JPH06154625A - 小麦粉の生産方法 - Google Patents

小麦粉の生産方法

Info

Publication number
JPH06154625A
JPH06154625A JP4200623A JP20062392A JPH06154625A JP H06154625 A JPH06154625 A JP H06154625A JP 4200623 A JP4200623 A JP 4200623A JP 20062392 A JP20062392 A JP 20062392A JP H06154625 A JPH06154625 A JP H06154625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheat
water
barley
grain
moisture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4200623A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3180929B2 (ja
Inventor
Toshihiko Satake
利彦 佐竹
Satoru Satake
覺 佐竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Satake Engineering Co Ltd
Original Assignee
Satake Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Satake Engineering Co Ltd filed Critical Satake Engineering Co Ltd
Priority to JP20062392A priority Critical patent/JP3180929B2/ja
Publication of JPH06154625A publication Critical patent/JPH06154625A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3180929B2 publication Critical patent/JP3180929B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment And Processing Of Grains (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 品質改良剤や従来のコンディショナーを用い
ることなく、軟質小麦の抗張力を増加させるとともに伸
展性を減少し、製パン性を改良する。 【構成】 原料小麦の含水率を15乃至18%とするよ
う水分添加して少なくとも4時間放置し、その後、精麦
して製粉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小麦の製粉に係り、特
に挽砕工程の前処理として小麦の表皮物質を剥離除去す
る精麦工程を設けてなる小麦粉の生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】よく知られ、かつ広く実施されている小
麦の製粉加工は、水分調整された原料小麦の外皮物質を
剥ぐことなく、そのまま挽き砕いて、製品粉(小麦粉)
となる胚乳部(原料小麦に対する重量比率約84%)
と、製品粉に混入するのは好ましくない皮部(同13.
5%)及び胚芽(同2.5%)とを分別するものであ
る。灰分を多く含む皮部(外皮物質)の混入は製品粉の
品質を低下するので、皮部の混在が少ないように胚乳部
分を粉末状で採取して製品粉の採取率(歩留り)を高め
る努力がなされているが、歩留りは通常75%程度であ
る。
【0003】他方、製品粉に混在させたくない外皮物質
を挽砕に先だって剥離・除去する技術は古くから研究さ
れ、特公昭39−25314号公報や特公昭32−86
65号公報に開示されている。これらの技術は、穀粒か
ら不用の外皮構成物を除去し、通常の用途又はそれ以上
の加工(製粉等)のために容易かつ経済的な改良法を提
供しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術は小麦粉の物理化学的性状を変化させて小麦粉製
品の品質改良を目的としたものではなく、単に、小麦の
外皮物質の効果的除去を目的としたものである。特に、
