し、かつtanδのピーク温度が−20℃以上であ
る共役ジエン−アルケニル芳香族化合物共重合体を成分
(A)〜成分(C)の合計量100重量部に対して1〜
30重量部加えた樹脂を用いて成形することにより、よ
り音響特性の優れた成形体を得ることができる。共役ジ
エンとしては、たとえばブタジエン、イソプレンなどを
あげることができる。アルケニル芳香族化合物として
は、たとえばスチレンをあげることができる。これらの
共役ジエン−アルケニル芳香族化合物共重合体はA−
B、A−B−A、A−B−A−B等のブロック共重合体
やランダム共重合体さらに部分的にランダム共重合体で
あってもよい。すなわち、共役ジエン−アルケニル芳香
族共重合体としては、たとえば、スチレンブロック
(A)とブタジエンブロック(B)もしくはイソプレン
ブロック(I)を有するブロック共重合体ゴム、例え
ば、SB、SBS、SBSBS、SI、SIS、IS
I、SISISブロック共重合体等がある。
さらに音響特性を高める効果がある。すなはち、共役ジ
エン化合物の50%以上が1,2もしくは3、4結合で
重合し、かつtanδのピーク温度が−20℃以上であ
る共役ジエン−アルケニル芳香族化合物共重合体を成分
(A)〜成分(C)の合計量100重量部に対して1〜
30重量部加えた樹脂を用いて成形することにより、よ
り音響特性の優れた成形体を得ることができる。共役ジ
エンとしては、たとえばブタジエン、イソプレンなどを
あげることができる。アルケニル芳香族化合物として
は、たとえばスチレンをあげることができる。これらの
共役ジエン−アルケニル芳香族化合物共重合体はA−
B、A−B−A、A−B−A−B等のブロック共重合体
やランダム共重合体さらに部分的にランダム共重合体で
あってもよい。すなわち、共役ジエン−アルケニル芳香
族共重合体としては、たとえば、スチレンブロック
(A)とブタジエンブロック(B)もしくはイソプレン
ブロック(I)を有するブロック共重合体ゴム、例え
ば、SB、SBS、SBSBS、SI、SIS、IS
I、SISISブロック共重合体等がある。
【0026】スチレン系ブロック共重合体ゴムの製造方
法としては、多くの方法が提案されているが、代表的な
方法としては、特公昭40−2798号公報に記載され
た方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒を
用い、不活性溶媒中でブロック共重合させて芳香族ビニ
ル炭化水素(ブロックA)と共役ジエン炭化水素(ブロ
ックB)の共重合体ゴムを得ることができる。
法としては、多くの方法が提案されているが、代表的な
方法としては、特公昭40−2798号公報に記載され
た方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒を
用い、不活性溶媒中でブロック共重合させて芳香族ビニ
ル炭化水素(ブロックA)と共役ジエン炭化水素(ブロ
ックB)の共重合体ゴムを得ることができる。
【0027】好ましくは共役ジエン化合物の65%以上
が1,2もしくは3、4結合で重合した共役ジエン−ア
ルケニル芳香族化合物共重合体である。逆に共役ジエン
化合物の1,2もしくは3、4結合で重合したある割合
が50%以下であると制振性効果が不十分であり、特に
共役ジエン成分がイソプレンである場合は、熱による分
解が著しく、衝撃強度の低下など実用性に乏しい。制振
性の機能面から観点からみると共役ジエン成分による粘
弾性測定によって得られるtanδ(損失正接)の主分
散のピーク温度が−20℃以上であることが必要であ
る。−20℃よりも低い温度にしかピークがない場合に
は、通常の温度領域で十分な制振性が得られず、音響特
性の向上も少ない。場合によってはSISとSBSを併
せて用いることも可能である。共役ジエン−アルケニル
芳香族化合物共重合体中、アルケニル芳香族成分が5〜
60重量%が好ましい。さらに好ましくは10〜40重
量%である。5重量%以下であるとポリフェニレンエー
テルとの相溶性が不十分であり、衝撃強度等機械的性能
が低下して好ましくない。またこの成分を加える場合は
(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対し
て、1〜20重量部が好ましい。少なすぎると目的とす
る効果を発揮するに至らず、多すぎると機械的強度の低
下が著しく好ましくない。
が1,2もしくは3、4結合で重合した共役ジエン−ア
ルケニル芳香族化合物共重合体である。逆に共役ジエン
化合物の1,2もしくは3、4結合で重合したある割合
が50%以下であると制振性効果が不十分であり、特に
共役ジエン成分がイソプレンである場合は、熱による分
解が著しく、衝撃強度の低下など実用性に乏しい。制振
性の機能面から観点からみると共役ジエン成分による粘
弾性測定によって得られるtanδ(損失正接)の主分
散のピーク温度が−20℃以上であることが必要であ
る。−20℃よりも低い温度にしかピークがない場合に
は、通常の温度領域で十分な制振性が得られず、音響特
性の向上も少ない。場合によってはSISとSBSを併
せて用いることも可能である。共役ジエン−アルケニル
芳香族化合物共重合体中、アルケニル芳香族成分が5〜
60重量%が好ましい。さらに好ましくは10〜40重
量%である。5重量%以下であるとポリフェニレンエー
テルとの相溶性が不十分であり、衝撃強度等機械的性能
が低下して好ましくない。またこの成分を加える場合は
(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対し
て、1〜20重量部が好ましい。少なすぎると目的とす
る効果を発揮するに至らず、多すぎると機械的強度の低
下が著しく好ましくない。
【0028】本発明に用いる樹脂に耐衝撃性を向上させ
るために、Tgが−40℃以下の、共役ジエン−アルケ
ニル芳香族共重合体やその水素添加物を用いることがで
きる。共役ジエンとしては、たとえばブタジエン、イソ
プレンなどをあげることができる。アルケル芳香族とし
ては、たとえばスチレンをあげることができる。これら
の共役ジエン−アルケニル芳香族化合物共重合体はA−
B、A−B−A、A−B−A−B等のブロック共重合体
やランダム共重合体さらに部分的にランダム共重合体で
あってもよい。すなわち、共役ジエン−アルケニル芳香
族共重合体としては、たとえば、スチレンブロック
(A)とブタジエンブロック(B)もしくはイソプレン
ブロック(I)を有するブロック共重合体ゴム、例え
ば、SB、SBS、SBSBS、SEBS、SEP,S
I、SIS、ISI、SISISブロック共重合体やS
BR等が挙げられる。またこの成分を加える場合は
(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対し
て、1〜20重量部が好ましい。少なすぎると目的とす
る効果を発揮するに至らず、多すぎると機械的強度の低
下が著しく好ましくない。
るために、Tgが−40℃以下の、共役ジエン−アルケ
ニル芳香族共重合体やその水素添加物を用いることがで
きる。共役ジエンとしては、たとえばブタジエン、イソ
プレンなどをあげることができる。アルケル芳香族とし
ては、たとえばスチレンをあげることができる。これら
の共役ジエン−アルケニル芳香族化合物共重合体はA−
B、A−B−A、A−B−A−B等のブロック共重合体
やランダム共重合体さらに部分的にランダム共重合体で
あってもよい。すなわち、共役ジエン−アルケニル芳香
族共重合体としては、たとえば、スチレンブロック
(A)とブタジエンブロック(B)もしくはイソプレン
ブロック(I)を有するブロック共重合体ゴム、例え
ば、SB、SBS、SBSBS、SEBS、SEP,S
I、SIS、ISI、SISISブロック共重合体やS
BR等が挙げられる。またこの成分を加える場合は
(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対し
て、1〜20重量部が好ましい。少なすぎると目的とす
る効果を発揮するに至らず、多すぎると機械的強度の低
下が著しく好ましくない。
【0029】本発明に用いる樹脂に、成分(A)と成分
(B)の相容性を向上させ、機械的強度を向上するため
に、必要量の相容化剤を添加することが好ましい。その
具体例としては、下記(D1)〜(D9)をあげること
ができる。 (D1):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持
たないエポキシ化合物 (D2):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和
基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合
と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物 (D3):酸化ポリオレフィンワックス (D4):分子構造中に、(i)酸素の架橋を介して炭
素原子、及び(ii)少なくともエチレン性炭素−炭素
二重結合もしくは炭素−炭素三重結合及び/又はアミノ
基及びメルカプト基から選ばれる官能基、の両方を有
し、前記官能基がケイ素原子に直接結合されていないシ
ラン化合物 (D5):同一分子内に(i)(OR)(ここでRは水
素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオ
キシ基である。)及び(ii)カルボン酸、酸ハライ
ド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミ
ド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれ
た少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ
化合物 (D6):同一分子内に(i)酸ハライド基と(ii)
少なくとも一種のカルボン酸、カルボン酸無水物、、酸
エステル又は、酸アミド基を併せ持つ化合物 (D7):ビニル芳香族化合物の単位及びα、β−不飽
和ジカルボン酸もしくはジカルボン酸無水物の単位を有
する共重合体、又はビニル芳香族化合物の単位及びα、
β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物の単位を有する
共重合体 (D8):(D1)、(D2)、(D4)、(D5)及
び(D6)からなるなる群の中から選ばれた少なくとも
一種の相容化剤で官能化されたポリフェニレンエーテル (D9):(D1)〜(D7)からなる群の中から選ば
れた少なくとも一種の相容化剤で官能化されたポリフェ
ニレンエーテルと少量部のポリアミドを溶融混練して得
られた組成物
(B)の相容性を向上させ、機械的強度を向上するため
に、必要量の相容化剤を添加することが好ましい。その
具体例としては、下記(D1)〜(D9)をあげること
ができる。 (D1):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持
たないエポキシ化合物 (D2):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和
基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合
と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物 (D3):酸化ポリオレフィンワックス (D4):分子構造中に、(i)酸素の架橋を介して炭
素原子、及び(ii)少なくともエチレン性炭素−炭素
二重結合もしくは炭素−炭素三重結合及び/又はアミノ
基及びメルカプト基から選ばれる官能基、の両方を有
し、前記官能基がケイ素原子に直接結合されていないシ
ラン化合物 (D5):同一分子内に(i)(OR)(ここでRは水
素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオ
キシ基である。)及び(ii)カルボン酸、酸ハライ
ド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミ
ド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれ
た少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ
化合物 (D6):同一分子内に(i)酸ハライド基と(ii)
少なくとも一種のカルボン酸、カルボン酸無水物、、酸
エステル又は、酸アミド基を併せ持つ化合物 (D7):ビニル芳香族化合物の単位及びα、β−不飽
和ジカルボン酸もしくはジカルボン酸無水物の単位を有
する共重合体、又はビニル芳香族化合物の単位及びα、
β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物の単位を有する
共重合体 (D8):(D1)、(D2)、(D4)、(D5)及
び(D6)からなるなる群の中から選ばれた少なくとも
一種の相容化剤で官能化されたポリフェニレンエーテル (D9):(D1)〜(D7)からなる群の中から選ば
れた少なくとも一種の相容化剤で官能化されたポリフェ
ニレンエーテルと少量部のポリアミドを溶融混練して得
られた組成物
【0030】この相容化剤は、(A)成分であるポリフ
ェニレンエーテルと(B)成分であるポリアミドは元来
親和性が悪いため、同時に溶融混練してポリフェニレン
エーテル粒子が約10ミクロン以上の粒子径でしか分散
せず、極めて低い機械的物性しか示さないという欠点を
改良するために配合するものである。
ェニレンエーテルと(B)成分であるポリアミドは元来
親和性が悪いため、同時に溶融混練してポリフェニレン
エーテル粒子が約10ミクロン以上の粒子径でしか分散
せず、極めて低い機械的物性しか示さないという欠点を
改良するために配合するものである。
【0031】本発明に用いられる(D1)グループの相
容化剤は(1)ポリヒドリックフェノール(たとえばビ
スフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾ
ルシンなど)とエピクロルヒドリンの縮合体、及びコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
ど)とエピクドルヒドリンの縮合体が挙げられる。
容化剤は(1)ポリヒドリックフェノール(たとえばビ
スフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾ
ルシンなど)とエピクロルヒドリンの縮合体、及びコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
ど)とエピクドルヒドリンの縮合体が挙げられる。
【0032】本発明に用いられる(D2)グループの相
容化剤は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭
素−炭素三重結合と、極性基すなはちポリアミド樹脂中
に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシ
ル基、アミノ基と親和性や、化学反応性を示す官能基を
同一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基とし
ては、カルボン酸基、カルボン酸より誘導される基すな
わちカルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換し
た各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、
酸アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニ
トリルなどの官能基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、
又は、イソシアン酸エステル基などが挙げられ、不飽和
基と極性基を併せ持つ化合物すなわち、不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、
不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸
エステルが用いられる。
容化剤は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭
素−炭素三重結合と、極性基すなはちポリアミド樹脂中
に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシ
ル基、アミノ基と親和性や、化学反応性を示す官能基を
同一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基とし
ては、カルボン酸基、カルボン酸より誘導される基すな
わちカルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換し
た各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、
酸アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニ
トリルなどの官能基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、
又は、イソシアン酸エステル基などが挙げられ、不飽和
基と極性基を併せ持つ化合物すなわち、不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、
不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸
エステルが用いられる。
【0033】具体的には、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、
無水マレイン酸とジアミンの反応物たとえば、
酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、
無水マレイン酸とジアミンの反応物たとえば、
【0034】
【0035】(ただしRは脂肪族、芳香族基を示す。)
などで示される構造を有するもの、無水メチルナジック
酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタ
コン酸、無水イタコン酸、大豆油、キリ油、ヒマシ油、
アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油
