JPH05155963A - ポリウレタンおよびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタンおよびその製造方法

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JPH05155963A
JPH05155963A JP3348128A JP34812891A JPH05155963A JP H05155963 A JPH05155963 A JP H05155963A JP 3348128 A JP3348128 A JP 3348128A JP 34812891 A JP34812891 A JP 34812891A JP H05155963 A JPH05155963 A JP H05155963A
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polyurethane
polyol
resistance
polyisocyanate
polyester
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JP3348128A
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English (en)
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Yukiatsu Furumiya
行淳 古宮
Mitsuo Matsumoto
光郎 松本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 主鎖が実質的に高分子ポリオールと有機ポリ
イソシアナートによって形成されてなるポリウレタンで
あって、該高分子ポリオールが、分子内に下記の構造単
位(I) 【化1】 (式中、nは0または1を表す)で表される基を含有す
る、数平均分子量が500〜30,000のポリオール
であることを特徴とするポリウレタンおよびその製造方
法。 【効果】 本発明のポリウレタンは、耐寒性、耐摩耗
性、力学的性能に優れるとともに、架橋により耐熱性に
優れたものとなる。本発明の製造方法によって、当該ポ
リウレタンが効率よく製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の構造単位を含む
新規な高分子ポリオールを用いた耐寒性、力学的性能お
よび耐摩耗性に優れ、且つ後架橋が可能なポリウレタ
ン、ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは高弾性回復率を有し、耐
摩耗性および耐油性に優れるなどの多くの特徴を有する
ため、従来よりゴムおよびプラスチックの代替材料とし
て注目されており、通常のプラスチック成形加工法が適
用できる成形材料として広範な用途において多量に使用
されるようになってきている。ポリウレタンは高分子ジ
オール、ジイソシアナートおよび1,4−ブタンジオー
ルなどの鎖伸長剤を溶融状態で混合して重合させて製造
することが好ましいことが知られている。
【0003】ポリウレタンとしては、ポリエステル系ポ
リウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボ
ネート系ポリウレタン等が知られており、これらのポリ
ウレタンはそれぞれの特徴に応じて種々の用途に使用さ
れている。たとえば、ポリエーテル系ポリウレタンは耐
加水分解性が特に要求される用途に使用されているが、
著しく耐光性、耐酸化劣化性に劣る。一方、ポリエステ
ル系ポリウレタンは、耐水性、耐かび性に劣るものの、
力学的性能、耐油性、耐摩耗性が特に要求される用途に
使用されており、またポリカーボネート系ポリウレタン
は、耐屈曲疲労性、特に低温での耐屈曲疲労性に劣るも
のの、ポリエステル系の特徴に加え、さらに耐久性が要
求される用途に使用されている。また、最近ではポリエ
ステルカーボネートポリオール系ポリウレタンも提案さ
れている。
【0004】耐光性、耐酸化劣化性などの耐久性に加
え、耐摩耗性や力学的性能に優れるポリエステル系およ
びポリカーボネート系のポリウレタンは、一般的にいず
れも耐寒性に劣るため、即ち低温でのポリウレタンの持
つゴム弾性が低下するため、高分子ポリオール成分とし
て、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールあ
るいは3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの分
岐ジオールを共重合して、非晶化または低結晶化された
ものを用い、ソフトセグメントの低温での固化を妨げて
いる。しかしながら、これらの分岐ジオールでの低結晶
化または非晶化では、ポリウレタンが本来持つ、優れた
力学的性能または耐摩耗性などの性能が損なわれる傾向
にあった。
【0005】さらに近年、熱可塑性ポリウレタンの優れ
た特性を活かしたまま耐熱性を向上させる方法として、
ラジカル重合性の官能基を導入し、成形後に架橋させよ
うとする試みがなされている。たとえば、メチルアクリ
レートなどの重合性単量体やウレタンアクリレートやエ
ステルアクリレートなどの重合性オリゴマーなどをあら
かじめ混合しておく方法が一般的である。しかしなが
ら、この方法では耐熱性自体は向上するが、操作性やポ
リウレタン物性の点からはデメリットも大きく、使用範
囲もかなり限定される。また、あらかじめソフトセグメ
ントにラジカル重合可能な官能基を導入しておく方法、
たとえば、両末端アルコールのポリブタジエンあるいは
ポリイソプレンなどをソフトセグメントに用いる方法
は、ポリウレタンの力学的性能の点からは使用に耐えな
いばかりか、ラジカル重合性の官能基の量を制御するこ
とが不可能である。また、モノマーとしてラジカル重合
性の官能基を有するジオールやジカルボン酸として、上
記性能を同時に満たすものはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
での柔軟性を損なうことなく、力学的性能および耐摩耗
性に優れ、なおかつ後架橋可能な重合性官能基を有する
ポリウレタンを提供することにある。本発明の他の目的
は、上記の新規なポリウレタンの製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の高
分子ポリオールを用いたポリウレタンが前記課題を解決
し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は第一に、主鎖が実質的に高分子ポリオール
と有機ポリイソシアナートによって形成されてなるポリ
ウレタンであって、該高分子ポリオールが、分子内に下
記の構造単位(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、nは0または1を表す)で表され
る基を含有する、数平均分子量が500〜30,000
のポリオールであることを特徴とするポリウレタンに関
する。また、本発明は第二に、分子内に下記の構造単位
(I)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、nは、0または1を表す)で表さ
れる基を含有する高分子ポリオールと有機ポリイソシア
ナートとを重合させることを特徴とする上記ポリウレタ
ンの製造方法である。
【0012】本発明のポリウレタンの製造において使用
される高分子ポリオールは、前記構造単位(I)で示さ
れる基を含有する高分子ポリオールであり、その代表的
なものは、ポリエステルポリオール(特にポリエステル
ジオール)、ポリカーボネートポリオール(特にポリカ
ーボネートジオール)およびポリエステルカーボネート
ポリオール(特にポリエステルカーボネートジオール)
である。該高分子ポリオールには、前記構造単位(I)
で表される特定の不飽和脂環族ジオール残基が存在する
ことが必須であり、該高分子ポリオールを使用して初め
てその目的が達成される。
【0013】上記高分子ポリオールを製造する場合、構
造単位(I)で表される基を含有する不飽和脂環族化合
物が使用される。具体的には、5−ノルボルネン−2,
3−ジメタノール、1,2,3,4,5,8,9,10
−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジメタノールである。これらの化合物の立体
構造はシス体、トランス体のいずれでもよく、またそれ
らの混合物でもよい。また、それらの幾何異性体のエン
ド体、エキソ体のいずれでもよく、またそれらの混合物
でもよい。
【0014】これらの化合物は、2−ブテン−1,4−
ジオールまたはその誘導体とシクロペンタジエンとのデ
ィールスアルダー反応により製造することができる(英
国特許第796,135号明細書、特開平3−3123
0号公報参照)。
【0015】上記不飽和脂環族化合物は、いずれか1種
であってもよいし、2種以上を適宜に組み合わせて使用
してもよい。構造単位(I)で表される基は、ポリウレ
タンの結晶化を抑制する効果を有するものであるが、力
学的性能、耐摩耗性を低下させないばかりかむしろこれ
らを向上させる。
【0016】本発明で用いる高分子ポリオールの製造に
おいては、本発明の目的を逸脱しない範囲で、前記の不
飽和脂環族化合物以外にも必要に応じ、アルコール成分
として他のジオールおよび/または3価以上の多価アル
コールを使用することができる。
【0017】本発明で用いる高分子ポリオール中の前記
構造単位(I)で表される基の含有量は、ジオールおよ
び3価以上のアルコールの残基の全量の3モル%以上、
好ましくは5モル%以上あればよい。
【0018】これらのうちジオールとしては、エチレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,8−オクタ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、ノルボルナン−2,3−ジメ
タノール、ノルボルナン−2,5−ジメタノール、ノル
ボルナン−2,6−ジメタノール、パーヒドロ−1,
4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノー
ル、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,6−ジメタノール、パーヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−2,7−ジメタノール、トリシ
クロデカンジメタノールなどが挙げられる。3価以上の
多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ルなどが挙げられる。
【0019】本発明で用いられるポリエステルポリオー
ルまたはポリエステルカーボネートポリオールを製造す
るために、ジカルボン酸およびそのエステル形成能を有
するジカルボン酸誘導体が使用されるが、かかるものと
しては、炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸、脂環
族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸およびそのエ
ステル形成能を有する誘導体が好ましい。脂肪族ジカル
ボン酸の例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸等などが挙げられる。脂環族
ジカルボン酸の例としては、ノルボルナン−2,3−ジ
カルボン酸、ノルボルナン−2,5−ジカルボン酸、ノ
ルボルナン−2,6−ジカルボン酸、パーヒドロ−1,
4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン
酸、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,6−ジカルボン酸、パーヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−2,7−ジカルボン酸などが挙
げられる。また芳香族ジカルボン酸の例としては、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などが挙げられる。
これらのジカルボン酸は単独で使用しても2種以上を併
用してもよい。
【0020】本発明で用いられるポリカーボネートポリ
オールまたはポリエステルカーボネトポリオールを製造
する際に、使用されるカーボネート化合物としては、ジ
アルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、アル
キレンカーボネートなどが好ましい。
【0021】本発明で用いられるポリエステルポリオー
ルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレン
テレフタレートの製造において用いられている公知の方
法と同様の方法、即ちエステル交換または直接エステル
化とそれに続く溶融重縮合反応にて製造可能である。
【0022】また、本発明で使用されるポリカーボネー
トポリオールは、ジフェニルカーボネートとビスフェノ
ールAからのポリカーボネートの製造において用いられ
る公知の方法と同様の方法、即ちエステル交換反応にて
製造可能である。本発明で用いられるポリエステルカー
ボネートポリオールの製造方法は特に限定されない。た
とえば、ジオール、ジカルボン酸、カーボネート化合物
を同時に仕込み、公知の製造方法、即ちエステル化、エ
ステル交換反応にて製造できる。あるいは、あらかじめ
ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール
を合成し、次に前者の場合にはカーボネート化合物を、
後者の場合にはジカルボン酸などを反応させることによ
って製造することも可能である。
【0023】また、高分子ポリオールのラジカル重合を
防止するために、約0.001〜0.05重量%程度の
ラジカル重合抑制剤を系内に添加することができる。そ
の抑制剤の例としては、たとえばヒドロキノン、ハイド
ロキノンモノメチルエーテルなどを挙げることができ
る。また、本発明で用いられる高分子ポリオールの数平
均分子量は500〜30,000の範囲内であることが
好ましく、600〜8,000の範囲内であることがよ
り好ましく、800〜5,000の範囲内であることが
さらに好ましい。500より小さいと耐熱性および耐寒
性が低下し、30,000より大きいと力学的性能が低
下する。また、高分子ポリオール中に存在する水酸基の
数は、最終的に得られるポリウレタンの用途により異な
り、一概には言えないが、1分子当たり2個以上、特に
2〜4個の範囲にあるのが望ましい。
【0024】本発明においてポリウレタンの合成に使用
される適当な有機ポリイソシアナートは、脂肪族、脂環
族または芳香族のポリイソシアナートであり、具体的に