特公昭33−38199号公報に詳細に開示されている
とおり、加水された小麦は、加水後10乃至20分以内
に精麦を行うことを要旨としているものであり、これに
より、外皮物質にのみ水分を吸収させて軟弱化した状態
で精麦するものである。本発明は、臭素酸カリウムやア
スコルビン酸といった品質改良剤を添加することなく、
また、従来用いられている温調質、熱調質又はスタビラ
イザー調質等のコンディショニング工程を用いることな
く、製品粉の抗張力を増加するとともに伸展性を減少
し、もって製パン性を改良するためになされたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】精選された小麦の外皮物
質を剥離除去後、該精白麦を挽砕ふるい分けして小麦粉
を生産する方法において、精選された原料小麦の含水率
が15乃至18%となる重量の水分を添加し、水分添加
された原料小麦を、該原料小麦の内層胚乳部に水分を浸
透させるために少なくとも4時間放置し、その後、該小
麦の外皮物質を剥離除去する精麦作用を加えたあと該精
白麦を挽砕ふるい分けする。
【0006】前記小麦粉の生産方法において、精麦作用
を加えた後の精白麦の穀温を36乃至44℃に調整す
る。
【0007】また、精麦作用により上昇した精白麦の穀
温を一定時間保持し、その後、強制冷却する。
【0008】
【作用】精選工程により異物や付着物を取り除かれた原
料小麦は、その含水率が測定される。含水率は通常11
乃至13%の範囲である。原料小麦の品種及び性状と前
記含水率に基づき、加水後の含水率が15乃至18%と
なるよう加水量が決定され、加水装置により全原料小麦
に均一に加水され撹拌される。そして、表層に付着した
水分及び表皮に浸透した水分は次第に内部に浸透して胚
乳部に達し、4時間後には小麦粒全体がほぼ均一な状態
になる。
【0009】水分添加された小麦粒を、1回又は複数回
精麦装置を通過させることにより小麦粒は外皮物質が除
去されると共に小麦粒自体の温度が10乃至25℃上昇
する。この温度上昇量は小麦粒の初期温度及び外気温度
に大きく作用されるが、精麦工程における負荷調整又は
冷却空気若しくは加熱空気の供給量調整などによって3
6乃至44℃の範囲に制御することができる。このよう
に、胚乳部の湿潤と前記穀温上昇とによって胚乳部のグ
ルテンの性質が変化した精白小麦粒を挽砕することによ
り挽砕後の製品粉の抗張力が増加するとともに伸展性が
減少する。
【0010】前記穀温上昇は36乃至44℃が望まし
く、更に、この穀温を一定時間保持するとともに、その
後、強制冷却することにより、グルテンの変化を製パン
性に適した状態にし、必要以上に変質させることがな
い。
【0011】なお、本発明における外皮物質とは、小麦
粒の内部にあるでんぷん粉を包んでいる数層から成る組
織であり、最外層から、外表皮、柔組織、横細胞、内表
皮、種皮、外胚乳および糊粉層の順に構成されており、
一般に麸層と称されているものである。
【0012】
【実施例】本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明
する。挽砕装置5の前工程には(図1参照)、精麦装置
1、洗麦装置2、撹拌装置3が順に連設されるととも
に、精麦装置1の前工程に精選装置6及び加水装置7が
配設され、更に、前記加水装置7、精麦装置1及び撹拌
装置3の直後にはそれぞれ調質装置4A〜4Cを設け
る。以下、各々について説明する。
【0013】まず、精選装置6であるが、原料小麦を貯
蔵するサイロ(図示せず)等から取出された小麦に混入
するわらごみ、草木片、ひもくず、ほこりその他の比較
的軽いきょう雑物を除去する粗選機10並びに金属片や
小石を除去する石抜機11などからなり、製粉工程の最
先の工程として配置される。
【0014】精選装置6の次には水分測定装置8を配設
した搬送経路W1を介して加水装置(ダンプナ)7が配
設される。加水装置7は一端に原料小麦の供給口12a
を、他端に排出口12bを各々有する円筒トラフ12内
にスクリューコンベア13を横設するとともに、該円筒
トラフ12上部にシャワーノズル14を臨ませてなり、
該シャワーノズル14はヒータ15及び流量調節機能を
有する電磁弁16を介して水タンク17に接続される。
この加水装置7は次工程の精麦のための加水を行うこと
を目的とするものであり、水分測定装置8で測定した加
水前の含水率と、あらかじめ設定された加水後の含水率
とに基づいて小麦粒表面に小麦粒重量に対し必要量の水
分を添加するよう、電磁弁16によって水分添加量が設
