JPS6224089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は所要寸法に応じて杆長を適宜変動可能
な伸縮自在杆に関するものである。

従来の伸縮自在杆は、一般にパイプ材による外
側杆体と、その内周面に沿つて摺動自在に挿嵌す
る内側杆体により二重杆を形成し、外側杆体にピ
ン挿通孔を穿設し、内側杆体に軸方向に適間隔を
へだてゝ複数のピン挿嵌孔を設けて、内側杆体を
外側杆体内で摺動させ、杆長を所要寸法に調節し
て外側杆体のピン挿通孔に対応する内側杆体のピ
ン挿嵌孔に外側方より係止ピンを挿入して、内外
側杆体を固定し、杆長を所要寸法とするものが用
いられているが、ピン挿通孔とピン挿嵌孔を一致
させ係止ピンを差し込む操作は非常に手間が掛
り、かつ使用中に係止ピンが脱落する虞れがあ
り、又係止ピンの端部が外部に突出するので、引
掛けて衣類を破損したり、怪我をする虞れがある
等の欠点があつた。

本考案はこれ等の欠点を解消し、かつ極めて簡
単な操作によつて杆の伸縮を自在とするもので、
その構成を図に示す実施例によつて説明すると、
外側管１の内周面２に摺動自在に嵌合する内側管
３は、内周面４の上部適所に上面をスプリング受
け面５とし、下面をストツパー面６とする中心に
挿通孔７を有する環状のカラー８を、又内周面４
の上端部に筒状のフランジ金具９を溶着すると共
に、内側管３の内周面４の下端部には、該管３と
同一外径で、下部内周面を上端部が略45度の傾斜
面１０をなす切欠凹段面部１１としたボール抑え
金具１２の外側上端切欠周面部を挿嵌固着して、
第２図に示す内側杆体Ａを構成する。

前記の外側管１は、内周面２の下端部に中心に
軸挿嵌孔１３を有し、該孔１３に、軸方向外周面
１４に適間隔をへだてゝ上下両側部が適角度（約
45度が望ましい）の傾斜面１５，１５をなす複数
の凹溝１６，１６……を設けた係止軸１７の下端
部を嵌着した軸固定用カラー１８を挿嵌溶着して
第５図に示す外側杆体Ｂを構成する。

ボール抑え金具１２の上部内周面１９に摺動自
在の外径を有する芯管２０は、内周面２１の上端
部に上部外周にねじ２２を螺設した軸棒２３の下
端部を嵌着したカラー２４を介して該軸棒２３が
上方に垂直に突出する如く挿嵌鎔着し、芯管２０
の内周面２１下端部には、上部が該内周面２１に
嵌合する外径を有し、下部が上縁部に約45度の傾
斜面２５をもつて前記ボール抑え金具１２の切欠
凹段面部１１と若干の間隙を有する外径をなす如
く外方に膨出する大径胴部２６となし、該胴部２
６に半径方向のボール遊嵌孔２７，２７……を同
一高さで90度の角度に放射状に穿設した筒状のボ
ール保持金具２８の上部を挿嵌固定し、第３図の
如く芯杆体Ｃを構成し、前述の内側杆体Ａ内に下
方より芯杆体Ｃを挿入し、内側杆体Ａの上方よ
り、軸棒２３を囲繞し、下端周縁がカラー８のス
プリング受け面５に接する如くコイルスプリング
２９を挿入し、軸棒２３の上端ねじ２２部にナツ
ト３０を螺合してナツト３０下面にスプリング受
け面５間にコイルスプリング２９を挾持して内側
杆体Ａ内に芯杆体Ｃを保持し、次に芯杆体Ｃのボ
ール保持金具２８に穿設したボール遊嵌孔２７，
２７……の夫々に適径のスチールボール３１，３
１……を挿入し、内側杆体Ａの外周面下部を外側
杆体Ｂの外側管１に摺動自在に挿嵌して係止軸１
７の凹溝１６と、スチールボール３１の係合、離
脱により内側杆体Ａと外側杆体Ｂの伸縮を自在と
した本考案の伸縮自在杆を構成するものである。

