JP3063309B2 - ポリウレタンおよびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタンおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の構造単位を含む
新規な高分子ポリオールを用いた耐寒性、力学性能およ
び耐摩耗性に優れたポリウレタン、さらにその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは高弾性回復率を有し、耐
摩耗性および耐油性に優れる等の多くの特徴を有するた
め、従来よりゴムおよびプラスチックの代替材料として
注目されており、通常のプラスチック成形加工法が適用
できる成形材料として広範な用途で多量に使用されるよ
うになってきている。ポリウレタンは高分子ジオール、
ジイソシアナートおよび1,4−ブタンジオールなどの
鎖伸長剤を混合状態で混合して重合させて製造すること
が好ましいことが知られている。
【0003】ポリウレタンとしては、ポリエステル系ポ
リウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボ
ネート系ポリウレタン等が知られており、これらのポリ
ウレタンはそれぞれの特徴に応じて種々の用途に使用さ
れている。例えば、ポリエーテル系ポリウレタンは耐加
水分解性が特に要求される用途に使用されているが、著
しく耐光性、耐酸化劣化性に劣る。一方、ポリエステル
系ポリウレタンは、耐水性、耐かび性に劣るものの、力
学的性能、耐油性、耐摩耗性が特に要求される用途に使
用されており、またポリカーボネート系ポリウレタン
は、耐屈曲疲労性、特に低温での耐屈曲疲労性に劣るも
のの、ポリエステル系の特徴に加え、さらに耐久性が要
求される用途に使用されている。また、最近ではポリエ
ステルカーボネートポリオール系ポリウレタンも提案さ
れている。
【0004】耐光性、耐酸化劣化性等の耐久性に加え、
耐摩耗性や力学的性能に優れるポリエステル系およびポ
リカーボネート系のポリウレタンは、一般的にいずれも
耐寒性に劣るため、即ち低温でのポリウレタンの持つゴ
ム弾性が低下するため、高分子ポリオール成分として、
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオールなどの分岐ジオール
を共重合して、非晶化または低結晶化されたものを用
い、ソフトセグメントの低温での固化を妨げている。し
かしながら、これらの分岐ジオールでの低結晶化または
非晶化では、ポリウレタンが本来持つ、優れた力学的性
能または耐摩耗性等の性能が損なわれる傾向にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
での柔軟性を損なうことなく、力学的性能および耐摩耗
性に優れるポリウレタンを提供するにある。本発明の他
の目的は、上記の新規なポリウレタンの製造方法を提供
するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の高
分子ポリオールを用いたポリウレタンが前記課題を解決
し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は第一に、主鎖が実質的に高分子ポリオール
と有機ポリイソシアナートによって形成されてなるポリ
ウレタンであって、該高分子ポリオールが、分子内に下
記の構造単位(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、X1およびX2はそれぞれCH2
−またはCOO−を表し、nは0または1を表す)で表
される基を−COO−結合または−OCO−結合を介し
含有する、数平均分子量が500〜30,000のポ
リオールであることを特徴とするポリウレタンに関す
る。また、本発明は第二に、分子内に下記の構造単位
(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、X1、X2およびnは前記定義のと
おりである)で表される基を−COO−結合または−O
CO−結合を介して含有する高分子ポリオールと有機ポ
リイソシアナートとを重合させることを特徴とする上記
ポリウレタンの製造方法に関する。
【0011】本発明のポリウレタンの製造において使用
される高分子ポリオールは、前記構造単位(I)で示さ
れる基を含有する高分子ポリオールであり、その代表的
なものは、ポリエステルポリオール(特にポリエステル
ジオール)、ポリカーボネートポリオール(特にポリカ
ーボネートジオール)およびポリエステルカーボネート
ポリオール(特にポリエステルカーボネートジオール)
である。該高分子ポリオールには、前記構造単位(I)
で表される特定の脂環族ジオール残基および/または脂
環族ジカルボン酸残基が存在することが必須であり、本