定される。
【0015】加水装置7の排出口12bは調質装置4A
に連結される。調質装置4Aはテンパリングタンク13
3からなり、前記排出口12bはテンパリングタンク1
33の供給口87に連結される。供給口87には回転す
る飛散用羽根88が垂設され、タンク底には一対のロー
タリーバルブ89が横設される。更に、ロータリーバル
ブ89の下方には受樋90を設けるとともに、受樋90
内には排出用スクリューコンベア91を横設し、排出用
スクリューコンベア91の搬送終端部は精麦装置1に接
続する。なお、前記テンパンリングタンク133は加水
後の小麦粒を、小麦粒の内層胚乳部に水分を浸透させる
ため、少なくとも4時間静置できる容量が必要である。
【0016】次に、精麦装置1について図2を参照しな
がら説明する。本実施例の精麦装置1は研削式精麦機2
0と摩擦式精麦機21とからなる。研削式精麦機20
は、多孔壁からなる除糠精白筒22内を貫通する主軸2
3を設けるとともに該主軸23には、金剛砂からなる研
削精白転子(ミリングロール)24を軸着し、研削精白
転子24と除糠精白筒22とのなす間隙を精白室25と
なす。そして、この精白室25の一側部を供給口26
に、他側部を排出口27に各々連絡し、供給口26の上
方には供給ホッパ28を設けるとともに、排出口27に
は分銅29で付勢された押圧蓋30を装着し、また、供
給口26付近には、螺旋翼を形成した送穀転子(フィー
ドロール)31を主軸23に軸着して回転自在に設け
る。更に、前記除糠精白筒22の周囲を集糠室32とな
すとともに、集糠室32の下部は集糠ホッパ33を介し
て集糠ダクト34に連結される。この集糠ダクト34は
図外のバッグフィルタ及びファンに接続してある。
【0017】前記研削式精麦機20の排出口27に設け
た排出樋は、揚穀機35を介して摩擦式精麦機21の供
給ホッパ36に連絡されるが、揚穀機35の吐出部に切
換弁37を設けて前記研削式精麦機20の供給ホッパ2
8に戻る循環路38を形成してもよい。前記摩擦式精麦
機21は、多孔壁で、かつ、6角などの多角状に形成さ
れた除糠精白筒40内を貫通する中空主軸41を回転自
在に横設するとともに、一端を開口した中空主軸41に
は、噴風溝(スリット)43を備えた摩擦精白転子44
を軸着する。該摩擦精白転子44は中空状となし、摩擦
精白転子44内の中空主軸41の周面には通気孔45が
多数設けられる。また、前記摩擦精白転子44と除糠精
白筒33との間隙を精白室46となし、前記研削式精麦
機20と同様に、該精白室46の一側部は供給口47
に、他側部は排出口48に各々連通させ、供給口47の
上方には供給ホッパ36を設けるとともに、排出口48
には分銅49で付勢された押圧蓋50を装着する。更
に、供給口47付近には、螺旋翼を形成した送穀転子5
1を中空主軸41に軸着して回転自在に設けるととも
に、前記除糠精白筒40の周囲には集糠室52を形成
し、該集糠室52の下部は集糠ホッパ53を介して集糠
ダクト54及び集糠ファン55に連絡する。
【0018】次に、摩擦式精麦機21における水分添加
装置について説明する。中空主軸41の開口端には二流
体ノズル56のノズル口を臨ませ、一端を該二流体ノズ
ル56に接続されたエア管57は、エアフィルタ58を
介して空気圧縮機59に連結され、同様に、二流体ノズ
ル56に一端を接続した送水管64は、電磁弁60、流
量計61及び流量調節弁62を介して水タンク63に連
結される。
【0019】精麦装置1における摩擦式精麦機21の後
工程には調質装置4Bとしてのテンパリングタンク13
3を配置し、このテンパリングタンク133の排出部
は、後述する洗麦装置2に連絡される。すなわち(図3
参照)、一端に供給樋102を、他端に排出樋103を
各々設けた円筒形の機枠101内に、一対の軸受10
4,105を介して内筒106を回転自在に横設する。
内筒106の一端開口は、供給樋102とこれに接続す
る傾斜状の供給シュート107とで形成される給米路1
08に連通するとともに、他端開口は、排出樋103で
形成される排米路110に連通し、前記給米路108に
は流量調節手段としての電磁弁130を備えた水管10
9の他端を臨ませる。水管109の他端は水タンク13
1に連絡するとともに、水管109にはヒータ132を
介在させてある。また、前記内筒106の終端側は多孔
壁111で形成して水切り部112となすとともに、そ
れ以外の内筒106内部を浸漬部113となす。水切り
部112の周囲は隔壁114によって排水室115とな
し、排水室115下端の排水口116の下方には排水樋
