JPH0520959Y2

JPH0520959Y2 -

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Publication number: JPH0520959Y2
Application number: JP1988053923U
Authority: JP
Priority date: 1988-04-21
Filing date: 1988-04-21
Publication date: 1993-05-28
Anticipated expiration: 2003-04-21
Also published as: JPH01156398U; US4932622A

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、カメラ等に用いる三脚の伸縮支脚固
定装置に関するものである。

（従来の技術）従来の三脚の伸縮支脚固定装置として、実開昭
62−126698号公報に示されたものがある。

この装置（三脚の脚体固定装置）は、外側の多
角形状の断面を有する管体（外側管）の角部に設
けた開口部（切欠き部）の外側に偏心カムを水平
方向回動可能に軸支するとともに、この偏心カム
によつて内側の多角形状の断面を有する管体（内
側管）の角部に圧接される押圧体（押圧部材）を
上記開口部（切欠き部）に設けた構造で、内側の
管体の角部を押圧することにより、管体の平面部
を押圧した場合の管体の平面部の凹陥状の変形を
防止しようとしたものである。

（考案が解決しようとする課題）ところで、偏心カムにより押圧体（押圧部材）
を作動する際には、押圧体は、偏心カムから、本
来の作用方向つまり内側の管体（内側管）に押圧
される方向（偏心カムの半径方向）の力の他に、
本来の作用方向と交差する方向つまり偏心カムの
回動方向（偏心カムの接線方向）の力を受けるこ
とになる。

しかしながら、上述した構造では、押圧体は、
内側の管体の角部との嵌合によつて、偏心カムの
回動方向には移動できなくなつているため、偏心
カムの回動時に、本来の作用方向と交差する偏心
カムの回動方向の力によつて、押圧体が管体の角
部を中心に回動する力を受け、押圧体の片側だけ
が潰されて変形したり、押圧が管体の角部に隣接
した一面に偏つたりすることになり、このため、
押圧体の寿命が短くなつたり、管体の固定が弱く
なつたり、管体の一面を凹陥状に変形させたりす
る可能性がある。

本考案は、このような点に鑑み成されたもの
で、押圧体による内側の管体の押圧を均一に行な
い、これによつて、押圧体の片潰れによる寿命短
縮の防止、管体の固定強化及び管体の変形防止を
行なおうとするものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段）本考案は、基台１に３本の支脚７の上端部を垂
直方向回動可能に軸着した三脚において、上記支
脚７は、少なくとも一辺が短辺部２３である多角
形状の断面を有する少なくとも２本の相似形の管
体９を伸縮可能に嵌合して成り、相対的な関係に
おいて外側に位置した管体９の端部にその内側に
位置した管体９を固定する固定装置１０を有し、
この固定装置１０は、上記外側に位置した管体９
の短辺部２３に設けた開口部３９の外側に偏心カ
ム４７を水平方向回動可能に軸支するとともに、
この偏心カム４７によつて上記内側に位置した管
体９の短辺部２３に圧接される押圧体４２を上記
開口部３９に偏心カム４７の回動方向に移動可能
に遊嵌したものである。

（作用）本考案の三脚の伸縮支脚固定装置は、押圧体４
２が、偏心カム４７の回動に応じて、内側に位置
した管体９の短辺部２３に沿つて、偏心カム４７
の回動方向に移動するものである。

（実施例）本考案の三脚の伸縮支脚固定装置の一実施例を
図面を参照して説明する。

先ず、第３図は三脚を示し、１は基台で、この
基台１の下部に支持筒２が取付けられ、この支持
筒２に基台１の上部から昇降杆３が挿入され、こ
の昇降杆３が、基台１に設けられたハンドル４を
回動することによつて、基台１に対して昇降する
ようになつており、図示しないが、この昇降杆３
の上端部には雲台が取付けられ、この雲台にはカ
メラが取付けられるようになつている。

