JPH0519069U - 自動車のカウルトツプカバーのエンドラバー取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 フロントガラスの前側下端部を被覆するカウ
ルトップカバー11の、裏面側の後端部近傍に係止段部16
を形成する。この係止段部16の前端に所定の間隔で対を
なす係止リブ21を突設する。フロントガラスの下端部と
カウルトップカバー11の後端部との間の隙間を閉塞する
エンドラバー14を、係止段部16に密着して貼着する。エ
ンドラバー14の前側に突設された係止片28をカウルトッ
プカバー11に接着するとともに切欠部29を係止リブ21に
係止する。 【効果】 カウルトップカバー11に、エンドラバー14を
容易かつ確実に取付けられる。長期間にわたってシール
性を確保できる。取付品質としての外観性を良好にでき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のカウルトップカバーのエンドラバー取付構造に係り、特に 、自動車のフロントガラスの前側下端部とカウルトップカバーの後端部との間の 隙間を塞ぐエンドラバーの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来自動車においては、例えば特開平２−１７５４７３号公報に記載されてい るように、曲面形状を呈するフロントガラスの下端部を被覆するカウルトップカ バーの後端部に、フロントガラスの前側下端部とカウルトップカバーの後端部と の間の隙間を弾性的に密閉する細長形状のエンドラバーが取付けられている。

【０００３】 そして、このエンドラバーの取付構造としては、フロントガラスの前側下端部 に対応した曲面形状を呈するカウルトップカバーの後端部に平滑な貼着面を形成 し、この貼着面にエンドラバーを両面テープにより接着固定する構造が知られて いる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のように両面テープのみにより接着固定する取付構造 は、次のような問題点を有している。

【０００５】 すなわち、まずエンドラバーを接着固定する取付作業時においては、エンドラ バーは細長く伸びた軟質体であるため、このエンドラバーを曲面形状の貼着面に 正確に位置決めし、かつ弛まないように接着する作業は困難で、作業効率悪化の 原因となるとともに接着不良を生じやすい。特に、エンドラバーに引張力を加え ながら貼着するとエンドラバーが必要以上に伸び、エンドラバーの取付後の収縮 による接着部の剥がれが生じ易く、エンドラバーとカウルトップカバーとの密着 性が低下しやすい。そして、このように密着性が低下すると、雨水等が内部に侵 入し、カウルトップカバーの下方に設置された空気調和装置などに不具合が生じ やすくなるとともに、エンドラバーの浮き上がりなどにより外観性も悪化すると の問題を有している。

【０００６】 また、取付作業後においても、経時変化によりカウルトップカバーに長手方向 の伸縮が生じた際に、カウルトップカバーとエンドラバーとの熱膨脹率の差異に よって、エンドラバーおよび接着部がカウルトップカバーの伸縮力による剥離力 （せん断力）を受け、エンドラバーの浮き上がり、ずれ、外れなどが生じ易くな る。これによってもカウルトップカバーとエンドラバーとの間に隙間が生じ、密 閉性が不足して雨水等が内部に侵入するとの問題を有している。

【０００７】 本考案は、このような点に鑑みてなされたもので、カウルトップカバーにエン ドラバーを容易かつ確実に取付けることができ、作業効率を向上することができ るとともに、取付後のエンドラバーを確実に固定して、ずれ、外れなどを防止し 、長期間にわたって密着性を確保することができ、取付品質としての外観性も良 好にすることができる自動車のカウルトップカバーのエンドラバー取付構造を提 供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の自動車のカウルトップカバーのエンドラバー取付構造は、自動車のフ ロントガラス10の前側下端部を被覆し、裏面側の後端部近傍にエンドラバー取付 部16が形成され、このエンドラバー取付部16の前側に係止リブ21が突設されたカ ウルトップカバー11と、前記フロントガラス10の前側下端部と前記カウルトップ カバー11の後端部との間の隙間を閉塞し、前記フロントガラス10に密着するシー ル部23、前記エンドラバー取付部16に密着して取付けられる取付部24、およびこ の取付部24から前側方向に突設され前記係止リブ21に係止される係止片28を有す るエンドラバー14とを具備したものである。

【０００９】

【作用】 本考案では、各係止片28をガイドとして、カウルトップカバー11のエンドラバ ー取付部16にエンドラバー14の取付部24を沿わせて位置合わせした状態で、両面 テープなどを介してエンドラバー14の取付部24をカウルトップカバー11のエンド ラバー取付部16に密着して取付け、さらに係止リブ21に係止片28を係止して固定 することにより、エンドラバー14がカウルトップカバー11に容易かつ確実に位置 合わせして取付けられる。そして、カウルトップカバー11をフロントガラス10の 前側下端部に配設した状態で、シール部23がフロントガラス10に弾性変形しつつ 密着し、フロントガラス10の前側下端部とカウルトップカバー11の後端部との間 の隙間が弾性的に閉塞される。また、従来のような接着のみならず、カウルトッ プカバー11とエンドラバー14とは係止リブ21と係止片28との係合により固定され ているため、取付作業後の経時変化によって、カウルトップカバー11がエンドラ バー14と異なる率で長手方向に伸縮しても、取付後のエンドラバー14は強固に固 定され、撓み、ずれ、外れなどが防止され、長期間にわたってカウルトップカバ ー11とエンドラバー14との密着性が確保される。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例の構成を図面を参照して説明する。

