JPH0764851B2 - リベロマイシンb、c、及びd、その製造法並びに抗腫瘍剤及び抗真菌剤 - Google Patents

リベロマイシンb、c、及びd、その製造法並びに抗腫瘍剤及び抗真菌剤

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JPH0764851B2
JPH0764851B2 JP4006669A JP666992A JPH0764851B2 JP H0764851 B2 JPH0764851 B2 JP H0764851B2 JP 4006669 A JP4006669 A JP 4006669A JP 666992 A JP666992 A JP 666992A JP H0764851 B2 JPH0764851 B2 JP H0764851B2
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reveromycin
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color
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裕之 長田
広雪 越野
英俊 高橋
進二 清水
誠 吉浜
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規抗生物質及びその
製造方法、並びに該抗生物質を有効成分として含む抗腫
瘍剤及び抗真菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌細胞の異常な増殖は、細胞増殖因子伝
達系の異常に由来することが多い。例えば、多くの癌細
胞では自己増殖を促進する腫瘍増殖因子アルファー(T
GF−α)を分泌することが知られている。従ってTG
F−αの作用を選択的に阻害する薬剤は制癌剤として有
用であることが期待される。従来、この様な薬剤として
エルブスタチン等が知られているが、いずれも作用が十
分ではなく、また血液中で活性を失うという点からも有
用性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】従って、本発明は癌細胞の増殖因子を阻害し、
癌細胞の増殖を制御する新規物質の提供を目的とする。
同時に、該物質を含む制癌剤を提供することを目的とす
る。本発明者らは、先にTGF−αと類似の細胞増殖因
子である上皮増殖因子(EGF)を用いてその阻害剤を
検索し、新規物質リベロマイシンA(ReveromycinA)を
見出した。そして、該抗生物質が顕著なEGF阻害作用
を示し、種々の癌細胞に対する増殖阻害活性を有するこ
と、及び該物質を含む医薬用組成物が抗真菌剤として有
用であることを明らかにし、これらの発明について特許
出願を行った(特願平2−155816号)。本発明者
はさらに研究を続けた結果、新規抗生物質としてリベロ
マイシンB、リベロマイシンC、及びリベロマイシンD
を見出し、本発明を完成した。
【0004】すなわち本発明は、該抗生物質リベロマイ
シンAの類縁体であるリベロマイシンB、リベロマイシ
ンC、及びリベロマイシンDを提供するものである。ま
た、ストレプトミセス(Streptomyces) 属に属しリベロ
マイシンB、リベロマイシンC、及びリベロマイシンD
からなる群から選ばれる抗生物質リベロマイシンを生産
する菌を培養し、その培養物から抗生物質リベロマイシ
ンB、リベロマイシンC、及び/又はリベロマイシンD
を分離採取することを特徴とする該抗生物質の製造法を
提供するものである。さらに、本発明の別の態様によれ
ば、該抗生物質を有効成分として含有する抗腫瘍剤、及
び該抗生物質を有効成分として含有する抗真菌剤が提供
される。
【0005】本発明者が先に見出した抗生物質リベロマ
イシンAは、下記の構造式で示される抗生物質であり、
以下の理化学的性質を有する。
【0006】
【化4】
【0007】(1) 性 状 :白色粉末 (2) 融 点 :95℃ (3) 分子式 :C365211 (4) 元素分析 :C:64.45%、 H:8.06%、
(C365211・1/2H2 Oとして) (5) 比旋光度 :〔α〕20 D =−115°(c=0.1、
メタノール中) (6) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中):λMEOH max
nm(ε) 238(25,300)、260(sh、12,200) (7) 赤外線吸収スペクトル(KBr) 3430、2930、1690、1640、1610、
1380、1250、1160、970cm-1 (8) 溶 解 性:ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、
メタノールに易溶、酸性水に不溶 (9) 高分解能FAB−MS:683.3496(M+N
a)+ (10)呈色反応:ヨウ素、アニスアルデヒド、BCGに陽