、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油
脂類、エポキシ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、
クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、
アンゲリカ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペン
テン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン
酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−
ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチル
クロトン酸、2・2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘ
プテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデ
セン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ド
デセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、
9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタ
デセン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テト
ラコセン酸、ミコリペン酸、2・4−ヘキサジエン酸、
ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2・4−デカジエン酸、
2・4−ドデカジエン酸、9・12−ヘキサデカジエン
酸、9・12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエ
ン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコ
サテトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、
オレイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコ
サジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、
ドコサペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン
酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテ
ン酸などの不飽和カルボン酸、あるいはこれらの不飽和
カルボン酸のエステル、酸アミド、無水物、あるいはア
リルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカ
ルビノール、アリルカルビノール、メチルプロピペニル
カルビノール、4−ペンテン−1−オール、10−ウン
デセン−1−オール、プロパルギルアルコール、1・4
−ペンタジエン−3−オール、1・4−ヘキサジエン−
3−オール、3・5−ヘキサジエン−2−オール、2・
4−ヘキサジエン−1−オール、一般式Cn H2n-5O
H、Cn H2n-7OH、Cn H2n-9OH(ただし、nは正
の整数)で示されるアルコール、3−ブテン−1・2−
ジオール、2・5−ジメチル−3−ヘキセン−2・5−
ジオール、1・5−ヘキサジエン−3・4−ジオール、
2・6−オクタジエン−4・5−ジオールなどの不飽和
アルコール、あるいはこのような不飽和アルコールのO
H基が、−NH2 基に置き換わった不飽和アミン、ある
いはグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジ
ルエーテルなどが挙げられる。
などで示される構造を有するもの、無水メチルナジック
酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタ
コン酸、無水イタコン酸、大豆油、キリ油、ヒマシ油、
アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油
、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油
脂類、エポキシ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、
クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、
アンゲリカ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペン
テン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン
酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−
ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチル
クロトン酸、2・2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘ
プテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデ
セン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ド
デセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、
9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタ
デセン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テト
ラコセン酸、ミコリペン酸、2・4−ヘキサジエン酸、
ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2・4−デカジエン酸、
2・4−ドデカジエン酸、9・12−ヘキサデカジエン
酸、9・12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエ
ン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコ
サテトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、
オレイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコ
サジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、
ドコサペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン
酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテ
ン酸などの不飽和カルボン酸、あるいはこれらの不飽和
カルボン酸のエステル、酸アミド、無水物、あるいはア
リルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカ
ルビノール、アリルカルビノール、メチルプロピペニル
カルビノール、4−ペンテン−1−オール、10−ウン
デセン−1−オール、プロパルギルアルコール、1・4
−ペンタジエン−3−オール、1・4−ヘキサジエン−
3−オール、3・5−ヘキサジエン−2−オール、2・
4−ヘキサジエン−1−オール、一般式Cn H2n-5O
H、Cn H2n-7OH、Cn H2n-9OH(ただし、nは正
の整数)で示されるアルコール、3−ブテン−1・2−
ジオール、2・5−ジメチル−3−ヘキセン−2・5−
ジオール、1・5−ヘキサジエン−3・4−ジオール、
2・6−オクタジエン−4・5−ジオールなどの不飽和
アルコール、あるいはこのような不飽和アルコールのO
H基が、−NH2 基に置き換わった不飽和アミン、ある
いはグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジ
ルエーテルなどが挙げられる。
【0036】また、ブタジエン、イソプレンなどの低重
合(たとえば平均分子量が500から10000ぐらい
のもの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が1
0000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類
を付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水
酸基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸ア
リルなどが挙げられる。
合(たとえば平均分子量が500から10000ぐらい
