JP3139687B2 - 熱可塑性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリウレタンの
製造方法に関し、さらに詳しくは、分子内に活性水素原
子を有する分子量500以上の多価高分子化合物を多価
有機イソシアネートと2段階に分けて連続的に反応さ
せ、次いで得られたプレポリマーと分子量500未満の
多価低分子化合物を押し出し機によって連続的に反応さ
せることからなる熱可塑性ポリウレタンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性ポリウレタンは、高
い弾性を有する点、耐摩耗性および耐油性に優れる点、
通常のプラスチックス成形加工法が適用できる点などの
多くの特長を有するためにゴムおよびプラスチックスの
代替材料として、また、近ごろ西欧諸国を中心に環境問
題上好ましくないと指摘されている塩化ビニル樹脂の代
替材料として注目されており、広範な用途で多量に使用
されるようになってきている。
【0003】熱可塑性ポリウレタンの製造方法として
は、多種多様な重合方法が提案されているが、各原料化
合物を同時に反応させるワンショット法および原料化合
物の一部を反応させてプレポリマーとし、次いで該プレ
ポリマーと残りの原料化合物を反応させるプレポリマー
法に大別される。熱可塑性ポリウレタンを工業的に製造
する目的においては、連続溶融重合方式が有利であると
されているが、この方式を採用する場合、ワンショット
法においてもプレポリマー法においても反応系中で熱劣
化物、フィッシュアイ等の異物が発生し、それが得られ
る樹脂中に混入することが問題となる。この問題を解決
する方法として、特公昭49−12597号公報には、
動的撹拌翼による撹拌下に原料化合物を混合し、得られ
た混合物をピストンフロー的に押し出し機に供給して重
合させる方法が提案されている。また特開昭51−11
9094号公報には、得られたプレポリマーに、活性水
素原子を含有する多価低分子化合物を高沸点の希釈剤で
希釈した状態で反応させる方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら本発明者
らの検討によると、上記特公昭49−12597号公報
に記載された方法においても、熱可塑性ポリウレタンを
長期連続製造すると熱劣化物、フィッシュアイ等の異物
の発生が顕著となることが判明した。一方、上記特開昭
51−119094号公報に記載された方法は、樹脂中
への希釈剤の混入を避けることができないことから、得
られる樹脂の用途が制限されるので、汎用性の高い方法
とは言いがたい。
【0005】しかして本発明の目的は、配合剤を添加し
ない場合においても、熱可塑性ポリウレタンを、異物の
発生を抑制して長期に亘って安定な状態で連続的に製造
することが可能な方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、分子内に活性水素原子を含有する分子量500
以上の多価高分子化合物(A)を多価有機イソシアネー
ト(B)と反応させてプレポリマーを得、次いで該プレ
ポリマーを分子内に活性水素原子を含有する分子量50
0未満の多価低分子化合物(C)と反応させることによ
り連続的に熱可塑性ポリウレタンを製造するに際し、
(1)上記高分子化合物(A)と上記有機イソシアネー
ト(B)との反応を、該高分子化合物(A)と該有機イ
ソシアネート(B)とを動的撹拌翼による撹拌下に活性
水素原子の20〜90モル%が消費されるまで反応させ
て反応混合物を得ることからなる第一段階の反応工程
と、次いで該反応混合物を静止型撹拌機による混練条件
下に活性水素原子が10モル%以上消費され、かつ活性
水素原子の残存割合が40モル%以下となるまで反応さ
せて上記プレポリマーを得ることからなる第二段階の反
応工程で行い、かつ(2)該プレポリマーと上記低分子
化合物(C)との反応を押し出し機により溶融条件下で
行うことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンの製造方法
を提供することにより達成される。
【0007】本発明の製造方法における原料化合物の1
つである多価高分子化合物(A)について説明する。多
