JPH05194571A - 新規抗生物質nk374186a、nk374186b、nk374186b3及びnk374186c3、その製造法及びその用途 - Google Patents
新規抗生物質nk374186a、nk374186b、nk374186b3及びnk374186c3、その製造法及びその用途Info
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- JPH05194571A JPH05194571A JP4180566A JP18056692A JPH05194571A JP H05194571 A JPH05194571 A JP H05194571A JP 4180566 A JP4180566 A JP 4180566A JP 18056692 A JP18056692 A JP 18056692A JP H05194571 A JPH05194571 A JP H05194571A
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Abstract
(57)【要約】
【目 的】抗菌、抗腫瘍活性、免疫調節活性及び肝再生
促進活性を有する新規抗生物質NK374186A、N
K374186B、NK374186B3及びNK37
4186C3を提供する。 【構 成】NK374186A、NK374186B、
NK374186B3及びNK374186C3はペニ
シリウムsp NK374186株(微工研菌寄第12
285号)の培養によって得られ、NK374186A
は示性式C34H61N3 O12S、分子量M+ 735(FD
−MS m/z)を持ち、NK374186Bを示性式
C31H61N3 O9 、分子量M+ 655(FD−MS m
/z)を持ち、NK374186B3は示性式C34H61
N3 O9 、分子量M+ 655(FD−MS m/z)を
持ち、NK374186C3は、示性式C32H59N3 O
7 、分子量M+ 597(FD−MS m/z)を持つ化
合物である。
促進活性を有する新規抗生物質NK374186A、N
K374186B、NK374186B3及びNK37
4186C3を提供する。 【構 成】NK374186A、NK374186B、
NK374186B3及びNK374186C3はペニ
シリウムsp NK374186株(微工研菌寄第12
285号)の培養によって得られ、NK374186A
は示性式C34H61N3 O12S、分子量M+ 735(FD
−MS m/z)を持ち、NK374186Bを示性式
C31H61N3 O9 、分子量M+ 655(FD−MS m
/z)を持ち、NK374186B3は示性式C34H61
N3 O9 、分子量M+ 655(FD−MS m/z)を
持ち、NK374186C3は、示性式C32H59N3 O
7 、分子量M+ 597(FD−MS m/z)を持つ化
合物である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規抗生物質NK374
186A、NK374186B、NK374186B3
あるいはNK374186C3の製造法及びその用途に
関する。本発明の化合物は、抗菌活性、細胞増殖抑制作
用、リンパ球幼若化反応促進作用、移植片対宿主反応促
進作用及び肝再生促進作用を有し、抗菌剤、悪性腫瘍に
対する化学療法剤、免疫調節剤あるいは肝疾患治療薬な
どとして使用される薬理活性物質として期待される。
186A、NK374186B、NK374186B3
あるいはNK374186C3の製造法及びその用途に
関する。本発明の化合物は、抗菌活性、細胞増殖抑制作
用、リンパ球幼若化反応促進作用、移植片対宿主反応促
進作用及び肝再生促進作用を有し、抗菌剤、悪性腫瘍に
対する化学療法剤、免疫調節剤あるいは肝疾患治療薬な
どとして使用される薬理活性物質として期待される。
【0002】
【従来の技術】従来、抗癌剤としてはアドリアマイシ
ン、ブレオマイシン、シスプラチン、エトポシド等が知
られている。
ン、ブレオマイシン、シスプラチン、エトポシド等が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらは毒性
が強く、満足すべきものでない。一方、既存の免疫調節
剤、肝疾患治療薬もその効果は満足すべきものでない。
これらの用途に適する新規化合物の発明が待たれてい
る。
が強く、満足すべきものでない。一方、既存の免疫調節
剤、肝疾患治療薬もその効果は満足すべきものでない。
これらの用途に適する新規化合物の発明が待たれてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは微
生物の代謝産物について、種々検索した結果、糸状菌に
属する一菌株が哺乳動物細胞に対する弱い増殖抑制作用
等を有する抗生物質NK374186A、NK3741
86B、NK374186B3及びNK374186C
3を産生する事を見い出した。
生物の代謝産物について、種々検索した結果、糸状菌に
属する一菌株が哺乳動物細胞に対する弱い増殖抑制作用
等を有する抗生物質NK374186A、NK3741
86B、NK374186B3及びNK374186C
3を産生する事を見い出した。
【0005】本発明は、上記知見に基づいて完成された
ものである。上記新規物質NK374186A、NK3
74186B、NK374186B3及びNK3741
86C3は、ペニシリウム属に属するNK374186
A、NK374186B、NK374186B3及びN
K374186C3生産菌を培養し、生成蓄積せしめ、
この培養物より抗生物質NK374186A、NK37
4186B、NK374186B3及びNK37418
6C3を採取する事により得られる。
ものである。上記新規物質NK374186A、NK3
74186B、NK374186B3及びNK3741
86C3は、ペニシリウム属に属するNK374186
A、NK374186B、NK374186B3及びN
K374186C3生産菌を培養し、生成蓄積せしめ、
この培養物より抗生物質NK374186A、NK37
4186B、NK374186B3及びNK37418
6C3を採取する事により得られる。
【0006】NK374186A、B、B3及びC3の
生産菌の代表的なものとして平成元年4月、新潟県弥彦
の雑木林の土壌より分離したNK374186株(微工
研菌寄第12285号、FERMP−12285、以下
NK374186株と略す)(微工研条寄第3870
号)があげられる。
生産菌の代表的なものとして平成元年4月、新潟県弥彦
の雑木林の土壌より分離したNK374186株(微工
研菌寄第12285号、FERMP−12285、以下
NK374186株と略す)(微工研条寄第3870
号)があげられる。
【0007】以下にNK374186株の菌学的性状を
示す。麦芽エキス寒天培地上(27℃)の生育は良く、
10日間で、集落の径は、54.3mmに達する。集落
の表面は、気生菌糸が着生する。培養日数に従い、中央
部より黄→ピンク→灰緑色と変化していく。裏面は、う
す黄から→黄→ピンク→赤と変化する。
示す。麦芽エキス寒天培地上(27℃)の生育は良く、
10日間で、集落の径は、54.3mmに達する。集落
の表面は、気生菌糸が着生する。培養日数に従い、中央
部より黄→ピンク→灰緑色と変化していく。裏面は、う
す黄から→黄→ピンク→赤と変化する。
【0008】バレイショ・ブドウ糖寒天培地(27℃)
の生育も良く、10日間で53.0mmに達する。色調
の変化は、麦芽エキス培地と似ている。
の生育も良く、10日間で53.0mmに達する。色調
の変化は、麦芽エキス培地と似ている。
【0009】ツアペック寒天培地上(27℃)の生育は
悪く、10日間で22.3mmに達する。培養にともな
い裏表とも中央部が、ピンクから赤と変化するが、上記
2培地と異なり、表面は灰緑色に変化しない。YpSs
寒天培地上(27℃)の生育は良く、10日間で43.
