JPH05214062A - 熱可塑性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンの製造方法

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JPH05214062A
JPH05214062A JP4056450A JP5645092A JPH05214062A JP H05214062 A JPH05214062 A JP H05214062A JP 4056450 A JP4056450 A JP 4056450A JP 5645092 A JP5645092 A JP 5645092A JP H05214062 A JPH05214062 A JP H05214062A
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diol
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polyurethane
molecular
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JP4056450A
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Futoshi Ishimaru
太 石丸
Takumi Miyazaki
巧 宮崎
Masayuki Itabane
昌行 板羽
Hiroshi Imagawa
容 今川
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、溶融粘度の変動が少なく、押出形
成時に不良原因となるフィッシュアイの発生が少ない熱
可塑性ポリウレタンの製造方法を提供するにある。 【構成】 高分子ジオール、低分子ジオールおよび有機
ジイソシアネートを原料とし、剪断速度10000s-1
以上で急速混合した後、押出機で、滞留時間が60秒以
上、300秒以下、各ゾーンの最高温度が180℃以
上、260℃以下の条件で溶融重合することを特徴とす
る、溶融粘度の変動が少なく、押出成形時にフィッシュ
アイの少ない、熱可塑性ポリウレタンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融粘度が高く、その変
動幅が少なく、且つ、押出成形時に発生し、不良原因と
なるフィッシュアイの少ない熱可塑性ポリウレタンの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子ジオ−ル有機ジイソシアネ
−トおよび活性水素原子を有する低分子化合物より熱可
塑性ポリウレタンを製造する方法としてはバッチ法によ
る重合方法と連続重合法が採用されている。しかしなが
ら、バッチ法は実験レベルでの少量生産には適している
が、大量生産には向いておらず、工業レベルでの、生産
には連続重合法が必須である。
【0003】連続重合法としては、従来より、原料を短
時間で混合し、連続的にベルトコンベア−上に流して、
加熱雰囲気中に通じながら塊状で重合を行い、生成ポリ
ウレタンを粉砕によりフレ−ク状にするいわゆる連続的
塊状重合法、または原料を押出機に連続的に定量供給
し、該押出機内で混練りしながら溶融重合を行い生成ポ
リウレタンをノズルから押し出すいわゆる連続溶融重合
法がある。しかしながら前者の方法は、原料の攪拌が充
分でないため均質なポリウレタンの製造が困難であり、
生成ポリウレタンの均質性の点で後者の方が優れてい
る。
【0004】押出機による連続溶融重合法において、押
出成形可能な程度に溶融粘度が高くまたその変動幅が少
なく、且つ、不良原因となるフィッシュアイの発生の少
ないポリウレタンを得るためには原料の混合度を高める
こと、および押出機内での溶融重合で熱劣化物発生、お
よび該熱劣化物の正常ポリマ−への混入を防止すること
が極めて重要である。
【0005】このような観点から押出機を用いた熱可塑
性ポリウレタンの製造法として種々の提案がなされてい
る。
【0006】その例としては押出機としてセルフクリ−
ニング性を有する二軸押出機を用い混練度を考慮して滞
留時間を3〜60分とする方法(例えば特公昭44−2
5600号公報参照)、セルフクリ−ニング性を有する
二軸押出機を用い、且つ、スクリュとハウジングの壁の
間のラジアル隙間において2000S -1より大きな速度
勾配となるようにスクリュを高速回転する方法(例えば
特公昭55−46408号公報、同56−5244号公
報参照)が知られている。さらに混合度を高める方法と
しては原料を予備混合機で混合した後、押出機に供給す
る方法も提案されている(例えば、特公昭49−639
9号公報および同49−12597号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記方法のうちで、特
公昭56−5244公報記載のような、押出機としてセ
ルフクリ−ニング性を有する二軸押出機を用い、且つ、
大きな速度勾配となるようスクリュを高速回転する方法