また、上記支持筒２の周囲に位置して、上記基
台１に３本の伸縮可能な支脚７の上端部が軸８を
介して垂直方向回動自在に軸着されている。この
支脚７は、それぞれ、３本の径の異なる相似形の
管体９を伸縮可能に嵌合したもので、最外側上段
の大径の管体９を上記軸８を介して上記基台１に
軸着するようになつており、この上段の大径の管
体９の下端部と中段の中間径の管体９の下端部に
それぞれ固定装置１０が設けられ、それぞれの固
定装置１０によつて、上段の大径の管体９の下端
部に中段の中間径の管体９を固定でき、この中段
の中間径の管体９の下端部に最内側下段の小径の
管体９を固定でき、この下段の小径の管体９の下
端部には接地用の石突１１が取付けられている。

そして、上記支持筒２の外側に環状体１４が上
下動可能に嵌合され、この環状体１４と各支脚７
の上段の固定装置１０が連結杆１５を介して軸着
連結され、環状体１４の上下動により各支脚７の
開き角度を調節できるようになつている。

次に、第１図及び第２図は上記支脚７の管体９
と固定装置１０の関係を示し、各管体９は、金属
製で、六角形状の断面を有し、三脚の外側に向く
一面部分が半径の大きい円弧状の長辺部２１で、
他の五面部分は短辺部２２，２３，２４，２５，
２６となつており、長辺部２１に隣接する短辺部
２２と短辺部２６とが平行状で、長辺部２１とこ
の長辺部２１に対向する短辺部２４とが平行状
で、短辺部２４と短辺部２３とが成す角度及び短
辺部２４と短辺部２５とが成す角度は、それぞ
れ、115度ないし140度程度とし、ここでは120度
となつている。

そして、上述したように、上記各管体９につい
て、相対的な関係において、外側に位置した上段
及び中段の管体９（以後単に外側の管体９と呼
ぶ）の下端部の固定装置１０により、その内側に
位置した中段及び下段の管体９（以後単に内側の
管体９と呼ぶ）が外側の管体９の下端部に固定さ
れるが、外側の管体９の下端内側部には合成樹脂
製のスリーブ２９が嵌合され、このスリーブ２９
の下端外側部のフランジ部３０を後述するソケツ
ト３５の下端内側部の係止縁部３６と外側の管体
９の下端部との間に挟持することによつて、この
スリーブ２９が外側の管体９に固定され、このス
リーブ２９の内側を内側の管体９が摺動するよう
になつており、また、このスリーブ２９に対する
合成樹脂製のスリーブ３１が内側の管体９の上端
外側部に嵌合され、このスリーブ３１が内側の管
体９に凹凸嵌合部３２によつて固定され、これら
のスリーブ２９，３１の当接より内側の管体９の
抜け止めが行なわれている。

そうして、上記固定装置１０は、合成樹脂製ま
たは金属製のソケツト３５を有し、このソケツト
３５は、外側の管体９の下端外側部に嵌合され、
このソケツト３５の下端内側部の係止縁部３６が
スリーブ２９のフランジ部３０を介して外側の管
体９の下端部に当接している。

そして、上記外側の管体９の下端部の六角形状
の長辺部２１を第１の面として反時計方向で第３
の面となる短辺部２３に開口部３９が形成されて
いるとともに、この開口部３９に対応して上記ス
リーブ２９とソケツト３５にそれぞれ開口部４
０，４１が形成され、これらの開口部３９，４
０，４１に合成樹脂製の押圧体４２が水平方向移
動可能に嵌合され、この押圧体４２に対するカム
レバー４３が上記ソケツト３５に金属製の軸４４
を介して水平方向回動可能に軸支されている。

上記カムレバー４３は、合成樹脂製で、円筒状
の偏心カム４７の一側部に操作レバー４８を一体
に突設したもので、上記ソケツト３５の外側に突
設した上下一対の突片４９と偏心カム４７の偏心
通孔５０に上記軸４４を挿通することにより、偏
心カム４７が上記開口部３９，４０，４１の外側
に配置され、この偏心カム４７が、押圧体４２を
内側の管体９の短辺部２３との間に挟持し、押圧
体４２を開口部３９，４０，４１に保持している
とともに、この押圧体４２が、開口部３９，４１
との嵌合により、ソケツト３５を外側の管体９に
保持している。