6mmに達する。
悪く、10日間で22.3mmに達する。培養にともな
い裏表とも中央部が、ピンクから赤と変化するが、上記
2培地と異なり、表面は灰緑色に変化しない。YpSs
寒天培地上(27℃)の生育は良く、10日間で43.
6mmに達する。
【0010】本菌はYpSs寒天培地上で楕円形ないし
亜球形(約2μm)で粗面なる分生子が連鎖状に、多数
形成する。フィアライドはペン先状にとがり、約1.5
μm×8μmで数本(3〜5本)が輪生体をなす。メト
レは約2μm×8μmで数本(4〜8本)が群生する。
また、生育温度は10℃〜37℃で至適温度は、28℃
前後である。生育pHは2〜11で生育し、至適pHは
4〜8である。
亜球形(約2μm)で粗面なる分生子が連鎖状に、多数
形成する。フィアライドはペン先状にとがり、約1.5
μm×8μmで数本(3〜5本)が輪生体をなす。メト
レは約2μm×8μmで数本(4〜8本)が群生する。
また、生育温度は10℃〜37℃で至適温度は、28℃
前後である。生育pHは2〜11で生育し、至適pHは
4〜8である。
【0011】以上の菌学的性質より本菌は、Genus P
enicillium & It's Teleomor-phic States ;E
upenicillium & Talaromyces(1979年 Acade
micPress, John I.Pitt 著)に従い、真正菌類、
不完全菌亜門、不完全糸状菌綱、フィアロ型中のペニシ
リウム属に属する一菌株である事が明らかになり本菌株
Penicillium sp.NK374186株と命名した。
enicillium & It's Teleomor-phic States ;E
upenicillium & Talaromyces(1979年 Acade
micPress, John I.Pitt 著)に従い、真正菌類、
不完全菌亜門、不完全糸状菌綱、フィアロ型中のペニシ
リウム属に属する一菌株である事が明らかになり本菌株
Penicillium sp.NK374186株と命名した。
【0012】本発明に用いるペニシリウム属に属する菌
株は他のペニシリウム属の菌株と同様、その性状が変化
しやすく、例えば紫外線、エックス線および薬品などを
用いる人工的な変異手段で容易に変異しうるものであ
り、どの様な変異株であっても本発明の対象とする生理
活性物質NK374186A、NK374186B、N
K374186B3又は(および)NK374186C
3(以下これらを含めて単にNK374186とい
う。)の生産能を有するものはすべて本発明に使用する
ことができる。
株は他のペニシリウム属の菌株と同様、その性状が変化
しやすく、例えば紫外線、エックス線および薬品などを
用いる人工的な変異手段で容易に変異しうるものであ
り、どの様な変異株であっても本発明の対象とする生理
活性物質NK374186A、NK374186B、N
K374186B3又は(および)NK374186C
3(以下これらを含めて単にNK374186とい
う。)の生産能を有するものはすべて本発明に使用する
ことができる。
【0013】本発明によりNK374186を製造する
には、まず前記菌株をカビが利用し得る栄養物を含有す
る培地で好気的に培養する。栄養源としては、従来から
カビの培養に利用されている公知のものが使用でき、例
えば炭素源としてはグルコース、フラクトース、グリセ
リン、シュークロース、デキストリン、ガラクトース、
有機酸などを単独かまたは組み合わせて用いることがで
きる。
には、まず前記菌株をカビが利用し得る栄養物を含有す
る培地で好気的に培養する。栄養源としては、従来から
カビの培養に利用されている公知のものが使用でき、例
えば炭素源としてはグルコース、フラクトース、グリセ
リン、シュークロース、デキストリン、ガラクトース、
有機酸などを単独かまたは組み合わせて用いることがで
きる。
【0014】無機および有機窒素源としては塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾
燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実油カ
ス、カザミノ酸、バクトソイトン、ソリュブル・ベジタ
ブル・プロティン、オートミールなどを単独または組み
合わせて用いることができる。
ニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾
燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実油カ
ス、カザミノ酸、バクトソイトン、ソリュブル・ベジタ
ブル・プロティン、オートミールなどを単独または組み
合わせて用いることができる。
【0015】その他必要に応じて食塩、炭酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩
化マンガン、燐酸塩などの無機塩類を加えることができ
るほか有機物、例えばアミノ酸類、ビタミン類、核酸類
や無機物を適当に添加することができる。培養法として
は液体培養法、特に深部攪拌培養法が最も適している。
培養温度は15℃〜35℃、pHは中性ないし微酸性で
培養を行うことが望ましい。
ム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩
化マンガン、燐酸塩などの無機塩類を加えることができ
るほか有機物、例えばアミノ酸類、ビタミン類、核酸類
や無機物を適当に添加することができる。培養法として
は液体培養法、特に深部攪拌培養法が最も適している。
培養温度は15℃〜35℃、pHは中性ないし微酸性で
培養を行うことが望ましい。
【0016】液体培養では通常3〜5日間培養を行うと
NK374186物質が培養液中に生成蓄積される。培
養菌体中の生成量が最大に達したときに培養を停止し、
菌体と培養液をろ別し、目的物を精製単離する。菌体か
ら本物質の精製単離には一般に微生物代謝生産物をその
培養菌体から単離するために、用いられる分離精製の方
法が利用される。
NK374186物質が培養液中に生成蓄積される。培
養菌体中の生成量が最大に達したときに培養を停止し、
菌体と培養液をろ別し、目的物を精製単離する。菌体か
ら本物質の精製単離には一般に微生物代謝生産物をその
培養菌体から単離するために、用いられる分離精製の方
法が利用される。
【0017】即ち、培養液は通常のろ過法でろ液と菌体
部に分離する。菌体部をメタノールで抽出後、得られた
抽出液に等量の水を加え、次いでHP−20吸着樹脂に
吸着させる。洗浄後60%アセトン、及びメタノールで
溶出し、画分1及び2を得る。
部に分離する。菌体部をメタノールで抽出後、得られた
抽出液に等量の水を加え、次いでHP−20吸着樹脂に
吸着させる。洗浄後60%アセトン、及びメタノールで
溶出し、画分1及び2を得る。
【0018】画分1は濃縮乾固後、後記実施例に示すよ
うにして、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、LH
−20カラムクロマトグラフィーに、順次かけ活性画分
を集め、減圧濃縮すると無色のNK374186A物質
を得る。
うにして、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、LH
−20カラムクロマトグラフィーに、順次かけ活性画分
を集め、減圧濃縮すると無色のNK374186A物質
を得る。
【0019】また、画分2は、濃縮乾固後、後記実施例
に示すようにして、シリカゲルクロマトグラフィーにか
け、3つの活性画分として2a、2b、2cを得る。画
分2a、及び2bからはLH−20クロマトグラフィー
により、無色のNK374186B及びNK37418
6B3を、それぞれ得る事ができる。画分2cからは、
シリカゲルクロマトグラフィー、LH−20カラムクロ
マトグラフィーに、順次かける事により、NK3741
86C3を得る事ができる。
に示すようにして、シリカゲルクロマトグラフィーにか
け、3つの活性画分として2a、2b、2cを得る。画
分2a、及び2bからはLH−20クロマトグラフィー
により、無色のNK374186B及びNK37418
6B3を、それぞれ得る事ができる。画分2cからは、
シリカゲルクロマトグラフィー、LH−20カラムクロ
マトグラフィーに、順次かける事により、NK3741
86C3を得る事ができる。
【0020】上記のようにして得られた抗生物質NK3
74186A、NK374186B、NK374186
B3及びNK374186C3又はその塩の理化学的性
質を下記に示す。 a) NK374186A 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 735) 3) 示性式;C34H61N3 O12S 4) 溶解性;低級アルコール、クロロホルム、酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層(メルク社Art. 5715) クロマト
グラフィーによるRf値;クロロホルム:メタノール
(20:1)の展開溶媒で0.12を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図1に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図2に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図3に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図4に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
74186A、NK374186B、NK374186
B3及びNK374186C3又はその塩の理化学的性
質を下記に示す。 a) NK374186A 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 735) 3) 示性式;C34H61N3 O12S 4) 溶解性;低級アルコール、クロロホルム、酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層(メルク社Art. 5715) クロマト
グラフィーによるRf値;クロロホルム:メタノール
(20:1)の展開溶媒で0.12を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図1に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図2に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図3に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図4に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
【0021】b) NK374186B 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 655) 3) 示性式;C34H61N3 O9 4) 溶解性;低級アルコール、クロロホルム、酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層(メルク社Art. 5715) クロマト
グラフィーによるRf値;クロロホルム:メタノール
(20:1)の展開溶媒で0.35を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図5に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図6に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図7に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図8に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
チルに可溶 5) シリカゲル薄層(メルク社Art. 5715) クロマト
グラフィーによるRf値;クロロホルム:メタノール
(20:1)の展開溶媒で0.35を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図5に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図6に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図7に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図8に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
【0022】c) NK374186B3 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 655) 3) 示性式;C34H61N3 O9 4) 溶解性;低級アルコール、クロロホルム、酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.49を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図9に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図10に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図11に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図12に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.49を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図9に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図10に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図11に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図12に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
【0023】d) NK374186C3 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 597) 3) 示性式;C32H59N3 O7 4) 溶解性;低級アルコール、クロロホルム、酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.33を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図13に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;図14に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図15に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図16に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.33を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図13に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;図14に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図15に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図16に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性
【0024】本発明のNK374186は後記の如く、
抗菌剤、制癌剤、免疫調節剤、及び肝疾患治療薬などの
医薬品として期待されるものである。医薬品として使用
する場合の製剤化および投与方法は従来公知の種々の方
法が適用できる。すなわち、投与方法としては注射、経
口、直腸投与なとが可能である。製剤形態としては注射
剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、坐剤などの形態がとり得
る。
抗菌剤、制癌剤、免疫調節剤、及び肝疾患治療薬などの
医薬品として期待されるものである。医薬品として使用
する場合の製剤化および投与方法は従来公知の種々の方
法が適用できる。すなわち、投与方法としては注射、経
口、直腸投与なとが可能である。製剤形態としては注射
剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、坐剤などの形態がとり得
る。
【0025】製剤化の際にNK374186に悪影響を
与えない限り、医薬用に用いられる種々の補助剤、すな
わち、担体やその他の助剤、例えば安定剤、防腐剤、無
痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用されうる。製剤に
おいて、NK374186の含量は製剤形態等により広
範囲に変えることが可能であり、一般にはNK3741
86を0.01〜100%(重量)、好ましくは0.1
〜70%(重量)含有し、残りは通常医薬用に使用され
る担体その他の補助剤からなる。
与えない限り、医薬用に用いられる種々の補助剤、すな
わち、担体やその他の助剤、例えば安定剤、防腐剤、無
痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用されうる。製剤に
おいて、NK374186の含量は製剤形態等により広
範囲に変えることが可能であり、一般にはNK3741
86を0.01〜100%(重量)、好ましくは0.1
〜70%(重量)含有し、残りは通常医薬用に使用され
る担体その他の補助剤からなる。
【0026】NK374186の投与量は症状等により
異なるが、成人1人1日当り0.01〜800mg程度で
ある。連投を必要とする場合には1日当り使用量をおさ
えることが好ましい。
異なるが、成人1人1日当り0.01〜800mg程度で
ある。連投を必要とする場合には1日当り使用量をおさ
えることが好ましい。
【0027】
1. 抗菌活性 抗菌及び抗真菌活性は寒天希釈法により最少生育阻止濃
度(MIC)で示した。抗菌試験では、薬剤を含むミュ
ーラーヒントン培地に、菌を塗布後37℃で一夜培養
し、菌の生育を観察した。抗真菌試験では、ツァペック
培地を用い、27℃で2〜3日培養後、菌の生育を観察
した。結果を表1に示した。
度(MIC)で示した。抗菌試験では、薬剤を含むミュ
ーラーヒントン培地に、菌を塗布後37℃で一夜培養
し、菌の生育を観察した。抗真菌試験では、ツァペック
培地を用い、27℃で2〜3日培養後、菌の生育を観察
した。結果を表1に示した。
【0028】 表1 NK374186A,B,B3及びC3の抗菌活性 ──────────────────────────────────── MIC(μg/ml) Organisms ────────────────── A B B3 C3 ──────────────────────────────────── Staphylococcus aureus FDA 209P >100 3.13 6.25 3.13 acillus subtilis ATCC 6633 >100 >100 12.5 >100 Bacillus subtilis IAM 1072 >100 6.25 not tested Bacillus megaterium ATCC 14945 >100 6.25 6.25 3.13 Micrococcus flavus ATCC 10240 12.5 3.13 3.13 3.13 Mycobacterium luteus ATCC 9341 25.0 >100 >100 >100 Escherichia coli NIHJ >100 >100 >100 >100 Escherichia coli K-12 >100 >100 >100 >100 Mucor javanicus IFO 4569 >100 >100 >100 >100 Aspergillus niger IFO 4407 >100 >100 >100 >100 Rhizopus hanguchao IFO 4749 >100 >100 >100 >100 Botrytis fabae IFO 6183 >100 >100 >100 >100 Trycophyton mentagrophytes IFO 5466 >100 >100 >100 >100 Candida albicans IFO 1385 >100 >100 >100 >100 Penicillium chrysogenum IFO 8645 >100 >100 >100 >100 ────────────────────────────────────
【0029】この表から、明らかな様に、本発明のNK
374186Aはミクロコッカス、マイコバクテリウム
に対し、抗菌活性を有する。また、本発明のNK374
186B、B3及びC3はバチルス、スタフィロコッカ
ス及びミクロコッカスに強い抗菌活性を有する。
374186Aはミクロコッカス、マイコバクテリウム
に対し、抗菌活性を有する。また、本発明のNK374
186B、B3及びC3はバチルス、スタフィロコッカ
ス及びミクロコッカスに強い抗菌活性を有する。
【0030】2.細胞増殖抑制活性 10%牛胎児血清を添加したRPMI1640培地を用
いて、細胞を37℃、5%CO2 下で培養した。各細胞
を96穴プレートに播種し、1日間前培養した後、薬剤
を添加した。薬剤処理は2日行い、増殖抑制はMTT法
により評価した。以下に、ヒト肝癌由来の癌細胞Li−
7株、ヒト卵巣癌由来の細胞A2780株及びA278
0株より得られたアドリアマイシン耐性株2780AD
株に対するNK374186の細胞増殖抑制活性を表2
に示す。
いて、細胞を37℃、5%CO2 下で培養した。各細胞
を96穴プレートに播種し、1日間前培養した後、薬剤
を添加した。薬剤処理は2日行い、増殖抑制はMTT法
により評価した。以下に、ヒト肝癌由来の癌細胞Li−
7株、ヒト卵巣癌由来の細胞A2780株及びA278
0株より得られたアドリアマイシン耐性株2780AD
株に対するNK374186の細胞増殖抑制活性を表2
に示す。
【0031】 表2 NK374186の細胞増殖抑制活性 ────────────────────────── 化合物 IC50[μg/ml] Li−7 A2780 2780AD ────────────────────────── A 40 27 59 B 7.0 6.6 33 B3 3.3 1.3 4.3 C3 13 12 14 ──────────────────────────
【0032】この表から、明らかな様に、本発明のNK
374186A、B、B3及びC3は、各細胞株に対
し、細胞増殖抑制活性を有する。
374186A、B、B3及びC3は、各細胞株に対
し、細胞増殖抑制活性を有する。
【0033】3.NK374186のリンパ球幼若化反
応における免疫調節活性 培養には20%牛胎児血清、25mM Hepes buffer
、100μg/mlのストレプトマイシン及び100単
位/mlのペニシリンGを添加したRPMI1640培地
を用いた。培養は96穴の平底マイクロプレート(CO
STAR)で行った。マイトジェンは、リポポリサッカ
ライド(LPS)とコンカナバリンA(Con A)をそ
れぞれ最終濃度100、5μg/mlで用いた。
応における免疫調節活性 培養には20%牛胎児血清、25mM Hepes buffer
、100μg/mlのストレプトマイシン及び100単
位/mlのペニシリンGを添加したRPMI1640培地
を用いた。培養は96穴の平底マイクロプレート(CO
STAR)で行った。マイトジェンは、リポポリサッカ
ライド(LPS)とコンカナバリンA(Con A)をそ
れぞれ最終濃度100、5μg/mlで用いた。
【0034】脾臓細胞は、BALB/cマウス(雌性、
>20周齢)から脾臓を取り出し単細胞浮遊液を造り、
ハイパーショック(hyper shock)で赤血球を除去し、L
PS用にはこれをそのまま用いて調整し、Con A用に
はT細胞分離用NYlon Fiber(和光純薬)を通して調
整した。各ウエルに2×105 個の脾細胞と、それぞれ
の希釈濃度の被験化合物を加え総量0.2mlとし、これ
を72時間培養した。培養終了の8時間前にウエル当た
り37KBqの〔 3H〕−チミジンを添加し、その細胞
内への取り込み量を測定した。効果の判定は、それぞれ
の被験化合物添加群の対照に対する〔 3H〕−チミジン
の取り込み量の比率によった(日本免疫学会編、免疫実
験操作法、第2267〜2276頁)NK374186
のマウスのリンパ球幼若化に対する作用を表3に示し
た。
>20周齢)から脾臓を取り出し単細胞浮遊液を造り、
ハイパーショック(hyper shock)で赤血球を除去し、L
PS用にはこれをそのまま用いて調整し、Con A用に
はT細胞分離用NYlon Fiber(和光純薬)を通して調
整した。各ウエルに2×105 個の脾細胞と、それぞれ
の希釈濃度の被験化合物を加え総量0.2mlとし、これ
を72時間培養した。培養終了の8時間前にウエル当た
り37KBqの〔 3H〕−チミジンを添加し、その細胞
内への取り込み量を測定した。効果の判定は、それぞれ
の被験化合物添加群の対照に対する〔 3H〕−チミジン
の取り込み量の比率によった(日本免疫学会編、免疫実
験操作法、第2267〜2276頁)NK374186
のマウスのリンパ球幼若化に対する作用を表3に示し
た。
【0035】 表3 LPS及びConAによるマウスリンパ球幼若化反応におけるNK3741 86の作用 ─────────────────────────────── 濃 度 作用指数(%) サンプル (μg/ml) LPS Con A ─────────────────────────────── コントロール 100 100 NK374186A 0.1 129.3 115.0 1 107.8 117.1 10 45.3 46.7 100 0.7 1.2 NK374186B 0.1 156.3 133.7 1 156.3 168.8 10 94.7 111.6 100 0.8 31.5 ───────────────────────────────
【0036】NK374186A及びBは、LPS、C
on Aによるリンパ球の幼若化反応を低濃度で、促進
し、また10μg/ml以上では、強く抑制した。
on Aによるリンパ球の幼若化反応を低濃度で、促進
し、また10μg/ml以上では、強く抑制した。
【0037】4.NK374186の移植片対宿主反応
(GVH)における免疫調節作用 Ford ら(W.L.Ford etal.,Handbook of Exper
imental Immunolo-gy30(D.M.Weir, ed.) ;B
lackwell Sirentific Publications,1978,p.
l.)の脾臓重量測定法に従った。供与者として、C5
7BL/6マウス(8週令、雄性)から分離した脾細胞
5×106 個を雑種第1代受容者であるBDFマウス
(7週令、雄性)の腹腔内に移入した。同時にNK37
4186、対照薬剤(いずれも0.25%アラビアゴム
に溶解)、又は、溶媒コントロール(0.25%アラビ
アゴム)を背部皮下に注射した。更に、翌日、翌々日
に、同様の投与を行ない、移入後7日目に脾臓重量を測
定した。この結果を表4に示した。
(GVH)における免疫調節作用 Ford ら(W.L.Ford etal.,Handbook of Exper
imental Immunolo-gy30(D.M.Weir, ed.) ;B
lackwell Sirentific Publications,1978,p.
l.)の脾臓重量測定法に従った。供与者として、C5
7BL/6マウス(8週令、雄性)から分離した脾細胞
5×106 個を雑種第1代受容者であるBDFマウス
(7週令、雄性)の腹腔内に移入した。同時にNK37
4186、対照薬剤(いずれも0.25%アラビアゴム
に溶解)、又は、溶媒コントロール(0.25%アラビ
アゴム)を背部皮下に注射した。更に、翌日、翌々日
に、同様の投与を行ない、移入後7日目に脾臓重量を測
定した。この結果を表4に示した。
【0038】 表4 NK374186の移植片対宿主反応に作する効果 ────────────────────────────────── 投与量 脾臓の重さ/体重 インデックス サンプル [mg/kg] (×10-3) ±標準偏差 ────────────────────────────────── 無処置 4.73±0.87 1.00 処 置 8.03±2.77 1.70 0.25%アラビアゴム 6.28±2.04 1.33 NK374186A 0.5 7.68±2.57 1.63 〃 5 9.67±2.27 2.05* 〃 50 10.66±3.14 2.26* NK374186B 0.5 8.24±1.54 1.74 〃 5 11.32±3.61 2.40* 〃 50 12.63±3.37 2.67** ────────────────────────────────── これより明らかな様に、NK374186Aあるい
は、NK374186B投与群において、脾臓の重さ/
体重の値は、用量依存的に上昇し、有意にGVH反応を
増強した。
は、NK374186B投与群において、脾臓の重さ/
体重の値は、用量依存的に上昇し、有意にGVH反応を
増強した。
【0040】5.NK374186のマウス肝再生に対
する促進作用 6週令ICRマウス(雄性)をエーテル麻酔下で、Hig
gins & Anders-onの方法(G.M.Higgins et a
l. Arch. Pathol. 12,186〜202(19
31))により、右横隔葉、左横隔葉を切除し、70%
の肝切除を行った。閉腹の際、腹腔内に、100mg/kg
の投与量となるのNK374186AおよびBを投与し
た。溶媒コントロールとして、3.5%DMSO+6.
5%、Tween80+90%生理食塩水を同様に投与し
た。手術後3日目に再生した肝臓を摘出し、その重量を
測定した。その結果から、以下の式により肝再生率を算
出した。
する促進作用 6週令ICRマウス(雄性)をエーテル麻酔下で、Hig
gins & Anders-onの方法(G.M.Higgins et a
l. Arch. Pathol. 12,186〜202(19
31))により、右横隔葉、左横隔葉を切除し、70%
の肝切除を行った。閉腹の際、腹腔内に、100mg/kg
の投与量となるのNK374186AおよびBを投与し
た。溶媒コントロールとして、3.5%DMSO+6.
5%、Tween80+90%生理食塩水を同様に投与し
た。手術後3日目に再生した肝臓を摘出し、その重量を
測定した。その結果から、以下の式により肝再生率を算
出した。
【0041】 この結果を表5に示す。
【0042】 表5 NK374186の肝再生に対する作用 ─────────────────────────────── 化 合 物 投与量 肝再生率(%)±標準偏差 ─────────────────────────────── 溶媒コントロール 38.1±2.3 NK374186A 100mg/kg 51.9±1.3 ───────────────────────────────
【0043】これから、明らかな様に、NK37418
6Aには、肝再生を促進する作用を持つと思われる。
6Aには、肝再生を促進する作用を持つと思われる。
【0044】6.毒 性 CDF−1マウス(8週令、雄性)を用い、NK374
186A及びBを100mg/kgで、1日1回10日間、
腹腔内へ連続投与した。薬剤は3.5%DMSO+6.
5%Tween80+90%生理食塩水に溶解して用いた。
この結果、両薬剤ともマウスの死亡は認められず、又薬
剤を投与したマウスの臨床症状及び、体重変化も溶媒対
照群のそれらと差は認められなかった。これらより、N
K374186A及びBの毒性が低い事が判明した。
186A及びBを100mg/kgで、1日1回10日間、
腹腔内へ連続投与した。薬剤は3.5%DMSO+6.
5%Tween80+90%生理食塩水に溶解して用いた。
この結果、両薬剤ともマウスの死亡は認められず、又薬
剤を投与したマウスの臨床症状及び、体重変化も溶媒対
照群のそれらと差は認められなかった。これらより、N
K374186A及びBの毒性が低い事が判明した。
【0045】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように本発明の
NK374186A、NK374186B、NK374
186B3及びNK374186C3は新規抗菌剤とし
て、新規制癌剤として、新規免疫調節剤として、また新
規肝疾患治療薬として期待できる。以下本発明の実施例
を示すが、これは単なる1例示であって何等本発明を限
定するものではなく、種々の変法が可能である。
NK374186A、NK374186B、NK374
186B3及びNK374186C3は新規抗菌剤とし
て、新規制癌剤として、新規免疫調節剤として、また新
規肝疾患治療薬として期待できる。以下本発明の実施例
を示すが、これは単なる1例示であって何等本発明を限
定するものではなく、種々の変法が可能である。
【0046】
実施例1. (1)発 酵 下記の組成を有する種培養培地を500ml容の三角フラ
スコに100mlを分注し、120℃、20分間オートク
レーブ滅菌した。これにNK374186株(微工研菌
寄12285号)の一白金耳を接種し、27℃、200
回転/分の条件下で2日間培養しこれを一次の種母とし
た。
スコに100mlを分注し、120℃、20分間オートク
レーブ滅菌した。これにNK374186株(微工研菌
寄12285号)の一白金耳を接種し、27℃、200
回転/分の条件下で2日間培養しこれを一次の種母とし
た。
【0047】
【0048】二次の種母培養は、30リットルジャーフ
ァーメンターに、一次と同じ組成を有する培地20リッ
トルを仕込み滅菌した後、前記の方法で得られた一次の
種母200mlを無菌的に移植し、25℃で毎分20リッ
トルの空気を通気し、毎分250回転で攪拌しながら、
3日間培養を行い、二次の種母とした。
ァーメンターに、一次と同じ組成を有する培地20リッ
トルを仕込み滅菌した後、前記の方法で得られた一次の
種母200mlを無菌的に移植し、25℃で毎分20リッ
トルの空気を通気し、毎分250回転で攪拌しながら、
3日間培養を行い、二次の種母とした。
【0049】本培養は200リットルジャーファーメン
ターに種培養培地のグリセリン濃度を1.0%に変えた
組成を有する生産培地150リットルを仕込み滅菌した
後、前記方法で得られた二次の種母2リットルを無菌的
に移植し25℃で毎分150リットルの空気を通気し、
毎分250回転で攪拌しながら4日間培養を行った。2
00リットルジャーファーメンター4基より得られた培
養液から、フィルタープレスを使用してろ過を行い、ろ
液と菌体を分離した。
ターに種培養培地のグリセリン濃度を1.0%に変えた
組成を有する生産培地150リットルを仕込み滅菌した
後、前記方法で得られた二次の種母2リットルを無菌的
に移植し25℃で毎分150リットルの空気を通気し、
毎分250回転で攪拌しながら4日間培養を行った。2
00リットルジャーファーメンター4基より得られた培
養液から、フィルタープレスを使用してろ過を行い、ろ
液と菌体を分離した。
【0050】(2) 精 製 得られた菌体にメタノール200リットルを加え、攪拌
抽出を3時間行った後吸引ろ過で菌体と抽出液を分離し
た。得られた抽出液に等量の水を加えた。この液を10
リットルのHP−20カラムに通し、50%メタノール
で洗浄した後、60%アセトン20リットルで溶出し、
画分1を得、次いで100%メタノール30リットルで
溶出し、画分2を得た。
抽出を3時間行った後吸引ろ過で菌体と抽出液を分離し
た。得られた抽出液に等量の水を加えた。この液を10
リットルのHP−20カラムに通し、50%メタノール
で洗浄した後、60%アセトン20リットルで溶出し、
画分1を得、次いで100%メタノール30リットルで
溶出し、画分2を得た。
【0051】画分1を4リットルになるまで減圧濃縮
し、pH=5.0に調整した後、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を減圧濃縮乾固し、得られた乾固物41gを
酢酸エチルで溶解後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにかけ、酢酸エチルクロロホムル:メタノール(5
0:1)、クロロホルム:メタノール(10:1)で、
順次溶出し、活性画分1aを得た。
し、pH=5.0に調整した後、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を減圧濃縮乾固し、得られた乾固物41gを
酢酸エチルで溶解後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにかけ、酢酸エチルクロロホムル:メタノール(5
0:1)、クロロホルム:メタノール(10:1)で、
順次溶出し、活性画分1aを得た。
【0052】これを再度、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにかけ、酢酸エチル:メタノール(10:1)
で溶出し、活性画分1bを得た。1bをメタノールで展
開するLH−20カラムクロマトグラフィーにかけ、N
K374186A800mgが得られた。
ラフィーにかけ、酢酸エチル:メタノール(10:1)
で溶出し、活性画分1bを得た。1bをメタノールで展
開するLH−20カラムクロマトグラフィーにかけ、N
K374186A800mgが得られた。
【0053】一方、画分2を減圧濃縮し、28gの乾固
物を得た。これをクロロホルム溶解後、シリカゲルクロ
マトグラフィーにかけ、クロロホルム、クロロホルムメ
タノール(100:1)、クロロホルム:メタノール
(20:1)で、順次溶出し、活性画分2a、2b、2
cを得た。活性画分2a、2bは、各々、メタノールで
展開するLH−20カラムクロマトグラフィーにかけ、
それぞれからNK374186Bを2.0g、NK37
4186B3を1.0gを得た。画分2cは、クロロホ
ルム;メタノール(100:1)、次いでクロロホル
ム;メタノール(20:1)で展開するシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにかけた。得られた活性画分をL
H−20カラムクロマトグラフィーにかけ、NK374
186C3430mgを得た。
物を得た。これをクロロホルム溶解後、シリカゲルクロ
マトグラフィーにかけ、クロロホルム、クロロホルムメ
タノール(100:1)、クロロホルム:メタノール
(20:1)で、順次溶出し、活性画分2a、2b、2
cを得た。活性画分2a、2bは、各々、メタノールで
展開するLH−20カラムクロマトグラフィーにかけ、
それぞれからNK374186Bを2.0g、NK37
4186B3を1.0gを得た。画分2cは、クロロホ
ルム;メタノール(100:1)、次いでクロロホル
ム;メタノール(20:1)で展開するシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにかけた。得られた活性画分をL
H−20カラムクロマトグラフィーにかけ、NK374
186C3430mgを得た。
【0054】
【図1】NK374186Aの紫外部吸収スペクトル。
【図2】NK374186Aの臭化カリウム錠剤で測定
した赤外部吸収スペクトル。
した赤外部吸収スペクトル。
【図3】NK374186Aの重ジメチルスルホキシド
中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
【図4】NK374186Aの重ジメチルスルホキシド
中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
【0055】
【図5】NK374186Bの紫外部吸収スペクトル。
【図6】NK374186Bの臭化カリウム錠剤で測定
した赤外部吸収スペクトル。
した赤外部吸収スペクトル。
【図7】NK374186Bの重ジメチルスルホキシド
中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
【図8】NK374186Bの重ジメチルスルホキシド
中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
【0056】
【図9】NK374186B3の紫外部吸収スペクト
ル。
ル。
【図10】NK374186B3の臭化カリウム錠剤で
測定した赤外部吸収スペクトル。
測定した赤外部吸収スペクトル。
【図11】NK374186B3の重ジメチルスルホキ
シド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
シド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
【図12】NK374186B3の重ジメチルスルホキ
シド中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
シド中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
【0057】
【図13】NK374186C3の紫外部吸収スペクト
ル。
ル。
【図14】NK374186C3の臭化カリウム錠剤で
測定した赤外部吸収スペクトル。
測定した赤外部吸収スペクトル。
【図15】NK374186C3の重ジメチルスルホキ
シド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
シド中で測定した水素核磁気共鳴スペクトル。
【図16】NK374186C3の重ジメチルスルホキ
シド中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
シド中で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:80) (72)発明者 斎藤 清一 千葉県柏市松葉町4−7−2−407
Claims (4)
- 【請求項1】下記の理化学的性質を示す抗生物質NK3
74186A、NK374186B、NK374186
B3及びNK374186C3又はその塩 a) NK374186A 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 735) 3) 示性式;C34H61N3 O12S 4) 溶解性:低級アルコール、クロロホルム、酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.12を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図1に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図2に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図3に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図4に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素−トリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性 b) NK374186B 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 655) 3) 示性式;C34H61N3 O9 4) 溶解性:低級アルコール クロロホルム 酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.35を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図5に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図6に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図7に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図8に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性 c) NK374186B3 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 655) 3) 示性式;C34H61N3 O9 4) 溶解性:低級アルコール クロロホルム 酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.49を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図9に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定
したスペクトルを図10に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図11に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図12に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、塩素ートリ
ジン反応に陽性、ニンヒドリンに陰性 d) NK374186C3 1) 外観;無色粉末 2) 分子量;FD−MS m/z (M+ 597) 3) 示性式;C32H59N3 O7 4) 溶解性:低級アルコール、クロロホルム、酢酸エ
チルに可溶 5) シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値;クロロホルム:メタノール(20:1)の展開溶媒
で0.33を示す。 6) 紫外部吸収スペクトル;図13に示す。 7) 赤外部吸収スペクトル;図14に示す。 8) 水素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図15に示す。 9) 炭素核磁気共鳴スペクトル;重DMSO中で測定
したスペクトルを図16に示す。 10) 呈色反応;リンモリブデン酸−硫酸、ライドンス
ミスに陽性、ニンヒドリンに陰性 - 【請求項2】ペニシリウム属に属し、抗生物質NK37
4186A、NK374186B、NK374186B
3及びNK374186C3を生産する能力を有する微
生物を、培地に培養し、培養物中に抗生物質NK374
186A、NK374186B、NK374186B3
及びNK374186C3を生成蓄積せしめ、これを採
取する事を特徴とする抗生物質NK374186A、N
K374186B、NK374186B3及びNK37
4186C3の製造法。 - 【請求項3】抗生物質NK374186A、NK374
186B、NK374186B3あるいはNK3741
86C3を、有効成分とする抗腫瘍剤、抗菌剤、免疫調
節剤、あるいは肝疾患治療薬。 - 【請求項4】ペニシリウム sp NK374186株
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4180566A JPH05194571A (ja) | 1991-07-10 | 1992-06-16 | 新規抗生物質nk374186a、nk374186b、nk374186b3及びnk374186c3、その製造法及びその用途 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19512391 | 1991-07-10 | ||
JP3-195123 | 1991-07-10 | ||
JP4180566A JPH05194571A (ja) | 1991-07-10 | 1992-06-16 | 新規抗生物質nk374186a、nk374186b、nk374186b3及びnk374186c3、その製造法及びその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05194571A true JPH05194571A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=26500045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4180566A Pending JPH05194571A (ja) | 1991-07-10 | 1992-06-16 | 新規抗生物質nk374186a、nk374186b、nk374186b3及びnk374186c3、その製造法及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05194571A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1995026978A1 (fr) * | 1994-03-31 | 1995-10-12 | Mercian Corporation | Peptide cyclique et procede d'obtention de ce peptide |
WO1996025428A1 (en) * | 1995-02-15 | 1996-08-22 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Novel nk374186 analogues or pharmacologically acceptable salts thereof |
-
1992
- 1992-06-16 JP JP4180566A patent/JPH05194571A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1995026978A1 (fr) * | 1994-03-31 | 1995-10-12 | Mercian Corporation | Peptide cyclique et procede d'obtention de ce peptide |
WO1996025428A1 (en) * | 1995-02-15 | 1996-08-22 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Novel nk374186 analogues or pharmacologically acceptable salts thereof |
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