では、比較的高品質のポリウレタンが得られるが、高速
回転を必要とするため大きな回転動力を必要とし、設備
的、また消費電力等コスト的に観て工業的に有利な製造
方法となりえない。
【0008】また特公昭44−25600公報記載のよ
うな、混練度を高めるために滞留時間を3〜60分間と
する方法では滞留時間が長時間となるため押出機内の溶
融重合中に熱劣化物の発生が顕著となり、正常ポリマ−
に混入し、結果として生成ポリウレタンを押出成形する
とフィッシュアイの発生が顕著となる。また滞留時間を
前記のごとく長くするためには原料の押出機への供給量
を少なくするか、あるいは押出機のスクリュの回転速度
を低下しなければならない。しかしながら前者の場合は
生産性が著しく損なわれ、工業的に不利である。また後
者は混練度が不足し、低分子ジオ−ルの局在化による有
機ジイソシアネ−ト過剰部分が発生し、ゲル状物が発生
したり、粘度の変動幅が大きくなる。
【0009】一方、上記方法のうち、特公昭49−63
99号公報および同49−12597号公報記載のよう
な原料を予備混合機で混合した後、押出機に供給する方
法では押出機内の滞留時間を短縮できるが、予備混合の
条件によっては長時間使用すると予備混合機内にゲル状
物が堆積し、該ゲル状物が正常ポリマ−に混入すること
により、該方法によって得られた生成ポリウレタンは押
出成形するとフィッシュアイの発生が顕著となる。
【0010】本発明者等は、溶融粘度が押出成形可能な
程度に高く、またその変動幅が少なく、且つ、押出成形
時に発生し、不良原因となるフィッシュアイの少ない熱
可塑性ポリウレタンの製造方法を提供する目的で鋭意検
討し、本発明を完成するに到った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は平均分子量が500〜3000である高分子ジオ−
ル、分子量が500未満の低分子ジオ−ルおよび有機ジ
イソシアネ−トを原料として用いて熱可塑性ポリウレタ
ンを製造するに際し、該原料すべてを剪断速度1000
S -1以上で急速混合を行い、次いで該混合物を多軸押
出機に供給して、滞留時間が60秒以上、300秒以
下、且つ、該多軸押出機の各ゾ−ンの温度の最高値が1
80℃以上、260℃以下で混練りしながら連続的に重
合することを特徴とする熱可塑性ポリウレタンの製造方
法によって達成される。
【0012】そもそも押出成形時に発生するフィッシュ
アイは生成ポリウレタンの粘度ムラ、混合度不足により
低分子ジオ−ルが局在化し、有機ジイソシアネ−ト過剰
な部分が発生し、ゲル状物や高融点部分が生成し、正常
ポリマ−に混入すること、および溶融重合時に発生する
熱劣化物が正常ポリマ−に混入することが原因で発生す
る。
【0013】本発明の製造方法においては、生成ポリウ
レタンの押出成形時に発生するフィッシュアイの原因の
一つである熱劣化物の発生を防止するために押出機内の
溶融重合においてその滞留時間を60秒以上、300秒
以下、且つ、該押出機の各ゾ−ンの温度の最高値が18
0℃以上、260℃以下としなければならない。特に、
滞留時間を60秒以上、300秒以下の短時間とするこ
とが重要である。しかしながら前記したような従来から
の方法ではこのような短時間で押出機内で溶融重合を行
なうと混合度不足となり、満足な品質のポリウレタンを
得ることは不可能である。そこで本発明における製造方
法においては押出機内の溶融重合の前に剪断速度100
00S -1以上、好ましくは30000S -1以上で急速混
合することが不可欠である。この予備混合の剪断速度が
10000S -1以下であると、たとえ予備混合したとし
てもそれに次ぐ押出機内の溶融重合の滞留時間を60秒
以上、300秒以下の短時間で行なうと混合度不足とな
るのみならず、長時間使用すると混合機内にゲル状物が
堆積し、それが正常ポリマ−に混入し、生成ポリウレタ
ンを押出成形した場合、フィッシュアイの原因となる。
つまり本発明における製造条件では押出機内の溶融重合
前の予備混合の剪断速度を10000S -1以上、好まし
くは30000S -1以上とすることは必須である。この
予備混合の滞留時間は好ましくは30秒以下、さらに好
ましくは10秒以下であり、そのときの温度は65℃以
下、好ましくは60℃以下である。また予備混合の条件
を前記のごとく行なったとしてもそれに次ぐ押出機内の
溶融重合の滞留時間が60秒未満であると混練不足とな
り、押出機出口のノズル部でのポリマ−の溶融粘度が低
くなり、ストランド化が不可能となり工業的な生産が困
難となる。また滞留時間が300秒以上であると押出機
内で熱劣化物の生成が顕著となり、生成ポリウレタンを
押出成形するとフィッシュアイが多発する。また押出機
内の溶融重合の温度も重要である。つまり、該押出機の
各ゾ−ンの温度の最高値が180℃未満であると、前記
のように滞留時間が短時間であるため、押出機出口のノ
ズル部でのポリマ−重合度が低く、その結果ポリマ−溶
融粘度も低くなり、ストランド化が困難となる。また該
押出機の各ゾ−ンの温度の最高値が260℃以上となる
と、滞留時間が前記のように短時間であっても、押出機
内の溶融重合時に熱劣化物の生成が顕著となり、生成ポ