のもの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が1
0000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類
を付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水
酸基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸ア
リルなどが挙げられる。
【0037】本発明における同一分子内に不飽和基と極
性基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以
上、極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も
含まれる個とは、いうまでもなく、また、2種以上の特
定化合物を使うことも可能である。
性基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以
上、極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も
含まれる個とは、いうまでもなく、また、2種以上の特
定化合物を使うことも可能である。
【0038】これらの内で、好ましくは無水マレイン
酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコ
ン酸、グリシジル(メタ)アクリレートが、より好まし
くは無水マレイン酸、フマール酸が用いられる。
酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコ
ン酸、グリシジル(メタ)アクリレートが、より好まし
くは無水マレイン酸、フマール酸が用いられる。
【0039】本発明に用いられる(D3)グループの相
容化剤は通常空気中又は懸濁液中におけるポリオレフィ
ンワックスの酸化によって調整されるものであり、ポリ
エチレンワックスなどが好適である。
容化剤は通常空気中又は懸濁液中におけるポリオレフィ
ンワックスの酸化によって調整されるものであり、ポリ
エチレンワックスなどが好適である。
【0040】本発明に用いられる(D4)グループの相
容化剤は分子構造中に、ア)酸素の架橋を介して炭素原
子に結合された少なくとも1つのケイ素原子、及びイ)
少なくともエチレン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素
−炭素三重結合及び/又はアミノ基及びメルカプト基か
ら選ばれる官能基、の両方を有し、前記官能基がケイ素
原子に結合されていない、シラン化合物であり、ガンマ
アミノプロピトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘ
キシル)エチルトリメキシシランなどが使用できる。
容化剤は分子構造中に、ア)酸素の架橋を介して炭素原
子に結合された少なくとも1つのケイ素原子、及びイ)
少なくともエチレン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素
−炭素三重結合及び/又はアミノ基及びメルカプト基か
ら選ばれる官能基、の両方を有し、前記官能基がケイ素
原子に結合されていない、シラン化合物であり、ガンマ
アミノプロピトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘ
キシル)エチルトリメキシシランなどが使用できる。
【0041】本発明に用いられる(D5)グループの相
容化剤はアリファティックポリカルボン酸、酸エステル
又は酸アミドであり、一般式(R1 O)m R(COOR
2 )n (CONR3 R4 )l (ここで、Rは:線状又は
分岐状飽和アリファティック炭化水素であって2〜20
個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有するものであ
り、R1 は水素、アルキル基、アリール基、アシル基、
又はカルボニルジオキシ基で特に好ましくは水素であ
り、R2 は水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数
1〜20、好ましくは1〜10であり、R3 及びR4 は
水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数1〜10、
好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、m=
1であり、n+lは2以上の整数、好ましくは2又は3
であり、nは0以上の整数であり、lは0以上の整数で
あり、(R1 O)はカルボニル基のα位又はβ位に位置
し、少なくとも2つのカルボニル基の間には、2〜6個
の炭素が存在するものである。)によってあらわされる
飽和脂肪族ポリカルボン酸及びその誘導体化合物。(具
体的には、飽和脂肪族ポリカルボン酸のエステル化合
物、アミド化合物、無水物、水加物及び塩などを示す。
飽和脂肪族ポリカルボン酸として、クエン酸、リンゴ
酸、アガリシン酸などである。これらの化合物の詳細
は、公表特許公報 昭61−502195に開示されて
いる。)
容化剤はアリファティックポリカルボン酸、酸エステル
又は酸アミドであり、一般式(R1 O)m R(COOR
2 )n (CONR3 R4 )l (ここで、Rは:線状又は
分岐状飽和アリファティック炭化水素であって2〜20
個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有するものであ
り、R1 は水素、アルキル基、アリール基、アシル基、
又はカルボニルジオキシ基で特に好ましくは水素であ
り、R2 は水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数
1〜20、好ましくは1〜10であり、R3 及びR4 は
水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数1〜10、
好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、m=
1であり、n+lは2以上の整数、好ましくは2又は3
であり、nは0以上の整数であり、lは0以上の整数で
あり、(R1 O)はカルボニル基のα位又はβ位に位置
し、少なくとも2つのカルボニル基の間には、2〜6個
の炭素が存在するものである。)によってあらわされる
飽和脂肪族ポリカルボン酸及びその誘導体化合物。(具
体的には、飽和脂肪族ポリカルボン酸のエステル化合
物、アミド化合物、無水物、水加物及び塩などを示す。
飽和脂肪族ポリカルボン酸として、クエン酸、リンゴ
酸、アガリシン酸などである。これらの化合物の詳細
は、公表特許公報 昭61−502195に開示されて
いる。)
【0042】本発明に用いられる(D6)グループの相
容化剤は一般式((I)−Z−(II))(式中、
(I)は、少なくとも式:(X−CO)−(式中Xは、
F、Cl、B、I、OH、OR又は−O−CO−Rで、
RはH、アルキル基又はアリール基である)の基、(I
I)は少なくともカルボン酸、酸無水物基、酸アミド
基、イミド基、カルボン酸エステル基、アミノ基又はヒ
ドロキシル基であり、(I)及び(II)の基は、2価
炭化水素である結合Zを介して共有結合している。)で
表される化合物。(具体的には、クロロホルミルこはく
酸無水物、クロロエタノイルこはく酸無水物、トリメリ
ット酸無水物酸クロライド、トリメリット酸無水物酢酸
無水物、テレフタル酸酸クロライドなどがあげられ
る。)からなる群から選ばれる一種又はそれ以上の化合
物からなる。
容化剤は一般式((I)−Z−(II))(式中、
(I)は、少なくとも式:(X−CO)−(式中Xは、
F、Cl、B、I、OH、OR又は−O−CO−Rで、
RはH、アルキル基又はアリール基である)の基、(I
I)は少なくともカルボン酸、酸無水物基、酸アミド
基、イミド基、カルボン酸エステル基、アミノ基又はヒ
ドロキシル基であり、(I)及び(II)の基は、2価
炭化水素である結合Zを介して共有結合している。)で
表される化合物。(具体的には、クロロホルミルこはく
酸無水物、クロロエタノイルこはく酸無水物、トリメリ
ット酸無水物酸クロライド、トリメリット酸無水物酢酸
無水物、テレフタル酸酸クロライドなどがあげられ
る。)からなる群から選ばれる一種又はそれ以上の化合
物からなる。
【0043】しかし、本発明における相容性改良剤は、
ここに例示した化合物に限定されず、PPEとポリアミ
ドの相容性を改良する目的で使用される化合物であれば
どれでもよく、単独又は複数の相容化剤を同時に使用し
てもよい。
ここに例示した化合物に限定されず、PPEとポリアミ
ドの相容性を改良する目的で使用される化合物であれば
どれでもよく、単独又は複数の相容化剤を同時に使用し
てもよい。
【0044】該相容性改良剤の配合量は、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂とポリアミド樹脂の合計100重量部
に対し、0.01から30重量部で30重量部を越える
と耐熱安定性の低下や分解などによる著しい強度低下な
どが起こるため好ましくない。好ましい配合量は、0.