発明は該高分子ポリオールを使用して初めてその目的が
達成される。
【0012】上記高分子ポリオールを製造する場合、構
造単位(I)で表される基を含有する脂環族化合物が使
用される。具体的には、例えば、ノルボルナン−2,3
−ジメタノール、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸
およびそのジエステル、パーヒドロ−1,4:5,8−
ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノール、パーヒド
ロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジ
カルボン酸およびそのジエステルなどである。これらの
化合物の立体構造はシス体、トランス体のいずれでもよ
く、またそれらの混合物でもよい。また、それらの脂環
構造部分はエンド体、エキソ体のいずれでもよく、また
それらの混合物でもよい。
【0013】これらの化合物のうちジカルボン酸ジエス
テルは、フマル酸ジエステルまたはマレイン酸ジエステ
ルとシクロペンタジエンのディールスアルダー反応によ
る生成物の二重結合を還元する方法(ジャーナル オブ
ポリマー サイエンス;ポリマーケミストリーエディ
ション、1972年、10巻、3191頁参照)により
製造され、またジカルボン酸は、ジカルボン酸ジエステ
ルを加水分解する方法により製造される。また、ヒドロ
キシメチル基を含有する化合物は、ジカルボン酸ジエス
テルを還元する方法、または2−ブテン−1,4−ジオ
ールもしくはそれらの誘導体とシクロペンタジエンとの
ディールスアルダー反応による生成物(英国特許第79
6,135号公報、特開平3−31230号公報参照)
を還元する方法により製造することができる。
【0014】上記脂環族化合物は、いずれか1種であっ
てもよいし、2種以上を適宜に組み合わせて使用しても
よい。構造単位(I)で表される基は、ポリウレタンの
結晶化を抑制する効果を有するものであるが、力学的性
能、耐摩耗性を低下させないばかりかむしろこれらを向
上させる。
【0015】本発明で用いる高分子ポリオールの製造に
おいては、本発明の目的を逸脱しない範囲で、前記の脂
環族化合物以外にも必要に応じ、アルコール成分として
他のジオールおよび/または3価以上の多価アルコール
を使用することができ、またジカルボン酸成分として他
のジカルボン酸またはエステル形成能を有するジカルボ
ン酸誘導体を使用することができる。
【0016】本発明で用いる高分子ポリオール中の前記
構造単位(I)で表される基の含有量は、ジオールおよ
び3価以上の多価アルコールの残基ならびにジカルボン
酸残基の全量の5重量%以上あればよい。
【0017】これらのうちジオールとしては、エチレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールな
どが挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては、
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0018】本発明で用いられるポリエステルポリオー
ルまたはポリエステルカーボネートポリオールを製造す
るためのジカルボン酸およびそのエステル形成能を有す
るジカルボン酸誘導体としては、炭素数が4〜12の脂
肪族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸およびその
エステル形成能を有する誘導体が好ましい。脂肪族ジカ
ルボン酸の例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げられる。また芳
香族ジカルボン酸の例としては、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸などが挙げられる。これらのジカルボ
ン酸は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0019】本発明で用いられるポリカーボネートポリ
オールまたはポリエステルカーボネートポリオールを製
造する際に、使用されるカーボネート化合物としては、
ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネートまた
はアルキレンカーボネート等が好ましい。
【0020】本発明で用いられるポリエステルポリオー
ルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレン
テレフタレートの製造において用いられている公知の方
法と同様の方法、即ちエステル交換または直接エステル
化とそれに続く溶融重縮合反応にて製造可能である。
【0021】また、本発明で使用されるポリカーボネー