上述したような構成により、この固定装置１０
では、第１図のように、カムレバー４３の操作レ
バー４８を時計方向に回動してソケツト３５の側
部に沿わせた状態では、カムレバー４３の偏心カ
ム４７の最大径部分が、押圧体４２に当接して押
圧体４２を内側の管体９の短辺部２３に圧接し、
さらに、内側の管体９の長辺部２１と短辺部２５
をスリーブ２９を介して外側の管体９の長辺部２
１と短辺部２５に圧接し、これによつて、内側の
管体９が外側の管体９の下端部に固定され、支脚
７の長さが固定された状態となつている。

そして、この状態から支脚７の長さを変える場
合には、操作レバー４８を反時計方向に回動す
る。すると、偏心カム４７の最大径部分が押圧体
４２から外れ、押圧体４２には偏心カム４７の小
径部分が対向して押圧体４２の押圧が解除され、
内側の管体９と外側の管体９の固定が解除され
て、内外の管体９の伸縮が可能となり、支脚７の
長さを変えることができる。

また、内外の管体９を伸縮して支脚７の長さを
変えた後、支脚７の長さを固定するには、第１図
のように、カムレバー４３の操作レバー４８を時
計方向に回動してソケツト３５の側部に沿わせ
る。すると、カムレバー４３の偏心カム４７の最
大径部分が、押圧体４２に当接して押圧体４２を
内側の管体９の短辺部２３に圧接し、さらに、内
側の管体９の長辺部２１と短辺部２５をスリーブ
２９を介して外側の管体９の長辺部２１と短辺部
２５に圧接し、これによつて、内側の管体９を外
側の管体９の下端部に固定でき、支脚７の長さを
固定することができる。

そうして、上述した内外の管体９の固定及び固
定解除に際しては、偏心カム４７の回動にともな
つて、偏心カム４７の最大径部分が水平方向に移
動し、これによつて、押圧体４２が偏心カム４７
の接線方向の力を受けるが、押圧体４２は開口部
３９，４０，４１内で偏心カム４７の接線方向と
同じ水平方向に移動でき、しかも、この方向は押
圧体４２が当接した内側の管体９の短辺部２３に
沿つた方向のため、押圧体４２は、偏心カム４７
の回動に応じて、内側の管体９の短辺部２３に沿
つて、偏心カム４７の回動方向に移動することが
できる。

したがつて、押圧体４２の各部が偏心カム４７
から均一な圧力を受け、押圧体４２が変形し難く
なるので、押圧体４２の寿命が長くなり、そし
て、押圧体４２の各部が管体９の短辺部２３を均
一に押圧するので、管体９の固定が確実に行なわ
れ、また、押圧体４２によつて押圧されるのが管
体９の短辺部２３で、長辺部２１と比較して強度
が高いため、押圧体４２による凹陥状の変形の可
能性が少ない。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案によれば、押圧体が、
偏心カムの回動に応じて、内側に位置した管体の
短辺部に沿つて、偏心カムの回動方向に移動する
ため、押圧体の各部が偏心カムから均一な圧力を
受け、押圧体が変形し難く、押圧体４２の寿命が
長くなり、そして、押圧体の各部が管体の短辺部
を均一に押圧するので、管体の固定が確実に行な
われ、また、押圧体によつて押圧されるのが管体
の短辺部で、長辺部と比較して強度が高いため、
押圧体による凹陥状の変形の可能性が少ない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の三脚の伸縮支脚固定装置の一実施
例を示し、第１図及び第２図は要部の横断面図及
び縦断面図、第３図は全体の側面図である。１……基台、７……支脚、９……管体、１０…
…固定装置、２３……短辺部、３９……開口部、
４２……押圧体、４７……偏心カム。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】基台に３本の支脚の上端部を垂直方向回動可能
に軸着した三脚において、上記支脚は、少なくとも一辺が短辺部である多
角形状の断面を有する少なくとも２本の相似形の
管体を伸縮可能に嵌合して成り、相対的な関係に
おいて外側に位置した管体の端部にその内側に位
置した管体を固定する固定装置を有し、上記固定装置は、上記外側に位置した管体の短
辺部に設けた開口部の外側に偏心カムを水平方向
回動可能に軸支するとともに、この偏心カムによ
つて上記内側に位置した管体の短辺部に圧接され
る押圧体を上記開口部に偏心カムの回動方向に移
動可能に遊嵌したことを特徴とする三脚の伸縮支
脚固定装置。