リウレタンを押出成形するとフィッシュアイが多発す
る。以上のように本発明における製造方法においては、
該押出機の各ゾ−ンの温度の最高値を180℃以上、2
60℃以下とすることも必須である。
【0014】本発明における製造方法で使用される混合
機は、上記の剪断速度が達成できるものであれば特に限
定されるものではない。また押出機についても特に限定
されるものでないが、セルフクリ−ニング性を有する多
軸スクリュ、特に同方向回転で混合要素と推進要素とが
直列に配列された二軸スクリュ型押出機が好ましい。
【0015】さらに、本発明における製造条件におい
て、使用される各原料、つまり高分子ジオ−ル、低分子
ジオ−ルおよび有機ジイソシアネ−トが各々溶融状態で
急速混合されなければならない。具体的には各原料の融
点+10℃以上で加熱された液体状態であることが好ま
しい。各原料の混合機内への送液方法はプラスチック工
業界で通常使用されているような定量ポンプを用いてよ
い。また、定量ポンプと混合機の間に各原料の融点+1
0℃以上に加熱された質量流量計等を設置し、該質量流
量計と定量ポンプとを連動させ、各原料の定量供給性を
制御する方法を用いてもよい。
【0016】図1は本発明に使用される装置の一例を示
した概念図である。
【0017】図1において、高分子ジオ−ル、低分子ジ
オ−ルおよび有機ジイソシアネ−トは貯槽1、2および
3で各々溶融状態で貯蔵されており、貯槽内は不活性気
体で充満されている。所定温度に制御された状態で定量
ポンプ4、5および6で連続的に混合機7に送液され
る。途中、各原料は各原料の融点+10℃以上に保温さ
れた質量流量計8、9および10を通過し、流量計から
の信号を定量ポンプ4、5および6にフィ−ドバック
し、各原料の定量供給性を制御している。混合機7で急
速混合された混合物は押出機11に送られ、攪拌、混練
りされながら所定温度に加熱された反応部を経て、所定
温度に加熱された反応終了部に搬送される。ついで所定
温度に加熱されたダイス12よりストランド、シ−トま
たはフィルム等所望の形態で押出される。このようにし
て得られたポリウレタンは空冷または水冷により冷却し
た後、例えばペレタイザ−で切断してもよく、また水中
ホットカット形式でペレット化してもよい。続いてポリ
ウレタンに付着した水分を、例えば、遠心脱水機などで
除去し、且つ、未反応物を完全に消失させるための乾
燥、熟成の操作を行なうことが好ましい。
【0018】また、押出機から連続的にでてきたポリウ
レタンを低露点気体雰囲気下で連続的に乾燥、熟成し成
形することもできる。
【0019】以上は本発明に使用される装置の一例であ
って本発明はこれに限られるものではなく、本質的に上
述の機構を有する装置は全て使用できる。
【0020】本発明で使用される高分子ジオ−ルは重縮
合、付加重合または重付加などによって得られる平均分
子量が500〜3000である高分子化合物のジオ−ル
であり、代表的なものとしてはポリエステルジオ−ル、
ポリエ−テルジオ−ル、ポリカ−ボネ−トジオ−ルまた
はこれらの共重合物が挙げられる。これらは単独で使用
してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0021】上記ポリエステルジオ−ルとしてはエチレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,4−ブタン
ジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、3−メチルー
1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−
ル、ネオペンチルグリコ−ル、2−メチルプロパンジオ
−ルなどの炭素数2〜10のアルカンのジオ−ルまたは
これらの混合物とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、5−スルホナトリウムイソフタル
酸などの炭素数4〜12の脂肪属もしくは芳香属ジカル
ボン酸またはこれらの混合物とから得られる飽和ポリエ
ステルジオ−ル、あるいはポリカプロラクトンジオ−
ル、ポリプロピオラクトンジオ−ル、ポリバレロラクト
ンジオ−ルなどのポリラクトンジオ−ルが好ましく使用
される。
【0022】また、上記のポリエ−テルジオ−ルとして
はポリエチレンエ−テルグリコ−ル、ポリプロピレンエ
−テルグリコ−ル、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ
−ル、ポリヘキサメチレンエ−テルグリコ−ルなどのポ
リアルキレンエ−テルグリコ−ルが好ましく使用され
る。
【0023】さらに上記のカ−ボネ−トジオ−ルとして
は1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、1,8−オクタンジオ
−ル、1,10−デカンジオ−ルなどの炭素数2〜12
の脂肪属もしくは脂環式ジオ−ルまたはこれらの混合物
に炭酸ジフェニルもしくはホスゲンを作用させて縮重合
して得られるポリカ−ボネ−トジオ−ルが好ましく使用
