JPH1045789A - 新規生理活性物質na16887、その製造法およびその用途 - Google Patents

新規生理活性物質na16887、その製造法およびその用途

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JPH1045789A
JPH1045789A JP8215959A JP21595996A JPH1045789A JP H1045789 A JPH1045789 A JP H1045789A JP 8215959 A JP8215959 A JP 8215959A JP 21595996 A JP21595996 A JP 21595996A JP H1045789 A JPH1045789 A JP H1045789A
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physiologically active
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novel
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JP8215959A
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Takaaki Nishigori
隆昭 錦織
Katsuhiro Suzuki
勝広 鈴木
Takashi Harada
隆 原田
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】癌細胞に対して強い増殖抑制活性を有し、また
細菌に対して生育阻害活性を有する新規生理活性物質N
A16887を提供する。 【解決手段】新規生理活性物質NA16887はアクチ
ノマジュラ エスピー(Actinomadura sp.) NA168
87株(FERM P−15400)の培養によって得
られる。NA16887は分子量1563を持つ化合物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規生理活性物質N
A16887及びそれらの塩、その製造法、それを有効
成分とする医薬、制癌剤並びに抗菌剤、およびその生産
菌に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、制癌剤としては、アドリアマイシ
ン、アクチノマイシン等が使用されている。抗菌剤とし
てはストレプトマイシン、カナマイシン等が使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、使用されている
制癌剤および抗菌剤は効力、毒性などの点で不十分であ
り、また耐性などの問題もあり、新しい制癌剤および抗
菌剤が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで発明者らは微生物
の代謝産物について種々検索した結果、アクチノマジュ
ラ属に属する一菌株が新規生理活性物質NA16887
を産生すること及び該生理活性物質が優れた制癌活性お
よび抗菌活性を有することを見出した。本発明は上記知
見に基づいて完成されたものである。即ち本発明は新規
生理活性物質NA16887及びそれらの塩に関するも
のである。更に、本発明は、アクチノマジュラ属に属し
新規生理活性物質NA16887を生産する能力を有す
る微生物を培養し、培養物中に新規生理活性物質NA1
6887を生産、蓄積せしめ、次いでこれを採取する事
を特徴とする新規生理活性物質NA16887及びそれ
らの塩の製造法に関するものである。更に、本発明は、
新規生理活性物質NA16887又はそれらの塩を有効
成分として含有する医薬に関するものである。更に、本
発明は、新規生理活性物質NA16887又はそれらの
塩を有効成分として含有する制癌剤に関するものであ
る。更に、本発明は、新規生理活性物質NA16887
又はそれらの塩を有効成分として含有する抗菌剤に関す
るものである。更に、本発明は、アクチノマジュラ属に
属し新規生理活性物質NA16887を生産する能力を
有する「NA 16887」株(生命工学工業技術研究
所受託番号FERM P−15400) 又はその変異株
に関するものである。
【0005】以下に新規生理活性物質NA16887の
理化学的性質を示す。 1)外観:無色粉末 2)融点:232〜238℃(decomp) 3)分子量:1563 4)FAB-MS:1564[M+H] + 、1562[M-H] - 5)溶解性: 可溶:クロロホルム、メタノール、アセトン、ジメチル
スルホキシド 不溶:水、ヘキサン 6)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値:ク
ロロホルム−メタノール(6:1)の展開溶媒で0.5
を示す。 7)紫外部吸収スペクトル:メタノール中で測定したス