【００１１】 図３において、10は自動車の前部に設けられた曲面状のフロントガラスであり 、このフロントガラス10の前側下端部は略矩形板状のカウルトップカバー11にて 覆われている。そして、このフロントガラス10の前側下端部と、このフロントガ ラス10の下端部の曲面形状に沿って形成されたカウルトップカバー11の後端部と の間の弧状の隙間は、カウルトップカバー11の後端部に取付けられたエンドラバ ー14により弾性的に密閉されている。

【００１２】 そして、図１および図２の裏面図に示すように、このカウルトップカバー11は 、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂などからなり、フロントガラス10の前側 下端部の形状に合わせて略矩形板状に形成されている。このカウルトップカバー 11の裏面側には、後端部に沿って肉薄に凹設されたエンドラバー取付部としての 係止段部16が形成されており、この係止段部16の前端側に、長手方向に所定の間 隔をおいて、係止リブ21が複数個突設形成されている。そして、各個の係止リブ 21は、線対称形状の一対の横断面略Ｌ字形状のリブ片21a ，21b からなっており 、すなわち、カウルトップカバー11の後端部に略垂直かつ互いに略平行な壁部と これらの壁部の各前端部から互いに離れる方向に形成された壁部とからなってい る。

【００１３】 また、これらの係止リブ21間の間隔寸法は、曲率の小さい中央部では大きく、 曲率の大きい両端部近傍では小さくなっている。

【００１４】 そして、このカウルトップカバー11に取付けられるエンドラバー14は、例えば 軟質ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性エラストマにて押出成形および切欠形成など により細長形状に形成されており、後端側から前端側にかけて、シール部23、取 付部24、および複数個の係止片28が一体的に形成されている。

【００１５】 そして、このシール部23は、前端側から後端側にかけて先細り形状に形成され 、カウルトップカバー11をフロントガラス10の前側下端部に配設した状態でフロ ントガラス10に押圧されて弾性変形し、フロントガラス10に密着するようになっ ている。

【００１６】 また、取付部24は、表面側の段部25を介してシール部23に連続し、シール部23 の前端部より肉薄の細長略矩形板状に形成されており、カウルトップカバー11の 係止段部16の裏面側に両面テープなどにより密着して接着固定されるようになっ ている。

【００１７】 そして、係止片28は、取付部24よりさらに肉薄にあるいは取付部24と同厚に形 成され、カウルトップカバー11の係止リブ21の位置に対応して長手方向に所定の 間隔をおいて取付部24から前側方向に突設されている。そして、各個の係止片28 は、両側部に係止リブ21の各リブ片21a ，21b と係合する略矩形状の切欠部29， 29が形成され、全体として略Ｔ字形状に形成されている。そして、これらの係止 片28はそれぞれ対応する係止リブ21に係止され、さらに両面テープなどにより接 着して固定されている。

【００１８】 また、このエンドラバー14の裏面側は段部のない平面形状となっているが、各 係止片28を肉厚に形成して裏面側に突出させることもできる。

【００１９】 そうして、上記のカウルトップカバー11にエンドラバー14を取付けるには、ま ず、エンドラバー14の段部25および各係止片28をガイドとして、カウルトップカ バー11の係止段部16にエンドラバー14の取付部24を位置合わせして沿わせる。

【００２０】 そして、両面テープなどを介してエンドラバー14の取付部24をカウルトップカ バー11の係止段部16に押圧し、密着して接着固定する。この状態で、各係止片28 を、それぞれ対応する各係止リブ21に係止するとともに、カウルトップカバー11 に両面テープなどにより接着して固定する このように、本実施例の自動車のカウルトップカバーのエンドラバー取付構造 によれば、段部25および各係止片28をガイドとして、カウルトップカバー11の係 止段部16にエンドラバー14の取付部24を沿わせ、各係止リブ21にそれぞれ対応す る係止片28を位置合わせした状態で、両面テープなどを介してエンドラバー14の 取付部24をカウルトップカバー11の係止段部16に密着して接着固定し、さらに各 係止片28をカウルトップカバー11に接着するとともに各係止リブ21に各係止片28 を係止して固定することにより、エンドラバー14をカウルトップカバー11に容易 かつ確実に密着して取付けることができる。そこで、従来困難であったカウルト ップカバー11の位置合わせなどが容易になり、作業効率を向上させることができ るとともに、取付品質としての外観性を良好にすることができる。

【００２１】 そして、カウルトップカバー11をフロントガラス10の前側下端部に配設した状 態で、シール部23がフロントガラス10に弾性変形しつつ密着し、フロントガラス 10の前側下端部とカウルトップカバー11の後端部との間の隙間を弾性的に閉塞す ることができる。

【００２２】 また、従来のような接着のみならず、カウルトップカバー11とエンドラバー14 とは係止リブ21と係止片28との係合により固定されているため、取付作業後の経 時変化によって、カウルトップカバー11がエンドラバー14と異なる率で長手方向 に伸縮しても、取付後のエンドラバー14は強固に固定され、撓み、ずれ、外れな どが防止され、長期間にわたってカウルトップカバー11とエンドラバー14との密 着性を確保することができる。そこで、カウルトップカバー11とエンドラバー14 との熱膨脹率の差異による剥離力を阻止でき、カウルトップカバー11とエンドラ バー14とのシール性および良好な外観性を長期間にわたって確保することができ る。

【００２３】 さらに、係止リブ21および係止片28の各間隔寸法は、曲率の小さい中央部では 大きく、曲率の大きい両端部近傍では小さくなっているため、弾性力が大きい両 端部近傍でも確実にエンドラバー14をカウルトップカバー11に固定することがで きる。

【００２４】 なお、カウルトップカバー11の係止リブ21の形状は、本実施例の形状に限られ るものではなく、図４に示すように、一対の円柱形状の係止リブ31を突設するこ ともできる。

【００２５】 また、エンドラバー14の係止片28についても、両側部の切欠部を矩形状とせず に半円形状など他の形状とすることもできる。あるいは、係止片28内に円形状あ るいは矩形状などで、単数あるいは複数の孔部を穿設し、この孔部にカウルトッ プカバー11の係止リブ21を係止することによっても、位置合わせが容易になり、 エンドラバー14をカウルトップカバー11に確実に固定することができる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案によれば、係止片をガイドとして、カウルトップカバーのエンドラバー 取付部にエンドラバーの取付部を沿わせて位置合わせした状態で、両面テープな どを介してエンドラバーの取付部をカウルトップカバーのエンドラバー取付部に 密着して取付け、さらに係止リブに係止片を係止して固定することにより、エン ドラバーをカウルトップカバーに容易かつ確実に位置合わせして取付けることが できる。そこで、エンドラバー取付けの作業効率を向上させることができるとと もに、エンドラバーをカウルトップカバーに正確に取付けて雨水などの侵入を防 止し、取付品質としての外観性も良好にすることができる。

【００２７】 そして、カウルトップカバーをフロントガラスの前側下端部に配設した状態で 、シール部がフロントガラスに弾性変形しつつ密着し、フロントガラスの前側下 端部とカウルトップカバーの後端部との間の隙間を弾性的に閉塞することができ る。

【００２８】 また、従来のような接着のみならず、カウルトップカバーとエンドラバーとは 係止リブと係止片との係合により固定されているため、取付作業後の経時変化に よって、カウルトップカバーがエンドラバーと異なる率で長手方向に伸縮しても 、取付後のエンドラバーは強固に固定され、ずれ、外れなどが防止され、長期間 にわたってカウルトップカバーとエンドラバーとの密着性を確保することができ る。そこで、カウルトップカバーとエンドラバーとの熱膨脹率の差異による剥離 力を阻止でき、カウルトップカバーとエンドラバーとのシール性および良好な外 観性を長期間にわたって確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の自動車のカウルトップカバーのエンド
ラバー取付構造の一実施例を示す裏面の斜視図である。

【図２】同上一部の裏面の分解斜視図である。

【図３】自動車のフロントガラス部分の斜視図である。

【図４】本考案の他の実施例を示す裏面の斜視図であ
る。

【符号の説明】

10 フロントガラス 11 カウルトップカバー 14 エンドラバー 16 エンドラバー取付部としての係止段部 21 係止リブ 23 シール部 24 取付部 28 係止片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のフロントガラスの前側下端部を
   被覆し、裏面側の後端部近傍にエンドラバー取付部が形
   成され、このエンドラバー取付部の前側に係止リブが突
   設されたカウルトップカバーと、 前記フロントガラスの前側下端部と前記カウルトップカ
   バーの後端部との間の隙間を閉塞し、前記フロントガラ
   スに密着するシール部、前記エンドラバー取付部に密着
   して取付けられる取付部、およびこの取付部から前側方
   向に突設され前記係止リブに係止される係止片を有する
   エンドラバーとを具備したことを特徴とする自動車のカ
   ウルトップカバーのエンドラバー取付構造。