117を斜設する。
【0020】更に、内筒6内全長にわたって、樹脂など
からなるスクリュー羽根118を有するスクリュー11
9を横設する。すなわち、機枠101の両端に軸受12
0とブッシュ121とでスクリュー軸122を回転自在
に支持し、スクリュー軸122の給米路108側端部に
は受動プーリ123を軸着する。他方、内筒106の外
周壁に受動プーリ124を形成し、これら受動プーリ1
23,124とモータ125の両軸部に軸着した同径の
一対のモータプーリ126,127とをVベルト12
8,129によって連動・連結する。前記受動プーリ1
23,124は、スクリュー119の方が内筒106よ
りも高速回転するよう、スクリュー119の受動プーリ
123の方が内筒106の受動プーリ124よりも小径
に形成される。また、スクリュー羽根118と内筒10
6との間隙は0.3mm程度となすとともに、水切り部
112の多孔壁111は米粒が露出しないよう形成する
のは言うまでもない。なお、機枠101底部には適宜、
水抜孔150を穿設するとよい。
【0021】次に撹拌装置3であるが、撹拌装置3は上
送用スクューコンベア77と横送りスクリューコンベア
78とからなり、上送用スクリューコンベア77の下部
に設けた供給口79と洗麦装置2の排米路110、並び
に上送用スクリューコンベア77の上部に設けた排出口
80と横送りスクリューコンベア78の供給口81とは
各々連結される。上送用スクリューコンベア77は立設
したトラフ82内にスクリュー83を回転可能に設ける
とともに、横送りスクューコンベア58は横設したトラ
フ84内にスクリュー85を回転可能に設けてある。な
お、横送りスクリューコンベア78のスクリュー85に
は、適宜な撹拌バー85aを設けてもよい。
【0022】横送りスクリーコンベア78の排出口86
は、調質装置4Cとしてのテンパリングタンク133の
供給口87に連結される。供給口87には回転する飛散
用羽根88が垂設され、タンク底には一対のロータリー
バルブ89が横設される。更に、ロータリーバルブ89
の下方には受樋90を設けるとともに、受樋90内には
排出用スクリューコンベア91を設け、排出用スクリュ
ーコンベア91の搬送終端部はバケットエレベーター9
2の供給部に接続する。
【0023】バケットエレベーター92の吐出口は横送
りスクリューコンベア96を介して挽砕装置5の調整タ
ンク93に連絡され、調整タンク93の下方には1番ブ
レーキロール機94を設けてある。以下、挽砕装置5に
は複数のロール機、シフター及びピュリファイヤー等
(いずれも図示せず)が適宜設けられる。なお、調整タ
ンク93には水分添加ノズル95を設ける場合がある。
【0024】次に、上記実施例における具体的作動につ
いて説明する。ただし、原料小麦は水分11%であり、
供給量を1,000kg(乾物890kg、水分110
kg)とする。原料タンクなどから取り出された原料小
麦は、粗選機10によって大きょう雑物を除去するとと
もに、石抜機11によって小石や金属片などを取り除い
て精選される。精選処理された異物が除去された原料小
麦は、最初に加水装置7に供給され、シャワーノズル1
4による加水を受ける。水分添加量は、麦粒表皮部に浸
透する程度でよく、麦重量に対して1%〜3%でよいが
説明の便宜上本実施例においては3%添加とする。添加
水量は、麦重量に対して3%(30kg)となるよう電
磁弁16で調節され、この水分添加により麦粒の水分は
約13.6%(乾物890kg、水分140kg)とな
る。また、冬季などにあって水温が低い場合は麦粒に水
分が浸透しにくいが、ヒーター15によって水温を上昇
させると水分の浸透が容易となる。加水を施された原料
小麦は、スクリュー13によって撹拌・搬送される間
に、しだいに表皮部に浸透していく。そして、麦粒は揚
穀機で搬送されてから、調質装置4Aの飛散用羽根88
によって拡散されながらテンパリングタンク133内へ
張り込まれる。
【0025】テンパリングタンク133内の麦粒は、そ
のままの状態で少くとも4時間放置して調質を行い、こ
れにより、麦の粒子全体が均一の水分分布状態となり精
麦性が向上される。
【0026】調質装置4Aでの調質を終えた麦粒は、ロ
ターリーバルブ89,89の回転によって受樋90内に
流出し、排出用スクリューコンベア91から精麦装置1
へ送られる。
【0027】精麦装置1においては、まず、研削式精麦
機20の供給ホッパー28に投入され、送穀転子31に
よって精白室25に送られて研削精白転子24による精