ペクトルを図1に示す。 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを図2に示す。 10)水素核磁気共鳴スペクトル(300MHz):重水素化
ジメチルスルホキシド中で測定したスペクトルを図3に
示す。 11)炭素核磁気共鳴スペクトル(75MHz ):重水素化
ジメチルホルムアミド中で測定したスペクトルを図4に
示す。 12)アミノ酸分析:アミノ酸分析の結果、グリシン、
アラニン、バリン、イソロイシン、プロリン、セリン、
トリプトファン(1:4:1:3:1:1:1) が存在する。 13)呈色反応: 陽性:ヨウ素、ライドン−スミス試薬、ヴァン−ウルク
試薬、リンモリブデン試薬 陰性:ニンヒドリン 本発明の新規生理活性物質NA16887はアルカリま
たは酸と塩を形成していてもよく、かかる塩としては、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;カルシウム
などのアルカリ土類金属等との塩があげられる。また、
酸としては塩酸や硫酸などの鉱酸のほか、酢酸、ギ酸や
クエン酸などの有機酸との塩があげられる。
【0006】
【発明の実施の形態】上記新規生理活性物質NA168
87はアクチノマジュラ属に属するNA16887生産
菌を培養し、新規生理活性物質NA16887を生成蓄
積せしめ、この培養物より新規生理活性物質NA168
87を採取することにより得られる。新規生理活性物質
NA16887の生産菌の代表的な一例であるアクチノ
マジュラ エスピー(Actinomadura sp.)NA 168
87は次の菌学的性質を有する。
【0007】1.形態的性質 27℃で2週間培養後に観察した結果、顕微鏡下で分枝
した基中菌糸より気菌糸を形成する。その先端はループ
状あるいは、らせん状である。また、輪生枝の形成及び
遊走子も認められないが、偽胞子のうを認める。胞子表
面は平滑または粗面で、胞子は卵型で、大きさ0.6〜0.8
×1.0 〜1.2 μmである。また、5個以上の連鎖をなし
て胞子が形成される。
【0008】2.各種培地における生育 各種培地での、27℃、2週間培養後の生育状態を下記
表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】3.生理学的性質 1 生育適度範囲 : 27〜32℃ 2 硝酸塩の還元 : 陽性 3 ゼラチンの液化(単純ゼラチン培地上、20℃):
陽性 4 スタ−チの加水分解(スタ−チ・無機塩寒天培
地): 陽性 5 脱脂牛乳の凝固 : 陰性 6 脱脂牛乳のペプトン化 : 陽性 7 メラニン様色素の生成 : 陰性
【0011】4.炭素源の利用性(プリドハム・ゴドリ
−ブ寒天培地上) L−アラビノ−ス − D−キシロ−ス + D−グルコ−ス + D−フラクト−ス + シュクロ−ス + イノシト−ル + L−ラムノ−ス − ラフィノ−ス − D−マンニト−ル −
【0012】5.細胞壁中のジアミノピメリン酸 meso−ジアミノピメリン酸である。以上を要約すると、
本菌株は細胞壁がmeso−ジアミノピメリン酸であり、ま
た、メナキノンの種類は、MK-9(H4) が主である。全菌
体中の還元糖中にマジュロースを含んでいる。気中菌糸
は白色系統で、気菌糸の先端はループ及びらせん状で、
数個の胞子鎖を形成し、メラニン様色素は生産しない。
各種培地中にほとんど色素を生産しない。また、基生菌
糸の色は淡黄色あるいはうす黄茶を呈する。炭素源とし
てはD−キシロース、D−グルコ−ス、D−フラクトー
ス、シュクロース、イノシトールを利用し、L−アラビ
ノ−ス、L−ラムノース、ラフィノース、D−マンニト
ールを利用しない。
【0013】以上の性質をもとにバ−ジ−ズ・マニュア
ル・オブ・システィマティック・バクテリオロジ−(Be
rgey's Manual of Systematic Bacteriology)第4巻、
1989年及び放線菌の同定実験法(日本放線菌研究会編,
1985年)に従って検索を行った結果、上記NA 168
87株はアクチノマジュラ属に属することが判明した。
よって、本菌をアクチノマジュラ・エスピー(Actinoma
dura sp.)NA 16887と命名した。該菌株は、工
業技術院生命工学工業技術研究所によって平成8年1月
23日付で受託され、受託番号、FERM P−154
00が付与されている。
【0014】本発明に用いるアクチノマジュラ属に属す
る菌株は他のアクチノマジュラ属の菌株と同様、その性
状が変化しやすく、例えば、紫外線、エックス線および
薬品などを用いる人工的な変異手段で容易に変異しうる
ものであり、どの様な変異株であっても本発明の対象と
する生理活性物質NA16887の生産能を有するもの
は、すべて本発明に使用する事ができる。
【0015】本発明によりNA16887を製造するに
は、まず前記菌株を放線菌が利用し得る栄養物を含有す
る培地で好気的に培養する。栄養源としては、従来から
放線菌の培養に利用されている公知のものが使用でき、
例えば炭素源としてはグルコース、フラクトース、グリ
セリン、シュークロース、デキストリン、ガラクトー
ス、有機酸などを単独かまたは組み合わせて用いること
ができる。
【0016】無機および有機窒素源としては塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾
燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実油カ
ス、カザミノ酸、バクトソイトン、ソリュブル・ベジタ
ブル・プロテイン、オートミールなどを単独または組み
合わせて用いることができる。
【0017】その他必要に応じて食塩、炭酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩
化マンガン、燐酸塩などの無機塩類を加えることができ
るほか有機物、例えばアミノ酸類、ビタミン類、核酸類
や無機物を適当に添加することができる。培養法として
は液体培養法、特に深部攪拌培養法が最も適している。
培養温度は通常15℃〜37℃、好ましくは20℃〜33℃、pH
は弱酸性ないし微アルカリ性で培養を行うことが望まし
い。
【0018】液体培養では通常3〜7日間培養を行うと
NA16887物質が培養液中に生成蓄積される。培養
液中の生成量が最大に達したときに培養を停止し、ろ液
と菌体とに分離し、ろ液及び菌体より目的物を精製単離
する。ろ液及び菌体からの本物質の精製単離には一般に
微生物代謝産物を培養ろ液またはその菌体から単離する
ために、用いられる分離精製の方法が利用される。
【0019】菌体からの分離精製の方法を例に挙げると
まず培養物をろ過法によりろ液と菌体とに分離する。菌
体を有機溶媒、例えばアセトンに浸漬し活性物質を抽出
する。活性物質を含む抽出液を減圧濃縮により有機溶媒
を溜去後、適当な溶媒、たとえば酢酸エチルで活性物質
を有機溶媒層に抽出することができる。
【0020】上記の有機溶媒層を減圧濃縮し、NA16
887を含む油状物質を得る。この粗物質はさらに脂溶
性物質の精製に通常用いられる公知の方法、例えば、
1)ゲル濾過剤として商品名Sephadex LH-20(Pharmaci
a Fine Chemicals AB )または商品名Toyopearl HW-55F
(東ソー)を用い、溶出液としてメタノールまたはアセ
トン等の単一溶出やこれらの含水溶媒、あるいは酸性な
いしアルカリ性溶液を用いたゲルろ過クロマトグラフィ
ー; 2)吸着剤として商品名DIAION CHP-20 ( Mitsubishi C
hemical Industries)を用い、メタノールまたはアセト
ンの単一溶媒溶出やこれらの含水溶媒、または濃度勾配
溶出を用いた分配クロマトグラフィー; 3)吸着剤としてシリカゲルを用い各種有機溶媒の単独
またはこれらの適当な混合溶媒、さらに酢酸ないしギ酸
等の有機酸やトリエチルアミン等の有機アミンの添加さ
れた溶出溶媒を用いた吸着クロマトグラフィーによる精
製法; を単独あるいは組み合わせることにより精製する。精製
に好適な例として商品名DIAION CHP-20 を用いメタノー
ルを溶出溶媒としてクロマトグラフィーを行う。得られ
た活性画分を再び商品名DIAION CHP-20 で同じ条件でク
ロマトグラフィーを行う。得られた活性画分を商品名To
yopearl HW-55Fを用いてクロマトグラフィーを行い活性
画分を濃縮乾固してNA16887を無色粉末として得
ることができる。
【0021】本発明の新規生理活性物質NA16887
及びそれらの塩は、制癌作用および抗菌作用を有するの
で、制癌剤および抗菌剤などの医薬として使用できる。
医薬品として使用する場合の製剤化のよび投与方法は従
来公知の種々の方法が適用できる。すなわち、投与方法
として注射、経口、直腸投与などが可能である。製剤形
態としては注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、座剤などの
形態がとり得る。
【0022】製剤化の際に新規生理活性物質NA168
87及びそれらの塩に悪影響を与えない限り、医薬用に
用いられる種々の補助剤、すなわち、担体やその他の助
剤、例えば安定剤、防腐剤、無痛化剤、乳化剤が必要に
応じて使用されうる。製剤に於いて、新規生理活性物質
NA16887及びそれらの塩の含量は製剤形態等によ
り広範囲にかえることが可能であり、一般には新規生理
活性物質NA16887を0.01〜100%(重量)、好まし
くは、0.10〜70% (重量)含有し、残りは通常医薬用に
使用される担体その他補助剤からなる。
【0023】新規生理活性物質NA16887及びそれ
らの塩の投与量は症状等により異なるが、成人1人1日
当たり0.01〜800mg 程度である。連投を必要とする場合
には1日当たり使用量を抑えることが望ましい。
【0024】
【実施例】以下本発明の実施例及び試験例を示すが、こ
れは単なる一例示であって何等本発明を限定するもので
はなく、種々の変法が可能である。
【0025】(1)発酵 ロータリー型振盪機用500ml 容三角フラスコに可溶性澱
粉(関東化学社製)2.0%、グルコース0.5%、イーストエ
キストラクト0.5%、アジプロンE3(味の素社製)0.5%、
炭酸カルシウム0.2%、リン酸一水素二カリウム0.05%、
硫酸マグネシウム・7水和物0.05%、の培地(pH 7.2)
100ml を分注し、120 ℃、20分間オートクレーブ滅菌し
た。これに新規生理活性物質生産菌NA 16887株
(FERM P-15400)の1 白金耳を接種し、25℃、220 回転
/分、4日間振盪し種培養とした。
【0026】本培養はロータリー型振盪機用500ml 容三
角フラスコにグルコース1.0%、ガラクトース1.0%、コー
ンスチィープリカー1.0%、デキストリン(赤玉 No.3)
2.0%、ファーマメディア1.0%、炭酸カルシウム0.2%、硫
酸マグネシウム・7水和物0.05%、塩化コバルト・6水
和物0.0001%の培地(pH 7.0)100ml を分注し、120
℃、20分間オートクレーブ滅菌したフラスコに前記種培
養液1mlを移植し、25℃、220 回転/分の条件下で5日
振盪培養を行った。培養液を遠心ろ過し、ろ液と菌体と
に分別した。
【0027】(2)精製 新規生理活性物質NA16887の活性画分の精製は抗
腫瘍活性を指標に次の通り行った。10リットルの培養
液から得られた菌体をアセトン3リットルで2回抽出し
た。これを濃縮後、抽出液を酢酸エチル抽出を行い有機
層を水洗、無水硫酸ナトリウムで脱水処理後、濃縮し
た。粗抽出物を商品名DIAION CHP-20 に吸着しメタノー
ルで溶出を行い、活性画分を得た。活性画分を再び同じ
カラム、同じ条件で精製を行い活性画分を商品名Toyope
arl HW-55Fを用い、溶出液にメタノールを用いて精製を
行い新規生理活性物質NA16887(17.8mg)の無色
粉末を得た。尚、培養液から得られたろ液についても、
上記酢酸エチル抽出以降の操作と同様にして目的の新規
生理活性物質を得ることができる。この新規生理活性物
質NA16887について、赤外部吸収スペクトル、水
素核磁気共鳴スペクトル及び炭素核磁気共鳴スペクトル
を測定し、図1〜図4に示すスペクトルを得た。また、
この新規生理活性物質は、前記した通りの理化学的性質
を示した。
【0028】試験例1細胞増殖抑制活性の測定(ヒト卵巣癌細胞) 新規生理活性物質NA16887のヒト卵巣癌細胞(A2
780 )に対する増殖抑制活性を検討した。ヒト卵巣癌細
胞を 2×104 個/ml の割合で96穴テストプレートに 200
μl 接種し、37℃、5% CO 2 インキュベーター内で24時
間培養した後、新規生理活性物質NA16887を種々
の濃度で培養液に添加した。添加72時間後、生細胞数を
MTT 法(「癌と化学療法」(1980年)7号、P.1952〜19
58「制癌剤感受性テストSDI の改良法」斉藤和子その
他)により測定し、新規生理活性物質NA16887の
種々の濃度におけるヒト卵巣癌細胞の増殖抑制率を求め
た。結果を表2に示した。
【0029】
【表2】 ──────────────────────── 化合物 ヒト卵巣癌細胞 IC 50(μM) ──────────────────────── NA16887 0.03 ────────────────────────
【0030】試験例2細胞増殖抑制活性の測定(ヒト大腸癌細胞) 新規生理活性物質NA16887のヒト大腸癌細胞(SW
480 )に対する増殖抑制活性を検討した。ヒト大腸癌細
胞を 10.0 ×104 個/ml の割合で96穴テストプレートに
200μl接種し、37℃、5% CO 2 インキュベーター内で2
4時間培養した後、新規生理活性物質NA16887を
種々の濃度で培養液に添加した。添加72時間後、生細胞
数をMTT 法により測定し、新規生理活性物質NA168
87の種々の濃度におけるヒト大腸癌細胞の増殖抑制率
を求めた。結果を表3に示した。
【0031】
【表3】 ──────────────────────── 化合物 ヒト大腸癌細胞 IC 50(μM) ──────────────────────── NA16887 0.05 ────────────────────────
【0032】試験例3抗細菌活性の測定 新規生理活性物質NA16887の抗細菌活性をペーパ
ーディスク−寒天拡散法によって検討した。新規生理活
性物質NA16887を100 μg/mlのメタノール溶
液に調製した。この溶液に直径8mmのペーパーディスク
を浸漬し取り出した。ペーパーディスクの溶媒が風乾し
た後、予め作成しておいた被検菌の懸濁液を含む寒天培
地上にペーパーディスクを置いた。37℃、24時間イ
ンキュベート後、新規生理活性物質NA16887によ
る生育阻止円の直径を計測した。それらの結果を表4に
示した。
【0033】
【表4】 ────────────────────────── 微生物 阻止円 (mm) ────────────────────────── Bacillus subtillis IFO-3007 12 Staphylococcus aureus FAD 209 11 ──────────────────────────
【0034】
【発明の効果】これらの表2、表3および表4に示した
様に、新規生理活性物質NA16887はヒト卵巣癌細
胞(A2780 )およびヒト大腸癌細胞(SW480 )に対して
強い増殖抑制活性を有し、制癌効果を示す。また細菌
Bacillus subtillis, Staphylococcus aureus )に対
して生育阻害活性を有し、抗菌効果を示す。上記のよう
に新規生理活性物質NA16887は、制癌作用および
抗菌作用を有するので、制癌剤、抗菌剤などの医薬とし
て使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NA16887のメタノール中で測定した紫外
部吸収スペクトル
【図2】NA16887の臭化カリウム錠剤で測定した
赤外部吸収スペクトル
【図3】NA16887の重水素化ジメチルスルホキシ
ド中(300MHz)で測定した水素核磁気共鳴スペクトル
【図4】NA16887の重水素化ジメチルホルムアミ
ド中(75MHz )で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/20 C12R 1:03) (C12P 1/06 C12R 1:03)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の理化学的性質を示す新規生理活性物
    質NA16887 1)外観:無色粉末 2)融点:232〜238℃(decomp) 3)分子量:1563 4)FAB-MS:1564[M+H] + 、1562[M-H] - 5)溶解性: 可溶:クロロホルム、メタノール、アセトン、ジメチル
    スルホキシド 不溶:水、ヘキサン 6)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値:ク
    ロロホルム−メタノール(6:1)の展開溶媒で0.5
    を示す。 7)紫外部吸収スペクトル:メタノール中で測定したス
    ペクトルを図1に示す。 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
    たスペクトルを図2に示す。 10)水素核磁気共鳴スペクトル(300MHz):重水素化
    ジメチルスルホキシド中で測定したスペクトルを図3に
    示す。 11)炭素核磁気共鳴スペクトル(75MHz ):重水素化
    ジメチルホルムアミド中で測定したスペクトルを図4に
    示す。 12)アミノ酸分析:アミノ酸分析の結果、グリシン、
    アラニン、バリン、イソロイシン、プロリン、セリン、
    トリプトファン(1:4:1:3:1:1:1 )が存在する。 13)呈色反応: 陽性:ヨウ素、ライドン−スミス試薬、ヴァン−ウルク
    試薬、リンモリブデン試薬 陰性:ニンヒドリン
  2. 【請求項2】アクチノマジュラ(Actinomadura) 属に属
    し、新規生理活性物質NA16887を生産する能力を
    有する微生物を培養し、培養物中に新規生理活性物質N
    A16887を生産、蓄積せしめ、次いでこれを採取す
    る事を特徴とする新規生理活性物質NA16887及び
    その塩の製造法。
  3. 【請求項3】新規生理活性物質NA16887又はその
    塩を有効成分として含有する医薬。
  4. 【請求項4】新規生理活性物質NA16887又はその
    塩を有効成分として含有する制癌剤。
  5. 【請求項5】新規生理活性物質NA16887又はその
    塩を有効成分として含有する抗菌剤。
  6. 【請求項6】アクチノマジュラ(Actinomadura) 属に属
    し新規生理活性物質NA16887を生産する能力を有
    する「NA 16887」株(生命工学工業技術研究所
    受託番号FERM P−15400) 又はその変異株。
JP8215959A 1996-07-30 1996-07-30 新規生理活性物質na16887、その製造法およびその用途 Pending JPH1045789A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110283761A (zh) * 2019-08-01 2019-09-27 哈尔滨天齐人类第二基因组技术开发应用科技有限责任公司 一株具有强力抗癌活性的芽孢杆菌ccpm7647及其应用

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CN110283761A (zh) * 2019-08-01 2019-09-27 哈尔滨天齐人类第二基因组技术开发应用科技有限责任公司 一株具有强力抗癌活性的芽孢杆菌ccpm7647及其应用

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