価高分子化合物(A)とは、上記のとおりの分子中に平
均して2個以上の活性水素原子を有する分子量500以
上の化合物である。該活性水素原子とはイソシアネート
と反応し得る水素原子を意味し、水酸基、アミノ基など
に含まれる水素原子が好ましい。高分子化合物(A)と
しては、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオ
ール、ポリエーテルジオールなどの熱可塑性ポリウレタ
ンの製造において通常使用される1種以上の高分子ジオ
ールが好適に使用される。
【0008】かかるポリエステルジオールおよびポリカ
ーボネートジオールは、一般的に、主として低分子ジオ
ール単位と低分子カルボン酸単位からなるか、低分子ジ
オール単位とカルボニル基[−C(=O)−]からなる
か、低分子ヒドロキシカルボン酸単位からなる。低分子
ジオール単位としては特に制限はないが、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル等の直鎖低分子ジオール;およびネオペンチルグリコ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メ
チル−1,8−オクタンジオール等の分岐を有する低分
子ジオールから選択される低分子ジオールから分子中の
2個の水酸基中の2個の水素原子を除いた形の2価の単
位の1種以上が好ましい。低分子ジカルボン酸単位とし
ても特に制限されるものではないが、炭素数が5〜12
の脂肪族または芳香族のジカルボン酸から分子中の2個
のカルボキシル基中の2個の水酸基を除いた形の2価の
単位等の1種以上が好ましい。かかる脂肪族ジカルボン
酸の例としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸の例と
してはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げ
られる。また低分子ヒドロキシカルボン酸単位としても
特に制限されるものではないが、ε−カプロラクトンな
どのラクトンを開環させた形の2価の単位などの1種以
上が好ましい。上記ポリエーテルジオールとしては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルグリコ
ール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポ
リアルキレングリコールが例示される。
【0009】多価高分子化合物(A)は、得られる熱可
塑性ポリウレタンの耐衝撃性、機械的性能が良好となる
点から、500〜4000の数平均分子量を有すること
が好ましい。
【0010】本発明において使用される多価有機イソシ
アネート(B)は、分子中に2個以上のイソシアネート
基(−NCO)を有する化合物である。好適には脂肪
族、脂環族もしくは芳香族の有機ジイソシアネートが挙
げられ、代表的には4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のジ
イソシアネートが例示される。多価有機イソシアネート
(B)は1種のみを使用しても良いが2種以上を併用し
ても良い。
【0011】本発明で使用される多価低分子化合物
(C)としては、公知の鎖伸長剤、即ちイソシアネート
と反応しうる活性水素原子を分子中に少なくとも2個含
有する分子量500未満の化合物、例えば、エチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メ
チル−1,8−オクタンジオール、1,4−ビス(β−
ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ
ート、キシリレングリコール等のジオール類;水;ヒド
ラジン、エチレンジアミン、ピペラジン等のアミン類な
どが挙げられる。これらの鎖伸長剤は単独で、または2
種類以上を混合して使用される。
【0012】本発明に従う反応は、高分子化合物(A)
と有機イソシアネート(B)とを反応させてプレポリマ
ーを得、次いで該プレポリマーを低分子化合物(C)と
反応させることからなるが、上記高分子化合物(A)と
有機イソシアネート(B)との反応(以下、プレポリマ