は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、p
−フェニレンジイソシアナート、トルイレンジイソシア
ナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリ
レンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアナートなどの分子量500以
下のジイソシアナートが例示される。好ましくは4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイレン
ジイソシアナートである。
【0025】また、本発明においては、所望により適当
な鎖伸長剤を使用してもよく、鎖伸長剤としては、ポリ
ウレタン業界における常用の連鎖成長剤、即ちイソシア
ナートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有する
分子量400以下の低分子化合物、たとえば、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキ
シエチル)テレフタレート、キシレングリコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール
類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、ヒドラジン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、キシリレンジアミンなどのジアミン類が挙げられ
る。これらの化合物は単独で、または2種以上を混合し
て使用してもよい。
【0026】本発明のポリウレタンを製造する方法に関
しては、公知のウレタン化反応の技術を採用することが
できる。たとえば、高分子ポリオールまたはこれと上記
鎖伸長剤の混合物を約40〜100℃に予熱した後、こ
れらの化合物の活性水素原子数とイソシアナート基の比
が約1:1となる割合の量のポリイソシアナートを加
え、短時間強力にかき混ぜた後、約50〜150℃で放
置することにより本発明のポリウレタンが得られる。ま
た、ウレタンプレポリマーを経由してポリウレタンを得
る方法を採用することもできる。ポリイソシアナート
は、通常水分などの影響をうけるため、ポリイソシアナ
ートは極わずか過剰に用いられる。これらの反応は、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチ
ルアセトアミド、テトラヒドロフラン、イソプロパノー
ル、ベンゼン、トルエン、エチルセロソルブなどの1種
または2種以上からなる溶媒中で行うこともできる。こ
の場合、ポリウレタンの溶液濃度は10〜50重量%の
範囲で行うと、高分子量のものを得るのに好都合であ
る。
【0027】得られるポリウレタンの数平均分子量は、
一般に5,000〜500,000の範囲内にあること
が好ましく、10,000〜300,000の範囲内に
あることがより好ましい。また、ポリウレタンの対数粘
度(ηinh)は、一般に0.1〜2.0dl/gの範囲内にあ
ることが好ましく、0.4〜2.0dl/gの範囲内にある
ことがより好ましい。
【0028】また、この重合過程または重合後に着色
剤、難燃剤、滑剤、紫外線吸収剤、結晶核剤などの添加
剤を適宜加えてもよい。本発明のポリウレタンは、後架
橋が可能であり、その架橋は通常熱および/または放射
線によって行われる。ここで放射線とは、紫外線および
電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射をい
う。また、たとえばイオウ化合物などを用いて化学的に
架橋を行うことも可能である。
【0029】次に本発明で得られるポリウレタンの使用
態様ないしは有用性について数例述べる。 1.実質的に線状の熱可塑性ポリウレタンのペレットを
作り、これを加熱溶融して射出成形、カレンダー加工な
どの方法によりエラストマー製品を製造する。または、
熱可塑性ポリウレタンペレットと光重合開始剤および光
増感剤を混合し、加熱溶融して射出成形した後、放射線
により後架橋させエラストマー製品を製造する。
【0030】2.高分子ポリオール、ポリイソシアナー
トおよび鎖伸長剤を一緒に混合するか、またはあらかじ
め高分子ポリオールとポリイソシアナートとを反応させ
て末端イソシアナート基または末端水酸基を有するプレ
ポリマーを合成し、これに鎖伸長剤またはポリイソシア
ナートを混合し、注型エラストマー製品とするか、また
は塗料、接着剤、インキなどの用途に使用する。
【0031】3.ポリウレタンを溶媒に溶解し、または
溶媒中でポリウレタンを合成することによりポリウレタ
ン溶液を得、これを合成皮革や人造皮革、繊維等へのコ
ーティング剤、含浸剤、接着剤、インキ、あるいは風合
い調節剤として使用する。またはあらかじめ、ラジカル
反応開始剤または光反応開始剤を添加しておき、溶液を