05重量部から25重量部である。
ンエーテル系樹脂とポリアミド樹脂の合計100重量部
に対し、0.01から30重量部で30重量部を越える
と耐熱安定性の低下や分解などによる著しい強度低下な
どが起こるため好ましくない。好ましい配合量は、0.
05重量部から25重量部である。
【0045】相容化剤としては、無水マレイン酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸、リンゴ酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。な
お、相容化剤を配合する際、ラジカル開始剤を併用して
もよい。
イン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸、リンゴ酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。な
お、相容化剤を配合する際、ラジカル開始剤を併用して
もよい。
【0046】本発明に用いられる樹脂にさらにアルケニ
ル芳香族樹脂を用いてもよい。該樹脂としては、常温で
の弾性率が10000kg/cm2 以上であるものが好
ましく、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレンなどの重合体又は共重合体があげられ、
具体的にはポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン、ポリ
−α−メチレルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体などがあげられ、
更に、ポリフェニレンエーテルにスチレン系重合体がグ
ラフトたものも含まれる。
ル芳香族樹脂を用いてもよい。該樹脂としては、常温で
の弾性率が10000kg/cm2 以上であるものが好
ましく、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレンなどの重合体又は共重合体があげられ、
具体的にはポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン、ポリ
−α−メチレルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体などがあげられ、
更に、ポリフェニレンエーテルにスチレン系重合体がグ
ラフトたものも含まれる。
【0047】アルケニル芳香族樹脂の含有量は60重量
%以下、好ましくは1〜30重量%である。該含有量が
過多な場合は熱可塑性樹脂の耐衝撃性及び耐熱強度が低
下し好ましくない。
%以下、好ましくは1〜30重量%である。該含有量が
過多な場合は熱可塑性樹脂の耐衝撃性及び耐熱強度が低
下し好ましくない。
【0048】本発明に用いる樹脂には機械的強度を高め
るためにマイカ以外にも、種々の充填剤を併用してもよ
い。適当な充填剤としては、たとえば炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アル
ミニウム、タルク、カウリン、鉱物繊維、ゾノトライ
ト、チタン酸カリウム・ウイスカ、マグネシウムオキシ
サルフェート、ガラスバルン、ガラス繊維、ガラスビー
ズ、カーボン繊維、ステンレス繊維などの無機繊維、ア
ラミド繊維、カーボンブラックなどをあげることができ
る。これらは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
るためにマイカ以外にも、種々の充填剤を併用してもよ
い。適当な充填剤としては、たとえば炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アル
ミニウム、タルク、カウリン、鉱物繊維、ゾノトライ
ト、チタン酸カリウム・ウイスカ、マグネシウムオキシ
サルフェート、ガラスバルン、ガラス繊維、ガラスビー
ズ、カーボン繊維、ステンレス繊維などの無機繊維、ア
ラミド繊維、カーボンブラックなどをあげることができ
る。これらは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0049】本発明に用いる樹脂は、構成成分(A)〜
(C)成分、更に必要に応じて相容化剤、耐衝撃改良
材、アルケニル芳香族樹脂、充填剤などを、公知の方法
で配合し、溶融混練することによって得られ、その際の
配合混練順序は任意であり、各成分の組合せを別々に混
練したのち各組あわせをすべて配合して混練してもよい
し、一つの押し出し機において複数のフィード口をもう
けシリンダーに沿って一種以上の各成分を順次フィード
してもよい。
(C)成分、更に必要に応じて相容化剤、耐衝撃改良
材、アルケニル芳香族樹脂、充填剤などを、公知の方法
で配合し、溶融混練することによって得られ、その際の
配合混練順序は任意であり、各成分の組合せを別々に混
練したのち各組あわせをすべて配合して混練してもよい
し、一つの押し出し機において複数のフィード口をもう
けシリンダーに沿って一種以上の各成分を順次フィード
してもよい。
【0050】なお、本発明に用いられる樹脂には更に慣
用の添加剤、たとえば難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐
候剤などを添加してもよい。特に、ポリフェニレンエー
テル又はポリアミドに用いられる添加剤が最適である。
用の添加剤、たとえば難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐
候剤などを添加してもよい。特に、ポリフェニレンエー
テル又はポリアミドに用いられる添加剤が最適である。
【0051】本発明は前記の記載の樹脂を用いて成形さ
れた音響用途に供せられるの成形体についてである。具
体的な音響用途に供せられる部品とはテレビやラジオ、
業務用ステレオ、家庭用ステレオ、カーステレオ、コン
ピュータ等のスピーカーのフレームやシャーシー、振動
板(スピーカーコーン)等である。これらの成形体は通
常の熱可塑性樹脂の成形法によって成形できる。具体的
には射出成形、プレス成形、ブロー成形、押出成形であ
る。このなかで射出成形が経済性、寸法精度において最
も優れる。ポリアミド、ポリフェニレンエーテルおよび
マイカを主成分とする樹脂はこの成形法に適しているだ
けでなく、得られた成形品は音響特性、機械的強度、加
工時の耐熱性、周辺の他の部品との接着性において優れ