ー化反応と称する)は、工程上さらに2段階に分けられ
る。
【0013】本発明に従うプレポリマー化反応の第一段
階は、高分子化合物(A)と有機イソシアネート(B)
とを動的撹拌翼による撹拌下で反応させる工程である。
かかる動的撹拌翼とは、回転運動、往復運動等の駆動し
得る撹拌翼を意味し、アンカー型、パドル型、タービン
型、格子型、スクリュー型、Wヘリカル型等の公知の何
れの形状でもよく、またこれらの形状を複数種組み合わ
せた形状であってもよい。かかる第一段階の反応では、
反応系が完全均一混合系に近いことが、異物の混入の少
ない熱可塑性ポリウレタンが得られる点から好ましく、
その観点からは、撹拌能力の高いアンカー型、格子型、
Wヘリカル型などが好ましい。反応槽は温度コントロー
ルできるものが好ましい。反応槽のL/Dには特に制限
はないが、撹拌能力が高い点から好ましくは10以下で
ある。かかる第一段階では、高分子化合物(A)の活性
水素原子の消費率が20〜90モル%の範囲内、好まし
くは25〜85モル%の範囲内となるまで反応を行う。
消費率が低すぎる場合には、プレポリマー化反応工程で
ゲル状物が発生し、経路の閉塞を生じるなど、熱可塑性
ポリウレタンを長期に亘って安定な状態で製造すること
が困難となる。また消費率が高すぎる場合には、第一段
階の反応系の粘度が高くなりすぎ、混合状態が不均一と
なる結果、異物の発生が著しくなる。第一段階の反応に
おける反応温度は特に限定されるものでなく、適宜選択
することができるが、低すぎると原料化合物が固化して
均一に混合することができなくなる場合があり、逆に高
すぎると反応速度が高くなりすぎて均質なプレポリマー
が得られなくなり、フィッシュアイが増加する場合があ
るので、40〜220℃の範囲内が好ましく、70〜2
00℃の範囲内がより好ましい。
【0014】上記プレポリマー化反応での第一段階の反
応工程において得られた反応混合物は、静止型撹拌機を
用いる第二段階の反応工程に送られ、そこでプレポリマ
ー化反応をさらに進行させる。静止型撹拌機とは、流体
を分流させ、その作用で起こる流れ方向に対し直角な方
向での流体交換によって流体を撹拌するための固定され
たエレメントが流体の流路中に設けられている撹拌機で
あり、スタティックミキサー、I.S.G.ミキサーな
どの静止型管路撹拌機が好ましい。かかる第二段階の反
応は、この第二段階の反応工程中において消費される活
性水素原子が、高分子化合物(A)が当初有していた活
性水素原子を基準として10モル%以上となり、かつ最
終的に残存する活性水素原子が同じ基準において40モ
ル%以下、好ましくは20モル%以下となるまで行う。
第二段階の反応工程中での反応率が低すぎる場合および
第二段階の反応工程において得られるプレポリマーの未
反応活性水素原子が多すぎる場合には、後続の低分子化
合物(C)との反応において押し出し機内に熱劣化物が
付着し、樹脂中へのフィッシュアイの混入が顕著とな
る。上記第二段階の反応工程における反応温度は特に限
定されるものでなく、適宜選択することができる。ただ
し、反応温度が低すぎる場合には、反応速度が低くな
り、長い反応径路を要するため、装置上不利となり、さ
らに圧力損失も大きくなることに由来してポンプへの負
荷が大きくなる。逆に高すぎる場合には、反応速度が高
くなりすぎて均質なプレポリマーが得られなくなり、フ
ィッシュアイの増加につながることがある。このため反
応温度としては、60〜220℃の範囲内が好ましく、
80〜200℃の範囲内がより好ましい。
【0015】上記2つの工程からなるプレポリマー化反
応によって得られたプレポリマーは、次に押し出し機に
送られ、そこで上記低分子化合物(C)と溶融条件下で
反応させることによって所望の熱可塑性ポリウレタンが
得られる。押し出し機としては、ポリマーの異常滞留を
未然に防止し、熱劣化物の発生を低減させるうえで有効
なセルフクリーニング機能を有している点から多軸押し
出し機、とりわけ同方向2軸押し出し機が好ましい。こ
の反応における反応温度としては特に限定されるもので
なく、適宜選択することができる。ただし、反応温度が
低すぎるときには、得られる熱可塑性ポリウレタンの重
合度を十分に上昇させることが難しくなり、逆に高すぎ
るときには熱分解反応が生起することがあるので、15
0〜290℃の範囲内が好ましい。
【0016】上記押し出し機から溶融押し出しされた熱
可塑性ポリウレタンは、常法に従って、冷却固化、切断
等の所望の処理を経て、チップ状等の任意の形状寸法で
取得することができる。また上記溶融押し出しされた熱
可塑性ポリウレタンをそのまま繊維等の成形工程に供給
することもできる。
【0017】本発明の製造方法では、必要に応じて、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤などの任意の配合剤を
所望の工程で添加してもよい。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
【0019】実施例および比較例でのプレポリマー化反
応における第一段階反応工程中で消費された活性水素原
子の割合X(モル%)、第二段階反応工程中で消費され
た活性水素原子の割合Y(モル%)および該第二段階反
応工程で得られたプレポリマーの活性水素原子の残存割
合Z(モル%)は、それぞれ次のようにして求めた。
【0020】第一段階反応工程で得られた反応混合物約
0.5gを試料として採取し、直後に、撹拌下にある
0.1規定のジ−n−ブチルアミンのジメチルホルムア
ミド溶液20ml中に瞬時に溶解させた[溶解させた試
料の精秤値をW1(g)とする]。室温で約3時間撹拌
した後、ブチルフェノールブルー指示薬を入れ、0.1
規定の塩酸メタノール溶液(ファクターをF1とする)
を用いて滴定した[塩酸のメタノール溶液の滴定量をA
1(ml)とする]。別に、試料を加えない以外は同様
にして滴定を行った[このブランク滴定での塩酸のメタ
ノール溶液の滴定量をA1’(ml)とする]。これら
の滴定結果に基づき、下記数式1および2に従ってXを
算出した。
【0021】
【数1】N1=[(A1’−A1)×0.1×F1/W1
【0022】
【数2】X=[(N0−N1)×100]/H0
【0023】[上記数式中、N0は未反応の状態におけ
る反応混合物(すなわち第一段階反応工程に供給された
原料混合物)のイソシアナート(−NCO)基の濃度
(モル/g)を表し、N1は第一段階反応工程で得られ
た反応混合物のイソシアナート基の濃度(モル/g)を
表し、H0は未反応の状態における反応混合物の活性水
素原子の濃度(モル/g)を表す。]
【0024】試料として第一段階反応工程で得られた反
応混合物の代わりに第二段階反応工程で得られたプレポ
リマーを使用する以外は、同様にして滴定を行った。す
なわち、第二段階反応工程で得られた反応混合物約0.
5gを試料として採取し、直後に、撹拌下にある0.1
規定のジ−n−ブチルアミンのジメチルホルムアミド溶
液20ml中に瞬時に溶解させた[溶解させた試料の精
秤値をW2(g)とする]。室温で約3時間撹拌した
後、ブチルフェノールブルー指示薬を入れ、0.1規定
の塩酸のメタノール溶液(ファクターをF2とする)を
用いて滴定した[塩酸のメタノール溶液の滴定量をA2
(ml)とする]。別に、試料を加えない以外は同様に
して滴定を行った[このブランク滴定での塩酸のメタノ
ール溶液の滴定量をA2’(ml)とする]。これらの
滴定結果に基づき、下記数式3〜5に従ってYおよびZ
を算出した。
【0025】
【数3】N2=[(A2’−A2)×0.1×F2/W2
【0026】
【数4】Y=[(N1−N2)×100]/H0
【0027】
【数5】Z=100−X−Y
【0028】[上記数式中、N2は第二段階反応工程で
得られたプレポリマーのイソシアナート基の濃度(モル
/g)を表し、N1およびH0は前記定義のとおりであ
る。]
【0029】連続運転性の評価は、連続運転60時間後
に、2軸押し出し機につながるプレポリマーラインの汚
れ(ゲル状物)および2軸押し出し機内の熱劣化物の付
着状態を観察することにより行った。フィッシュアイ数
の評価は、連続運転60時間後に得られた熱可塑性ポリ
ウレタンから100μm厚のフィルムを製膜し、400
cm2の面中に目視で観察される異物の個数をカウント
することにより行った。
【0030】また化合物を略号で示すことがある。略号
と化合物の対応は表1に示すとおりである。
【0031】
【表1】
【0032】
【実施例1】高分子ジオール(I)とMDIをそれぞれ
90℃および50℃に加温した後、高分子ジオール
(I)/MDIのモル比が1/2となるような割合でプ
ランジャーポンプ(富士テクノ製三連プランジャーポン
プ)により、90℃に保温した槽型反応器に連続的かつ
定量的に供給することにより、プレポリマー化反応の第
一段階の反応を行った。この槽型反応器中で高分子ジオ
ール(I)とMDIとの混合物を回転するWヘリカル型
撹拌翼による撹拌下で均一に混合した。槽型反応器中の
反応混合物を連続的かつ定量的に抜き出し、150℃に
保温したスタティックミキサーに移送し、ここでプレポ
リマー化反応の第二段階の反応に付した。上記第二段階
の反応で得られたプレポリマーを連続的かつ定量的に抜
き出し、70℃に加温したBDと、当初仕込んだMDI
/BDのモル比が2/1になるような割合で同方向2軸
押し出し機(プラスチック工学研究所製;スクリュー径
φ30)に移送し、ここで240℃の温度で溶融混練下
に反応させた。ここで2軸押し出し機から押し出される
熱可塑性ポリウレタンの速度を100g/分に設定し
た。採用した反応条件および得られた結果を表2および
表3にそれぞれ示す。
【0033】実施例2〜6、比較例1〜6 反応条件として表2に示された条件を採用する以外は実
施例1と同様にしてそれぞれ熱可塑性ポリウレタンを得
た。得られた結果を表3に示す。なお比較例3では、高
分子ジオール(I)とMDIをプレポリマー化反応に付
することなく、BDとともに2軸押し出し機に供給する
ことにより、ワンショット法で反応させた。
【0034】
【表2】
【表3】
【0035】上記表2および表3から、実施例1〜6で
採用された本発明に従う製造方法では、経路中での付着
物を生ずることがないことから長期に亘って安定な状態
で運転し得ることがわかる。また、該製造方法では、比
較例で採用された本発明とは相違する製造方法と比較し
て、得られる熱可塑性ポリウレタン中に混入するフィッ
シュアイの個数が大幅に減少することがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、上記の実施例から明ら
かなとおり、高品質の熱可塑性ポリウレタンを長期に亘
って安定な状態で連続的に製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−87306(JP,A) 特開 昭56−10517(JP,A) 特開 平1−210413(JP,A) 特開 昭50−123797(JP,A) 特開 昭51−119094(JP,A) 特公 昭42−22716(JP,B1) 特公 昭49−12597(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/08 - 18/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に活性水素原子を含有する分子量
    500以上の多価高分子化合物(A)を多価有機イソシ
    アネート(B)と反応させてプレポリマーを得、次いで
    該プレポリマーを分子内に活性水素原子を含有する分子
    量500未満の多価低分子化合物(C)と反応させるこ
    とにより連続的に熱可塑性ポリウレタンを製造するに際
    し、 (1)上記高分子化合物(A)と上記有機イソシアネー
    ト(B)との反応を、該高分子化合物(A)と該有機イ
    ソシアネート(B)とを動的撹拌翼による撹拌下に活性
    水素原子の20〜90モル%が消費されるまで反応させ
    て反応混合物を得ることからなる第一段階の反応工程
    と、次いで該反応混合物を静止型撹拌機による混練条件
    下に活性水素原子が10モル%以上消費され、かつ活性
    水素原子の残存割合が40モル%以下となるまで反応さ
    せて上記プレポリマーを得ることからなる第二段階の反
    応工程で行い、かつ (2)該プレポリマーと上記低分子化合物(C)との反
    応を押し出し機により溶融条件下で行うことを特徴とす
    る熱可塑性ポリウレタンの製造方法。
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