性、ニンヒドリン、ドラゲンドルフに陰性 本発明のリベロマイシンBは以下の構造式で示され、下
記の理化学的性質を有する。
【0008】
【化5】
【0009】(1) 性 状 :白色粉末 (2) 融 点 :78−79℃ (3) 分子式 :C365211 (4) 分子量 :660 (5) 比旋光度 :〔α〕24 D =−66°(c=0.1、メ
タノール中) (6) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中、λMeOH max
nm):239(ε28800) (7) SI−MS:m/z 683(M+Na)+ (8) 溶 解 性:ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、
メタノールに易溶、酸性水に不溶 (9) 呈色反応:ヨウ素、アニスアルデヒド、BCGに陽
性、ニンヒドリン、ドラゲンドルフに陰性 本発明のリベロマイシンCは以下の構造式で示され、下
記の理化学的性質を有する。
【0010】
【化6】
【0011】(1) 性 状 :白色粉末 (2) 融 点 :78−79℃ (3) 分子式 :C375411 (4) 分子量 :674 (5) 比旋光度 :〔α〕24 D =−90°(c=0.1、メ
タノール中) (6) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中、λMeOH max
nm):239(ε30800) (7) SI−MS:m/z 697(M+Na)+ (8) FAB−HR−MS:m/z 697.3574(計
算値:697.3564) (9) 溶 解 性:ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、
メタノールに易溶、酸性水に不溶 (10)呈色反応:ヨウ素、アニスアルデヒド、BCGに陽
性、ニンヒドリン、ドラゲンドルフに陰性 本発明のリベロマイシンDは以下の構造式で示され、下
記の理化学的性質を有する。
【0012】
【化7】
【0013】(1) 性 状 :白色粉末 (2) 融 点 :78−80℃ (3) 分子式 :C375411 (4) 分子量 :674 (5) 比旋光度 :〔α〕24 D =−112°(c=0.1、
メタノール中) (6) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中、λMeOH max
nm):238(ε30400) (7) SI−MS:m/z 697(M+Na)+ (8) FAB−HR−MS:m/z 697.3575(計
算値:697.3564) (9) 溶 解 性:ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、
メタノールに易溶、酸性水に不溶 (10)呈色反応:ヨウ素、アニスアルデヒド、BCGに陽
性、ニンヒドリン、ドラゲンドルフに陰性 上記のリベロマイシンB、リベロマイシンC、及びリベ
ロマイシンDは、群馬県倉淵村より採取された土壌から
分離されたストレプトミセスsp. SN−593(Strept
omyces sp. SN-593)を培養して得た培養物から分離精製
された。該ストレプトミセスsp. SN−593は、平成
2年6月5日付で工業技術院微生物工業技術研究所に寄
託番号微工研菌第11503号(FERM−1150
3)として寄託されており、該寄託番号は、平成3年5
月20日にブタペスト条約に基づく国際寄託番号340
6号に訂正されている。
【0014】ストレプトミセスsp. SN-593の菌学的性質
は以下の通りである。 1. 菌体を、6N塩酸を用いて110℃で18時間加水
分解した場合に、薄膜クロマトグラフィー上で、L,L
−ジアミノピメリン酸を検出したが、メソ−ジアミノピ
メリン酸は検出されなかった。寒天平板上に発育させた
場合、電子顕微鏡観察では、気菌糸は不完全な螺旋状を
呈し、胞子表面は平滑で円筒型であった。 2. 各種培地上における生育状態(27℃、20日間培
養、色調はカラーハーモニーマニュアル第4版(Contai
ner 社) による)は、以下の通りであった。
【0015】1)スターチ・イースト寒天培地 発 育 : 豊 富 気菌糸 : 豊 富 気菌糸色調: 灰(2ih) 裏面色調 : ビーバー(3li) 可溶性色素: 無 2)イーストエキス・モルトエキス寒天培地 発 育 : 豊 富 気菌糸 : 豊 富 気菌糸色調: 灰(3ih) 裏面色調 : チョコレート(5po) 可溶性色素: 無 3)オートミール寒天培地 発 育 : 豊 富 気菌糸 : 豊 富 気菌糸色調: 2ml 裏面色調 : カラシ色(2ne) 可溶性色素: 無 4)スターチ・無機塩寒天培地 発 育 : 豊 富 気菌糸 : 豊 富 気菌糸色調: 灰(3ih) 裏面色調 : くり茶(4ni) 可溶性色素: 無 5)V8ジュース寒天培地 発 育 : 普 通 気菌糸 : 少ない 気菌糸色調: 