トポリオールは、ジフェニルカーボネートとビスフェノ
ールAからのポリカーボネートの製造において用いられ
る公知の方法と同様の方法、即ちエステル交換反応にて
製造可能である。
【0022】本発明で用いられるポリエステルカーボネ
ートポリオールの製造法は特に限定されない。例えば、
ジオール、ジカルボン酸、カーボネート化合物を同時に
仕込み、公知の製造方法、即ちエステル化、エステル交
換反応にて製造できる。または、予めポリエステルポリ
オールまたはポリカーボネートポリオールを合成し、次
いで前者の場合にはカーボネート化合物を、また後者の
場合にはジオール、ジカルボン酸等を反応させ合成する
ことも可能である。
【0023】また、本発明で用いられる高分子ポリオー
ルの数平均分子量は500〜30,000の範囲内であ
ることが好ましく、500より小さいと得られるポリウ
レタンの耐熱性および耐寒性が低下し、30,000よ
り大きいと得られるポリウレタンの力学的性能が低下す
る。600〜8,000の範囲内であることがより好ま
しい。また、高分子ポリオール中に存在する水酸基の数
は、最終的に得られるポリウレタンの用途により異な
り、一概には言えないが、1分子あたり2個以上、特に
2〜4個の範囲にあるのが望ましい。
【0024】本発明においてポリウレタンの合成に使用
される適当な有機ポリイソシアナートは、脂肪族、脂環
族または芳香族のポリイソシアナートであり、具体的に
は、4,4’−ジフェニルメタンジイソアナート、p−
フェニレンジイソシアナート、トルイレンジイソシアナ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリレ
ンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、4,4’−ジクロヘ
キシルメタンジイソシアナート等の分子量500以下の
ジイソシアナートが例示される。好ましくは4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイレンジイソ
シアナートである。
【0025】また、本発明において、所望により適当な
鎖伸長剤を使用してもよく、鎖伸長剤としては、ポリウ
レタン業界における常用の連鎖成長剤、即ちイソシアナ
ートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有する分
子量400以下の低分子化合物、例えば、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2−ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレート、キシリレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジア
ミン、ヒドラジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、キシ
リレンジアミン等のジアミンが挙げられる。これらの化
合物は単独で、または2種以上の混合物で使用してもよ
い。
【0026】本発明のポリウレタンを製造する方法に関
しては、公知のウレタン化反応の技術を採用することが
できる。例えば、高分子ポリオールまたはこれと上記の
鎖伸長剤との混合物を約40〜100℃に予熱した後、
これらの化合物の活性水素原子数とイソシアナート基の
比が約1:1となる割合の量のポリイソシアナートを加
え、短時間強力にかき混ぜた後、約50〜150℃で放
置することによりポリウレタンが得られる。またウレタ
ンプレポリマーを経由してポリウレタンを得る方法を採
用することもできる。普通水分などの影響をうけるた
め、ポリイソシアナートは極わずか過剰に用いられる。
これらの反応をジメチルホルムアミド、ジメチルスルフ
ォキシド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラ
ン、イソプロパノール、ベンゼン、トルエン、エチルセ
ロソルブ等の1種または2種以上からなる溶媒中で行う
こともできる。この場合、ポリウレタンの溶液濃度は1
0〜50重量%の範囲で行うと、高分子量のものを得る
のに好都合である。また、本発明者らの研究によれば、
特に成形物として用いられる熱可塑性ポリウレタンを得
る場合には、質的に不活性溶媒の不存在下で溶融重合す
ることが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用い
る連続溶融重合が好ましいことが判明した。溶融重合す
る温度は特に制限されないが200℃以上260℃以下
が望ましい。260℃以下に保つことにより耐熱性が増
大し、200℃以上に保つことによって成形性に優れる
熱可塑性ポリウレタンを造ることが可能になる。
【0027】得られるポリウレタンの数平均分子量は、
一般に5,000〜500,000の範囲内にあること
が好ましく、10,000〜300,000の範囲内に
あることがより好ましい。また、ポリウレタンの対数粘
度(ηinh)は、一般に0.1〜2.0dl/gの範囲内に
あることが好ましく、0.4〜2.0dl/gの範囲内に
あることがより好ましい。
【0028】また、この重合過程または重合後に着色
剤、難燃焼剤、滑剤、紫外線吸収剤、結晶核剤等適宜の
添加剤を加えてもよい。
【0029】次に本発明で得られるポリウレタンの使用
態様について数例述べる。 1.実質的に線状の熱可塑性ポリウレタンのペレットを
作り、これを加熱溶融して射出成形、カレンダー加工等
の方法によりエラストマー製品を製造する。 2.高分子ポリオール、ポリイソシアナートおよび鎖伸
長剤を一緒に混合するか、または予め高分子ポリオール
とポリイソシアナートとを反応させて末端イソシアナー
ト基または末端水酸基を有するプレポリマーを合成し、
これに鎖伸長剤またはポリイソシアナートを混合し、注
型エラストマー製品とするか、または塗料、接着剤イン
キ等の用途に使用する。 3.ポリウレタンを溶媒に溶解し、または溶媒中でポリ
ウレタンを合成することによりポリウレタン溶液を得、
これを合成皮革や人造皮革、繊維等へのコーティング
剤、含浸剤、塗料、接着剤、インキ、または風合い調節
剤として使用する。 4.末端イソシアナートプレポリマーを溶剤に溶解し、
これに鎖伸長剤等を添加して安定な紡糸原液を調製し、
この原液から湿式法または乾式法により弾性繊維を製造
する。 5.高分子ポリオールに発砲剤等の各種添加剤を配合
し、これにポリイソシアナートまたは末端イソシアナー
ト基を有するプレポリマーを加えて高速攪拌し、発泡さ
せ、フォーム製品を製造する。
【0030】本発明のポリウレタンは、具体的にはシー
ト、フィルム、チューブ、ホース、ロール、ギア、パッ
キング材、防振材、ベルト,ラミネート製品、自動車部
品、スポーツ用品、靴底、人工皮革、床材、塗料、防水
剤、接着剤、インキ、バインダー、ヒールトップ、電線
被覆、ガスケット、工業機械部品、弾性繊維等に使用さ
れる。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例において、高分子ポリオ
ールの数平均分子量およびポリウレタンの対数粘度は下
記の方法に従って求めたものである。またポリウレタン
の強伸度、耐寒性および耐摩耗性は以下の方法により測
定した。
【0032】・数平均分子量:水酸基価により求めた。 ・対数粘度:ポリウレタンをジメチルホルムアミドに溶
解し、0.5g/100mlの濃度で30℃で測定し
た。 ・強伸度:JIS K7311−1987に従って測定
した。 ・耐寒性:厚さ100μmのポリウレタンフィルムより
作製した試験片について、動的粘弾性測定装置〔(株)
レオロジ社製、DVEレオスペクトラー〕を用い、温度
分散によりTα(E”のピーク温度、11Hz)を測定
し、これにより耐寒性を評価した。 ・耐摩耗性:約1mmの厚さのポリウレタンフィルムを
使用し、テーバー型摩耗試験機(H−22、荷重100
0g、2000回)での摩耗試験後のフィルムの状態を
外観で判断した。ほとんど損傷のない時は○、損傷が大
きい時は×、その中間を△とした。
【0033】参考例1(ポリエステルジオールの製造) ノルボルナン−2,3−ジメタノールおよび1,6−ヘ
キサンジオールの混合物(モル比15:85)1610
gとアジピン酸1460g(ジオール/アジピン酸のモ
ル比=1.3/1)とからなる混合物を常圧下に窒素ガ
スを通じつつ、約220℃の温度で縮合水を留去しなが
らエステル化を行った。ポリエステルの酸価が0.3m
gKOH/g以下になったところで真空ポンプにより徐
々に真空度を上げ、反応を完結させた。こうして水酸基
価56.1のポリエステルジオール(PES−A)を得
た。
【0034】参考例2〜6 ジオール、ジカルボン酸成分を各々表1に示したものを
用いた以外は参考例1と同様にして、表1に示したPE
S−B〜Fを得た。
【0035】参考例7(ポリカーボネートジオールの製
造) 窒素気流下、ノルボルナン−2,3−ジメタノールおよ
び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比10:9
0)1462gとジフェニルカーボネート2140gと
からなる混合物を加熱し、200℃で反応系よりフェノ
ールを留去した。温度を徐々に210〜220℃に上
げ、フェノールをほとんど留去させたのち、真空にし、
残りのフェノールを完全に留去した。その結果、水酸基
価56.1(分子量2000)のポリカーボネートジオ
ール(PC−G)を得た。
【0036】参考例8〜10 ジオール成分、カーボネート化合物を各々表1に示した
ものを用いた以外は参考例と同様にして、表1に示し
たPC−H〜Jを得た。
【0037】参考例11(ポリエステルカーボネートジ
オールの製造) 窒素気流下、ノルボルナン−2,3−ジメタノール25
4gと1,6−ヘキサンジオール575gとアゼライン
酸376gおよびジフェニルカーボネート642g(エ
ステル基とカーボネート基のモル比57:43)とから
なる混合物を加熱し、160℃で反応系よりフェノー
ル、水を留去した。酸価が0.3mgKOH/g以下に
なったところで真空にし(2〜10mmHg)、縮合を
進めた。その結果、水酸基価56.1、分子量2000
のポリエステルカーボネートジオール(PESC−K)
を得た。
【0038】参考例12〜13 ジオール、ジカルボン酸、カーボネート化合物を各々表
1に示したものを用いた以外は参考例11と同様にし
て、表1に示したPESC−L〜Mを得た。
【0039】
【表1】
【0040】表1で用いた略号を以下に示す。 A:ノルボルナン−2,3−ジメタノール B:ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸 C:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジメタノール D:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジカルボン酸 AD:アジピン酸 AZ:アゼライン酸 SB:セバシン酸 DPC:ジフェニルカーボネート EC:エチレンカーボネート BD:1,4−ブタンジオール HD:1,6−ヘキサンジオール ND:1,9−ノナンジオール MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール NPG:ネオペンチルグリコール PES:ポリエステルジオール PC:ポリカーボネートジオール PESC:ポリエステルカーボネートジオール
【0041】実施例1 参考例1で製造したポリエステルジオール(PES−
A)1モル、1,4−ブタンジオール3モルおよびジメ
チルホルムアミドの混合溶液に、窒素気流下、70℃
で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート4モ
ルを反応させ、5時間後に30重量%のポリウレタン溶
液を得た。得られたポリウレタンの対数粘度は、0.9
6dl/gであった。得られたポリウレタンについてフ
ィルムを作成し、各種性能を調べた。その結果を表2に
示す。
【0042】実施例2〜8、比較例1〜5 PES−Aの代わりに表1に示した高分子ポリオールを
用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタン溶
液を得た。得られたポリウレタンの各種性能を調べた結
果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明のポリウレタンは、耐寒性、耐摩耗性、力学的性能が
優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/42,18/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が実質的に高分子ポリオールと有機
    ポリイソシアナートによって形成されてなるポリウレタ
    ンであって、該高分子ポリオールが、分子内に下記の構
    造単位(I) 【化1】 (式中、X1およびX2はそれぞれCH2O−またはCO
    O−を表し、nは0または1を表す)で表される基を
    COO−結合または−OCO−結合を介して含有する、
    数平均分子量が500〜30,000のポリオールであ
    ることを特徴とするポリウレタン。
  2. 【請求項2】 高分子ポリオールがポリエステルポリオ
    ール、ポリカーボネートポリオールおよびポリエステル
    カーボネートポリオールから選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項1記載のポリウレタン。
  3. 【請求項3】 分子内に下記の構造単位(I) 【化2】 (式中、X1およびX2はそれぞれCH2O−またはCO
    O−を表し、nは0または1を表す)で表される基を
    COO−結合または−OCO−結合を介して含有する高
    分子ポリオールと有機ポリイソシアナートとを重合させ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリウレタンの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 鎖伸長剤の存在下に重合反応を行うこと
    を特徴とする請求項3記載のポリウレタンの製造方法。
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