白作用を受ける。すなわち、比較的大きな周速度(例え
ば600mm/min以上)で回転する研削精白転子2
4周面の金剛砂により、麦粒の縦溝部以外の表皮が微細
に砕かれながら削り取られる。麦粒の表皮部は、加水装
置7の水分添加及びテンパリングタンク133の調質に
より湿潤・軟化しているので研削作用が効果的に施され
る。そして、精白室25から押圧蓋30に抗して吐出す
る麦粒は、次に、揚穀機35に搬送されて摩擦式精麦機
21の供給ホッパー36に投入され、送穀転子51によ
って精白室46内へ送られる。摩擦式精麦機21の精白
室46は比較的高圧(例えば平均圧力1平方センチメー
トル当たり200g以上)となし、前記研削式精麦機2
0の研削精白転子24の約半分以下の周速度で回転する
摩擦精白転子44の撹拌突起42により、麦粒どうしの
粒々摩擦を生じる。このとき、二流体ノズル56のノズ
ル口から中空主軸41内に噴出する霧は、中空主軸41
の周面に設けた通気孔45を経て摩擦精白転子44内中
空部に流入し、噴風溝43から精白室46内に噴き出さ
れ、再び麦粒に添加することになる(麦重量に対して
0.5%の水分添加)。これにより、麦粒の表面は加湿
されて摩擦力が増大し、表面に残留又は付着する表皮が
一掃されるとともに研磨作用を生じる。除去された糠
(麩)は、噴風溝43からの噴風により除糠精白筒40
から漏出し、集糠ファン55によってバッグィルタから
貯留タンク(図示せず)へ搬送される。
【0028】摩擦式精麦機21の排出口48から吐出す
る麦粒(精白粒)は、次に、調質装置4Bのテンパリン
グタンク133に投入されるのであるが、前記精麦装置
1を通過することにより36〜44℃に温度上昇した麦
粒は、そのままテンパリングタンク133内に1〜数時
間貯留されて、ほぼ前記穀温を保持する(熱調質)。こ
れにより、麦粒内胚乳部のグルテンの性質が変化し、製
パン製が悪いとされる軟質小麦の抗張力を増加するとと
もに伸展性を減少させて製パン性が向上する。
【0029】一定時間、調質装置4Bにおいて熱調質さ
れた後、高温を保持したままの麦粒は、洗麦装置2の供
給樋102に供給される。洗麦装置102においては、
モータ125を起動させると、スクリュー119及び内
筒106が同時に同方向へ回転を開始する。回転数は、
例えば内筒106が毎分1600回転で、スクリュー1
19が毎分1720回転とする。供給樋102には図外
のホッパーなどから投入された精白麦粒が流下するとと
もに、水管109から水を供給する。加水量は精白麦重
量に対して5〜10%程度が適当であり、本実施例にお
いては8%(水分72kg)を供給する。
【0030】なお、精麦装置1へ供給される麦粒は、加
水装置7で3%、摩擦式精麦機21で0.5%それぞれ
加水されるが、精麦装置1での搗精により加水された水
分は、ほとんど糠に吸収されて排出されるので、洗麦装
置2へ供給される麦粒(精白粒)の水分は11.5%程
度(乾物795kg、水分103kg)となる。
【0031】このような条件の下で本装置の運転を開始
すると、供給樋102内を落下する精白麦粒は、供給シ
ュート107を流下する間に水と接触し、そのまま内筒
106内の浸漬部113へ流れ込む。内筒106は毎分
1600回転しているので、水を精白麦とは遠心力によ
って内筒106の内周壁に沿って広がる。一方、スクリ
ュー119は毎分1720回転であるので、スクリュー
119が毎分120回転で精白麦粒と水とを移送するこ
とになる。このため、水中に浸漬された精白麦粒は、緩
やかに撹拌されながら約3〜5秒で浸漬部113を通過
することになり、この間に、精白された麦粒表面から給
水が行なわれるとともに精白麦粒の縦溝内に入り込んだ
麩粉が吸水して前記溝内から流れ出やすい状態になり、
同時に穀温が強制的に低下する。したがって、浸漬部1
13では麩粉が吸水するだけの時間があればよく、スク
リュー119の回転数を変えることにより、浸漬部11
3の通過時間は適宜設定可能である。
【0032】浸漬部113を通過した精白麦及び洗浄済
みの水は、次に、水切り部112を1〜2秒で通過する
間に、遠心力により水が多孔壁111から吹き飛ばさ
れ、この水と共に、麦粒縦溝内への吸水により除去され
やすくなった麩粉や小麦粒表面に残留する麩粉が強制的
に吹き飛ばされる。こうして、麩粉が全て除去されて水
切りされた水分15.4%(乾物795kg、水分14
5kg)の精白麦、つまり、洗麦された精白麦は、排出
樋103内を落下して排出される。他方、麩粉の溶け込
んだ廃水は、排水室115内に吹き飛ばされた後、排水