た性能を有している。通常、音響特性はその部品の弾性
率が高く、振動減衰が速やかであるという、相反する性
質を満足するとき、良好となる。本発明の成形体はポリ
フェニレンエーテル、ポリアミド、マイカという組み合
わせによって、この性能を獲得するものである。振動減
衰特性の指標として通常、動的粘弾性測定におけるta
nδが用いられる場合が多く、値が大きいほど良好な振
動減衰特性を示す。
れた音響用途に供せられるの成形体についてである。具
体的な音響用途に供せられる部品とはテレビやラジオ、
業務用ステレオ、家庭用ステレオ、カーステレオ、コン
ピュータ等のスピーカーのフレームやシャーシー、振動
板(スピーカーコーン)等である。これらの成形体は通
常の熱可塑性樹脂の成形法によって成形できる。具体的
には射出成形、プレス成形、ブロー成形、押出成形であ
る。このなかで射出成形が経済性、寸法精度において最
も優れる。ポリアミド、ポリフェニレンエーテルおよび
マイカを主成分とする樹脂はこの成形法に適しているだ
けでなく、得られた成形品は音響特性、機械的強度、加
工時の耐熱性、周辺の他の部品との接着性において優れ
た性能を有している。通常、音響特性はその部品の弾性
率が高く、振動減衰が速やかであるという、相反する性
質を満足するとき、良好となる。本発明の成形体はポリ
フェニレンエーテル、ポリアミド、マイカという組み合
わせによって、この性能を獲得するものである。振動減
衰特性の指標として通常、動的粘弾性測定におけるta
nδが用いられる場合が多く、値が大きいほど良好な振
動減衰特性を示す。
【0052】またこれらの樹脂成形体は、常温での動的
粘弾性測定におけるtanδの値が、100Hzにおい
て1.5×10-2以上、999Hzおいて4.0×10
-2以上であるとき、良好な音響特性を発揮する。これ以
下であると音の響きが悪く、音響部品として十分な性能
を発揮するに至らない。
粘弾性測定におけるtanδの値が、100Hzにおい
て1.5×10-2以上、999Hzおいて4.0×10
-2以上であるとき、良好な音響特性を発揮する。これ以
下であると音の響きが悪く、音響部品として十分な性能
を発揮するに至らない。
【0053】本発明の樹脂成形体はtanδの値が上記
の値以上であれば、成形体の弾性率が高いほうが音響特
性が良い。好ましくは弾性率35000kg/cm2 以
上である。
の値以上であれば、成形体の弾性率が高いほうが音響特
性が良い。好ましくは弾性率35000kg/cm2 以
上である。
【0054】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳しく説明す
るが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
るが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0055】まず成形体を製造する樹脂組成物を表1及
び2に示す配合にて東芝機械製TEM50二軸混練機を
用いて260℃(成形体組成物Fのみ230℃)のシリ
ンダー温度にて溶融混練し、ダイスより押し出した溶融
樹脂を水槽にて冷却後ストランドカッターによりペレッ
ト化して得た。次にこのペレットを110〜130℃で
4時間真空乾燥した後、東芝機械製射出成形機 IS2
20ENによりシリンダー温度290℃(成形体組成物
Fのみ230℃)、射出圧力1200kg/cm2 、金
型温度80℃(成形体組成物Fのみ50℃)の条件で機
械的強度を測定するためのテストピース、スピーカー用
フレーム、スピーカーコーンを成形した。
び2に示す配合にて東芝機械製TEM50二軸混練機を
用いて260℃(成形体組成物Fのみ230℃)のシリ
ンダー温度にて溶融混練し、ダイスより押し出した溶融
樹脂を水槽にて冷却後ストランドカッターによりペレッ
ト化して得た。次にこのペレットを110〜130℃で
4時間真空乾燥した後、東芝機械製射出成形機 IS2
20ENによりシリンダー温度290℃(成形体組成物
Fのみ230℃)、射出圧力1200kg/cm2 、金
型温度80℃(成形体組成物Fのみ50℃)の条件で機
械的強度を測定するためのテストピース、スピーカー用
フレーム、スピーカーコーンを成形した。
【0056】(1)耐衝撃性(アイゾット衝撃試験)
射出成形機にて、3.2mmtのアイゾット試験用テス
トピースを成形した後、ASTM D256に準拠して
ノッチをいれ23℃雰囲気下で衝撃テストを実施した。 (2)曲げ弾性率 射出成形機にて、3.2mmtの曲げ試験用テストピー
スを成形した後、ASTM D790に準拠して23℃
雰囲気下で曲げ試験を実施した。 (3)動的粘弾性測定によるtanδ(音響特性)の評
価 tanδの評価は以下の方法で行った。まず前述で得ら
れたスピーカーフレーム、スピーカーコーンを粉砕後、
140℃にて5時間真空乾燥した後、290℃にて厚さ
1mmのプレスシートを作成した。5mmx50mmの
大きさに切削して、株式会社レオロジ社製 FTレオス
ペクトラーDVE−4 にて、23℃、100Hz、9
99Hzのtanδを測定した。 (4)スピーカーフレーム、スピーカーコーンを用いた
音質の評価 成形したスピーカーフレームを用いたときの音質を評価
した。 (5)スピーカーフレームの吸湿による寸法の変化の評
価 23℃ 50%RHにて1000hr放置して寸法変化
率を測定した。 (6)スピーカーコーン成形体の接着性および硬化時の
熱による変形性評価 住友化学製 エマルジョン CXG507Sを塗布して
フェノール樹脂を含浸した布を接着、180℃にて1分
加熱して硬化させた。この時の接着強度、および熱によ
る変形を観察した。
トピースを成形した後、ASTM D256に準拠して
ノッチをいれ23℃雰囲気下で衝撃テストを実施した。 (2)曲げ弾性率 射出成形機にて、3.2mmtの曲げ試験用テストピー
スを成形した後、ASTM D790に準拠して23℃
雰囲気下で曲げ試験を実施した。 (3)動的粘弾性測定によるtanδ(音響特性)の評
価 tanδの評価は以下の方法で行った。まず前述で得ら
れたスピーカーフレーム、スピーカーコーンを粉砕後、
140℃にて5時間真空乾燥した後、290℃にて厚さ
1mmのプレスシートを作成した。5mmx50mmの
大きさに切削して、株式会社レオロジ社製 FTレオス
ペクトラーDVE−4 にて、23℃、100Hz、9
99Hzのtanδを測定した。 (4)スピーカーフレーム、スピーカーコーンを用いた
音質の評価 成形したスピーカーフレームを用いたときの音質を評価
した。 (5)スピーカーフレームの吸湿による寸法の変化の評
価 23℃ 50%RHにて1000hr放置して寸法変化
率を測定した。 (6)スピーカーコーン成形体の接着性および硬化時の
熱による変形性評価 住友化学製 エマルジョン CXG507Sを塗布して
フェノール樹脂を含浸した布を接着、180℃にて1分
加熱して硬化させた。この時の接着強度、および熱によ
る変形を観察した。
【0057】結果から次のことがわかる。本発明の条件
を満足するすべての実施例はすべての評価項目において
満足すべき結果を示している。一方、他の樹脂組成物か
らなる成形体は音響特性、接着性、寸法安定性のいずれ
かにおいて劣り、音響用部品として最適な性能を有して
いないことがわかる。
を満足するすべての実施例はすべての評価項目において
満足すべき結果を示している。一方、他の樹脂組成物か
らなる成形体は音響特性、接着性、寸法安定性のいずれ
かにおいて劣り、音響用部品として最適な性能を有して
いないことがわかる。
【0058】
【表1】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
A B C D E
配合 *1
(A) 種類 PPE-A PPE-A PPE-A PPE-A PPE-B
量 10 10 17 20 20
(B) 種類 PA PA PA PA PA
量 40 40 66 50 53
(C) 種類 TR2000 TR2000 TR2000 VS-1
量 10 10 17 7
(D) 種類 MAH MAH MAH MAH MAH
量 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2
(E) 種類 300W 200D - GF 300W
量 40 40 - 30 20
Znst - - - - 0.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0059】
【表2】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
F G H I J
配合 *1
(A) 種類 PP PPE-A PPE-A PPE-B
量 60 10 30 20
(B) 種類 PA PA PS PA
量 40 60 30 53
(C) 種類 TR2000 VS-1
量 10 7
(D) 種類 MAH MAH
量 0.3 0.2
(E) 種類 300W TALC 200D 220D 300W
量 40 40 40 40 20
Znst - - - - 0.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0060】
【表3】
スピーカーフレームの評価
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3
成形体組成 A B C D I
機械的強度
耐衝撃性 3.5 3.0 21 10 5
曲げ弾性率 100000 96000 19500 78000 95000
音響特性
tanδ (×10-2)
100Hz 1.9 1.8 2.2 1.4 1.1
999Hz 6.6 6.0 3.8 5.5 3.2
音質評価 ◎ ○ × × ×
製品性評価
寸法変化率(1/1000) 1 1 3 1 0
接着剤の接着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0061】
【表4】
スピーカーフレームの評価
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5
成形体組成 C D I G H
機械的強度
耐衝撃性 21 10 5 2.8 3.0
曲げ弾性率 19500 78000 95000 60000 95000
音響特性
tanδ (×10-2)
100Hz 2.2 1.4 1.1 1.4 1.4
999Hz 3.8 5.5 3.2 5.5 5.7
音質評価 × × × × △
製品性評価
寸法変化率(1/1000) 3 1 0 3 2
接着剤の接着性 ◎ ◎ ◎ ◎ △
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0062】
【表5】
【0063】*1 配合
数値は配合した重量部である。記号の意味は以下のとお
りである。 (A) PPE−A:2,6−ジメチルフェノールを単独重合す
ることによって得られたクロロホルム溶液(濃度:0.
5g/dl)、30℃対数粘度が0.46のポリフェニ
レンエーテル PPE−B:2,6−ジメチルフェノールを単独重合す
ることによって得られたクロロホルム溶液(濃度:0.
5g/dl)、30℃対数粘度が0.30のポリフェニ
レンエーテル (B) PA:数平均分子量12000のナイロン6 (C) VS−1:株式会社クラレ製 スチレン−イソプレン共
重合体、商品名 HYBRAR(登録商標)、結合スチ
レン量 20wt%、イソプレンの1,2もしくは3,
4結合含有量 70% ガラス転移温度 8℃ TR2000:日本合成ゴム社製 スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体(アルケニル芳香族ブロ
ックコポリマー)、商品名 TR2000、スチレン/
ブタジエン重量比=40/60 PS:住友化学工業株式会社製 スミブライト M58
4 (D)相容化剤 MAH:無水マレイン酸 CA:クエン酸 (E)フィラー マイカ 200D:株式会社クラレ製 重量平均粒子径
90μm 重量平均アスペクト比 50 マイカ 300W:株式会社クラレ製 重量平均粒子径
30μm 重量平均アスペクト比 40 TALC:林化成株式会社製 ミクロンホワイト500
0S GF:日本板硝子株式会社製 チョップドストランド
RES03TP64 (その他) Znst:ステアリン酸亜鉛 WH255:共栄社油脂化学工業株式会社製 ライトア
マイド WH−255
りである。 (A) PPE−A:2,6−ジメチルフェノールを単独重合す
ることによって得られたクロロホルム溶液(濃度:0.
5g/dl)、30℃対数粘度が0.46のポリフェニ
レンエーテル PPE−B:2,6−ジメチルフェノールを単独重合す
ることによって得られたクロロホルム溶液(濃度:0.
5g/dl)、30℃対数粘度が0.30のポリフェニ
レンエーテル (B) PA:数平均分子量12000のナイロン6 (C) VS−1:株式会社クラレ製 スチレン−イソプレン共
重合体、商品名 HYBRAR(登録商標)、結合スチ
レン量 20wt%、イソプレンの1,2もしくは3,
4結合含有量 70% ガラス転移温度 8℃ TR2000:日本合成ゴム社製 スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体(アルケニル芳香族ブロ
ックコポリマー)、商品名 TR2000、スチレン/
ブタジエン重量比=40/60 PS:住友化学工業株式会社製 スミブライト M58
4 (D)相容化剤 MAH:無水マレイン酸 CA:クエン酸 (E)フィラー マイカ 200D:株式会社クラレ製 重量平均粒子径
90μm 重量平均アスペクト比 50 マイカ 300W:株式会社クラレ製 重量平均粒子径
30μm 重量平均アスペクト比 40 TALC:林化成株式会社製 ミクロンホワイト500
0S GF:日本板硝子株式会社製 チョップドストランド
RES03TP64 (その他) Znst:ステアリン酸亜鉛 WH255:共栄社油脂化学工業株式会社製 ライトア
マイド WH−255
【0064】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、音
響用途に供せられる部品にポリアミド、ポリフェニレン
エーテルおよびマイカを主成分とする樹脂成形品を用い
ることにより、音響特性が優れ、成形加工特性、加工工
程における接着剤との接着性や加工時の耐熱性を満足す
るスピーカーのフレームまたはコンピュータのスピーカ
ー部の構成部品(ただし、スピーカーの振動板を除
く。)である音響機器用樹脂成形体を提供する点ことが
できた。
響用途に供せられる部品にポリアミド、ポリフェニレン
エーテルおよびマイカを主成分とする樹脂成形品を用い
ることにより、音響特性が優れ、成形加工特性、加工工
程における接着剤との接着性や加工時の耐熱性を満足す
るスピーカーのフレームまたはコンピュータのスピーカ
ー部の構成部品(ただし、スピーカーの振動板を除
く。)である音響機器用樹脂成形体を提供する点ことが
できた。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平8−140182(JP,A)
特開 平7−179747(JP,A)
特開 平5−306365(JP,A)
特開 平6−240132(JP,A)
特開 平4−154864(JP,A)
特開 平5−202287(JP,A)
特開 平6−145499(JP,A)
特開 平2−175705(JP,A)
特開 平5−292593(JP,A)
実開 昭55−150564(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 77/00 - 77/12
C08L 71/10 - 71/12
Claims (6)
- 【請求項1】 下記(A)成分〜(C)成分を含有し、
スピーカーのフレームである音響機器用樹脂成形体。 (A):ポリフェニレンエーテル (B):ポリアミド (C):マイカ - 【請求項2】 請求項1記載の(A)成分〜(C)成分
を含有し、コンピュータのスピーカー部の構成部品(た
だし、スピーカーの振動板を除く。)である音響機器用
樹脂成形体。 - 【請求項3】 (A)成分/(B)成分の含有重量比が
1/99〜80/20であり、かつ(C)成分の含有量
は(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部あた
り1〜150重量部である請求項1または請求項2記載
の樹脂成形体。 - 【請求項4】 100Hzにおけるtanδの値が1.
5×10-2以上であり、かつ999Hzにおけるtan
δの値が4.0×10-2以上である請求項1または請求
項2記載の樹脂成形体。 - 【請求項5】 常温における弾性率が35000kg/
cm2以上である請求項1または請求項2記載の樹脂成
形体。 - 【請求項6】 射出成形によって得られる請求項1また
は請求項2記載の樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11629196A JP3409579B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 音響機器用樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11629196A JP3409579B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 音響機器用樹脂成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09302222A JPH09302222A (ja) | 1997-11-25 |
JP3409579B2 true JP3409579B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=14683414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11629196A Expired - Fee Related JP3409579B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 音響機器用樹脂成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3409579B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4534094B2 (ja) * | 2004-07-12 | 2010-09-01 | オンキヨー株式会社 | スピーカー振動板およびその製造方法 |
JP4258510B2 (ja) | 2005-09-26 | 2009-04-30 | オンキヨー株式会社 | 音響機器周辺部品 |
JP5221487B2 (ja) * | 2009-10-19 | 2013-06-26 | シーシーアイ株式会社 | 減衰性樹脂組成物 |
WO2017130972A1 (ja) * | 2016-01-28 | 2017-08-03 | 三菱樹脂株式会社 | 電気音響変換器用振動板エッジ材、電気音響変換器用振動板、および、マイクロスピーカー振動板 |
EP3358854A4 (en) * | 2016-08-31 | 2019-01-16 | Sony Corporation | LOUDSPEAKER GRILL AND SPEAKER DEVICE |
-
1996
- 1996-05-10 JP JP11629196A patent/JP3409579B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09302222A (ja) | 1997-11-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2715499B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
US4957966A (en) | Thermoplastic resin composition | |
JP2961546B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2514051B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3223792B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH04300956A (ja) | 帯電防止性樹脂組成物 | |
JP2841601B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3409579B2 (ja) | 音響機器用樹脂成形体 | |
JP3293496B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 | |
JP3111625B2 (ja) | リサイクル性が改良された樹脂組成物 | |
US5162447A (en) | Process for making a thermoplastic resin composition | |
JP3306935B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2002206054A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2002194093A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4306165B2 (ja) | 自動車用テールゲート | |
JPH0726135A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3432525B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造法 | |
JP2002194207A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3358496B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH05171032A (ja) | 強化熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2798706B2 (ja) | 耐衝撃熱可塑性樹脂組成物の製造方法 | |
JP3110089B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH107900A (ja) | ポリエーテルイミド系樹脂組成物およびその製造法 | |
JPH0525383A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造法 | |
US5352737A (en) | Thermoplastic resin composition |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |