JPH11106344A - 新規生理活性物質nf06307、その製造法及びその用途 - Google Patents

新規生理活性物質nf06307、その製造法及びその用途

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JPH11106344A
JPH11106344A JP28110397A JP28110397A JPH11106344A JP H11106344 A JPH11106344 A JP H11106344A JP 28110397 A JP28110397 A JP 28110397A JP 28110397 A JP28110397 A JP 28110397A JP H11106344 A JPH11106344 A JP H11106344A
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physiologically active
aspergillus
spectrum
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JP28110397A
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English (en)
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Takaaki Nishigori
隆昭 錦織
Shinji Fujita
真司 藤田
Mineko Kurotaki
美音子 黒滝
Koichi Tsuchiya
耕一 土屋
Noriyuki Yamashita
法幸 山下
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制癌剤として有用な新規生理活性物質を提供す
ること。 【解決手段】アスペルギルス(Aspergillu
s)属に属し、生理活性物質NF06307を生産する
能力を有する微生物を培地に培養し、培養液中に生理活
性物質NF06307を生成蓄積せしめ、これを採取す
ることにより生理活性物質NF06307を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規生理活性物質
NF06307またはその薬学的に許容しうる塩、その
製造法、それを有効成分とする医薬並びに制癌剤、及び
その生産菌に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、制癌剤としてはアドリアマイシ
ン、アクチノマイシンなどが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、使用されている
制癌剤は効力、毒性などの点で不十分であり、また耐性
などの問題もあり、新しい制癌剤が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
微生物の代謝産物について、種々検索した結果、アスペ
ルギルス属に属する一菌株が制癌作用を有する新規生理
活性物質NF06307を産生する事を見い出した。す
なわち、本発明は次の(1)〜(7)に関する。
【0005】(1)下記式(I)で表される新規生理活
性物質NF06307またはその薬学的に許容しうる塩
【0006】
【化2】
【0007】(2)下記の理化学的性質を示す生理活性
物質NF06307またはその薬学的に許容しうる塩
【0008】1)外観;白色粉末 2)分子量;548 3)分子式;C2646NO9 P 4)溶解性;低級アルコールに可溶、ヘキサン、石油エ
ーテル、水に不溶。 5)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値;
n−ブタノール:メタノール:水(4:1:1v/v)
の展開溶媒で0.43を示す。 6)紫外部吸収スペクトル;メタノール中で測定したス
ペクトルを図1に示す。 7)赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを図2に示す。 8)水素核磁気共鳴スペクトル;重メタノール中で測定
したスペクトル(400MHz)を図3に示す。 9)炭素核磁気共鳴スペクトル;重メタノール中で測定
したスペクトル(100MHz)を図4に示す。そし
て、化学シフト値を以下に示す。 δ(ppm) 167.5(s)、 144.5(d)、132.0
(d)、131.5(d)、 125.9(d)、 7
5.8(d)、77.2(dd)、 73.8(d)、
72.5(d)、62.9(td)、 59.4
(d)、 59.2(dd)、41.7(td)、 3
7.2(t)、 36.2(t)、33.9(t)、
33.2(t)、 33.2(t)、32.8
(t)、 30.2(t)、 30.2(t)、2
9.8(t)、 29.6(t)、 28.8
(t)、26.6(t)、 26.4(t)、 2
0.3(t). 10)呈色反応;バニリン−硫酸、ヨウ素に陽性。 (3)アスペルギルス(Aspergillus)属に
属し、生理活性物質NF06307を生産する能力を有
する微生物を培地に培養し、培養物中に生理活性物質N
F06307を生成蓄積せしめ、これを採取する事を特
徴とする生理活性物質NF06307またはその薬学的
に許容しうる塩の製造法。 (4)生理活性物質NF06307またはその薬学的に
許容しうる塩を有効成分とする医薬。 (5)生理活性物質NF06307またはその薬学的に
許容しうる塩を有効成分として含有する制癌剤。
【0009】(6)アスペルギルス(Aspergil
lus)属に属し、生理活性物質NF06307を生産
する能力を有する微生物。 (7)アスペルギルス エスピー NF06307(A
spergillussp.NF06307)株(工業
技術院生命工学工業技術研究所受託番号FERM P−
16064号)及びその変異株。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における制癌活性を有する
生理活性物質NF06307生産菌はアスペルギルス
(Aspergillus)属に属し、例えば本発明者
らが分離したアスペルギルス エスピー NF0630
7(Aspergillus sp.NF06307)
株(工業技術院生命工学工業技術研究所受託番号FER
M P−16064号)は、本発明に最も有効に使用さ
れる菌株の一例であり、次の菌学的及び生理学的性質を
有する。
【0011】菌学的性質 1.各種培地での生育 各種培地上で25℃、10日間培養したときの生育状態
を表1に示す。
【0012】
【表1】 培地 形態 表面色調 裏面色調 分生子 色素産生 コロニーの径 形成 ──────────────────────────────────── MEA ビロード状 淡黄褐色 淡褐色 良好 − 68−71mm シナモン色 黄褐色 PDA ビロード状 淡黄褐色 淡黄色 良好 黄色 74−76mm シナモン色 暗黄色 CZA ビロード状 淡黄褐色 黄褐色 良好 帯黄色 30−32mm シナモン色 暗黄色 CYA ビロード状 淡黄色 黄褐色 良好 黄色 78−81mm 淡黄褐色 CMA ビロード状 淡黄色 灰黄色 良好 黄色 23−26mm 淡黄褐色 MY20 ビロード状 淡黄色 黄橙色 良好 黄色 80mm以上 橙褐色 M40Y ビロード状 淡黄色 淡黄色 良好 黄色 80mm以上 淡黄褐色 ──────────────────────────────────── MEA:麦芽エキス寒天培地、PDA:ポテトデキストロース寒天培地 CZA:ツァペック寒天培地、CYA:ツァペック酵母エキス寒天培地 CMA:コーンミール寒天培地 MY20:麦芽酵母エキス20%グルコース寒天培地 M40Y:麦芽酵母エキス40%ショ糖寒天培地
【0013】本菌株は、麦芽エキス寒天培地上での生育
は良好で、ビロード状となる。集落の表面は淡黄褐色、
シナモン色を呈する。裏面は淡褐色、黄褐色を呈する。
分生子形成は良好である。ポテトデキストロース寒天培
地上での生育は良好でビロード状の集落となる。集落の
表面は淡黄褐色、シナモン色を呈する。裏面は淡黄色、
暗黄色を呈する。培地中に黄色素を産生する。ツァペッ
ク寒天培地上での生育は制限的でビロード状の平坦な集
落となる。表面は淡黄褐色、シナモン色を呈する。裏面
は暗黄色、黄褐色となる。
【0014】2.形態的特徴 麦芽エキス寒天培地上で25℃、2週間培養した本菌株
を光学顕微鏡下で観察したときの形態的特徴を以下に記
載する。菌糸は幅1.0−12.0μm、無色、滑面、
隔壁を有する。分生子頭は、密な円筒形となり、褐色を
呈する。長さ100−175μm、直径37.5−8
7.3μmとなる。分生子柄は、基中菌糸あるいは気生
菌糸より生じ、無色、滑面、長さ80−350μm、直
径2.5−7.5μmとなる。頂のうは、分生子柄先端
に形成され、半球形、フラスコ型、上部1/2よりメト
レを生じる。直径10.0−23.8μm。メトレは、
円筒形、無色、大きさは6.0−8.0×2.0−3.
0μm。フィアリドは、アンプル形、無色、メトレより
数本輪生する。大きさは5.0−8.0×1.5−3.
0μm。分生子は、2種類形成される。1つはフィアロ
型分生子でフィアリドの先端より生じ鎖状に連なり、球
形、亜球形、滑面。大きさは2.0−3.0μm。もう
1つは、アレウロ型分生子で菌糸上より単生し、球形、
亜球形、楕円形、大きさは4.0−7.5μm。
【0015】生理学的性質 本菌株は、好気性で、麦芽エキス寒天培地において生育
至適pHは7−9である。生育至適温度は32℃付近
で、10℃では生育しない。42℃では生育する。また
高糖濃度のMY20、M40Y寒天培地上での生育も良
好なことから本菌株には条件的好濃性がある。
【0016】以上の菌学的および生理学的性質より本菌
株は、ホークスワース(D.L.Hawkswort
h)、サットン(B.C.Sutton)、エーンズワ
ース(G.C.Ainsworth)編、「エーンズワ
ース・アンド・ビスビーズ・ディクショナリー・オブ・
ザ・ファンジャイ第7版(Ainsworth and
Bisby’s Dictinary of the
Fungi, 7thed.(1983))」に従い、
真菌門、不完全菌亜門、不完全糸状菌綱、アスペルギル
ス属菌に分類されることが判明し、種レベルの検索を行
ったところ、アスペルギルス テレウス(Asperg
illus terreus)の記載とほぼ一致したの
で本菌株をアスペルギルス テレウス NF06307
(Aspergillus terreus NF06
307)と同定した。なお、該菌株は、工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託番号 FERM P−160
64号として寄託されている。
【0017】本発明に用いるアスペルギルス属に属する
菌株はアスペルギルス属の他の菌株と同様、その性状が
変化しやすく、例えば、紫外線、エックス線および薬品
などを用いる人工的な変異手段で容易に変異しうるもの
であり、どの様な変異株であっても本発明の対象とする
生理活性物質NF06307の生産能を有するものは、
すべて本発明に使用する事ができる。
【0018】本発明によりNF06307を製造するに
は、まず前記菌株を菌が利用し得る栄養物を含有する培
地で好気的に培養する。栄養源としては、従来から菌の
培養に利用されている公知のものが使用でき、例えば炭
素源としてはグルコース、フラクトース、グリセリン、
シュークロース、デキストリン、ガラクトース、有機酸
などを単独かまたは組み合わせて用いることができる。
【0019】無機および有機窒素源としては塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾
燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実油カ
ス、カザミノ酸、バクトソイトン、オートミールなどを
単独または組み合わせて用いることができる。
【0020】その他必要に応じて食塩、炭酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩
化マンガン、燐酸塩などの無機塩類を加えることができ
るほか有機物、例えばアミノ酸類、ビタミン類、核酸類
や無機物を適当に添加することができる。培養法として
は液体培養法、特に深部攪拌培養法が最も適している。
培養温度は20〜45℃、pHは微酸性ないし微アルカ
リ性で培養を行うことが望ましい。
【0021】液体培養では通常3〜5日間培養を行うと
NF06307物質が培養液中に生成蓄積される。培養
液中の生成量が最大に達したときに培養を停止し、菌体
と培養液をろ別し、菌体より目的物を精製単離する。菌
体から本物質の精製単離には一般に微生物代謝生産物を
その培養菌体から単離するために、用いられる分離精製
の方法が利用される。
【0022】即ち、培養液は通常のろ過法でろ液と菌体
部に分離する。得られた菌体部をアセトンに懸濁し、ろ
過後、アセトン抽出液を得る。そのろ液から減圧下アセ
トンを留去し水と混ざらない一般的な有機溶媒に転溶
し、減圧濃縮することによりNF06307物質を含む
油状物質を得る。
【0023】その油状物質はさらに脂溶性物質の精製に
使用される公知の方法、即ち、シリカゲルあるいはOD
S、分子篩を用いるカラムクロマトグラフィーあるいは
再結晶化法を単独に又は適時組み合わせることにより精
製する。精製に好適な例として分子篩を用い、溶出液と
してメタノールを用いるカラムクロマトグラフィー法が
あげられる。得られた活性画分についてさらに、ODS
カラムクロマトグラフィー(移動相:水−アセトニトリ
ル)を行い、NF06307を得る。
【0024】上記のようにして得られた生理活性物質N
F06307の理化学的性質を下記に示す。
【0025】1)外観;白色粉末 2)分子量;548 3)分子式;C2646NO9 P 4)溶解性;低級アルコールに可溶、ヘキサン、石油エ
ーテル、水に不溶。 5)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値;
n−ブタノール:メタノール:水(4:1:1v/v)
の展開溶媒で0.43を示す。 6)紫外部吸収スペクトル;メタノール中で測定したス
ペクトルを図1に示す。 7)赤外部吸収スペクトル;
臭化カリウム錠剤で測定したスペクトルを図2に
示す。 8)水素核磁気共鳴スペクトル;重メタノール中で測定
したスペクトル(400MHz)を図3に示す。 9)炭素核磁気共鳴スペクトル;重メタノール中で測定
したスペクトル(100MHz)を図4に示す。そし
て、化学シフト値を以下に示す。 δ(ppm) 167.5(s)、 144.5(d)、132.0
(d)、131.5(d)、 125.9(d)、 7
5.8(d)、77.2(dd)、 73.8(d)、
72.5(d)、62.9(td)、 59.4
(d)、 59.2(dd)、41.7(td)、 3
7.2(t)、 36.2(t)、33.9(t)、
33.2(t)、 33.2(t)、32.8
(t)、 30.2(t)、 30.2(t)、2
9.8(t)、 29.6(t)、 28.8
(t)、26.6(t)、 26.4(t)、 2
0.3(t). 10)呈色反応;バニリン−硫酸、ヨウ素に陽性。
【0026】NF06307の薬学的に許容し得る塩
は、公知の方法によって製造することができ、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび塩酸、硫酸など
を含む溶液で処理することによって得ることができる。
【0027】医薬品として使用する場合の製剤化および
投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。すなわ
ち、投与方法としては注射、経口、直腸投与などが可能
である。製剤形態としては注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠
剤、坐剤などの形態がとり得る。
【0028】製剤化の際にNF06307またはその塩
に悪影響を与えない限り、医薬用に用いられる種々の補
助剤、すなわち、担体やその他の助剤、例えば安定剤、
防腐剤、無痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用されう
る。製剤において、NF06307またはその塩の含量
は製剤形態等により広範囲に変えることが可能であり、
一般にはNF06307またはその塩を0.01〜10
0%(重量)、好ましくは0.1〜70%(重量)含有
し、残りは通常医薬用に使用される担体その他の補助剤
からなる。
【0029】NF06307またはその塩の投与量は症
状等により異なるが、成人1人1日当り0.01〜80
0mg程度である。連投を必要とする場合には1日当り
の使用量をおさえることが好ましい。
【0030】作用 以下に実験例を挙げて、NF06307の制癌作用につ
いて述べる。 実験例 ヒト卵巣癌細胞を2×104 個/mlの割合で96穴培
養プレートに200μl接種し、24時間培養後、被験
薬(NF06307)をジメチルスルホキシドで希釈し
たものを種々の濃度で添加した。その後、37℃、5%
CO2 インキュベータで72時間培養した。培養後、生
細胞数をMTT法により測定し、その吸光度からコント
ロールに対する増殖阻害度を求めた。結果を表2に示
す。
【0031】
【表2】 ヒト卵巣癌細胞(A2780)に対する増殖抑制作用 ────────────────────────── 試験濃度(μg/ml) 増殖抑制度(%) ────────────────────────── 100 95 33.3 91 11.1 84 3.7 56 1.2 −7 ──────────────────────────
【0032】表2に示すように、本化合物はヒト卵巣癌
細胞に対して増殖抑制作用を示した。
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これは単な
る一例であって何等本発明を限定するものではなく、種
々の変法が可能である。
【0033】製造法 ロータリー型振とう機用500ml三角フラスコにグル
コース1.0%、シュークロース2.0%、大豆粉2.
0%、燐酸2カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.
05%の培地(pH6.4)100mlを分注し、12
0℃、20分間オートクレーブ滅菌した。これにNF0
6307株(工業技術院生命工学工業研究所受託番号F
ERM P−16064号)の1白金耳を接種し、25
℃、220回転/分、の条件で2日間振とう培養し種培
養とした。引き続きロータリー型振とう機用500ml
三角フラスコにグルコース1.0%、シュークロース
2.0%、大豆粉2.0%、燐酸2カリウム0.1%、
硫酸マグネシウム0.05%の培地(pH6.4)10
0mlを分注し、120℃、20分間オートクレーブ滅
菌したフラスコに前記の種培養液1mlを移植し、25
℃、220回転/分、の条件で4日間振とう培養した。
【0034】得られた培養液(5L)を通常のろ過方法
でろ液と菌体に分離した。得られた菌体にアセトン(3
L)を加えて攪拌し、その抽出液を濾過することにより
菌体のアセトン抽出液を得た。その抽出液のアセトン留
去後、酢酸エチル、n−ブタノールで順次抽出した。そ
のn−ブタノール層の減圧濃縮物について、メタノール
で展開するトヨパールHW40(東ソー社製)カラムク
ロマトグラフィー(φ2.0×60cm)を行い、活性
画分(F.16−18)を濃縮し、濃縮乾固物(0.3
g)を得た。この濃縮乾固物をセファデックスLH−2
0(ファルマシアバイオテク社製)カラムクロマトグラ
フィー(φ2.0×70cm、移動相:メタノール)を
行い活性画分(F.12−13)を得、さらにODSカ
ラムクロマトグラフィー(φ2.0×30cm、水−ア
セトニトリル(100:0〜55:45v/v))を行
い精製することでNF06307(28.1mg)を得
た。精製したNF06307を用いて、外観、分子量、
溶解性、シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf
値、紫外部吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、 1
−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトルを測定し
た。NF06307の理化学的性質は前記した通りの値
を示した。
【0035】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の新規
生理活性物質NF06307またはその薬学的に許容で
きる塩はヒト卵巣癌細胞(A2780)に対して強い増
殖抑制活性を有し、制癌効果を示す。上記のように新規
生理活性物質NF06307またはその薬学的に許容で
きる塩は制癌作用を有しているので、制癌剤などの医薬
として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NF06307のメタノール中で測定した紫外
部吸収スペクトル
【図2】NF06307の臭化カリウム錠剤で測定した
赤外吸収スペクトル
【図3】NF06307の重メタノール中で測定した水
素核磁気共鳴スペクトル
【図4】NF06307の重メタノール中で測定した炭
素核磁気共鳴スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:66) (C12P 17/18 C12R 1:66)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)で表される新規生理活性物質
    NF06307またはその薬学的に許容しうる塩 【化1】
  2. 【請求項2】下記の理化学的性質を示す生理活性物質N
    F06307またはその薬学的に許容しうる塩 1)外観;白色粉末 2)分子量;548 3)分子式;C2646NO9 P 4)溶解性;低級アルコールに可溶、ヘキサン、石油エ
    ーテル、水に不溶。 5)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値;
    n−ブタノール:メタノール:水(4:1:1v/v)
    の展開溶媒で0.43を示す。 6)紫外部吸収スペクトル;メタノール中で測定したス
    ペクトルを図1に示す。 7)赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定し
    たスペクトルを図2に示す。 8)水素核磁気共鳴スペクトル;重メタノール中で測定
    したスペクトル(400MHz)を図3に示す。 9)炭素核磁気共鳴スペクトル;重メタノール中で測定
    したスペクトル(100MHz)を図4に示す。そし
    て、化学シフト値を以下に示す。 δ(ppm) 167.5(s)、 144.5(d)、132.0
    (d)、 131.5(d)、 125.9(d)、 75.8
    (d)、 77.2(dd)、 73.8(d)、 72.5
    (d)、 62.9(td)、 59.4(d)、 59.2(d
    d)、 41.7(td)、 37.2(t)、 36.2
    (t)、 33.9(t)、 33.2(t)、 33.2
    (t)、 32.8(t)、 30.2(t)、 30.2
    (t)、 29.8(t)、 29.6(t)、 28.8
    (t)、 26.6(t)、 26.4(t)、 20.3
    (t). 10)呈色反応;バニリン−硫酸、ヨウ素に陽性。
  3. 【請求項3】アスペルギルス(Aspergillu
    s)属に属し、生理活性物質NF06307を生産する
    能力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に生理活
    性物質NF06307を生成蓄積せしめ、これを採取す
    る事を特徴とする生理活性物質NF06307またはそ
    の薬学的に許容しうる塩の製造法。
  4. 【請求項4】新規生理活性物質NF06307またはそ
    の薬学的に許容しうる塩を有効成分とする医薬。
  5. 【請求項5】新規生理活性物質NF06307またはそ
    の薬学的に許容しうる塩を有効成分として含有する制癌
    剤。
  6. 【請求項6】アスペルギルス(Aspergillu
    s)属に属し、新規生理活性物質NF06307を生産
    する能力を有する微生物。
  7. 【請求項7】アスペルギルス エスピー NF0630
    7(Aspergillus sp.NF06307)
    株(工業技術院生命工学工業技術研究所受託番号FER
    M P−16064号)及びその変異株。
JP28110397A 1997-09-30 1997-09-30 新規生理活性物質nf06307、その製造法及びその用途 Pending JPH11106344A (ja)

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