JPH05207856A - 無洗米製造装置 - Google Patents

無洗米製造装置

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JPH05207856A
JPH05207856A JP4053053A JP5305392A JPH05207856A JP H05207856 A JPH05207856 A JP H05207856A JP 4053053 A JP4053053 A JP 4053053A JP 5305392 A JP5305392 A JP 5305392A JP H05207856 A JPH05207856 A JP H05207856A
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JP
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rice
water
centrifugal dehydration
polished rice
dehydration tank
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JP4053053A
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English (en)
Inventor
Satoru Imura
覺 井村
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YAKUSHIN KIKAI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
YAKUSHIN KIKAI SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炊飯に先立つ洗米を必要とせず、水を加える
だけで炊飯することができ、しかも保存性の良い、いわ
ゆる無洗米を得る。 【樽成】 精白米を水とともに攪拌する加圧攪拌手段1
00と、精白米を遠心脱水しながら、その途中ですすぎ
水を掛けるすすぎ脱水手段200と、精白米をネット上
に展開して風により乾燥させる蒸発手段300とを具備
して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炊飯に先立つ洗米を必
要とせず、水を加えるだけで炊飯することができ、しか
も保存性の良い、いわゆる無洗米を製造する製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】精白米を通常の方法で水洗すると、水が
精白米内部に浸入して水分率が上昇し、カビや腐敗を招
きやすくなって、通常の精白米と同様に取り扱える無洗
米にはなり得ない。それでは、いったん高水分率になっ
た精白米を乾燥させればどうかというと、乾燥の際には
精白米の表層部から先に乾燥するが、精白米の澱粉層に
は吸水すると膨張し、乾燥すると収縮する性質があるの
で(特公平3−36496号公報等参照)、表層部が収
縮してそこに引張力が働き、破壊されて胴割れ亀裂が発
生する。このような精白米は、炊飯時に亀裂から多量の
水が浸入することによって不均等に膨張したり、亀裂か
ら澱粉粒が多量に溶出したりして、舌ざわりの悪い極め
て食味の劣る米飯となるのは周知のことである。
【0003】そこで、精白米の内部に水がほとんど浸入
しない極めて短時間の内に水洗し、直ちに精白米の表面
に付着した水を除去することにより、保管が容易で、食
味の良い無洗米を得る技術が特開平2−242647号
公報および特開平3−154643号公報に提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗浄水
の水温や、原料となる精白米の性状にもよるが、精白米
に浸入する水が精白米の1重量%内外になるような短時
間の内に、水洗し、かつ、付着水を必要な程度にまで除
去することを、既存の洗米装置や脱水(蒸発乾燥)装置
を流用して行なうのは困難である。
【0005】なぜなら、精白米を洗米せずに炊飯する
と、米飯に糠臭があったり、米飯の色が黄色くなった
り、粘りのないボソボソした米飯になったりするのは、
玄米の糠層の最下層であるアリウロン層(糊粉層)に含
まれていた油脂や蛋白質や糖質などから成る極めて粘度
の高い半液体状の混合物(以下アリウロン残留物とい
う)が、精白米の表面に付着しているのが主たる原因で
あって(特開平3−154643号公報参照)、食味の
良い無洗米にするためには、このアリウロン残留物をほ
ぼ完全に除去しなければならないが、アリウロン残留物
は、その粘度の高さゆえ、精白米を単に水中に浮遊させ
て攪拌するだけでは精白米から遊離しにくく、遊離させ
るには精白米と水を接触させた上で精白米の表面を摩擦
することが必要である。しかし、精白米は吸水すると強
度が低下し、特に表層の細胞組織が傷つきやすくなり、
これを傷つけると亀裂と同様の食味上の悪影響を及ぼす
ことになるので、従来の洗米装置は、その方式(洗浄槽
内で攪拌翼を回転させ水と精白米を攪拌する、内部に羽
根を固設した洗浄槽に水と精白米を投入し洗浄槽自体を
回転させる、スクリューコンベアにより精白米を搬送し
ながら精白米と水を攪拌する、および、水中の精白米に
強い水流や空気流を噴射して攪拌する、等がある)に係
わらず、いずれも精白米を傷つけたり割ったりしないよ
う、精白米に強い摩擦力を加えず、そのかわり比較的長
い洗浄時間を与えることにより充分な洗浄ができるよう
になっている。したがって、このような洗米装置を用い
て、無洗米製造に適するような短時間の内に、アリウロ
ン残留物をほぼ完全に除去することは不可能に近いので
ある。
【0006】また、付着水の除去についても、公知の装
置として考えられるのは遠心脱水機や風による蒸発装置
(ネツトコンベア等)であるが、単に遠心脱水機で脱水
するのみでは、付着水が精白米の3重量%程度になった
時点から、さらに脱水するのに時間が掛かり、付着水の
精白米内部への過度の浸入を招いてしまう。他方、風に
よる蒸発のみでは、精白米の一部の粒が、あるいは、1
粒の精白米の一部位が過乾燥になる、いわゆるムラ乾燥
となって、亀裂を生じる危険性が高い。これを防ぐには
精白米を転動させながら蒸発させれば良いように思われ
るが、それでは吸水により軟化している精白米表層の組
織を傷めることになる。
【0007】以上のようなことから、特開平2−242
647号公報には、精白米の洗浄や付着水の除去につい
ての実施可能な具体的方法が開示されているとはいえ
ず、また、特間平3−154643号公報に開示されて
いる無洗米の製造装置では、一応無洗米の製造が可能で
あろうと考えられるが、洗浄水の温度や雰囲気の相対湿
度等の条件に係わらず、高品質の無洗米を安定的に製造
するためには、さらに改良の余地がある。
【0008】本発明は、以上のような問題点を解決し、
食味と保存性に優れた無洗米を安定的に得ることのでき
る無洗米製造装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の無洗米製造装置は、加圧攪拌手段と、すす
ぎ脱水手段と、蒸発手段とを具備する無洗米製造装置で
あって、前記加圧攪拌手段は、精白米に洗浄水を添加す
る注水口を設けるとともに、一端に精白米の受入口を他
端に排出口を有する円筒形または多角筒形の攪拌筒に、
周面に突条を有する攪拌ロールを回転駆動可能に内装し
てなり、前記すすぎ脱水手段は、多孔状の周壁を有する
遠心脱水槽を回転駆動可能に設け、該遠心脱水槽の内部
には、周面に精白米を遠心脱水槽の周壁に沿って軸方向
に移動させるスクリュー羽根を有するスクリュー筒を遠
心脱水槽と差動回転駆動可能に設け、かつ、該スクリュ
ー筒の内部に、前記加圧攪拌手段からの精白米および水
を供給する米水供給管を挿通するとともに、該スクリュ
ー筒に米水吐出口とすすぎ水吐出口とを設けてなり、前
記蒸発手段は、前記すすぎ脱水手段からの精白米をその
上面に展開するようネットを回転駆動可能に設けるとと
もに、該ネットの下側から空気を吸引する吸引ブロワを
設けてなることを特徴とするものである。
【0010】また、前記スクリュー筒のすすぎ水吐出口
より上側に通気口を設けるとともに、前記遠心脱水槽の
周囲を排気排水口を有するケーシングにより囲繞し、遠
心脱水槽の周壁の外側に該遠心脱水槽と一体的に回転す
る起風羽根を設けたり、前記排気排水口に吸引ブロワを
連通したりすることを特徴とするものである。
【0011】なお、前記遠心脱水槽およびスクリュー
筒、および/または、前記蒸発手段のネットの回転速度
を調節自在とすれば、洗浄水の温度や雰囲気の温度、相
対湿度等の条件に応じた運転調整が可能となり、さらに
安定した品質の無洗米が製造できる。
【0012】また、前記各処理手段を、後工程側の処理
手段の精白米受入口が前工程側の処理手段の精白米排出
口の下方に位置するよう連設することにより、各処理手
段の間に搬送手段を設けることなしに、精白米が各処理
手段を順次通過していくように構成すれば、搬送手段に
よって精白米が傷められることがなく、全体の処理時間
も短縮できる。
【0013】
【作用】精白米は、まず、加圧攪拌手段の受入口から攪
拌筒の内部へ入り、回転する攪拌ロールと攪拌筒との間
で、注水口からの洗浄水とともに押圧されながら攪拌さ
れ、精白米の表面が摩擦されて、アリウロン残留物や遊
離澱粉粒その他の被除去物(以下被除去物という)が精
白米表面から遊離させられる。これらは直ちにすすぎ脱
水手段の米水供給管に投入され、精白米と洗浄水はスク
リュー筒の米水吐出口を経て遠心脱水槽の多孔状周壁に
達し、被除去物を含んだ洗浄水は遠心力により排出さ
れ、精白米はスクリュー羽根により遠心脱水槽の周壁に
沿って軸方向に移動されながら遠心脱水される。その途
中で精白米にはすすぎ水吐出口からのすすぎ水が掛けら
れ、洗浄水が洗い流されて付着水の被除去物の濃度が低
下させられ、さらに遠心脱水される。このようにして脱
水された精白米は蒸発手段のネット上に展開され、ネッ
トの下側からの吸引によりネットを通過する風で残りの
付着水が蒸発させられ、無洗米となって排出される。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
加圧攪拌手段100は、一端に精白米の受入口101
を、他端に排出口102を有する6角筒形の攪拌筒10
3に、周面に突条104(送り突条104aおよび攪拌
突条104b)を有する攪拌ロール105を内装し、攪
拌ロール105はモーター106により回転駆動可能と
する。攪拌筒103には水タンク(図示せず)等に連通
した注水口107a,107bを設けるとともに、攪拌
筒103の下側の一部は精白米が漏出しない程度の細孔
103a,103a…が穿設された多孔状とし、さら
に、その下側に水受樋108を設け、また、排出口10
2には調圧機構109を設ける。なお、110は精白米
の流量を制御するスクリューフィーダー、111は原料
投入ホッパである。
【0015】すすぎ脱水手段200は、上面が開放され
たケーシング201の内部に、精白米が漏出しない程度
の細孔202a,202a…が穿設された多孔状の周壁
202と底板203とからなる遠心脱水槽204を設
け、遠心脱水槽204の内部には、外側にスクリュー羽
根205を有する周壁206と底板207とからなるス
クリュー筒208を設けるとともに、ケーシング201
の底部に設けた軸受部201aには遠心脱水槽204の
中空状の回転軸204aを、回転軸204aにはスクリ
ュー筒208の回転軸208aを独立して回転可能に嵌
合し、それぞれプーリー、ベルトを介してモーター20
9により駆動するが、プーリーの径に差を設けることに
より、スクリュー筒208のほうが遠心脱水槽204よ
り若干速く回転するようにする。(スクリュー筒208
のほうが遅く回転するように構成することも可能であ
る。)
【0016】また、上端に加圧攪拌手段100の排出口
102および水受樋108の下端に臨む受入口210を
有する米水供給管211と、水タンク(図示せず)等に
連通したすすぎ水供給管212とをスクリュー筒208
の上側から内部へ挿通するとともに、米水供給管21
1,すすぎ水供給管212の下端にそれぞれ対応させ
て、周壁206に下側から順に、米水吐出口213,2
13…、すすぎ水吐出口214,214…を設け、さら
に、すすぎ水吐出口214より上側には、通気口21
5,215…を設け、それぞれの境界には隔壁216
a,216bを設ける。
【0017】また、遠心脱水槽204の周壁202の上
端に接続し、ケーシング201の周壁上端部201bと
僅かな間隙を介して重合するフランジ部217を設け、
フランジ部217と底板203とに両端を保持される複
数の起風羽根218,218…を設けるとともに、ケー
シング201の周壁下方には排気排水口219を設ける
ことにより、起風羽根218,218…の回転に伴い、
スクリュー筒208の上端から入り、通気口215,2
15…および細孔202a,202a…を通過して、排
気排水口219から出るような風の流れが生じるように
する。排気排水口219には排気排水管220を接続す
る。
【0018】さらに、ケーシング201の周囲を空間2
21を介して外カバー222で囲繞し、外カバー222
の上面にはネット223を張設し、外カバー222の下
端には回収樋224を形成し、回収樋224には排出口
225を設けて排出管226を取り付けるとともに、軸
受部201aに嵌装した駆動リング227をモーター2
28により回転駆動可能とし、駆動リング227に支持
された複数の掻き取り板229,229…により回収樋
224内の米粒を周方向に移動可能とする。
【0019】蒸発手段300は、変形しないよう下面を
補強した円板状のネット301を、ケーシング302に
内装したモーター303により回転駆動可能に設け、ネ
ット301上の精白米がこぼれないようネット301の
外周部と中央部をそれぞれ外周カバー304,内周カバ
ー305で覆い、また、ケーシング302と外周カバー
304の一部をネツト301上面の高さまで切り欠いて
排出口306を形成し、排出口306には排出シュート
307を取り付けるとともに、ネット301の回転によ
り精白米を排出口306へ誘導するよう誘導板308を
固設する。
【0020】また、上端がすすぎ脱水手段200の排出
管226に接続し、下端がネット301に臨む受入筒3
09を設けるが、受入筒309の下端とネット301の
上面との間隙は、精白米が受入筒309内に滞留せず、
かつ、ネット301上に薄く幅広く展開されるような寸
法とする。さらに、ケーシング302の下方は逆円錐状
に縮径させ、その下端には吸引ブロワ310に連通する
吸気口311を設ける。
【0021】次いで、上記実施例における作動を説明す
る。原料投入ホッパ111に投入された精白米は、スク
リューフィーダー110により流量を一定に制御されな
がら受入口101を経て攪拌筒103に入り、回転する
攪拌ロール105の送り突条104aにより排出口10
2方向へ送られ、調圧機構109により圧力を調整され
ながら排出口102から排出されるが、この間に、注水
口107a,107bからの洗浄水を添加されると同時
に攪拌突条104bにより攪拌され、被除去物は精白米
から遊離して洗浄水に溶解または懸濁した状態となり、
被除去物を含んだ洗浄水の一部は攪拌筒103の細孔1
03a,103a…から排出されて水受樋108に集め
られ、一部は精白米とともに排出口102から排出さ
れ、これらの洗浄水および精白米はすすぎ脱水手段20
0の受入口210に投入される。なお、洗浄水の量は精
白米重量の1/3〜2倍程度で良く、また、精白米が洗
浄水と接触したのち排出口102から排出されるまでの
時間は約3秒以内であり、このように極く短時間では精
白米の強度が低下しないので、比較的高い圧力を加えな
がら精白米の表面を摩擦することが可能であり、また、
そうすることによって被除去物(特にアリウロン残留
物)を短時間で有効に遊離させることができるのであ
る。
【0022】受入口210へ投入された洗浄水および精
白米は、米水供給管211内を落下し、スクリュー筒2
08の底壁207に達すると、その回転に伴う遠心力に
より放射方向に移動され、米水吐出口213,213…
から吐出され、さらに遠心脱水槽204の回転に伴う遠
心力で周壁202に押し付けられ、洗浄水は細孔202
a,202a…から排出される。
【0023】このようにして水切りされた精白米は、遠
心脱水槽204と差動回転するスクリュー筒208のス
クリュー羽根205により、周壁202に沿って軸方向
に上送されながら遠心脱水されるが、その途中で精白米
重量の1/2〜2倍程度の量のすすぎ水が掛けられる。
すなわち、すすぎ水供給管212からスクリュー筒20
8内に供給されるすすぎ水は、遠心力により周壁206
の内面に押し付けられ、隔壁216aと216bとの間
に水膜状に広がり、これが各すすぎ水吐出口214,2
14…から吐出され、精白米にシャワー状に注がれるの
である。遠心脱水を行ないながら注がれるので、精白米
表面に付着水として残っている、被除去物を高濃度に含
んだ洗浄水は、効果的にすすぎ水と入れ替わり、付着水
の被除去物濃度を充分に下げることができる。
【0024】すすぎ水が掛けられた後、精白米はさらに
上送されながら遠心脱水を続けられる。ここでは、遠心
力のみでも脱水が可能であるが、本実施例では、通気口
215,215…から細孔202a,202a…へ抜け
る風が精白米の間を通過することにより、遠心脱水作用
が補助されるようにしたので、遠心加速度(G)を極端
に高くしなくても速やかな脱水が可能となり、既に吸水
して表層組織が軟化した精白米が損傷するのを防いでい
る。遠心脱水槽204の上端に達する時点で、付着水は
精白米の2〜3重量%となるよう運転する。
【0025】遠心脱水槽204の上端から出た精白米
は、遠心力により放射方向に飛ばされ、空間221を経
て回収樋224に落下し、掻き取り板229,229…
により周方向に移動されながら、排出口225のところ
へ来たとき、ここから排出され排出管226を経て蒸発
手段300の受入筒309へ投入される。
【0026】受入筒309へ投入された精白米は、ネツ
ト301が矢印イ方向に回転しているので、順次ネツト
301上に展開され、移送されながら、吸引ブロワ31
0の吸引によりネツト301を上から下へ吹き抜ける風
により付着水を蒸発させられるが、展開された時点で付
着水は精白米の2〜3重量%と僅かであり、かつ、精白
米の表面全体に均一に付着している(肉眼では乾いてい
るように見える程度)ので、風は精白米相互の各すき間
を均等に流れ、ムラ乾燥を生じる恐れがない。また、こ
こでは精白米を転動させないので、遠心脱水の時点より
さらに吸水して弱くなっている精白米表層の細胞組織を
傷めることがない。こうして付着水がほぼ完全に蒸発さ
せられた精白米は、誘導板308に達すると、その前面
壁に沿って排出口306へ誘導され、シュート307を
滑り落ちて排出される。
【0027】以上が本実施例による無洗米製造の過程で
あり、ここまでの処理を、洗浄水の水温や原料精白米の
性状にもよるが、最初に精白米と洗浄水とが接触してか
ら30〜60秒といった短時間の内に完了させれば、精
白米に対して水分率の上昇が1%内外の無洗米を得るこ
とができるので、あとは袋詰め等を行なうだけで市場に
流通させることができる。
【0028】なお、本発明の無洗米製造装置は上記実施
例に限られるものではなく、例えば注水口107は、精
白米が洗浄水を添加された後、可及的速やかに攪拌筒1
03内部で攪拌されるという要件を満たしていれば、そ
の位置や数は自由であり、受け入れ口101の付近に設
けたり(図8の107c)、攪拌ロール105の周面に
注水口107を設けたり(図8の107d)、複数の位
置を適宜選択して組み合わせても良い。
【0029】また、攪拌筒103の細孔103a,10
3a…から出た洗浄水は、次工程の受入口210に投入
せずに廃棄しても良く、また、攪拌筒103の細孔10
3a,103a…は必ずしも設けなくても良いが、その
場合は洗浄水の量を少なくし、攪拌筒103内で精白米
が浮遊してしまわないようにする。
【0030】また、遠心脱水槽204の起風羽根218
を設ける代わりに、排気排水管220に吸引ブロワ(図
示せず)を連通してケーシング201内の空気を吸引し
ても同様の効果が得られ、また、排気排水管220は排
気管と排水管に分離して設けても良い。
【0031】さらに、蒸発手段300においては、付着
水が全て蒸発した後も蒸発乾燥を続行させると、精白米
の表面を乾燥させて亀裂を発生させることになるが、蒸
発の進み方は雰囲気の相対湿度や温度等によって変化す
るので、ネット301の回転速度は可変とし、蒸発時間
を調節できるようにするのが望ましい。
【0032】なお、ネット301は本実施例のような円
板状に限らず、ベルト状の無端条としてプーリーで支持
することも考えられる。
【0033】また、無洗米の品質をより厳密に安定させ
る必要があるときは、遠心脱水槽204およびスクリュ
ー筒208の回転速度を調節可能とすることも考えられ
る。
【0034】さらに、本実施例のように、各処理手段
を、後工程側の処理手段の精白米受入口が前工程側の処
理手段の精白米排出口の下方に位置するよう連設するこ
とが、処理時間の短縮や精白米の損傷防止のうえから望
ましいが、設置条件等の理由で必要があれば、各処理手
段の間に搬送手段を設けるような実施態様も可能であ
る。
【0035】なお、洗浄水やすすぎ水には必要に応じて
アルコール・酢酸・糖類その他の水溶液を用いても良
く、洗浄水やすすぎ水の廃水の一部をフィルターでろ過
して循環させ、再使用することも考えられる。
【0036】また、本発明装置は元来、市場に流通して
いるような精米歩留90〜91%の精白米を無洗米に加
工するものであるが、加圧攪拌手段100に精米作用を
兼ねさせることにより、例えば精米歩留94%といった
中途精米を処理することも可能であり、さらに、本発明
装置を、玄米を精米加工する精米機の後工程に連設する
ことも可能であるが、精米加工直後の温度の上昇した精
白米は吸水速度が速いので、処理時間をより短縮するな
どの注意が必要である。
【0037】
【発明の効果】本発明における無洗米製造装置によれ
ば、無洗米製造において除去すべき主たる物質はアリウ
ロン残留物であるとの認識に基づき、水と接触させなが
ら精白米の表面を摩擦しなければ除去できないというア
リウロン残留物の特性、および、水と接触している時間
が長くなるほど強度が低下して損傷しやすくなるという
精白米の特性を鑑み、最適の条件で精白米の洗浄や付着