塗布、溶媒除去後、熱または放射線により後架橋させ
る。
【0032】4.末端イソシアナートプレポリマーを溶
剤に溶解し、これに鎖伸長剤などを添加して安定な紡糸
原液を調製し、この原液から湿式法または乾式法により
弾性繊維を製造する。 5.高分子ポリオールに発砲剤などの各種添加剤を配合
し、これにポリイソシアナートまたは末端イソシアナー
ト基を有するプレポリマーを加えて高速攪拌し、発泡さ
せ、フォーム製品を製造する。
【0033】本発明のポリウレタンは、具体的にはシー
ト、フィルム、チューブ、ホース、ロール、ギア、パッ
キング材、防震材、ベルト,ラミネート製品、自動車部
品、スポーツ用品、靴底、人工皮革、床材、塗料、防水
剤、接着剤、インキ、バインダー、ヒールトップ、電線
被覆、ガスケット、工業機械部品、弾性繊維などとして
使用される。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例において、高分子ポリオ
ールの数平均分子量およびポリウレタンの対数粘度は下
記の方法に従って求めたものである。また、ポリウレタ
ンの強伸度、耐寒性および耐摩耗性は以下の方法により
測定した。
【0035】・数平均分子量:水酸基価により求めた。 ・対数粘度:ポリウレタンをジメチルホルムアミドに溶
解し、0.5g/100mlの濃度で30℃で測定し
た。 ・強伸度:JIS K7311−1987に従って測定
した。 ・耐寒性:厚さ100μmのポリウレタンフィルムより
作成した試験片について、動的粘弾性測定装置〔(株)
レオロジ社製、DVEレオスペクトラー〕を用い、温度
分散によりTα(E”のピーク温度、11Hz)を測定
し、これにより耐寒性を評価した。 ・耐摩耗性:約1mmの厚さのポリウレタンフィルムを
使用し、テーバー型摩耗試験機(H−22、荷重100
0g、2000回)での摩耗試験後のフィルムの状態を
外観で判断した。ほとんど損傷のない時は○、損傷が大
きい時は×、その中間を△とした。
【0036】参考例1(ポリエステルジオールの製造) 5−ノルボルネン−2,3−ジメタノールおよび1,6
−ヘキサンジオールの混合物(モル比:15/85)1
609g、アジピン酸1460g(ジオール/アジピン
酸のモル比:1.3/1)およびヒドロキノンモノメチ
ルエーテル0.6gを常圧下に窒素ガスを通じつつ、約
220℃の温度で縮合水を留去しながらエステル化を行
った。ポリエステルの酸価が0.3mgKOH/g以下
になったところで真空ポンプにより徐々に真空度を上げ
反応を完結させた。こうして水酸基価56.1のポリエ
ステルジオール(PES−A)を得た。
【0037】参考例2〜6 ジオール成分およびジカルボン酸成分として、各々表1
に示したものを用いた以外は参考例1と同様にして、表
1に示したPES−B〜Fを得た。
【0038】参考例7(ポリカーボネートジオールの製
造) 窒素気流下、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール
および1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比:1
0/90)1462g、ジフェニルカーボネート214
0gおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.6gよ
りなる混合物を加熱し、200℃で反応系よりフェノー
ルを留去した。温度を徐々に210〜220℃に上げ、
フェノールをほとんど留去させたのち、真空にし、残り
のフェノールを完全に留去した。その結果、水酸基価5
6.1(分子量2000)のポリカーボネートジオール
(PC−G)を得た。
【0039】参考例8〜10 ジオール成分およびカーボネート化合物として、各々表
1に示したものを用いた以外は参考例1と同様にして、
表1に示したPC−H〜Jを得た。 参考例11(ポリエステルカーボネートジオールの製
造) 窒素気流下、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール
200g、1,6−ヘキサンジオール613gとアゼラ
イン酸376g、ジフェニルカーボネート642g(エ
ステル基とカーボネート基のモル比:57/43)およ
びヒドロキノンモノメチルエーテル0.6gよりなる混
合物を加熱し、160℃で反応系よりフェノール、水を
留去した。酸価が0.3mgKOH/g以下になったと
ころで真空にし(2〜10mmHg)、縮合を進めた。
その結果、水酸基価56.1、分子量2000のポリエ
ステルポリカーボネートジオール(PESC−K)を得
た。
【0040】参考例12〜13 ジオール成分、ジカルボン酸成分およびカーボネート化
合物として、各々表1に示したものを用いた以外は参考
例1と同様にして、表1に示したPESC−L〜Mを得
た。
【0041】
【表1】
【0042】表1で用いた略号を以下に示す。 A:5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール B:1,2,3,4,5,8,9,10−オクタヒドロ