樋117を経て排出される。
【0033】なお、本実施例における摩擦式精麦機21
による加水精麦と精麦装置2による洗麦とは、ともに少
量の水を麦粒に加水する点では類似しているが、その作
用は大きく異なる。つまり、加水精麦における加水は、
麦粒表皮の剥離を容易にするとことが目的であり、洗麦
における加水は、精麦によって麦粒の縦溝部に入り込ん
だ麩粉を洗浄して除去すると同時に精麦後の麦粒の水分
を、挽砕に適した高水分(例えば15〜17%)に加水
保持すること並びに調質装置4Bにおいて比較的高温に
保持された麦粒温度を強制的に下げることが目的であ
る。また、加水精麦は分銅の加圧手段により精白室を高
圧状態とし、麦粒どうしの粒々摩擦により精麦するもの
であり、洗麦は麦粒が浸漬部を非加圧又は低圧状態で移
送されるとき水洗いするものである。
【0034】洗麦機2を通過した麦粒は、撹拌装置3と
しての上送用スクリューコンベア77の供給口79へ送
り込まれる。洗麦により水分を添加された精麦粒の表面
は、グルテン及びでんぷんの作用によってべとついた状
態になるが、一定時間スクリュー83による撹拌作用を
受けるので麦粒どうしが固着することなく上送される。
そして、撹拌されながら上送する間に、麦粒内部への水
分の浸透を助長する。なお、洗麦装置2において、ヒー
ター132を起動させて温水による洗麦を行うことによ
り、効果的な洗浄及び加水となる。
【0035】こうして、上送用スクリューコンベア77
の上端に至った精麦粒は、排出口80から横送りスクリ
ューコンベア78内に送り込まれ、更に、横送りスクリ
ューコンベア78のスクリュー85及び撹拌バー85a
による撹拌作用を受けながら搬送される。そして、横送
りスクリューコンベア58の搬送終端側に至った精麦粒
のほとんどは、表面に付着した水分を吸収して乾いた状
態となり、排出口86から流出し、調質装置4Cの飛散
用羽根88によって飛散されながらテンパリングタンク
4内へ張り込まれる精麦粒は、既に固着することのない
乾いた粒子となっている。この撹拌装置2による撹拌作
用は20分程度行われる。
【0036】テンパリングタンク4内の精麦粒は、その
ままの状態で4〜6時間放置して調質を行い、麦の粒子
全体を均一の水分分布状態となして製粉性を向上させ
る。こうして、調質装置4Cでの調質を終えた麦粒は、
ロターリーバルブ89,89の回転によって受樋90内
に流出し、排出94スクリューコンベア91及びバケッ
トエレベーター92によって横送りスクリューコンベア
96に送られた後、挽砕装置5の調整タンク93内に投
入される。前記横送りスクリューコンベア96内を通過
する精麦粒は、再び撹拌・流動されながら麦粒間への水
分の均一浸透及びほぐし作用が行われる。そして、挽砕
装置5の1番ブレーキロール機94において最初の挽砕
が行われる0.5〜2.5時間前に、再び水分添加ノズ
ル95による霧状の水分添加を受ける。
【0037】挽砕装置5におけるその後の具体的な作用
は省略するが、各種のブレーキロール機で逐次、段階的
に原料小麦を挽き割って粗粒としての胚乳部を取り出す
とともに各種シフターによって分級し、更に、ピュリフ
ァイヤーによって精選・純化して上がり粉を抽出する。
【0038】なお、本実施例においては、加水装置7で
の加水量を麦重量に対して3%、洗麦装置2での加水量
を麦粒重量に対して8%としているが、加水量はこれに
限られず種々に組み合わせることが可能である。また、
精麦装置1の形態は研削・研削、摩擦というように種々
に組み合わせてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、含水
率にばらつきのある原料小麦を、加水により15〜18
%水分とし、加水後4時間放置することによって麦粒内
部まで水分を均一に浸透させるとともに、原料小麦間の
水分むらをなくした後精麦するので、精麦による穀温上
昇によって胚乳部のグルテンが変化し、小麦粉生地の抗
張力を増加させるとともに伸展性を減少させ、軟質麦の
製パン製を向上させることができる。
【0040】また、精麦に伴って穀温が上昇した精白麦
を、グルテンの変化に適した36乃至44℃に一定時間
保持し、その後強制冷却するので、グルテンの性質の変
化が効果的に行われ、不必要に変質することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略正面図である。
【図2】図1における精麦装置の一実施例を示す、一部
破断の拡大正面図である。
【図3】図1における洗麦装置の一実施例を示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 精麦装置 2 洗麦装置 3 撹拌装置 4 調質装置 5 挽砕装置 6 精選装置 7 加水装置 8 水分測定装置 10 精選機 11 石抜機 12 円筒トラフ 13 スクリューコンベア 14 シャワーノズル 15 ヒータ 16 電磁弁 17 水タンク 20 研削式精麦機 21 摩擦式精麦機 22 除糠精白筒 23 主軸 24 研削精白転子 25 精白室 26 供給口 27 排出口 28 供給ホッパー 29 分銅 30 押圧蓋 31 送穀転子 32 集糠室 33 集糠ホッパ 34 集糠ダクト 35 揚穀機 36 供給ホッパ 37 切換弁 38 循環路 40 除糠精白筒 41 中空主軸 42 撹拌突起 43 噴風溝 44 摩擦精白転子 45 通気孔 46 精白室 47 供給口 48 排出口 49 分銅 50 押圧蓋 51 送穀転子 52 集糠室 53 集糠ホッパ 54 集糠ダクト 55 集糠ファン 56 二流体ノズル 57 エア管 58 エアフィルタ 59 空気圧縮機 60 電磁弁 61 流量計 62 流量調節弁 63 水タンク 64 送水管 77 上送用スクリューコンベア 78 横送りスクリューコンベア 79 供給口 80 排出口 81 供給口 82 トラフ 83 スクリュー 84 トラフ 85 スクリュー 86 排出口 87 供給口 88 飛散用羽根 89 ロータリーバルブ 90 受樋 91 排出用スクリューコンベア 92 バケットエレベータ 93 調整タンク 94 1番ブレーキロール機 95 水分添加ノズル 96 横送りスクリューコンベア 101 機枠 102 供給樋 103 排出樋 104 軸受 105 軸受 106 内筒 107 シュート 108 給米路 109 水管 110 排米路 111 多孔壁 112 水切り部 113 浸漬部 114 隔壁 115 排水室 116 排水口 117 排水樋 118 スクリュー羽根 119 スクリュー 120 軸受 121 ブッシュ 122 スクリュー軸 123 受動プーリ 124 受動プーリ 125 モータ 126 モータプーリ 127 モータプーリ 128 Vベルト 129 Vベルト 130 電磁弁 131 水タンク 132 ヒータ 133 テンパリングタンク 150 水抜孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精選された小麦の外皮物質を剥離除去
    後、該精白麦を挽砕ふるい分けして小麦粉を生産する方
    法であって、精選された原料小麦の加水後の含水率が1
    5乃至18%となる重量の水分を添加し、水分添加され
    た原料小麦を該原料小麦の内層胚乳部に水分を浸透させ
    るために少なくとも4時間放置し、その後、該小麦の外
    皮物質を剥離除去する精麦作用を加えたあと該精白麦を
    挽砕ふるい分けすることを特徴とする小麦粉の生産方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の小麦粉の生産方法であっ
    て、精麦作用を加えた後の精白麦の穀温を36乃至44
    ℃の範囲に調整する小麦粉の生産方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の小麦粉の生産方法であっ
    て、精麦作用により上昇した精白麦の穀温を一定時間保
    持し、その後、強制冷却する小麦粉の生産方法。
JP20062392A 1992-07-02 1992-07-02 小麦粉の生産方法 Expired - Fee Related JP3180929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20062392A JP3180929B2 (ja) 1992-07-02 1992-07-02 小麦粉の生産方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20062392A JP3180929B2 (ja) 1992-07-02 1992-07-02 小麦粉の生産方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06154625A true JPH06154625A (ja) 1994-06-03
JP3180929B2 JP3180929B2 (ja) 2001-07-03

Family