水の除去が行なえるように構成されているので、精白米
に浸入する水が精白米の1重量%内外になる短時間のう
ちにアリウロン残留物等の被除去物をほぼ完全に除去
し、かつ、付着水を除去することが可能となり、その過
程で精白米に亀裂を生ぜしめたり精白米表面の細胞組織
を傷つけたりすることがないので、炊飯前の洗米を必要
とせず、食味に優れ、保存性も良い無洗米が得られるこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である無洗米製造装置の、一実
施例を示した正面図である。
【図2】加圧攪拌手段の縦断面図である。
【図3】加圧攪拌手段のA−A線断面図である。
【図4】すすぎ脱水手段の縦断面図である。
【図5】スクリュー筒の正面図である。
【図6】蒸発手段の縦断面図である。
【図7】蒸発手段の平面図である。
【図8】注水口の実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
100 加圧攪拌手段 101 受入口 102 排出口 103 攪拌筒 104 突条 105 攪拌ロール 107 注水口 200 すすぎ脱水手段 201 ケーシング 202 周壁 204 遠心脱水槽 205 スクリュー羽根 208 スクリュー筒 210 受入口 211 米水供給管 213 米水吐出口 214 すすぎ水吐出口 215 通気口 218 起風羽根 219 排気排水口 225 排出口 300 蒸発手段 301 ネット 306 排出口 309 受入筒 310 吸引ブロワ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧攪拌手段と、すすぎ脱水手段と、蒸
    発手段とを具備する無洗米製造装置であって、 前記加圧攪拌手段は、精白米に洗浄水を添加する注水口
    を設けるとともに、一端に精白米の受入口を他端に排出
    口を有する円筒形または多角筒形の攪拌筒に、周面に突
    条を有する攪拌ロールを回転駆動可能に内装してなり、 前記すすぎ脱水手段は、多孔状の周壁を有する遠心脱水
    槽を回転駆動可能に設け、該遠心脱水槽の内部には、周
    面に精白米を遠心脱水槽の周壁に沿って軸方向に移動さ
    せるスクリュー羽根を有するスクリュー筒を遠心脱水槽
    と差動回転駆動可能に設け、かつ、該スクリュー筒の内
    部に、前記加圧攪拌手段からの精白米および水を供給す
    る米水供給管を挿通するとともに、該スクリュー筒に米
    水吐出口とすすぎ水吐出口とを設けてなり、 前記蒸発手段は、前記すすぎ脱水手段からの精白米をそ
    の上面に展開するようネットを回転駆動可能に設けると
    ともに、該ネットの下側から空気を吸引する吸引ブロワ
    を設けてなることを特徴とする無洗米製造装置。
  2. 【請求項2】 前記スクリュー筒のすすぎ水吐出口より
    上側に通気口を設けるとともに、前記遠心脱水槽の周囲
    を排気排水口を有するケーシングにより囲繞し、さら
    に、遠心脱水槽の周壁の外側に、該遠心脱水槽と一体的
    に回転する起風羽根を設けてなる請求項1記載の無洗米
    製造装置。
  3. 【請求項3】 前記スクリュー筒のすすぎ水吐出口より
    上側に通気口を設けるとともに、前記遠心脱水槽の周囲
    を排気排水口を有するケーシングにより囲繞し、さら
    に、前記排気排水口に吸引ブロワを連通してなる請求項
    1記載の無洗米製造装置。
  4. 【請求項4】 前記遠心脱水槽およびスクリュー筒の回
    転速度を調節自在とした請求項1記載の無洗米製造装
    置。
  5. 【請求項5】 前記蒸発手段のネットの回転速度を調節
    自在とした請求項1記載の無洗米製造装置。
  6. 【請求項6】 前記各処理手段を、後工程側の処理手段
    の精白米受入口が前工程側の処理手段の精白米排出口の
    下方に位置するよう連設することにより、各処理手段の
    間に搬送手段を設けることなしに、精白米が各処理手段
    を順次通過していくように構成した請求項1記載の無洗
    米製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102794208A (zh) * 2012-08-21 2012-11-28 郑州朱屯米粉食品有限公司 自动淘米系统

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