される。
【0024】本発明で使用される分子量が500未満の
低分子ジオ−ルとしてはエチレングリコ−ル、プロピレ
ングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペン
タンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−メチル
ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,4−
シクロヘキシレングリコ−ル、ビス(β−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼンなど脂肪属、脂環属または芳香属ジオ
−ルが好ましく使用される。これらは単独で使用しても
2種以上組合わせて使用してもよい。
【0025】本発明で使用される有機ジイソシアネ−ト
としては2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−
トリレンジイソシアネ−ト、p−フェニレンジイソシア
ネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−
ト、2,2’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−
ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト、1,3−または1,4−ビス(イソ
シアネ−トメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソ
シアネ−トなどの芳香属、脂環属または脂肪属ジイソシ
アネ−トが挙げられ、これらの有機ジイソシアネ−トは
単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよ
い。
【0026】本発明においては、高分子ジオ−ル、低分
子ジオ−ルおよび有機ジイソシアネ−トの使用割合は、
高分子ジオ−ルと低分子ジオ−ルの全ジオ−ル中の水酸
基に対する有機ジイソシアネ−ト中のイソシアネ−ト基
のモル比で0.90〜1.20となる量の範囲が好まし
い。また高分子ジオ−ルと低分子ジオ−ルとのモル比は
用途に応じて広範囲に変えることができる。
【0027】また、本発明においては、目的により各種
の顔料、着色剤、充填剤、ガラス繊維、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、滑剤、加水分解防止剤、難燃剤、安定剤、
その他を添加してもよい。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限られる
ものではない。尚、実施例および比較例中の生成ポリウ
レタンの溶融粘度は島津製作所製高化式フロ−テスタ−
CFT−500Cを用いてダイサイズφ1mm×10m
mで200℃で測定した。
【0029】また、フィッシュアイについては生成ポリ
ウレタンを、各バレルゾ−ンをポリマ−フィ−ド部より
100℃、200℃、200℃、200℃にした二軸押
出機により、ノズルサイズ1mm×20mmでシ−ト状
に押出して、生成シ−トを黙視判定でフィッシュアイの
発生状況を確認した。
【0030】
【実施例 1】ポリブチレンアジペート(平均分子量2
000、以下、PBAと略す)と1、4−ブタンジオー
ル(以下、BDと略す)を70℃、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネ−ト(以下、MDIと略す)を4
8℃で各々、窒素雰囲気下で貯槽で貯蔵し、各原料を定
量ポンプを用いて以下の流量で混合機に供給した。 PBA:85.2g/分 BD :14.2g/分 MDI:50.6g/分 [全イソシアネート基]/[全水酸基]=1.015
(モル比)
【0031】尚、各原料の流量はオーバル製マイクロモ
ーション流量計D−12型により検知し、定量ポンプに
フィードバックすることにより制御した。
【0032】混合機は荏原製作所製エバラマイルダー1
06型を用いて、剪断速度30000s-1で連続的に急
速混合(温度50℃、滞留時間5秒)を行い、次いで混
合液を連続的に押出機に供給した。
【0033】押出機は同方向回転式の二軸押出機(池貝
鉄工製PCM−30,スクリュ径:φ30mm,L/D
=41.5)を用いて、各バレルゾーンの最高温度を2
40℃とし、滞留時間が90秒となるようにスクリュ構
成および回転数を調整した。
【0034】押出機出口は口径φ4mmのストランドダ
イを設置し、ストランドを水冷後、ペレタイザーでぺレ
ットにし、遠心脱水後、窒素雰囲気下で80℃、16時
間、乾燥、熟成を行った。以上の操作を24時間連続的
に行い、2時間毎の生成ポリウレタンの溶媒粘度の変
動、およびシート状に押出成形を行い、フィッシュアイ
の発生状況を調べた。
【0035】その結果、後記の表1に示すごとく、生成
ポリウレタンの溶融粘度は押出成形可能な程度(目安と
して15000ポイズ以上)になっており、その変動幅
も少なく、また押出しシ−トのフィッシュアイの発生状
況も良好であった。
【0036】
【実施例 2〜10】原料種、各原料の送液量、製造装
置、および乾燥、熟成を実施例1の場合と同様に行い、
混合機の剪断速度、押出機の滞留時間および最高温度を
表1のごとく変更してポリウレタンを製造した。
【0037】その結果、表1のごとく、生成ポリウレタ
ンの溶融粘度は押出成形可能な程度になっており、その
変動幅も少なく、また押出シ−トのフィッシュアイの発
生状況も良好であった。
【0038】
【比較例 1〜6】原料種、各原料の送液量、製造装
置、および乾燥、熟成を実施例1の場合と同様に行い、
混合機の剪断速度、押出機の滞留時間および最高温度を
表1のごとく変更してポリウレタンを製造した。
【0039】その結果、表1のごとく、生成ポリウレタ
ンの溶融粘度が低いか、もしくは押出シ−トにフィッシ
ュアイが発生し、その品質は不良であった。
【0040】
【実施例 11】ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−
ル(平均分子量1000、以下PTMGと略す)と、B
Dを50℃、MDIを48℃で各々、窒素雰囲気下で貯
槽に貯蔵し、各原料を定量ポンプを用いて以下の流量で
混合機に供給した。 PTMG:80.2g/分 BD :13.0g/分 MDI :56.7g/分 〔全イソシアネ−ト基〕/〔全水酸基〕=1.010
(モル比)
【0041】以下、実施例1と同様の操作を後記の表2
に示す条件で行なった。(急速混合の温度は40℃、滞
留時間は4秒である。)
【0042】その結果、表2のごとく、生成ポリウレタ
ンの溶融粘度は押出成形可能な程度になっており、その
変動幅も少なく、また押出シ−トのフィッシュアイの発
生状況も良好であった。
【0043】
【実施例 12〜20】原料種、各原料の送液量、製造
装置、および乾燥、熟成を実施例11の場合と同様に行
ない、混合機の剪断速度、押出機の滞留時間および最高
温度を表2のごとく変更してポリウレタンを製造した。
【0044】その結果、表2のごとく、生成ポリウレタ
ンの溶融粘度は押出成形可能な程度になっており、その
変動幅も少なく、また押出シ−トのフィッシュアイの発
生状況も良好であった。
【0045】
【実施例 7〜12】原料種、各原料の送液量、製造装
置、および乾燥、熟成を実施例11の場合と同様に行な
い、混合機の剪断速度、押出機の滞留時間および最高温
度を表2のごとく変更してポリウレタンを製造した。
【0046】その結果、表2のごとく、生成ポリウレタ
ンの溶融粘度が低いか、もしくは押出シ−トのフィッシ
ュアイの発生し、その品質は不良であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法のより、溶融粘度が押
出成形可能なほど高く、その変動幅が小さく、さらに押
出成形時に不良原因となるフィッシュアイの少ない熱可
塑性ポリウレタンが得られる。そのため、安定して溶融
成形が行なうことができ、さらに、溶融紡糸を行なった
場合でも、溶融粘度が安定していて、ゲル状物も少ない
ため、糸切れや紡糸ノズルの詰まりも減少し、産業に寄
与するところ大である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の製造方法における概念図の一例である。
【符号の簡単な説明】
1.(2.3.) 貯槽 4.(5.6.) 定量ポンプ 7. 混合機(急速混合機) 8.(9.10.)質量流量計 11. 押出機 12. ダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今川 容 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社本社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均分子量が500〜3000である高分
    子ジオ−ル、分子量が500未満の低分子ジオ−ルおよ
    び有機ジイソシアネ−トを原料として用いて熱可塑性ポ
    リウレタンを製造するに際し、該原料すべてを剪断速度
    10000s-1以上で急速混合を行い、次いで該混合物
    を多軸押出機に供給して、滞留時間が60秒以上、30
    0秒以下、且つ、該多軸押出機の各ゾ−ンの温度の最高
    値が180℃以上、260℃以下で混練りしながら連続
    的に重合することを特徴とする熱可塑性ポリウレタンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】高分子ジオ−ル、低分子ジオ−ルおよび有
    機ジイソシアネ−トが各々溶融状態で急速混合されるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
JP4056450A 1992-02-05 1992-02-05 熱可塑性ポリウレタンの製造方法 Pending JPH05214062A (ja)

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