ID=16427461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20062392A Expired - Fee Related JP3180929B2 (ja) 1992-07-02 1992-07-02 小麦粉の生産方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3180929B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102527460A (zh) * 2011-12-31 2012-07-04 镇江丹玉食品有限公司 一种小麦粉清洁生产工艺
CN104258928A (zh) * 2014-09-05 2015-01-07 冠县瑞祥生物科技开发有限公司 高活性谷朊粉的生产工艺
CN106423398A (zh) * 2016-11-29 2017-02-22 新疆德天利农业发展有限责任公司 一种小麦粉低温加工方法及其采用的系统装置和应用
CN114570465A (zh) * 2022-05-06 2022-06-03 潍坊颖逸食品有限公司 一种玉米淀粉生产的脱水破碎系统

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102527460A (zh) * 2011-12-31 2012-07-04 镇江丹玉食品有限公司 一种小麦粉清洁生产工艺
CN104258928A (zh) * 2014-09-05 2015-01-07 冠县瑞祥生物科技开发有限公司 高活性谷朊粉的生产工艺
CN106423398A (zh) * 2016-11-29 2017-02-22 新疆德天利农业发展有限责任公司 一种小麦粉低温加工方法及其采用的系统装置和应用
CN114570465A (zh) * 2022-05-06 2022-06-03 潍坊颖逸食品有限公司 一种玉米淀粉生产的脱水破碎系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3180929B2 (ja) 2001-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3506441B2 (ja) 精麦製粉装置
KR900006494B1 (ko) 소맥 제분방법
RU1837965C (ru) Способ отделени отруб нистой оболочки от пшеничных зерен и устройство дл его осуществлени
JP3435988B2 (ja) 精麦製粉方法
EP0346872B2 (en) Process of and system for flouring wheat
JP3308539B2 (ja) 穀物の研磨および穀物の製粉用前処理を行う方法および装置
EP0810031B1 (en) Pretreatment process in flour milling method
ZA200504132B (en) Method and installation for cleaning cereal
JP2788050B2 (ja) 製粉方法及びその装置
JP3180929B2 (ja) 小麦粉の生産方法
JP3180934B2 (ja) 小麦粉の生産方法
US3981234A (en) Apparatus for the preparation of a soybean beverage base
JPH0686943A (ja) 製粉方法及び装置
US5145117A (en) Process of and system for flouring wheat
JPH07114974B2 (ja) 麦の製粉装置
JPH02237650A (ja) 製粉方法
CZ200040A3 (cs) Způsob mletí zrnin a zařízení k provádění tohoto způsobu
JPH02172541A (ja) 精麦粒のテンパリング方法およびその装置
MXPA01002693A (en) Method of and apparatus for manufacturing no-bran cereal

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080420

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees