JP3072156B2 - 熱可塑性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンの製造方法

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JP3072156B2 JP3229436A JP22943691A JP3072156B2 JP 3072156 B2 JP3072156 B2 JP 3072156B2 JP 3229436 A JP3229436 A JP 3229436A JP 22943691 A JP22943691 A JP 22943691A JP 3072156 B2 JP3072156 B2 JP 3072156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、特定の高分子ジオー
ルを有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤と特定の条件
下に溶融重合することからなる熱可塑性ポリウレタンの
製造方法に関する。
【0002】 本発明の方法によって製造される熱可塑
性ポリウレタンは、溶融流動性に優れ、また透明性およ
び耐水性が良好であることから、各種の成形品、とりわ
け透明なチューブ、ホース、パイプ、フィルム、シート
などの透明な成形品の素材などとして有用である。
【0003】
【従来の技術】 従来より熱可塑性ポリウレタンは高い
弾性を有する点、耐摩耗性および耐油性に優れる点など
の多くの特長を有するためにゴムおよびプラスチックス
の代替材料などとして注目されており、通常のプラスチ
ック成形加工法が適用できる成形材料などとして広範な
用途で多量に使用されるようになってきている。熱可塑
性ポリウレタンは高分子ジオール、有機ジイソシアネー
トおよび1,4−ブタンジオール等の鎖伸長剤から製造
され、その製造はこれらの原料を混合して重合すること
により行われている。そして、均質な熱可塑性ポリウレ
タンを製造するためには原料を溶融状態で混合して重合
することが好ましいことが知られている[例えば、岩田
敬治著「ポリウレタン樹脂」(昭和50年7月30日
日刊工業新聞社発行)参照]。
【0004】熱可塑性ポリウレタンとしてはポリエステ
ル系の熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート系の熱
可塑性ポリウレタン等が知られている。分子中の低分子
ジオール単位として3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール単位を有するポリエステルジオールまたはポリカー
ボネートジオールを高分子ジオールとして用いて製造さ
れた熱可塑性ポリウレタンは、良好な低温特性および耐
水性を有することが知られている(特開昭47−344
94号公報、特開昭60−195117号公報、特開昭
61−21123号公報および特開昭61−21124
号公報参照)。また低分子ジオール単位として1,9−
ノナンジオール単位を有するポリエステルジオールを高
分子ジオールとして用いて製造された熱可塑性ポリウレ
タンは、高い結晶性および耐水性を有することが知られ
ている(特開昭62−64880号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明者らの検討に
よると、3−メチル−1,5−ペンタンジオール単位ま
たは1,9−ノナンジオール単位を低分子ジオール単位
とするポリエステルジオールまたはポリカーボネートジ
オールを高分子ジオールとして用いて、これを上記の従
来技術に従って有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤と
重合反応に付した場合には、得られる熱可塑性ポリウレ
タンの溶融流動性が必ずしも十分に良好でなく、射出成
形、押出成形などの溶融成形において比較的高い成形温
度が必要となり、ひいては成形サイクルの長期化、成形
物の着色などの悪影響に波及することが多いことが判明
した。この傾向は、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール単位または1,9−ノナンジオール単位が低分子ジ
オール単位の40モル%以上を占めるポリエステルジオ
ールまたはポリカーボネートジオールを高分子ジオール
として用いて製造された、優れた低温特性または高い結
晶性を良好な耐水性とともに発揮しうる熱可塑性ポリウ
レタンにおいて著しく、しかも、かかる熱可塑性ポリウ
レタン、とりわけ1,9−ノナンジオール単位が低分子
ジオール単位の40モル%以上を占めるポリエステルジ
オールまたはポリカーボネートジオールを高分子ジオー
ルとして用いて製造された熱可塑性ポリウレタンにおい
ては、それから得られた成形物の透明性において不十分
となりやすいことも判明した。
【0006】しかして本発明の目的は、耐水性に優れる
のみならず溶融流動性に優れ、かつ透明性の良好な熱可
塑性ポリウレタンを得ることができる新規な製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、上記
の目的は、高分子ジオール(A)、有機ジイソシアネー
ト(B)および鎖伸長剤(C)を重合することによって
熱可塑性ポリウレタンを製造するにあたり、該高分子ジ
オール(A)として分子中の低分子ジオール単位の40
モル%以上が式
【0008】
【化2】
【0009】で示される3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール単位または式
【0010】−O−(CH29−O−
【0011】で示される1,9−ノナンジオール単位で
ある数平均分子量500〜4000のポリエステルジオ
ールまたはポリカーボネートジオールを用い、高分子ジ
オール(A)と有機ジイソシアネート(B)とを第一段
階反応用の反応器に連続的に供給して溶融状態で高分子
ジオール(A)の反応率が65〜95%となるまで連続
的に反応させ、得られた反応混合物を連続的に取り出し
て第二段階反応用の反応器に供給し、溶融状態において
鎖伸長剤(C)と反応させることを特徴とする熱可塑性
ポリウレタンの製造方法を提供することによって達成さ
れる。
【0012】本発明の製造方法における原料の1つであ
る高分子ジオール(A)についてまず説明する。高分子
ジオール(A)としては上記のとおりのポリエステルジ
オールおよびポリカーボネートジオールからなる群から
選ばれる少なくとも一種の高分子ジオールを使用するこ
とができる。かかるポリエステルジオールおよびポリカ
ーボネートジオールは、それぞれ主として、低分子ジオ
ール単位と低分子ジカルボン酸単位からなるか、または
低分子ジオール単位とカルボニル基[−C(=O)−]
からなるが、低分子ジオール単位の40モル%以上は3
−メチル−1,5−ペンタンジオール単位または1,9
−ノナンジオール単位であることが必要である。3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール単位または1,9−ノ
ナンジオール単位が低分子ジオール単位中に占める割合
がいずれも40モル%未満である場合には、得られる熱
可塑性ポリウレタンの低温特性または結晶性における特
長および耐水性における特長が不十分となり、さらにそ
の溶融流動性の改善効果が実質的に奏されない。3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール単位および1,9−ノ
ナンジオール単位は、それらのうちの少なくとも一方が
全低分子ジオール単位の40モル%以上となる量でポリ
エステルジオールまたはポリカーボネートジオールの分
子中に含まれていさえすれば、該分子中にそれらの単位
のうちの一方のみが存在していても、両方が存在してい
てもよく、また3−メチル−1,5−ペンタンジオール
単位および1,9−ノナンジオール単位以外の低分子ジ
オール単位が付加的に存在していてもよい。かかる付加
的に含まれていてもよい低分子ジオール単位としては、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチ
ル−1,8−オクタンジオールなどのアルカンジオール
から分子中の2個の水酸基中の2個の水素原子を除いた
形の2価の単位などが例示される。
【0013】ポリエステルジオールを構成する低分子ジ
カルボン酸単位としては、特に制限されるものではない
が、炭素数が5〜12の脂肪族または芳香族のジカルボ
ン酸から分子中の2個のカルボキシル基中の2個の水酸
基を除いた形の2価の単位などが好ましい。かかる脂肪
族ジカルボン酸の例としてはグルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。また芳香族ジカ
ルボン酸の例としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸等が挙げられる。低分子ジカルボン酸単位はポリ
エステルジオールの分子中に一種または二種以上が含ま
れる。
【0014】本発明で使用される高分子ジオール(A)
の数平均分子量は500〜4000の範囲内である。5
00より小さいと得られる樹脂は脆弱でポリウレタンの
特長である耐衝撃性が不良となり、また4000より大
きいと力学的性能が低下する。
【0015】本発明で使用されるポリエステルジオール
またはポリカーボネートジオールの製造方法としては、
特に制限されることなく、公知の方法を採用することが
できる。すなわち、ポリエステルジオールは、例えば、
所望の低分子ジカルボン酸単位を与える低分子ジカルボ
ン酸またはそのメチルエステルなどのエステル形成性誘
導体と所望の低分子ジオール単位を与える低分子ジオー
ルとを直接エステル化反応またはエステル交換反応に付
し、得られる低重合体を重縮合反応に付することによっ
て製造される。またポリカーボネートジオールは、例え
ば、カーボネート化合物とビスフェノールAからのポリ
カーボネートなどの通常のポリカーボネートの製造にお
いて用いられる公知の方法と同様の方法、すなわちカー
ボネート化合物と所望の低分子ジオール単位を与える低
分子ジオールとのエステル交換反応にて製造可能であ
る。ここで、カーボネート化合物としてはジエチルカー
ボネート、ジメチルカーボネートなどのジアルキルカー
ボネート、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカ
ーボネート、エチレンカーボネートなどのアルキレンカ
ーボネートなどが好ましく使用される。
【0016】本発明において使用される好適な有機ジイ
ソシアネート(B)としては、公知の脂肪族、脂環族も
しくは芳香族の有機ジイソシアネートが挙げられ、代表
的には4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート
が例示される。有機ジイソシアネートとしては、一種の
みを使用してもよいが、二種以上を使用してもよい。
【0017】本発明においては、まず高分子ジオール
(A)と有機ジイソシアネート(B)とを第一段階反応
用の反応器に連続的に供給して溶融状態で高分子ジオー
ル(A)の反応率が65〜95%となるまで連続的に反
応させる。かかる第一段階の反応は系内を溶融状態とす
るために通常50℃以上の温度で行われ、熱分解等の悪
影響を抑制するうえで290℃以下の温度で、窒素など
の不活性ガスの雰囲気下に行うことが好ましい。
【0018】第一段階の反応で使用する原料の(B)/
(A)のモル比は、1.2/1〜8/1の範囲内である
ことが好ましい。(A)1モルに対して(B)が1.2
モル未満の場合には、得られる反応混合物の粘度が高く
なるために続く第2段階の反応において鎖伸長剤との混
合性が悪くなり、また得られる熱可塑性ポリウレタンの
弾性回復性、強度等の物性が低下する場合がある。一方
(A)1モルに対して(B)が8モルを越える場合に
は、得られる熱可塑性ポリウレタンの伸度が不十分とな
ることがある。なお、かかる使用する原料のモル比と
は、第一段階反応用の反応器への原料の供給モル速度
(単位時間当りの供給モル数)の比に相当する。高分子
ジオール(A)の反応率とは、原料高分子ジオール
(A)の水酸基のウレタン化反応に伴う消費割合を意味
するが、実用上、生成プレポリマーを含む反応混合物中
に残存する活性イソシアネート基(−NCO)を滴定法
等によって定量することにより決定される。すなわち、
高分子ジオール(A)の反応率は、例えば次式に従って
決定される。
【0019】
【数1】
【0020】[式中、Rは高分子ジオール(A)の反応
率(%)を表し、(OH)0は高分子ジオール(A)の
仕込み原料中の水酸基のモル数を表し、(NCO)0
有機ジイソシアネート(B)の仕込み原料中の活性イソ
シアネート基のモル数を表し、(NCO)tは得られた
反応混合物中の活性イソシアネート基のモル数を表す]
【0021】高分子ジオール(A)の反応率が65%未
満である場合には、得られる熱可塑性ポリウレタンにお
ける溶融流動性改善効果および透明性改善効果が十分に
は奏されない。
【0022】上記の第一段階の反応で得られたプレポリ
マーを含む反応混合物は、次に、溶融状態において所望
量の鎖伸長剤(C)と反応させる。本発明で使用される
鎖伸長剤(C)としては、公知の連鎖成長剤、即ちイソ
シアネートと反応しうる水素原子を少なくとも2個含有
する分子量400以下の低分子量化合物、例えば、エチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、
2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート、キシリレングリコール等のジオール類;
水、ヒドラジン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙
げられる。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種類以
上を混合して使用される。かかる第二段階の反応は、系
を溶融状態とするため通常50℃以上の温度で行われ、
熱分解等の悪影響を抑制するために290℃以下の温度
で行うことが好ましい。目的とする熱可塑性ポリウレタ
ンを高い反応速度でかつ熱分解を抑制して得る観点か
ら、反応温度として200〜260℃の範囲内を採用す
ることが特に好ましい。第二段階の反応は、撹拌翼の付
いたタンク式の重合釜、単軸押出反応機、多軸押出反応
機等の反応装置を用いて、連続式またはバッチ式で行う
ことができるが、多軸押出反応機を用いて連続式で反応
を行う方法が安定した品質のポリウレタンを得ることが
できる点から好ましい。なお、第二段階の反応におい
て、充填材、強化材、着色剤、安定剤などの任意の添加
剤を反応系に加えてもさしつかえない。
【0023】本発明の製造方法によって得られる熱可塑
性ポリウレタンは、使用する高分子ジオール(A)が分
子中に低分子ジオール単位として3−メチル−1,5−
ペンタンジオール単位または1,9−ノナンジオール単
位を有することに由来して、該高分子ポリオール(A)
を用いて公知の方法に従って製造された熱可塑性ポリウ
レタンと同様の優れた耐水性と優れた低温特性または高
い結晶性とを有するのみならず、上記公知の方法に従っ
て製造された熱可塑性ポリウレタンの欠点であった溶融
流動性および透明性に劣る点が改善されることから、シ
ート、フィルム、チューブ、ホース、パイプ、ロール、
ギア、パッキング材、防振材、ベルト、ラミネート製
品、自動車部品、スポーツ用品、弾性繊維等の射出成形
品、押出成形品などの溶融成形品を製造するための素材
として有用であり、とりわけ透明なチューブ、ホース、
パイプ、フィルム、シートなどの透明性が要求される成
形品を製造するための素材として好適である。
【0024】
【実施例】 次に、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
を受けない。
【0025】なお実施例および比較例中、ポリウレタン
の溶融流動性、透明性および耐水性は次のような方法で
評価した。すなわち、溶融流動性に関しては、得られた
熱可塑性ポリウレタンのペレットをサンプルとして用
い、高化式フローテスター(荷重100Kg、ノズル孔
径1mm、ノズル孔長10mm)を使用して昇温速度5
℃/分の昇温条件下でプランジャー降下量と時間との関
係曲線を描かせ、その曲線に基づいて100℃より1回
/3℃の頻度で流出初期領域における流出速度を温度に
対してプロットした。そのプロットに基づいて得られた
流出速度が0cc/secとなる補外点を流出開始温度
として評価した。透明性に関しては、得られた熱可塑性
ポリウレタンを用いて射出成形機により成形温度200
±10℃の温度条件で射出成形を行い、直径12cm、
2mm厚の円盤を得、その透明度(ヘイズ)を日本精密
光学(株)製SEP−HS30D型ヘイズメーターによ
りJIS K7105(プラスチックの光学的特性試験
方法)に準じて評価した。また、耐水性に関しては、得
られた熱可塑性ポリウレタンから作製した100μm厚
みのフィルムを温度70℃、相対湿度95%の条件下に
28日間放置し、かかるジャングルテスト後におけるフ
ィルムの引張り強度のジャングルテスト前のフィルムの
引張り強度に対する保持率を求めた。かかる強度保持率
で耐水性を評価した。
【0026】以下、原料化合物を表1に挙げた略号で示
すことがある。
【0027】
【表1】
【0028】また、実施例および比較例において使用し
た高分子ジオールを高分子ジオールA、B、C、D、
E、F、G、HまたはIの略号で示すが、その実体は表
2に示すとおりである。
【0029】
【表2】
【0030】実施例1 高分子ジオールAとMDIをそれぞれ60℃に加温し溶
融状態にした後、それらのモル比が高分子ジオールA/
MDI=1/3となるような割合で反応釜に連続的に仕
込むことにより90℃の反応温度で連続的に反応させ
た。反応釜下部より連続的に反応混合物を取り出し2段
階目の重合装置(二軸押出重合機)に一定の速度で供給
した。なお反応釜より連続的に得られた反応混合物での
活性イソシアネート基濃度を滴定法により測定した結
果、高分子ジオールAの反応率は87%であることが判
明した。
【0031】上記の反応混合物が供給される2段階目の
重合装置に、さらにポリウレタンを製造するうえで不足
分(当初使用した高分子ジオールAの1モルに対して2
モルに相当する量)のBDを所定の一定速度で連続的に
供給することによって、240℃の反応温度、約90秒
の反応時間で連続式で溶融重合を行った(第二段階の反
応)。重合機から連続的に押し出される生成熱可塑性ポ
リウレタンのストランド状物を水中で冷却し、固化した
ストランドをペレタイザーで切断し、ペレットに成形し
た。
【0032】反応条件の概要および得られた熱可塑性ポ
リウレタンの評価結果をそれぞれ表3および表4に示
す。
【0033】実施例2および比較例1〜2 反応条件として表3に示された条件を採用する以外は実
施例1におけると同様にして、それぞれ熱可塑性ポリウ
レタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結
果を表4に示す。
【0034】比較例3 高分子ジオールAおよびMDIを第一段階の反応に付す
ることなく直接、第二段階の反応に付した以外は実施例
1におけると同様にして、熱可塑性ポリウレタンを得
た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結果を表4に
示す。
【0035】比較例4〜5 反応条件として表3に示された条件を採用する以外は比
較例3におけると同様にして、それぞれ熱可塑性ポリウ
レタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結
果を表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】実施例3 高分子ジオールEとMDIをそれぞれ60℃に加温し溶
融状態にした後、それらのモル比が高分子ジオールE/
MDI=1/4となるような割合で反応釜に連続的に仕
込むことにより90℃の反応温度で連続的に反応させ
た。反応釜下部より連続的に反応混合物を取り出し2段
階目の重合装置(二軸押出重合機)に一定の速度で供給
した。なお、反応釜より連続的に得られた反応混合物で
の活性イソシアネート基濃度を滴定法により測定した結
果、高分子ジオールEの反応率は70%であることが判
明した。
【0039】上記の反応混合物が供給される2段階目の
重合装置に、さらにポリウレタンを製造するうえで不足
分(当初使用した高分子ジオールEの1モルに対して3
モルに相当する量)のBDを所定の一定速度で連続的に
供給することによって、260℃の反応温度、約90秒
の反応時間で連続式で溶融重合を行った(第二段階の反
応)。重合機から連続的に押し出される生成熱可塑性ポ
リウレタンのストランド状物を水中で冷却し、固化した
ストランドをペレタイザーで切断し、ペレットに成形し
た。
【0040】反応条件の概要および得られた熱可塑性ポ
リウレタンの評価結果をそれぞれ表5および表6に示
す。
【0041】比較例6 反応条件として表5に示された条件を採用する以外は
施例3におけると同様にして熱可塑性ポリウレタンを得
た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結果を表6に
示す。
【0042】比較例7高分子ジオールFとMDIをそれぞれ60℃に加温し溶
融状態にしたのち、それらのモル比が高分子ジオールF
/MDI=1/4となるような割合で反応釜に仕込むこ
とにより、70℃の反応温度でバッチ式で反応させた
(第一段階の反応)。反応開始より約30分後に反応系
の活性イソシアネート基濃度を滴定法により測定した結
果、高分子ジオールFの反応率は100%であることが
判明した。さらに反応開始より1時間後に同様の測定を
行い、活性イソシアネート基濃度に変化がないことを確
認したのち、反応を停止し、反応釜中の反応混合物を窒
素ガスの気流下で密閉容器に移した。
【0043】得られた反応混合物を、2軸押出重合機へ
の供給タンクに移し、そこで70℃の定温になるまで約
12時間保持したのち、その溶融物を定量ポンプを介し
て一定速度で連続的に重合機に供給した。それと同時に
ポリウレタンを製造するうえで不足分(当初使用した高
分子ジオールFの1モルに対して3モルに相当する量)
のBDを所定の一定速度で連続的に重合機に供給するこ
とによって、260℃の反応温度、約90秒の反応時間
で連続式で溶融重合を行った(第二段階の反応)。重合
機から連続的に押し出される生成熱可塑性ポリウレタン
のストランド状物を水中で冷却し、固化したストランド
をペレタイザーで切断し、ペレットに成形した。
【0044】反応条件の概要および得られた熱可塑性ポ
リウレタンの評価結果をそれぞれ表5および表6に示
す。
【0045】比較例8 高分子ジオールDおよびMDIを第一段階の反応に付す
ることなく直接、第二段階の反応に付した以外は比較例
におけると同様にして、熱可塑性ポリウレタンを得
た。反応条件の概要および得られた熱可塑性ポリウレタ
ンの評価結果をそれぞれ表5および表6に示す。
【0046】比較例9〜10 反応条件として表5に示された条件を採用する以外は比
較例8におけると同様にして、それぞれ熱可塑性ポリウ
レタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結
果を表6に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】実施例4 高分子ジオールGとMDIをそれぞれ60℃に加温し溶
融状態にした後、それらのモル比が高分子ジオールG/
MDI=1/2となるような割合で反応釜に連続的に仕
込むことにより70℃の反応温度で連続的に反応させ
た。反応釜下部より連続的に反応混合物を取り出し2段
階目の重合装置(二軸押出重合機)に一定の速度で供給
した。なお、反応釜より連続的に得られた反応混合物で
の活性イソシアネート基濃度を滴定法により測定した結
果、高分子ジオールGの反応率は89%であることが判
明した。
【0050】上記の反応混合物が供給される2段階目の
重合装置に、さらにポリウレタンを製造するうえで不足
分(当初使用した高分子ジオールGの1モルに対して1
モルに相当する量)のBDを所定の一定速度で連続的に
供給することによって、240℃の反応温度、約90秒
の反応時間で連続式で溶融重合を行った(第二段階の反
応)。重合機から連続的に押し出される生成熱可塑性ポ
リウレタンのストランド状物を水中で冷却し、固化した
ストランドをペレタイザーで切断し、ペレットに成形し
た。
【0051】反応条件の概要および得られた熱可塑性ポ
リウレタンの評価結果をそれぞれ表7および表8に示
す。
【0052】実施例5および比較例11〜12 反応条件として表7に示された条件を採用する以外は
施例4におけると同様にして、それぞれ熱可塑性ポリウ
レタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結
果を表8に示す。
【0053】比較例13 高分子ジオールGおよびMDIを第一段階の反応に付す
ることなく直接、第二段階の反応に付した以外は実施例
におけると同様にして、熱可塑性ポリウレタンを得
た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結果を表8に
示す。
【0054】比較例14 反応条件として表7に示された条件を採用する以外は比
較例13におけると同様にして、熱可塑性ポリウレタン
を得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの評価結果を表
8に示す。
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】表4、表6および表8に示された結果から
明らかなように、本発明の方法によれば、本発明と相違
する反応条件を採用した場合と比較して、得られる熱可
塑性ポリウレタンの溶融流動性および透明性において顕
著な改善が認められる。また本発明の方法において使用
される特定の高分子ジオールとは相違する高分子ジオー
ルを使用した場合には、たとえ本発明の方法に準じたプ
レポリマー法を採用しても上記の改善効果は実質的に認
められない。
【0058】
【発明の効果】 本発明によれば、上記の実施例から明
らかなとおり、溶融流動性に優れ、かつ透明性および耐
水性が良好な熱可塑性ポリウレタンを製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−297419(JP,A) 特開 昭62−39613(JP,A) 特開 昭61−14221(JP,A) 特開 昭60−195117(JP,A) 特開 昭62−220511(JP,A) 特開 昭48−101496(JP,A) 特開 平4−146915(JP,A) 特開 平5−44784(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/42,18/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子ジオール(A)、有機ジイソシア
    ネート(B)および鎖伸長剤(C)を重合することによ
    って熱可塑性ポリウレタンを製造するにあたり、該高分
    子ジオール(A)として分子中の低分子ジオール単位の
    40モル%以上が式 【化1】 で示される3−メチル−1,5−ペンタンジオール単位
    または式 −O−(CH29−O− で示される1,9−ノナンジオール単位である数平均分
    子量500〜4000のポリエステルジオールまたはポ
    リカーボネートジオールを用い、高分子ジオール(A)
    と有機ジイソシアネート(B)とを第一段階反応用の反
    応器に連続的に供給して溶融状態で高分子ジオール
    (A)の反応率が65〜95%となるまで連続的に反応
    させ、得られた反応混合物を連続的に取り出して第二段
    階反応用の反応器に供給し、溶融状態において鎖伸長剤
    (C)と反応させることを特徴とする熱可塑性ポリウレ
    タンの製造方法。
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