灰(3ih) 裏面色調 : 黒(2po) 可溶性色素: 無 6)蔗糖硝酸塩寒天培地 発 育 : 普 通 気菌糸 : 良 好 気菌糸色調: 黄褐色(2ge) 裏面色調 : 無色 可溶性色素: 無 7)グルコース・アスパラギン寒天培地 発 育 : 良 好 気菌糸 : 良 好 気菌糸色調: 灰(2fe) 裏面色調 : カラシ色(2ne) 可溶性色素: 無 8)グリセロール・アスパラギン寒天培地 発 育 : 普 通 気菌糸 : 普 通 気菌糸色調: ナチュラル(2dc) 裏面色調 : 黄 色(3ng) 可溶性色素: 無 9)ポテト−にんじん寒天培地 発 育 : 良 好 気菌糸 : 良 好 気菌糸色調: 灰(5fe) 裏面色調 : 無 色 可溶性色素: 無 以上の菌学的性質からSN−593株をストレプトミセ
ス属に属する菌であると同定した。
【0016】本発明のリベロマイシンB、リベロマイシ
ンC、及びリベロマイシンDは、上記菌株を栄養源含有
培地に接種し、好気的に培養することにより製造され
る。抗生物質の生産菌としては、上記菌株に限らず、ス
トレプトミセス属に属し該抗生物質を生産する能力を有
するものであれば、すべて本発明に使用できる。上記微
生物の培養方法は、原則的には一般微生物の培養法に準
ずるが、通常は液体培養による振盪培養法、通気攪拌培
養法などの好気的条件下で行なうのが好適である。
【0017】培養に用いられる培地としては、ストレプ
トミセス属に属する微生物が利用できる栄養源を含有す
る培地であればよく、各種合成培地、半合成培地、寒天
培地等のいずれの培地を使用してもよい。培地組成とし
ては、炭素源として、グルコース、シュークロース、フ
ルクトース、グリセリン、デキストリン、澱粉、糖蜜、
コーン・スティープ・リカー、有機酸、またはこれらの
任意の混合物を用いることができる。窒素源としては、
ファーマメディア、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、
大豆粉、カゼイン、アミノ酸、尿素などの有機窒素源、
硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素源を
単独で、または組み合せて用い得る。ナトリウム塩、カ
リウム塩、マグネシウム塩、リン酸塩、その他の重金属
塩などを、必要に応じて添加使用してもよい。なお、培
養中発泡の著しいときは、アデカノール(登録商標)、
シリコーンオイル等の公知の各種消泡剤を、適宜培地中
に添加することもできるが、その添加量は、目的物質の
生産に悪影響を与えない添加量である必要がある。例え
ば0.5重量%以下で添加使用することが好ましい。
【0018】培地のpHは微生物の至適pH範囲、通常中性
付近とするのが望ましい。培地温度は、微生物が良好に
生育する温度であればよく、通常2.0〜40℃、特に好
ましくは27℃付近に保つのがよい。培養時間は、液体
培養の場合、一般に1〜5日間程度、好ましくは約72
時間である。上記培養によって目的とする抗生物質リベ
ロマイシンが生成蓄積される。上述した各種の培養条件
は、使用する微生物の種類や特性、外部条件などに応じ
て適宜変更してもよく、当業者によれば、容易に最適条
件が選択、調節される。
【0019】上記培養により生産される抗生物質の単離
は、リベロマイシンB、リベロマイシンC、及びリベロ
マイシンDの蓄積が最大になる時に、発酵生産物を採取
する一般的方法に準じて行えばよい。例えば、抗生物質
リベロマイシンと不純物との溶解度差を利用する手段、
吸着親和力の差を利用する手段、分子量の差を利用する
手段のいずれによっても実施でき、それぞれの方法は単
独、または適宜組合せて、あるいは反復して使用され
る。
【0020】具体的には、リベロマイシンB、リベロマ
イシンC、及びリベロマイシンDは、培養濾液にその大
部分が存在するので、その培養濾液を、各種のゲル濾過
クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、液体ク
ロマトグラフィー等を組合せて精製すると、リベロマイ
シンB、リベロマイシンC、及びリベロマイシンDと、
その他の活性成分を含む画分が得られる。この画分を凍
結乾燥して得られた粉末を、更に高速液体クロマトグラ
フィー(例えばカプセルパックカラム)を用い、例えば
18%メタノール:0.01%アンモニアの系で展開によ
り精製すれば、リベロマイシンB、リベロマイシンC、
及びリベロマイシンDを含むそれぞれの精製白色粉末を
得ることができる。
【0021】以下に本発明の抗生物質リベロマイシン
B、リベロマイシンC、及びリベロマイシンDの製造方
法の一例を示すが、本発明の製造方法はこれらの実施例
に限定されない。
【0022】例1 グルコース2%、可溶性デンプン1%、肉エキス0.1
%、乾燥酵母0.4%、大豆粉2.5%、食塩0.2%の組成
からなる2リットルの培地に、ストレプトミセスSN−
593株を接種し、前培養液とした。この前培養液1.5
リットルを同組成の培地120リットルを含む200リ
ットル容タンクに接種し、27℃で117時間にわたり
通気攪拌培養した。この全培養液の濾液約100リット
ルを、18.5リットル容量のダイヤイオンHP20に吸
着させ、約36リットルの30%メタノールで不純物を
溶出させた後、36リットルの100%メタノールで活
性成分を溶出させた。活性成分を含むフラクションを減
圧濃縮した後、2リットルの酸性水(1N塩酸でpH5に
調整)を加え、等量の酢酸エチルで2回抽出した。酢酸
エチル層を減圧濃縮して得られた残渣を少量のクロロホ
ルム:メタノール混合液(2:1)に溶解し、2.2リッ
トル容量のシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し
た。4.5リットルのクロロホルム:メタノール混合液
(2:1)で洗浄した後、4.5リットルの100%メタ
ノールで溶出して活性画分を得た。さらに活性画分を減
圧濃縮した後、残渣を少量の20%メタノールに溶解し
て1リットル容量のセファデックスLH−20カラムに
付し、1.5リットルの20%メタノールで展開して活性
画分を回収した。活性画分を減圧濃縮した後に凍結乾燥
し、リベロマイシンA、リベロマイシンB、リベロマイ
シンC、及びリベロマイシンDを含む粗精製物約8gを
得た。
【0023】この粗精製物を高速液体クロマトグラフィ
ー(カラム:CAPCELL PAK C18, 100mmφ×500 mm、検出:
UV 240 nm) に付し、メタノール:水:1%アンモニア
水(18:81:1)の混合溶媒を用いて、流速220
ml/分で展開してリベロマイシンA、リベロマイシン
B、リベロマイシンC、及びリベロマイシンDをそれぞ
れ単一の成分として含むフラクションを回収した。各フ
ラクションを減圧濃縮し、残った水溶液を1N塩酸でpH
5に調整した後、等量の酢酸エチルで2回抽出した。酢
酸エチル層を減圧濃縮して得られた残渣を凍結乾燥し、
約3gのリベロマイシンA、約12mgのリベロマイシン
B、約80mgのリベロマイシンC、及び約14mgのリベ
ロマイシンDを得た。
【0024】例2 上記のリベロマイシンB、リベロマイシンC、及びリベ
ロマイシンDと、特願平2-155816号の明細書に記載され
た抗生物質リベロマイシンAについて、サブローデキス
トロース寒天培地を用いた寒天希釈法により、MIC
(最小発育阻止濃度)を測定した。その結果、キャンデ
ィダアルビカンス (Candida albicans)IF01594に対する
MICは、それぞれ、リベロマイシンA:250μg/m
l;リベロマイシンB:>250μg/ml;リベロマイシ
ンC:250μg/ml;及びリベロマイシンD:250μ
g/mlであった。
【0025】例3(癌細胞増殖阻害試験) 2×104 個/mlのヒト口腔癌細胞KB及びヒト白血病
細胞K562を、それぞれDMEM(5%牛胎仔血清含
有)及びRPMI1640培地(10%牛胎仔血清含
有)で24時間培養した。この培養物に、一連の希釈系
列のリベロマイシンB、リベロマイシンC、リベロマイ
シンD、及びリベロマイシンAをそれぞれ加えて72時
間培養し、MTT試薬を加えて細胞の生育を計測した。
各濃度における増殖阻害率を算出し、グラフからIC50
値を求めた。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 抗生物質リベロマイシンの細胞増殖抑制効果 50%阻害濃度(μg/ml) 化合物 ヒト口腔癌細胞KB ヒト白血病細胞K562 リベロマイシンA 1.9 1.6 リベロマイシンB >50 >50 リベロマイシンC 2.0 2.0リベロマイシンD 1.6 1.3
【0027】例4(上皮増殖因子(EGF)に反応して
生じるマウス上皮細胞のDNA合成阻害試験) 静止期のマウス上皮細胞にEGF(5ng/ml)を加え、さ
らにリベロマイシンB、リベロマイシンC、リベロマイ
シンD、及びリベロマイシンAを添加した後、17時間
目に 3Hラベルのチミジン(1μCi/ml)を培地に加え
た。5時間ラベルした細胞の酸不溶性画分の放射活性
を、液体シンチレーションカウンターで計数してDNA
合成量を測定した。尚、阻害率は次の方法により算出し
た。結果を表2に示す。
【0028】
【0029】
【表2】 化合物 50%阻害濃度(μg/ml) リベロマイシンA 2.0 リベロマイシンB 7.0 リベロマイシンC 0.8 リベロマイシンD 1.2
【0030】例5(温度感受性ガン遺伝子(srcts
でトランスフォームしたラット細胞(NRK)に対する
効果) srcts−NRK細胞を32℃で培養すると、トランス
フォームして球状の細胞が増えるが、39℃で培養する
と、球状の細胞は消失して平らに接着した細胞だけにな
る。薬剤を32℃で培養した細胞に加え、24時間後に
顕微鏡観察して球状細胞を計数した。薬効の判定は以下
の様に算出した。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】 化合物 50%阻害濃度(μg/ml) リベロマイシンA 2.0 リベロマイシンB 50 リベロマイシンC 1.0 リベロマイシンD 1.0 上記のリベロマイシンB、リベロマイシンC、及びリベ
ロマイシンDを含む医薬用組成物は、常法により錠剤、
散剤、カプセル剤、注射剤、吸入剤または外用剤等の製
剤とすることができ、経口または非経口投与により抗腫
瘍剤若しくは抗真菌剤として臨床に供される。投与量は
治療すべき症状及び投与方法により左右されるが、抗腫
瘍剤として投与する場合には成人1日あたり1mg〜1,0
00mgであり、抗真菌剤として投与する場合には成人1
日あたり10mg〜1,000mgである。尚、リベロマイシ
ンB、リベロマイシンC、及びリベロマイシンDのマウ
ス急性毒性値は、それぞれ200、100mg/kg以上
(静注)である。
【0032】
【発明の効果】以上の様に、本発明の新規抗生物質リベ
ロマイシンB、リベロマイシンC、及びリベロマイシン
Dは、抗腫瘍作用及び抗真菌作用を有するので抗腫瘍剤
及び抗真菌剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の抗生物質リベロマイシンBの紫外線
吸収スペクトル(100%メタノール中)を示す図であ
る。
【図2】 本発明の抗生物質リベロマイシンCの紫外線
吸収スペクトル(100%メタノール中)を示す図であ
る。
【図3】 本発明の抗生物質リベロマイシンDの紫外線
吸収スペクトル(100%メタノール中)を示す図であ
る。
【図4】 本発明の抗生物質リベロマイシンBの赤外線
吸収スペクトル(KBr)を示す図である。
【図5】 本発明の抗生物質リベロマイシンCの赤外線
吸収スペクトル(KBr)を示す図である。
【図6】 本発明の抗生物質リベロマイシンDの赤外線
吸収スペクトル(KBr)を示す図である。
【図7】 本発明の抗生物質リベロマイシンBの500
MHz 1H−NMRスペクトル(CD3OD中)を示す
図である。
【図8】 本発明の抗生物質リベロマイシンCの500
MHz 1H−NMRスペクトル(CD3OD中)を示す
図である。
【図9】 本発明の抗生物質リベロマイシンDの500
MHz 1H−NMRスペクトル(CD3OD中)を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465) (72)発明者 高橋 英俊 栃木県河内郡南河内町薬師寺諏訪山3304− 1 (72)発明者 清水 進二 栃木県宇都宮市宮の内4−213−9 (72)発明者 吉浜 誠 栃木県宇都宮市江曽島町1400−8

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式で示される抗生物質リベロマイ
    シンB。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記の式で示される抗生物質リベロマイ
    シンC。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記の式で示される抗生物質リベロマイ
    シンD。 【化3】
  4. 【請求項4】 ストレプトミセス属に属しリベロマイシ
    ンB、リベロマイシンC、及びリベロマイシンDからな
    る群から選ばれる抗生物質リベロマイシンを生産する菌
    を培養し、その培養物から該抗生物質を分離採取するこ
    とを特徴とする、抗生物質リベロマイシンの製造方法。
  5. 【請求項5】 抗生物質リベロマイシン生産菌が、スト
    レプトミセスsp. SN−593である請求項4記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 リベロマイシンB、リベロマイシンC、
    及び/又はリベロマイシンDを有効成分として含有する
    ことを特徴とする抗腫瘍剤。
  7. 【請求項7】 リベロマイシンB、リベロマイシンC、
    及び/又はリベロマイシンDを有効成分として含有する
    ことを特徴とする抗真菌剤。
JP4006669A 1992-01-17 1992-01-17 リベロマイシンb、c、及びd、その製造法並びに抗腫瘍剤及び抗真菌剤 Expired - Lifetime JPH0764851B2 (ja)

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WO2012029811A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 独立行政法人理化学研究所 リベロマイシンaまたはその合成中間体の製造法、スピロケタール環含有化合物の製造方法、並びに新規抗癌剤、抗真菌剤および骨疾患治療剤

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