−1,4,5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメ
タノール C:ノルボルナン−2,3−ジメタノール D:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジメタノール E:ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸 F:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジカルボン酸
【0043】AD:アジピン酸 AZ:アゼライン酸 SB:セバシン酸 DPC:ジフェニルカーボネート EC:エチレンカーボネート BD:1,4−ブタンジオール HD:1,6−ヘキサンジオール ND:1,9−ノナンジオール MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール NPG:ネオペンチルグリコール
【0044】実施例1 参考例1で製造したポリエステルジオール(PES−
A)1モル、1,4−ブタンジオール3モルおよびジメ
チルホルムアミドの混合溶液に、窒素気流下、70℃
で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート4モ
ルを反応させ、5時間後に30重量%のポリウレタン溶
液を得た。得られたポリウレタンの対数粘度は0.99
dl/gであった。得られたポリウレタンについてフィ
ルムを作成し、各種性能を調べた。その結果を表2に示
す。
【0045】実施例2〜8、比較例1〜5 PES−Aの代わりに表1に示した高分子ポリオールを
用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタン溶
液を得た。得られたポリウレタンの各種性能を調べた結
果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】実施例9 実施例1で得られたポリウレタン溶液100gにベンゾ
インエチルエーテル1gを加え、アルミ板上に100ミ
クロンのアプリケーターで塗布し、溶媒を飛散させたの
ち、出力80W/cmの高圧水銀灯で6m/分のスピー
ドで2回照射した。得られた塗膜は、ジメチルホルムア
ミドあるいはテトラヒドロフランなどの溶媒には全く溶
解しないものであった。
【0048】
【発明の効果】本発明のポリウレタンは、耐寒性、耐摩
耗性、力学的性能が共に優れており、さらに架橋により
耐熱性が優れたものとなる。また、本発明によれば優れ
た性能を有し、後架橋可能なポリウレタンの製造方法が
提供される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が実質的に高分子ポリオールと有機
    ポリイソシアナートによって形成されてなるポリウレタ
    ンであって、該高分子ポリオールが、分子内に下記の構
    造単位(I) 【化1】 (式中、nは0または1を表す)で表される基を含有す
    る、数平均分子量が500〜30,000のポリオール
    であることを特徴とするポリウレタン。
  2. 【請求項2】 高分子ポリオールがポリエステルポリオ
    ール、ポリカーボネートポリオールおよびポリエステル
    カーボネートポリオールから選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項1記載のポリウレタン。
  3. 【請求項3】 分子内に下記の構造単位(I) 【化2】 (式中、nは0または1を表す)で表される基を含有す
    る高分子ポリオールと有機ポリイソシアナートとを重合
    させることを特徴とする請求項1記載のポリウレタンの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 鎖伸長剤の存在下に重合反応を行うこと
    を特徴とする請求項3記載のポリウレタンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998044016A1 (fr) * 1997-04-02 1998-10-08 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Mousse de polyurethanne, procede de fabrication et composition appropriee pour produire la mousse
US6309719B1 (en) 2000-05-04 2001-10-30 Arteva North America S.A.R.L. Amorphous copolyester resin composition

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