次に本考案の作用を第１図と第６図によつて説
明すると、第１図はスチールボール３１，３１…
…が、係止軸１７の凹溝１６と内側杆体Ａのボー
ル抑え金具１２の下部切欠凹段面部１１の内周面
間に挾挿され、内側杆体Ａは外側杆体Ｂに固定さ
れて、杆長が所要寸法に設定される。

第６図は杆長を変動する場合の作用を示すもの
で、芯杆体Ｃの軸棒２３に螺合したナツト３０を
抑え、内側杆体Ａをコイルスプリング２９の弾力
に抗して矢印の如く上方に押上げれば、内側杆体
Ａのボール抑え金具１２は、内側管３と共に、外
側杆体Ｂの外側管内周面２に沿つて上方に摺動
し、ボール抑え金具１２の下部切欠凹段面部１１
は芯杆Ｃのボール保持金具２８の大径胴部２６外
周面より外れてボール遊嵌孔２７，２７……の外
側口は開放されスチールボール３１，３１……は
外方に転動し、外側管１の内周面２に接する状態
となり、その状態で内側杆体Ａを芯杆体Ｃと共に
上方又は下方に移動すればスチールボール３１，
３１……は係止軸１７の大径軸部３２に転動自在
に接触しながら、内側杆体Ａは外側杆体Ｂ内で上
方又は下方に摺動し、杆長が所要寸法となる位置
に対応する係止軸１７の凹溝１６内にスチールボ
ール３１，３１……が嵌入した時、ナツト３０よ
り手を離してコイルスプリング２９の反撥力によ
り芯杆体Ｃを元位置に復帰させ、ボール抑え金具
１２の切欠凹段面部１１で、ボール保持金具１２
の大径胴部２６外周面をカバーし、係止軸１７の
凹溝１６と該切欠凹段面部１１によりスチールボ
ール３１，３１……を挾持して内側杆体Ａを外側
杆体Ｂに固定し、杆長を所要寸法とするものであ
る。

本考案は叙述の構成及び作用より成るもので従
来の伸縮自在杆と比較し、杆伸縮の操作は極めて
簡単、確実に行われ、ハンガー、ラツク其の他伸
縮自在の杆を使用する場合に使用し、優れた実用
的効果を有する考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部を省略した正面中央縦断
面図、第２図、第３図は夫々本考案の内側杆体及
び芯杆体の拡大縦断面図、第４図は第３図のＸ−
Ｘ断面図、第５図は外側杆体の拡大縦断面図、第
６図は本考案の一部を示す作用図である。 Ａ……内側杆体、Ｂ……外側杆体、Ｃ……芯杆
体、１……外側管、２……内周面、３……内側
管、４……内周面、８……カラー、１１……切欠
凹段面部、１２……ボール抑え金具、１６……凹
溝、１７……係止軸、２０………芯管、２２……
ねじ、２３……軸棒、２６……大径胴部、２７…
…ボール遊嵌孔、２８……ボール保持金具、２９
……コイルスプリング、３０……ナツト、３１…
…スチールボール、３２……大径軸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面軸方向に適間隔をへだてゝ複数の凹溝１
   ６，１６……を設けた係止軸１７を外側管１内に
   垂設した外側杆体Ｂに、内側管３の下端に、下部
   内面を切欠凹段面部１１としたボール抑え金具１
   ２の上部を固設した内側杆体Ａを前記外側管１の
   内周面２に摺動自在に挿嵌すると共に、芯管２０
   の下端に、下部を前記切欠凹段面部１１に、又内
   周面が係止軸１７の大径軸部３２に摺動自在に遊
   嵌する大径胴部２６をなし、該胴部２６に半径方
   向に直角放射状のボール遊嵌孔２７，２７……を
   穿設したボール保持金具２８を固着し、該ボール
   遊嵌孔２７，２７……の夫々にスチールボール３
   １，３１……を遊嵌した芯杆体Ｃを内側杆体Ａ内
   に挿嵌し、内側管３の内周面４上部に固設したカ
   ラー８と芯管２０の上端部に上方に向け垂設した
   軸棒２３の上端ねじ２２部に螺合したナツト３０
   間にコイルスプリング２９を挾持したことを特徴
   とする伸縮自在杆。